JP3463705B2 - 着色ポリカーボネート樹脂成形材料の製法 - Google Patents

着色ポリカーボネート樹脂成形材料の製法

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JP3463705B2
JP3463705B2 JP26398094A JP26398094A JP3463705B2 JP 3463705 B2 JP3463705 B2 JP 3463705B2 JP 26398094 A JP26398094 A JP 26398094A JP 26398094 A JP26398094 A JP 26398094A JP 3463705 B2 JP3463705 B2 JP 3463705B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、色相の鮮明な着色ポリ
カーボネート樹脂成形材料の製造法に関する。さらに詳
細には、本発明はポリカーボネート樹脂粉末を、加熱混
練機に供給し、混練押出しポリカーボネート樹脂成形材
料を製造するに際して、加熱混練機内部に滞在するポリ
カーボネート樹脂の温度が 150℃以上の箇所に、アンス
ラキノン系染顔料を添加して混練押出しする着色ポリカ
ーボネート樹脂成形材料の製造法に関する。
【0002】本発明の方法によると、染料の発色性が良
好で、淡色では見かけの透明性、耐変色性に優れ、濃色
では色が鮮明であり、射出成形品、シート、フィルム等
を製造するのに好適な着色ポリカーボネート樹脂成形材
料を得ることができる。
【0003】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は透明性、機械物
性、難燃性、寸法安定性、電気特性により、幅広い分野
で用いられている。しかしながら、ポリカーボネート樹
脂は、溶融加工してペレットにしたり、シートに成形す
る際、黄色く着色し、外観を悪くする性質がある。一
方、市場の要求や、ポリカーボネート樹脂が自ずから有
している黄色味をマスキングすることによって外観を変
える方法もよく行われている。その場合、その着色ポリ
カーボネート樹脂の商品価値は、色相、色調、色の鮮や
かさ等によって決定される。
【0004】そのため、その着色には、ポリカーボネー
ト樹脂に悪影響を与えずに300 ℃程度の成形加工温度に
耐え、染色性も良好な染顔料が専ら用いられている。そ
のような染顔料としては、アンスラキノン系染顔料、イ
ンジゴイド系染顔料、ペリノン系染顔料、フタロシアニ
ン系染顔料等がある。しかし、ポリカーボネート樹脂用
の染顔料としては、その色調の良さなどから、主に、
青、紫、緑系のアンスラキノン系染料が好適に使用され
ている。
【0005】一方、ポリカーボネート樹脂の黄色味を抑
制し、耐熱性を向上させる方法として、押出時にポリカ
ーボネート樹脂に水を添加したり、水分を含ませた粉末
を使用する方法についていくつか報告されている。
【0006】たとえば、特開昭61−221225号公
報には、ポリカーボネート樹脂粉末の混練前および/ま
たは混練中に、ポリカーボネート100重量部当たり水
を0. 2〜20重量部添加し、加水分解を起こさない条
件でガス抜きしながら押出す方法が示されている。
【0007】また、特開平1−149827号公報には
水分と溶媒を含む湿潤粉末を、高理論表面更新頻度を有
する押出機に投入して直接ペレット化する方法が示され
ている。
【0008】さらに、特開昭62−294528号公報
には溶融押出時、圧縮溶融部から最遠のベント口の間
で、ポリカーボネート100重量部当たり、0. 1〜5
重量部の水を圧入する方法が開示されている。
【0009】また、ポリカーボネート樹脂に亜リン酸を
添加するとともに、水を添加して樹脂の含水量を500
〜5000ppm に調節した後、ペレット化する方法(特
開平4−81457号公報)などが開示されている。
【0010】
【発明が解決使用とする課題】ポリカーボネート樹脂粉
末にアンスラキノン系染顔料を配合して、上記の方法に
よってペレット化した場合、その色調が黒ずみ、目標と
する色調に合わせることができないという欠点を有して
いた。色調を改良するために、ポリカーボネート樹脂
に、一般的に使用されている亜リン酸や亜リン酸エステ
ルなどを配合すると、粉末中に存在する水分によって、
耐加水分解性が低下するという悪影響がある。
【0011】したがって、本発明は、染料の発色性が良
好で、淡色では見かけの透明性、耐変色性に優れ、濃色
では色が鮮明であり、射出成形品、シート、フィルム等
を製造するのに好適な着色ポリカーボネート樹脂成形材
料を提供するにある。
【0012】
【課題を解決する手段】本発明者らは、着色ポリカーボ
ネート樹脂の加熱溶融時の変退色を低減し、アンスラキ
ノン系染料の発色を改良すべく鋭意検討した結果、水
分、および溶媒を含むポリカーボネート粉末を加熱混練
機により溶融押出する際、ポリカーボネート樹脂が特定
の温度にある箇所に、アンスラキノン系染料を添加する
ことによって、ポリカーボネート樹脂が本来有する優れ
た透明性、機械的物性、耐熱性等を損なうことなく、染
料の発色の良好な着色ポリカーボネート樹脂成形材料が
