JP3466479B2 - 共振器型弾性表面波フィルタ - Google Patents

共振器型弾性表面波フィルタ

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JP3466479B2
JP3466479B2 JP17136798A JP17136798A JP3466479B2 JP 3466479 B2 JP3466479 B2 JP 3466479B2 JP 17136798 A JP17136798 A JP 17136798A JP 17136798 A JP17136798 A JP 17136798A JP 3466479 B2 JP3466479 B2 JP 3466479B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、弾性表面波(Su
rface Acoustic Wave (サーフェイス・アコースティッ
ク・ウェイブ):SAW)共振器を用いた梯子型回路構
成の帯域フィルタ(「共振器型弾性表面波フィルタ」と
も称する。)に関し、特に、1.9GHz帯域の超高周
波用フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】800MHz帯域の周波数帯を使用する
AMPS(Advanced mobile phone service (アドバン
スド・モビール・ホン・サービス))方式の移動体通信
においては、送信周波数帯域が824MHz〜849M
Hz、および、受信周波数帯域が869MHz〜894
MHzと仕様が規定されている。この仕様では、送信お
よび受信の両帯域フィルタの通過帯域幅をそれぞれ25
MHzとし、送信および受信周波数間の間隔を20MH
zとし、さらに、受信周波数帯域において十分な抑圧度
を有し、しかも送信周波数帯域において十分な抑圧度を
有すること、という特性が要求される。そこで、従来の
移動体通信機器、例えば携帯電話等においては、この仕
様を満たすため、送信および受信周波数帯域用の帯域通
過フィルタとして、共振器型SAWフィルタをそれぞれ
使用し、この共振器型SAWフィルタを、2重モード共
振特性をそれぞれ有する複数のSAW共振器で梯子型に
構成していた。
【0003】この共振器型SAWフィルタの梯子型の回
路構成は、第1ポートと第2ポートとを接続する直列腕
と、直列腕と基準線とを接続する並列腕とをもって構成
されている。そして、直列腕および並列腕には、それぞ
れ一端子対SAW共振器が設けられている。また、各一
端子対SAW共振器は、それぞれ一対のすだれ状電極
(InterDigital-Transducer (インターディジタル−ト
ランスデューサー):IDT、櫛形電極)からなる電極
対を具えている。
【0004】そして、従来のAMPS方式用のSAWフ
ィルタにおいては、AMPS方式の仕様を満たすため、
送信周波数帯域用および受信周波数帯域用共に、直列腕
共振器および並列腕共振器のすだれ状電極の電極指の交
差長を例えば100μm程度とし、かつ、電極指の対数
を例えば100対程度としていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したAMPS方式
に対して、1900MHz(1.9GHz)帯域の周波
数を使用するPCS(Personal Communication Service
(パーソナル・コミュニケーション・サービス))方式
の移動体通信においては、送信周波数の帯域が1850
MHz〜1910MHz、受信周波数の帯域が1930
MHz〜1990MHzと仕様が規定されている。
【0006】一般に、共振器型SAWフィルタにおいて
は、SAWフィルタのすだれ状電極の電極指(櫛の歯)
のピッチを短くすることによって、通過帯域の周波数を
800MHz帯域から1900MHz帯域に高くするこ
とができる。
【0007】しかしながら、PCS方式においては、A
MPS方式に比べて、送信周波数および受信周波数の通
過帯域幅は60MHzと広くなったものの、送信周波数
帯域と受信周波数帯域との間の帯域間隔は20MHzと
狭いままである。このため、共振器SAWフィルタの電
極指のピッチを単に縮小しただけでは、PCS方式の仕
様を満足するフィルタ特性を実現することができない。
【0008】具体的には、電極指を単に縮小しただけで
は、送信用周波数帯域用の帯域通過フィルタにおいて
は、高周波側の受信用周波数帯域における減衰量が不十
分となり、また、受信用周波数帯域用の帯域通過フィル
タにおいては、低周波側の送信用周波数帯域における減
衰量が不十分となる。
【0009】このため、PCS方式の仕様を満足する優
れた周波数特性を有する共振器型SAWフィルタの出現
が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】(第1の共振器弾性表面
波フィルタ)この発明の第1の共振器型弾性表面波フィ
ルタ(以下、「共振器型SAWフィルタ」とも称す
る。)によれば、第1ポートと第2ポートとを接続する
直列腕と、この直列腕と基準線とを接続する並列腕とを
もって梯子型に構成された回路構成を有し、直列腕は直
列腕共振器として一端子対弾性表面波共振器を具え、並
列腕は並列腕共振器として他の一端子対弾性表面波共振
器を具え、および、これら直列腕および並列腕共振器
は、それぞれ一対のすだれ状電極からなる電極対とその
両側に設けられた反射器とを具えている共振器型弾性表
面波フィルタにおいて、送信用フィルタとして用いる場
合は、直列腕共振器を構成する電極対の電極指の交差長
を110μm〜130μmおよび当該電極指の対数を1
10対〜130対とし、および、並列腕共振器を構成す
る電極対の電極指の交差長を30μm〜50μmおよび
この電極指の対数を50対〜70対としてあることを特
徴とする。
【0011】このように、この発明の第1の共振器型S
AWフィルタでは、直列腕共振器の電極対の電極指の交
差長を従来フィルタの直列腕共振器の電極対の電極指の
交差長よりも長くしている。
【0012】また、第1の共振器型SAWフィルタで
は、直列腕共振器での対数を従来フィルタの直列腕共振
器での対数よりも多くしている。
【0013】この出願に係る発明者は、このように直列
腕共振器の電極指の交差長を長くし、かつ、電極指の対
数を多くすると、直列腕共振器の電気抵抗分が低下する
傾向があることを、第1の実施の形態において後述する
ように、シミュレーションにより見出した。
【0014】また、この発明の第1の共振器型SAWフ
ィルタでは、並列腕共振器の電極指の交差長を従来フィ
ルタの並列腕共振器の交差長よりも短くしている。ま
た、第1の共振器型SAWフィルタでは、並列腕共振器
での電極指の対数を従来フィルタの並列腕共振器の対数
よりも少なくしている。
【0015】この発明者は、このように並列腕共振器で
の交差長を短くし、かつ、対数を少なくすると、並列腕
共振器のコンダクタンスが低下する傾向があることを、
第1の実施の形態において後述するように、シミュレー
ションにより見出した。
【0016】そして、この発明者は、このように直列腕
共振器の電気抵抗分を低下させ、かつ、並列腕共振器の
コンダクタンスを低下させると、共振器型SAWフィル
タの特性が、通過帯域の高周波数側の近傍の減衰域にお
いて、周波数の増加に伴う減衰量の増加がより急激とな
る特性を示すことを見出した。従って、この第1の共振
器型SAWフィルタによれば、通過帯域の高周波数側に
近接した周波数帯域において、十分な減衰量を実現する
ことができる。
【0017】そして、この発明者は、直列腕共振器の電
極指の交差長を110μm〜130μm、電極指の対数
を110対〜130対とし、かつ、並列腕共振器の電極
指の交差長を30μm〜50μm、電極指の対数を50
対〜70対とした場合に、通過帯域から高周波数側に2
0MHzだけ離れた帯域で、十分な減衰量が確保できる
ことを、第1の実施の形態において後述するように、シ
