JP3463375B2 - 駆動力配分制御装置を備えた車両の制御装置 - Google Patents

駆動力配分制御装置を備えた車両の制御装置

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JP3463375B2
JP3463375B2 JP26132294A JP26132294A JP3463375B2 JP 3463375 B2 JP3463375 B2 JP 3463375B2 JP 26132294 A JP26132294 A JP 26132294A JP 26132294 A JP26132294 A JP 26132294A JP 3463375 B2 JP3463375 B2 JP 3463375B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、駆動力配分制御装置を
備えた車両の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両には、特開平3−189276号公
報に示すように、エアスポイラを用いて気流制御を行う
ものがある。このものにおいては、その気流制御により
走行安定性、旋回性等を向上させることができる。ま
た、車両には、パワ−ユニットからの左右の車輪に対す
る駆動力の配分を可変としたものが提案されており、特
開平4−129837号公報には、車体に作用する実際
のヨ−レ−トが目標ヨ−レ−トとなるように、左右車輪
へのトルク配分を制御するいわゆるヨ−レ−ト制御を行
うものが示されている。このものにおいては、そのヨ−
レ−ト制御により車両の操縦安定性を向上させることが
できる。したがって、車両において、上述の気流制御と
左右輪への駆動力配分制御とが行われれば、その各制御
に基づく上記効果がそれぞれ得られるように考えられ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の気流制
御と左右輪への駆動力配分制御とは、互いに影響し合う
関係にあり、一方の制御の制御則に基づいて制御した場
合には、両方の制御を効果的に機能させることができな
い場合が生じるだけでなく、他方の制御に対して悪影響
を及ぼす場合がある。
【0004】本発明は以上のような事情を勘案してなさ
れたもので、その目的は、気流制御と左右輪への駆動力
配分制御とを効果的且つ有効に機能させることができる
駆動力配分制御装置を備えた車両の制御装置を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明にあっては、次のような構成としてあ
る。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載
のように、パワ−ユニットからの駆動力を左右の車輪に
個々独立して配分制御する駆動力配分制御手段と、車両
のヨ−イングモ−メントを低減させる気流制御手段とを
備える車両において、前記駆動力配分制御手段が、車両
の実際のヨーレートが零以外の値に設定された目標ヨー
レートとなるようにヨーレート制御を行うものとされ、
前記気流制御手段が、車体から突出されて車両のヨーイ
ングモーメントを低減させる作動位置と車体に収納され
た非作動位置とを選択的にとり得るように可動式とされ
たサイドエアスポイラとされ、前記サイドエアスポイラ
が前記非作動位置にあるときは前記作動位置にあるとき
に比して、前記駆動力配分制御手段の制御ゲインが大き
くなるように設定されている、ような構成としてある。
【0006】上記目的を達成するため、第2の発明にあ
っては、次のような構成としてある。すなわち、特許請
求の範囲における請求項2に記載のように、パワ−ユニ
ットからの駆動力を左右の車輪に個々独立して配分制御
する駆動力配分制御手段と、車両のヨ−イングモ−メン
トを低減させる気流制御手段とを備える車両において、
前記駆動力配分制御手段が、車両の実際のヨーレートが
零の値に設定された目標ヨーレートとなるようにヨーレ
ート制御を行うものとされ、前記気流制御手段が、車体
から突出されて車両のヨーイングモーメントを低減させ
る作動位置と車体に収納された非作動位置とを選択的に
とり得るように可動式とされたサイドエアスポイラとさ
れ、前記サイドエアスポイラが前記作動位置にあるとき
は前記非作動位置にあるときに比して、前記駆動力配分
制御手段における不感帯が拡大されるように設定されて
いる、ような構成としてある。
【0007】上記目的を達成するため、第3の発明にあ
っては、次のような構成としてある。すなわち、特許請
求の範囲における請求項3に記載のように、パワ−ユニ
ットからの駆動力を左右の車輪に個々独立して配分制御
する駆動力配分制御手段と、車両のヨ−イングモ−メン
トを低減させる気流制御手段とを備える車両において、
前記駆動力配分制御手段が、車両の実際のヨーレートが
零以外の値に設定された目標ヨーレートとなるようにヨ
ーレート制御を行うものとされ、前記気流制御手段が、
車体から突出されて車両のヨーイングモーメントを低減
させる作動位置と車体に収納された非作動位置とを選択
的にとり得るように可動式とされたサイドエアスポイラ
とされ、前記駆動力配分制御手段の制御を行ったとき
に、車両の実際のヨーレートが前記目標ヨーレートに所
定時間内に収束しないときは、前記エアスポイラが前記
非作動位置とされるように設定されている、ような構成
としてある。
【0008】上記目的を達成するため、第4の発明にあ
っては、次のような構成としてある。すなわち、特許請
求の範囲における請求項4に記載のように、パワ−ユニ
ットからの駆動力を左右の車輪に個々独立して配分制御
する駆動力配分制御手段と、車両のヨ−イングモ−メン
トを低減させる気流制御手段とを備える車両において、
前記駆動力配分制御手段が、車両の実際のヨーレートが
目標ヨーレートとなるようにヨーレート制御を行うもの
とされ、前記気流制御手段が、車体から突出されて車両
のヨーイングモーメントを低減させる作動位置と車体に
収納された非作動位置とを選択的にとり得るように可動
式とされたサイドエアスポイラとされ、前記駆動力配分
制御手段の制御が前記目標ヨーレートが零の値とされた
ヨーレート制御を行うときは前記サイドエアスポイラが
前記作動位置とされる一方、該駆動力配分制御手段の制
御が前記目標ヨーレートが零以外の値とされたヨーレー
ト制御を行うときは該サイドエアスポイラが前記非作動
位置とされるように設定されている、ような構成として
ある。
【0009】
【発明の効果】請求項1に記載された第1の発明〜請求
項4に記載されたは4の発明によれば、次のような効果
を奏するものである。
【0010】第1の発明によれば、サイドエアスポイラ
の作動時には、該サイドエアスポイラの非作動時に比べ
てヨ−レ−ト変化が緩慢となる傾向を強めるが、そのサ
イドエアスポイラの作動時に、該サイドエアスポイラの
非作動時に比べて、駆動力配分制御手段の制御ゲインを
大きくすることから、ヨ−レ−ト変化が緩慢となる傾向
が是正されることになる。このため、サイドエアスポイ
ラの作動・非作動に係わりなく、違和感のないステアリ
ング特性を得ることができることになる。
【0011】請求項2に記載された第2発明によれば、
目標値が零とされたヨ−レ−ト制御が比較的小さなヨ−
レ−ト変化を対象とし、そのうちでも小さなヨ−レ−ト
変化に対してはサイドエアスポイラにより対応できるこ
とに基づき、サイドエアスポイラの作動時に、該サイド
エアスポイラの非作動時に比べて、駆動力配分制御手段
の不感帯を拡大することから、小さなヨ−レ−ト変化に
対しては、主としてサイドエアスポイラが対応し、駆動
力配分制御手段は殆ど対応しないことになり、駆動力配
分制御手段は大きなヨ−レ−ト変化にのみ対応すること
になる。このため、サイドエアスポイラを有効に活用し
て、動力を大きく消費する駆動力配分制御手段に無駄な
制御をさせないようにすることができることになる。
【0012】請求項3に記載された第3の発明によれ
ば、駆動力配分制御手段の制御によって、実際のヨーレ
ートが零の値とされた目標ヨーレートに所定時間内に収
束しないときは、サイドエアスポイラを非作動とするこ
とから、駆動力配分制御に対するサイドエアスポイラの
悪影響を除去して、駆動力配分制御手段の制御を収束さ
せることができることになる。このため、駆動力配分制
御を的確に行うことができることになる。
【0013】請求項4に記載された第4の発明によれ
ば、目標ヨーレートが零の値とされたヨーレート制御を
行うときは、サイドエアスポイラを作動位置として、こ
のヨーレート制御とサイドエアスポイラによるヨーイン
グモーメント低減機能との両方の協力関係によって操縦
安定性を一層向上させることができる。また、駆動力配
分制御手段の制御が目標ヨーレートが零以外の値とされ
たヨーレート制御を行うときは、サイドエアスポイラを
非作動位置として、サイドエアスポイラによるヨーイン
グモーメント低減機能に抗してヨーレート制御を無理に
行うような相互の干渉事態を避けて、ヨーレート制御を
効果的に行ないつつ無駄なエネルギの消費も防止され
る。
【0014】ここで、特許請求の範囲における各請求項
と実施例との関係を説明すると、次のようになる。ま
ず、請求項1に記載された第1の発明は、図47のステ
ップZ1〜Z4に対応する。請求項2に記載された第2
の発明は、図47のステップZ6〜Z9に対応する。請
求項3に記載された第3の発明は、図48に対応する。
請求項4に記載された第4の発明は、図49に対応す
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例として、気流制御とし
ての空力制御と駆動力配分制御との協調制御について説
明するが、その協調制御の内容に先立ち、本実施例に係
る空力制御の内容と駆動力配分制御の内容とについて説
明する。
【0016】空力制御 図1〜図3において、1はFR式(エンジンが前で後輪
が駆動輪)の自動車で、その各部分が符号2〜11で示
