JP3467996B2 - クリップ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、シート束の端部
を綴じるクリップ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、シート束の端部を綴じる電動
ホチキスが知られているが、この電動ホチキスの替わり
に、平板状の綴部材を折り曲げてシート束の端部を綴じ
るクリップ装置が提案されている。

【０００３】かかるクリップ装置は、綴部材を折り曲げ
るクランプ手段を有する装置本体と、複数の平板状の綴
部材がテープによって帯状に連結された連結挟着体を収
納したカートリッジと、カートリッジ内に収納された連
結挟着体の先端部を送り出すスライダとを備えている。

【０００４】スライダは往復移動する毎に連結挟着体の
先端部の綴部材をクランプ手段へ送り出すものであり、
この綴部材をクランプ手段によって折り曲げてシート束
の端部を綴じるものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、連結挟着体
は、複数の平板状の綴部材がテープによって帯状に連結
したものであり、綴部材と綴部材との間の隙間にバラツ
キがある。このため、スライダが往復移動する距離Ｌを
綴部材の幅Ｌ1と隙間の幅△Ｌ1を加算した距離Ｌ1＋△
Ｌ1に設定しても、隙間の幅△Ｌ2が△Ｌ1より大きくな
っている箇所があると綴部材をクランプ手段へ確実に送
り出すことができなくなるという問題がある。また、△
Ｌ1をバラツキの最大値として設定してしまうと、スラ
イダは綴部材を送りすぎてしまう問題がある。

【０００６】また、ストッパを設けて綴部材が所定位置
まで送り出されたらスライダを停止させるようにする
と、スライダが往動する途中で停止する状態となり、ス
ライダを往復動させる駆動手段が途中でロックしてしま
う問題が生じる。

【０００７】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
もので、その目的は、綴部材を確実に所定位置へ送り出
すことができ、しかもスライダを往復動させる駆動手段
がロックしてしまうことのないクリップ装置を提供する
ことにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するため、請求項１の発明は、複数の綴部材がテー
プによって帯状に連結された連結挟着体を収納したカー
トリッジと、前記連結挟着体の先端部を往復移動するこ
とにより綴位置へ送る送出手段と、この綴位置へ送られ
てきた先端部の綴部材を折り曲げるとともにその綴部材
をテープから切り離してシート束の端部を綴る綴り手段
とを備えたクリップ装置であって、前記送出手段を往復
移動させるリンク手段と、このリンク手段を動作させる
リンク駆動手段とを備え、前記リンク手段は、前記送出
手段が往動により綴部材を綴位置へ送り出して停止した
際に、前記リンク駆動手段が送出手段を往動させるよう
に往動駆動しているとき、この往動駆動を吸収して前記
送出手段を停止状態にさせておく吸収手段を備えている
ことを特徴とする。

【０００９】請求項２の発明は、前記リンク手段は、送
出手段を往復動させる往復リンク部材と、前記リンク駆
動手段の駆動によって前記往復リンク部材を動作させる
とともに往復リンク部材に対して相対移動可能な駆動リ
ンク部材とから構成され、前記吸収手段は、往復リンク
部材と駆動リンク部材とを連結したスプリングで構成さ
れ、前記スプリングの付勢力に抗して駆動リンク部材が
往復リンク部材に対して相対移動することを特徴とす
る。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、この発明に係わるカートリ
ッジの実施の形態を図面に基づいて説明する。

【００１１】図１〜図４において、１０は例えば複写機
等に取り付けられるクリップ装置であり、このクリップ
装置１０は、装置本体１１と、この装置本体１１に着脱
自在に装着されるカートリッジ１００とから構成されて
いる。

【００１２】装置本体１１のハウジング１２には、カー
トリッジ１００に取り付けられたスライダ（送り手段）
１５０を左右に往復移動させる往復移動機構３０と、挟
着板（綴部材）１０１を折り曲げるクランプ機構５０
と、往復移動機構３０およびクランプ機構５０を駆動さ
せる駆動機構８０とが設けられている。