得られることを見出した。
【0013】すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹
脂粉末を、加熱混練機に供給し混練押出するに際して、
加熱混練機内部に滞在するポリカーボネート樹脂の温度
が 150℃以上の箇所に、ポリカーボネート樹脂100 重量
部当たり、少なくとも一種のアンスラキノン系染料 0.0
0001〜0.1 重量部を添加し混練押出しすることを特徴と
する色相の鮮明な着色ポリカーボネート樹脂成形材料の
製造法に関する。
【0014】本発明の特徴は、ポリカーボネート樹脂粉
末を、加熱混練機を用いて溶融押出し、ペレット化する
際、加熱混練機内部に滞在するポリカーボネート樹脂の
温度が150℃以上である箇所に、アンスラキノン系染
料を添加することにある。
【0015】本発明の方法は特に水分 0.1〜10.0重量
%、有機溶媒 0.01 〜2.5 重量%を含有するポリカーボ
ネート樹脂を用いて加熱混練機を用いて溶融押出し、ペ
レット化する際に効果的である。
【0016】さらに、本発明の方法には、アンスラキノ
ン系染顔料とともに熱安定剤、紫外線防止剤、離型剤を
混入することができ、これらを混入することにより耐加
水分解性、耐熱性等にすぐれた着色ポリカーボネート樹
脂成形材料を得ることができる。
【0017】本発明におけるポリカーボネート樹脂は、
従来のポリカーボネート樹脂の製法と同様の製法、すな
わち界面重合法、ピリジン法、クロロホーメート法等の
溶液法により、二価フェノール系化合物を主成分とし、
少量の分子量調節剤および所望により分岐化剤を用いて
ホスゲンと反応させることにより製造され、通常のビス
フェノール類を使用してなる芳香族のホモ−或いはコー
ポリカーボネート樹脂、更に分岐化されたもの、末端に
長鎖アルキル基を導入したものなどの粘度平均分子量
5,000〜100,000、好ましくは、13,00
0〜90,000、特に7,000〜35,000のも
のである。
【0018】これらのポリカーボネート樹脂の製法にお
いて、末端停止剤や炭素−炭素不飽和基その他のグラフ
ト可能な活性点を有する化合物をコモノマーとして使用
して不飽和基を有するポリカーボネート樹脂を製造し、
これにスチレンなどの重合性モノマーをグラフト重合さ
せたポリカーボネート樹脂、またはポリスチレン等にフ
ェノール系水酸基、その他のポリカーボネート樹脂の不
飽和基とグラフト重合可能な化合物を共重合した重合体
を用い、これをポリカーボネート樹脂にグラフト重合し
たポリカーボネート樹脂なども使用できる。
【0019】本発明のポリカーボネート樹脂の製造法に
使用する二価フェノール系化合物として好ましいもの
は、具体的にはビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ケトン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン(ビスフェノ−ルA;BPA)、2,2−ビス
(3, 5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン2(TBA),2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン(ビスフェノ−ルZ;BPZ)、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロ
ロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパ
ン、、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチ
ルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ジフェニルメタン、α,ω−ビス[3−
(O−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシ
ロキサン(PDS)、ビフェノールなどが例示される。
これらは、2種類以上併用して用いてもよい。中でもビ
スフェノ−ルA、ビスフェノ−ルZ、TBA、PDSか
ら選ばれるものが望ましい。
【0020】本発明で使用される末端停止剤あるいは分
子量調節剤としては一価のフェノール性水酸基を有する
化合物が挙げられ、通常のフェノール、P-第3ブチルフ
ェノール、トリブロモフェノール等の他、長鎖アルキル
フェノール、脂肪族カルボン酸クロライド、脂肪族カル
ボン酸、芳香族カルボン酸、芳香族酸クロライド、ヒド
ロキシ安息香酸アルキルエステル、アルキルエーテルフ
ェノールなどが挙げられる。
【0021】また、末端停止剤として反応性二重結合を
有する化合物を使用することもできる。このような化合
物の例としては、アクリル酸、ビニル酢酸、2−ペンテ
ン酸、3−ペンテン酸、5−ヘキセン酸、9−ウンデセ
ン酸などの不飽和カルボン酸;アクリル酸クロライド、
ソルビン酸クロライド、アリルアルコ−ルクロロホーメ
ート、イソプロペニルフェノールクロロホルメートまた
はヒドロキシスチレンクロロホーメート等の酸クロライ
ドまたはクロロホーメート;イソプロペニルフェノー