ミュレーションにより見出した。従って、この第1の共
振器SAWフィルタは、PCS方式の仕様を送信周波数
帯域用の帯域通過フィルタに要求される仕様を満足する
優れた周波数特性を示す。
【0018】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、回路構成は、1つの直列腕共振器と1つの並列腕共
振器との一端子との間に合成直列腕共振器および合成並
列腕共振器を梯子状に接続した中間回路構成とし、送信
用フィルタとして用いる場合は、中間回路の前記合成直
列腕共振器を構成する電極対の電極指の交差長を50μ
m〜70μmおよびこの電極指の対数を110対〜13
0μmとし、および合成並列腕共振器を構成する電極対
の電極指の交差長を45μm〜65μmおよびこの電極
指の対数を75対〜95対とするのが良い。
【0019】このような構成にすることにより、合成直
列腕共振器のインピーダンスは、2ZSとなる。但し、
直列腕共振器のインピーダンスをZとする。このた
め、直列腕共振器の電極指の対数を変えずに合成直列腕
共振器の電極指の交差長を直列腕共振器の交差長の約1
/2倍にすることが出来る。
【0020】また、合成並列腕共振器のアドミタンス
は、2YP となる。但し、並列腕共振器のアドミタンス
をYP とする。このため、合成並列腕共振器の電極指の
交差長および対数をを並列腕共振器に比べ約√2倍にす
ることが出来る。
【0021】(第2の共振器弾性表面波フィルタ)ま
た、この発明の第2の共振器弾性表面波フィルタ(以
下、「共振器型SAWフィルタ」とも称する。)によれ
ば、第1ポートと第2ポートとを接続する直列腕と、こ
の直列腕と基準線とを接続する並列腕とをもって梯子型
に構成された回路構成を有し、直列腕共振器として一端
子対弾性表面波共振器を具え、並列腕共振器として他の
一端子対弾性表面波共振器を具え、および、これら直列
腕および並列腕共振器はそれぞれ一対のすだれ状電極か
らなる電極対とその両側に設けられた反射器とを具えて
いる共振器型弾性表面波フィルタにおいて、受信用フィ
ルタとして用いる場合は、直列腕共振器を構成する電極
対の電極指の交差長を35μm〜55μmおよびこの電
極指の対数を80対〜100対とし、および、並列腕共
振器を構成する電極対の電極指の交差長を5μm〜25
μmおよびこの電極指の対数を60対〜80対としてあ
ることを特徴とする。
【0022】このように、この発明の第2の共振器型S
AWフィルタでは、直列腕共振器の電極指の交差長を従
来フィルタの直列腕共振器の交差長よりも短くしてい
る。この出願に係る発明者は、このように直列腕共振器
の電極指の交差長を短くすると、直列腕共振器の電気抵
抗分が増大する傾向があることを、第1の実施の形態で
後述するシミュレーションと同様のシミュレーションに
より見出した。
【0023】また、この発明の第2の共振器型SAWフ
ィルタでは、並列腕共振器での交差長を従来フィルタの
並列腕共振器の交差長よりも短くしている。この発明者
は、このように並列腕共振器での交差長を短くすると、
並列腕共振器のコンダクタンスが低下する傾向があるこ
とを、第1の実施の形態で後述するシミュレーションと
同様のシミュレーションにより見出した。
【0024】そして、この発明者は、このように直列腕
共振器の電気抵抗分を増大させ、かつ、並列腕共振器の
コンダクタンスを低下させると、共振器型SAWフィル
タが、通過帯域の低周波数側の近傍の減衰域において、
周波数の減少に伴う減衰量の増加がより急激となる特性
を示すことを見出した。従って、この第2の共振器型S
AWフィルタによれば、通過帯域の低周波数側に近接し
た周波数帯域において、十分な減衰量を実現することで
きる。
【0025】そして、この発明者は、直列腕共振器の電
極指の交差長を35μm〜55μm、電極指の対数を8
0対〜100対とし、かつ、並列腕共振器の電極指の交
差長を5μm〜25μm、電極指の対数を60対〜80
対とした場合に、通過帯域から低周波数側に20MHz
だけ離れた帯域で、十分な減衰量が確保できることを、
第1の実施の形態で後述するシミュレーションと同様の
シミュレーションにより見出した。従って、この第2の
共振器SAWフィルタは、PCS方式の受信周波数帯域
用の帯域通過フィルタに要求される仕様を満足する優れ
た周波数特性を示す。
【0026】また、この発明の第2の共振器型SAWフ
ィルタにおいて、好ましくは、回路構成は、1つの前記
直列腕共振器と1つの並列腕共振器との一端子との間に
合成直列腕共振器および合成並列腕共振器を梯子状に接
続した中間回路構成とし、受信用フィルタとして用いる
場合は、中間回路の合成直列腕共振器を構成する電極対
の電極指の交差長を10μm〜30μmおよびこの電極
指の対数を80対〜100μmとし、および合成並列腕
共振器を構成する電極対の電極指の交差長を10μm〜
30μmおよび当該電極指の対数を90対〜110対と
するのが良い。
【0027】また、この発明の第1および第2の共振器
型SAWフィルタにおいて、好ましくは、回路構成は、
1つの直列腕共振器と1つの並列腕共振器とのそれぞれ
の一端子を互いに接続して構成された基本構成を奇数段
具えた奇数段梯子型回路構成とするのが良い。
【0028】奇数段梯子型回路構成のフィルタでは、第
1ポートの近傍の直列腕共振器および並列腕共振器が、
図9の(B)に示すように、T型に配置される。この配
置においては、第1ポートの直近に直列腕共振器が配置
される。このため、この構成のフィルタは、第1ポート
側から入力された減衰帯域の周波数に対して、高インピ
ーダンスとなる周波数特性を示す。
【0029】また、奇数段梯子型回路構成のフィルタで
は、第2ポートの近傍の直列腕共振器および並列腕共振
器が、図9の(A)に示すように、π型に配置される。
この配置においては、第2ポートの直近に並列腕共振器
が配置される。このため、この構成のフィルタは、第2
ポート側から入力された減衰帯域の周波数に対して、低
インピーダンスとなる周波数特性を示す。
【0030】また、この発明の第1および第2の共振器
型SAWフィルタにおいて、好ましくは、回路構成は、
偶数段π型梯子型回路構成とし、この偶数段π型梯子型
回路構成は、1つの直列腕共振器と、当該直列腕共振器
および第2ポート間に一方の端子が接続されて設けられ
た1つの並列腕共振器とをもって構成された基本構成を
偶数段具え、1段目の基本構成の直列腕共振器および第
1ポート間に一方の端子が接続された追加の並列腕共振
器を具えているのが良い。
【0031】偶数段π型梯子型回路構成のフィルタで
は、第1ポートおよび第2ポートそれぞれの近傍の直列
腕共振器および並列腕共振器が、図9の(A)に示すよ
うに、それぞれπ型に配置される。この配置では、第1
ポートおよび第2ポートそれぞれの直近に並列腕共振器
が配置される。このため、この構成のフィルタは、第1
ポート側および第2ポート側のいずれのポート側から入
力された減衰帯域の周波数に対しても、共に低インピー
ダンスとなる周波数特性を示す。
【0032】また、この発明の第1および第2の共振器
型SAWフィルタにおいて、好ましくは、回路構成は、
偶数段T型梯子型回路構成として、この偶数段T型梯子
型回路構成は、1つの直列腕共振器と、当該直列腕共振
器および第2ポート間に一方の端子が接続されて設けら
れた1つの並列腕共振器とをもって構成された基本構成
を偶数段具え、最終段目の基本構成の直列腕共振器およ
び第2ポート間に接続された追加の直列腕共振器を具え
ているのが良い。
【0033】このように、偶数段T型梯子型回路構成と
すれば、第1ポートおよび第2ポートそれぞれの近傍の
直列腕共振器および並列腕共振器が、図9の(B)に示
すように、それぞれT型に配置される。この配置では、
第1ポートおよび第2ポートそれぞれの直近に直列腕共
振器が配置される。このため、この構成のフィルタは、
第1ポート側および第2ポート側のいずれのポート側か
ら入力された減衰帯域の周波数に対しても、共に高イン
