JP3463918B2 - 安息香酸アミド類の製造方法 - Google Patents

安息香酸アミド類の製造方法

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】医農薬中間体として有用な安
息香酸アミド類の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】一般的には安息香酸アミド(ベンズアミ
ド)類は、安息香酸ハロゲン化物類、安息香酸無水物類
または安息香酸類にアンモニアもしくはアンモニウム塩
類を作用させることで製造することができる。
【0003】文献(J. Org. Chem., 39, 3318(1974))
には、アリールハライド、一酸化炭素、第三アミン、ア
ルコールと触媒量のトリフェニルホスフィン−パラジウ
ム塩錯体から温和な条件で芳香族カルボン酸エステルの
得られることが報告されている。
【0004】また、同様の反応をアルコールに代えて第
一または第二アミンについて行うと第一アミンからは第
二アミド、第二アミンからは第三アミドが得られること
が報告されている(J. Org. Chem., 39, 3327(197
4))。
【0005】同様に、特開昭63年第227547号公
報には、環上に塩素原子を有する有機塩素化物をパラジ
ウム化合物及びホスフィン化合物を触媒とし、塩基の存
在下、一酸化炭素及びアミン類と180℃〜300℃の
反応温度で反応させてカルボン酸アミド類の得られるこ
とが開示され、アミンとしてアンモニアが例示されてい
るが、その具体的な使用については記載されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】安息香酸ハライドから
文献(J. Org. Chem., 39, 3318(1974))の方法に従い
一旦エステルを得てそれを加水分解し安息香酸とした後
にアンモニアでアミドに転換するか、もしくはエステル
のアンモニアによるアンモノリシスによりアミドを得る
ことができるが、反応経路が多段にわたるという問題が
あった。そこで、本発明は芳香族ハロゲン化物から一段
の反応で安息香酸アミド類を製造する方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための具体的手段】本発明者らは、上
記文献(J. Org. Chem., 39, 3327(1974))の方法につ
いて検討したところ、意外にも特定の条件の下で第一ま
たは第二アミンに代えてアンモニアを使用する際に、水
を共存させることで効率よく原料に対応する安息香酸ア
ミド類が得られることを見いだし、本発明に至った。
【0008】すなわち本発明は、一般式(1) Ar−X (1) (式(1)中、Xはハロゲン(フッ素、塩素、臭素また
はヨウ素)、トリフルオロメタンスルホネート基、炭素
数1〜4のアルキルスルホネート基、置換または非置換
アリールスルホネート基を表す。Arは一般式(1a)
【化4】 で表される芳香族基を表し、Rはトリフルオロメチル
基、トリフルオロメチルオキシ基、ハロゲン(フッ素、
塩素、臭素またはヨウ素)、ニトロ基、アセチル基、シ
アノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のア
ルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基を
表し、nは0〜3の整数を表す。)で表される芳香族化
合物を周期律表第VIII族金属とホスフィン類の存在
下、一酸化炭素とアンモニアを反応させ、一般式(2)
【化5】 (式(2)中、Arの意味は前記に同じ。)で表される
安息香酸アミドの製造方法であって系中に水を存在さ
せ、かつアンモニア以外の塩基を存在させないことを特
徴とする方法。但し、一般式(1)で表される化合物が
式(3)
【化6】 (式(3)中、Xの意味は式(1)と同じ)で表される
化合物であり、一般式(2)で表される生成物が2−ク
ロロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)安息香酸ア
ミドである場合を除く
【0009】本発明に使用する一般式(1)で表される
芳香族化合物は、置換基(R)を有することもある芳香
族基にハロゲン、トリフルオロメタンスルホネート基、
炭素数1〜4のアルキルスルホネート基、置換または非
置換アリールスルホネート基が結合した化合物である。
原料の入手が容易なハロゲン化物の方が実用上は好まし
い。ハロゲンはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素であ
り、臭素またはヨウ素がより好ましい。
【0010】置換基(R)はトリフルオロメチル基、ト
リフルオロメチルオキシ基、ハロゲン(フッ素、塩素、
臭素またはヨウ素)を表す)、ニトロ基、アセチル基、
シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4の
アルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基
を表し、nは0〜3の整数を表す。)で表される一価の
芳香族基であるのが好ましい。炭素数1〜4のアルキル
基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、i−プロピル基)、炭素数1〜4のアルコキシ基
としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロ
ポキシ基、i−プロポキシ基、炭素数2〜5のアルコキ
シカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル
基、i−プロポキシカルボニル基を挙げることができ
る。
【0011】一般式(1)で表される芳香族化合物とし
ては、1−ブロモ−2,4−ビス(トリフルオロメチ
ル)ベンゼン、1−ヨード−2,4−ビス(トリフルオ
ロメチル)ベンゼン、1−ブロモ−3,5−ビス(トリ
フルオロメチル)ベンゼン[3,5−ビス(トリフルオ
ロメチル)ブロモベンゼン]、1−ヨード−3,5−ビ
ス(トリフルオロメチル)ベンゼン[3,5−ビス(ト
リフルオロメチル)ヨードベンゼン]、2−ブロモ−
1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、2−ヨ
ード−1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、
2−ブロモ−1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベン
ゼン、2−ヨード−1,4−ビス(トリフルオロメチ
ル)ベンゼン、4−ブロモ−1,2−ビス(トリフルオ
ロメチル)ベンゼン、1,2−ジブロモ−4,5−ビス
(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4−ジブロモ−
2,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンなどが挙
げられる。
【0012】またさらに前記した置換基(R)を有する
化合物としては、1−ブロモ−2,3,4−トリス(ト
リフルオロメチル)ベンゼン、1−ブロモ−2,4,5
−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1−ヨード
−2,3,5−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼ
ン、1−ヨード−2,4,5−トリス(トリフルオロメ
チル)ベンゼン、2−ブロモ−1,3,5−トリス(ト
リフルオロメチル)ベンゼン、5−ブロモ−1,2,3
−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼン、5−ヨード
−1,2,3−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼ
ン、2−ヨード−1,3,4,5−テトラキス(トリフ
ルオロメチル)ベンゼン、1,2−ジブロモ−3,4,
5−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼンなど;1,
3−ジクロロ−5−ヨード−2,4−ビス(トリフルオ
ロメチル)ベンゼン、1,2−ジブロモ−4,5−ビス
(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4−ジブロモ−
2,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1−ブ
ロモ−2−メトキシ−3,5−ビス(トリフルオロメチ
ル)ベンゼン、1−ヨード−2−メトキシ−3,5−ビ
ス(トリフルオロメチル)ベンゼン、2−ブロモ−1−
ヨード−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼ
ン、2−ブロモ−1−ニトロ−3,5−ビス(トリフル
オロメチル)ベンゼン、2−ブロモ−3,4−ジクロロ
−1,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、5−
ブロモ−2−クロロ−1,3−ビス(トリフルオロメチ
ル)ベンゼンなどが例示できるがこれらに限られない。
【0013】上に例示した化合物のうち、一般式(6)
で表されるハロゲノ−3,5−ビス(トリフルオロメチ
ル)ベンゼン
【化7】 (式中、Yはハロゲン(フッ素、塩素、臭素またはヨウ
素を表す。)は、生成物の有用性の顕著なことから特に
好ましい。この場合、生成物として3,5−ビス(トリ
フルオロメチル)安息香酸アミドが得られる。
【0014】一般式(1)で表される芳香族化合物に本
発明の方法を適用すると、一般に芳香環に結合したハロ
ゲンのみがカルバモイル基に変換し、Rで表される置換
基は変化しない生成物が得られる。複数の異なるハロゲ
ンを芳香環に有する化合物では、一般にヨウ素、臭素、
