JP3460535B2 - ズームレンズ装置 - Google Patents
ズームレンズ装置Info
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Description
ズームレンズ系を備えたズームレンズ装置に関し、さら
に詳しくは、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカ
メラ等のデジタル入出力機器の撮影光学系に好適なコン
パクトで高変倍率を有するズームレンズ系を備えたズー
ムレンズ装置に関するものである。
にともない、手軽に画像情報をデジタル機器に取り込む
ことができるデジタルスチルカメラやデジタルビデオカ
メラ等(以下、単にデジタルカメラという)が個人ユー
ザレベルで普及しつつある。このようなデジタルカメラ
は、今後も画像情報の入力機器として益々普及すること
が予想される。
は、CCD(charge coupled device)等の固体撮像素
子の画素数で決定される。現在、一般向けのデジタルカ
メラで主流となっているのは、33万画素程度の画素数
を有する、いわゆるVGAクラスの固体撮像素子であ
る。しかしながら、このVGAクラスのカメラの画質
は、従来の銀塩フィルムを用いたカメラの画質と比較し
た場合、大幅に見劣りすることは否めない。このため、
最近では一般向けのデジタルカメラにおいても100万
画素を超えるような高画質のカメラが望まれており、こ
れらのデジタルカメラの撮影光学系にも高画質を満足す
ることが要求されている。
おいても画像の変倍、特に画像劣化が少ない光学変倍を
行うことも望まれているため、近年では高変倍率で高画
質を満足するデジタルカメラ用ズームレンズ系が要求さ
れるようになってきている。
案されているデジタルカメラ用のズームレンズ系で、10
0万画素を超えるような高画質を満足するものは、一眼
レフレックスカメラ用交換レンズを流用したもの、もし
くは業務用途の非常に大型のデジタルカメラが大半であ
った。したがって、このようなズームレンズ系は、非常
に大型で高コストであり、一般向けデジタルカメラに好
適であるとはいえなかった。
学系に対して、近年コンパクト化,高変倍率化が顕著に
進行している銀塩フィルム用のレンズシャッターカメラ
の撮影光学系を流用することも考えられる。
撮影光学系をデジタルカメラにそのまま流用した場合、
デジタルカメラに備えられた固体撮像素子の前面に設け
られたマイクロレンズの集光性能を十分に満足させるこ
とができず、画像中央部と画像周辺部での画像の明るさ
が極端に変化してしまうという問題が発生する。これ
は、レンズシャッターカメラの撮影光学系の射出瞳は像
面近くに位置しているため、撮影光学系から射出された
軸外光束は像面に対して斜めに入射するため発生する問
題である。この問題を解決するために、従来のレンズシ
ャッターカメラの撮影光学系の射出瞳位置を像面から離
そうとすると、どうしても撮影光学系全体が大型化して
しまうことが避けられない。
高画質を満足する全く新規な、コンパクトなズームレン
ズ系を備えたズームレンズ装置を提供することを目的と
する。
ムレンズ装置は、物体側から順に、ズームレンズ系と、
該ズームレンズ系が形成した光学像を受光する固体撮像
素子と、を備えたズームレンズ装置であって、前記ズー
ムレンズ系は、物体側より順に、正のパワーを有する第
1レンズ群と、負のパワーを有する第2レンズ群と、負
のパワーを有する第3レンズ群と、正のパワーを有する
第4レンズ群とを有し、最短焦点距離状態から最長焦点
距離状態へのズーミングに際して、第1レンズ群と第2
レンズ群との軸上間隔を増大させ、第2レンズ群と第3
レンズ群の軸上間隔を減少させ、第3レンズ群と第4レ
ンズ群の軸上間隔を減少させるように、前記第1レンズ
群及び第3レンズ群が移動するとともに、以下の条件を
