JP3465879B2 - 熱電変換モジュールの製造方法 - Google Patents

熱電変換モジュールの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱電変換に適した
棒状半導体を用いて熱電変換モジュールを製造する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱電変換素子には、ビスマス・テルル
系、鉄・シリコン系、コバルト、アンチモン系などの半
導体素子が用いられている。図1に、ビスマス・テルル
系の熱電変換素子を用いて構成した熱電変換モジュール
の一例を示している。この熱電変換モジュール10は、
チップ状の複数のp型およびn型の半導体素子25およ
び26がパイ状に組合わさるように交互に配置し、電極
(導電材)12で接合して形成される。この熱電変換モ
ジュール10は、電極12に直流電流を供給すると、チ
ップ状のp型およびn型の半導体素子25および26の
一方の端を吸熱側、他方の端を放熱側として作用でき
る。
【0003】従来、このような熱電変換モジュール10
の製造方法としては、図6に模式的に示す製造方法等が
知られている。先ず、ビスマス・テルル系の結晶が育成
された結晶インゴット90を製造し、結晶インゴット9
0をスライスしてウェハ状に加工する。次に、加工した
ウェハ92の表面にニッケルメッキ14を施し、一辺が
1〜3mm程度の立方体のチップ状に切断加工する。さ
らに、クリーム状の半田15が印刷されたセラミック基
板16上に、これらのチップ状のp型の半導体素子25
とn型の半導体素子26をセラミック基板16の電極と
合致するように適当な隙間をあけて配置する。配置した
後、これらチップ状のn型の半導体素子25とp型の半
導体素子26の表面に、もう一枚のセラミック基板17
をマントし、半田付けをする。そして、図1に示したよ
うな熱電変換モジュール10が製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この製造方法では、結
晶インゴットから半導体素子を成型するために、ウェハ
化する工程と、チップ化する際に直交する面で切断する
工程が必要であり、切断工程が少なくとも3回となる。
したがって、コスト高である。また、結晶インゴット
は、へき開性を備えており、切断回数が多いほど割れや
欠けが発生する。したがって、歩留りが低くなりこの点
においてもコスト高となる。さらに、チップ加工後に、
セラミック基板上に多数の小さなチップ状の半導体素子
を、p型とn型のチップ状の半導体素子が交互になるよ
うに配置するので手間がかかる。したがって、熱電変換
モジュールの製造コストはさらに高くなる。
【0005】また、切断工程が多いと、チップ状の半導
体素子に応力が多く加わるので信頼性も低くなり易い。
【0006】これに対して、ビスマス・テルル系の半導
体を棒状に結晶育成または焼結等で成型し熱電変換モジ
ュールを製造する方法が考えられている。この製造方法
は、先ず、複数の棒状半導体を適当な間隔をあけて交互
に並列に配置する。そして、複数の棒状半導体の隙間
に、これらの半導体が分離しないように樹脂製の充填材
を注入して母ユニットを形成する。次に、母ユニットを
棒状半導体の長手方向と直交する方向にスライスして、
素子ユニットを形成する。素子ユニットは、チップ状の
p型の半導体素子とn型の半導体素子が充填材により束
ねられた状態となっているので、そのままセラミック基
板にマウントして半田付けし、その後に、充填材を適当
な方法で除去することにより、熱電変換モジュールを製
造できる。この製造方法では、チップ状の半導体素子を
形成するために母ユニットをスライスする切断が1回必
要となるだけであり、さらに、チップ状の半導体素子を
個々に並べる工程も必要ない。したがって、低コスト
で、高品質な熱電変換モジュールが製造できる。
【0007】しかしながら、このような方法で熱電変換
モジュールを製造するためには、いくつかの問題があ
る。その1つは、p型の棒状半導体とn型の棒状半導体
の間に、樹脂製の充填材を注入して母ユニットを形成す