塩素、フッ素の順に優先的に反応するが、置換基の環上
での位置および種類により異なることもある。
【0015】次に、一般式(2)で表される安息香酸ア
ミド類の製造方法について詳細に説明する。
【0016】アンモニアの使用量は、一般式(1)で表
される芳香族化合物1モルに対して通常2モル以上であ
ることが好ましく、〜10モルが特に好ましく、
5モルがより好ましい。本発明は、アンモニア以外の塩
基は添加せずに行う。アンモニアの使用量が2モルに満
たない場合には反応は完結せず、一方10モルを超えて
も反応収率の点からは問題はないが無駄となるので好ま
しくない。
【0017】一酸化炭素は、純粋なガスであってもよい
が、必らずしも高純度である必要はなく、窒素ガス、ア
ルゴンガス、炭酸ガスのような不活性ガスで希釈して使
用してもよい。一酸化炭素の使用量は、一般式(1)で
表される芳香族化合物1モルに対して1モル以上あれば
よい。一酸化炭素の圧力は通常、常圧以上であり、15
0kg/cm2以下が適当であり、好ましくは50kg
/cm2以下である。
【0018】本発明の製造方法に使用する周期律表第V
III族金属として、鉄、コバルト、パラジウム、白
金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム及びオスミウム
等の金属単体が挙げられ、それ自体単独でも使用できる
が、グラファイト、シリカゲル、アルミナ、シリカアル
ミナ、モレキュラーシーブ等の担体に担持して用いるこ
ともできる。これらの金属のうちパラジウムは特に好ま
しい。また、これらは金属塩としても使用でき、酢酸
塩、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、臭化物等として使用す
る。金属塩としては、具体的には例えば、酢酸パラジウ
ム、塩化パラジウム、酢酸コバルト、炭酸コバルト、塩
化コバルト、臭化ルテニウム等が挙げられる。
【0019】さらに、これらの金属錯体であってもよ
い。金属錯体の配位子としては、一般式(4) P(L)3 (4) (式中、Lはそれぞれ独立に低級アルキル基、フェニル
基、低級アルキル基置換フェニル基を表す)または一般
(5) (R12P−Q−P(R12 (5) (式中、R1はそれぞれ独立にフェニル基、o−メチル
フェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニ
ル基を表し、Qは二価の基を表す)で表されるホスフィ
ンが好ましい。ここでQは−(CH2m−(mは2〜8
の整数)で表されるアルキレン基などである。低級アル
キル基としては炭素数1〜4程度のものが好適である。
この様なホスフィンの具体例としては、例えばトリフェ
ニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−
m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、
1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、
1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,3
−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,2−ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)エタン、トリn−ブチルホ
スフィン、トリエチルホスフィンなどが挙げられる。ま
た、他の配位子としてはアセトニトリル、ベンゾニトリ
ル、一酸化炭素等が挙げられる。これらのうち、ホスフ
ィン類が好ましく、フェニル基または低級アルキル置換
フェニル基を有するホスフィン類がさらに好ましい。
【0020】金属錯体の具体例としては、例えばPdC
2[P(o−Me−Ph)32、PdCl2[P(m−
Me−Ph)32、PdCl2[P(p−Me−P
h)32、PdCl2(PMe32、PdCl2(PPh
32、PdBr2(PPh32、Pd(PPh34、P
dCl2〔P(Ph)2CH2CH2P(Ph)2〕、Pd
Cl2〔P(Ph)2CH2CH2CH2CH2P(P
h)2〕、PdCl2(PhCN)2、Pd(CO)(P
Ph33、PhPdI(PPh32、PhPdBr(P
Ph32、PhPdBr(PMePh22、PdCl2
(PMePh22、PdCl2(PEt2Ph)2、Pd
Cl2(PMe2Ph)2、Pd2Br4(PPh32、P
dCl2(PEt32、PdCl2(bpy)2、RhC
l(PPh33 、RhCl(CO)(PPh32、P
t(CO)2(PPh32、H4Ru(CO)12、Ru3
(CO)12、CoCl(PPh33 、CoH(N2
(PPh33 、CoCl2(PEtPh22、HCo
(CO)4、Co2(CO)8、等が挙げられる。ここ
で、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル
基を表す。
