JP3460340B2 - ポリ−α−アミノ酸のエマルジョンおよびその製造方法並びにポリ−α−アミノ酸の中空ポリマー粒子 - Google Patents

ポリ−α−アミノ酸のエマルジョンおよびその製造方法並びにポリ−α−アミノ酸の中空ポリマー粒子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、α−アミノ酸−N−炭
酸無水物を乳化重合することにより得られるポリ−α−
アミノ酸のポリマー粒子によるエマルジョンおよびその
製造方法並びにポリ−α−アミノ酸よりなる中空ポリマ
ー粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、ポリマー粒子が水系媒体中に分散
されてなるエマルジョンとしては、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル
共重合体などのポリマー粒子によるものが知られてお
り、これらは乳化重合法により直接的に製造することが
可能である。そして、そのエマルジョンは、接着剤、紙
コーティング材などの各種の用途に用いられている。
【0003】一方、ポリ−α−アミノ酸は固体であって
も微生物によって分解される性質を有すると共に、酸素
および水の透過性を有し、かつ耐摩耗性を有する点で優
れた特性を有するものであり、自然環境の保全の点で好
適な高分子量体である。従って、このポリ−α−アミノ
酸のポリマー粒子によるエマルジョンは、上記の特性を
考慮するとき、紙、樹脂、ゴム、繊維などのコーティン
グ材;化粧品、医療、農薬、肥料のカプセル化材;診断
薬用粒子などの用途において、新しい素材として有用で
ある。
【0004】また、ポリ−α−アミノ酸よりなるポリマ
ー粒子を、個々の粒子体が内孔を有する中空状のものと
して得られれば、この粒子体の内孔に医薬物質を内蔵ま
たは保持させることにより、ポリ−α−アミノ酸の生体
内での分解を利用したドラッグデリバリーの用途に有用
であり、また、粒子体の内孔に農薬、肥料などを内蔵ま
たは保持させることにより、ポリ−α−アミノ酸の土中
での分解を利用した遅効性農薬、肥料の用途に有用であ
り、さらに、粒子体の内孔に化粧料物質を内蔵または保
持させることにより、ポリ−α−アミノ酸の優れた保水
性を利用した化粧品の用途に有用である。
【0005】従来、ポリ−α−アミノ酸の製造方法とし
ては、α−アミノ酸−N−炭酸無水物(以下、「アミノ
酸−NCA」ともいう。)を水を含有しない有機溶剤に
溶解した状態で、均一溶液重合によって重合する方法が
知られている。また、他の製造方法として、アミノ酸−
NCAを溶解させた疎水性有機溶剤相と、重合開始剤を
溶解させた水相とを接触させることにより、その界面に
おいてアミノ酸−NCAを重合する方法が提案されてい
る(特開昭49−57096号公報)。
【0006】一方、現在において、ポリ−α−アミノ酸
のポリマーの微粒子が水系媒体中に分散されてなるエマ
ルジョンを製造する方法としては、固体のポリ−α−ア
ミノ酸を有機溶剤に溶解する手段、アミノ酸−NCAを
有機溶剤中で均一重合する手段などによってポリマー溶
液を調製し、このポリマー溶液に水と乳化剤とを加えて
乳化し、その上で、有機溶剤を除去する方法が知られて
いるが、これ以外に有効な方法は知られていない。これ
は、モノマーであるアミノ酸−NCAが、非常に加水分
解しやすいものであり、水中または活性水素を有する化
合物が多量に存在する条件下ではすみやかに分解するた
め、アミノ酸−NCAの重合それ自体は可能であって
も、高い重合度が得られるまでには重合反応が進行せ
ず、その結果、分子量が十分に大きいポリ−α−アミノ
酸のポリマー粒子を生成させることが困難だからであ
る。
【0007】しかしながら、上記の製造方法において
も、ポリ−α−アミノ酸のポリマー溶液を水系媒体中で
所望の粒径を有する微粒子に分割することは相当に困難
であって、ポリマー粒子の平均粒子径が比較的大きいも
のとなり、例えば平均粒子径が1μm以下であるような
小粒径のポリマー粒子によるエマルジョンを得ることは
できない。また、得られるエマルジョンはポリマー粒子
の粒子径分布が広いものとなり、粒子径の揃ったポリマ
ー粒子によるポリ−α−アミノ酸のエマルジョンを得る
ことは困難である。
【0008】また、従来、ポリ−α−アミノ酸よりな
り、個々の粒子体が内孔を有する中空状のポリマー粒子
は知られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基づいてなされたものであって、その第1の目
的は、所望の平均粒子径を有するポリ−α−アミノ酸の
ポリマー粒子が水系媒体中に分散されてなり、しかも工
業的に容易に製造することのできるポリ−α−アミノ酸
のポリマー粒子によるエマルジョンを提供することにあ
る。本発明の第2の目的は、分子量の大きいポリ−α−
アミノ酸のポリマー粒子によるエマルジョンを、直接的
に、かつ容易に製造することができる方法を提供するこ
とにある。本発明の第3の目的は、平均粒子径が小さく
て粒子径分布の狭いポリ−α−アミノ酸のポリマー粒子
によるエマルジョンを容易にかつ確実に製造することが
できる方法を提供することにある。本発明の第4の目的
は、所望の平均粒子径を有し、かつ粒子体が内孔を有す
る中空状であるポリ−α−アミノ酸のポリマー粒子が水
系媒体中に分散されてなり、しかも工業的に容易に製造
することのできるポリ−α−アミノ酸のポリマー粒子に
よるエマルジョンを提供することにある。本発明の第5
の目的は、所望の平均粒子径を有し、かつ粒子体が内孔
を有する中空状であるポリ−α−アミノ酸のポリマー粒
子を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のポリ−α−アミ
ノ酸のエマルジョンの製造方法は、少なくとも、水と、
水の溶解度が10g/100ミリリットル以下である有
機溶剤とを乳化することにより、重合反応のための場を
形成する水中油分散型の基礎エマルジョンを調製し、こ
の基礎エマルジョンにα−アミノ酸−N−炭酸無水物を
添加して重合した後、有機溶剤を除去する工程を有する
ことを特徴とする。
【0011】
【0012】上記の製造方法において、水と有機溶剤と
の使用割合は、水:有機溶剤が重量比で90:10〜5
0:50であることが好ましい。また、有機溶剤は、1
気圧、25℃の条件下で、アミノ酸−NCAを少なくと
も0.1g/100ミリリットル以上の割合で溶解する
ことができものが好ましく、更に、生成されるポリ−α
