JP3467908B2 - 繊維処理剤およびそれを用いるセルロース系繊維の加工方法 - Google Patents

繊維処理剤およびそれを用いるセルロース系繊維の加工方法

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JP3467908B2
JP3467908B2 JP13053195A JP13053195A JP3467908B2 JP 3467908 B2 JP3467908 B2 JP 3467908B2 JP 13053195 A JP13053195 A JP 13053195A JP 13053195 A JP13053195 A JP 13053195A JP 3467908 B2 JP3467908 B2 JP 3467908B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セルロース系繊維の加
工に好適に用いられる繊維処理剤に関するものであり、
さらに詳しくは、メチロールジヒドロキシエチレンウリ
ア(MDHEU という) 系化合物を含有し、それを用いて加
工されたセルロース系繊維からのホルムアルデヒドの発
生を低減させた繊維処理剤に関するものである。 本発
明はまた、かかる繊維処理剤を用いてセルロース系繊維
を加工する方法にも向けられている。
【0002】
【従来の技術】セルロース系繊維を MDHEU系化合物で加
工して、防しわ性、寸法安定性、風合いなどの各種物性
を改良することは広く行われている。しかし問題点の一
つとして、加工された繊維製品からのホルムアルデヒド
の発生がある。 そこで、ホルムアルデヒドの発生を低
減、抑制するために、これまでにも多くの方法が提案さ
れ、実施されてきた。
【0003】最も汎用的に行われている技術の一つに、
ホルムアルデヒド捕捉剤の利用がある。ホルムアルデヒ
ド捕捉剤としては、含窒素系の尿素、チオ尿素、エチレ
ン尿素、ジシアンジアミド、グリオキザールモノウレイ
ンなどが知られている。このようなホルムアルデヒド捕
捉剤は、例えば米国特許第 2,833,670号明細書等にも記
載されるように、ホルムアルデヒドを発生しやすい化合
物と同じ浴で処理するか、あるいは同化合物による加工
後、スプレーなどにより付着させるという方法で、セル
ロース系繊維に広く適用されている。
【0004】しかし、これらのホルムアルデヒド捕捉剤
は、 MDHEU系化合物で加工されたセルロース系繊維から
のホルムアルデヒドの発生を低減するのには有効に働く
ものの、加工効果、例えば防しわ効果や防縮効果の低下
を伴ったり、塩素傷害を起こしたり、反応染料による染
色物の日光堅牢度を低下させるなどの欠点がある。例え
ば、尿素やグリオキザールモノウレインは塩素傷害が大
きく、エチレン尿素は反応染料による染色物の日光堅牢
度を大きく低下させる。またジシアンジアミドは、塩素
傷害や反応染料による染色物の日光堅牢度への悪影響が
小さいものの、加工効果を大きく低下させる。
【0005】さらに、特開昭 59-21782 号公報(=USP 4,
396,391)や特開昭 61-34281 号公報(=USP 4,585,827 +
USP 4,652,268)には、ジメチロールジヒドロキシエチレ
ンウリアもしくはアルキル化ジメチロールジヒドロキシ
エチレンウリアに、またはそれを製造する段階で、ポリ
オール類を反応させる提案がなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、 MDHEU系化
合物を用いた繊維の加工に際し、加工効果の低下をきた
すことなく、また耐塩素性や反応染料による染色物の耐
光性の低下をきたすことなく、加工された繊維からの遊
離ホルムアルデヒドの発生を好ましく低減させ、有害物
質を含有する家庭用品の規制に関する法律(昭和48年
法律第112号)に基づく昭和49年厚生省令第34号
で規制された下着基準値を容易に達成することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定のポリ