ル、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシフェニルマレイミ
ド、ヒドロキシ安息香酸アリルエステルまたはヒドロキ
シ安息香酸メチルアリルエステルなどの不飽和基を有す
るフェノール類等が挙げられる。これらの化合物は従来
の末端停止剤と併用してもよい。このような末端停止剤
あるいは分子量調節剤は、上記した二価フェノール系化
合物1モルに対して、通常、1〜25モル%、好ましく
は1.5〜10モル%の範囲で使用される。
【0022】反応に不活性な溶媒としては、ジクロロメ
タン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタ
ン、クロロホルム、1,1,1-トリクロロエタン、四塩化炭
素、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化
炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル等のエー
テル系化合物を挙げることができ、これらの有機溶媒は
二種以上を混合して使用することもできる。また、所望
により前記以外のエーテル類、ケトン類、エステル類、
ニトリル類などの水と親和性のある溶媒を混合溶媒系が
水と完全に相溶しない限度内で使用することもできる。
【0023】更に分岐化剤を上記の二価フェノール系化
合物に対して、0.01〜3 モル%、特に0.1〜
1.0モル%の範囲で併用して分岐化ポリカーボネート
とすることができる。分岐化剤としては、フロログルシ
ン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロ
キシフェニル)ヘプテン−3、4,6−ジメチル−2,
4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−
2、1,3,5−トリ(2−ヒドロキシフェニル)ベン
ゾール、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベ
ンジル)−4−メチルフェノール、α,α′,α″−ト
リ(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソ
プロピルベンゼンなどで例示されるポリヒドロキシ化合
物、及び3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキ
シインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロ
ルイサチンビスフェノール、5,7−ジクロルイサチン
ビスフェノール、5ーブロムイサチンビスフェノールな
どが例示される。
【0024】ポリカーボネート樹脂としては、特に、ビ
スフェノールAを主原料とするポリカーボネートが挙げ
られ、これに例えばビスフェノールZやテトラブロムビ
スフェノールA(TBA)などを併用して得られるポリ
カーボネート共重合体、これらの分岐化物や末端長鎖ア
ルキル変性したものが好ましい。
【0025】一般に、ポリカーボネート樹脂は、重合反
応終了後、反応液から溶媒を分離し、触媒の除去、中
和、水洗、濃縮等を行い、さらに遠心分離方又は精密濾
過等のダスト除去を行うことにより精製されたポリカー
ボネート樹脂液とし、該精製ポリカーボネート樹脂溶液
から溶媒を留去し濃縮、乾燥する方法、あるいはポリカ
ーボネート樹脂溶液に非溶媒あるいは貧溶媒を添加し、
加熱下の温水中に該樹脂溶液を滴下し温水中に懸濁させ
て溶媒および非溶媒あるいは貧溶媒を留去して固形化し
て水スラリー液を生成させつつ固形化過程の液を湿式粉
砕機に循環し粉砕する方法等により得られる。
【0026】上記において精製されたポリカーボネート
樹脂液中の微細なダストは少ないほど好ましく、例えば
0. 5μm以上のダストがポリカーボネート樹脂溶液1
cc中に1000個以下とするのが好ましい。また、樹
脂濃度は5〜27重量%、所望の粒度分布を有する粒状
体を得るためには、樹脂濃度を7〜23重量%とするの
が好ましい。
【0027】本発明におけるポリカーボネート樹脂は、
好適には精製されたポリカーボネート樹脂の良溶媒溶液
にポリカーボネート樹脂の非或いは貧溶媒を沈澱が生じ
ない程度添加した樹脂溶液を温水中に滴下し、適宜湿式
粉砕をしながら溶媒を留去するいわゆる「温水中滴下
法」、または通常の沈澱法で得た良溶媒或いは非或いは
貧溶媒を含む湿潤粉末を温水中で処理し、溶媒を留去し
つつ適宜湿式粉砕する「沈澱温水処理法」で製造され
る。ここで、使用される非溶媒或いは貧溶媒としては、
n−ヘプタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、水が例示され、特に、n−ヘ
プタン、n−ヘキサン、水が好適である。
【0028】上記温水中滴下法における非溶媒或いは貧
溶媒の樹脂溶液に対する添加量は、ポリカーボネート樹
脂のSP値と非溶媒或いは貧溶媒のSP値の差、およびポリ
カーボネート樹脂溶液の濃度により適宜選択され、上記
に例示したものの中で例えば、ポリカーボネート樹脂溶
液の濃度が15〜25重量%の場合、SP値の差が約2.