【００１３】［ハウジング］ハウジング１２には、図５
〜図８に示すように、カートリッジ１００を載置するテ
ーブル１３が設けられており、このテーブル１３の横に
はクランプ機構５０を設けたクランプ室１４が形成され
ている。また、ハウジング１２には、テーブル１３およ
びクランプ室１４の下方に、ギア室１５およびカム室１
６が形成されている。

【００１４】テーブル１３には、左右（図５において）
に延びた長方形のアーム孔１７と、左右に延びるととも
に幅が２段階になっているロック解除孔１８と、前後方
向に延びるとともに中間部の幅が広くなっている係止孔
１９とが設けられている。

【００１５】ロック解除孔１８の側面１８Ａには突出部
１８Ｂが形成されており、この突出部１８Ｂには下方に
行くほど突出する傾斜面１８b（図１６参照）が形成さ
れている。

【００１６】テーブル１３の下面には、保持部２０が形
成され、この保持部２０にはネジ２１が螺合されてい
る。このネジ２１には係止片２２がネジ２１に沿って移
動可能に取り付けられており、ネジ２１に取り付けたス
プリング２３によって係止片２２が右方向（図３におい
て）へ付勢されている。

【００１７】係止片２２の上部には、左側（図５におい
て）へ突出した係止部２２Ａが形成され、この係止部２
２Ａが係止孔１９へ挿入されている。そして、左右方向
（図３および図５において）における係止部２２Ａと係
止孔１９との間に所定の隙間が形成されている。

【００１８】また、テーブル１３の上面には、クランプ
室１４を形成する側壁１４Ａに沿って上下方向に延びた
ガイドレール２４が形成されている。また、テーブル１
３の上面の前側には上方に突出した支持部材２５が設け
られており、この支持部材２５には、発光ダイオード２
６Ａと受光ダイオード２６Ｂとからなるセンサ２６が設
けられている。

【００１９】このセンサ２６は、発光ダイオード２６Ａ
が発光した光を後述するカートリッジ１００の搬送路１
１３にある連結挟着体２００のテープ２０１で反射さ
せ、この反射光を受光ダイオード２６Ｂで受光させるこ
とにより挟着板１０１の有無を検知するものである（図
２参照）。テープ２０１からの反射光により挟着板１０
１の有無を検知するものであるから、確実に挟着板１０
１の有無を検知することができる。ちなみに、挟着板１
０１からの反射光で検知するようにすると、挟着板１０
１と挟着板１０１との間の隙間にセンサ２６が位置した
場合、挟着板１０１を検知することができなくなる。

【００２０】テーブル１３の前端部には前壁部Ｖが形成
され、ハウジング１２の側壁２８の前端にはシート束Ｓ
を載置するための段部２８Ａが形成されている。前壁部
Ｖの上面Ｖaと段部２８Ａと支持部材２５の上面２５aと
はシート束Ｓを載置するために面一となっている。

【００２１】外壁２８の内側には、スライダ１５０によ
って送られてきた挟着板１０１を所定位置に止めるスト
ッパ２９と、挟着板１０１が所定位置に送られてきたこ
を検知するマイクロスイッチＭ1とが設けられている。
Ｍ2は後述する駆動カム８５が初期位置（ホームポジシ
ョン）に戻ってきたか否かを検知するマイクロスイッチ
であり、このマイクロスイッチＭ2は後述するカム９０
の側部に設けた凹部９０Ａを検知することにより駆動カ
ム８５が初期位置（ホームポジション）に戻ってきたこ
とを検知するものである。

【００２２】［駆動機構］駆動機構８０は、ハウジング
１２の側壁１２Ａに取り付けられた駆動モータ８１と、
この駆動モータ８１の駆動軸８２に設けたギア８３と、
このギア８３に噛合した減速ギア８４Ａ〜８４Ｄを有す
る減速ギア列８４と、減速ギア列８４に噛合した駆動カ
ム（リンク駆動手段）８５を備えている。各ギア８３,
８４Ａ〜８４Ｄはハウジング１２のギア室１５に配置さ
れ、駆動カム８５はカム室１６に配置されている。

【００２３】駆動カム８５は、駆動モータ８１により各
ギア８３,８４Ａ〜８４Ｄを介して図９に示す矢印方向
へ回転していくものである。

【００２４】駆動カム８５の一側面８５Ａには、図９に
示すように、環状のカム溝８６が形成され、このカム溝
８６は回転軸８７の中心からの距離が小さくなっている
小径部８６Ａと、中心からの距離が一定な大径部８６Ｂ
とを有している。