満足する。 3.5<βt23/βw23<6.0 1.0<img×R<15.0 ただし、 βt23:最長焦点距離状態での第2、3レンズ群の合成
横倍率、 βw23:最短焦点距離状態での第2、3レンズ群の合成
横倍率、 img:最大像高(単位はmm) R:ズームレンズ系を構成するレンズ面のうち、フィル
ター等を除き最も像側に位置するレンズ面の有効径(単
位はmm) である。
は、物体側から順に、ズームレンズ系と、該ズームレン
ズ系が形成した光学像を受光する固体撮像素子と、を備
えたズームレンズ装置であって、前記ズームレンズ系
は、物体側より順に、正のパワーを有する第1レンズ群
と、負のパワーを有する第2レンズ群と、負のパワーを
有する第3レンズ群と、正のパワーを有する第4レンズ
群とを有し、最短焦点距離状態から最長焦点距離状態へ
のズーミングに際して、第1レンズ群と第2レンズ群と
の軸上間隔を増大させ、第2レンズ群と第3レンズ群の
軸上間隔を減少させ、第3レンズ群と第4レンズ群の軸
上間隔を減少させるように、前記第1レンズ群及び第3
レンズ群が移動するとともに、さらに前記第1レンズ群
は最短焦点距離状態から最長焦点距離状態へのズーミン
グの際に物体側に移動し、以下の条件を満足することを
特徴とするズームレンズ装置;以下の条件を満足するこ
とを特徴とする: 0.2<m1/Z<3.0 1.0<img×R<15.0 ただし、 m1:第1レンズ群の最短焦点距離状態から最長焦点距離
状態へのズーミングの際の移動量(mm)、 Z:ズーム比(Z=ft/fw:最短焦点距離状態と最長焦点距
離状態の焦点距離比)、 img:最大像高(単位はmm) R:ズームレンズ系を構成するレンズ面のうち、フィル
ター等を除き最も像側に位置するレンズ面の有効径(単
位はmm) である。
好適な実施の形態について説明する。なお、本明細書に
おいて「パワー」とは、焦点距離の逆数で定義される量
を表し、その偏向作用が異なる屈折率を有する媒質同士
の面での偏向によるものだけでなく、回折による偏向や
媒質内の屈折率分布による偏向等も含むものとする。
の第1実施形態〜第3実施形態のズームレンズ系の最短
焦点距離状態でのレンズ配置を表す断面図である。各実
施形態のズームレンズ系は、物体側より順に、正のパワ
ーを有する第1レンズ群Gr1と、負のパワーを有する
第2レンズ群Gr2と、負のパワーを有する第3レンズ
群Gr3と、絞りSと、正の屈折力を有する第3レンズ
群Gr4と、ローパスフィルタLFとから構成され、最
短焦点距離端から最長焦点距離端へのズーミングに際し
て、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が増
大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が
減少するように、前記第1レンズ群及び第3レンズ群が
移動するズームレンズ系である。なお、図中付された矢
印は、各実施形態のズームレンズ系の最短焦点距離端か
ら最長焦点距離端へのズーミングの際の、各レンズ群、
絞り、ローパスフィルタ等の移動を模式的に示してい
る。
より順に、物体側に凸の負のメニスカスレンズL1、両
凸の正レンズL2、物体側に凸の正のメニスカスレンズ
L3から成る第1レンズ群Gr1、物体側に凸の負のメ
ニスカスレンズL4から成る第2レンズ群Gr2、両凸
の正レンズL5と像側に凸の負のメニスカスレンズL6
との接合レンズL7(接合レンズの両面が非球面)からな
る第3レンズ群Gr3、絞りS、および正レンズL8
(前面が非球面)と、両凹の負レンズL9と、両凸の正レ
ンズL10と、両凹の負レンズL11(両面が非球面)
と、物体側に凸の正のメニスカスレンズから成る第4レ
ンズ群Gr4、ローパスフィルタLFとから構成されて
いる。最短焦点距離状態から最長焦点距離状態へのズー