ピーダンスとなる周波数特性を示す。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して、この発明の
実施の形態について説明する。尚、参照する図は、この
発明の理解ができる程度に各構成成分の大きさ、形状お
よび配置関係を概略的に示してあるにすぎない。従っ
て、この発明は図示例に限定されるものではない。
【0035】(一端子対SAW共振器の構成について)
ここで、各実施の形態の説明に先立ち、図1を参照し
て、共振器型SAWフィルタを構成する一端子対弾性表
面波共振器(一端子対SAW共振器)の構成について説
明する。図1の(A)は、一端子対SAW共振器の構成
の説明に供する平面図である。
【0036】この一端子対SAW共振器100は、基板
19上に、一対の電極対14を具えている。この電極対
14は、互いに対向した一対のすだれ状電極10および
12をもって構成されている。このすだれ状電極10お
よび12は、それぞれ電極端子11および13に接続さ
れている。そして、すだれ状電極10および12は、そ
れぞれ複数本の電極指10aおよび12aを有する。電
極指10aと電極指12aとは、互いに離間して交互に
平行に配置されている。また、電極指10aと電極指1
2aの長さは等しく、各電極指10aおよび12aの長
さは均一である。
【0037】ここでは、基板19として、例えば、厚さ
0.35mmのLiTaO3 を用いる。また、すだれ状
電極10および12を、例えば、厚さ約200nmの銅
(Cu)−アルミニウム(Al)の材料でもって構成す
る。また、電極指10aおよび12aを、例えば、太さ
0.5μmとし、長さ50μmの寸法とする。そして、
電極指のピッチを例えば0.5μmとする。
【0038】また、電極指10aと電極指12aとは、
基板19の主表面に沿った方向のうち、電極指10aお
よび12aの延在する方向と直交する方向から見て、互
いに重なって配置されている。ここでは、電極指10a
と電極指12aとが重なっている部分の長さを交差長L
とする。交差長Lは、電極指10aおよび12aによら
ず均一である。また、1本の電極指10aと1本の電極
指12aとをもって一対の電極指18を構成する。
【0039】また、この一端子対SAW共振器100
は、電極指10aおよび12aの延在方向に直交する方
向に沿って電極対14の両側に、それぞれ反射器16を
具えている。この反射器16は、例えば、基板19上の
表面に電極指10aおよび12aと平行に延在したスト
ライプ状の凹凸を形成したグレーティングをもって構成
する。尚、隣り合った電極指10aと電極指12aとの
間隔およびグレーティングのピッチは、一端子対SAW
共振器100の通過帯域の周波数に応じて決定される。
【0040】また、一端子対弾性表面波共振器は、図1
の(B)に示す記号によって表される。
【0041】(第1の実施の形態)第1の実施の形態に
おいては、図2を参照して、この発明の第1の共振器型
SAWフィルタの基本構成の例について説明する。尚、
ここでは、第1の共振器型SAWフィルタを送信用フィ
ルタとして用いた場合につき説明する。
【0042】先ず、図2の(A)に、第1の実施の形態
の共振器型SAWフィルタ(単に「フィルタ」とも称す
る。)500の構成を示す。
【0043】この実施の形態のフィルタ500は、第1
ポート20と第2ポート22とを接続する直列腕24
と、この直列腕24と基準線28とを接続する並列腕2
6とをもって梯子型に構成された回路構成を有する。こ
の実施の形態では、第1ポート20を入力ポートとし、
第2ポート22を出力ポートとする。また、基準線28
は、電気的に接地されている。
【0044】そして、直列腕24は、直列腕共振器10
2として一端子対弾性表面波共振器102を具えてい
る。また、並列腕26は、並列腕共振器104として他
の一端子対弾性表面波共振器104を具えている。
【0045】次に、図2の(B)に、直列腕共振器10
2の一部を構成する一対のすだれ状電極10および12
からなる電極対14を模式的に示す。また、図1の
(C)に、並列腕共振器104の一部を構成する一対の
すだれ状電極10および12からなる電極対14を模式
的に示す。
【0046】このフィルタ500では、PCS方式の送
信用のフィルタとして用いるため、直列腕共振器102
の電極対14の電極指10aおよび12aの交差長Ls
を110μm〜130μm、電極対14の対数Nsを1
10対〜130対とし、かつ、並列腕共振器104の電
極対14の電極指10aおよび12aの交差長Lpを3
0μm〜50μm、電極対14の対数Npを50対〜7
0対とする。尚、電極対14の電極指10aおよび12
aの交差長を以下、電極対14の交差長または単に交差
長とも称することがある。
【0047】上記の電極対の交差長および対数の範囲
は、シミュレーションによって求められたものである。
このシミュレーションにあたっては、この実施の形態の
梯子(ラダー)型SAWフィルタ500の回路構成を、
図3に示す等価回路に置き換える。図3は、図2の
(A)に示すフィルタ500の等価回路500を示す回
路図である。
【0048】図3に示す等価回路500においては、直
列腕共振器102をLC共振器であると仮定して、これ
を第1のコンデンサ30、第2のコンデンサ32および
第1のインダクタンス34でもって置換する。第2のコ
ンデンサ32と第1のインダクタンス34とは、互いに
直列に接続されている。そして、第2のコンデンサ32
および第1のインダクタンス34の直列回路と、第1の
コンデンサ30とは、互いに並列に接続されている。
【0049】また、図3に示す等価回路500において
は、並列腕共振器104もLC共振器と仮定して、これ
を第3のコンデンサ36、第4のコンデンサ38および
第2のインダクタンス40でもって置換する。第4のコ
ンデンサ38と第2のインダクタンス40とは、互いに
直列に接続されている。そして、第4のコンデンサ38
および第2のインダクタンス40の直列回路と、第3の
コンデンサ36とは、互いに並列に接続されている。
【0050】そして、上述の図3に示された等価回路5
00において、第1のコンデンサの容量Cs1 、第2の
コンデンサの容量Cs2 および第1のインダクタンスの
インダクタンスLs(併せて等価LC値)とすると、直
列腕共振器102のインピーダンスZsは、次の(1)
式で与えられる。
【0051】
【数式1】 ただし、上記の(1)式において、jは虚数を表し、j
・Xsは虚数部のインピーダンスを表し、ω(ω=2π
f)は角速度を表し、fは周波数を表す。
【0052】また、等価回路500において、第3のコ
ンデンサの容量Cp1 、第4のコンデンサの容量Cp2
および第2のインダクタンスのインダクタンスLp(併
せて等価LC値)とすると、並列腕共振器104のイン
ピーダンスZpは、下記の(2)式で与えられる。
【0053】
【数式2】 ただし、上記の(2)式において、Xpは虚数部のイン
ピーダンスを表す。
【0054】また、この等価回路500のイメージ伝送
量γについては、従来周知のように、下記の(3)式が
成り立つ。
【0055】 tanh(γ)=[Xs/(Xp+Xs)]1/2 ・・・(3) イメージパラメータによるフィルタ理論によれば、上記
の(3)式の値が、純虚数のときの周波数帯域は通過帯
域となり、実数のときの周波数帯域は減衰帯域となる。
【0056】ここで、図4を参照して、シミュレーショ
ンの前提となる、共振器型SAWフィルタ500の特性
(周波数特性)について説明する。先ず、図4の上段
に、直列腕共振器102および並列腕共振器104それ
ぞれのインピーダンスの周波数特性を表すグラフを示
す。このグラフの横軸は周波数(任意単位)を表し、縦
軸はインピーダンス(任意単位)を表す。尚、このグラ
フにおいて、インピーダンスの値は、横軸よりも上側で
+(プラス)、下側で−(マイナス)とする。
【0057】そして、グラフ中、直列腕共振器102の
インピーダンスZsの周波数特性を、便宜的にXsの周