る際に、充填材が体積変化することがある。体積変化す
ると、スライスしたときに、p型の半導体素子とn型の
半導体素子の間隔と、セラミック基板の電極の間隔が合
致しなくなり、接続できないということがある。
【0008】また、セラミック基板が半田付けされた後
に、樹脂製の充填材を取除く際の問題がある。取除くた
めに、温度を上げて融解して除去できる充填材を採用す
ると、メッキ処理または半田付け処理の際に、接着(支
持)機能を担っている充填材が融解してしまうので、セ
ラミック基板にチップ状のp型およびn型の半導体素子
が固定される前に、素子ユニットが分解してしまう。し
たがって、樹脂製の充填材は、メッキ処理およびセラミ
ック基板に接合する半田付け処理の際に融解しない素材
が要求される。しかしながら、半田付け処理後に、充填
材を融解して除去するために、半田の融解温度以上に加
熱すると、半田がとれる可能性があるので、充填材を熱
で溶かすのは難しい。
【0009】一方、耐熱性を備えた樹脂製の充填材を用
い、その充填材を除去するために溶剤を用いる方法で
は、大量の溶剤が必要となり、時間がかかる。さらに、
その後の溶剤の処理(廃棄)の問題も生じる。
【0010】これに対して、充填材に、樹脂以外の素
材、例えば、石こうを用いることも可能である。石こう
は、体積変化はほとんどない。しかしながら、耐熱性が
非常に高く、半田付け処理温度(リフロー温度)の範囲
内、または電極を備えた基板に影響ない温度では融解し
ない。また、溶剤で取除くことも難しい。したがって、
石こうは、機械的に引き抜く必要があるが、モジュール
化した後に、衝撃などをあたえて石こうを粉砕すること
は不可能である。石こうの代わりに、体積変化しない安
定した素材であるガラス板で棒状半導体を挟み込む方法
もあるが、石こうと同様に取外しが難しい。
【0011】ガラス板等の充填材をそのままチップ状の
半導体素子の間に残しておくことも可能である。しかし
ながら、充填材の熱伝導に起因する能力低下(損失)が
生じる。したがって、熱電変換モジュールを作動させた
ときの温度差による熱応力、半導体素子の表面の状態、
さらに能力低下などを考慮すると、半導体素子の周囲か
ら充填材(絶縁体)を取除くことが望ましい。
【0012】したがって、棒状半導体から母ユニットを
形成しスライスする上記の製造方法は、低コストで、信
頼性の高い熱電変換モジュールを製造できる可能性のあ
る優れた製造方法であるが、上記のような問題があるの
で、現状では、工業的に実際に使用することは難しい。
【0013】そこで、本発明においては、棒状半導体を
用いた切断工程の少ない製造方法において、簡単に充填
材が取外しできるようにすることにより、信頼性が高
く、高品質な熱電変換モジュールを低コストで製造でき
る方法を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、複数の棒状半導体を適当な間隔をあけた所望の位
置に配置するために使われる充填材(素材)に、熱また
は溶剤に対して、溶け易い素材、あるいは、溶けにくい
素材のどちらか一方を単独で用いるのではなく、これら
の2種類の素材を組合せて、棒状半導体に積層するよう
に用いる。
【0015】すなわち、本発明の熱電変換モジュールの
製造方法は、熱電素子となる複数の半導体素子を、電極
を備えた基板に接合し、熱電変換モジュールを形成する
熱電変換モジュールの製造方法において、複数の棒状半
導体の間に、後の工程で取付けられる電極との接合に影
響を与えずに、融解または溶解可能な第1の素材と、こ
の第1の素材を融解または溶解可能な条件では融解また
は溶解されない第2の素材とを積層し、棒状半導体が所
定の間隔で配置され母ユニットを形成する工程と、母ユ
ニットを棒状半導体の長手方向と直交する方向にスライ
スして素子ユニットを形成する工程と、棒状半導体がス
ライスされた素子ユニット中の半導体素子の少なくとも
一方の面に基板の電極を接合する工程と、第1の素材を
融解または溶解して除去する工程と、第2の素材を取外
す工程とを有することを特徴としている。