オールを用い、かつ特定組成の MDHEU系化合物と組み合
わせることにより、非常に優れた結果が得られることを
見いだし、本発明に至った。
【0008】すなわち本発明は、 MDHEU系化合物およ
び、その MDHEU系化合物1重量部あたり0.1重量部以上
のジエチレングリコールを含有し、その MDHEU系化合物
が、エチレンウリア環1モルあたり、1.2〜1.9モルの
範囲でメチロール化されている繊維処理剤を提供するも
のである。
【0009】また本発明は、上記繊維処理剤を用いてセ
ルロース系繊維を加工する方法をも提供し、ここでは、
上記繊維処理剤および酸性触媒を含む処理浴を、25℃
におけるpHが2.5〜5の範囲でセルロース系繊維に適
用する。
【0010】本発明で用いる MDHEU系化合物は、尿素、
グリオキザールおよびホルムアルデヒドを反応させて得
られるもの(MDHEU 自体)、およびこれにさらにメタノ
ールを反応させてメチルエーテル化したもの(メチル化
MDHEU; MeMDHEUと略記することがある)を包含し、通
常は、次の一般式(I)で示される化合物の混合物とな
っている。
【0011】
【0012】式中、RおよびR′は互いに独立に、水
素、メチロール基またはメトキシメチル基であるが、R
およびR′がすべて水素であることはない。また、本明
細書でいう MDHEU系化合物のエチレンウリア環とは、上
記一般式(I)における5員環を意味する。
【0013】尿素、グリオキザールおよびホルムアルデ
ヒドを反応させることにより、一般式(I)において、
RおよびR′が互いに独立に、水素またはメチロール基
であり、ただしRおよびR′がすべて水素であることは
ない MDHEUが、通常は混合物の形で得られる。 この化
合物をそのまま用いる場合は、エチレンウリア環1モル
あたり、メチロール基が1.2〜1.9モルの範囲にあるも
の、すなわち、一般式(I)において、RおよびR′が
平均で1.2〜1.9個メチロール基になっているものを採
用する。エチレンウリア環1モルあたりのメチロール基
が1.2モルを下回ると、繊維の加工効果が低くなり、ま
たそれが1.9モルを超えると、目的とする低遊離ホルム
アルデヒド化が困難になる。さらには、エチレンウリア
環1モルあたり、メチロール基が1.2〜1.8モルの範囲
にあるものが好ましい。
【0014】MDHEUは前述のとおり、尿素、グリオキザ
ールおよびホルムアルデヒドの反応により得られるが、
この際の反応モル比を変化させることにより、メチロー
ル基の量を調整することができる。具体的には例えば、
尿素およびグリオキザールをほぼ等モル用い、尿素また
はグリオキザールに対してホルムアルデヒドをモル比
1.2〜2の範囲、好ましくは1.2〜1.9の範囲で反応さ
せることにより、エチレンウリア環1モルあたりのメチ
ロール基の量を1.2〜1.9モルの範囲とすることができ
る。
【0015】また MeMDHEUの場合は、上記 MDHEUのメチ
ロール基のうち、0.2〜1.8モルの範囲でメチルエーテ
ル化されているもの、すなわち、エチレンウリア環1モ
ルあたり、メチロール基とメトキシメチル基が合計で
1.2〜1.9モルの範囲にあり、かつメトキシメチル基が
0.2〜1.8モルの範囲にあるものが好ましい。エチレン
ウリア環1モルあたりのメトキシメチル基が1.8モルを
超えると、加工効果、遊離ホルムアルデヒド量などの物
性バランスが得られにくくなる。 さらには、エチレン
ウリア環1モルあたり、メチロール基とメトキシメチル
基が合計で1.4〜1.9モルの範囲にあり、かつメトキシ
メチル基が0.2〜1.8モルの範囲にあるものが好まし
い。
【0016】このような MeMDHEUは、先に説明したエチ
レンウリア環1モルあたりメチロール基が1.2〜1.9モ
ルの範囲にある MDHEUに、さらにメタノールを反応させ
ることにより製造され、この際のメタノールの反応モル
比を変化させることにより、メトキシメチル基の量を調
整することができる。具体的には例えば、尿素およびグ