【００２５】また、駆動カム８５には、駆動カム８５と
ともに回転していくカム９０が一体に設けられている。

【００２６】カム９０には、図１２に示すように、径が
最小となっている小径部Ｒ1と、径が大きくなっていく
増大部Ｒ2と、径が最大となっている大径部Ｒ3と、径が
減少していく減少部Ｒ4とが設定されている。そして、
小径部Ｒ1と、カム溝８６のホームポジション位置Ｆと
小径部８６Ａを含む部分８６Ｃ（図９参照）とが対応し
ている。

【００２７】［移動機構］移動機構（リンク手段）３０
は、図９〜図１１に示すように、ハウジング１２の保持
部１２Ｂ,１２Ｃに設けた軸Ｊに回動自在に取り付けら
れた第１リンク部材（駆動リンク部材）３１と第２リン
ク部材（往復リンク部材）３２等から構成されている。

【００２８】第１リンク部材３１は、先端部３１bがカ
ム溝８６に挿入されているアーム部３１Ａを有する軸部
３３と、この軸部３３の一端に連続形成された筒部３４
とから形成されている。そして、駆動カム９０の回転に
よりアーム部３１Ａの先端部３１bがカム溝８６によっ
て上下動することにより、第１リンク部材３１が軸３１
を中心に矢印に示すように回動する。

【００２９】第２リンク部材３２は、筒部３４内に回動
自在に嵌入された軸部３５と、この軸部３５から上方に
延びたアーム部３６とから構成されている。アーム部３
６の上部には係止突起３６Ａが形成されている。

【００３０】第１リンク部材３１の筒部３４の外側には
コイルスプリング（吸収手段）３７が装着され、コイル
スプリング３７の一端が第１リンク部材３１に設けた係
止部３４Ａに係止されており、コイルスプリング３７の
他端が第２リンク部材３２のアーム部３６に係止されて
いる。このコイルスプリング３７によって第２リンク部
材３２が第１リンク部材３１とともに回動するようにな
っており、第１リンク部材３１の回動が停止されると第
１リンク部材３１のみがスプリング３７の付勢力に抗し
て第２リンク部材３２に対して相対的に回動（相対移
動）するようになっている。

【００３１】そして、第２リンク部材３２の回動ととも
にアーム部３６が回動してスライダ１５０を図２に示す
左右方向へ往復移動させるものである。

【００３２】［クランプ機構］クランプ機構５０は、図
１２の概念図に示すように、一対のクランプ部材（綴り
手段）５１,５２と、このクランプ部材５１,５２を挟み
込んだクランプ回動部材５３と、クランプ回動部材５３
に取り付けられ駆動カム９０の周面に当接した軸６２と
を備えている。

【００３３】クランプ回動部材５３は軸６３を支点にし
て回動可能となっており、スプリング７０により軸６３
を支点にして時計方向（図１２において）に付勢され、
この付勢によりクランプ回動部材５３に取り付けた軸６
２が駆動カム９０の周面に常時当接している。

【００３４】［クランプ部材］クランプ部材５１は、図
１２に示すように、クランプ部７３と、このクランプ部
７３に設けた突起７３Ｂとを有しており、クランプ回動
部材５３とともに軸６３を支点にして一体的に回動する
ようになっている。

【００３５】クランプ部材５２は、クランプ部７７と円
弧状の長孔７５Ａとを有しており、軸７８を中心にして
回動可能となっている。また、長孔７５Ａには、クラン
プ回動部材５３の軸６４が貫通している。軸６４は長孔
７５Ａに沿って相対移動可能となっており、長孔７５Ａ
はクランプ部材５１,５２が対称的に動くような形状に
形成されている。

【００３６】したがって、クランプ部材５１がクランプ
回動部材５３とともに軸６３を中心にして反時計方向
（図１２において）へ回動すると、クランプ部材５２は
軸７８を中心にして時計方向（図１２において）へ回動
していくこととなる。