される。すなわち、符号2はエンジンル−ムを覆うボン
ネット、3はル−フ、4はトランクル−ムを覆うトラン
クリッド、5はフロントフェンダ、6は前サイドドア、
7は後サイドドア、8はリアフェンダ、9はフロントバ
ンパ、10はリアバンパ、11はラジエタグリルであ
り、これ等の構成要素によって、自動車1のベ−スボデ
ィが構成される。
【0017】上記ベ−スボディに対して、エアスポイラ
あるいはグリルシャッタ21〜24が付加されている。
エアスポイラ21は、自動車1の前部における揚力係数
つまり前揚力係数を制御するための前エアスポイラを構
成するもので、フロントバンパ9の直下方に位置、つま
りフロントバンパ9よりも下方に突出するように左右一
対設けられている。グリルシャッタ22は、ラジエタグ
リルを塞ぐためのもので、空気抵抗係数の低減を主眼と
しつつ、前揚力係数の設定に対して極力悪影響を与えな
いようにするために設けられる。
【0018】エアスポイラ23は、自動車の後部におけ
る揚力係数つまり後揚力係数を制御するための後エアス
ポイラを構成するもので、トランクリッド4の後端上面
に位置されて、当該トランクリッド4から上方に突出さ
れている。この後エアスポイラ23は、トランクリッド
4の車幅方向ほぼ全長に渡って長く伸びている。エアス
ポイラ24はサイドエアスポイラを構成するもので、左
右のリアフェンダ8からその上方へ突出するように、前
後方向に伸ばして設けられている。
【0019】各エアスポイラ21、23、24およびグ
リルシャッタ22は、それぞれ可動式とされている。こ
の点を、図4〜図7をも参照しつつ説明する。前エアス
ポイラ21は、図6に示すように、保持ロッド31を介
して上下方向に若干揺動可能に車体に支持され、その車
体への支持点が、保持ロッド31の揺動支点31aとさ
れている。これにより、前エアスポイラ21は、図6実
線で示す収納位置と、図6一点鎖線で示作動位置とを選
択的にとり得る。収納位置では、前エアスポイラ21は
フロントバンパ9の背面に隠れた位置とされ、作動位置
では、前エアスポイラ21は図1、図2に示すようにフ
ロントバンパ9の下方へ突出される。上記保持ロッド3
1は、モ−タ(モ−タギア)32によって、中間ギア3
3、揺動支点31aを中心として保持ロッド31に取付
けられたギア34を介して、支点31a回りに揺動駆動
される。
【0020】グリルシャッタ22部分は、図4、図5に
示すように構成される。先ず、左右一対の支柱41と上
下一対の導風板42とによって、ラジエタに対する冷却
風取入れ口が形成されている。左右の支柱41には、上
下方向に伸びるガイド孔41aが形成されている。ま
た、左右の支柱41からは、後方に向けて伸びるガイド
板43が延設され、このガイド板43には前後方向に伸
びるガイド孔43aが形成されている。グリルシャッタ
22は、上板22Aと下板22Bとからなり、車幅方向
に伸びる連結軸44に対して個々独立して回動自在に連
結されている。
【0021】各板22A、22Bの自由端部に形成され
たガイドピン45が、前記ガイド孔41a内に摺動自在
に挿入されている。また、上記連結軸44の左右端部
が、前記ガイド孔43aに摺動自在に挿入されている。
この連結軸43の端部にはさらに、ロッド46A、46
Bからなるクランク機構46が連結されており、クラン
ク機構46の車体への取付(揺動)支点が符号46aで
示される。
【0022】上記クランンク機構のロッド46Bは、モ
−タ(モ−タギア)47によって、中間ギア48、支点
に46aを中心にしてロッド46Bに取付けたギア49
を介して、支点46a回りに揺動される。このロッド4
6Bの揺動に応じて、連結軸44が前後方向に駆動され
るが、連結軸44が前方動したときは、各板22Aと2
2Bとの自由端部が上下方向に離れる動きをして、ラジ
エタグリル11を塞ぐことになる。逆に、連結軸44が
後方動したときは、各板22A、22Bはその自由端部
が互いに接近してやがて略水平状態で互いに重なった状
態となって、ラジエタグリル11を開く。
【0023】後エアスポイラ23は、図7に示すよう
に、トランクリッド4の一部をはね上げ式とすることに
より構成される。つまり、この後エアスポイラ23は、
トランクリッド4とは別体に構成されて、円弧状の保持
ロッド51を介して揺動支点51aを中心にして、上下
方向に揺動可能としてトランクリッド4に保持されてい
る。図7実線で示す位置が収納位置となり、このとき
は、後エアスポイラ23がトランクリッド4と面一とな
って、当該トランクリッド4の外表面の一部を実質的に
構成する。また、図7一点鎖線で示すときは、図1、図
3に対応した作動位置となる。なお、作動位置となった
ときに、トランクル−ム内に雨水が入らないように、ト
ランクリッド4は、後エアスポイラ23に対応した形状
の凹所4aが形成されて、この凹所4a部分が、作動位
置にあるときのトランクリッド4の外表面(雨水進入防
止壁)を構成する。
【0024】前記保持ロッド51にはラック51bが形
成されて、このラック51bが、中間ギア52を介して
モ−タ53(モ−タギア)と連動されている。これによ
り、モ−タ53の駆動に応じて、保持ロッド51が支点
51aを中心にして揺動駆動、つまり後エアスポイラ2
3が収納位置と作動位置との間で駆動される。
【0025】サイドエアスポイラ24は、リアフェンダ
8の一部を利用して構成されている。すなわち、図8に
示すように、リアフェンダ8の上側部には、前後方向に
伸ばして凹所8aが形成される一方、サイドエアスポイ
ラ24がこの凹所8aを塞いで実質的にリアフェンダ8
の外表面の一部を構成するようにされている。サイドエ
アスポイラ24は、前後方向に伸びる軸61を中心にし
て回動自在とされて、図8実線で示す位置がリアフェン
ダ8の外表面の一部を構成する収納位置とされ、軸61
の回りに回動されて図8一点鎖線で示す位置となったと
きが、図1、図3に対応した作動位置とされる。上記軸
61には、当該軸61を中心ととするギア62が取付け
られ、このギア62が、中間ギア63を介してモ−タ6
4(モ−タギア)と連動されている。これにより、モ−
タ64を正逆転させることより、サイドエアスポイラ2
4が作動位置と収納位置との間で回動駆動される。
【0026】ここで、各エアスポイラ21、23、24
を作動位置とすると共に、グリルシャッタ22を全閉と
することによって、前後の揚力係数CLf、CLRは、それ
ぞれほぼ零となるように設定されている。つまり、前揚
力係数CLfの値がほぼ零とされると共に、後揚力係数C
LRの値もほぼ零とされる。また、サイドエアスポイラ2
4によるヨ−イングモ−メントの低減度合が、ベ−スボ
ディに比してほぼ40%とされている。
【0027】次に、前後の揚力係数CLf、CLRおよびヨ
−イングモ−メントCYMが走行安定性に及ぼす影響につ
いて以下に詳述するが、先ず、前後の揚力係数CLf、C
LRとに着目して説明する。
【0028】先ず、各エアスポイラ等21〜24をその
収納位置としたとき、つまりこれ等21〜24が存在し
ないのと同等となるベ−スボディの状態では、その前後
の揚力係数CLf、CLRは、図9に示すサンプルSBで示
すように「0.1」よりも大きい値となっており、この
ときの前後の揚力係数CLfとCLRとの相加平均値つまり
「(CLf+CLR)/2」の値は、図11に示すように
0.135である。このベ−スボディの状態におけるサ
ンプルSBの総合的な走行安定性の評価点(平均点)
は、図11、図13に示すように、6点から6点を若干
下回る値となる(この図13に示す評価項目および評価
点のつけ方は、前述した通りなので、その重複した説明
は省略する)。この評価点6という値は、4ドアセダン
タイプの一般市販車の中において、「中の上」あたりの
レベルである。一方、評価点8という値は、スポ−ツカ
−を含めた市販車の中で世界のトップレベルに相当す
る。そして、評価点を1点向上させるということは、サ
スペンションのチュ−ニグ程度では得られない極めて大
幅な走行安定性の向上を意味する。
【0029】一方、図9〜図13において、サンプル車
S19として示すものは、図1〜図3に示すように、エ
アスポイラ等21〜23を作動位置としたときのもので
ある(サイドエアスポイラ24は収納位置)。このサン
プル車S19の総合評価点は、図11、図13に示すよ
うに7点を優に越えるものとなり、著しく走行安定性が
向上されることが理解される。そして、6種類の評価項
目の全てについて7点を越えて、一部の評価項目が悪く
なってしまうあるいは向上が見られないということもな
い。なお、サンプル車S19による走行安定性向上の効
果は、一般運転者で車速80km/h以上で、また敏感
な運転者で80km/h以上で十分に確認できるもので
ある。
【0030】ここで、サンプル車S12、S27は、前
後の揚力係数を変えて種々実験を行なった自動車の中か
ら、評価点がどのように変化するのかを図11で示すよ
うにグラフ化するのに適したものが選択されており、ベ
−スボディは全てサンプル車SBと同じである。この図
11において、横軸のパラメ−タとして、前後の揚力係
数CLfとCLRとの相加平均をとってあるが、これは、前
後の揚力係数CLfとCLRとが大きく相違すると、走行安
定性向上に好ましくない(例えば一部の評価項目が悪く
なるあるいは向上が見られない)ということが知得に基
づくものである。より具体的には、実験の結果、前後の
揚力係数CLfとCLRとの偏差の絶対値、つまり「(CLf
−CLR)の絶対値」が、0.04以下にするのが好まし
いということが知得されたので、前後の揚力係数をほぼ
同じと設定するという前提の下に、上述したように横軸
のパラメ−タとして前後の揚力係数CLfとCLRとの相加
平均をとってある。勿論、前後の揚力係数CLfとCLRと
の偏差が「零」のときがもっとも好ましいものとなる。
【0031】前述した前後の揚力係数CLfとCLRとをほ
ぼ同じ値にするという前提に加えて、図9、図11(特
に図11)を分析することにより、次のことが言える。