リオキザールをほぼ等モル用い、尿素またはグリオキザ
ールに対してホルムアルデヒドをモル比1.2〜2の範囲
で反応させたあと、さらに尿素またはグリオキザールに
対してメタノールをモル比0.2〜2の範囲で反応させる
ことにより、エチレンウリア環1モルあたりのメトキシ
メチル基の量を0.2〜1.8モルの範囲とすることができ
る。
【0017】MDHEU系化合物とジエチレングリコールと
の割合は、前者1重量部あたり、後者を0.1重量部以上
とする。さらには、 MDHEU系化合物:ジエチレングリコ
ールが、重量比で1:0.1〜1の範囲にあるのが好まし
い。 MDHEU系化合物に対するジエチレングリコールの割
合が0.1重量倍未満になると、所期の効果が得られな
い。また、その割合が1重量倍を超えても、加工効果面
での不利はないが、ジエチレングリコールの増量に見合
う効果の向上が期待できないので、経済的に不利とな
る。
【0018】本発明の繊維処理剤は、以上説明した MDH
EU系化合物およびジエチレングリコールを所定の割合で
含有するものであって、一般には両成分を混合するだけ
でこの処理剤を得ることができ、必ずしも両成分を反応
させることを要するわけではないが、例えば、高められ
た温度で両成分を反応させたものであってもよい。反応
生成物以外の形でこの処理剤を用いる場合は、加工直前
の段階で両成分を所定割合で配合してもよく、また予め
両成分を配合しておいてもよい。この繊維処理剤は、通
常水溶液の形で調製される。
【0019】本発明の方法では、 MDHEU系化合物および
ジエチレングリコールを含有する繊維処理剤を、酸性触
媒とともに、セルロース系繊維に適用する。ここで用い
る酸性触媒としては、マグネシウム、アルミニウム、亜
鉛のような二価以上の金属の塩、例えば、塩化物、硫酸
塩、硝酸塩、ホウフッ化物など、また塩化アンモニウ
ム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アン
モニウムのようなアンモニウム塩、モノエタノールアミ
ン塩酸塩のような有機アミン塩、さらには各種の無機ま
たは有機酸が挙げられ、これらはそれぞれ単独で、また
は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0020】MDHEU系化合物、ジエチレングリコールお
よび酸性触媒を含む処理浴は、25℃におけるpHが
2.5〜5の範囲、好ましくは3.0〜4.5の範囲となるよ
うにして、セルロース系繊維に適用する。処理浴のpH
があまり高くなると、加工された繊維の物性バランスが
とれにくくなる傾向にある。
【0021】このような MDHEU系化合物、ジエチレング
リコールおよび酸性触媒を含む処理浴は、加工直前の段
階で各成分を所定割合で配合してもよく、また、これら
のうちの2成分を予め所定割合で配合しておき、加工直
前の段階で残りの成分を配合してもよく、さらには3成
分を予め配合しておいてもよい。もちろん、 MDHEU系化
合物とジエチレングリコールとを反応させたものを用
い、これに酸性触媒を配合してもよい。
【0022】MDHEU系化合物、ジエチレングリコールお
よび酸性触媒を含む処理浴には、必要に応じてさらに、
柔軟剤、風合調整剤、強度低下防止剤、撥水剤、吸水
剤、撥油剤、帯電防止剤のような各種機能付与剤、染
料、顔料、蛍光増白剤、染料フィックス剤などを、相溶
性や本発明が目的とする効果を考慮しつつ、用いること
ができる。
【0023】本発明の方法が適用されるセルロース系繊
維とは、綿、麻、再生セルロースなどのセルロース繊維
および、これらのいずれかと、ポリエステル、ナイロ
ン、ビニロン、アクリル繊維のような合成繊維や、ガラ
ス繊維、カーボン繊維のような無機繊維との混用品をい
い、これらのセルロース系繊維は、糸、織物、編物、不
織布などの形で適用される。
【0024】MDHEU系化合物、ジエチレングリコールお
よび酸性触媒を含む処理浴を繊維に適用する方法は特に
制限されるものでなく、一般に繊維の樹脂加工法として