波数特性として曲線I で示す。また、並列腕共振器10
4のインピーダンスZpの周波数特性を、便宜的にXp
の周波数特性として曲線IIIで示す。さらに、−Xpの
周波数特性を曲線IIで示す。
【0058】曲線I に示すように、この直列腕共振器1
02は、2重モード共振特性を有する。即ち、直列腕共
振器102は、共振周波数frs(グラフ上のXs=0
かつ微分可能な点)と***振周波数fas(グラフ上の
Xs=0かつ微分不可能な点)とを有する。
【0059】また、曲線III に示すように、この並列腕
共振器104も、2重モード共振特性を有する。即ち、
並列腕共振器104は、共振周波数frp(グラフ上の
Xp=0かつ微分可能な点)と***振周波数fap(グ
ラフ上のXp=0かつ微分不可能な点)とを有する。そ
して、共振器型SAWフィルタ500においては、直列
腕共振器102の共振周波数frsと、並列腕共振器1
04の***振周波数fapとを一致するように設計して
ある。
【0060】そして、上記の(3)式の値が純虚数とな
って、通過帯域となる条件は、下記の(4)式および
(5)式で与えられる。
【0061】Xs>0かつXs<−Xp・・・(4) 上記の(4)式で与えられた条件は、図4においてDの
符号で示された帯域に相当する。
【0062】Xs<0かつXs>−Xp・・・(5) 上記の(5)式で与えられた条件は、図4においてCの
符号で示された帯域に相当する。
【0063】また、上記の(3)式の値が実数となっ
て、減衰帯域となる条件は、次の(6)式および(8)
式で与えられる。
【0064】Xs>0かつXs>−Xp・・・(6) 上記の(6)式で与えられた条件は、図4においてEの
符号で示された帯域に相当する。
【0065】
【0066】Xs<0かつXs<−Xp・・・(8) 上記の(8)式で与えられた条件は、図4においてA
およびFの符号でそれぞれ示された帯域に相当する。
【0067】上記の(4)〜(8)式で与えられた条件
から、SAWフィルタ500の周波数特性は、図4の下
段のグラフに示す特性となる。図4の下段のグラフは、
共振器型SAWフィルタの周波数と減衰量との関係を表
すグラフである。このグラフの横軸は周波数(任意単
位)を表し、縦軸は減衰量(任意単位)を表す。ただ
し、このグラフでは、縦軸の下に行くほど減衰量は多く
なるものとする。
【0068】また、このグラフ中の曲線IVは、このフィ
ルタ500の周波数特性を示す。曲線IVに示すように、
このフィルタ500は、前述のCおよびDの符号で示さ
れた周波数帯域に相当する、減衰量の小さい(即ち、挿
入損失の小さい)通過帯域を有する。また、Cの帯域幅
とDの帯域幅とがほぼ等しいので、直列腕共振器102
の共振周波数frs即ち並列腕共振器の104の***振
周波数fapが、実質的に通過帯域の中心周波数とな
る。
【0069】また、この通過帯域の両側の周波数帯域で
は、通過帯域から離れるに従って、減衰量が急激に大き
くなる。
【0070】例えば、Bの符号で示す周波数帯域、即
ち、通過帯域の低周波側の端から並列腕共振器104の
共振周波数frpまでの周波数帯域では、周波数の減少
と共に減衰量が急激に増加する。また、この共振周波数
frpは、低周波側の減衰極となっている。
【0071】また、例えば、Eの符号で示す周波数帯
域、即ち、通過帯域の高周波側の端から直列腕共振器1
02の***振周波数fasまでの周波数帯域では、周波
数の増加と共に減衰量が急激に増加する。また、この反
共振周波数fasは、高周波側の減衰極となっている。
【0072】そして、減衰極よりもさらに両側の周波数
帯域は、減衰量の大きな減衰域となっている。
【0073】例えば、Aの符号で示す周波数帯域、即
ち、通過帯域の低周波側の減衰極よりも低周波側の周波
数帯域は、減衰量の大きな減衰域となっている。
【0074】また、例えば、Fの符号で示す周波数帯
域、即ち、通過帯域の高周波側の減衰極よりも高周波側
の周波数帯域も、減衰量の大きな減衰域となっている。
【0075】従って、このフィルタ500は、通過帯域
の周波数の信号のみを選択的に通過させる帯域通過フィ
ルタとして機能する。
【0076】ここで、この発明の課題を解決する上で着
目すべき点は、BおよびEの符号でそれぞれ示された周
波数帯域の帯域幅である。このBまたはEで示す帯域幅
が狭いほど、即ち、BまたはEの帯域における曲線IVの
傾斜が急峻であるほど、帯域通過フィルタとしての特性
は優れたものとなる。
【0077】そして、このBまたはEで示す周波数帯域
は、(Xs・Xp<−1)となる周波数帯域に実質的に
相当する。従って、フィルタの特性を優れたものとする
ためには、(Xs・Xp<−1)となる周波数帯域の帯
域幅を狭くすることが望ましい。
【0078】ところで、PCS方式の仕様では、前述の
ように、送信用周波数帯域と受信用周波数帯域が、20
MHzという狭い帯域幅を挟んで設定されている。従っ
て、PCS方式の送信用周波数帯域用の帯域通過フィル
タにおいては、通過帯域の高周波側において、Eの帯域
幅、即ち(Xs・Xp<−1)となる範囲が実質的に2
0MHz以下であることが要求される。また、例えば、
PCS方式の受信用周波数帯域用の帯域通過フィルタに
おいては、通過帯域の低周波側において、Bの帯域幅、
即ち(Xs・Xp<−1)となる範囲が実質的に20M
Hz以下であることが要求される。
【0079】このため、シミュレーションにより、(X
s・Xp<−1)となる帯域幅が、実質的に20MHz
以下となるときの電極対の交差長および対数の条件を求
めた。
【0080】シミュレーションにあたっては、周波数、
電極対の交差長および電極対の対数の種々の条件を設定
する。そして、各条件の下で、図3に示した等価回路5
00の直列腕共振器102について、第1のコンデンサ
の容量Cs1 、第2のコンデンサの容量Cs2 および第
1のインダクタンスのインダクタンスLs(併せて等価
LC値)をそれぞれ求める。そして、直列腕共振器10
2の電気抵抗をLC共振器の損出部として求める。
【0081】また、シミュレーションにあたっては、各
条件の下で、図3に示した等価回路500の並列腕共振
器104について、第3のコンデンサの容量Cp1 、第
4のコンデンサの容量Cp2 および第2のインダクタン
スのインダクタンスLp(併せて等価LC値)をそれぞ
れ求める。そして、並列腕共振器104のコンダクタン
スをLC共振器の損出部として求める。
【0082】そして、直列腕共振器102について求め
た等価LC値およびそのときの周波数を、それぞれ上記
の(1)式に代入して、Xsを算出する。その結果、直
列腕共振器の電極指の交差長を長くし、かつ、電極指の
対数を多くすると、直列腕共振器の電気抵抗分が低下す
る傾向があることを見出した。
【0083】また、並列腕共振器104について求めた
等価LC値およびそのときの周波数を、それぞれ上記の
(2)式に代入して、Xpを算出する。その結果、並列
腕共振器での交差長を短くし、かつ、電極指の対数を少
なくすると、並列腕共振器のコンダクタンスが低下する
傾向があることを見出した。
【0084】そして、Eの帯域に相当する(Xs・Xp
<−1)となる周波数帯域の帯域幅を求めたところ、直
列腕共振器の電気抵抗分を低下させ、かつ、並列腕共振
器のコンダクタンスを低下させると、共振器型SAWフ
ィルタが、Eの帯域に相当する、通過帯域の高周波数側
の近傍の減衰域において、周波数の増加に伴う減衰量の
増加がより急激となる特性を示すことを見出した。さら
に、Eの帯域に相当する(Xs・Xp<−1)となる周
波数帯域の帯域幅が実質的に20MHz以下となる交差
長および対数を求めて、上述した条件を得た。
【0085】すなわち、このフィルタ500をPCS方
式の送信周波数用の帯域通過フィルタとして用いるた
め、直列腕共振器102の電極対14の交差長Lsを1
10μm〜130μm、対数Nsを110対〜130対
とし、かつ、並列腕共振器104の電極対14の交差長