【0032】先ず、前後の揚力係数CLfとCLRとは、
「両方共に正の値」、「両方共に負の値」、さらには
「一方が正の値で他方が負の値」(この場合のサンプル
車は例示していない)のどの組み合わせでもよいことが
理解される。ただし、市販されているベ−スボディは前
後の揚力係数がそれぞれかなり大きい正の値なので、負
の値にするにはエアスポイラ21、23の効果を十分高
める必要(例えばエアスポイラを大型化する等の必要)
があることから、この兼ね合いをみることが望まれるも
のとなる。
【0033】次に、優れた走行安定性と評価し得る7点
に近い評価点を得るには、上述した揚力係数を負の値に
することはあまり得策でないことを勘案して、CLfとC
LRとの相加平均値が、「−0.05〜0.05」の範囲
に設定すればよいことが理解される。この数値範囲を前
提として、次の(1)〜(4)のことが言える。 (1)評価点7点以上とするため、CLfとCLRとの相加平
均値を「0.04」以下とすること、特にサンプル車S
12と同程度に優れた評価点を得るには、CLfとCLRと
の相加平均値が「0.025以下」であることが望まし
いものとなる。 (2)CLfとCLRとの相加平均値が負となるときに評価点
のピ−ク値がくることを勘案すれば、当該CLfとCLRと
の相加平均値は、「零以下」とすることが望ましく、特
にサンプル車S27が示す「−0.035」から「0」
の範囲とするのが好ましいものとなる。 (3)走行安定性を高めるため、エアスポイラ等21〜2
3等を利用した揚力係数の改善度合を、CLfとCLRとの
相加平均値において、サンプル車SBの示す基本値の大
きさ「0.135」に対する%表示として示した場合
(%表示が小さいほど改善効果が大きくなって評価点が
大)、次のことが言える。先ず、評価点7点弱を示す
「0.05」の割合が37%であるので、37%以下で
あれば十分であり、好ましくは、サンプル車S12が示
す「0.025」まで改善することを勘案して18%以
下とするのが好ましい。勿論、「零」から「負」の値ま
で改善する場合には、上記%表示は0%として示される
ことになる。 (4)上記(1)〜(3)のことは、CLfとCLRとの相加平均
値についてのみ言えるわけでなく、CLfとCLRとの偏差
が「零」であることがもっとも望ましいということを勘
案すれば、前揚力係数CLf単独について、また後揚力係
数CLR単独についても同様であると理解されることにな
る。つまり、CLfあるいはCLR単独でみたときに、「−
0.05〜0.05」の範囲で、「0.04以下」、
「0.025以下」、「−0.035〜0」という好ま
しい設定がそれぞれ導き出される。同様に、上記(3)で
いう%表示においても、前後の各揚力係数CLf、CLR単
独の値で比較した際に、ベ−スボディに対して「37%
以下」、「18%以下」という好ましい設定が導き出さ
れる。
【0034】なお、前後の揚力係数CLfとCLRとの相加
平均値を零から負の値を大きくするように変化させた場
合、直進安定性は比例的に評価点が向上されていくも、
車線移行性が急激に悪化していき、この両者の兼ね合い
で図11に示すようなデ−タが得られるものと思考され
る。
【0035】次に、前後のエアスポイラ21、23を収
納位置として、サイドエアスポイラ24を作動位置とし
たサンプル車が、図13においてS・Hとして示され
る。この図13から理解されるように、単にサイドエア
スポイラ24を設けたのみでは、横風を受けたときの走
行安定性は大幅に向上されるものの、他の残る5つのパ
ラメ−タによって評価される走行安定性はわずかしか向
上されないものである。
【0036】図13において、前記エアスポイラ類21
〜23を作動位置とするのに加えて、サイドエアスポイ
ラ24を作動位置としたサンプル車が、S61で示され
る。S61は、サンプル車S19に対してサイドエアス
ポイラ24を作動位置としたもきのもので、本発明の実
施例を示す図1〜図3のものに相当する。この図13か
ら容易に理解されるように、サイドエアスポイラ24を
さらに付加することにより、単に前後の揚力係数をほぼ
零に設定した場合に比して、走行安定性を評価する6つ
のパラメ−タ全ての評価が大幅に向上されることが理解
される。なお、図9あるいは図10において、S60で
示すサンプル車は、サイドエアスポイラ24を装着しと
きの揚力係数CLf、CLRに与える影響を示すもので、S
60はベ−スボディSBに対して、S62はS12に対
して、S54はS27に対して、それぞれサイドエアス
ポイラ24を付加したものである。
【0037】次に、揚力係数CYMをどのように設定する
かについて説明する。先ず、図12は、前後の揚力係数
CLf、CLRがそれぞれほぼ零であることを前提としつ
つ、サイドエアスポイラ24を種々変更してヨ−イング
モ−メントCYMを種々変化させて、ヨ−イングモ−メン
トCYMの評価点に与える影響をグラフ化したものであ
る。この図12から容易に理解されるように、ヨ−イン
グモ−メントCYMが大きいうちは、ヨ−イングモ−メン
トCYMの低減に伴って評価点が大幅に向上されるが、あ
る時点付近からは、ヨ−イングモ−メントCYMを低減さ
せても評価点がほとんど向上されないという傾向を示
す。
【0038】図12を分析することにより、次のような
ことが言える。なお、ヨ−イングモ−メントCYMは、そ
のときの車速と横風の大きさに影響を受けるが、本実施
例では、車速が100km/hで、横風が22.5m/
sのときを前提としている(図10をも参照)。 (1)評価点向上の限界付近までヨ−イングモ−メントC
YMを低減させるには、ベ−スボディSBのヨ−イングモ
−メントCYMに対して40%以上の低減を行なえばよい
ことになる。 (2)ベ−スボディSBのヨ−イングモ−メントが0.2
以上のときは、ヨ−イングモ−メントCYMをベ−スボデ
ィSBに比して10%低減させるだけでも、評価点が優
れた7点に近い評価(1点近い走行安定性の向上)を得
ることができ、20%以上の低減はさらに効果的とな
る。 (3)ヨ−イングモ−メントCYMを0.15以下とすれ
ば、評価点が8付近となって、極めて効果的である。
【0039】ここで、補足説明を行なうと、実験に使用
したベ−スボディSBは、その重心位置がほぼ車体前後
方向中心にあり(ホ−ルルベ−ス中間位置)にある。こ
のため、車体重心位置の変化が、どのように影響するか
について、FF車(エンジン前置きかつ前輪駆動の自動
車で、重心位置が相当車体前部に片寄った位置にある)
についても実験を行なったところ、ベ−スボディSBの
場合と殆ど同様の結果を得た。したがって、重心位置の
影響は無いものと考えられる。
【0040】前述したような前後の揚力係数とヨ−イン
グモ−メントとを好ましい目標値とするように、各エア
スポイラ21、23、24を設定するが、この設定は、
例えばの取付位置、大きさ(面積)、車体からの突出
量、傾斜角度等を設定することを意味する。この設定の
際には、グリルシャッタ22は閉じたときを前提とすれ
ばよく、グリルシャッタ22が存在しないものとしたと
きは、ラジエタグリル11が常時開口された状態を前提
として行なえばよい。
【0041】上記各エアスポイラ21、23、24の設
定に際しては、前揚力係数と後揚力係数とヨ−イングモ
−メントとの間での相関関係をみて行なわれる。すなわ
ち、実験の結果、前後の揚力係数の間同士に相関関係が
あり、ヨ−イングモ−メントは後揚力係数について相関
関係を有することが確認された。より具体的には、次の
(1)〜(3)ような相関関係が確認された。 (1)前揚力係数CLfが大きくなる(小さくなる)と、後
揚力係数CLRが小さくなる(大きくなる)。 (2)後揚力係数CLRが大きくなる(小さくなる)と、前
揚力係数CLfが小さくなる(大きくなる)。 (3)ヨ−イングモ−メントCYMが小さくなる(大きくな
る)と、後揚力係数CLRが小さくなる(大きくなる)。
【0042】したがって、上記3つの相関関係に基づい
て、各エアスポイラ21、23、24の設定を行なうこ
とにより、前後の揚力係数CLf、CLRおよびヨ−イング
モ−メントを所定の目標値とするための作業を短時間の
間に容易に行なえることになる。このような相関関係に
基づくエアスポイラ21、23、24の設定は、具体的
には例えば次のようにして行なえばよい。すなわち、上
記3つの相関関係に基づいてあらかじめ設定式を作成し
て、3種類の所定の目標値(最終目標値で、例えばCLf
=0、CLR=0、CYM=40%低減に相当する値)に対
応させて、各エアスポイラ21、23、24がそれぞれ
単独で存在した場合にはどの程度の仮目標値を示すもの
であればよいかを決定する。そして、上記設定式で得ら
れた仮目標値となるように、例えばサイドエアスポイラ
24の設定を行ない(他のエアスポイラ21、23は装
着さててない状態での設定)、次いで前エアスポイラ2
1の設定を行ない(23、24は装着されていない状態
での設定)、最後に後エアスポイラ23の設定を行なう
(21、24は装着されていない状態での設定)ように
すればよい。勿論、このような手法は一例であって、知
得された相関関係をどのような手法で利用するかは適宜
選択し得るものである。
【0043】図14は、前記可動式とされた各エアスポ
イラ類21〜24を駆動制御するための制御系統を示
し、図中U5はマイクロコンピュ−タを利用した制御ユ
ニットである、この制御ユニットU5には、少なくとも
車速を検出する車速センサSS1からの信号が入力さ
れ、制御ユニットU5からは各モ−タ32、47、5
3、64に対して出力される。
【0044】図15は、制御ユニットU5の制御内容を
示すもので、符号Pはステップを示す。この図15の例
では、エアスポイラ類21〜24全てを、共に収納位置
あるいは共に作動位置とするものである。すなわち、車
速が80km/h以上のときに全て作動位置とし、60
km/h以下となったら全て収納位置とする。なお、作
動位置とするための車速しきい値と収納位置とするため