−アミノ酸を少なくとも0.3g/100ミリリットル
以上の割合で溶解することができるものが好ましい。
【0013】また、本発明のポリ−α−アミノ酸のエマ
ルジョンは、α−アミノ酸−N−炭酸無水物を乳化重合
することにより得られるポリ−α−アミノ酸のポリマー
粒子によるエマルジョンであって、当該ポリマー粒子の
平均粒子径が0.01〜100μmの範囲にあり、該平
均粒子径の変動係数が1〜30%であり、かつ該ポリマ
ー粒子の粒子体が内孔を有する中空状であることを特徴
とする。
【0014】さらに、本発明のポリマー粒子は、ポリ−
α−アミノ酸よりなるポリマー粒子であって、当該ポリ
マー粒子の平均粒子径が0.01〜100μmの範囲に
あり、該平均粒子径の変動係数が1〜40%であり、か
つ該ポリマー粒子の粒子体が内孔を有する中空状である
ことを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明によれば、特定の条件を満足する水中油
分散型の基礎エマルジョンを用い、この基礎エマルジョ
ンを重合反応の場として利用して、モノマーであるアミ
ノ酸−NCAを添加して重合するので、アミノ酸−NC
Aの加水分解を有効に抑制しながら確実に乳化重合する
ことができ、その結果、分子量の大きいポリ−α−アミ
ノ酸のポリマー粒子によるエマルジョンを、モノマーか
ら直接的に、かつ容易に製造することができる。また、
得られるポリ−α−アミノ酸のポリマー粒子の粒径の状
態は、基礎エマルジョン中における有機溶剤の油滴の粒
径の状態に依存するので、当該油滴の粒径の状態を制御
することにより、平均粒子径が小さくて粒子径分布の狭
いポリ−α−アミノ酸のポリマー粒子によるエマルジョ
ンを製造することができる。このように、本発明によれ
ば、所望の平均粒子径を有するポリ−α−アミノ酸のポ
リマー粒子が水系媒体中に分散されてなり、しかも工業
的に容易に製造することのできるポリ−α−アミノ酸の
ポリマー粒子によるエマルジョンを提供することができ
る。また、本発明によれば、α−アミノ酸−N−炭酸無
水物の重合後におけるエマルジョンに貧溶剤を添加し、
その後に有機溶剤を除去することにより、生成されるポ
リマー粒子は、個々の粒子体が内孔を有する中空状のも
のとなり、これにより、所望の平均粒子径を有し、かつ
粒子体が内孔を有する中空状であるポリ−α−アミノ酸
のポリマー粒子を提供することができる。
【0016】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明においては、アミノ酸−NCAを原料モノマーとし
て用い、これを特定の条件に従って乳化重合することに
より、ポリ−α−アミノ酸のポリマー粒子によるエマル
ジョンを製造する。先ず、少なくとも、水と、特定の有
機溶剤とを、好ましくは乳化剤を用いて乳化することに
より、重合反応のための場を形成する、水中油分散型の
基礎エマルジョンを調製する。次いで、この基礎エマル
ジョン中に、アミノ酸−NCAを添加し、有機溶剤の粒
子中において重合開始剤によりアミノ酸−NCAを重合
する。
【0017】以上において、基礎エマルジョンにアミノ
酸−NCAを添加する方法としては、アミノ酸−NCA
の粉末をそのまま基礎エマルジョンに添加する方法、ま
たは、基礎エマルジョンの調製に用いられる有機溶剤と
同じ種類または異なる種類の有機溶剤を別個に用意し、
この有機溶剤にアミノ酸−NCAを加え、これを基礎エ
マルジョンに添加する方法などが挙げられる。また、重
合開始剤を添加する方法としては、基礎エマルジョンの
調製に用いられる有機溶剤に予め重合開始剤を添加する
方法、基礎エマルジョンの調製に用いられる有機溶剤と
は別個の有機溶剤に重合開始剤を単独でまたはアミノ酸
−NCAと共に加え、これを基礎エマルジョンに添加す
る方法などが挙げられる。
【0018】本発明において、モノマーとして用いられ
るアミノ酸−NCAには、すべてのα−アミノ酸から導
かれるアミノ酸−NCAが含まれる。なお、側鎖にカル
ボキシル基、水酸基、チオール基、アミノ基、グアニジ
ル基などの官能基を有するα−アミノ酸を原料としてア
ミノ酸−NCAを製造する場合には、これらの官能基を
適当な保護基を用いて保護した後にアミノ酸−NCAに
導く必要がある。
【0019】α−アミノ酸の具体例としては、(イ)グ
リシン、アラニン、バリン、ノルバリン、ロイシン、イ
ソロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニン、メチオ
ニン、プロリンなどの中性アミノ酸類、(ロ)グルタミ
ン酸−γ−エステル、アスパラギン酸−β−エステルな
どの酸性アミノ酸−ω−エステル類(ここでエステルと
は、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステ
ル、ブチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘ
キシルエステル、シクロヘキシルエステル、フェニルエ
ステル、ベンジルエステルなどを示す。)、(ハ)N−
カルボベンゾキシリシン、N−カルボベンゾキシオルニ
チン、N−アセチルリシンなどのN−アシル塩基性アミ
ノ酸類、(ニ)セリン、トレオニン、システィン、チロ
シンなどの水酸基含有α−アミノ酸のエステル類(ここ
でエステルとは、メチルエステル、エチルエステル、プ
ロピルエステル、ブチルエステル、オクチルエステル、
2−エチルヘキシルエステル、シクロヘキシルエステ
ル、フェニルエステル、ベンジルエステルなどを示
す。)などが挙げられる。
【0020】これらのα−アミノ酸より得られるアミノ
酸−NCAは、光学活性体またはラセミ体あるいはこれ
らの混合物であってもよく、また、必要に応じて2種類
以上組み合わせて用いることができる。
【0021】本発明において、基礎エマルジョンの調製
に用いられる有機溶剤は、1気圧、25℃の条件下にお
ける水の溶解度が10g/100ミリリットル以下、好
ましくは5g/100ミリリットル以下のものである。
当該水の溶解度が10g/100ミリリットルを超える
有機溶剤を用いる場合には、基礎エマルジョンの調製工
程において当該有機溶剤に水が溶解し、これによりアミ
ノ酸−NCAが加水分解されるため、重合収率が低下す
ると共に、高分子量のポリ−α−アミノ酸の生成が困難
となる。
【0022】また、有機溶剤としては、1気圧、25℃
の条件下で、用いられるアミノ酸−NCAを少なくとも
0.1g/100ミリリットル以上、特に0.3g/1
00ミリリットル以上の割合で溶解し得るものが好まし