3であるn−ヘプタンでは樹脂溶液の0. 15〜0. 5
容量倍であり、SP値の差が約1. 55であるシクロヘキ
サンでは、0. 3〜0. 6容量倍、SP値の差が0. 9で
あるトルエンでは0. 5〜0. 8容量倍の範囲より適宜
選択される。
【0029】上記により得た均一溶液を通常、反応溶媒
の沸点ないし沸点より20℃高い温度(たとえば反応溶
媒として塩化メチレンを使用した場合は45〜60℃程
度)に保持された温水中に滴下或いは噴霧してゲル化さ
せ、次いで80〜100℃の高温に保った温水中で溶媒
を留去してポリカーボネート樹脂の多孔質の粉粒体の水
スラリーとし分離する。該方法により得られたポリカー
ボネート固形粒子の水スラリー液中の固形粒子の形状
は、通常、半結晶性もしくは不定形であり、大きさも不
揃いであり、分離や乾燥に不適当な場合もある。そのよ
うな場合、乾燥に先だって、ゲル化粒子を適宜、攪拌翼
や湿式粉砕機によって粉砕しつつ乾燥を行うことが、乾
燥機中での溶媒の揮散を促進させる上で好ましい方法で
ある。以上により得られた水スラリーより分離、水切り
したポリカーボネートの粉粒体は、通常、溶媒として塩
化メチレンを用い、非或いは貧溶媒としてn−ヘプタン
を使用した場合には水の他に、塩化メチレン0. 1〜
0. 3%、n−ヘプタン1〜3%程度を含有する。
【0030】又、沈澱温水処理法は、精製されたポリカ
ーボネート樹脂の良溶媒溶液を非或いは貧溶媒中に滴下
するか、又は精製されたポリカーボネート樹脂の良溶媒
溶液中に非或いは貧溶媒を滴下し沈澱を生成させてこれ
を分離して湿潤粉末とし、この湿潤粉末に該湿潤粉末中
の樹脂分に対して5重量倍以上の水を配合してスラリー
状態にしたものを温水中に導入して煮沸し溶媒をより少
なくし、かつ乾燥した場合の粒度を上記の範囲にした
後、分離、水切りすることにより容易に製造されるもの
であり、この方法の場合も上記と同程度の有機溶媒を含
有した湿潤粉末が得られるものである。尚、上記の沈澱
化によって得られた湿潤粉末を温水処理して溶媒の留去
及び粒度のコントロール等を行うに際して、予めポリカ
ーボネート樹脂の非或いは貧溶媒で洗浄或いは加熱処理
すること等適宜適用できるものである。
【0031】本発明では、上記の方法によって得られた
ポリカーボネート湿潤粉末は、押出機に供給するに先立
ち乾燥機によって、水分0. 1〜10重量%、有機溶媒
0.01〜2. 5重量%になるまで乾燥される。
【0032】乾燥機としては、気流乾燥機、パドル型乾
燥機、あるいは螺旋状の攪拌翼が攪拌軸に接続され、か
つ回転によって粉末を鉛直上方向へ移動させることがで
きる攪拌機を有し、伝熱面を介して粉体を加熱すること
ができる構造を有する竪型乾燥機を用いて乾燥すること
が好ましい。
【0033】上記に示した乾燥機はいづれも、熱媒体用
ガスとしては、フィルター濾過してなるクリーンな空
気、又は乾燥雰囲気中に発生する有機溶媒蒸気による爆
発限界を避けるために、あるいは乾燥機中での高温度下
におけるポリカーボネート固形粒子の熱劣化を防ぐため
に、窒素等の不活性ガスを加えることが好ましく、通
常、常圧乃至加圧下に、温度120〜160℃として導
入し、排出する。排出ガス中に有機溶媒成分が多い場合
や回収が必要な場合には当然に触媒接触燃焼や冷却、吸
着その他の手段による処理を適宜行う。
【0034】乾燥機により乾燥されたポリカーボネート
乾燥粉末は、水分0. 1〜10重量%、有機溶媒0. 0
1〜2. 5重量%残存した状態で得ることが好ましい
が、任意に水分をさらに添加して、前記水分量に調製す
ることもできる。
【0035】本発明においてアンスラキノン系染顔料、
熱安定剤は、押出機の溶融混練部分、すなわち150℃
以上の溶融樹脂温度に添加される。添加方法はフィーダ
ーにより直接することもできるが、添加量の定量性を向
上させること、あるいは分散性を向上させるために、予
めポリカーボネート樹脂粉末に混合した、いわゆるマス
ターバッチとして添加するか、あるいはポリカーボネー
ト樹脂と混合溶融押出したペレットの形で添加すること
が好ましい。
【0036】本発明において、さらにポリカーボネート
樹脂の改質剤として、離型剤、紫外線吸収剤を添加する
ことができる。これらの添加剤は押出機の溶融混練部分
に添加することが好ましく、それらの添加方法も上記の
アンスラキノン系染顔料、熱安定剤とどうようにそのま
まフィーダーで添加してもよいが、あらかじめポリカー
ボネート粉末に混合して添加するか、あるいはポリカー
ボネートと混合して押し出した、ペレットの形で添加す
ることが好ましい。
【0037】本発明で用いられるアンスラキノン系染顔
料は、アンスラキノン骨格を有する染料であり、たとえ
ば日本学術振興会染色加工第120 委員会編“新染色加工
講座1”第37頁〜40頁に分類されているような染料
が挙げられる。具体的には、アンスラキノンブルー系、
アンスラキノンバイオレット系、アンスラキノングリー
ン系等が例示されるが、必ずしもこれらに限定されな
い。これらのアンスラキノン系染顔料は二種類以上組み
合わせることができ、さらに他の染顔料と併用すること
もできる。アンスラキノン系染顔料の使用量は、マスキ
ングを目的とした淡色の製品から一般の濃色品に至るま
での広い範囲で、目的に応じて適宜選択され、ポリカー
ボネート樹脂100重量部あたり少なくとも一種のアン
スラキノン系染料 0.00001〜0.1 重量部の範囲で添加す
ることが好ましい。
【0038】熱安定剤としては、リン化合物、フェノー
