JP3460255B2 - 金属蒸着用ポリエチレン系フィルム - Google Patents

金属蒸着用ポリエチレン系フィルム

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JP3460255B2
JP3460255B2 JP19115193A JP19115193A JP3460255B2 JP 3460255 B2 JP3460255 B2 JP 3460255B2 JP 19115193 A JP19115193 A JP 19115193A JP 19115193 A JP19115193 A JP 19115193A JP 3460255 B2 JP3460255 B2 JP 3460255B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低温ヒートシール性、蒸
着膜の接着強度、蒸着面への印刷性・ラミネート適性に
優れ、かつフィルム成形時や蒸着加工時のフィルム巻取
りに際し「しわ」や「巻きこぶ」等の巻き姿不良がなく
蒸着外観の良い金属蒸着用ポリエチレン系フィルムに関
する。
【0002】
【従来の技術】金属蒸着を施したプラスチックフィルム
が食品包装、衣料包装等の包装材料、金銀糸、ラベル、
ステッカー、コンデンサー等の電気材料に広く利用され
ている。特にアルミニウム蒸着フィルムが包装材料に大
量に利用されている。その理由は光や酸素を遮断して内
容物を保護できること、美麗な金属光沢が容易に得ら
れ、金属箔に比較し低コストで軽量な点にある。かかる
金属蒸着フィルムでは、フィルムと蒸着層間の良好な接
着強度が要求され、また金属蒸着面に印刷を施したり、
蒸着面保護のため蒸着面にトップコートを施したり、ア
ンカーコート剤を塗布した後ポリオレフィン、ナイロ
ン、ポリエステル、エバール等の樹脂を押出しラミネー
トまたはドライラミネートすることが広く行われるた
め、蒸着面は良好な印刷性・ラミネート適性を有する必
要がある。また被蒸着基材は通常包装材料の最内層とし
て使用され、包装材料の高速生産性の点から良好な低温
ヒートシール性を保有している必要がある。更に蒸着む
らがなく美麗な光沢を保有する等の蒸着外観に優れてい
なければならないことはいうまでもない。
【0003】しかしポリオレフィン系フィルムはフィル
ムと蒸着層間の接着強度(以下「蒸着強度」という場合
がある。)が劣っており接着性改良のための種々の提案
がなされている。例えば特開昭56−167732号公
報では、ポリオレフィン樹脂100重量部に対し酸化防
止剤、滑剤、塩酸捕捉剤および静電防止剤を総量0.2
重量部以下添加した樹脂組成物が提案されており、その
実施例として高密度ポリエチレンに各種酸化防止剤、滑
剤としてエルカ酸アミド、塩酸捕捉剤としてステアリン
酸カルシウム、静電防止剤としてアルキルアミンを添加
した組成物が記載されている。また上記公報において、
ポリオレフィンフィルムが金属蒸着強度に劣るのはポリ
オレフィン用添加剤の表面移行(ブリードアウト)に起
因し、また金属蒸着面の印刷性、ラミネート適性の低下
は蒸着後フィルムの巻き状態での保存時のポリオレフィ
ンフィルム中の添加剤の金属蒸着面への転写に起因する
と記載されている。しかしながら上記の添加剤の制限で
は蒸着強度や蒸着面の印刷性の低下を防止することが困
難であり、高密度ポリエチレンはフィルム加工性にやや
欠けるためフィルム表面の微細な平滑性に劣り、このた
め蒸着面の光沢に欠け蒸着基材として必ずしも適当では
ない。また特開昭59−11249号公報では、ポリプ
ロピレン系樹脂100重量部に対し融点が80℃以上の
酸化防止剤を0.01〜0.2重量部、抗ブロッキング
剤を0.01〜0.5重量部添加した樹脂組成物が提案
されている。また特開昭59−25829号公報には、
特定のメルトフローレート比を有するプロピレン/α−
オレフィン共重合体80〜96重量%と高密度ポリエチ
レン4〜20重量%との組成物が、更に添加剤として分
子量500以上のフェノール系または燐系酸化防止剤を
0.01〜0.3重量%、金属置換型ゼオライトを0.