く、更に、生成されるポリ−α−アミノ酸を少なくとも
0.3g/100ミリリットル以上、特に0.5g/1
00ミリリットル以上の割合で溶解し得るものが好まし
い。
【0023】このような有機溶剤の具体例としては、
(イ)クロロメタン、ジクロロメタン、クロロホルム、
四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロ
ロエタン、1,1,2−トリクロロエタンなどの脂肪族
ハロゲン化炭化水素類、(ロ)クロロベンゼン、o−ジ
クロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンなど
の芳香族ハロゲン化炭化水素類、(ハ)酢酸エチル、酢
酸ブチル、酪酸エチルなどのエステル類、(ニ)エチル
エーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、オクチ
ルエーテル、アニソール、エトキシベンゼン、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、(ホ)ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素化合
物類、その他が挙げられる。これらの有機溶剤は、勿論
単独で用いることができるが、2種類以上を組み合わせ
ることにより、水の溶解度およびアミノ酸−NCAの溶
解度などの重要な特性が好ましく調節された有機溶剤を
得ることができる。
【0024】なお、本発明において、基礎エマルジョン
の調製に用いられる水は、特に制限されるものではな
い。
【0025】重合開始剤は、アミノ酸−NCAの重合反
応を生起させることのできる化合物であれば特に限定さ
れるものではないが、用いられる有機溶剤に溶解する化
合物であって、特にアミン化合物、金属アルコラートな
どが好ましい。そのようなアミン化合物の具体例として
は、(イ)メチルアミン、エチルアミン、イソプロピル
アミン、ブチルアミンなどの1級アミン類、(ロ)ジメ
チルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミンなどの2
級アミン類、(ハ)トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミンなどの3級アミン類、(ニ)エタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン、N,N−ジメチルエタノールアミンなどのアルコ
ールアミン類、(ホ)エチレンジアミン、ヘキサメチレ
ンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジア
ミン、トリエチレンジアミンなどのポリアミン類、その
他が挙げられる。また、金属アルコラートの具体例とし
ては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピル
アルコール、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、
2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコールな
どによるアルコール成分と、リチウム、ナトリウム、カ
リウムなどによる金属成分とによるものなどが挙げられ
る。これらの重合開始剤は、単独で若しくは2種類以上
を組み合わせて用いることができる。
【0026】乳化剤としては、用いられるアミノ酸−N
CAの重合反応を阻害せず、水と有機溶剤とを均一に乳
化する作用を有するものであれば特に限定されるもので
はないが、特に、ノニオン系乳化剤およびアニオン系乳
化剤が好ましい。ノニオン系乳化剤の具体例としては、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエ
チレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリ
ン脂肪酸エステルなどが挙げられる。アニオン系乳化剤
の具体例としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル
塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ
コハク酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフ
タレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレ
ンアルキル硫酸エステル塩などが挙げられる。これらの
乳化剤は、単独で若しくは2種類以上を組み合わせて用
いることができる。
【0027】以上において、水と有機溶剤との使用割合
は、水:有機溶剤が重量比で90:10〜50:50、
特に80:20〜55:45であることが好ましい。有
機溶剤の使用割合が過小の場合には、水の使用割合が大
きいために、アミノ酸−NCAの加水分解が生ずるよう
になって、分子量が十分に大きいポリ−α−アミノ酸の
ポリマー粒子の生成が困難となる傾向がある。一方、有
機溶剤の使用割合が過大の場合には、安定な水中油分散
型の基礎エマルジョンを形成することが困難となる場合
がある。
【0028】乳化剤の使用割合は、用いられるアミノ酸
−NCAの種類、有機溶剤の種類、乳化剤の種類などに
よって異なるが、好ましくは水と有機溶剤との合計量に
対して0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.2〜
5重量%である。アミノ酸−NCAの使用割合は、用い
られる有機溶剤100重量部に対して、例えば1〜10
0重量部、好ましくは5〜90重量部である。しかし、
アミノ酸−NCAは、有機溶剤に完全に溶解されていな
い状態においてもアミノ酸−NCAの重合反応が進行す
るので、完全に溶解させる必要はなく、従って、その最
大使用量は、有機溶剤の使用量に厳密に制限されるもの
ではない。また、重合開始剤の使用割合は、用いられる
アミノ酸−NCA1モルに対して、例えば1/10〜1
/5000モル、好ましくは1/30〜1/1000モ
ルである。
【0029】水と有機溶剤とを乳化して基礎エマルジョ
ンを調製する手段としては、特に限定されるものではな
いが、反応器中で機械的に攪拌する手段、または超音波
照射による手段、それらの併用などを挙げることができ
る。
【0030】アミノ酸−NCAの重合反応は、重合開始