【0021】一般に触媒が反応系中でどの様な中間状
態、活性化状態にあるのかは明確ではないが、本発明の
意図が目的物の製造であることに鑑み、これらの金属、
配位子および反応に関与する試剤が本発明の反応条件で
活性を示す状態となり得る組み合わせであれば最初に反
応系へ仕込む金属化合物、配位子、金属錯体の形態は特
に限定されないのは明らかである。
【0022】配位子は反応系で金属と金属錯体を形成す
る量以上に使用してよい。例えば、通常はパラジウム1
モルに対しトリフェニルホスフィン2モルとなるように
調整して反応系に加えればよいが、2モル以上とするの
が好ましい場合がある。金属と配位子は別々にまたは錯
体として反応系に加えてもよい。周期律表第VIII族
金属の使用量は、一般式(1)で表される芳香族ハロゲ
ン化物1モルに対して通常金属として0.00001〜
0.5モル、好ましくは0.00005〜0.1gモ
ル、より好ましくは0.0001〜0.05モルであ
る。0.00001モルよりも少ないと反応の進行が遅
く実用でないので好ましくなく、また、0.5モルより
も多いことは反応の点では問題はないが経済的に不利で
あるので好ましくない。
【0023】本発明は水の他に有機溶媒を使用しない
で、または有機溶媒を使用して行うことができる。有機
溶媒としては、基質である一般式(1)で表される芳香
族化合物自体を溶媒として利用することもできるが、そ
の他に例えばジエチルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等
のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロ
ベンゼン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素、アセト
ニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、
N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサ
メチルホスホアミド等が挙げられ、このうち1種または
2種以上を用いることができる。溶媒の量は反応の面か
らは特に限定されないが余り過剰に使用することは装置
の大型化を招き好ましくない。
【0024】本発明の方法は反応系に水を存在させるこ
とによりきわめて容易に行うことができる。アンモニア
は蒸気圧が高く一般的に有機溶媒のみの系においてはそ
の濃度を高めるためには高圧を必要とするが、水への溶
解度が大きいため水を反応系に存在させることで、著し
い反応系の圧力低下を達成することができる。また、反
応の結果生成する塩が容易に水層へ移動するため、反応
の促進に寄与し、さらに精製操作を容易にするという効
果も奏する。水を溶媒とする場合にはアンモニアは水溶
液として反応系に導入することができる。溶媒として水
を用いる場合には併用溶媒として適度に生成するアミド
を溶解する溶媒を使用するのが好ましく、上記の各溶媒
が使用できる。また、4級アンモニウム塩やクラウンエ
ーテルのような相間移動触媒を加えることによって反応
が促進されることがある。水の使用量は、特に限定され
ないが、反応系が水を主とする層と有機液体を主とする
層の二層を形成するだけの量を使用するのが好ましい。
反応温度は、通常、10〜200℃、好ましくは10〜
150℃である。反応時間は、通常0.1〜30時間、
好ましくは0.5〜10時間がよい。
【0025】本発明の方法は、ガラス、ステンレス、白
金、フッ素樹脂などの耐蝕材料で造られた耐圧容器を用
いるのがよい。耐圧容器に一般式(1)で表される芳香
族化合物、触媒となる周期律表第VIIIの金属とホス
フィン、アンモニア、水、さらに必要に応じて溶媒の所
定量をそれぞれ仕込む。この時、水を用いる際にはアン
モニアはアンモニア水として仕込むことができ好ましい
が、水とアンモニアガスまたは液として仕込んでもよ
い。反応器内部を一酸化炭素置換して所定の一酸化炭素
の圧力に設定し加熱を始める。内温が所定の温度(たと
えば、50℃以上通常は80℃程度)に達した時点で内
圧を所定の圧力に調整し、その後、一酸化炭素の導入量
を調節しながら内温と内圧を一定またはプログラムされ
た条件に調節する。
【0026】反応液中の原料芳香族化合物の反応率が所
期の値となった時に反応器の加熱と一酸化炭素の供給を
止め反応器を冷却し、反応器内のガスをパージした後、
反応液を取り出す。反応液は通常二層となり、目的生成
物は有機層に含まれている。粗製の目的生成物は溶媒を
留去し、触媒を除くことで得られる。この組成物は常法
により精製することができる。
【0027】
【実施例】次に、本発明が製法について実施例を挙げて
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。別途注のない限り実施例での圧力はゲージ圧を
示す。
【0028】[実施例1] 容量500mlのステンレス製オートクレーブに3,5
−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン200