【0016】基板を半田またはろう材などで接合する工
程において、半導体素子が基板にほぼ接合され、融解し
ないような温度で第1の素材のみが融解する場合は、接
合する工程と、第1の素材を除去する工程を1つの工程
で行うことができる。
【0017】本発明の熱電変換モジュールの製造方法
は、棒状半導体同士の間に、第1および第2の素材を積
層して母ユニットを形成する。このため、これをスライ
スした素子ユニットにおいて、第1の素材を溶解または
融解すると、半導体素子と第2の素材との間に隙間が生
じる。したがって、第2の素材は、溶解または融解しな
くても取除くことができる。また、第2の素材に機械的
な衝撃を与えなくても、第2の素材を取除くことができ
る。
【0018】第2の素材を取除くために必要な隙間は小
さくて良い。したがって、第1の素材は薄い層で良い。
このため、第1の素材を除去する溶媒の量は、少なくて
済み、短時間で除去できる。第1の素材は、第2の素材
に対して棒状半導体を接着する機能をもつ素材が選択で
き、この場合は、棒状半導体と第2の素材の間に第1の
素材が挟まれた構成となる。また、第2の素材として
は、体積変化の少ないものを選択できるので、母ユニッ
トをスライスして素子ユニットを形成した際に、半導体
素子同士の間隔と基板の電極の間隔が合致せず接続がで
きないという問題が発生しない。
【0019】第1の素材が、電極を付けるためのメッキ
処理などの前処理の温度以下では融解されないが、半田
付け処理温度(リフロー温度)範囲内で融解可能なもの
を選択することも可能である。このときは、素子ユニッ
トに基板を半田付けする際に第1の素材を融解して除去
できる。第1の素材が融解しても、チップ状にスライス
された半導体素子は融解されない第2の素材と、基板に
より支持されるため、各々の半導体素子の位置がずれて
問題となることはなく、熱電変換モジュールを製造でき
る。この第1の素材を融解することにより、溶剤の廃棄
の問題が回避できる。さらに、第1の素材を溶剤で除去
する工程を省くことができる。
【0020】このような本発明により、棒状半導体から
母ユニットを形成し、スライスする熱電変換モジュール
の製造方法において、簡単に充填材を取外しでき、低コ
ストで信頼性の高い熱電変換モジュールを製造できる。
【0021】本発明の製造方法においては、第1の素材
としては、耐熱性の瞬間接着剤、光硬化型の接着剤、ま
たはホットメルト系接着剤を用いることができる。ま
た、第2の素材としては、加工性が高く、工程中に融解
されない耐熱性を備えた素材として、セラミックス、ま
たはフェノール樹脂を用いることができる。セラミック
スは、例えば、ガラス、フッ素金雲母、窒化アルミ、窒
化ホウ素、ワラストナイト、チタン酸アルミ、石こう、
磁器、フェライト、カーボン等を用いることが可能であ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。以下においては、先に図1に示し
たp型チップ25およびn型チップ26が適当な間隔を
空けて配列され、セラミック基板16および17に挟ま
れて構成された熱電変換モジュール10を製造する方法
を例に本発明を説明する。この熱電変換モジュール10
は、ビスマス・テルル系で複数のほぼ立方体形状のp型
チップ25およびn型チップ26を電気的に接合して、
電流が流せるように銅製の電極12が設けたセラミック
基板16および17にp型チップ25およびn型チップ
26が挟まれている。セラミック基板16および17に
は、電力を供給するためのリード13aおよび13bが
設けてある。この熱電変換モジュール10は、セラミッ
ク基板16から吸熱し、その熱を対峙する側のセラミッ
ク基板17から放熱できる。
【0023】図2および図3に、本例の熱電変換モジュ
ール10の製造工程を模式的に示してある。本例の製造
方法では、先ず、図2(a)に示すように、ビスマス・
テルル系の棒状の熱電半導体結晶を、p型の棒状半導体
20とn型の棒状半導体21に結晶育成または焼結で成
型する。
【0024】次に、図2(b)に示すように、複数のp