剤と接触させることにより生ずる。重合温度は、アミノ
酸−NCAの種類、有機溶剤の種類、重合開始剤の種類
によっても異なるが、通常、−5〜100℃、好ましく
は0〜90℃である。このような重合温度を選択するこ
とによって、目的とする大きさの分子量を有するポリ−
α−アミノ酸のポリマー粒子を製造することができる。
また、重合圧力は特に限定されるものではない。重合反
応中は、系を攪拌して乳化状態を保つ必要がある。この
攪拌は、例えば反応器中で機械的に攪拌する手段によっ
て行うことが好ましく、その回転数は、通常、20〜3
000r.p.m.である。
【0031】上記のアミノ酸−NCAの重合反応が終了
した状態のエマルジョン(以下、「反応生成エマルジョ
ン」という。)に対して、有機溶剤の除去処理を行うこ
とにより、目的とするポリ−α−アミノ酸のポリマー粒
子によるエマルジョンが得られる。有機溶剤を除去する
手段としては、減圧蒸留などの種々の手段を用いること
ができる。この際、エマルジョンの安定化を図るため
に、必要に応じて、前述の乳化剤を反応生成エマルジョ
ンの0.05〜10重量%の割合で添加することができ
る。
【0032】このようにして製造されるエマルジョン
は、基礎エマルジョンにおける油滴の粒径の状態を制御
することにより、ポリ−α−アミノ酸のポリマー粒子の
平均粒子径が0.01〜100μm、好ましくは0.0
5〜10μmの範囲にあり、ポリマー粒子の平均粒子径
の変動係数(以下、「CV値」という。)が1〜30%
であり、しかも、ポリマー粒子を構成するポリ−α−ア
ミノ酸の分子量が、通常、10000〜200000と
大きいものである。また、当該ポリ−α−アミノ酸の極
限粘度はおよそ0.2〜2である。従って、このエマル
ジョンは、例えば、紙、樹脂、ゴム、繊維などのコーテ
ィング材、化粧品、医薬、農薬、肥料などのカプセル化
材、診断薬用粒子、その他の用途において、新しい素材
として有用である。
【0033】以上において、反応生成エマルジョンに、
水および有機溶剤の両者と混和する貧溶剤を添加し、そ
の後、有機溶剤の除去処理を行う方法によっても、ポリ
−α−アミノ酸のエマルジョンを製造することができ
る。この場合には、得られるエマルジョンのポリ−α−
アミノ酸のポリマー粒子は、その個々の粒子体が内孔を
有する中空状のものとなる。すなわち、反応生成エマル
ジョンに貧溶剤を添加することにより、当該反応生成エ
マルジョンにおける油滴を有機溶剤と共に構成するポリ
マー粒子が当該油滴の表面から固化され、この状態で有
機溶剤の除去処理を行うことにより、粒子体の収縮が抑
制された状態で粒子体の内部から有機溶剤が除去される
ため、内孔を有する中空状のポリマー粒子が生成され
る。
【0034】貧溶剤は、水および用いられた有機溶剤の
両者と相溶し、かつ生成したポリマーを溶解しないもの
であり、その具体例としては、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、イソプロピルアルコールなどの低級アル
コール類、アセトン、メチルエチルケトンなどの低級ケ
トン類の如き溶剤が挙げられる。
【0035】反応生成エマルジョン100重量部に対す
る貧溶剤の添加割合は、1〜50重量部、特に2〜30
重量部であることが好ましい。この割合が1重量部未満
の場合には、ポリマー粒子の粒子体が中空状のものとな
る効率が低くなる場合がある。一方、この割合が50重
量部を超える場合には、ポリマー粒子が凝集し、エマル
ジョン状態を形成することができなくなる場合がある。
【0036】この方法における有機溶剤を除去する手段
としては、前述の有機溶剤の除去と同様の手段を用いる
ことができる。除去処理中に系を攪拌することにより、
個々の油滴の表面に対する分散媒が更新されて貧溶剤の
接触が十分に達成されると共に、一部の水と共に有機溶
剤が除去される。攪拌手段としては、機械的に攪拌する
手段、超音波により攪拌する手段を用いることができ
る。
【0037】本発明のポリ−α−アミノ酸よりなる個々
の粒子体が中空状のポリマー粒子は、上述のようにして
反応生成エマルジョンに貧溶剤を添加した後、有機溶剤
を除去することにより中空ポリマー粒子が水系媒体中に
分散されてなるエマルジョンを製造し、その後、水系媒
体物質とポリマー粒子とを分離することにより得られ
る。
【0038】水系媒体物質と中空ポリマー粒子とを分離
する手段としては、スプレードライヤーなどを用いて一
度に水系媒体物質を蒸発させる手段、エマルジョンを遠
心分離処理することにより、中空ポリマー粒子よりなる
固形物を沈降させ、当該固形物を乾燥する手段、エマル
ジョンを水分離膜を用いて濃縮した後、乾燥する手段な
どが挙げられる。ポリマー粒子が少量の場合には、乾燥
のために凍結乾燥法を利用することが好ましい。また、
必要に応じて、水などによりポリマー粒子を洗浄して乳
化剤の除去処理を行うことができる。
【0039】また、本発明の中空ポリマー粒子は、反応
生成エマルジョンに貧溶剤を添加した後、スプレードラ
イヤーなどを用いて、水、有機溶剤および貧溶剤を一括
的に蒸発させることによっても得ることができる。
【0040】このようにして得られるポリ−α−アミノ
酸よりなるポリマー粒子は、その平均粒子径が0.01
〜100μm、好ましくは0.05〜10μmの範囲に
あり、CV値が1〜40%である。当該ポリマー粒子の
粒子体は、内孔を有する中空状のものであるので、その
粒子体の内孔に医薬物質を内蔵または保持させることに
より、ポリ−α−アミノ酸の生体内での分解を利用した
ドラッグデリバリーの用途に有用であり、また、粒子体
の内孔に農薬、肥料などを内蔵または保持させることに
より、ポリ−α−アミノ酸の土中での分解を利用した遅
効性農薬、肥料の用途に有用であり、さらに、粒子体の
内孔に化粧料物質を内蔵または保持させることにより、
ポリ−α−アミノ酸の優れた保水性を利用した化粧品の
用途に有用である。
【0041】さらに、本発明のポリ−α−アミノ酸より
なるポリマー粒子ならびにエマルジョンは、下記の方法
により変性して用いることもできる。例えば、アミノ酸
−NCAとして、グルタミン酸エステル、アスパラギン
酸エステルなどの酸性アミノ酸エステルのN−炭酸無水
物、またはN−カルボキシベンゾキシリシン、N−カル
ボベンゾキシオルニチンなどの塩基性アミノ酸のN−炭
酸無水物を用いたり、ポリ−α−アミノ酸としてそれら
のN−炭酸無水物と中性アミノ酸のN−炭酸無水物とを
共重合させた粒子(以下、「共重合体粒子」という。)
を用いた場合に、得られた前記粒子表面を加水分解し、