Lpを30μm〜50μm、対数Npを50対〜70対
とする。
【0086】従って、このように電極対の交差長および
対数を設定したので、このフィルタ500は、PCS方
式の送信周波数用の帯域通過フィルタに要求される仕様
を満足することができる。即ち、このフィルタ500
は、送信用の通過帯域の高周波側に20MHz離れて設
定された受信用周波数帯域において、十分な減衰量を達
成することができる。
【0087】(第2の実施の形態)次に、第2の実施の
形態においては、図5を参照して、この発明の第1の共
振器型SAWフィルタを奇数段梯子型回路構成とした例
について説明する。尚、図5の(A)および(B)は、
第2の実施の形態の送信用のSAWフィルタの構成の説
明に供する回路構成図である。
【0088】第2の実施の形態の回路構成は、一つの直
列腕共振器と一つの並列腕共振器とのそれぞれの一端子
を互いに接続して構成された基本構成を奇数段備えた奇
数段梯子型回路構成と成っている(図5の(A))。
【0089】すなわち、この奇数段梯子型回路構成は、
全体として例えば5段構成とする。一段目では、入力ポ
ート20側に直列腕共振器102aを接続し、当該直列
腕共振器102aと基準線28との間に合成並列腕共振
器104aを接続している。
【0090】2段目は、合成並列腕共振器104aと合
成直列腕共振器102bとにより構成されており、3段
目は、合成直列腕共振器102bと合成並列腕共振器1
04bとにより構成されており、4段目は、合成並列腕
共振器104bと合成直列腕共振器102cとにより構
成されており、5段目は、合成直列腕共振器102cと
並列腕共振器104cとにより構成されている。
【0091】次に、図5の(B)を参照して、合成直列
腕共振器102bおよび102cと合成並列腕共振器1
04aおよび104bの回路構成につき説明する。
【0092】第2の実施の形態では、合成直列腕共振器
102bおよび102cは、2つの直列腕共振器を直列
に接続した構成に成っており、合成並列腕共振器104
aおよび104bは、2つの並列腕共振器を並列に接続
した構成に成っている。
【0093】従って、奇数段梯子型回路構成のフィルタ
502においては、合成直列腕共振器102bおよび1
02cの合成インピーダンスは、直列腕共振器のインピ
ーダンスの2倍となる。一方、合成並列腕共振器104
aおよび104bの合成アドミタンスは、並列腕共振器
のアダミタンスの2倍となる。
【0094】また、この例では第1ポート20の直近に
1段目の直列腕共振器102aを配置している。このた
め、この構成のフィルタ502は、第1ポート20側か
ら入力された減衰帯域の周波数に対して高インピーダン
スとなる周波数特性を示す。
【0095】また、この構成のフィルタ502では、第
2ポート22の直近に5段目の並列腕共振器104cを
配置している。このため、この構成のフィルタ502
は、第2ポート22側から入力された減衰帯域の周波数
に対して低インピーダンスとなる周波数特性を示す。
【0096】ここで、図6に、第2の実施の形態のフィ
ルタ502の周波数特性の測定結果を示す。図6は、フ
ィルタ502の周波数特性の測定結果を示すグラフであ
る。図中、このグラフの横軸は周波数(GHz)を表
し、縦軸は減衰量(dB)を表す。ただし、減衰量は、
縦軸の下へ行くほど大きくなる。そして、グラフ中の曲
線Vは、測定結果を示す。
【0097】尚、測定に当たっては、フィルタ502の
段数を、5段とした。また、直列腕共振器102aは電
極対のピッチを約0.5μmとし、交差長を120μm
とし、対数を120対とする。また、合成直列腕共振器
102bおよび102cは電極対のピッチを約0.5μ
mとし、交差長を60μmとし、対数を120対とす
る。
【0098】また、合成並列腕共振器104aおよび1
04bは、電極対のピッチ約0.5μmとし、交差長を
56μmとし、対数を85対とする。また、並列腕共振
器104cは、電極対のピッチ約0.5μmとし、交差
長を40μmとし、対数を60対とする。また、交差長
LsおよびLp、および対数NsおよびNpの関係は、
Ls>Lp、Ns>Npとする。また、Lp/Ls=1
/3とし、Np/Ns=0.5とする(図2の(B)お
よび(C))。
【0099】図6の曲線Vから明らかなように、このフ
ィルタ502は、PCS方式の送信周波数帯域である
1.85GHz〜1.91GHzの帯域において、3.
5dB以下の挿入損失を達成している。また、このフィ
ルタ502は、PCS方式の送信周波数帯域の高周波数
側に20MHz離れて設定された、1.93〜1.99
GHzの受信周波数帯域において、18dB以上の減衰
量を達成している。従って、この測定結果から、このフ
ィルタ502は、PCS方式における送信用周波数帯域
用の帯域通過フィルタとして用いて好適であることが分
かった。
【0100】(第3の実施の形態)次に、第3の実施の
形態においては、図7を参照して、この発明の第1の共
振器型SAWフィルタを偶数段π型梯子型回路構成とし
た例について説明する。図7は、第3の実施の形態の共
振器型SAWフィルタの構成の説明に供する回路図であ
る。
【0101】第3の実施の形態の偶数段π型梯子型回路
構成のSAWフィルタ(単に「フィルタ」とも称す
る。)504は、第1の実施の形態のフィルタ500を
基本構成(1段の構成)として、これを偶数段直列に連
ねた構成を有する。そして、図7に示す構成において
は、基本構成のフィルタを(2n)段設けている。ただ
し、nは自然数である。尚、図7においては、例えばm
段目(mは、1≦m≦(2n)の自然数)の直列腕共振
器102および並列腕共振器104にそれぞれ102
(m)および104(m)の符号を付して表す。
【0102】さらに、このフィルタ504は、1段目の
基本構成よりも第1ポート20寄りの位置に1つの並列
腕共振器104(0)を具えている。即ち、第1ポート
20に直近の直列腕共振器102(1)とこの第1ポー
ト20との間に、追加の並列腕共振器104(0)の一
方の端子を接続させており、この並列腕共振器104
(0)の他方の端子を基準線28に接続してある。
【0103】この偶数段π型梯子型回路構成のフィルタ
504では、第1ポート20および第2ポート22それ
ぞれの近傍の直列腕共振器および並列腕共振器が、図9
の(A)に示すように、それぞれπ型に配置されてい
る。具体的には、第1ポート20側においては、1段目
のさらに第1ポート20よりに設けられた追加の並列腕
型共振器104(0)と1段目の合成直列腕共振器10
2(1)および並列腕共振器104(1)が、π型に配
置されている。
【0104】また、第2ポート22側においては、(2
n−1)段目の並列腕共振器102(2n−1)と(2
n)段目の合成直列腕共振器102(2n)および並列
腕共振器104(2n)とが、π型に配置されている。
【0105】このようなπ型回路構成にすることによ
り、合成直列腕共振器の合成インピーダンスは、直列腕
共振器の2倍となる。従って、この例では、合成直列腕
共振器の電極対の電極指の対数を変えずに交差長を直列
腕共振器の1/2倍にすることが出来る。
【0106】この配置においては、第1ポート20およ
び第2ポート22それぞれの直近に並列腕共振器104
(0)と104(2n)とが配置される。このため、こ
の構成のフィルタ504は、第1ポート側20および第
2ポート側22のいずれのポート側から入力された減衰
帯域の周波数に対しても、共に低インピーダンスとなる
周波数特性を示す。
【0107】(第4の実施の形態)次に、第4の実施の
形態においては、図8を参照して、この発明の第1の共
振器型SAWフィルタを偶数段T型梯子型回路構成とし
た例について説明する。図8は、第4の実施の形態の共
振器型SAWフィルタの構成の説明に供する回路図であ
る。
【0108】第3の実施の形態の偶数段T型梯子型回路
構成の共振器SAWフィルタ(単に「フィルタ」とも称
する。)506は、第1の実施の形態のフィルタ500