g、テトラヒドロフラン100ml、酢酸パラジウム
0.763g、トリフェニルホスフィン1.79g、2
5%アンモニア水185gを仕込んだ。攪拌を開始し窒
素置換を3回および一酸化炭素置換を3回行い、一酸化
炭素の初期圧を4kg/cm2に設定し加熱を始めた。
1時間後内温が100℃に達した時点で内圧を10kg
/cm2に調整した。その後、一酸化炭素の導入量を調
節しながら内温100℃、内圧10kg/cm2を保っ
た。
【0029】8時間後加温を停止しオートクレーブを冷
却し内部のガスをパージした。反応液を分液ロートに取
り出し、二層に分離した下層(有機層)を分液採取して
エバポレータで濃縮し、次いでn−ヘキサンを加えて吸
引濾過して結晶を析出させ濾別し、127.4gの3,
5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド結晶(融
点:160〜162℃)を得た。
【0030】[実施例2] 容量1000mlのステンレス製オートクレーブに、
3,5−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン3
50g、テトラヒドロフラン233ml、酢酸パラジウ
ム1.34g、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)
ブタン1.34g、25%アンモニア水325gを仕込
んだ。撹拌を開始し窒素置換を3回および一酸化炭素置
換を3回行った後、一酸化炭素の初期圧を4kg/cm
2に設定し加熱を始めた。1時間後内温が85℃に達し
た時点で内圧を8kg/cm2に調整した。反応中は内
温85℃、内圧8kg/cm2を保った。
【0031】7時間後、反応容器を冷却し、内部ガスを
パージした。反応液を分液ロートに取り出し、二層分離
した反応液の下層(有機層)を分液採取した。水層を酢
酸エチルで抽出し、先の有機層とあわせて硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、吸引濾過後、得られた濾液をエバポレー
ターで濃縮し、n−ヘキサンを加えて析出した結晶を吸
引濾過して3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズ
アミド101.3gを得た。
【0032】[実施例3] 容量500mlのステンレス製オートクレーブに、3,
5−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン200
g、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)200m
l、酢酸パラジウム0.763g、トリフェニルホスフ
ィン3.57g、25%アンモニア水139gを仕込ん
だ。撹拌を開始し窒素置換を3回および一酸化炭素置換
を3回行った後、一酸化炭素の初期圧を4kg/cm2
に設定し加熱を始めた。1時間後内温が100℃に達し
た時点で内圧を10kg/cm2に調整した。反応中は
内温100℃、内圧10kg/cm2を保った。
【0033】4.5時間後反応容器を冷却し、内部ガス
をパージした。反応液を吸引濾過した後、濾液に氷20
0g、酢酸エチル200mlを加えた。分液ロートに移
液し、有機層を分液した後、水層を酢酸エチル200m
lで2回更に抽出した。有機層を合わせて無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、吸引濾過を行い、得られた濾液をエ
バポレーターで濃縮し、n−ヘキサン/酢酸エチル混合
溶剤を加え析出した結晶を濾過して、3,5−ビス(ト
リフルオロメチル)ベンズアミド62.2gを得た。
【0034】[実施例4] 容量100mlのステンレス製オートクレーブに3,5
−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼン13.3
g、テトラヒドロフラン5.9g、酢酸パラジウム2
6.4mg、トリフェニルホスフィン61.7mg、2
9%アンモニア水9.2gを仕込んだ。攪拌を開始し窒
素置換を3回および一酸化炭素置換を3回行い、一酸化
炭素の初期圧を2.6kg/cm2に設定し加熱を始め
た。1時間後内温が100℃に達した時点で内圧を10
kg/cm2に調整した。その後、一酸化炭素の導入量
を調節しながら内温105℃、内圧10kg/cm2
保った。
【0035】6時間後加温を停止しオートクレーブを冷
却し内部のガスをパージした。実施例4と同一の方法で
処理し、ガスクロマトグラフで分析したところ、目的物
である3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミ
ドが29.1%の生成率で生成していることが確認され
た。
【0036】
【発明の効果】本発明の方法によれば、芳香族化合物、
好ましくは芳香族ハロゲン化物と一酸化炭素とアンモニ
アから一段の反応で安息香酸アミド類を製造することが