ル系安定剤、チオエーテル系安定剤用いることができ
る。
【0039】リン化合物としては、リン酸、亜リン酸、
次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、リン酸エステル
及び亜リン酸エステルを用いることができる。
【0040】このようなリン化合物のうちリン酸エステ
ルとしては、具体的には、たとえば、トリメチルホスフ
ェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェ
ート、トリオクチルホスフェート、トリデシルホスフェ
ート、トリオクタデシルホスフェート、ジアリルペンタ
エリスリチルジホスフェート、トリス(2−クロロエチ
ル)ホスフェート、トリス(2, 3−ジクロロプロピル
ホスフェート)などのトリアルキルホスフェート;トリ
シクロヘキシルホスフェートなどのトリシクロアルキル
ホスフェート;トリクレジルホスフェート、トリス(ノ
ニルフェニル)ホスフェート、2−エチルフェニルジフ
ェニルホスフェートなどのトリアリールホスフェートな
どを挙げることができる。
【0041】また、亜リン酸エステルとしては、下記一
般式で表される化合物を挙げることができる。P(O
R)3 (式中、Rは脂環式炭化水素基、脂肪族炭化水素
基または芳香族炭化水素基を表す。これらは同一であっ
ても異なっていてもよい。このような式で表される化合
物としては、たとえば、トリメチルホスファイト、トリ
エチルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリオ
クチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホ
スファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホス
ファイト、トリオクタデシルホスファイト、トリステア
リルホスファイト、トリス(2−クロロエチル)ホスフ
ァイト、トリス(2, 3−ジクロロプロピル)ホスファ
イトなどのトリアルキルホスファイト、トリシクロヘキ
シルホスファイトなどのトリシクロアルキルホスファイ
ト;トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファ
イト、トリス(エチルフェニル)ホスファイト、トリス
(2, 4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ト
リス(ヒドロキシフェニル)ホスファイトなどのトリア
リールホスファイト;フェニルジデシルホスファイト、
ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルデシ
ルホスファイト、フェニルイソオクチルホスファイト、
2−エチルヘキシルジフェニルホスファイトなどのアリ
ールアルキルホスファイト;ジアリルペンタエリスリチ
ルジホスファイト、ビス(2, 4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)ペンタエリスリチルジホスファイトなどを挙げる
ことができる。
【0042】フェノール系安定剤としては、例えばn−
オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3',5' −ジ−
t−ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス[メ
チレン−3−(3, 5' −ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]メタン、1, 1, 3−
トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチル
フェニル)ブタン、ジステアリル(4−ヒドロキシ−3
−メチル−5−t−ブチル)ベンジルマロネート、4−
ヒドロキシ−3−メチル−t−ブチルフェノール等が挙
げられ、これらを単独で用いても2種類以上混合して用
いてもよい。
【0043】チオエーテル系安定剤としては、例えば、
ジラウリル・チオジプロピオネート、ジステアリル・チ
オジプロピオネート、ジミリスチル−3, 3' −チオジ
プロピオネート、ジトリデシル−3, 3' −チオジプロ
ピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β
−ラウリル−チオプロピオネート)などを挙げられ、こ
れらを単独で用いても2種類以上混合して用いてもよ
い。
【0044】染料の発色性を向上させることを目的とし
た場合、これらの熱安定剤のうち、亜りん酸と亜りん酸
エステル系の安定剤が特に好ましい。熱安定剤は、ポリ
カーボネート100重量部に対して、通常 0.001〜2.0
重量部、好ましくは 0.005〜1.0 重量部、さら好ましく
は 0.01 〜0.7 重量部の量で用いることができる。
【0045】本発明では、ポリカーボネート樹脂成形品
の耐候性を向上させることを目的として、アンスラキノ
ン系染料と同時に、紫外線吸収剤を添加することができ
る。紫外線吸収剤としては、一般的な紫外線吸収剤でよ
く、特に限定されないが、たとえば、サリチル酸系紫外
線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線
吸収剤などを挙げることができる。
【0046】サリチル酸系紫外線吸収剤としては、具体
的には、フェニルサリシレート、p−t−ブチルサリシ