型の棒状半導体20およびn型の棒状半導体21を所定
の間隔をあけて交互に、左右および上下に並列し配置す
る。このとき、棒状半導体20および21の両端を複数
の孔の形成された適当な治具(不図示)を用いて保持し
ても良い。あるいは、治具を用いずに以下に説明する第
1および第2の素材を積層しながら棒状半導体20およ
び21の位置を設定しても良い。
【0025】本例では、さらに、図2(b)に示すよう
に、棒状半導体20および21の間に第1および第2の
素材を補充(充填)して位置決めする。
【0026】第1の素材としては、樹脂製の瞬間接着剤
40を用いる。この接着剤40を棒状半導体20および
21の上下の面に塗布する。
【0027】第2の素材としては、厚みが棒状半導体2
0および21同士を配置する間隔とほぼ同じ、あるいは
それより若干薄い板ガラス42を用いることができる。
この板ガラス42を棒状半導体20および21の間に入
れることにより、棒状半導体20および21の間隔を所
定の値に保持できる。図4(a)および図4(b)は、
母ユニット22の断面図であり、これに示すように、第
1および第2の素材40および42を組合せて用いて積
層することで、棒状半導体20および21の間を第1お
よび第2の素材で充填できる。
【0028】第1および第2の素材40および42を間
に挟みながら、棒状半導体20および21を数段に積重
ねた後、さらに、その両端にも板ガラス42が取付けら
れる。そして、棒状半導体20および21が、それぞれ
所定の位置に仮止めされた母ユニット22が形成され
る。本例の母ユニット22では、板ガラス42が位置決
め治具としての主な役割を担っている。したがって、樹
脂製の接着剤40は少量で良く、また、できる限り薄い
層にすることが望ましい。
【0029】次に、図2(c)に示すように、母ユニッ
ト22を棒状半導体20および21の長手方向に対して
直交する方向に、第1および第2の素材40および42
とともに、所望の厚さにスライスして、素子ユニット2
4を形成する。板ガラス42は、棒状半導体20および
21と供に切断する加工用の補助材に適しており、スラ
イスした後も、母ユニット22と同じ状態で半導体を保
持した素子ユニット24を形成できる。
【0030】したがって、本例の素子ユニット24は、
図5(a)および図5(b)に、平面図および断面図を
用いて示すように、複数のp型チップ25およびn型チ
ップ26が、第1の素材である接着剤40によって、第
2の素材である板ガラス42に接着され積層されたもの
となる。すなわち、第1および第2の素材40および4
2により、p型チップ25およびn型チップ26が挟ま
れた状態で保持される。したがって、p型チップ25お
よびn型チップ26は、分離せず所望の位置に保持され
たユニットとして取扱うことができる。
【0031】次に、図3(a)に示すように、素子ユニ
ット24の表面にニッケルメッキ14を施し、電極を接
合するための表面処理(メッキ処理)を行う。本例の接
着剤40および板ガラス42は、メッキ処理温度では融
解しない耐熱性の高い素材が選択されている。このた
め、メッキ処理工程中に、第1および第2の素材40お
よび42は融解せず、p型チップ25およびn型チップ
26がバラバラになることはなく、そのままユニットと
して取扱える。
【0032】メッキ処理された素子ユニット24には、
図3(b)に示すように、セラミック基板16および1
7が組合わされる。セラミック基板16および17に
は、複数の電極12が素子ユニット24の中のp型チッ
プ25およびn型チップ26の各々を所定の組合せとな
るようにプリントされ、その電極12にクリーム半田1
5が印刷されている。
【0033】素子ユニット24にセラミック基板16お
よび17が組み合わされた熱電変換モジュール10は、
リフロー炉などに入れられて、p型チップ25およびn
型チップ26とセラミック基板16および17の電極1
2が半田付けされ電気的に接合される。同時に、p型チ
ップ25およびn型チップ26は、半田付けによりセラ
ミック基板16および17に支持される。
【0034】図3(c)に示すように、素子ユニット2