知られる各種の方法を採用することができる。 すなわ
ち、スプレー法、パディング法、含浸後遠心脱水する方
法などにより、繊維に処理剤を所定量付与したあと、必
要に応じて予備乾燥し、130〜180℃で15秒〜1
0分間キュアリングする。その際、繊維を縫製、プレス
したあとにキュアリングするいわゆるポストキュア加工
や、その他、しわ加工、艶出し加工、エンボス加工など
の加工処理を工程に加えることも可能である。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。例中、含有量ないし添加量を表す%は、
特にことわらないかぎり重量基準である。また以下の例
において、 MDHEU系化合物のメチロール基およびメトキ
シメチル基の量は、次の方法により求めた。
【0026】メチロール基: MDHEU系化合物を、ヨウ素
を用いてチオ硫酸ナトリウムで滴定することにより、メ
チロール基および遊離ホルムアルデヒドの和を求め、別
途、亜硫酸ナトリウムを用い、塩酸で中和滴定して得た
MDHEU系化合物中の遊離ホルムアルデヒド量を減じて、
メチロール基の量とする。
【0027】メトキシメチル基: MDHEU系化合物を酸で
加水分解し、発生するメタノールをガスクロマトグラフ
ィーで定量し、別途、ガスクロマトグラフィーにより求
めたMDHEU系化合物中のメタノール量を減じて、メトキ
シメチル基の量とする。
【0028】例1〜3 (a) MDHEU 系化合物の合成 還流管付き四つ口フラスコに37%ホルマリンを162
g(2モル)、40%グリオキザール水溶液を145g
(1モル)および尿素を60g(1モル)仕込み、苛性
ソーダ水溶液を加えてpHを7にコントロールしなが
ら、50〜60℃で3時間反応させた。次いでメタノー
ルを64g(2モル)仕込み、硫酸でpHを2にコント
ロールし、40℃で2時間反応させたあと、苛性ソーダ
水溶液を加えてpHを7とし、減圧下で未反応のメタノ
ールを留去した。得られた化合物をMeMDHEU-Aとする。
これに水を加えて濃度を50%とした。pHは6.5であ
り、エチレンウレア環1モルあたり、メチロール基は
0.8モル、メトキシメチル基は1.0モルであった。
【0029】(b) 繊維処理剤および処理浴の調製 (a) で得られた MeMDHEU-Aの50%水溶液100gに、
ジエチレングリコールを3g、25gまたは100g加
えて、繊維処理剤とした。さらに、スミテックスアクセ
ラレーター X-110(住友化学工業株式会社製の繊維加工
用酸性触媒)を30g加えたあと、水を加えて合計1リ
ットルとし、処理浴とした。この処理浴の25℃におけ
るpHは表1に示した。
【0030】(c) 繊維の加工および試験 精錬漂白した40番単糸綿100%ブロード布をそのま
ま、またはこのブロード布を Sumifix Supra Blue BRF
(住友化学工業株式会社製の反応染料)10g/Lの染
浴にて連続染色したものを、上記 (b)で得た処理浴に含
浸したあと、ヘビーパッダーにてウェットピックアップ
65%に絞液し、105℃で3分間熱風乾燥した。次に
150℃で3分間のキュアリングを行って、加工綿布を
得た。得られた加工綿布のうち、白布から得られたもの
を、以下の防しわ性、遊離ホルムアルデヒド量および耐
塩素性の各試験に供し、また染色布から得られたもの
を、以下の耐光性試験に供し、それぞれ表1の結果を得
た。
【0031】防しわ性(%): JIS L 1059-'92 のB法
(1)(a)により測定した。 遊離ホルムアルデヒド量(F.F.量)(ppm) : JIS L 104
1-'94 の 5.3.1 (2)B法により測定した。 耐塩素性(級): JIS L 1041-'94 の 5.4 着色度によ
り判定した。 耐光性(級): JIS L 0842-'88 により判定した。
【0032】例4(ジエチレングリコールを用いない場
合) ジエチレングリコールを用いない以外は、すべて例1〜
3と同様に処理し、同様の試験を行って、表1の結果を
得た。