レートが挙げられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤と
しては、2, 4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2, 2' −ジ
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2, 2'−
ジドロキシ−4, 4' −ジメトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシ−2' −カルボキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホ
ベンゾフェノントリヒドレート、2−ヒドロキシ−4−
n−オクトキシベンゾフェノン、2, 2',4, 4' −テ
トラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2
−ヒドロキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−
4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2−
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホ
ン酸などが挙げられる。
【0047】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として
は、2−(2'-ヒドロキシ−5' −メチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−(2' −ヒドロキシ−3, 5'
−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2' −ヒドロキシ−3' −t−ブチル−5' −メチル
−フェニル)−5クロロベンゾトリアゾール、2−
(2' −ヒドロキシ−3',5' −ジ−t−ブチル−フェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2' −
ヒドロキシ−5' −t−オクチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2' −ヒドロキシ−3',5−ジ−t−
アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2' −ヒ
ドロキシ−3' −(3″, 4″, 5″, 6″−テトラヒ
ドロフタルイミドメチル)−6−(2H−ベンゾトリア
ゾール−2−イル)フェノール]などを挙げることがで
きる。これらを単独で用いても、2種類以上混合して用
いてもよい。
【0048】これらの紫外線吸収剤は、ポリカーボネー
ト100重量部に対して、通常 0.001〜2.0 重量部、好
ましくは 0.005〜1.0 重量部、さら好ましくは 0.01 〜
0.7重量部の量で用いることができる。
【0049】本発明では、成形時の離型性向上のため
に、アンスラキノン系染料と同時に、離型剤を添加する
ことができる。離型剤としては、一般的な離型剤でよ
く、特に限定されない。たとえば、炭化水素系離型剤、
脂肪酸系離型剤、脂肪酸エステル系離型剤、脂肪酸アミ
ド系離型剤、アルコール系離型剤、シリコーン系離型剤
などが例示される。
【0050】炭化水素系離型剤としては、天然、合成パ
ラフィン、ポリエチレンワックス類、フルオロカーボン
類などを挙げることができる。
【0051】脂肪酸系離型剤としては、ステアリン酸、
ヒドロキシステアリン酸などの高級脂肪酸、オキシ脂肪
酸類などを挙げることができる。脂肪酸エステル系離型
剤としては、ブチルステアレート、ペンタエリスリトー
ルテトラステアレートなどの脂肪族酸低級アルコールエ
ステル、脂肪族多価アルコールエステル、脂肪族ポリグ
リコールエステル類などを挙げることができる。脂肪酸
アミド系離型剤としては、ステアリン酸アミド、アルキ
レンビス脂肪酸アミド類などを挙げることができる。ア
ルコール系離型剤としては、ステアリルアルコール、セ
チルアルコールなどの脂肪族アルコール、多価アルコー
ル、ポリグリコール、ポリグリセロールなどを挙げるこ
とができる。またシリコーン系離型剤としては、シリコ
ーンオイル類などを挙げることができる。これらは単独
で使用しても、2種類以上混合して用いてもよい。
【0052】これらの離型剤は、ポリカーボネート10
0重量部に対して、通常 0.001〜5重量部、好ましくは
0.005〜1.0 重量部、さら好ましくは 0.01 〜0.7 重量
部の量で用いることができる。
【0053】本発明における溶融押出において、ポリカ
ーボネート樹脂の改質を目的とする添加剤類を添加して
もよい。例えば、難燃剤、光安定剤、帯電防止剤、可塑
剤、滑剤、相溶化剤、ガラス剤、発泡剤、炭素繊維、セ
ラミックウィスカー等の補強剤、充填剤、染顔料、さら
にはポリカーボネート以外の樹脂、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ四弗化エチレン、ポリ弗化ビ
ニリデン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、
ABS樹脂、ポリエステル、ポリフェニレンオキシド、
その他、エラスマー等を混合することができる。