の車速しきい値を変えてあるのは、ハンチング防止のた
めである。
【0045】図16は、制御ユニットU5によって、エ
ンジン冷却水水温をもパラメ−タとして各エアスポイラ
類21〜24の駆動制御を行なうときのもので、このた
め制御ユニットU5には冷却水温を検出する水温センサ
SS2からの信号がさらに入力される。図16から容易
に理解されるように、車速に応じて作動位置とするか収
納位置とするかは基本的に図15の場合と同じである
が、オ−バヒ−ト防止のために、冷却水温度が90度C
以上となったっときは、グリルシャッタ22を強制的に
開くようにしてある。なお、冷却水温度は頻繁に変化す
るものではないが、冷却水温度に起因するグリルシャッ
タ22の作動位置と収納位置との切替えハンチング防止
の設定を行なうようにしてもよい。
【0046】ここで、図17〜図22は、ベ−スボディ
SBとサンプル車S61との走行安定性の相違を示す試
験デ−タである。先ず、図17は横向き加速度と操舵角
との関係を示し、図18は、横向き加速度と操舵力との
関係を示してある。こお図17、図18から理解される
ように、サンプル車S61はベ−スボディSBに比し
て、同一横向き加速度に必要な操舵角が増大つまりアン
ダステアリング方向に変化して安定性が向上され、また
操舵力が増大つまりステアリング操作の手応えが増大さ
れている。
【0047】図19、図21はヨ−レ−トについての周
波数応答およびステアリング操作に対する位相遅れを示
し、図20、図21はロ−ルレ−トの周波数応答を示
す。この図19〜図21から明らかなように、サンプル
車S61はベ−スボディSBに比して、応答ゲイン低
下、位相遅れ減少、共振周波数上昇となり、応答のつな
がりが良くなる。特に、微小舵角での応答に差があり、
直進付近のふらつきなどすわり感に大きく影響してい
る。
【0048】駆動力配分制御 次に、本実施例に係る駆動力配分制御について説明す
る。全体の概要(図23) 図23において、101FLは左前輪、101FRは右
前輪、101RLは左後輪、101RRは右後輪であ
る。102はパワ−ユニットとしてのエンジンで、該エ
ンジン102の駆動力は、自動変速機103、ギア10
4、105を介して、前駆動軸106に常時伝達され
る。前駆動軸106に入力されるエンジン102からの
駆動力は、差動装置107より、左駆動軸108Lを介
して左前輪101FLに伝達され、右駆動軸108Rを
介して右前輪101FRに伝達される。上記自動変速機
103は、既知のように、トルクコンバ−タと多段変速
歯車機構とから構成されている。
【0049】前駆動軸106に対して、後駆動軸109
が、中央クラッチ114Cを介して連結されている。こ
の後駆動軸109に対しては、後中間軸110が、ギア
111、112を介して連動されている。この後中間軸
110に対して、左クラッチ114Lおよび左駆動軸1
13Lを介して左後輪101RLが連結され、また、右
クラッチ114Rおよび右駆動軸113Rを介して右後
輪101RRが連結されている。
【0050】各クラッチ114L、114R、114C
に対する油圧給排経路115L、115R、115Cに
は、制御弁116L、116Rあるいは116Cが接続
されている。各制御弁116L、116R、116Cを
個々独立して制御することにより、各クラッチ114
L、114R、114Cの締結力(締結油圧)が個々独
立して制御される。
【0051】後述するように、左右のクラッチ114
L、114Rの締結力を可変とすることにより、左右の
後輪101RLと101RRとに対する駆動力配分比が
変更される。なお、実施例では、中央クラッチ114C
には必ず所定以上の締結力が与えられて、常時4輪駆動
となるように設定されている。この中央クラッチ114
Cの締結力つまり前後のトルク配分比は、ある一定のも
のとしてもよく、あるいは、車速や前輪と後輪との間で
の路面に対するスリップ量の相違等をパラメ−タとし
て、可変とすることもできる。前後のトルク配分比を常
時同じにするときは、中央クラッチ114Cに代えて、
例えば遊星歯車機構等からなるセンタ−デフを用いるこ
ともできる。
【0052】図23中、UMおよびU1〜U5は、それ
ぞれマイクロコンピュ−タを利用して構成された制御ユ
ニットで、制御ユニットUMは左右後輪101RLと1
01RRとの間での駆動力配分比を制御する。また、制
御ユニットU1は、変速制御を行なうためのものであ
り、制御ユニットU2はエンジン2の燃料噴射量制御や
点火時期制御を行なうためのものである。制御ユニット
U3は、ブレ−キ時に車輪がロックするのを防止するA
BS制御用であり、各車輪へのブレ−キ力を個々独立し
て調整するブレ−キ力調整ユニット117を制御する。
この調整ユニット117は、各車輪に対するブレ−キ力
(ブレ−キ液圧)を個々独立して調整可能であり、ブレ
−キペダルが踏込み操作されたブレ−キ時におけるブレ
−キ液圧の増圧、減圧、保持の機能は勿論のこと、ブレ
−キペダルが踏込み操作されていない非ブレ−キ時にあ
ってもブレ−キ液圧を調整可能とされている。制御ユニ
ットU4は、図示を略すサスペンションダンパの減衰力
制御やアクティブサスペンションの制御用であり、U5
は、前述の空力制御用である。
【0053】制御ユニットUMには、後述する制御モ−
ドをマニュアル選択するためのマニュアルスイッチ12
1からの信号の他、各種センサやスイッチからの信号が
入力される(これ等の信号を検出するセンサ類をまとめ
て符号122で示してある)。センサ類122の中に
は、少なくとも次の各要素を検出するものが含まれる。
すなわち、車体に作用するヨ−レ−ト、車速、ハンドル
舵角、車体に作用する横G(横加速度)、各車輪の回転
速度(車輪速)、自動変速機103のギア位置(前進状
態か後進状態かを識別する)、各車輪のタイヤ空気圧
(荷重差やパンク検出用)、テンパタイヤを装着してい
るか否かの識別、悪路か良路かの識別、路面μ(左右の
路面μを個々独立して検出)、車両の加速と減速(例え
ばアクセル開度の変化や車体の前後Gをみて判定す
る)、車両進行方向における路面の傾斜角度(傾斜角度
計)である。
【0054】上記センサ類122は、制御ユニットUM
用として独立して設定したものであってもよいが、他の
制御ユニットU1〜U5からの信号を利用することもで
きる。なお、悪路であるか否かは、例えば所定量以上の
サスペンションストロ−クが所定時間内に所定回数以上
発生したとき、あるいは車体に作用する所定以上の大き
さの上下Gが所定時間内に所定回数以上発生したとき
に、悪路であると判定することができ、悪路の度合をも
検出することもできる。
【0055】前記制御モ−ド選択用のマニュアルスイッ
チは、次の4つの制御モ−ドを選択するものであり、選
択された制御モ−ドは、インストルメントパネル等、運
転者から目視し易い位置に設けられた表示装置23に表
示される。上記4つの制御モ−ドは『オ−トモ−ド』、
『ヨ−レ−トモ−ド』、『LSD(差動制限)モ−ド』
および『スタックモ−ド』である。
【0056】ヨ−レ−トモ−ドは、車体に作用する実際
のヨ−レ−トとなる実ヨ−レ−トが所定の目標ヨ−レ−
トとなるように制御するモ−ドであり、目標ヨ−レ−ト
が零以外のとき(ψt制御)と、目標ヨ−レ−トが零の
とき(ψ0 )の2種類を含む。
【0057】LSDモ−ドは、左右の後輪101RLと
101RRとの間の回転数差が所定以上大きくならない
ように制御する回転数感応型の制御と、左右車輪間での
トルク差が所定以上大きくならないように後輪への分配
トルクに応じて左右後輪101RL、101RRへの入
力トルクを制御するトルク感応型の制御との2種類を含
む。
【0058】スタックモ−ドは、スタックしたとき、つ
まり自動車がぬかるみ等にはまって容易に脱出できない
状態のとき、あるいはこのような状態におちいり易い状
況のときに対処するためのモ−ドである。
【0059】オ−トモ−ドは、上記2種類の『ヨ−レ−
トモ−ド』と2種類の『LSDモ−ド』との4つの制御
モ−ドに、さらに『デフモ−ド』を含めた合計5つの制
御モ−ドを加味した制御とされる。デフモ−ドは、左右
後輪101RL、101RRに対するトルク分配比が等
しくなるように制御するものである。
【0060】各制御モ−ドの詳細 上記各制御モ−ドでの制御内容について、図24〜図2
9に基づいて説明する。なお、各制御モ−ドにおいて、
最終的に左右後輪101RL、101RRに対するトル
ク調整量が個々独立して決定されるが、以下の説明ある
いは図面において用いられる『rl』は左後輪101RL
用を示し、『rr』は右後輪101RR用を示すサフィク
スである。また、スタックモ−ドについては、左右後輪
101RL、101RRへの伝達トルクLが、クラッチ
114L、114Rの最大トルク伝達量として設定され
るが、この点については後述するフロ−チャ−トの部分
で説明する。
【0061】(1)ヨ−レ−トモ−ド(図24、図25) 図24は、目標ヨ−レ−トを零以外とするときに左右後
輪101RL、101RRに対するトルク調整量を算出
するためのものである。この図24において、ステップ
N1において、車体に作用する実際のヨ−レ−トとなる
実ヨ−レ−トψと、車速Vと、ハンドル舵角θと、横G
(横加速度)と、ステップN2において決定されたスタ
ビリティファクタAとに基づいて、目標ヨ−レ−トψt
が決定される。この目標ヨ−レ−トψtの決定に際して
は、ステップN1に示す式が用いられ(式中Lは自動車
のホイ−ルベ−ス)、スタビリティファクタAが大きい
ほど目標ヨ−レ−トψtが小さくされて、操縦安定性性
を高める方向の設定とされる。このスタビリティファク
タAの決定については後述する。
【0062】ステップN3においては、実ヨ−レ−トψ
と目標ヨ−レ−トψtとの偏差△ψが決定される。ステ
ップN3においては、ステップN3で算出された偏差△
ψに対して不感帯処理がなされて、所定値以下の偏差△
ψtは零として設定される。この不感帯は、低車速では
幅が広く、高車速では幅が狭くなるようにして、高車速