【００３７】クランプ部７７はクランプ部材５１のクラ
ンプ部７３と対向しており、クランプ部７７には上方に
突出する突起７７Ｂが形成されている。クランプ部材５
２の突起７７Ｂとクランプ部材５１の突起７３Ｂとで、
後述するスライダー１５０によって送り出された挟着板
１０１の両端部を保持するようになっている。

【００３８】そして、クランプ部材５１,５２が軸６３,
７８を支点にして回動すると、クランプ部７３,７７が
閉じられていき、これにより挟着板１０１を折り曲げて
いく。そして、折り曲げられた挟着板１０１の折曲部を
クランプ部材５１,５２がカシメていくものである。

【００３９】ところで、駆動モータ８１は図示しない制
御回路によって制御されるものであり、この制御回路は
例えば複写機本体から出力される挟着信号やセンサ２６
が出力する検出信号に基づいて駆動モータ８１を制御す
るものである。

【００４０】［カートリッジ］カートリッジ１００は、
図１３および図１４に示すように、ほぼ円形状の収納室
１０２を形成したカートリッジ本体１０３と、カートリ
ッジ本体１０３に開閉可能に設けられた蓋体１２０とか
ら構成されている。

【００４１】カートリッジ本体１０３は底板１０４の周
囲に設けた周板１０５とこの周板１０５に設けた天板１
０６等とから構成され（図３および図４参照）、周板１
０５には蓋体１２０を開けることによって収納室１０２
を解放する開口１０５Ａが形成されている。この開口１
０５Ａの幅はほぼ収納室１０２の直径とほぼ同一となっ
ていて、後述するロール状に巻かれた連結挟着体２００
の収納室１０２への収納が行い易いようになっている。

【００４２】底板１０４および天板１０６の端部には、
装置本体１１のガイドレール２４に係合する凹部１０４
Ａおよび凹部１０５Ａが形成されている。また、底板１
０４には、突起１１０Ａを有する係止片１１０が設けら
れており、係止片１１０は装置本体１１のテーブル１３
の係止孔１９に挿入されるようになっている。係止片１
１０の係止孔１９への挿入により、係止片１１０の突起
１１０Ａが装置本体１１の係止片２２の係止部２２Ａに
係合する。

【００４３】また、底板１０４の下面には、テーブル１
３のロック解除孔１８に挿入されるロック部材１１５が
設けられている。ロック部材１１５は、図１５に示すよ
うに、底板に１０４に固定された基部１１６に、弾性変
形して破線で示すように移動するロック片１１７を形成
したものである。このロック片１１７には、スライダ１
５０に設けた係止片１７０が係合する凹部１１７Ａが形
成され、スライダ１５０の係止片１７０がロック部材１
１５の凹部１１７Ａに係合していることによりスライダ
１５０が移動しないようにロックされる。

【００４４】カートリッジ１００を装置本体１１のテー
ブル１３に装着すると、ロック部材１１５がロック解除
孔１８に挿入され、ロック解除孔１８の突出部１８Ｂに
よりロック片１１７が破線で示す位置へ移動し、スライ
ダ１５０の係止片１７０がロック片１１７の凹部１１７
Ａから外れてスライダ１５０のロックが解除されるよう
になっている。

【００４５】カートリッジ本体１０３の前側には、挟着
板１０１の搬送路１１３を形成した平板状のガイド板部
１３０が連続形成されており、このガイド板部１３０に
スライダ１５０が左右方向へ移動可能に取り付けられて
いる。

【００４６】ガイド板部１３０の裏面１３０Ｂには、逆
止爪板１４０が取り付けられており、この逆止板１４０
の逆止爪１４１の先端部１４１aが搬送路１１３へ進入
している。この先端部１４１aが挟着板１０１に引っか
かるようになっていて、挟着板１０１の逆戻りを防止す
るものである。

【００４７】また、ガイド板部１３０の後部（図１３お
よび図１４において右側）にも上記と同様に逆止板１４
０が取り付けられている。

【００４８】［スライダ］スライダ１５０は、図１８に
示すように、長方形状の板部材１５１から構成され、板
部材１５１の外側には、第２リンク部材３２のアーム部
３６の係止突起３６Ａを案内するためにハ字状に形成さ
れたガイド部１５７,１５７および係止部１５８,１５８
が形成されている。