ミングに際しては、第1、第4レンズ群及び絞りが物体
側へ、第2レンズ群がわずかに像側へ、第3レンズ群が
一旦物体側へ移動した後像側へそれぞれ移動する一方、
ローパスフィルタは固定されている。
より順に、物体側に凸の負のメニスカスレンズL1と、
両凸の正レンズL2と、物体側に凸の正のメニスカスレ
ンズL3とから成る第1レンズ群Gr1、物体側に凸の
負のメニスカスレンズL4と両凸の正レンズL5と像側
に凸の負のメニスカスレンズL6との接合レンズ(接合
レンズの両面が非球面)DL2から成る第2レンズ群G
r2、両凹の負レンズL7からなる第3レンズ群Gr
3、絞りS、および両凸の正レンズ(前面が非球面)L8
と、物体側に凸の負メニスカスレンズL9と、両凸の正
レンズL10と、両凹の負レンズ(両面が非球面)L11
と、物体側に凸の正のメニスカスレンズL12とから成
る第4レンズ群Gr5、ローパスフィルタLFとから構
成されている。最短焦点距離状態から最長焦点距離状態
へのズーミングに際しては、第1、第4レンズ群及び絞
りが物体側へ、第2、第3レンズ群が一旦わずかに物体
側へ移動した後わずかに像側へ、それぞれ移動する一
方、ローパスフィルタは固定されている。
より順に、物体側に凸の負のメニスカスレンズL1と、
両凸レンズL2と、物体側に凸の正のメニスカスレンズ
L3とから成る第1レンズ群Gr1、物体側に凸の負の
メニスカスレンズL4から成る第2レンズ群Gr2、正
レンズL5と像側に凸の負のメニスカスレンズL6との
接合レンズ(両面が非球面)DL1からなる第3レンズ群
Gr3、絞りS、および正レンズ(前面が非球面)L7
と、物体側に凸の負のメニスカスレンズL8と、両凸の
正レンズL9と、負レンズ(両面が非球面)L10と、物
体側に凸の正のメニスカスレンズL11とから成る第4
レンズ群Gr4から構成されている。最短焦点距離状態
から最長焦点距離状態へのズーミングに際しては、第
1、第4レンズ群及び絞りが物体側へ、第2、第3レン
ズ群がわずかに像側へ、それぞれ移動する一方、ローパ
スフィルタは固定されている。
ーを有する第1レンズ群と、負のパワーを有する第2レ
ンズ群と、負のパワーを有する第3レンズ群と、正のパ
ワーを有する第4レンズ群とから構成されている。
するためには、第1レンズ群のパワーを強くし、物体側
へ移動させて、かつ移動量を小さくすることが必要であ
る。しかし、第1レンズ群のパワーを強くすると、その
分だけ収差が発生し性能の劣化につながる。各実施形態
の構成は、第1レンズ群に関し、全長と光学性能のバラ
ンスを図ることができる構成で、第1レンズ群のパワー
を強くして移動量を減らしたときに発生する収差の補正
を行うことが可能となり、結果として光学性能を維持し
たまま最長焦点距離短での全長が短くできる。
件式範囲(1)で規定される条件を満足することが望ま
しい。
横倍率、 βw23:最短焦点距離状態での第2、3レンズ群の合成
横倍率、 である。
負担量を示している。条件式範囲(1)の上限値を越え
ると、第2、3レンズ群の変倍負担量が大きくなり過ぎ
るために、第2、3レンズ群での収差変動が大きくなり
過ぎ、収差補正を行なうために第2、3レンズ群に多く
のレンズまたは非球面を有する必要があるので好ましく
ない。逆に、条件式範囲(1)の下限値を越えると、第
2、3レンズ群で十分な変倍効果が得られないので、第
1レンズ群の移動量が増大し好ましくない。
状態から最長焦点距離状態へのズーミングの際に、物体
側に移動する場合、以下の条件式範囲(2)で規定され
る条件を満足することが望ましい。 0.2<m1/Z<3.0 (2) ただし、 m1:第1レンズ群の最短焦点距離状態から最長焦点距離
状態へのズーミングの際の移動量(mm)、 Z:ズーム比(Z=ft/fw:最短焦点距離状態と最長焦点距
離状態の焦点距離比) である。