時での操縦安定性を十分満足させるような設定とするこ
とができる。そして、ステップN5において、フィ−ド
バック制御によって、偏差△ψtに基づいて、トルク調
整量△Tψtが決定される。なお、このフィ−ドバック
制御は、実施例ではPD制御(比例、微分制御)とされ
ている。ステップN5で決定されたトルク調整量△Tψ
tは、そのまま右後輪101RR用のトルク調整量△T
ψtrrとされ、またステップN6において符号反転され
た値が左後輪101RL用のトルク調整量△Tψtrlと
される。
【0063】前記スタビリティファクタAは、図25に
示すようにして決定される(図25中F1〜F5はそれ
ぞれ制御定数)。すなわち、ステップN11において、
車速Vと基準車速V0と、制御定数F1、F2とに基づ
いて、第1の値a1が決定される。また、ステップN1
2において、舵角θと制御定数F3、F4とに基づい
て、第2の値a2が決定される。さらに、ステップN1
3〜N16の処理によって第3の値a3が決定され、各
値a1〜a3をステップN17で加算することにより、
スタビリティファクタAが算出される。
【0064】上記ステップN13では、車速Vと、舵角
θと、基準スタビリティファクタA0と、ホイ−ルベ−
スLとに基づいて、理論横加速度Gltが決定される。ス
テップN14においては、理論横加速度Gltから実際の
横加速度Gを減算することにより、偏差△Gが算出され
る。ステップN15では、偏差△Gの絶対値に基づいて
制御定数F5が決定される(偏差△Gの不感帯処理で、
偏差△Gの絶対値が所定値△G0 以下では制御定数F5
が零に設定される)。ステップN16では、ヨ−レ−ト
ψと車速Vとの乗算値が零以上のときと零未満のときに
場合分けして、制御定数F5と理論横加速度Gltと実際
の横加速度Gとに基づいて第3の値a3が決定される。
【0065】(2)ヨ−レ−トモ−ド(図26) 図26は、目標ヨ−レ−トψ0を零にするときのトルク
調整量決定のための制御系統を示す。すなわち、実際の
ヨ−レ−トψをステップN21で符号反転した後、ステ
ップN22で、前述の空力制御のON、OFF(作動、
非作動)の結果に基づき、スイッチSWがON、OFF
される。そして、スイッチSWがOFF(空力制御OF
F)のときには、ステップN23において、通常の不感
帯1の下で不感帯処理がなされ(図24のN4に対応
で、直進安定性を高めるためにこの不感帯処理をなくし
てもよい)、スイッチSWがON(空力制御ON)のと
きには、ステップN24において、前記不感帯1よりも
広げられた不感帯2の下で不感帯処理がなされる。そし
てこの後、ステップN25において、目標ヨ−レ−トψ
0を零とするフィ−ドバック制御によって、トルク調整
量△Tψ0が算出される。そして、この△ψ0がそのま
ま右後輪101RR用のトルク調整量△Tψ0rrとさ
れ、ステップN26で符号反転した後の値が左後輪10
1RL用のトルク調整量△Tψ0rlとされる。
【0066】(3)デフモ−ド(図27) 図27は、左右後輪101RL、101RRに対するト
ルク分配比を均等にするための制御系統を示し、ステッ
プN31、N32において後輪への分配トルクTrを半
分にされた値が、左右後輪101RL、101RRに対
するトルク調整量△Tdrr、△Tdrlとされる。
【0067】(4)回転数感応型LSDモ−ド(図28) 図28は、回転数感応型LSDモ−ドでの左右後輪10
1RL、101RRに対するトルク調整量を決定するた
めの系統図である。この図28において、左右後輪10
1RL、101RRの路面に対するスリップ量を示すス
リップ値Srr、Srlが用いられるが、スリップ値Sは、
実施例では『(車速−車輪速)/車輪速』で演算するよ
うにしてある。この場合、車速は、対地車速でもよく
(例えば人工衛星を自動車の位置決定に利用したナビゲ
−ションシステムを利用する等により決定される車
速)、あるいは4輪のうちもっとも低い車輪速を示す値
を車速として利用したものであってもよい。
【0068】上記左右後輪101RL、101RRのス
リップ値SrrとSrlとの偏差△Sが、ステップN41で
決定される。ステップN42では、ここに示すマップに
基づいて、偏差△Sに応じたトルク調整量△Twが決定
される。このステップN42では、不感帯処理も行なわ
れるが、不感帯以外の領域の△Tw設定用のゲインα
は、例えばスリップ値S(左右平均値、左右いずれか大
きい方、左右いずれか小さい方のスリップ値のいずれに
するかは、差動制限の要求程度に応じて適宜選択し得
る)が小さいほど小さくする(感度を低くする)ことも
できる。ステップN42で決定されたトルク調整量△T
wは、そのまま左後輪1LR用の値△Twrlとして設定
され、ステップN43で符号反転して右後輪1RR用の
値△Twrrとして設定される。
【0069】(5)トルク感応型LSDモ−ド(図29) 図29は、トルク感応型LSDモ−ドでの左右後輪10
1RL、101RRに対するトルク調整量を決定するた
めの系統図である。この図29において、後輪への分配
トルクTrに基づいて、ステップN51に示すように、
左右後輪101RL、101RRへのトルク調整量△T
trrと△Ttrlとが決定される。この決定に際しては、
後輪への分配トルクTrが所定値より小さいときは△T
tが小さい一定値とされ、分配トルクTrが大きいとき
は、当該分配トルクTrが大きくなるのにしたがって△
Ttが徐々に大きくされる。
【0070】フロ−チャ−ト(図30〜図36) 次に、図30〜図36のフロ−チャ−トを参照しつつ、
制御ユニットUMにおける駆動力配分制御の内容につい
て説明するが、以下の説明でRはステップを示す。先
ず、図30はメインフロ−チャ−トで、そのR1におい
て、各種情報が入力された後、R2において、エンジン
102で発生されているトルクが、既知のようにして理
論的に演算される。なお、エンジン102の発生してい
るトルクを検出するトルクセンサを別途設けてもよいも
のである。R3では、どの制御モ−ドでの制御を行なう
かの判定が行なわれ、R4では判定された制御モ−ドで
の制御量が演算され、R5において演算された制御量が
出力される。
【0071】上記R3、R4の内容が、図31のフロ−
チャ−トに示される。この図31において、R11にお
いてスイッチ21の操作状態(制御モ−ド選択状態)が
読込まれた後、R12〜R15の判定処理によって選択
されている制御モ−ドの判定が行なわれ、R16〜R1
9において、現在選択されている制御モ−ドに対応した
制御値が演算される。そして、R20において、後述す
る判断制御がなされる。
【0072】図31におけるR16でのオ−トモ−ドで
の制御値が、図32に示すフロ−チャ−トに基づいて演
算される。この図32において、R21において、図2
4〜図29で説明したように、前述した5つの制御モ−
ドでの制御値が演算される。R22においては、上記各
制御モ−ドでの重み付けを示すゲイン値k1〜k5が後
述するようにして決定される。R3では、上記ゲイン値
が後述のように補正される。そして、R24において、
各制御モ−ドに応じた演算量と、補正後の各ゲイン値と
に基づいて、トルク調整量△T1が決定される。
【0073】R25〜R27の判定によって、ABS制
御中でかつブレ−キペダルが踏込み操作されている時で
ないこと、およびフェイル時でないことを条件として、
R28において、前回のトルク値TにR24で演算され
た調整量△T1を加算することにより、今回の伝達トル
クTが決定される。また、ABS制御中でかつブレ−キ
ペダルが踏込み操作されているとき、あるいはフェイル
時のときは、R29において、今回の伝達トルクTが0
に設定される。なお、図32に示す処理は、左右後輪用
に個々独立して行なわれる(このことは、図33〜図3
5に示す他の制御モ−ドの場合についても同じ)。
【0074】図33は、図31のR17の詳細を示す。
この図33は、図32と対応した制御内容(ステップ)
とされているので、図32の場合との相違点について説
明して、重複した説明は省略する。先ず、R31におい
て演算される各制御モ−ドでの演算対象は、ヨ−レ−ト
に関連した△Tψtと、△Tψ0と、デフモ−ドに関連
した△Tdの3つである。これに対応して、R32〜R
34で用いられるゲイン値も、k1〜k3の3つとされ
る。そして、R34で演算される結果は、△T2とされ
る。
【0075】図34は、図31のR18の詳細を示す。
この図34は、図32と対応した制御内容(ステップ)
とされているので、図32の場合との相違点について説
明して、重複した説明は省略する。先ず、R41におい
て演算される各制御モ−ドでの演算対象は、LSDモ−
ドに関連した△Twと、△Ttと、デフモ−ドに関連し
た△Tdの3つである。これに対応して、R42〜R4
4で用いられるゲイン値も、k3〜k5の3つとされ
る。そして、R44で演算される結果は、△T3とされ
る。
【0076】図31のR19の内容が、図35に示され
る。この図35において、スタック時であることから、
R51において、トルク調整量△Tsta が、クラッチ1
14L、114Rの最大伝達容量に応じた最大値Tmax
に設定される。R52においては、ここに示すマップに
したがって、車速に応じて、ゲイン値ksta が決定され
る。R53においては、ゲイン値ksta とトルク調整量
△Tsta とを乗算することにより、最終的なトルク調整
量△T4が算出される。そして、R54において、△T
4がそのまま伝達トルク量として設定される。
【0077】図36は、前述したR23、R33、R4
3でのゲイン値k1〜k5の補正の詳細を示す(補正さ
れる前のゲイン値k1〜k5の設定は後述する)。この
図36でのゲイン値補正は、補正係数C1〜C5を利用
して行なわれるが、C1はk1補正用であり、C2はk
2補正用であり、C3はk3補正用であり、C4はk4
補正用であり、C5はk5補正用である。
【0078】先ず、R55〜R57の判定において、前
進走行時で、4輪いずれもテンパ−タイヤが装着されて