【0033】例5〜7(他のポリオール類使用) 例2で用いたジエチレングリコールの代わりに、表1に
示すポリオール類を用い、他はすべて例2と同様に処理
し、同様の試験を行って、表1の結果を得た。
【0034】例8〜9(ホルムアルデヒド捕捉剤使用) 例1〜3で用いたジエチレングリコールの代わりに、表
1に示すホルムアルデヒド捕捉剤を10gずつ用い、他
はすべて例1〜3と同様に処理し、同様の試験を行っ
て、表1の結果を得た。
【0035】
【表1】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 例 添 加 物 処理浴 加 工 布 の 物 性 No. pH 防しわ性 (%) F.F.量 耐塩素性 耐光性 品名 量 経 緯 (ppm) (級) (級) ───────────────────────────────── 1 DEG *1 3g 3.8 78 72 90 5 5 2 〃 25g 3.8 79 72 43 5 5 3 〃 100g 3.8 76 71 38 5 5 4 不使用 - 3.7 77 71 114 5 5 5 PEG-400 *2 25g 3.8 80 72 81 5 5 6 PEG-1000*2 25g 3.8 79 71 90 5 5 7 EG *3 25g 3.8 68 61 34 5 5 8 尿素 10g 3.9 71 65 61 2 4 9 エチレン尿素 10g 3.9 74 66 58 3 2 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *1 DEG:ジエチレングリコール *2 PEG:ポリエチレングリコール(末尾の数字は平均分子量を示す) *3 EG :エチレングリコール
【0036】以上の結果からわかるように、ポリオール
類などの添加物を使用しなかった場合(例4)に比べ、
ジエチレングリコールを配合した場合(例1〜3)に
は、加工効果の指標である防しわ性を損なうことなく、
遊離ホルムアルデヒド量を低減させる効果が認められ、
特に MDHEU系化合物に対して0.5重量倍のジエチレング
リコールを配合した例2では、遊離ホルムアルデヒド量
の低減効果が顕著になっている。一方、ポリオール類の
一つであるポリエチレングリコールを配合した場合(例
5および6)は、遊離ホルムアルデヒド量が多く、別の
ポリオールであるエチレングリコールを配合した場合
(例7)は、加工効果が低下する。また、ホルムアルデ
ヒド捕捉剤として知られる尿素やエチレン尿素を配合し
た場合(例8および9)は、加工効果の低下や耐塩素性
および耐光性の低下がみられる。
【0037】例10〜12 (a) MDHEU 系化合物の合成 還流管付き四つ口フラスコに37%ホルマリンを146
g(1.8モル)、40%グリオキザール水溶液を145
g(1モル)および尿素を60g(1モル)仕込み、苛
性ソーダ水溶液を加えてpHを8にコントロールしなが
ら、50〜60℃で3時間反応させた。これに水を加え
て、濃度45%、pH6.4の水溶液を得た。この水溶液
中の化合物を MDHEU-Bとする。この MDHEU-Bは、エチレ
ンウレア環1モルあたり、メチロール基を1.7モル有し
ていた。
【0038】(b) 繊維処理剤および処理浴の調製 (a) で得られた MDHEU-Bの45%水溶液100gに、ジ
エチレングリコールを27g加えて、繊維処理剤とし
た。さらに25%塩化マグネシウム水溶液を30g加え
たあと、水を加えて合計を1リットルとし、処理浴を得
た(例10)。別に、上記繊維処理剤に25%塩化マグ
ネシウム水溶液を30g加えたあとの溶液を、水にて9
50mlとし、そこへマレイン酸を加えてpHを約3.8ま
たは約2に調整し、さらに水を加えて合計1リットルと
し、別の処理浴を得た(例11および12)。
【0039】(c) 繊維の加工および試験 上記 (b)で得た処理浴を用いて、40番単糸綿100%
ブロード蛍光増白布に例1〜3の (c)と同様の処理を行
い、加工綿布を得た。得られた加工綿布について、例1
〜3と同様の方法で防しわ性および遊離ホルムアルデヒ