アミノ基またはカルボキシル基を生成させることによ
り、粒子表面の親水化を行うことができる。また、共重
合体粒子とエタノールアミン、プロパノールアミン、ブ
タノールアミンなどのアミノアルコール類とを反応させ
ることにより、粒子表面の親水化を行うことができる。
さらに、共重合体粒子とエチレンジアミン、プロピレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジ
アミンなどのジアミン類、エチレングリコール、プロピ
レングリコールなどのグリコール類、またはマロン酸、
コハク酸、アジピン酸などのジカルボン酸類と反応させ
ることにより、ポリマー粒子内部の架橋を行うことがで
きる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるもではな
い。また、以下の実施例におけるポリマー粒子の平均粒
子径は透過型電子顕微鏡により観察して測定したもので
あり、ポリマー粒子のCV値は、下記数1で表される式
から算出した値を示す。また、ポリマーの極限粘度は、
ジクロロ酢酸中において温度30℃で測定した値を示
し、ポリマーの分子量は、下記数2で表される式から算
出した値を示す。
【0043】
【数1】
【0044】
【数2】
【0045】〔実施例1〕水50ミリリットルと、1,
2−ジクロロエタン10ミリリットルとを、ポリオキシ
エチレンソルビタンモノラウレート「Tween 20
(花王株式会社製)」1gを用いて十分に乳化すること
により、水中油分散型の基礎エマルジョンを調製した。
1,2−ジクロロエタンに対する水の溶解度は、1気
圧、25℃において0.9g/100ミリリットルであ
る。1,2−ジクロロエタン10ミリリットルに、ベン
ジル−L−グルタメート−N−炭酸無水物(以下、「B
LG−NCA」という。)1gと、トリエチルアミン
0.1ミリモルとを溶解し、この溶液を上記の基礎エマ
ルジョンに加え激しく攪拌した。撹伴を続け乳化状態を
保ちながら、室温で5時間BLG−NCAを重合するこ
とにより、ポリベンジル−L−グルタメートのポリマー
粒子を生成させた。このポリマー粒子が生成したポリマ
ー含有エマルジョンを減圧蒸留処理して有機溶剤を除去
することにより、本発明のエマルジョンを製造した。こ
のエマルジョン中のポリマー粒子の平均粒子径は0.2
μmであり、CV値は8%であった。また、上記のエマ
ルジョンをメチルアルコールに注ぐことにより、生成し
たポリベンジル−L−グルタメートを凝固させ、これを
乾燥した。得られたポリベンジル−L−グルタメートの
収率は91%であり、極限粘度は0.82であり、分子
量は137000であった。これらの結果を表1に示
す。
【0046】〔実施例2〕1,2−ジクロロエタンの代
わりにクロルベンゼンを用いた以外は実施例1と同様の
操作を行うことにより、本発明のエマルジョンを製造し
た。クロルベンゼンに対する水の溶解度は、1気圧、2
5℃において0.2g/100ミリリットルである。こ
の際、BLG−NCAはクロルベンゼンに完全には溶解
しなかったが、そのまま重合を行ったところ、重合の進
行とともにBLG−NCAの溶解が進み、高分子量のポ
リマーが得られた。また、上記のエマルジョンをメチル
アルコール中に注ぐことにより、生成したポリベンジル
−L−グルタメートを凝固させ、これを乾燥した。得ら
れたエマルジョン中におけるポリマー粒子の平均粒子径
およびCV値、並びに生成したポリベンジル−L−グル
タメートの収率、極限粘度および分子量を測定した。結
果を表1に示す。
【0047】〔実施例3〕1,2ージクロロエタンの代
わりにo−ジクロロベンゼンを用いた以外は実施例1と
同様の操作を行うことにより、本発明のエマルジョンを
製造した。o−ジクロロベンゼンに対する水の溶解度
は、1気圧、25℃において約0g/100ミリリット
ルである。この際、BLG−NCAはo−ジクロロベン
ゼンに完全には溶解しなかったが、そのまま重合を行っ
たところ、重合の進行とともにBLG−NCAの溶解が
進み、高分子量のポリマーが得られた。また、上記のエ
マルジョンをメチルアルコール中に注ぐことにより、生
成したポリベンジル−L−グルタメートを凝固させ、こ
れを乾燥した。得られたエマルジョン中におけるポリマ
ー粒子の平均粒子径およびCV値、並びに、生成したポ
リベンジル−L−グルタメートの収率、極限粘度および
分子量を測定した。結果を表1に示す。
【0048】〔実施例4〕水50ミリリットルと、クロ
ルベンゼン20ミリリットルと、トリエチルアミン0.
1ミリモルとを、ポリオキシエチレンソルビタンモノラ
ウレート「Tween 20」1gを用いて十分に乳化
することにより、水中油分散型の基礎エマルジョンを調
製した。このエマルジョンにBLG−NCAの粉末1g
を加え、激しく攪拌して乳化状態を保ちながら、室温で
5時間重合することにより、ポリベンジル−L−グルタ
メートのポリマー粒子を生成させた。このポリマー粒子
が生成したポリマー含有エマルジョンを減圧蒸留処理し
て有機溶剤を除去することにより、本発明のエマルジョ
ンを製造した。また、上記のエマルジョンをメチルアル
コール中に注ぐことにより、生成したポリベンジル−L
−グルタメートを凝固させ、これを乾燥した。得られた
エマルジョン中におけるポリマー粒子の平均粒子径およ
びCV値、並びに、生成したポリベンジル−L−グルタ
メートの収率、極限粘度および分子量を測定した。結果
を表1に示す。
【0049】〔実施例5〕ポリオキシエチレンソルビタ
ンモノラウレートの代わりにドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウムを用いた以外は実施例1と同様の操作を行
うことにより、本発明のエマルジョンを製造した。ま
た、上記のエマルジョンをメチルアルコール中に注ぐこ
とにより、生成したポリベンジル−L−グルタメートを
凝固させ、これを乾燥した。得られたエマルジョン中に
おけるポリマー粒子の平均粒子径およびCV値、並び
に、生成したポリベンジル−L−グルタメートの収率、
極限粘度および分子量を測定した。結果を表1に示す。
【0050】〔実施例6〕トリエチルアミンの代わりに
ナトリウムエチラートを用いた以外は実施例1と同様の
操作を行うことにより、本発明のエマルジョンを製造し
た。また、上記のエマルジョンをメチルアルコール中に
注ぐことにより、生成したポリベンジル−L−グルタメ
ートを凝固させ、これを乾燥した。得られたエマルジョ
ン中におけるポリマー粒子の平均粒子径およびCV値、
並びに、生成したポリベンジル−L−グルタメートの収