4にセラミック基板16および17が接合された熱電変
換モジュール10は、次に、適当な有機溶剤等を用いて
洗浄することにより、第1の素材である接着剤40を溶
解して除去する。なお、除去効率を上げるために、図3
(b)に示した工程において、先ず、セラミック基板1
7を一方だけ接合し、第1の素材(接着剤40)を除去
した後に、他方のセラミック基板16を接合しても良
い。先に接合したセラミック基板17によりp型チップ
25およびn型チップ26の各々の位置は維持できる。
したがって、このような方法を採用しても手間が増える
ことはない。
【0035】接着剤40を除去すると、次に、第2の素
材である板ガラス42とn型チップ25およびp型チッ
プ26の間に隙間があく。このため、板ガラス42を簡
単に取外しできる。熱電変換モジュール10からこのよ
うにして、p型チップ25およびn型チップ26の間を
埋めていた充填材(接着剤40および板ガラス42)が
完全に除去される。したがって、本例の製造方法により
製造された熱電変換モジュール10は、半導体素子(p
型チップ25およびn型チップ26)の間に絶縁物とな
る充填材がない状態となり、充填材の熱伝導に起因する
能力低下(損失)を防ぐことができる。また、絶縁物を
なくすことにより作動させたときに温度差による熱応力
が少なくなる。さらに、半導体素子の表面に絶縁物がな
いので、所定の優れた特性を得ることができる。
【0036】このように、本例の製造方法は、複数の棒
状半導体20および21を分離しないように仮り止めす
る素材(充填材)に、適当な溶媒に対して溶ける接着剤
40と、その工程中では溶解しない板ガラス42を組合
せて用いる。このため、使用されている接着剤40が少
量なので、接着剤40を溶解させて除去する際に必要な
溶剤は少量で良く、短時間で溶解できると供に、廃棄す
る溶剤も少量になる。したがって、製造工程を短縮で
き、溶剤の廃棄に伴なうコストを低減できる。
【0037】さらに、第1の素材である接着剤40を溶
かすと、第2の素材であるガラス板42は、熱電変換モ
ジュール10から溶解または融解しなくても簡単に取外
すことができる。したがって、半導体素子あるいは組立
てた後の熱電変換モジュール10に影響を与えずに短時
間で除去できる。
【0038】本例において、第1および第2の素材40
および42を充填することにより、棒状半導体20およ
び21を組合せた母ユニット22から素子ユニット24
を形成する製造方法により、熱電変換モジュール10を
実際に、そして簡単に製造している。したがって、本発
明により、切断工程が1回で済み、また短時間で熱電変
換モジュールを製造できる母ユニット22を用いた製造
方法を実際に用いることができ、高品質な熱電変換モジ
ュールを低コストで提供できる。
【0039】第1の素材となる接着剤としては、耐熱性
を備え、適当な溶剤に溶解可能な素材が好適である。例
えば、瞬間接着剤としては、セメダイン社製のアルキル
ーαーシアノアクリレートを主成分とする「瞬間接着剤
3000DXl」、「瞬間接着剤3000RXL」、ス
リーボンド社の「瞬間接着剤1731」、「瞬間接着剤
1782」を用いることができる。これらは、熱変形温
度が130度程度であり、十分な耐熱性を備えており、
さらに、適当な有機溶媒で溶解できる。さらに、東亜合
成社の「瞬間接着剤アロンアルファ201」、「瞬間接
着剤アロンアルファ401」、または「瞬間接着剤アロ
ンアルファ601」も適している。これらの素材は、ア
セトン、ジメチルホルムアミド、またはジメチルスルホ
キシド等の有機溶剤で溶解可能であり、ガラス転移点が
140度または115度程度の耐熱性を備えている。ま
た、これらの素材は、接着耐久性の向上のために、東亜
合成社の「前処理剤アロンガラスプライマー」を組合せ
て用いることが望ましい。さらに、接着面が小さい場合
など、硬化促進剤として、東亜合成社のエタノールを主
成分とする「aa・セッター」を供に用いることが望ま
しい。
【0040】さらに、光硬化型の接着剤も、第1の素材
として用いることができる。例えば、東亜合成社のアク