ド量の測定を行い、また、各綿布の白色度を、測色機 S
ICOMUC-20 CM-V(株式会社住化分析センター製)を用い
て測定した。結果を表2に示す。
【0040】例13(メチロール化度の大きい MDHEU) 還流管付き四つ口フラスコに37%ホルマリンを203
g(2.5モル)、40%グリオキザール水溶液を145
g(1モル)および尿素を60g(1モル)仕込み、苛
性ソーダ水溶液を加えてpHを8にコントロールしなが
ら、50〜60℃で3時間反応させた。これに水を加え
て、濃度45%、pH6.5の水溶液を得た。この水溶液
中の化合物を MDHEU-Cとする。この MDHEU-Cは、エチレ
ンウレア環1モルあたり、メチロール基を2.0モル有し
ていた。
【0041】こうして得られた MDHEU-Cの45%水溶液
を用いて、例11と同様に処理浴を調製し、さらに加工
および物性測定試験を行って、表2の結果を得た。
【0042】例14(メチロール化度の小さい MDHEU) 還流管付き四つ口フラスコに37%ホルマリンを81g
(1モル)、 40%グリオキザール水溶液を145g
(1モル)および尿素を60g(1モル)仕込み、苛性
ソーダ水溶液を加えてpHを8にコントロールしなが
ら、50〜60℃で3時間反応させた。 これに水を加
えて、濃度45%、pH6.3の水溶液を得た。この水溶
液中の化合物を MDHEU-Dとする。この MDHEU-Dは、エチ
レンウレア環1モルあたり、メチロール基を0.9モル有
していた。
【0043】こうして得られた MDHEU-Dの45%水溶液
を用いて、例11と同様に処理浴を調製し、さらに加工
および物性測定試験を行って、表2の結果を得た。
【0044】例15(メチロール化度の大きい MeMDHE
U) 還流管付き四つ口フラスコに37%ホルマリンを195
g(2.4モル)、40%グリオキザール水溶液を145
g(1モル)および尿素を60g(1モル)仕込み、苛
性ソーダ水溶液を加えてpHを7にコントロールしなが
ら、50〜60℃で3時間反応させた。次いでメタノー
ルを9.6g(0.3モル)仕込み、硫酸でpHを2にコン
トロールし、40℃で2時間反応させたあと、苛性ソー
ダ水溶液でpHを7とし、減圧下で未反応のメタノール
を留去した。 得られた化合物をMeMDHEU-Eとする。こ
れに水を加えて濃度を45%とした。pHは6.5であ
り、エチレンウレア環1モルあたり、メチロール基は
1.9モル、メトキシメチル基は0.1モルであった。
【0045】こうして得られた MeMDHEU-Eの45%水溶
液を用いて、例11と同様に処理浴を調製し、さらに加
工および物性測定試験を行って、表2の結果を得た。
【0046】例16(メチロール化度の小さい MeMDHE
U) 還流管付き四つ口フラスコに37%ホルマリンを98g
(1.2モル)、40%グリオキザール水溶液を145g
(1モル)および尿素を60g(1モル)仕込み、苛性
ソーダ水溶液を加えてpHを7にコントロールしなが
ら、50〜60℃で3時間反応させた。次いでメタノー
ルを64g(2モル)仕込み、硫酸でpHを2にコント
ロールし、40℃で2時間反応させたあと、 苛性ソー
ダ水溶液でpHを7とし、 減圧下で未反応のメタノー
ルを留去した。 得られた化合物をMeMDHEU-Fとする。
これに水を加えて濃度を45%とした。pHは6.7であ
り、エチレンウレア環1モルあたり、メチロール基は
0.1モル、メトキシメチル基は1.0モルであった。
【0047】こうして得られた MeMDHEU-Fの45%水溶
液を用いて、例11と同様に処理浴を調製し、さらに加
工および物性測定試験を行って、表2の結果を得た。
【0048】