【００４９】この係止部１５８,１５８間には、第２リ
ンク部材３２の係止突起３６Ａが挿入され、第２リンク
部材３２のアーム３６が軸Ｊを中心に回動することによ
りスライダ１５０を往復移動させるものである（図１０
参照）。

【００５０】また、板部材１５１には、前送爪板１８０
が取り付けられており、前送爪板１８０の前送爪１８
１,１８１の先端部１８１aが図１６及び図１７に示すよ
うに板部材１５１の内面１５１Ｂから突出して挟着板１
０１に引っかかるようになっている。この引っかかりに
より挟着板１０１を先端側へ送り出すものである。

【００５１】同様に、板部材１５１の後部には後送爪板
１９０,１９５が取り付けられており、後送爪板１９０,
１９５の後送爪の先端部が搬送路１１３へ進入していて
挟着板１０１に引っかかるようになっている。前送爪１
８１と逆止爪１４１とは干渉しないように前後および上
下方向に互いにづれている。

【００５２】逆止爪１４１はスライダ１５０が往動した
際に搬送路１１３から引き込むようになっており、前送
爪１８１はスライダ１５０が復動した際に搬送路１１３
から引き込むようになっていて、スライダ１５０の往復
移動に支障を来さないようになっている。

【００５３】［連結挟着体］連結挟着体２００は、図１
９に示すように、複数の挟着板１０１を帯状のテープ２
０１に接着して連結し、これをロール状に巻いてたもの
である。挟着板１０１は金属製であり、テープ２０１は
上下方向（図３９において）に配向性をもっており、ク
ランプで挟着板１０１を折り曲げていくと、テープ２０
１が破線Ｈから切断されていくようになっている。

【００５４】［動作］次に、上記のように構成される挟
着装置の動作について説明する。

【００５５】先ず、図２に示すように、連結挟着体２０
０を収納したカートリッジ１００を装置本体１１のテー
ブル１３に装着させる。カートリッジ１００がテーブル
１３に装着されると、ロック部材１１５が図１５に示す
破線位置へ移動してスライダ１５０のロックが解除され
る。また、移動機構３０のアーム部３６の係止突起３６
Ａがスライダ１５０のガイド部１５７,１５７に案内さ
れて係止部１５８,１５８間に挿入される。

【００５６】駆動モータ８１が駆動される前では、駆動
カム８５およびカム９０は図９〜図１１および図１４に
示す初期位置にあり、スライダ１５０は図１および図２
に示すホームポジションにある。センサ２６は、カート
リッジ１００の搬送路１１３にある連結挟着体２００の
テープ２０１を検知して挟着板１０１があることを検知
している。また、マイクロスイッチＭ2はカム９０の凹
部９０Ａを検知しており、クランプ部材５１,５２は図
８および図１２に示すホームポジションに位置してい
る。

【００５７】そして、ハウジング１２の外壁２８の段部
２８Ａおよび前壁部Ｖの上面Ｖaなどにシート束Ｓを載
置する。

【００５８】この状態で、図示しない複写機本体等から
挟着信号が出力されると、制御回路は、センサ２６が挟
着板１０１があることを検知しているので、その挟着信
号に基づいて駆動モータ８１を駆動制御する。駆動モー
タ８１の駆動によりギア８３および減速ギア列８４を介
して駆動カム８５が時計方向（図７および図９におい
て、図８において反時計方向）へ回転していく。

【００５９】駆動カム８５の回転により、第１リンク部
材３１のアーム部３１Ａの先端部３１bがカム溝８６の
小径部８６Ａに入ると、第１リンク部材３１のアーム部
３１Ａは図１２において時計方向（図２において反時計
方向）へ回動していく。この第１リンク部材３１ととも
に第２リンク部材３２が回動していき、第２リンク部材
３２のアーム部３６が図２において矢印方向（反時計方
向）へ回動していく。このアーム部３６の回動とともに
スライダ１５０が左方向（図１および図２において）へ
移動していく。