状態から最長焦点距離状態へのズーミングの際の移動量
とズーム比との関係を表している。一般に、ズーム比が
大きくなると移動量は大きくなる。条件式範囲(2)で
規定された条件は、第1レンズ群の移動量を適切に規定
することによって、コンパクトでかつ良好な光学性能を
有するズームレンズを提供するための条件である。条件
式範囲(2)の上限値を越えると、ズーム比に比べて第
1レンズ群の移動量が大き過ぎ、最長焦点距離状態での
全長が増大し過ぎて、コンパクトなズームレンズを得る
ことができない。逆に、上記条件式範囲(2)の下限値
を越えると、第1レンズ群の移動量が小さくなり過ぎ
る。第1レンズ群の移動量が小さくなると、第1レンズ
群のパワーを大きくしなければ、ズーム比を達成できな
くなる。この結果、第1レンズ群のパワーが大きくなり
過ぎて、第1レンズ群で発生する収差量が大きくなり、
全体として良好な光学性能を得ることができなくなる。
(2)のうち、以下の条件式範囲(2a)を満足するこ
とがより望ましい。 0.7<m1/Z<3.0 (2a) 各実施形態のズームレンズ系は、以下の条件式範囲
(3)で規定される条件を満足することが望ましい。 1.0<img×R<15.0 (3) ただし、 img:最大像高(単位はmm)、 R:ズームレンズ系を構成するレンズ面のうち、フィル
ター等を除き最も像側に位置するレンズ面の有効径(単
位はmm)、 である。
さ及び諸収差の補正に対する条件と、デジタルカメラ用
撮影光学系に特有の条件とのバランスを図るための条件
である。一般に、固体撮像素子を用いたデジタルカメラ
に使用される撮影光学系においては、固体撮像素子の前
面に設けられたマイクロレンズの集光性能を十分に満足
させるために、入射光束をマイクロレンズの光束に対し
て略垂直に入射させる必要がある。そのため、デジタル
カメラ用の撮影光学系においては、通常の銀塩フィルム
用カメラの撮影光学系と同様に諸収差の補正を行うこと
と併せて、像側に略テレセントリックであることが要求
される。条件式範囲(3)の上限値を超えると、ズーム
レンズ系が像側に略テレセントリックであることが必要
以上となり、諸収差、特に短焦点距離側での負の歪曲収
差が大きくなりすぎてその補正が困難になるとともに、
像面のアンダー側への倒れが著しくなり望ましくない。
逆に、条件式範囲(3)の下限値を超えると、略テレセ
ントリックであることを満足することが困難となり望ま
しくない。特に、下限値を超えた状態でテレセントリッ
ク性を向上しようとすると、ズームレンズ系のバックフ
ォーカスが必要以上となり、光学系の大型化を招き望ま
しくない。
(3)のうち、以下の条件式範囲(3a)を満足するこ
とがより望ましい。 6.5<img×R<9.5 (3a) 各実施形態のズームレンズ系は、以下の条件式範囲
(4)で規定される条件を満足することが望ましい。 1<max(T1,T2,T3,T4)/fw<4 (4) ただし、 Ti:第i群の光軸上厚みであって、max(T1,T2,T3,T4)はそ
の最大値、 である。
系を達成するための条件である。条件式範囲(4)の下
限値を超えると、各レンズ群の光軸上厚みが小さくなり
過ぎ、各レンズ群を構成しているレンズに要求される加
工要件(心厚・コバ厚など)を確保することが困難にな
るだけでなく、収差補正のために必要な設計自由度を確
保できない。逆に、条件式範囲(4)の上限値を越える
場合は、各レンズ群の光軸上厚みが大きくなりすぎ、コ
ンパクトなズームレンズ系を達成できない。
(4)のうち、以下の条件式範囲(4a)を満足するこ
とがより望ましい。 1<max(T1,T2,T3,T4)/fw<3 (4a) また、各実施形態のズームレンズ系は、以下の条件式範
囲(5)で規定される条件を満足することが望ましい。 6< Lw/fw<10 (5) ただし、 Lw:最短焦点距離状態の光学系全長(レンズ先端から像