なくて(1輪でも空気圧が極めて小さいパンク時と判定
されていないというものであってもよい)、かつ左右の
荷重差が小さいとき(左右車輪の空気圧の差が小さいと
き)は、R58において、各補正係数C1〜C5がそれ
ぞれ1に設定される。R59では、補正前のゲイン値k
1〜k5に補正係数C1〜C5を乗算することにより補
正後のゲイン値k1〜k5が得られる。
【0079】R55の判別で前進走行時でないと判別さ
れたときは、R60において、後退走行時であるか否か
が判別される。このR60の判別でNOのときのとき
は、車両の停車時であると判定されて、このときはR6
4において左右後輪へのトルク伝達量が0とされる(ク
ラッチ114L、114Rの解放)。
【0080】R60の判別でYESのときは、R61に
おいて、車速が10km/h以上であるか否かが判別さ
れる。このR61の判別でNOのときは、R62におい
て、デフ制御とLSD制御を行なうべく、この各制御に
対応した補正係数C3〜C5が1に設定されると共に、
ヨ−レ−ト制御モ−ドに対応した補正係数C1、C2が
それぞれ0に設定された後、R59に移行する。
【0081】R61の判別でYESのときは、後退走行
時であってもヨ−レ−ト制御を行なうべく、これに対応
した補正係数C1、C2がそれぞれ符号反転された−C
1、−C2とされると共に、他の補正係数C3〜C5は
1とされて、R59へ移行する。このR63を経る処理
は、前進走行時と後退走行時とでは、ヨ−レ−トセンサ
で検出される方向(旋回方向)が逆の関係となるため、
このセンサでの検出方向を後退方向に合わせるためのも
のであり、ヨ−レ−ト制御の実質的な内容そのものは前
進走行時と同じようにして行なわれる。
【0082】R56あるいはR57の判別でYESのと
きは、R65において、デフ制御のみを行なうべく、補
正係数C3のみが1にされると共に、他の補正係数C
1、C2、C4、C5がそれぞれ0とされた後 、R5
9に移行する。
【0083】ゲイン値k1〜k5の決定 図32のR22、図33のR32、図34のR42で決
定されるゲイン値k1〜k5のうち、デフ制御に対応し
たゲイン値k3のみは常に1に設定される。k3以外の
ゲイン値のうち、零以外を目標値とするヨ−レ−トモ−
ドに対応したゲイン値k1は図37に示すようにして設
定され、零を目標値とするヨ−レ−トモ−ドに対応した
ゲイン値k2は図38に示すようにして設定され、回転
数感応型LSDモ−ドに対応したゲイン値k4は図39
に示すように決定され、トルク感応型LSDモ−ドに対
応したゲイン値k5は図37に示すように決定される。
【0084】零以外を目標値とするヨ−レ−トモ−ドで
のゲイン値k1は、次のような各種要素を勘案して設定
される。この各種要素としては、舵角θ、車速V、路面
μ、路面μが左右均一な均一路であるか左右異なるスプ
リット路であるか(左右一方が低μのときにスプリット
路として判定するようにしてある)、加減速(定常)、
良路であるか悪路であるか、ということが含まれる。ゲ
イン値k1の決定に際しては、上記各要素毎に独立して
マップM1〜M15を作成して、各マップから設定値m
1〜m15が設定されるが、この設定値m1〜m15
は、そのとり得る値がそれぞれという0〜1の範囲ある
いは0〜0.5の範囲で設定される。
【0085】マップM1、M2が基本設定用で、ここか
ら得られた設定値m1とm2とを乗算したものが第1演
算値km1とされる。マップM1、M3〜M5で得られ
る設定値m1とm3とm4とm5とを乗算することによ
り、第2演算値km2が演算される。マップM1、M
3、M6〜M8で得られる設定値m1とm3とm6〜m
8とを乗算することにより、第3演算値km3が演算さ
れる。マップM1、M9〜M12で得られる設定値m1
とm9〜m12とを乗算することにより、第4演算値k
m4が演算される。マップM1、M13〜M15で得ら
れる設定値m1とm13〜m15とを乗算することによ
り、第5演算値km5が演算される。そして、第1演算
値km1から、第2〜第5までの各演算値km2〜km
5を減算することにより、ゲイン値k1が決定される。
【0086】図37における各マップに示す設定の仕方
から明らかなように、ゲイン値k1は、直進時あるいは
直進とみなせる舵角が小さいときには零に設定されて
(マップM1参照)、零以外を目標値とするヨ−レ−ト
モ−ドが実質的に行なわれない設定とされる。また、旋
回時であっても、発進時はゲイン値k1が零に設定され
る(マップM2参照)。マップM3〜M5から明らかな
ように、低車速、高μでかつ均一路では、ゲイン値k1
を小さくする補正が行なわれる。マップM3、M6〜M
8から明らかなように、低車速、低μ、加減速の度合が
強いときでかつ良路では、ゲイン値k1を小さくする補
正が行なわれる。マップM9〜M12から明らかなよう
に、高車速、高μ、加減速の度合が強いときでかつ均一
路のときは、ゲイン値k1を小さくする補正が行なわれ
る。マップM13〜M15から明らかなように、低車
速、低μでかつ悪路のときは、ゲイン値k1を小さくす
る補正が行なわれる。
【0087】ゲイン値k2、k4あるいはk5の設定を
示す図38〜図40の意味するところは、上述した図3
7の説明から明らかなので、その詳しい説明は省略す
る。
【0088】オ−トモ−ドが選択されている際、ゲイン
値k1〜k5を利用する代りに、図41に示すようなマ
ップを用いて、いずれの制御モ−ドで制御を実行するか
の決定を行なうようにしてもよい。この図41は、車速
と舵角とをパラメ−タとして設定してあり、ラインα
1、β1、γ1で領域を仕切ってある。そして、ハンチ
ング防止のためのヒステリス設定のために、ラインα
2、β2、γ2が設定されている。この図41におい
て、小舵角域では目標値を零とするヨ−レ−トモ−ドで
の制御が選択される。中舵角域では、車速が小さいとき
はデフモ−ドでの制御が選択され、車速が大きくなると
零以外を目標値とするヨ−レ−トモ−ドでの制御が選択
される。高舵角域では、車速が小さいときは配分比固定
制御が選択され、車速が大きいときは零以外を目標値と
するヨ−レ−トモ−ドでの制御が選択される。上記配分
比固定制御は、旋回外輪側の駆動トルクを旋回内輪側の
駆動トルクよりも大きくなるような所定の配分比に固定
するもので、旋回外輪側への駆動トルクの配分比を10
0%とすることもできる。
【0089】低車速域では、舵角に応じて、デフモ−ド
での制御と配分比固定制御とが切換えらえるが、車速が
大きくなるほどデフモ−ドでの制御が選択されるよう
に、デフモ−ド領域が拡大されている。また、中舵角域
では、前述のようにデフモ−ドでの制御と零以外を目標
値とするヨ−レ−トモ−ドでの制御の切換えが行なわれ
るが、車速が大きくなるほどデフモ−ドでの制御が選択
されるように、デフモ−ド領域が拡大されている。
【0090】判断制御(図42〜図46) 図42〜図46は、図31のR20の詳細を示すもので
あり、以下の説明でQはステップを示す。なお、この判
断制御は、左右後輪101RL、101RRへの伝達ト
ルクの設定が、実際に実現できないときを想定して設定
されているものであり、クラッチ114L、114Rの
締結力制御のみでは実現不可能なときに、所定の制限を
与える他、ブレ−キ力を利用してあるいはエンジンの出
力補正を利用して、左右後輪101RL、101RRに
対する伝達トルクをより最適化するためになされる。
【0091】先ず、判断制御のメインフロ−チャ−トと
なる図42において、Q1において、図32〜図35に
示すようにして得られた演算トルクT(左演算トルクT
rl、右演算トルクTrr)が読込まれる。Q2において
は、演算トルクTに基づいて、クラッチ114L、11
4Rの締結力が設定される。Q3においては、ブレ−キ
力の設定が行なわれ、Q5においてはエンジン102の
出力補正がなされる。
【0092】図42のQ2の詳細が図43に示される。
先ず、Q11において、後輪への分配トルクTrが零以
上であるか否か、つまりエンジン102により車輪を駆
動している駆動走行状態であるか否かが判別される。こ
のQ11の判別でYESのときは、Q12〜Q14にお
いて、左クラッチ114Lの締結力Tcrlが設定され
る。つまり、左後輪101RL用の演算トルクTrlが零
未満のときは、実現不可能な演算トルクなので、締結力
Tcrlが零に設定され(Q13)、そうでないときは締
結力Tcrlが演算トルクTrl(に対応した値)として設
定される(Q14)。Q15〜Q17の処理によって、
上述した左後輪101RLと同様にして、右後輪101
RR用の締結力Tcrrが設定される。
【0093】Q11の判別でNOのときのとき、つまり
エンジンブレ−キが作用する状態のときは、Q18にお
いて、左後輪101RL用の演算トルクTrlが零未満で
あるか否かが判別される。このQ18の判別でYESの
ときは、Q19において、演算トルクTrlの符号を反転
させた値が、左クラッチ114Lの締結力Tcrlとして
設定される。Q18の判別でNOのときのときは、左ク
ラッチ114Lの締結力Tcrlが零に設定される。Q2
1〜Q23では、上述した左クラッチ114Lの場合と
同様にして、右クラッチ114Rの締結力が設定され
る。
【0094】図42のQ3の詳細が、図44に示され
る。先ずQ31において、後輪への分配トルクTrが零
以上である駆動走行時であるか否かが判別される。この
Q31の判別でYESのときは、先ずQ32において、
左演算トルクTrlが零未満であるか否かが判別される。
Q32の判別でYESのときは、クラッチ114Lがマ
イナスのトルクを伝達することができないので、このと
きは、Q33において、左演算トルクTrlの符号を反転
させた値が、左後輪101RL用ブレ−キのブレ−キ力
TB rlとして設定される。Q32の判別でNOのとき
は、ブレ−キを利用したトルク調整は不用なときなの
で、Q34において左後用ブレ−キ力TBrlが零に設定
される。Q35〜Q37では、上述した左後輪101R