【００６０】スライダ１５０の移動により、図１７に示
すように、前送爪１８１の先端部１８１aが搬送路１１
３にある先頭の挟着板１０１′に引っかかり、スライダ
１５０の移動とともに挟着板１０１′を先端側へ送り出
していく。このとき、スライダ１５０の後送爪(図示せ
ず)が他の挟着板１０１に引っかかれば、前送爪１８１
と後送爪とで挟着板１０１′,１０１を送り出していく
こととなる。

【００６１】各挟着板１０１はテープ２０１によって連
結されているので、搬送路１１３内の挟着板１０１は前
方（図１および図２において左側）へ送り出されてい
き、収納室１０２内の挟着板１０２は搬送路１１３側へ
と送り出されていくこととなる。

【００６２】さらに、駆動カム８５が回転して第１リン
ク部材３１のアーム部３１Ａの先端部３１bがカム溝８
６の最小径部８６d（図９参照）近傍にくると、さらに
スライダ１５０が左方向へ移動して挟着板１０１′をス
トッパ２９に当接する位置まで送り出す。挟着板１０
１′がストッパ２９に当接するとスライダ１５０の移動
は停止し、挟着板１０１′はクランプ部材５１,５２の
突起７３Ｂ,７７Ｂにより保持される。そして、マイク
ロスイッチＭ1がクランプ部材５１,５２に保持された挟
着板１０１′を検知する。

【００６３】そして、第１リンク部材３１のアーム部３
１Ａの先端部３１bがカム溝８６の最小径部８６dに達す
ると、さらに、第１リンク部材３１は図１２において時
計方向（図２において反時計方向）へ回動するが、スラ
イダ１５０はストッパ２９により停止しているので、ス
プリング３７の付勢力に抗して第１リンク部材３１のみ
が第２リンク部材３２に対して相対回動していく。すな
わち、スプリング３７が駆動カム８５の往動駆動を吸収
する。

【００６４】第１リンク部材３１の回動量は、挟着板１
０１の幅と挟着板１０１,１０１間の最大隙間の幅とを
加算した距離より大きい距離をスライダ１５０が移動す
るように設定されている。このため、挟着板１０１と挟
着板１０１との間の隙間の大きさに拘わりなく、挟着板
１０１を所定位置まで確実に送り出すことができる。ま
た、第１リンク部材３１が第２リンク部材３２に対して
相対回動することにより、スライダ１５０が第１リンク
部材３１の往動動作の途中で停止しても、駆動カム８５
はロックすることなく回転していくことができる。

【００６５】さらに、駆動カム８５が回動して、アーム
部３１Ａの先端部３１bがカム溝８６の最小径部８６dか
ら大径部８６Ｂにくると、第１リンク部材３１が図１２
において反時計方向（図２において時計方向）へ回動し
ていく。この第１リンク部材３１とともに同方向へ第２
リンク部材３２が回動していき、スライダ１５０がホー
ムポジションへ戻る。

【００６６】スライダ１５０がホームポジションへ戻る
際、装置本体１１のガイド板部１３０に取り付けた逆止
爪板１４０の逆止爪１４１により、挟着板１０１はスラ
イダ１５０とともに逆戻りしてしまうことが防止され
る。

【００６７】一方、駆動カム８５とともにカム９０が回
動していくが、カム９０の小径部Ｒ1と駆動カム８５の
カム溝８６の部分８６Ｃ（図９参照）とが対応している
ので、スライダ１５０が往復移動した時点では、カム９
０の小径部Ｒ1に軸６２が当接してるので、クランプ部
材５１,５２は図１２に示す状態のままである。

【００６８】そして、さらに駆動カム８５が回転してア
ーム部３１Ａの先端部３１bがカム溝８６の大径部８６
Ｂを移動し、カム９０の増大部Ｒ2の周面に軸６２が当
接してくると、クランプ回動部材５３が軸６３を支点に
して反時計方向（図１２において）へ回動していく。こ
の回動とともにクランプ部材５１,５２が閉じる方向へ
回動していき、この回動により、挟着板１０１′は前方
へ押し出されながらくの字状に折り曲げられていく。

【００６９】さらに、駆動カム８５が回転してクランプ
回動部材５３の軸６２が駆動カム９０の大径部Ｒ3の周
面に到達すると、さらにクランプ部７３,７７が閉じる
ので、図２０に示すように、挟着板１０１′は折り曲げ
られてその折曲部１０１aがクランプ部材５１,５２によ
りカシメられて、シート束Ｓを挟着板１０１′で綴るこ
ととなる。