面まで) fw:最短焦点距離状態の全系の焦点距離、 である。
表している。条件式範囲(5)の下限値を超えると、光
学系全長が小さくなりすぎて収差補正が困難になる。ま
た、デジタルカメラ用の撮影光学系に要求される略テレ
セントリックの条件を満足することが難しくなる。逆
に、条件式範囲(5)の上限値を越えると、、コンパク
ト化が達成できない。さらに、全長が大きくなることに
伴い、像面での照度が確保できなるため前玉径の大型化
が必要になり、やはりコンパクトなズームレンズ系を達
成できない。
2レンズ群中に以下の条件式範囲(6)で規定される条
件を満足する非球面を少なくとも一面有することが望ま
しい。 -0.1<φ×(N'-N)×d/dH{X(H)-X0(H)}<0 (6) ただし、 φ:非球面を有するレンズのパワー、 N:非球面より物体側の媒質のd線に対する屈折率、 N':非球面の像側の媒質のd線に対する屈折率、 H:光軸と垂直な方向の高さ、 X(H):非球面の高さHでの光軸方向の変位量、 X0(H):基準球面の高さHでの光軸方向の変位量、 である。
られた非球面が、その負のパワーを有する面のパワーを
弱くする形状であることを示す。第2レンズ群中の非球
面は、短焦点距離側での歪曲収差の補正および長焦点距
離側の球面収差の補正に有効である。上記条件式の上限
を超えると負のパワーが強くなりすぎ、短焦点側での負
の歪曲が大きくなり、逆に下限を超える負のパワーが弱
くなり、短焦点側での歪曲収差の補正には、有利である
が、長焦点側の球面収差が、補正不足状態となり、必要
な性能を確保できなくなる。また、非球面が正の面に設
けられた正のパワーを強くする形状も同様の効果が得ら
れる。
体側に近い側に設けられた非球面は、短焦点距離側の歪
曲収差の補正に有効であり、像側に近い面に設けられた
非球面については、長焦点距離側の球面収差の補正に有
効である。非球面の作用は、近軸のパワーを弱める方向
についており、球面のみの構成で補正過剰となった収差
を弱める働きをしている。実施形態の場合、第2レンズ
群中の物体側に近いレンズに設けられた負の面の非球面
のパワーが強くなり過ぎると、短焦点距離側での負の歪
曲収差が大きくなり過ぎ、逆に負のパワーが弱くなる
と、短焦点距離側での歪曲収差の補正には有利である
が、長焦点距離側の球面収差が補正不足状態となり、光
学性能を確保できなくなる。第2レンズ群中の正パワー
面に非球面がある場合も同様で、第2レンズ群中の正の
面のパワーが弱くなる場合と、負のパワーが強くなる場
合は同様の現象が起こる。また、第2レンズ群の比較的
像側に近いレンズの正の面に設けられた非球面のパワー
が弱くなり過ぎると、長焦点距離側での球面収差がオー
バー側に倒れ、球面収差の補正過剰状態となる。逆に、
パワーが強くなり過ぎると補正不足状態となり、いずれ
も望ましくない。また、正の面のパワーを強くする形状
も同様の効果が得られる。
4レンズ群中に以下の条件式範囲(7)で規定される条
件を満足する非球面を少なくとも一面有することが望ま
しい。 -0.1<φ×(N'-N)×d/dH{X(H)-X0(H)}<0 (7) ただし、 φ:非球面を有するレンズのパワー、 N:非球面より物体側の媒質のd線に対する屈折率、 N':非球面の像側の媒質のd線に対する屈折率、 H:光軸と垂直な方向の高さ、 X(H):非球面の高さHでの光軸方向の変位量、 X0(H):基準球面の高さHでの光軸方向の変位量、 である。
体側に設けられた非球面は、主に短焦点距離側の球面収
差の補正に有効であり、比較的像面側に近いレンズ面に
関しては、長焦点距離側での像面性やフレアの補正に有
効である。第3レンズ群中では、物体側に近いレンズの
正のパワーが弱まる方向に非球面が設けられている場
合、パワーが弱くなり過ぎると短焦点距離側での球面収