L用ブレ−キの場合と同様にして、右後輪101RR用
ブレ−キ力TBrrが設定される。
【0095】Q31の判別でNOのとき、つまりエンジ
ンブレ−キ作用時には、Q38において、左演算トルク
Trlが後輪分配トルクTr未満であるか否かが判別され
る。このQ38の判別でYESのときは、右演算トルク
Trrが後輪分配トルクTr未満であるか否かが判別され
る。このQ39の判別でYESのとき、および前記Q3
8の判別でNOのときは、それぞれブレ−キ調整は不用
なときであるとして、Q40あるいはQ42において左
ブレ−キ力TBrl が零に設定される。Q39の判別でN
Oのときは、後輪分配トルクTrから左演算トルクTrl
を差し引いた値が、左後輪101RL用ブレ−キTBrl
として設定される。Q43〜Q47では、上述した左後
輪101RL用ブレ−キの場合と同様にして、右後輪1
01RR用ブレ−キ力TB rrが設定される。なお、ブレ
−キ信号は、制御ユニットU3に出力されて、この制御
ユニットU3により、上述したブレ−キ力となるように
対応する車輪用ブレ−キが制御される。
【0096】図42におけるQ4の詳細が、図45に示
される。先ず、Q51〜Q54の処理によって、クラッ
チ締結力Tcrl あるいはTcrr が、クラッチ114L、
114Rの最大トルク伝達量Tcmaxの範囲となるように
設定される。また、Q55において、左右のクラッチ1
14L、114Rの各締結力の合計値が後輪分配トルク
Tr以下であるときは、クラッチ114L、114Rの
伝達可能トルク以上にエンジン102が余剰トルクを発
生しているときであるとして、Q56に示す式にしたが
って演算される所定の減算値△Te分だけ、エンジン出
力(エンジントルク)が低下される。このエンジン10
2の出力低下分を示す△Teは、制御ユニットU2に出
力されて、この制御ユニットU2により、例えばスロッ
トル弁を絞る制御が行なわれて当該△Teの実現が図ら
れる。
【0097】図42におけるQ5の詳細が、図46に示
される。先ず、Q61において、後輪分配トルクTrが
零以上であるか否かが判別される。このQ61の判別で
YESのときは、Q62において、左演算トルクTrlが
後輪分配トルクTrよりも大きいか否かが判別される。
Q62の判別でYESのときは、Q63において、右演
算トルクTrrが後輪分配トルクTrよりも大きいか否か
が判別される。このQ64の判別でYESのときは、エ
ンジン2の発生トルクを低下させる必要がないときであ
るとして、Q64においてエンジン出力の低下分△Te
が零に設定される。また、Q63の判別でNOのとき
は、Q65において、エンジントルク低下分△Teが、
左右の演算トルクの差分に応じた値として設定される。
【0098】Q62の判別でNOのときは、Q66にお
いて、右演算トルクTrrが後輪分配トルクTrよりも大
きいか否かが判別される。このQ66の判別でYESの
ときは、Q67において、エンジントルク低下分△Te
が、左右の演算トルクの差分に応じた値として設定され
る。Q66の判別でNOのとき、あるいはQ61の判別
でNOのときは、それぞれQ68において、△Teが零
に設定される。
【0099】協調制御 上述のような空力制御と駆動力配分制御とに対して、制
御干渉及び制御性の向上を図るべく、下記のような協調
制御が行われる。
【0100】空力制御に対して駆動力配分制御を協調さ
せる観点からは、空力制御がON時(エアスポイラ類2
1〜24が作動位置)に、前述のψt制御(実ヨ−レ−
トが所定の目標ヨ−レ−トとなるようにする制御であっ
て、目標ヨ−レ−トが0以外のもの)のゲインK1が大
きくされ、また、前述のψ0 制御(実ヨ−レ−トが所定
の目標ヨ−レ−トとなるようにする制御であって、目標
ヨ−レ−トが0のもの)の不感帯が広げられる。前者に
ついては、空力制御ON時には、安定性が高く(アンダ
ステア気味)、ヨ−レ−トの変化が、空力制御OFF時
に比べて緩慢となるため、ψt制御においては、予めゲ
インK1を大きくしてやり、これにより、上記緩慢なヨ
−レ−ト変化を抑え、空力制御のON、OFF時に係り
なく、違和感のないステアリング特性を得ようとするも
のであり、後者については、小さなヨ−レ−ト変化に対
しては空力制御で対応できるため、空力制御ON時に
は、その空力制御を利用し、動力を多く消費するψ0 制
御を不用意に行わないようにしたものである。
【0101】具体的に、図47のフロ−チャ−トを参照
しつつ説明すれば、先ず、Z1(以下、Zはステップを
示す)において、左右輪の駆動力配分比制御のうち、実
行すべき制御がψt制御か否かが判別され、Z1がYE
Sのときには、Z2において空力制御がONされたか否
かが判別される。そして、Z2がNOのときには、空力
制御に対する協調制御を行う必要がないことから、ゲイ
ンK1は通常の1とされる一方、Z2がYESのときに
は、前述の如く、空力制御ON時には、安定性が高く
(アンダステア気味)、ヨ−レ−トの変化が、空力制御
OFF時に比べて緩慢となることから、ψt制御におい
て、予めゲインK1を大きくするべく、Z4において、
ゲインK1は1.3とされ、そのゲインK1を用いて、
Z5において、ψt制御がなされる。一方、前記Z1が
NOのときには、Z6において、実行すべき制御がψ0
制御か否かが判別され、Z6がNOのときにはリタ−ン
される一方、Z6がYESのときには、Z7において、
空力制御がONされたか否かが判別される。そして、Z
7がNOのときには、空力制御に対する協調制御を行う
必要がないことから、通常の不感帯1とされる一方、Z
7がYESのときには、前述の如く、小さな変化に対し
ては空力制御で対応できるため、空力制御ON時には、
その空力制御を利用し、不用意にψ0 制御を行わないよ
うにすべく、Z9において、前記不感帯1よりも広い不
感帯2が設定され、その不感帯の下で、ψ0 制御がなさ
れる。
【0102】また、駆動力配分制御に対して空力制御を
協調させる観点からは、ψt制御実行中において、目標
ヨ−レ−トに収束しない場合に、空力制御がOFFとさ
れる。これは、駆動力配分比制御に空力制御が悪影響を
及ぼし、制御が収束しないことを考慮したものである。
【0103】具体的に、図48のフロ−チャ−トを参照
しつつ説明すれば、Y1(以下、Yはステップを示す)
において、ψt制御がなされているか否かが判別され、
Y1がNOのときには、再び、Y1に戻される一方、Y
1がYESのときには、Y2において、実ヨ−レ−トが
所定の目標ヨ−レ−トに収束したか否かが判別される。
空力制御がψt制御に悪影響を与える可能性があるか否
かを調べるためである。そして、Y2がYESのときに
は、空力制御がψt制御に悪影響を与えないことから、
リタ−ンされる一方、Y2がNOのときには、そのY2
の判別が、所定時間以上経過した結果であるか否かが判
別される。空力制御がψt制御に実際に悪影響を与える
か否かを調べるためである。そしてこの後、Y3がNO
のときには、未だ様子を見るべく、Y1にリタ−ンされ
る一方、Y3がYESのときには、空力制御がψt制御
に悪影響を与えているとして、空力制御がOFFとされ
る。これにより、空力制御が及ぼす影響がなくなり、ψ
t制御が的確に行われることになる。
【0104】さらに、駆動力配分制御に対して空力制御
を協調させる観点から、前述の図41のマップに基づ
き、制御モ−ドがψ0 制御のとき、空力制御がONさ
れ、制御モ−ドがψ0 制御以外のとき、空力制御がOF
Fとされる。これは、制御モ−ドがψ0 制御のときに
は、ψ0 制御と空力制御とが協力し合うことができるこ
とから、その両者の協力関係により操縦安定性を一層向
上させようとするものである。
【0105】具体的に、図49のフロ−チャ−トを参照
しつつ説明すれば、H1(以下、Hはステップを示す)
において、車速と舵角とが読み込まれ、次のH2におい
て、図41のマップに基づいて、実行すべき制御モ−ド
が判定される。次に、H3において、前記H2の制御モ
−ドがψ0 制御か否かが判別され、H3がNOのときに
は、H4において、空力制御がOFFとされる一方、H
3がYESのときには、H5において、空力制御がON
とされる。
【0106】以上実施例について説明したが、例えば次
のように構成を適宜採択することも可能である。ただ
し、本発明ではサイドエアスポイラは作動位置と非作動
位置とを選択的にとり得るように可動式とされることが
前提となるが、本発明とは直結関係のない制御態様にお
いては、サイドエアスポイラは固定式とすることもでき
る。 (1)空力制御と駆動力配分制御との協調制御において、
空力制御として、サイドエアスポイラ24のみを作動さ
せるようにしてもよい。 (2)空力制御において、グリルシャッタ22は無くとも
よい。 (3)空力制御において、各エアスポイラ21、23、2
4は、作動位置で固定されたままの固定式としてもよ
い。この場合、前エアスポイラ21をバンパ9と一体成
形し、後エアスポイラ23をトランクリッド4と一体成
形し、サイドエアスポイラ24をリアフェンダ8と一体
成形する等、ベ−スボディを構成する部品と一体成形し
ておくことができる。 (4)空力制御において、前エアスポイラ21は、車幅方
向ほぼ全長に渡って伸ばしてもよい(左右一対ではなく
て、全体として1つとする)。 (5)空力制御において、前後のエアスポイラ21、2
3、24のみを別体に形成して、ベ−スボディにボルト
等を利用して後付けするつまりオプション設定とするこ
ともできる。この場合、前後のエアスポイラ21、2
3、24は、ベ−スボディに合せて設定されたものをセ
ット体として供給(販売)することができる。 (6)空力制御において、サイドエアスポイラ24の取付
位置としては、ル−フ3や、サイドシル、リアピラ−等
適宜の位置とすることができ、この場合の取付例を、図
1において一点鎖線で示してある(符号24A〜24C
で示すのがサイドエアスポイラ)。リアピラ−にサイド
エアスポイラ24Bを設ける場合は、ミッドシップ車に
おいてはリアピラ−そのものが車室(リアウインドガラ