01〜0.4重量%添加した組成物が提案されており、
高級脂肪酸塩、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪酸
アミン誘導体等の脂肪酸誘導体が蒸着層の接着性および
蒸着面の印刷性に最も悪影響を及ぼすことが述べられて
いる。
【0004】しかしながら以上の公報は高密度ポリエチ
レンまたはポリプロピレンを主成分とする金属蒸着用ポ
リオレフィンフィルムに関するものであり、ポリオレフ
ィンフィルムのうち引裂き強度、引張強度、伸び、耐衝
撃性等の機械的強度、ヒートシール強度およびホットタ
ック性等に優れる結晶性エチレン/α−オレフィン共重
合体(線状低密度ポリエチレン)を基材とした金属蒸着
フィルムについては今まで提案されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は低温ヒートシ
ール性、蒸着強度、蒸着面への印刷性・ラミネート適性
に優れ、フィルム成形時や蒸着加工時のフィルム巻取り
に際し「しわ」や「巻きこぶ」等の巻き姿不良がなく、
かつ光沢等の蒸着外観に優れた金属蒸着用エチレン/α
−オレフィン共重合体フィルムに関する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはポリオレフ
ィンフィルムのうち機械的強度、ヒートシール強度およ
びホットタック性に優れるエチレン/α−オレフィン共
重合体を基材とした金属蒸着フィルムについて鋭意検討
の結果、添加剤の種類および量を制限した特定の密度を
有するエチレン/α−オレフィン共重合体と低密度ポリ
エチレンとの組成物からなるフィルムを蒸着基材とする
ことにより上記課題の全てが解決できることを見いだし
本発明を完成するに至った。
【0007】即ち本発明は、密度0.910〜0.93
5g/cm3のエチレンとα−オレフィンとの共重合体
60〜95重量%と密度0.910〜0.940g/c
の低密度ポリエチレン5〜40重量%とからなる組
成物(1)100重量部に対し、分子量が500以上の
フェノール系酸化防止剤を0.01〜0.2重量部、分
子量が500以上の燐系酸化防止剤を0.01〜0.1
重量部、ハイドロタルサイト0.01〜0.1重量部お
よびブロッキング防止剤を0.05〜0.5重量部を添
加してなり、機械方向の5%伸び時の荷重が400gf
/cm以上である金属蒸着用ポリエチレン系フィルムで
ある。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明の蒸着用フィルムにおいて組成物
(1)の成分として用いられる低密度ポリエチレンはエ
チレン/α−オレフィン共重合体の加工性改良等の目的
で配合されるものであり、その密度が0.910〜0.
940g/cm、好ましくは0.915〜0.930
g/cm3の高圧法により製造されるエチレンの単独重
合体である。この密度が範囲外のものを高圧法で工業的
に製造することは困難である。低密度ポリエチレンの代
りに密度が0.940g/cm3を超える高密度ポリエ
チレンを用いると、フィルム加工性が悪くなりフィルム
表面の凹凸が激しくなる結果蒸着面の光沢が低下し、ま
た低温ヒートシール性が悪くなり包装材料の高速生産性
に欠けるため好ましくない。
【0010】本発明の蒸着用フィルムにおいて組成物
(1)の成分として用いられるエチレン/α−オレフィ
ン共重合体のコモノマーであるα−オレフィンとは、一
般式R−CH=CH2(式中Rは炭素数1〜14のアル
キル基を示す。)で表されるもので、その具体例を示せ
ばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−デセ
ン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ノ
ネン、4−メチル−1−ヘキセン等が挙げられる。かか
るコモノマー含量は特に限定するものではないが0.1
〜10モル%が好ましい。
【0011】本発明の蒸着用フィルムにおいて組成物
(1)の成分として用いられるエチレン/α−オレフィ
ン共重合体は、その密度(JIS K6760)が0.