率、極限粘度および分子量を測定した。結果を表1に示
す。
【0051】〔実施例7〕BLG−NCAの代わりにメ
チル−L−グルタメート−N−炭酸無水物を用いた以外
は実施例1と同様の操作を行うことにより、本発明のエ
マルジョンを製造した。また、上記のエマルジョンをメ
チルアルコール中に注ぐことにより、生成したポリベン
ジル−L−グルタメートを凝固させ、これを乾燥した。
得られたエマルジョン中におけるポリマー粒子の平均粒
子径およびCV値、並びに、生成したポリメチル−L−
グルタメートの収率、極限粘度および分子量を測定し
た。結果を表1に示す。
【0052】〔実施例8〕BLG−NCAの代わりにN
−カルボベンゾキシリシン−N−炭酸無水物を用いた以
外は実施例1と同様の操作を行うことにより、本発明の
エマルジョンを製造した。また、上記のエマルジョンを
メチルアルコール中に注ぐことにより、生成したポリ−
N−カルボベンゾキシリシンを凝固させ、これを乾燥し
た。得られたエマルジョン中におけるポリマー粒子の平
均粒子径およびCV値、並びに、生成したポリ−N−カ
ルボベンゾキシリシンの収率、極限粘度および分子量を
測定した。結果を表1に示す。
【0053】〔実施例9〕BLG−NCA1.0gの代
わりにBLG−NCA0.5gおよびL−アラニン−N
−炭酸無水物0.5gを用いたこと以外は実施例1と同
様の操作を行うことにより、本発明のエマルジョンを製
造した。また、上記のエマルジョンをメチルアルコール
中に注ぐことにより、生成したベンジル−L−グルタメ
ートとL−アラニンとの共重合体を凝固させ、これを乾
燥した。得られたエマルジョン中におけるポリマー粒子
の平均粒子径およびCV値、並びに、生成した共重合体
の収率、極限粘度および分子量を測定した。結果を表1
に示す。また、共重合体中のベンジル−L−グルタメー
トの共重合割合を測定したところ、53重量%であっ
た。
【0054】〔実施例10〕水50ミリリットルと、
1,2−ジクロロエタン10ミリリットルとを、ポリオ
キシエチレンソルビタンモノラウレート「Tween
20」1gを用いて十分に乳化することにより、水中油
分散型の基礎エマルジョンを調製した。1,2−ジクロ
ロエタン10ミリリットルに、BLG−NCA1gと、
トリエチルアミン0.1ミリモルとを溶解し、この溶液
を上記の基礎エマルジョンに加え激しく攪拌した。撹伴
を続け乳化状態を保ちながら、室温で5時間BLG−N
CAを重合した。得られた反応生成エマルジョンを1/
2量ずつ2つに分け、一方の反応生成エマルジョンに攪
拌下にメチルアルコール1ミリリットルをゆっくり加
え、その後、減圧蒸留処理して有機溶剤を除去すること
により、中空ポリマー粒子によるエマルジョン(これを
「エマルジョンE1 」とする。)を製造した。このエマ
ルジョンE1中におけるポリマー粒子の平均粒子径およ
びCV値を測定した。結果を表1に示す。また、他方の
反応生成エマルジョンを300ミリリットルのメチルア
ルコール中に注ぐことにより、ポリベンジル−L−グル
タメートを凝固させ、これを乾燥した。そして、生成し
たポリベンジル−L−グルタメートの収率、極限粘度お
よび分子量を測定した。結果を表1に示す。
【0055】さらに、エマルジョンE1に水30ミリリ
ットルを加えて攪拌し、これを遠心分離処理した後、デ
カンテーションを行い、さらにこの操作を2回繰り返す
ことにより乳化剤を除去した。得られた固形物に水1ミ
リリットルを加えて攪拌し、次いで、凍結乾燥すること
により、微粉末状のポリベンジル−L−グルタメートの
ポリマー粒子を得た。得られたポリマー粒子を透過型電
子顕微鏡により観察したところ、このポリマー粒子は、
粒子体が内孔を有する中空状のものであった。ここで、
得られた中空ポリマー粒子の透過型電子顕微鏡写真を図
1に示す。また、この中空ポリマー粒子の平均粒子径は
0.3μm、CV値は10%であり、エマルジョンE1
中におけるポリマー粒子の平均粒子径およびCV値が保
たれていることが確認された。
【0056】〔実施例11〕1,2−ジクロロエタンの
代わりにクロロベンゼンを用いた以外は実施例10と同
様にして基礎エマルジョンを調製し、これを用いて実施
例10と同様にしてBLG−NCAを重合した。この
際、BLG−NCAはクロルベンゼンに完全には溶解し
なかったが、そのまま重合を行ったところ、重合の進行
とともにBLG−NCAの溶解が進み、高分子量のポリ
マーが得られた。得られた反応生成エマルジョンを1/
2量ずつ2つに分け、一方の反応生成エマルジョンを用
いて実施例10と同様にメチルアルコールで処理した
後、有機溶剤を除去して中空ポリマー粒子によるエマル
ジョン(これを「エマルジョンE2」とする。)を製造
した。このエマルジョンE2中におけるポリマー粒子の
平均粒子径およびCV値を測定した。結果を表1に示
す。また、他方の反応生成エマルジョンを用いて実施例
10と同様にしてポリベンジル−L−グルタメートを凝
固させて乾燥し、生成したポリベンジル−L−グルタメ
ートの収率、極限粘度および分子量を測定した。結果を
表1に示す。さらに、エマルジョンE2に対して実施例
10と同様の操作を行うことにより、微粉末状のポリベ
ンジル−L−グルタメートのポリマー粒子を得た。得ら
れたポリマー粒子を透過型電子顕微鏡により観察したと
ころ、このポリマー粒子は、その粒子体が内孔を有する
中空状のものであり、平均粒子径は0.3μm、CV値
は15%であった。
【0057】〔実施例12〕ポリオキシエチレンソルビ
タンモノラウレート「Tween 20」の代わりにポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテ
ル「TERGITOL XJ(ユニオンカーバイド社
製)」を用いたこと以外は実施例10と同様にして基礎
エマルジョンを調製し、これを用いて実施例10と同様
にしてBLG−NCAを重合した。この際、BLG−N
CAはクロロベンゼンに完全には溶解しなかったが、そ
のまま重合を行ったところ、重合の進行とともにBLG
−NCAの溶解が進み、高分子量のポリマーが得られ
た。得られた反応生成エマルジョンを1/2量ずつ2つ
に分け、一方の反応生成エマルジョンを用いて実施例1
0と同様にメチルアルコールで処理した後、有機溶剤を
除去して中空ポリマー粒子によるエマルジョン(これを
「エマルジョンE3」とする。)を製造した。このエマ
ルジョンE3中におけるポリマー粒子の平均粒子径およ
びCV値を測定した。結果を表1に示す。また、他方の
反応生成エマルジョンを用いて実施例10と同様にして