【００７０】駆動カム８５が回転してクランプ回動部材
５３の軸６２が駆動カム９０の減少部Ｒ4の周面上を当
接していくと、クランプ回動部材５３が軸６３を支点に
して時計方向へ回動していき、クランプ部材５１,５２
は上記とは逆に開く方向へ回動していく。そして、クラ
ンプ回動部材５３の軸６２が駆動カム９０の小径部Ｒ1
の周面に達すると、すなわち、駆動カム８５およびカム
９０が一回転すると、クランプ部材５１,５２は図１２
に示すホームポジションに戻り、マイクロスイッチＭ2
がカム９０の凹部９０Ａを検知して駆動モータ８１の駆
動は停止される。

【００７１】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、綴部材と綴部材との間の隙間の大きさに拘わりな
く、綴部材を綴り位置まで確実に送り出すことができ、
しかも、リンク駆動手段の往動動作の途中で送出手段の
往動が停止しても、リンク駆動手段がロックしてしまう
ことが防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係わるクリップ装置を示した平面図
である。

【図２】図１のクリップ装置の正面図である。

【図３】図１のクリップ装置の装置本体の断面図であ
る。

【図４】装置本体とカートリッジを示した斜視図であ
る。

【図５】装置本体を示した平面図である。

【図６】装置本体を示した左側面図である。

【図７】装置本体に設けた駆動機構を配置状態を示した
説明図である。

【図８】装置本体のクランプ機構を示した説明図であ
る。

【図９】移動機構の構成を示した説明図である。

【図１０】移動機構の構成を示した説明図である。

【図１１】リンク機構の構成を示した断面図である。

【図１２】クランプ機構の構成を示した概念図である。

【図１３】カートリッジを示した平断面図である。

【図１４】カートリッジの蓋体を開けた状態を示した説
明図である。

【図１５】ロック部材を示した斜視図である。

【図１６】ガイド板部およびスライダの断面図である。

【図１７】スライダの縦断面図である。

【図１８】スライダを示した正面図である。

【図１９】連結挟着体の構成を示した斜視図である。

【図２０】クランプ部材と折り曲げられた挟着板とを示
した説明図である。

【符号の説明】

３０ 移動機構（リンク手段） ３１ 第１リンク部材（駆動リンク部材） ３２ 第２リンク部材（往復リンク部材） ３７ コイルスプリング（吸収手段） ５１,５２ クランプ部材（綴り手段） １００ カートリッジ １０１ 挟着板（綴部材） １５０ 送出手段（スライダ） ２００ 連結挟着体 ２０１ テープ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B42B 5/06 B25C 1/00

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の綴部材がテープによって帯状に連結
   された連結挟着体を収納したカートリッジと、前記連結
   挟着体の先端部を往復移動することにより綴位置へ送る
   送出手段と、この綴位置へ送られてきた先端部の綴部材
   を折り曲げるとともにその綴部材をテープから切り離し
   てシート束の端部を綴る綴り手段とを備えたクリップ装
   置であって、 前記送出手段を往復移動させるリンク手段と、 このリンク手段を動作させるリンク駆動手段とを備え、 前記リンク手段は、前記送出手段が往動により綴部材を
   綴位置へ送り出して停止した際に、前記リンク駆動手段
   が送出手段を往動させるように往動駆動しているとき、
   この往動駆動を吸収して前記送出手段を停止状態にさせ
   ておく吸収手段を備えていることを特徴とするクリップ
   装置。
2. 【請求項２】前記リンク手段は、送出手段を往復動させ
   る往復リンク部材と、前記リンク駆動手段の駆動によっ
   て前記往復リンク部材を動作させるとともに往復リンク
   部材に対して相対移動可能な駆動リンク部材とから構成
   され、 前記吸収手段は、往復リンク部材と駆動リンク部材とを
   連結したスプリングで構成され、前記スプリングの付勢
   力に抗して駆動リンク部材が往復リンク部材に対して相
   対移動することを特徴とする請求項１のクリップ装置。