ス)の後方でかつリアデッキ(ボンネット)の上方に突
出するように形状設定されることが多いので、当該リア
ピラ−を本発明によるサイドエアスポイラとして機能さ
せることができる。 (7)駆動力配分制御において、デフモ−ドとヨ−レ−ト
モ−ドとの2種類の制御態様のみを選択するようにして
もよい。 (8)駆動力配分制御において、左右車輪間でのトルク調
整は、左右前輪の間でのみ行なうようにしてもよく、あ
るいは左右前輪間と左右後輪間との両方で行なうように
してもよい。 (9)駆動力配分制御において、自動車は、2輪駆動車で
あってもよく、この場合、前輪駆動車、あるいは後輪駆
動車のいずれであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る空力制御を行う自動車の一例を示
す側面図。
【図2】図1に示す自動車の前方斜視図。
【図3】図1に示す自動車の後方斜視図。
【図4】グリルシャッタ部分の詳細を示す前方斜視図。
【図5】グリルシャッタの作動を示す側面図。
【図6】前エアスポイラの可動構造を示す簡略側面断面
図。
【図7】後エアスポイラの可動構造を示すもので、図3
のX7−X7線相当での簡略断面図。
【図8】サイドエアスポイラの可動構造を示すもので、
図3のX8−X8線相当での簡略断面図。
【図9】各サンプル車の前後の揚力係数を示す図。
【図10】ヨ−イングモ−メントとヨ−角との関係を示
す図。
【図11】前後の揚力係数CLf、CLRとの相加平均値と
走行安定性の評価点との関係を示す図。
【図12】ヨ−イングモ−メントの低減が走行安定性の
評価点に与える影響を示す図。
【図13】複数のサンプル車における走行安定性評価
を、走行安定性の6つの評価パラメ−タとの関係で示す
図。
【図14】可動式とされたエアスポイラ類の制御系統を
示す図。
【図15】エアスポイラ類の駆動制御例を示すフロ−チ
ャ−ト。
【図16】エアスポイラ類の他の駆動制御例を示すフロ
−チャ−ト。
【図17】サンプル車とベ−スボディとの走行安定性の
相違を示す試験デ−タ。
【図18】サンプル車とベ−スボディとの走行安定性の
相違を示す試験デ−タ。
【図19】サンプル車とベ−スボディとの走行安定性の
相違を示す試験デ−タ。
【図20】サンプル車とベ−スボディとの走行安定性の
相違を示す試験デ−タ。
【図21】サンプル車とベ−スボディとの走行安定性の
相違を示す試験デ−タ。
【図22】サンプル車とベ−スボディとの走行安定性の
相違を示す試験デ−タ。
【図23】本発明を四輪駆動車に適用した場合の一実施
例を示す全体系統図。
【図24】零以外の目標値とされたヨ−レ−トモ−ドで
の制御系統を示す図。
【図25】図24に示すスタビリティファクタを決定す
るための制御系統図。
【図26】目標値を零するときのヨ−レ−トモ−ドでの
制御系統を示す図。
【図27】左右車輪への分配トルクを均等にするデフモ
−ドでの制御系統を示す図。
【図28】回転数感応型のLSDモ−ドの制御系統を示
す図。
【図29】トルク感応型とされたLSDモ−ドでの制御
系統を示す図。
【図30】トルク制御の一例を示すメインフロ−チャ−
ト。
【図31】図30におけるモ−ド判定および制御トルク
値演算の詳細を示すフロ−チャ−ト。
【図32】図31に示すオ−トモ−ドでの制御トルク値
を得るためのフロ−チャ−ト。
【図33】図31に示すヨ−レ−トモ−ドでの制御トル
ク値を得るためのフロ−チャ−ト。
【図34】図31に示すLSDモ−ドでの制御トルク値
を得るためのフロ−チャ−ト。
【図35】図31に示すスタックモ−ドでの制御トルク
値を得るためのフロ−チャ−ト。
【図36】図32〜図34に示すゲイン値補正を行なう
ためのフロ−チャ−ト。
【図37】図32等に示すゲイン値k1を決定するため
の制御系統図。
【図38】図32等に示すゲイン値k2を決定するため
の制御系統図。
【図39】図32等に示すゲイン値k4を決定するため
の制御系統図。
【図40】図32等に示すゲイン値k5を決定するため
の制御系統図。
【図41】オ−トモ−ドで選択すべき制御モ−ドの設定
領域を示すもので、図10の代りに用いられる図。
【図42】図31に示される判断制御の詳細を示すフロ
−チャ−ト。
【図43】図42に示されるクラッチ力設定の詳細を示
すフロ−チャ−ト。
【図44】図42に示されるブレ−キ力設定の詳細を示
すフロ−チャ−ト。
【図45】図42に示されるトルク容量制限の詳細を示
すフロ−チャ−ト。
【図46】図42に示されるエンジン出力補正の詳細を
示すフロ−チャ−ト。
【図47】空力制御に対して駆動力配分比制御(ψ0 、
ψt制御)を協調させる協調制御の一例を示すフロ−チ
ャ−ト。
【図48】駆動力配分比制御(ψt制御)に対して空力
制御を協調させる協調制御の一例を示すフロ−チャ−
ト。
【図49】駆動力配分比制御(ψ0 、ψt制御)に対し
て空力制御を協調させる協調制御の一例を示すフロ−チ
ャ−ト。
【符号の説明】
21:前エアスポイラ 22:グリルシャッタ 23:後エアスポイラ 24:サイドエアスポイラ 32:モ−タ 47:モ−タ 53:モ−タ 64:モ−タ U5:制御ユニット 101RL:左後輪 101RR:右後輪 102:エンジン 114L:左クラッチ 114R:右クラッチ 114C:中央クラッチ 116L:クラッチ締結力制御弁 116R:クラッチ締結力制御弁 121:制御モ−ド選択用スイッチ 123:センサ類 UM:制御ユニット(トルク制御用)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−129837(JP,A) 特開 平3−189276(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 17/28 - 17/36 B62D 37/00 - 37/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パワ−ユニットからの駆動力を左右の車輪
    に個々独立して配分制御する駆動力配分制御手段と、車
    両のヨ−イングモ−メントを低減させる気流制御手段と
    を備える車両において、前記駆動力配分制御手段が、車両の実際のヨーレートが
    零以外の値に設定された目標ヨーレートとなるようにヨ
    ーレート制御を行うものとされ、 前記気流制御手段が、車体から突出されて車両のヨーイ
    ングモーメントを低減させる作動位置と車体に収納され
    た非作動位置とを選択的にとり得るように可動式とされ
    たサイドエアスポイラとされ、 前記サイドエアスポイラが前記非作動位置にあるときは
    前記作動位置にあるときに比して、前記駆動力配分制御
    手段の制御ゲインが大きくなるように設定されている、
    ことを特徴とする駆動力配分制御装置を備えた車両の制
    御装置。
  2. 【請求項2】パワ−ユニットからの駆動力を左右の車輪
    に個々独立して配分制御する駆動力配分制御手段と、車
    両のヨ−イングモ−メントを低減させる気流制御手段と
    を備える車両において、 前記駆動力配分制御手段が、車両の実際のヨーレートが
    零の値に設定された目標ヨーレートとなるようにヨーレ
    ート制御を行うものとされ、 前記気流制御手段が、車体から突出されて車両のヨーイ
    ングモーメントを低減させる作動位置と車体に収納され
    た非作動位置とを選択的にとり得るように可動式とされ
    たサイドエアスポイラとされ、 前記サイドエアスポイラが前記作動位置にあるときは前
    記非作動位置にあるときに比して、前記駆動力配分制御
    手段における不感帯が拡大されるように設定されてい
    る、ことを特徴とする駆動力配分制御装置を備えた車両
    の制御装置
  3. 【請求項3】パワ−ユニットからの駆動力を左右の車輪
    に個々独立して配分制御する駆動力 配分制御手段と、車
    両のヨ−イングモ−メントを低減させる気流制御手段と
    を備える車両において、 前記駆動力配分制御手段が、車両の実際のヨーレートが
    零以外の値に設定された目標ヨーレートとなるようにヨ
    ーレート制御を行うものとされ、 前記気流制御手段が、車体から突出されて車両のヨーイ
    ングモーメントを低減させる作動位置と車体に収納され
    た非作動位置とを選択的にとり得るように可動式とされ
    たサイドエアスポイラとされ、 前記駆動力配分制御手段の制御を行ったときに、車両の
    実際のヨーレートが前記目標ヨーレートに所定時間内に
    収束しないときは、前記エアスポイラが前記非作動位置
    とされるように設定されている、ことを特徴とする駆動
    力配分制御装置を備えた車両の制御装置
  4. 【請求項4】パワ−ユニットからの駆動力を左右の車輪
    に個々独立して配分制御する駆動力配分制御手段と、車
    両のヨ−イングモ−メントを低減させる気流制御手段と
    を備える車両において、 前記駆動力配分制御手段が、車両の実際のヨーレートが
    目標ヨーレートとなるようにヨーレート制御を行うもの
    とされ、 前記気流制御手段が、車体から突出されて車両のヨーイ
    ングモーメントを低減させる作動位置と車体に収納され
    た非作動位置とを選択的にとり得るように可動式とされ
    たサイドエアスポイラとされ、 前記駆動力配分制御手段の制御が前記目標ヨーレートが
    零の値とされたヨーレート制御を行うときは前記サイド
    エアスポイラが前記作動位置とされる一方、該駆動力配
    分制御手段の制御が前記目標ヨーレートが零以外の値と
    されたヨーレート制御を行うときは該サイドエアスポイ
    ラが前記非作動位置とされるように設定されている、
    とを特徴とする駆動力配分制御装置を備えた車両の制御
    装置。
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