リル系接着樹脂の「嫌気性固着剤アロンタイトのBUシ
リーズ(紫外線硬化型)」、「アロンタイトVL−13
03(可視硬化型)」、または「アロンタイトVL−5
303(可視硬化型)」を用いることができる。
【0041】一方、第2の素材としては、加工性に優
れ、耐熱性を備えたセラミックスまたはフェノール樹脂
等の素材が好適である。セラミック系の素材としては、
先ず、上述した板ガラス42等のガラス系の素材があ
る。ガラス系の素材では、石英ガラスに加えて、硬質ガ
ラスである「パイレックス」、軟質ガラスの「青板ガラ
ス」、「板ガラス」などを用いることができる。
【0042】この他のセラミックス系の素材としては、
例えば、三井鉱山マテリアル社のフッ素金雲母を主結晶
相とする「マセライト系」、「ナノセラム」または、窒
化アルミニウム系を主結晶相とする「シェイパル系」の
素材が利用できる。さらに、窒化ホウ素、または、ワラ
ストナイトを主結晶相とする「マシナックス」、チタン
酸アルミを主結晶相とする「アルマタイト」が利用でき
る。
【0043】さらに、第2の素材としては、硫酸カルシ
ウムを主成分としている石こうを利用するも可能であ
る。ムライト(3Al2 3 ・2SiO2 )を主成分と
する磁器(硬質磁器)も利用できる。あるいは、α鉄ま
たはδ鉄等のほとんど純鉄に近い成分であるフェライト
を用いることも可能である。
【0044】また、非酸化物セラミックとして、カーボ
ン(黒鉛)系の素材では、東洋炭素社の「等方性高密度
黒鉛IG−15」を用いることも可能である。このカー
ボンは、高温下でも寸法精度の安定性が優れている。
【0045】さらに、第2の素材として、住友ベークラ
イト社の「スミコンPM」等の耐熱性に優れ、難燃性を
備えたフェノール系樹脂を用いることもできる。
【0046】なお、第1の素材として、メッキ温度では
融解しないが、リフロー温度範囲内で融解するようなホ
ットメルト系接着剤を用いることも可能である。例え
ば、東亜合成社の熱硬化性樹脂の「アドフィックス
系」、「スカイワックス系」を用いることができる。ま
た、第2の素材は、上記したような素材を用いることが
できる。
【0047】半田付け温度で融解する第1の素材を用い
て、熱電変換モジュール10を製造する方法では、素子
ユニット24にセラミック基板16および17が半田付
けされる際に、第1の素材も融解し除去することができ
る。このとき、p型チップ25およびn型チップ26
は、半田でセラミック基板16および17に固定され、
さらに、融解されない第2の素材により支持されるた
め、バラバラにならずに、所望の位置を維持できる。そ
して、第1の素材が溶けると、第2の素材とp型チップ
25およびn型チップ26の間に隙間ができるので、半
田付け後に第2の素材を融解または溶解せずに取外すこ
とができる。
【0048】なお、第2の素材の形状は、上記で説明し
た板ガラス42のような板状のものに限定されないこと
はもちろんである。第2の素材として石こうを用る場合
は、石こうを流動化させて、第1の素材が付された棒状
半導体20および21の周囲に流し込むことも可能であ
る。また、第2の素材の形状は、棒状半導体素子20お
よび21の間に充填するのに適した円柱状または角柱状
であっても良く、例えば、棒ガラスを挟むこともでき
る。
【0049】さらに、上記では、ビスマス・テルル系の
熱電変換素子を用いた例を説明しているが、鉄・シリコ
ン系などの他の組成の半導体であってももちろん良い。
【0050】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の熱電変
換モジュールの製造方法は、棒状半導体同士の間に、接
着剤などの第1素材と、板ガラスなどの第2の素材を積
層して、母ユニットを形成している。このため、母ユニ
ットをスライスした素子ユニットを用いて熱電変換モジ
ュールに組立てた後に、第1の素材を溶解または融解す
ると、半導体素子と第2の素材との間に隙間が生じる。
したがって、第2の素材は、溶解または融解しなくても
熱電変換モジュールから取除くことができる。このた
め、第2の素材に機械的な衝撃を与えなくても、第2の