を基本構成(1段の構成)として、これを偶数段直列に
連ねた構成を有する。そして、図8に示す構成において
は、基本構成のフィルタを(2n)段設けている。ただ
し、nは自然数である。尚、図8においては、例えばm
段目(mは、0≦m≦(2n)の自然数)の直列腕共振
器102および並列腕共振器104にそれぞれ102
(m)および104(m)の符号を付して表す。
【0109】そして、このフィルタ506は、最終段目
の基本構成よりも第2ポート22寄りの位置に1つの追
加の直列腕共振器102(2n+1)を具えている。即
ち、出力ポート22と、この出力ポート22に直近の直
列腕共振器102(2n)および当該合成並列腕共振器
104(2n)間の接続点との間に、この追加の直列腕
共振器102(2n+1)を具えている。
【0110】この偶数段T型梯子型回路構成のフィルタ
506では、第1ポート20および第2ポート22それ
ぞれの近傍の直列腕共振器102(2n)と直列腕共振
器102(2n+1)および合成並列腕共振器104
(2n)が、図9の(B)に示すように、それぞれT型
に配置される。具体的には、第1ポート20側において
は、1段目の直列腕共振器102(1)および合成並列
腕共振器104(1)と2段目の直列腕共振器102
(2)とが、T型に配置されている。また、第2ポート
22側においては、(2n)段目の直列腕共振器102
(2n)および合成並列腕共振器104(2n)と、最
終段さらに第2ポート寄りに設けられた直列腕共振器1
02(2n+1)とが、T型に配置されている。
【0111】このような構成にすることにより、合成並
列腕共振器のアドミタンスは、直列腕共振器の2倍とな
る。従って、この例では、合成並列腕共振器の電極対の
対数および交差長をそれぞれ並列腕共振器の√2倍にす
ることが出来る。
【0112】この配置においては、第1ポート20およ
び第2ポート22それぞれの直近に直列腕共振器102
が配置される。このため、この構成のフィルタ506
は、第1ポート側および第2ポート側のいずれのポート
側から入力された減衰帯域の周波数に対しても、共に高
インピーダンスとなる周波数特性を示す。
【0113】(第5の実施の形態)第5の実施の形態に
おいては、図10を参照して、この発明の第2の共振器
型SAWフィルタの基本構成の例について説明する。
尚、ここでは、第2の共振器型SAWフィルタを受信用
フィルタとして用いる場合につき述べる。
【0114】先ず、図10に、第5の実施の形態の共振
器型SAWフィルタ(単に「フィルタ」とも称する。)
510の回路構成を示す。
【0115】この実施の形態のフィルタ510は、第1
ポート20と第2ポート22とを接続する直列腕24
と、この直列腕24と基準線28とを接続する並列腕2
6とをもって梯子型に構成された回路構成を有する。そ
して、この実施の形態では、第1ポート20を入力ポー
トとし、第2ポート22を出力ポートとする。そして、
基準線28は電気的に接地されている。
【0116】そして、直列腕24は、直列腕共振器11
2として一端子対弾性表面波共振器を具えている。ま
た、並列腕26は、並列腕共振器114として他の一端
子対弾性表面波共振器を具えている。
【0117】次に、図10の(B)に、直列腕共振器1
12を構成する一対のすだれ状電極10および12から
なる電極対14を模式的に示す。また、図10の(C)
に、並列腕共振器114を構成する一対のすだれ状電極
10および12からなる電極対14を示す。
【0118】このフィルタ510では、PCS方式にお
ける受信用周波数帯域用の帯域通過フィルタとして用い
るため、直列腕共振器112の電極対14の電極指10
aおよび12aの交差長Lsを35μm〜55μm、対
数を80対〜100対とし、かつ、並列腕共振器114
の電極対14の電極指10aおよび12aの電極指10
aおよび12aの交差長Lpを5μm〜25μm、対数
を60対〜80対とする。尚、電極対14の電極指10
aおよび12aの交差長を以下、電極対14の交差長ま
たは単に交差長とも称することがある。
【0119】また、この実施の形態では、直列腕共振器
112を構成する電極対の電極指の対数を90対とし、
並列腕共振器114を構成する電極対の対数を70対と
する。
【0120】上述の電極対の交差長の範囲は、既に述べ
た第1の実施の形態の場合と同様に、シミュレーション
によって求められる。PCS方式の仕様では、前述のよ
うに、送信用周波数帯域と受信用周波数帯域が、20M
Hzという狭い帯域幅を挟んで設定されている。従っ
て、PCS方式の受信用周波数帯域用の帯域通過フィル
タにおいては、通過帯域の低周波側において、上述した
Bの帯域幅(図4参照)、即ち(Xs・Xp<−1)と
なる範囲が実質的に20MHz以下であることが要求さ
れる。このため、シミュレーションにより、(Xs・X
p<−1)となる帯域幅が、実質的に20MHz以下と
なるときの電極対の交差長の条件を求めて、上述した条
件を得た。
【0121】従って、このように電極対の交差長を設定
したので、このフィルタ510は、PCS方式の受信周
波数用の帯域通過フィルタに要求される仕様を満足する
ことができる。即ち、このフィルタ510は、受信用の
通過帯域の低周波側に20MHz離れて設定された受送
信用周波数帯域において、十分な減衰量を達成すること
ができる。
【0122】(第6の実施の形態)次に、第6の実施の
形態においては、この発明の第2の共振器型SAWフィ
ルタを奇数段梯子型回路構成とした例について説明す
る。
【0123】第6の実施の形態の奇数段梯子型回路構成
の共振器型SAWフィルタ(単に「フィルタ」とも称す
る。)は、既に述べた第2の実施の形態におけるフィル
タ502の構成と同様にしている。すなわち、直列腕共
振器102および並列腕共振器104を、それぞれ、第
5の実施の形態において説明した直列腕共振器112お
よび並列腕共振器114に置き換えた構成を有する。そ
して、第6の実施の形態では、直列腕共振器112およ
び並列腕共振器114以外の構成については、第2の実
施の形態の構成と同じであるので、その詳細な説明を省
略する。
【0124】次に、図11に、第6の実施の形態のフィ
ルタの周波数特性の測定結果を示す。図11は、このフ
ィルタの周波数特性の測定結果を示すグラフである。こ
のグラフの横軸は周波数(GHz)を表し、縦軸は減衰
量(dB)を表す。ただし、減衰量は、縦軸の下へ行く
ほど大きくなる。そして、グラフ中の曲線VIは、測定結
果を示す。
【0125】尚、測定に当たっては、このフィルタの段
数を、5段とした。また、直列腕共振器102aは、ピ
ッチを約0.5μmとし、交差長を44μmとし、対数
を90対とする。
【0126】また、合成直列腕共振器102bおよび1
02cは、ピッチを約0.5μmとし、交差長を22μ
mとし、対数を90対とする。
【0127】また、合成並列腕共振器104aおよび1
04bは、ピッチを約0.5μmとし、交差数を22μ
mとし、対数を99対とする。また、並列腕共振器10
4cはピッチを約0.5μmとし、交差長を16μmと
し、対数を70対とする。また、このときの交差長およ
び対数の関係を、Ls>Lp、Ns>Npとする。ま
た、Lp/Ls=0.36とし、Np/Ns=0.78
とする。
【0128】そして、曲線VIで示すように、このフィル
タは、PCS方式の受信周波数帯域である1.93GH
z〜1.99GHzの帯域において、4.0dB以下の
挿入損失を達成している。また、このフィルタは、PC
S方式の受信周波数帯域の低周波数側に20MHz離れ
て設定された、1.85〜1.91GHzの送信周波数
帯域において、29dB以上の減衰量を達成している。
従って、この測定結果からこのフィルタは、PCS方式
における受信用周波数帯域用の帯域通過フィルタとして
用いて好適であることが分かった。
【0129】(第7の実施の形態)次に、第7の実施の
形態においては、この発明の第2の共振器型SAWフィ
ルタを偶数段π型梯子型回路構成とした例について説明