でき、プロセスを簡略化できるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森野 譲 埼玉県川越市今福中台2805番地 セント ラル硝子株式会社化学研究所内 (72)発明者 小出 誠 埼玉県川越市今福中台2805番地 セント ラル硝子株式会社化学研究所内 (56)参考文献 特開 平8−104661(JP,A) 特開 昭63−227547(JP,A) 特開 昭64−6238(JP,A) 特開 昭54−79274(JP,A) 特開2000−169436(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 231/10 B01J 31/24 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) Ar−X (1) (式(1)中、Xはハロゲン(フッ素、塩素、臭素また
    はヨウ素)、トリフルオロメタンスルホネート基、炭素
    数1〜4のアルキルスルホネート基、置換または非置換
    アリールスルホネート基を表す。Arは一般式(1a) 【化1】 で表される芳香族基を表し、Rはトリフルオロメチル
    基、トリフルオロメチルオキシ基、ハロゲン(フッ素、
    塩素、臭素またはヨウ素)、ニトロ基、アセチル基、シ
    アノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のア
    ルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基を
    表し、nは0〜3の整数を表す。)で表される芳香族化
    合物を周期律表第VIII族金属とホスフィン類の存在
    下、一酸化炭素とアンモニアを反応させ、一般式(2) 【化2】 (式(2)中、Arの意味は前記と同じ。)で表される
    安息香酸アミドの製造方法であって系中に水を存在さ
    せ、かつアンモニア以外の塩基を存在させないことを特
    徴とする方法。但し、一般式(1)で表される化合物が
    式(3) 【化3】 (式(3)中、Xの意味は式(1)と同じ)で表される
    化合物であり、一般式(2)で表される生成物が2−ク
    ロロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)安息香酸ア
    ミドである場合を除く
  2. 【請求項2】Xがハロゲン(フッ素、塩素、臭素または
    ヨウ素)である請求項1記載の安息香酸アミドの製造方
    法。
  3. 【請求項3】Xが臭素またはヨウ素である請求項1記載
    の安息香酸アミドの製造方法。
  4. 【請求項4】一般式(1)で表される芳香族化合物が
    3,5−ビス(トリフルオロメチル)ブロモベンゼンま
    たは3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼ
    ンである請求項1記載の安息香酸アミドの製造方法。
  5. 【請求項5】周期律表第VIII族金属が鉄、コバル
    ト、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジ
    ウムおよびオスミウムから選ばれた金属である請求項1
    乃至4の何れかに記載の安息香酸アミドの製造方法。
  6. 【請求項6】周期律表第VIII族金属がパラジウムで
    ある請求項1乃至4の何れかに記載の安息香酸アミドの
    製造方法。
  7. 【請求項7】ホスフィンが一般式(4) P(L)3 (4) (式中、Lはそれぞれ独立に低級アルキル基、フェニル
    基、低級アルキル基置換フェニル基を表す)または一般
    式(5) (R12P−Q−P(R12 (5) (式中、R1はそれぞれ独立にフェニル基、o−メチル
    フェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニ
    ル基を表し、Qは二価の基を表す)で表されるホスフィ
    ンである請求項1乃至6の何れかに記載の安息香酸アミ
    ドの製造方法。
  8. 【請求項8】ホスフィンがトリフェニルホスフィン、
    1,3−ジフェニルホスフィノプロパンまたは1,4−
    ジフェニルホスフィノブタンである請求項1乃至6の何
    れかに記載の安息香酸アミドの製造方法。
  9. 【請求項9】周期律表第VIII族金属とホスフィンと
    の組み合わせが、金属塩、ホスフィンおよび金属ホスフ
    ィン錯体から選ばれる任意の組み合わせからなる請求項
    1乃至8の何れかに記載の安息香酸アミドの製造方法。
  10. 【請求項10】アンモニアの量が、一般式(1)の化合
    物1モルに対して2モル以上であることを特徴とする、
    請求項1〜9の何れかに記載の安息香酸アミドの製造方
    法。
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