差が補正不足となり、逆にパワーが強くなり過ぎると球
面収差が補正過剰となる。どちらの場合も、そのままで
はそれより後の光学系で収差を補正することが困難とな
り、結果的に収差補正のために、レンズ枚数の増加もし
くは、光学系の大型化などが避けられなくなる。また、
第4レンズ群中の像面に近いレンズに負のパワーが弱ま
る方向についている非球面については、負のパワーが弱
まり過ぎると長焦点距離側の軸外光線のアッパー側の収
束性が悪くなり、過大なフレアーが発生し結果的に像面
性が悪化する。また、短焦点距離側では、軸外光線に対
する影響が強くなり過ぎ、過大な負の歪曲収差が発生す
る。逆に負のパワーが強くなり過ぎると、短焦点距離側
の軸外光線に影響があり、短焦点距離側の像面性が悪化
する、具体的には、短焦点距離側の軸外の像面が、正の
方向に倒れてしまい他の面でも収差補正しきれなくな
る。
レンズ群と第4レンズ群との間に配置することが望まし
い。絞りを第3レンズ群と第4レンズ群との間に配置す
ることにより、最短焦点距離状態から中間焦点距離状態
へのズーミングに際して、周辺光量の低下をバランスよ
く防止することが可能となる。
一定にすることが望ましい。通常、絞りは、開放FNO
に相当する円形開口に対して、絞り羽根を開閉すること
により絞り込みを行なっている。また、画像に対する影
響を考慮すると、開放絞りの口径形状は、円であること
が望ましい。従って、画像に対する影響を考慮した場
合、ズーミングに際して各焦点距離状態で開放絞り径が
異なると、この円形開口を絞り羽根で行なうか、あるい
は複数の円形開口を配置するかのいずれかによって、絞
りをコントロールする必要が生じる。しかしながら、前
者の絞り羽根で行なう場合、少ない絞り羽根では歪んだ
形状の開口形状となり円に近づけるためにはどうしても
5、6枚と多数の羽根が必要となり、コストアップが避
けられない。また、後者のように複数の円形開口を持つ
場合、コストアップになるだけでなく光軸方向に円形開
口を挿入するためのスペースが必要となるため光学系の
大型化を招く。
ラクションデータ、収差図等を挙げて、更に具体例を示
す。
施形態にそれぞれ対応しており、実施形態を表すレンズ
配置図は、対応する実施例1〜3のレンズ構成を、それ
ぞれ示している。
・)は物体側から数えてi番目の面の曲率半径、dii=
1,2,3・・)は物体側から数えてi番目の軸上面間
隔を示し、Ni(i=1,2,3・・) 、νi(i=1,2,
3・・) は、物体側から数えてi番目のレンズのd線に
対する屈折率、アッベ数を示す。また、fは全系の焦点
距離、Fno.はFナンバーを表す。なお、各実施例におい
て、全系の焦点距離f、及びFナンバーFno.、各レンズ
群間の空気間隔(軸上面間隔)は、左から順に、最短焦点
距離端(広角端)(W)、中間焦点距離(M)、最長焦点距
離端(望遠端)(T)でのそれぞれの値に対応している。
を付した面は非球面形状の屈折光学面であることを示
し、非球面の面形状を表す以下の式で定義するものとす
る。
準)、 C:近軸曲率、 ε:2次曲面パラメータ、 Ai:i次の非球面係数、 Hi:Hのi乗を表す記号、 である。
る。各収差図は、左側から順に、球面収差図、非点収差
図、歪曲収差図を表している。また、各収差図は、上か
ら順に、前述した最短焦点距離状態(広角端)、中間焦点
距離状態、最長焦点距離状態(望遠端)に相当する光学系
の収差を示している。
る球面収差量、一点鎖線gはg線に対する球面収差量、
点線SCは正弦条件不満足量を表す。また、各非点収差
図において、実線DSはサジタル面、点線DMはメリデ
ィオナル面をそれぞれ表す。また、球面収差図の縦軸は
光線のFナンバーを表し、非点収差図及び歪曲収差図の
縦軸は、最大像高Y’を表す。
す。なお、各データにおいて数字の後のEの文字は指数