910〜0.935g/cm3、好ましくは0.920
〜0.930g/cm3である。該共重合体の密度が
0.910g/cm3未満では、該共重合体中の低分子
量成分が増大する結果ブロッキングが発生しやすくなり
蒸着強度が低下し、蒸着フィルムの巻き状態での低分子
量成分の蒸着面への転写により蒸着面の印刷性・ラミネ
ート適性に劣る。更にフィルムの剛性や耐熱性が低下す
る結果、フィルム加工や蒸着加工時の巻取り張力により
フィルムが伸びやすくなりしわや巻きこぶが発生しやす
くなる。特に蒸着法として広く採用されている連続真空
蒸着法においては、図1で示される蒸着用冷却ロール2
にフィルム基材をぴったり沿わせないとフィルムの横断
方向に未蒸着の線(レール)が発生するため、フィルム
加工時より更に高い張力をかける必要があり、したがっ
てフィルム剛性が低下すると、張力の維持ができないた
め未蒸着の線が発生しやすいと同時に、張力によるフィ
ルムの変形のためフィルムにしわや巻きこぶが発生しや
すくなる。また該冷却ロールは溶融金属の輻射熱により
比較的高温となるためフィルムの耐熱性が劣ると蒸着加
工時の蒸着むらは更にひどくなる。かくのごときフィル
ム剛性の低下による巻取り時のしわ、巻きこぶおよび蒸
着時の蒸着むらを防止しようとして、フィルムにスリッ
プ性を付与するため滑剤として最も効果のある脂肪酸ア
ミドを添加し低張力で巻き取ると、巻き姿は改良される
ものの脂肪酸アミド添加により蒸着強度や蒸着面の印刷
性・ラミネート適性が悪くなり蒸着むらは改良されな
い。また該共重合体の密度が0.935g/cm3を超
えると低温ヒートシール性が悪くなり包装材料の高速生
産性に欠けるため好ましくない。
【0012】上記組成物(1)中のエチレン/α−オレ
フィン共重合体の配合割合は60〜95重量%、好まし
くは70〜90重量%である。この範囲未満ではエチレ
ン/α−オレフィン共重合体フィルムの特徴である引裂
き強度、引張強度、伸び、耐衝撃強度等の機械的強度が
低下すると共にヒートシール強度が低下し、この範囲を
超えると加工性が悪くなる。
【0013】本発明の蒸着フィルムにおいて組成物
(1)に添加される添加剤の種類を制限しないか、また
は種類を制限しても添加量が多すぎると蒸着強度が低下
すると共に蒸着面の印刷性・ラミネート適性を阻害す
る。しかしながら添加剤の種類や添加量を制限しすぎる
と、フィルム成形時にゲルが発生し、フィルムにブロッ
キングが発生し、押出し機やダイが腐食されたり蒸着層
が酸による腐食のため美麗さが損なわれたりする。この
ため添加剤の種類および添加量の選択は重要である。本
発明の蒸着フィルムにおいて組成物(1)に添加される
分子量が500以上のフェノール系酸化防止剤としては
モノフェノール系、ビスフェノール系、チオビスフェノ
ール系、トリスフェノール系等の酸化防止剤が挙げら
れ、更に具体的に例示すると2,4−ビス−(n−オク
チルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−
ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン(例えば日
本チバガイギー(株)より商品名イルガノックス565
として市販されている。)、2,2−チオ−ジエチレン
ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート](例えば日本チバガイギー
(株)より商品名イルガノックス1035として市販さ
れている。)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(例
えば日本チバガイギー(株)より商品名イルガノックス
1076として市販されている。)、1,3,5−トリ
メチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(例えば日本チバ
ガイギー(株)より商品名イルガノックス1330とし
て市販されている。)、トリス−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート
(例えば日本チバガイギー(株)より商品名イルガノッ
クス3114として市販されている。)、1,1,3−
トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチ
ルフェニル)ブタン(例えばアデカアーガス化学(株)
より商品名MARK AO−30として市販されてい
る。)、トリス−(4−t−ブチル−2,6−ジ−メチ
ル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート(例え
ばAm. Cyanamid(株)より商品名Cyan
ox1790として市販されている。)、1,3,5−
トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(例えば白
石カルシウム(株)より商品名SEENOX 326M
として市販されている。)、2−t−ブチル−6−