【表2】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 例 MDHEU系化合物 処理浴 加 工 布 の 物 性 No. 名前 メチロール メトキシ pH 防しわ性 (%) F.F.量 白色度 基 メチル基 経 緯 (ppm) ───────────────────────────────── 10 MDHEU-B 1.7モル - 6.3 74 70 129 136 11 〃 〃 - 3.8 81 75 48 134 12 〃 〃 - 2.1 83 77 41 121 13 MDHEU-C 2.0モル - 3.8 82 79 296 135 14 MDHEU-D 0.9モル - 3.8 69 67 38 135 15 MeMDHEU-E 1.9モル 0.1モル 3.8 77 74 201 134 16 MeMDHEU-F 0.1モル 1.0モル 3.8 61 60 30 134 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0049】表2の結果からわかるように、メチロール
基の量を制御した MDHEU-Bを用い、処理浴のpHを調整
した例11は、好ましい物性を示している。これに対
し、ジメチロール体である MDHEU-Cを用いた例13およ
びジメチロール体を部分的にメチルエーテル化した MeM
DHEU-Eを用いた例15では、遊離ホルムアルデヒド量が
多くなり、また低メチロール体である MDHEU-Dを用いた
例14および低メチロール体を部分メチルエーテル化し
た MeMDHEU-Fを用いた例16では、防しわ性が低くな
る。
【0050】
【発明の効果】本発明の繊維処理剤を用いることによ
り、加工効果の低下や耐塩素性および耐光性の低下をき
たすことなく、遊離ホルムアルデヒドの発生を好ましく
低減させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−21782(JP,A) 特開 昭61−34281(JP,A) 特開 昭52−66795(JP,A) 特開 平6−146168(JP,A) 特開 昭51−119898(JP,A) 特開 昭55−144018(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 13/00 - 15/72 Fターム(4L033)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メチロールジヒドロキシエチレンウリア系
    化合物および、該メチロールジヒドロキシエチレンウリ
    ア系化合物1重量部あたり0.1重量部以上のジエチレン
    グリコールを含有し、該メチロールジヒドロキシエチレ
    ンウリア系化合物が、エチレンウリア環1モルあたり、
    1.2〜1.9モルの範囲でメチロール化されていることを
    特徴とする繊維処理剤。
  2. 【請求項2】メチロール化された部分がすべてメチロー
    ル基の形で存在する請求項1記載の繊維処理剤。
  3. 【請求項3】メチロールジヒドロキシエチレンウリア系
    化合物のエチレンウリア環1モルあたり、メチロール基
    が1.2〜1.8モルである請求項2記載の繊維処理剤。
  4. 【請求項4】メチロール化された部分がさらにメチルエ
    ーテル化されている請求項1記載の繊維処理剤。
  5. 【請求項5】メチロールジヒドロキシエチレンウリア系
    化合物のエチレンウリア環1モルあたり、メチロール基
    とメトキシメチル基が合計で1.4〜1.9モルの範囲にあ
    り、そしてメトキシメチル基が0.2〜1.8モルの範囲に
    ある請求項4記載の繊維処理剤。
  6. 【請求項6】メチロールジヒドロキシエチレンウリア系
    化合物とジエチレングリコールとが重量比1:0.1〜1
    の範囲で存在する請求項1〜5のいずれかに記載の繊維
    処理剤。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の繊維処理
    剤および酸性触媒を含む処理浴を、25℃におけるpH
    が2.5〜5の範囲でセルロース系繊維に適用することを
    特徴とする、セルロース系繊維の加工方法。
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