部分を示しており、例えば、1.0E-2であれば1.0×10-2
を表すものとする。また、Hmaxは最大有効径を表す。
ズームレンズ装置によれば、高変倍率で高画質を有する
にも拘わらず、コンパクトなズームレンズ系を備えたズ
ームレンズ装置を提供することができる。
置を、デジタルカメラに適用した場合、当該カメラの高
機能化とコンパクト化に寄与することができる。
図。
図。
図。
Claims (2)
- 【請求項1】 物体側から順に、ズームレンズ系と、該
ズームレンズ系が形成した光学像を受光する固体撮像素
子と、を備えたズームレンズ装置であって、 前記ズームレンズ系は、物体側より順に、正のパワーを
有する第1レンズ群と、負のパワーを有する第2レンズ
群と、負のパワーを有する第3レンズ群と、正のパワー
を有する第4レンズ群とを有し、最短焦点距離状態から
最長焦点距離状態へのズーミングに際して、第1レンズ
群と第2レンズ群との軸上間隔を増大させ、第2レンズ
群と第3レンズ群の軸上間隔を減少させ、第3レンズ群
と第4レンズ群の軸上間隔を減少させるように、前記第
1レンズ群及び第3レンズ群が移動するとともに、以下
の条件を満足することを特徴とするズームレンズ装置; 3.5<βt23/βw23<6.0 1.0<img×R<15.0 ただし、 βt23:最長焦点距離状態での第2、3レンズ群の合成
横倍率、 βw23:最短焦点距離状態での第2、3レンズ群の合成
横倍率、 img:最大像高(単位はmm) R:ズームレンズ系を構成するレンズ面のうち、フィル
ター等を除き最も像側に位置するレンズ面の有効径(単
位はmm) である。 - 【請求項2】 物体側から順に、ズームレンズ系と、該
ズームレンズ系が形成した光学像を受光する固体撮像素
子と、を備えたズームレンズ装置であって、 前記ズームレンズ系は、物体側より順に、正のパワーを
有する第1レンズ群と、負のパワーを有する第2レンズ
群と、負のパワーを有する第3レンズ群と、正のパワー
を有する第4レンズ群とを有し、最短焦点距離状態から
最長焦点距離状態へのズーミングに際して、第1レンズ
群と第2レンズ群との軸上間隔を増大させ、第2レンズ
群と第3レンズ群の軸上間隔を減少させ、第3レンズ群
と第4レンズ群の軸上間隔を減少させるように、前記第
1レンズ群及び第3レンズ群が移動するとともに、さら
に前記第1レンズ群は最短焦点距離状態から最長焦点距
離状態へのズーミングの際に物体側に移動し、以下の条
件を満足することを特徴とするズームレンズ装置; 0.2<m1/Z<3.0 1.0<img×R<15.0 ただし、 m1:第1レンズ群の最短焦点距離状態から最長焦点距離
状態へのズーミングの際の移動量(mm)、 Z:ズーム比(Z=ft/fw:最短焦点距離状態と最長焦点距
離状態の焦点距離比)、 img:最大像高(単位はmm) R:ズームレンズ系を構成するレンズ面のうち、フィル
ター等を除き最も像側に位置するレンズ面の有効径(単
位はmm) である。
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JP27074297A JP3460535B2 (ja) | 1997-10-03 | 1997-10-03 | ズームレンズ装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP27074297A JP3460535B2 (ja) | 1997-10-03 | 1997-10-03 | ズームレンズ装置 |
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JPH11109240A JPH11109240A (ja) | 1999-04-23 |
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