(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシ
ベンジル)−4−メチルフェニルアクリレ−ト(例えば
住友化学(株)より商品名Sumilizer GMと
して市販されている。)、3,9−bis[2−〔3−
(3−t−butyl−4−hydroxy−5−me
thyl phenyl)propionyloxy〕
−1,1−dimethyl ethyl]−2,4,
8,10−tetraoxaspiro〔5,5〕un
decane(例えば住友化学(株)より商品名Sum
ilizer GA−80として市販されている。)等
が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上の混合物と
して利用される。上記フェノール系酸化防止剤の中では
オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート(例えば日本チバガ
イギー(株)より商品名イルガノックス1076として
市販されている。)が最も好ましい。
【0014】本発明の蒸着フィルムにおいて組成物
(1)に添加される分子量が500以上の燐系酸化防止
剤を具体的に例示するとトリス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)フォスファイト(例えば日本チバガイギー
(株)より商品名IRGAFOS168として市販され
ている。)、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)−4,4′−ビフェニレンフォスフォナイト(例
えば日本チバガイギー(株)より商品名IRGAFOS
P−EPQ FFして市販されている。)、トリス
(ノニルフェニル)フォスファイト(例えばアデカアー
ガス化学(株)より商品名MARK 1178として市
販されている。)、ジステアリルペンタエリスリトール
−ジ−フォスファイト(例えばアデカアーガス化学
(株)より商品名MARK PEP−8として市販され
ている。)、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−
ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト(例えばア
デカアーガス化学(株)より商品名MARK PEP−
24として市販されている。)、ジ(ノニルフェニル)
ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト(例えばア
デカアーガス化学(株)より商品名MARK PEP−
4Cとして市販されている。)、フェニル−ビスフェノ
ールAペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト(例
えばアデカアーガス化学(株)より商品名MARK P
EP−2として市販されている。)、ソデイウムビス
(4−t−ブチルフェニル)フォスフェイト(例えばア
デカアーガス化学(株)より商品名MARK NA−1
0として市販されている。)、ビス(2,6−ジ−t−
ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−
ジ−フォスファイト(例えばアデカアーガス化学(株)
より商品名アデカスタブ PEP−36として市販され
ている。)等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以
上の混合物として用いられる。上記燐系酸化防止剤中、
トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファ
イト(例えば日本チバガイギー(株)より商品名IRG
AFOS168として市販されている。)、テトラキス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4′−ビフ
ェニレンフォスフォナイト(例えば日本チバガイギー
(株)より商品名IRGAFOS P−EPQ FFし
て市販されている。)が最も好ましい。
【0015】上記酸化防止剤の添加量は組成物(1)1
00重量部に対しフェノール系酸化防止剤が0.01〜
0.2重量部、好ましくは0.05〜0.1重量部、燐
系酸化防止剤が0.01〜0.1、好ましくは0.05
〜0.09重量部である。この添加量が範囲未満では酸
化防止能力が不足しフィルム成形時にゲルが多発するな
ど成形安定性が悪く、この範囲を超えると蒸着強度や蒸
着面の印刷性・ラミネート適性が低下する。また分子量
が500未満の酸化防止剤はフィルム成形時および蒸着
時の熱により揮散しやすく酸化防止能力の発現に劣り、
またブリードアウトにより蒸着外観が悪くなり、蒸着強
度および蒸着面の印刷性・ラミネート適性が低下する。
上記酸化防止剤はフェノール系と隣系の併用が必須であ
り、併用系とすることにより酸化防止能力が向上すると
共に、酸化防止剤の全添加量を抑制し蒸着強度や蒸着面
の印刷性・ラミネート適性の低下を防止することができ