【0054】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明の範囲を越えない限り、これに限定
されるものではない。なお、実施例、比較例中、部は重
量部を表す。
【0055】(ポリカーボネート樹脂粉末の製造法)水
酸化ナトリウム 3.7kgを水 42 リットルに溶解し、こ
れに二価フェノールとしてビスフェノールA(BPA)
7.2kg、及びハイドロサルファイト(HD)20gを溶
解した。これにメチレンクロライド(MC) 28 リット
ルを加えて攪拌しつつ、p- t- ブチルフェノール(P
TBP)210 g を加え、次いでホスゲン(PG) 3.5k
gを 60 分かけて吹き込んだ。ホスゲン吹き込み後、激
しく攪拌して反応液を乳化させ、乳化後、8 gのトリエ
チルアミン(TEA)を加え約1時間攪拌し重合させ
た。重合液と水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で
中和した後、洗液のpHが中性になるまで水洗を繰り返
した後、固形化用溶媒としてn−ヘプタン 0.5リットル
を加えて攪拌し、ポリカーボネートの有機溶媒溶液を調
製した。該ポリカーボネート有機溶媒溶液を、攪拌下 4
5 ℃に維持された温水 80 リットルに、60分を要して滴
下して、ポリカーボネート樹脂粒状体の水スラリー液を
得た。水スラリー液を濾過によってポリカーボネートの
湿潤粉末を得、熱風循環乾燥機を用い、140 ℃、6 時間
を要して乾燥し白色粉末状のポリカーボネート樹脂の乾
燥粉末を得た。この乾燥粉末のGPCによる分子量は粘
度平均分子量 21500であった。
【0056】(ポリカーボネート樹脂粉末の押出)ポリ
カーボネート樹脂粉末を、(独)ベアストーフ社製二軸
押出機(スクリュー径:43mm、L/D=32、ベント部分Lv/D
=12 、ベント圧=30 torr)を用い、吐出量40kg/h 、樹
脂温度 330℃で押出した。
【0057】(色相評価方法)射出成形機を用いて各組
成物のペレットを、射出成形機で樹脂温度320℃、金
型温度80℃、保持圧1000kg/cm2で50×60mm、厚さ3mm
の成形片を連続的に5枚成形成形し、5枚重ねて目視検
査で色調(目視での色の鮮明さ)を評価し、さらに、成
形片を日本電色(株)色差計で測色し、YI値(黄色味
を示す指標)を求めた。 A:良好(染料本来の色相を有し、色が鮮明) B:普通 C:不良(色相が変退色または鮮明さに欠ける)
【0058】実施例1〜4 表1に示す水分含水量、有機溶媒含有量の異なるポリカ
ボネート樹脂粉末を、上記方法によって押出しペレット
化する際、押出機の中へ、染顔料マスターバッチ(ポリ
カーボネート樹脂 100重量部当たり、アンスラキノン系
紫染顔料 0.01重量部を配合したもの)を、スクリュー
フィーダーによって添加した。ペレットは前記方法によ
って成形し、色相を評価した。染顔料添加部分の温度、
色相の結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】比較例1 水分 0.05 重量%、有機溶媒 0.008重量%含有するポリ
カーボネート樹脂粉末を用いた以外は、実施例と同様に
ペレットを成形し、色相の評価を行った。結果を表2に
示す。
【0061】比較例2 水分 2.6重量%、有機溶媒 0.7重量%含有するポリカー
ボネート樹脂粉末100重量部に、あらかじめアンスラキ
ノン系紫染料1×10-5重量部を添加混合した樹脂混合
物を用いた以外は、実施例と同様にペレットを成形し、
色相の評価を行った。結果を表2に示す。
【0062】比較例3,4 ポリカーボネート樹脂粉末を押出しペレット化する際、
樹脂温度140℃、100℃の箇所にマスターバッチを
添加する以外は、実施例と同様に押出しペレット化、成
形、色相の評価を行った。結果を表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】実施例5,6 水分 1.3重量%、有機溶媒 2.2重量%含有するポリカー
ボネート樹脂粉末を用い、樹脂温度が300 ℃及び265 ℃
である箇所に、0.01%マスターペレット(ポリカーボネ
ート樹脂粉末 100重量部あたり、アンスラキノン系紫染
顔料 0.01 重量部を配合し押出ペレット化したもの)を
粉末100重量部当たり0.8重量部を添加し、熱安定
剤の10%マスターペレット(ポリカーボネート樹脂粉
末90重量部当たり熱安定剤10重量部を配合し押出ペ
レット化したもの)を、添加剤添加量が所定の量になる
ようにそれぞれスクリューフィーダーによって添加し、
ペレット化し色相を評価した。結果を表3に示す。な
お、表中の添加量は、染顔料、熱安定剤単体としての添
加量を示す。
【0065】実施例7,8 水分 3.5重量%、有機溶媒 2.5重量%含有するポリカー
ボネート樹脂粉末を用い、樹脂温度が 280℃及び300 ℃
である箇所に、0.01%マスターペレット(ポリカーボネ
ート樹脂粉末 100重量部あたり、アンスラキノン系紫染
顔料 0.01 重量部を配合し押出ペレット化したもの)を
粉末100重量部当たり0.8重量部を添加し、熱安定
剤の10%マスターペレット(ポリカーボネート樹脂粉
末90重量部当たり熱安定剤10重量部を配合し押出ペ
レット化したもの)を、添加剤添加量が所定の量になる
ようにそれぞれスクリューフィーダーによって添加し、
ペレット化し色相を評価した。結果を表3に示す。な
お、表中の添加量は、染顔料、熱安定剤単体としての添