ポリベンジル−L−グルタメートを凝固させて乾燥し、
生成したポリベンジル−L−グルタメートの収率、極限
粘度および分子量を測定した。結果を表1に示す。さら
に、エマルジョンE3に対して実施例10と同様の操作
を行うことにより、微粉末状のポリベンジル−L−グル
タメートのポリマー粒子を得た。得られたポリマー粒子
を透過型電子顕微鏡により観察したところ、このポリマ
ー粒子は、その粒子体が内孔を有する中空状のものであ
り、平均粒子径は0.3μm、CV値は14%であっ
た。
【0058】〔実施例13〕実施例10と同様にして一
方の反応生成エマルジョンおよび他方の反応生成エマル
ジョンを得た。一方の反応生成エマルジョンにドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1gを加えたこと以
外は、実施例10と同様にメチルアルコールで処理した
後、有機溶剤を除去して中空ポリマー粒子によるエマル
ジョン(これを「エマルジョンE4」とする。)を製造
した。このエマルジョンE4中におけるポリマー粒子の
平均粒子径およびCV値を測定した。結果を表1に示
す。また、他方の反応生成エマルジョンを用いて実施例
10と同様にしてポリベンジル−L−グルタメートを凝
固させて乾燥し、生成したポリベンジル−L−グルタメ
ートの収率、極限粘度および分子量を測定した。結果を
表1に示す。さらに、エマルジョンE4に対して実施例
10と同様の操作を行うことにより、微粉末状のポリベ
ンジル−L−グルタメートのポリマー粒子を得た。得ら
れたポリマー粒子を透過型電子顕微鏡により観察したと
ころ、このポリマー粒子は、その粒子体が内孔を有する
中空状のものであり、平均粒子径は0.3μm、CV値
は12%であった。
【0059】〔実施例14〕実施例10において、BL
G−NCAの代わりにメチル−L−グルタメート−N−
炭酸無水物を用いてこれを同様にして重合した。得られ
た反応生成エマルジョンを1/2量ずつ2つに分け、一
方の反応生成エマルジョンを用いて実施例10と同様に
メチルアルコールで処理した後、有機溶剤を除去して中
空ポリマー粒子によるエマルジョン(これを「エマルジ
ョンE5」とする。)を製造した。このエマルジョンE
5中におけるポリマー粒子の平均粒子径およびCV値を
測定した。結果を表1に示す。また、他方の反応生成エ
マルジョンを用いて実施例10と同様にしてポリメチル
−L−グルタメートを凝固させて乾燥し、生成したポリ
メチル−L−グルタメートの収率、極限粘度および分子
量を測定した。結果を表1に示す。さらに、エマルジョ
ンE5に対して実施例10と同様の操作を行うことによ
り、微粉末状のポリメチル−L−グルタメートのポリマ
ー粒子を得た。得られたポリマー粒子を透過型電子顕微
鏡により観察したところ、このポリマー粒子は、その粒
子体が内孔を有する中空状のものであり、平均粒子径は
0.3μm、CV値は14%であった。
【0060】〔実施例15〕実施例10において、BL
G−NCAの代わりにN−カルボベンゾキシリシン−N
−炭酸無水物を用いてこれを同様にして重合した。得ら
れた反応生成エマルジョンを1/2量ずつ2つに分け、
一方の反応生成エマルジョンを用いて実施例10と同様
にメチルアルコールで処理した後、有機溶剤を除去して
中空ポリマー粒子によるエマルジョン(これを「エマル
ジョンE6」とする。)を製造した。このエマルジョン
E6中におけるポリマー粒子の平均粒子径およびCV値
を測定した。結果を表1に示す。また、他方の反応生成
エマルジョンを用いて実施例10と同様にしてポリカル
ボベンゾキシリシンを凝固させて乾燥し、生成したポリ
カルボベンゾキシリシンの収率、極限粘度および分子量
を測定した。結果を表1に示す。さらに、エマルジョン
E6に対して実施例10と同様の操作を行うことによ
り、微粉末状のポリカルボベンゾキシリシンのポリマー
粒子を得た。得られたポリマー粒子を透過型電子顕微鏡
により観察したところ、このポリマー粒子は、その粒子
体が内孔を有する中空状のものであり、平均粒子径は
0.3μm、CV値は14%であった。
【0061】〔実施例16〕BLG−NCA1.0gの
代わりにBLG−NCA0.5gおよびL−アラニン−
N−炭酸無水物0.5gを用いてこれを同様にして重合
した。得られた反応生成エマルジョンを1/2量ずつ2
つに分け、一方の反応生成エマルジョンを用いて実施例
10と同様にメチルアルコールで処理した後、有機溶剤
を除去して中空ポリマー粒子によるエマルジョン(これ
を「エマルジョンE7」とする。)を製造した。このエ
マルジョンE7中におけるポリマー粒子の平均粒子径お
よびCV値を測定した。結果を表1に示す。また、他方
の反応生成エマルジョンを用いて実施例10と同様にし
てベンジル−L−グルタメート/L−アラニン共重合体
を凝固させて乾燥し、生成したベンジル−L−グルタメ
ート/L−アラニン共重合体の収率、極限粘度および分
子量を測定した。結果を表1に示す。この共重合体中の
ベンジル−L−グルタメートの共重合割合を測定したと
ころ、53重量%であった。さらに、エマルジョンE7
に対して実施例10と同様の操作を行うことにより、微
粉末状のベンジル−L−グルタメート/L−アラニン共
重合体のポリマー粒子を得た。得られたポリマー粒子を
透過型電子顕微鏡により観察したところ、このポリマー
粒子は、その粒子体が内孔を有する中空状のものであ
り、平均粒子径は0.3μm、CV値は14%であっ
た。
【0062】〔比較例1〕ジクロロメタン60ミリリッ
トルに、BLG−NCA1.0gおよびトリエチルアミ
ン0.1ミリモルを加え、室温で20時間溶液重合する
ことにより、ポリベンジル−L−グルタメートのポリマ
ー溶液を得た。このポリマー溶液を1/2量ずつ2つに
分け、一方のポリマー溶液に、水50ミリリットルおよ
びオキシエチレンソルビタンモノラウレート0.5gを
加え、これを攪拌して十分に乳化させた後、減圧蒸留処
理して有機溶剤を除去することにより、再乳化エマルジ
ョンを製造した。また、他方のポリマー溶液を300ミ
リリットルのメチルアルコール中に注ぐことにより、生
成したポリベンジル−L−グルタメートを凝固させ、こ
れを乾燥した。 得られたエマルジョン中におけるポリ
マー粒子の平均粒子径およびCV値、並びに、生成した
ポリベンジル−L−グルタメートの収率、極限粘度およ
び分子量を測定した。結果を表1に示す。
【0063】〔比較例2〕実施例1において、1,2−
ジクロロエタンの代わりにテトラヒドロフランを用いた
以外は同様の操作を行ったところ、テトラヒドロフラン