する。
【0130】第7の実施の形態の偶数段π型梯子型回路
構成の共振器型SAWフィルタ(単に「フィルタ」とも
称する。)は、既に述べた第3の実施の形態におけるフ
ィルタ504の構成において、直列腕共振器102およ
び並列腕共振器104を、それぞれ第5の実施の形態に
おいて説明した直列腕共振器112および並列腕共振器
114に置き換えた構成を有する。そして、第7の実施
の形態では、直列腕共振器112および並列腕共振器1
14以外の構成については、第3の実施の形態の構成と
同じであるので、その詳細な説明を省略する。
【0131】(第8の実施の形態)次に、第8の実施の
形態においては、この発明の第2の共振器型SAWフィ
ルタを偶数段T型梯子型回路構成とした例について説明
する。
【0132】第8の実施の形態の偶数段T型梯子型回路
構成の共振器型SAWフィルタ(単に「フィルタ」とも
称する。)は、前述した第4の実施の形態におけるフィ
ルタ506の構成において、直列腕共振器102および
並列腕共振器104を、それぞれ第5の実施の形態にお
いて説明した直列腕共振器112および並列腕共振器1
14に置き換えた構成を有する。そして、第8の実施の
形態では、直列腕共振器112および並列腕共振器11
4以外の構成については、第4の実施の形態の構成と同
じであるので、その詳細な説明を省略する。
【0133】上述した各実施の形態では、これらの発明
を特定の材料を用い、特定の条件で構成した例について
のみ説明したが、これらの発明は多くの変更および変形
を行うことができる。例えば、上述した実施の形態で
は、直列腕共振器の共振周波数と、並列腕共振器の***
振周波数とを一致させた例について説明したが、この発
明では、直列腕共振器の共振周波数と並列腕共振器の反
共振周波数とは、ほぼ一致していればよい。例えば、直
列腕共振器の共振周波数を並列腕共振器の***振周波数
よりも(例えば数MHz程度まで)高くしても良い。
【0134】また、例えば、上述した実施の形態では、
第1ポートを入力ポート、第2ポートを出力ポートとし
た例について説明したが、この発明では、例えば、第1
ポートを出力ポート、第2ポートを入力ポートとしても
良い。
【0135】
【発明の効果】この発明の第1の共振器型SAWフィル
タによれば、通過帯域から高周波数側に20MHzだけ
離れた帯域で、十分な減衰量が確保できる。従って、こ
の第1の共振器SAWフィルタは、PCS方式の仕様を
送信周波数帯域用の帯域通過フィルタに要求される仕様
を満足する優れた周波数特性を有する。
【0136】また、この発明の第2の共振器型SAWフ
ィルタによれば、通過帯域から低周波数側に20MHz
だけ離れた帯域で、十分な減衰量が確保できる。従っ
て、この第2の共振器SAWフィルタは、PCS方式の
受信周波数帯域用の帯域通過フィルタに要求される仕様
を満足する優れた周波数特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、共振器型SAWフィルタを構成する
一端子対SAW共振器の構成の説明に供する平面図であ
り、(B)は、一端子対SAW共振器を表す符号であ
る。
【図2】(A)は、第1の実施の形態の共振器型SAW
フィルタの説明に供する回路図であり、(B)は、直列
腕共振器の電極対の構成の説明に供する構成図であり、
(C)は、並列腕共振器の電極対の構成の説明に供する
構成図である。
【図3】第1の実施の形態の共振器型SAWフィルタの
等価回路図である。
【図4】共振器型SAWフィルタの特性の説明に供する
図である。
【図5】(A)〜(B)は、第2の実施の形態の共振器
型SAWフィルタの説明に供する回路構成図である。
【図6】第2の実施の形態の共振器型SAWフィルタの
特性の測定結果を示すグラフである。
【図7】第3の実施の形態の共振器型SAWフィルタの
説明に供する回路図である。
【図8】第4の実施の形態の共振器型SAWフィルタを
構成するSAWフィルタの説明に供する回路図である。
【図9】(A)は、π型の共振器SAWフィルタの構成
の説明に供する回路図であり、(B)は、T型の共振器
SAWフィルタの構成の説明に供する回路図である。
【図10】(A)は、第5の実施の形態の共振器型SA
Wフィルタの説明に供する回路図であり、(B)は、直
列腕共振器の電極対の構成の説明に供する構成図であ
り、(C)は、並列腕共振器の電極対の構成の説明に供
する構成図である。
【図11】第5の実施の形態の共振器型SAWフィルタ
の特性の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10、12:すだれ状電極 10a、12a:電極指 11、13:電極端子 14:電極対 16:反射器 18:一対の電極指 19:基板 20:第1ポート 22:第2ポート 24:直列腕 26:並列腕 28:基準線 30:第1のコンデンサ 32:第2のコンデンサ 34:第1のインダクタンス 36:第3のコンデンサ 38:第4のコンデンサ 40:第2のインダクタンス 100:一端子対弾性表面波共振器(一端子対SAW共
振器) 102、102a:直列腕共振器 102b、102c:合成直列腕共振器 102(2n+1):追加の直列腕共振器 104,104c:並列腕共振器 104a、104b:合成並列腕共振器 104(0):追加の並列腕共振器 500:基本構成の共振器型SAWフィルタ、等価回路 502:奇数段梯子型回路構成のフィルタ 504:偶数段π型梯子型回路構成のフィルタ 506:偶数段T型梯子型回路構成のフィルタ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−331233(JP,A) 特開 平9−18287(JP,A) M.UEDA,O.Kawachi, K.Hashimoto,O.Ikat a and Y.Sato,Low L oss Ladder Type Fi lter in The Range of 300 to 400MHz,Proc eedings of THE IEE E ULTRASONICS SYMP OSIUM,1994年,p.143−146 佐藤良夫、伊方 理、宮下 勉、松田 隆志、西原時弘,SAW共振器を用いた 低損失帯域フィルタ,電子情報通信学会 論文誌A,1993年 2月,Vol.J76 −A,No.2,p.245−251 Y.KOBAYASHI,N.TAN AKA,K.MATSUI,H.OKA NO,T.USUKI,K.SHIBA TA,Y.SHIMIZU,1.9−G Hz−Band Surface Ac oustic Wave Device Using Second Leak y Wave on LiTaO3 a nd LiNbO3,Proceedi ngs of THE IEEE IN TERNATIONAL FREQUE NCY CONTROL SYMPOS IUM,1996年,p.240−247 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/64 H03H 9/25

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1ポートと第2ポートとを接続する直
    列腕と、該直列腕と基準線とを接続する並列腕とをもっ
    て梯子型に構成された回路構成を有し、前記直列腕は直
    列腕共振器として一端子対弾性表面波共振器を具え、前
    記並列腕は並列腕共振器として他の一端子対弾性表面波
    共振器を具え、および、これら直列腕および並列腕共振
    器は、それぞれ一対のすだれ状電極からなる電極対とそ
    の両側に設けられた反射器とを具えている共振器型弾性
    表面波フィルタにおいて、 送信用フィルタとして用いる場合は、前記直列腕共振器
    を構成する前記電極対の電極指の交差長を110μm〜
    130μmおよび該電極指の対数を110対〜130対
    とし、および、 前記並列腕共振器を構成する前記電極対の電極指の交差