加量を示す。
【0066】
【表3】
【0067】実施例9〜12 水分含有量、有機溶媒含有量が異なるるポリカーボネー
ト樹脂粉末を、押出しペッレット化する際、押出機中の
樹脂温度が250℃、180℃、210℃、250℃で
ある箇所に、染顔料マスターバッチ(ポリカーボネート
樹脂粉末100重量部あたり、アンスラキノン系紫染顔
料0.01重量部を添加したもの)、熱安定剤の10%
マスターバッチ(ポリカーボネート樹脂粉末90重量部
当たり熱安定剤10重量部を配合し押出ペレット化した
もの)、離型剤の10%マスターバッチ(ポリカーボネ
ート樹脂粉末90重量部当たり熱安定剤10重量部を配
合し押出ペレット化したもの)を、添加剤添加量が所定
の量になるようにそれぞれスクリューフィーダーによっ
て添加し、ペレット化し色相を評価した。結果を表4に
示す。なお、表中の添加量は、染顔料、熱安定剤、離型
剤単体としての添加量を示す。
【0068】
【表4】
【0069】実施例13〜16 水分含有量、有機溶媒含有量が異なる2種類のポリカー
ボネート樹脂粉末を押出しペッレット化する際、押出機
中の樹脂温度が300℃である箇所に、染顔料マスター
バッチ(ポリカーボネート樹脂粉末100重量部あた
り、アンスラキノン系紫染顔料0.01重量部を添加し
たもの)、熱安定剤の10%マスターバッチ(ポリカー
ボネート樹脂粉末90重量部当たり熱安定剤10重量部
を配合し押出ペレット化したもの)、離型剤の10%マ
スターバッチ(ポリカーボネート樹脂粉末90重量部当
たり熱安定剤10重量部を配合し押出ペレット化したも
の)および紫外線吸収剤を、添加剤添加量が所定の量に
なるようにそれぞれスクリューフィーダーによって添加
し、ペレット化し色相を評価した。結果を表5に示す。
なお、表中の添加量は、染顔料、熱安定剤、紫外線吸収
剤、離型剤単体としての添加量を示す。
【0070】
【表5】
【0071】実施例17〜20 アンスラキノン系染顔料の代わりに、アンスラキノン系
青染料(実施例17,18)、アンスラキノン系緑染料
(実施例19,20)を用いた以外は実施例13と同様
に試験した。結果を表6に示す。なお、表中の添加量
は、染顔料、熱安定剤、紫外線吸収剤、離型剤単体とし
ての添加量を示す。
【0072】比較例5〜8 アンスラキノン系紫染顔料のかわりに、アンスラキノン
系青染料(比較例5,6)、アンスラキノン系緑染料
(比較例7,8)を用い、染料、熱安定剤、紫外線吸収
剤、離型剤の添加部分の樹脂温度を、80℃、100
℃、120℃にした以外は、実施例17と同様に試験を
行った。結果を表7に示す。
【0073】
【表6】
【0074】
【表7】
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、水分、有機溶媒を含む
ポリカーボネート樹脂粉末を溶融押出し、ペレット化す
る際、特定の樹脂温度以上の箇所に染顔料、熱安定剤等
を添加することによって、色相、耐熱性に優れた着色ポ
リカーボネート樹脂成形材料を製造することができる。
また、本発明によれば、湿潤粉末を溶融押出の原料とし
て用いることができるため、乾燥工程を省略することが
可能となり、製造プロセスの省力化を実現でき、本発明
の工業的意義は格別である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−117516(JP,A) 特開 平4−120164(JP,A) 特開 昭57−192458(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 3/20 C08L 69/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂粉末を、加熱混練
    機に供給し混練押出しするに際して、加熱混練機内部に
    滞在するポリカーボネート樹脂の温度が 150℃以上であ
    る箇所に、ポリカーボネート樹脂100重量部当たり、
    少なくとも一種のアンスラキノン系染料 0.00001〜0.1
    重量部を添加し混練押出することを特徴とする色相の鮮
    明な着色ポリカーボネート樹脂成形材料の製造法。
  2. 【請求項2】 水分 0.1〜10.0重量%、有機溶媒 0.01
    〜2.5 重量%を含有するポリカーボネート樹脂である請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 アンスラキノン系染料が、青系、紫系、
    緑系の色のアンスラキノン系染料から選ばれる一種また
    は二種以上である請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 アンスラキノン系染料とともに熱安定剤
    を添加する請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 熱安定剤が、亜リン酸もしくは亜リン酸
    エステルである請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 熱安定剤および/またはアンスラキノン
    系染料とともに紫外線吸収剤を添加する請求項1記載の
    方法。
  7. 【請求項7】 熱安定剤および/またはアンスラキノン
    系染料とともに離型剤を添加する請求項1記載の方法。
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