は水に対して任意の割合で溶解するものであるため、テ
トラヒドロフランと水との均一な溶液が形成され、エマ
ルジョンが得られなかった。また、上記の重合後におけ
る溶液を300ミリリットルのメチルアルコール中に注
ぐことにより、生成したポリベンジル−L−グルタメー
トを凝固させ、これを乾燥した。得られた微粉末状のポ
リベンジル−L−グルタメートの収率、極限粘度および
分子量を測定した。結果を表1に示す。
【0064】〔比較例3〕ジクロロメタン60ミリリッ
トルに、BLG−NCA1.0gおよびトリエチルアミ
ン0.7ミリモルを加え、室温で20時間溶液重合する
ことにより、ポリベンジル−L−グルタメートのポリマ
ー溶液を得た。このポリマー溶液を1/2量ずつ2つに
分け、一方のポリマー溶液と、水50ミリリットルと
を、オキシエチレンソルビタンモノラウレート0.5g
を用いて十分に乳化することにより、水中油分散型のエ
マルジョンを得た。このエマルジョンに攪拌下にメチル
アルコール1ミリリットルをゆっくり加え、その後、減
圧蒸留処理して有機溶剤を除去することにより、再乳化
エマルジョンを製造した。また、他方のポリマー溶液を
300ミリリットルのメチルアルコール中に注ぐことに
より、生成したポリベンジル−L−グルタメートを凝固
させ、これを乾燥した。得られた再乳化エマルジョン中
におけるポリマー粒子の平均粒子径およびCV値、並び
に、生成したポリベンジル−L−グルタメートの収率、
極限粘度および分子量を測定した。結果を表1に示す。
再乳化エマルジョン中におけるポリマー粒子を透過型電
子顕微鏡により観察したところ、このポリマー粒子の粒
子体は中空状のものではないことが確認された。このエ
マルジョン中におけるポリマー粒子の透過型電子顕微鏡
写真を図2に示す。
【0065】
【表1】
【0066】以上において、比較例1から明らかなよう
に、ポリマー溶液と水とを乳化した後、有機溶剤を除去
することにより得られる再乳化エマルジョンは、ポリマ
ー粒子のCV値が高いものであった。また、比較例2か
ら明らかなように、有機溶剤として水の溶解度が過大な
ものを用いる場合には、基礎エマルジョンを調製するこ
とができず、その結果、生成されるポリマーの収率は低
く、しかも当該ポリマーは極限粘度が低く、分子量が小
さいものであった。また、比較例3から明らかなよう
に、ポリマー溶液と水とを乳化した後貧溶剤を添加し、
その後有機溶剤を除去することにより得られるエマルジ
ョンは、ポリマー粒子のCV値が高いものであり、かつ
中空状の粒子体によるポリマー粒子は得られなかった。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、特定の条件を満足する
水中油分散型の基礎エマルジョンを用い、この基礎エマ
ルジョンを重合反応の場として利用して、モノマーであ
るアミノ酸−NCAを添加して重合するので、アミノ酸
−NCAの加水分解を有効に抑制しながら確実に乳化重
合することができ、その結果、分子量の大きいポリ−α
−アミノ酸のポリマー粒子によるエマルジョンを、モノ
マーから直接的に、かつ容易に製造することができる。
また、得られるポリ−α−アミノ酸のポリマー粒子の粒
径は、基礎エマルジョン中における有機溶剤の油滴の粒
径の状態に依存するので、当該油滴の粒径の状態を制御
することにより、平均粒子径が小さくて粒子径分布の狭
いポリ−α−アミノ酸のポリマー粒子によるエマルジョ
ンを容易にかつ確実に製造することができる。このよう
に、本発明によれば、所望の平均粒子径を有するポリ−
α−アミノ酸のポリマー粒子が水系媒体中に分散されて
なり、しかも工業的に容易に製造することのできるポリ
−α−アミノ酸のポリマー粒子によるエマルジョンを提
供することができる。また、本発明によれば、α−アミ
ノ酸−N−炭酸無水物の重合後におけるエマルジョンに
貧溶剤を添加し、その後に有機溶剤を除去することによ
り、生成されるポリマー粒子は、個々の粒子体が内孔を
有する中空状のものとなり、これにより、所望の平均粒
子径を有し、かつ粒子体が内孔を有する中空状であるポ
リ−α−アミノ酸のポリマー粒子を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例10に係るポリ−α−アミノ酸のポリマ
ー粒子の透過型電子顕微鏡写真である。
【図2】比較例3に係るポリ−α−アミノ酸のエマルジ
ョン中におけるポリマー粒子の透過型電子顕微鏡写真で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒田 恭子 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−41526(JP,A) 特開 平4−246434(JP,A) 特表 平9−504560(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 69/00 - 69/50 C08L 77/00 - 77/12 C09D 177/00 - 177/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、水と、水の溶解度が10g
    /100ミリリットル以下である有機溶剤とを乳化する
    ことにより、重合反応のための場を形成する水中油分散
    型の基礎エマルジョンを調製し、この基礎エマルジョン
    にα−アミノ酸−N−炭酸無水物を添加して重合した
    後、有機溶剤を除去する工程を有することを特徴とする
    ポリ−α−アミノ酸のエマルジョンの製造方法。
  2. 【請求項2】 α−アミノ酸−N−炭酸無水物を乳化重
    合することにより得られるポリ−α−アミノ酸のポリマ
    ー粒子によるエマルジョンであって、 当該ポリマー粒子の平均粒子径が0.01〜100μm
    の範囲にあり、該平均粒子径の変動係数が1〜30%で
    あり、かつ該ポリマー粒子の粒子体が内孔を有する中空
    状であることを特徴とするポリ−α−アミノ酸のエマル
    ジョン。
  3. 【請求項3】 ポリ−α−アミノ酸よりなるポリマー粒
    子であって、 当該ポリマー粒子の平均粒子径が0.01〜100μm
    の範囲にあり、該平均粒子径の変動係数が1〜40%で
    あり、かつ該ポリマー粒子の粒子体が内孔を有する中空
    状であることを特徴とするポリ−α−アミノ酸のポリマ
    ー粒子。
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