素材を取除くことができる。そして、第2の素材は、体
積変化が少ないものを採用できるので、母ユニットおよ
びスライスされた素子ユニットを製造する際に、半導体
素子同士の間隔を精度良く製造できる。さらに、第2の
素材を取除くために必要な隙間は、小さくて良いので、
第1の素材は薄い層で良い。したがって、第1の素材を
除去する溶剤の量は、少なくて済み短時間で除去できる
と供に、その後の溶剤の処理も簡単になる。
【0051】第1の素材が、電極を付けるためのメッキ
処理などの前処理の温度以下では融解されないが、半田
付け処理温度(リフロー温度)範囲内で融解可能なもの
を選択するで、素子ユニットに基板が半田付けされる際
に、第1の素材を融解して除去することができる。この
第1の素材を融解することにより、溶剤の廃棄の問題が
回避できる。さらに、溶剤で除去する工程(洗浄工程)
を省くことができる。
【0052】したがって、本発明により、棒状半導体か
ら母ユニットを形成し、スライスする熱電変換モジュー
ルの製造方法であって、簡単に充填材を取外しできる製
造方法を提供できる。このため、低コストで信頼性の高
い熱電変換モジュールを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱電変換モジュールの概略構成を
示す説明図である。
【図2】図1に示す熱電変換モジュールの製造工程を模
式的に示す図である。
【図3】図2に示す熱電変換モジュールの製造工程以降
の工程を模式的に示す図である。
【図4】図4(a)は、図2(b)に示す熱電変換モジ
ュールの製造工程における母ユニットの縦断面を示す図
である。図4(b)は、母ユニットの横断面を示す図で
ある。
【図5】図5(a)は、図2(c)に示す素子ユニット
の平面図であり、図5(b)は、素子ユニットの断面図
である。
【図6】従来の熱電変換モジュールの製造方法を模式的
に示す図である。
【符号の説明】
10 熱電変換モジュール 12 電極 13 リード 14 ニッケルメッキ 15 クリーム半田 16、17 セラミック基板 20 p型の棒状半導体 21 n型の棒状半導体 22 母ユニット 24 素子ユニット 25 p型チップ 26 n型チップ 40 樹脂製の接着材(第1の素材) 42 ガラス板(第2の素材) 90 結晶インゴット 92 ウェハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 35/34 H01L 35/08 H01L 35/16 H01L 35/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の半導体素子を、電極を備えた基板
    に接合し、熱電変換モジュールを形成する熱電変換モジ
    ュールの製造方法において、 棒状半導体の間に、後の工程で取付けられる電極との接
    合に影響を与えずに融解または溶解可能な第1の素材
    と、この第1の素材を融解または溶解可能な条件では融
    解または溶解されない第2の素材とを積層し、前記棒状
    半導体が所定の間隔で配置された母ユニットを形成する
    工程と、 前記母ユニットを前記棒状半導体の長手方向と直交する
    方向にスライスして素子ユニットを形成する工程と、 前記棒状半導体がスライスされた前記素子ユニット中の
    半導体素子の少なくとも一方の面に前記基板の電極を接
    合する工程と、 前記第1の素材を融解または溶解して除去する工程と、 前記第2の素材を取外す工程とを有することを特徴とす
    る熱電変換モジュールの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記第1の素材は、
    耐熱性の瞬間接着剤、光硬化型の接着剤、またはホット
    メルト系接着剤であり、前記第2の素材は、セラミック
    スまたはフェノール樹脂であることを特徴とする熱電変
    換モジュールの製造方法。
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