る。なお燐系酸化防止剤としてトリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)フォスファイトを用いる場合は、そ
の添加量は特に制限され0.01〜0.05重量部が好
ましい。該添加量が0.05重量部を超えるとフィルム
加工条件等によってはブリードアウトがひどく蒸着む
ら、蒸着強度の低下の原因となる。
【0016】本発明の蒸着用フィルムにおいて組成物に
添加されるハイドロタルサイトとは、一般式M1-x
x(OH)2x/n・mH2O(但し式中MはMg2+、Mn
2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+等の2価
の金属を、LはAl3+、Fe3+、Cr3+、Co3+、In3+
等の3価の金属を、AはOH-、F-、Cl-、Br-、N
3 -、CO3 2-、SO4 2-、Fe(CN)6 3-、CH3CO
-、シュウ酸イオン、サリチン酸イオン等のn価のア
ニオンを、xは0<x≦0.33の範囲の数を示す。)
で表され、組成物(1)中のエチレン/α−オレフィン
共重合体中の触媒残渣の酸性物質の中和剤として用いら
れるものであり、具体的に例示するとMg6Al2(O
H)16CO3・4H2Oの組成を有する天然鉱物、Mg
4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2Oの組成を有する
合成ハイドロタルサイト(例えば協和化学工業(株)よ
り商品名DHT−4Aとして市販されている。)等を挙
げることができる。
【0017】上記ハイドロタルサイトの添加量は組成物
100重量部に対し0.01〜0.1重量部、好ましく
は0.02〜0.06重量部である。この添加量が範囲
未満では中和能力が不足する結果、触媒残渣の酸性物質
により押出し機やダイスが腐食したり、蒸着層が酸によ
り侵されて美麗な外観を損なう恐れがある。該添加量が
この範囲を超えても添加量増加の効果はなくコストアッ
プとなり、また多量に添加すればフィルムの肌荒れのた
め蒸着層の光沢が低下する。
【0018】本発明の蒸着用フィルムにおいて組成物
(1)に添加されるブロッキング防止剤を具体的に例示
すればカオリナイト、デイッカライト、ナクライト、ハ
ロイサイト、加水ハロイサイト、アロフェン等のカオリ
ン、アルミノシリケート等の天然および合成ゼオライト
およびその誘導体、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、炭
酸カルシウム、硫酸バリウム等を挙げることができる。
【0019】上記ブロッキング防止剤の添加量は組成物
(1)100重量部に対し0.05〜0.5重量部、好
ましくは0.1〜0.4重量部である。添加量がこの範
囲未満ではフィルムのブロッキングが大きくなり、添加
量がこの範囲を超えても添加量増加による効果はなくコ
ストアップとなり、多量に添加すればブロッキング防止
剤が含有する水分のためフィルム加工時に発泡する恐れ
がある。
【0020】組成物(1)に以上の添加剤を添加した樹
脂組成物のメルトフローレート(以下「MFR」と略す
ことがある。JIS K6760,190℃,荷重21
60gの条件)は特に限定するものではないが、フィル
ム加工性の点から0.1〜10g/10分が好ましい。
【0021】上記樹脂組成物を得る方法は、特に限定す
るものではなく各成分および各添加剤をヘンシェルミキ
サー、リボンブレンダー、Vブレンダー等で機械的に混
合する方法、機械的混合後押出し機、バンバリミキサ
ー、ニーダ、熱ロール等により溶融状態で混練後ペレッ
ト化する方法等が採用されるが、単軸または二軸押出し
機により溶融混練する方法が生産性の点から最も好適で
ある。
【0022】本発明の蒸着用フィルムにおいて上記樹脂
組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で光安定
剤、紫外線吸収剤、有機・無機充填剤、帯電防止剤、着
色剤、有機過酸化物、滑剤およびポリマー添加剤等を添
加することができる。該ポリマー添加剤としては蒸着強
度を増大させるためにマレイン酸等の不飽和カルボン酸
またはその無水物でグラフト反応させたポリオレフィ
ン、フィルムの耐衝撃性向上のための密度0.905g
/cm3以下、差動走査熱量測定で示される最大ピーク
温度(Tm)が100℃未満のエチレン/α−オレフィ
ン共重合体等を挙げることができる。添加剤のうち滑
剤、帯電防止剤として広く用いられている脂肪酸および
その誘導体並びに可塑剤等の液状添加剤は蒸着強度や蒸
着面の印刷性を著しく低下させるので添加しない方が好
ましい。
【0023】本発明の蒸着用フィルムの製造方法は特に
限定するものではなく、インフレーション成形、キャス
ト成形等の従来公知の方法を用いることができる。この
うちフィルムの機械方向と横方向との機械的強度のバラ
ンスに優れること、低温で成形できるため酸化防止剤の
添加量を制限できること等からインフレーション成形が
好ましい。
【0024】上記成形によって得られたフィルムにアル
ミニウム蒸着を施す前に蒸着強度を増大させるための公