    長を30μm〜50μmおよび該電極指の対数を50対
    〜70対としてあることを特徴とする共振器型弾性表面
    波フィルタ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の共振器型弾性表面波フ
    ィルタにおいて、前記回路構成は、1つの前記直列腕共
    振器と1つの前記並列腕共振器との一端子との間に合成
    直列腕共振器および合成並列腕共振器を梯子状に接続し
    た中間回路構成とし、 送信用フィルタとして用いる場合は、前記中間回路の前
    記合成直列腕共振器を構成する前記電極対の電極指の交
    差長を50μm〜70μmおよび該電極指の対数を11
    0対〜130μmとし、および前記合成並列腕共振器を
    構成する前記電極対の電極指の交差長を45μm〜65
    μmおよび該電極指の対数を75対〜95対としてある
    ことを特徴とする共振器型弾性表面波フィルタ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の共振器型弾性表面波フ
    ィルタにおいて、前記回路構成は、1つの前記直列腕共
    振器と1つの前記並列腕共振器とのそれぞれの一端子を
    互いに接続して構成された基本構成を奇数段具えた奇数
    段梯子型回路構成としたことを特徴とする共振器型弾性
    表面波フィルタ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の共振器型弾性表面波フ
    ィルタにおいて、 前記回路構成は、偶数段π型梯子型回路構成とし、該偶
    数段π型梯子型回路構成は、 1つの前記直列腕共振器と、当該直列腕共振器および前
    記第2ポート間に一方の端子が接続されて設けられた1
    つの前記並列腕共振器とをもって構成された基本構成を
    偶数段具え、1段目の前記基本構成の直列腕共振器およ
    び前記第1ポート間に一方の端子が接続された追加の前
    記並列腕共振器を具えていることを特徴とする共振器型
    弾性表面波フィルタ。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の共振器型弾性表面波フ
    ィルタにおいて、 前記回路構成は、偶数段T型梯子型回路構成として、該
    偶数段T型梯子型回路構成は、 1つの前記直列腕共振器と、当該直列腕共振器および前
    記第2ポート間に一方の端子が接続されて設けられた1
    つの前記並列腕共振器とをもって構成された基本構成を
    偶数段具え、最終段目の前記基本構成の直列腕共振器お
    よび前記第2ポート間に接続された追加の前記直列腕共
    振器を具えていることを特徴とする共振器型弾性表面波
    フィルタ。
  6. 【請求項6】 第1ポートと第2ポートとを接続する直
    列腕と、該直列腕と基準線とを接続する並列腕とをもっ
    て梯子型に構成された回路構成を有し、前記直列腕共振
    器として一端子対弾性表面波共振器を具え、前記並列腕
    共振器として他の一端子対弾性表面波共振器を具え、お
    よび、これら直列腕および並列腕共振器はそれぞれ一対
    のすだれ状電極からなる電極対とその両側に設けられた
    反射器とを具えている共振器型弾性表面波フィルタにお
    いて、 受信用フィルタとして用いる場合は、前記直列腕共振器
    を構成する前記電極対の電極指の交差長を35μm〜5
    5μmおよび該電極指の対数を80対〜100対とし、
    および、 前記並列腕共振器を構成する前記電極対の電極指の交差
    長を5μm〜25μmおよび該電極指の対数を60対〜
    80対としてあることを特徴とする共振器型弾性表面波
    フィルタ。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の共振器型弾性表面波フ
    ィルタにおいて、前記回路構成は、1つの前記直列腕共
    振器と1つの前記並列腕共振器との一端子との間に合成
    直列腕共振器および合成並列腕共振器を梯子状に接続し
    た中間回路構成とし、 受信用フィルタとして用いる場合は、前記中間回路の前
    記合成直列腕共振器を構成する前記電極対の電極指の交
    差長を10μm〜30μmおよび該電極指の対数を80
    対〜100μmとし、および前記合成並列腕共振器を構
    成する前記電極対の電極指の交差長を10μm〜30μ
    mおよび該電極指の対数を90対〜110対としてある
    ことを特徴とする共振器型弾性表面波フィルタ。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の共振器型弾性表面波フ
    ィルタにおいて、前記回路構成は、1つの前記直列腕共
    振器と1つの前記並列腕共振器とのそれぞれの一端子を
    互いに接続して構成された基本構成を奇数段具えた奇数
    段梯子型回路構成としたことを特徴とする共振器型弾性
    表面波フィルタ。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の共振器型弾性表面波フ
    ィルタにおいて、前記回路構成は、偶数段π型梯子型回
    路構成とし、該偶数段π型梯子型回路構成は、 1つの前記直列腕共振器と、当該直列腕共振器および前
    記第2ポート間に一方の端子が接続されて設けられた1
    つの前記並列腕共振器とをもって構成された基本構成を
    偶数段具え、1段目の前記基本構成の直列腕共振器およ
    び前記第1ポート間に一方の端子が接続された追加の前
    記並列腕共振器を具えていることを特徴とする共振器型
    弾性表面波フィルタ。
  10. 【請求項10】 請求項6に記載の共振器型弾性表面波
    フィルタにおいて、前記回路構成は、偶数段T型梯子型
    回路構成として、該偶数段T型梯子型回路構成は、 1つの前記直列腕共振器と、当該直列腕共振器および前
    記第2ポート間に一方の端子が接続されて設けられた1
    つの前記並列腕共振器とをもって構成された基本構成を
    偶数段具え、最終段目の前記基本構成の直列腕共振器お
    よび前記第2ポート間に接続された追加の前記直列腕共
    振器を具えていることを特徴とする共振器型弾性表面波
    フィルタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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M.UEDA,O.Kawachi,K.Hashimoto,O.Ikata and Y.Sato,Low Loss Ladder Type Filter in The Range of 300 to 400MHz,Proceedings of THE IEEE ULTRASONICS SYMPOSIUM,1994年,p.143−146
Y.KOBAYASHI,N.TANAKA,K.MATSUI,H.OKANO,T.USUKI,K.SHIBATA,Y.SHIMIZU,1.9−GHz−Band Surface Acoustic Wave Device Using Second Leaky Wave on LiTaO3 and LiNbO3,Proceedings of THE IEEE INTERNATIONAL FREQUENCY CONTROL SYMPOSIUM,1996年,p.240−247
佐藤良夫、伊方 理、宮下 勉、松田隆志、西原時弘,SAW共振器を用いた低損失帯域フィルタ,電子情報通信学会論文誌A,1993年 2月,Vol.J76−A,No.2,p.245−251

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