知の方法が採用できる。これら公知の方法を具体的に例
示すれば、該フィルムにコロナ放電処理、火炎処理、プ
ラズマ処理、オゾン処理等の表面処理を施す方法、金属
との親和性の良い物質たとえばポリエステル系、ポリウ
レタン系、エポキシ系樹脂等を該フィルムに塗布する方
法等が挙げられる。上記表面処理の場合は放電後のJI
S K6768で測定したぬれ指数が37dyn/cm
以上となるように処理するのが望ましく、39dyn/
cm以上が特に好ましい。
【0025】本発明の蒸着用フィルムに金属を蒸着する
方法は、特に限定するものではなくバッチ式または連続
式真空蒸着法で電熱加熱、スパッタリング、イオンプレ
ーテイング、イオンビーム等の公知の手段を用いること
ができるが、フィルムの繰り出し部、蒸着部、巻取り部
を備えた連続真空蒸着装置内(フィルムの繰り出し部と
巻取り部が蒸着装置外にあっても良い。)でオイルポン
プ、拡散ポンプを併用して装置内の気圧を10 -4 Tor
r以下に減圧し、金属を入れた容器または金属を付着さ
せたフィラメントを加熱し金属を溶解蒸発させ、蒸発分
子をフィルム表面に連続的に蒸着し巻き取る方法が一般
的である。このようにして得られる蒸着フィルムの蒸着
層の厚みは接着性、耐久性、経済性の点から一般的には
数十〜数百オングストロームである。
【0026】なお、蒸着させる金属は例えばアルミニウ
ム、金、銀、銅、亜鉛、ニッケル、クロム、チタン、セ
レン、ゲルマニウム、スズ等が挙げられるが、作業性、
経済性、光沢、安全性等からアルミニウムが好ましい。
【0027】本発明の蒸着用フィルムの厚みは特に限定
するものではなく、フィルム成形によって得られたフィ
ルムを機械方向に10mm幅でサンプリングし、オート
グラフでフィルムの機械方向に50mm/分の速度で引
張ったときの5%伸び時の荷重が400gf/cm以上
を有するように適宜選択されが、通常30〜100μm
の厚みが好ましい。この5%伸び時の荷重が400gf
/cm未満ではフィルム成形時または蒸着加工時のフィ
ルム巻取り張力によりフィルムが伸びやすく、巻取りフ
ィルムにしわや巻きこぶが発生しやすくなる。特に蒸着
法として広く採用されている連続真空蒸着法において
は、前述のように蒸着用冷却ロールにフィルム基材をぴ
ったり沿わせないとフィルムの横断方向に未蒸着の線が
発生するため、フィルム加工時より更に高い張力をかけ
る必要があり、したがって5%伸び時の荷重が小さいと
張力の維持ができないため未蒸着の線が発生しやすいと
同時に、張力によるフィルムの変形のためフィルムにし
わや巻きこぶが発生しやすくなる。このような5%伸び
時荷重の低下による巻取り時のしわ、巻きこぶおよび蒸
着時の蒸着むらを防止しようとして、フィルムにスリッ
プ性を付与するため滑剤として最も効果のある脂肪酸ア
ミドを添加し低張力で巻き取ると、脂肪酸アミド添加に
より蒸着強度や蒸着面の印刷性・ラミネート適性が悪く
なり、また蒸着むらの改良は見られない。
【0028】
【実施例】次に実施例により本発明を更に具体的に説明
するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。なお実施例および比較例における性能の測定は下記
の方法によった。また実施例および比較例における%は
重量%、部は重量部である。
【0029】ヒートシール強度 蒸着されたフィルムのフィルム同志を圧力2kgf/c
2、時間1秒の条件でヒートシールし、オートグラフ
を用い剥離速度300mm/分で剥離したときの剥離強
度を測定した。120℃で0.3kgf/15mm以上
のヒートシール強度を有すれば低温ヒートシール性に優
れていると評価した。
【0030】蒸着強度 金属蒸着表面にポリウレタン系接着剤を2g/m2の厚
みで塗布し、その上に15μm厚みのナイロンフィルム
を貼り合わせた後、40℃で48時間エージングした。
オートグラフを用い速度300mm/分でナイロンフィ
ルムと蒸着フィルム間の剥離強度(単位;gf/15m
m)を測定した。通常蒸着基材フィルムと蒸着層間で剥
離する。100gf/15mm以上の蒸着強度を有すれ
ば蒸着強度に優れていると評価した。
【0031】蒸着面の印刷性・ラミネート適性 金属蒸着フィルムの蒸着面とフィルム面とを重ね合わ
せ、5kgf/25cm2の荷重をかけ40℃のオーブ
ン中に24時間放置後、ASTM D523に準拠し蒸
着面のぬれ指数(単位;dyn/cm)を測定した。良
好な印刷性・ラミネート適性を有するためには、このぬ
れ指数が37dyn/cm以上必要であり、ぬれ指数が
37以上を〇、37未満をxと評価した。
【0032】フィルムの巻き姿 一定長の蒸着フィルムを連続して巻取って得られたフィ
ルムロールを目視で観察し、表面が平坦でしわや巻きこ
ぶのないものを○、しわや巻きこぶのあるものをxと評
価した。
【0033】蒸着外観 蒸着フィルムを目視で観察し、蒸着膜が平滑で均一に光
沢がありJIS K7105に準拠し測定した光沢度が
55%以上のものを○、次のいずれかが見られるものを
xと評価した。
【0034】(イ)蒸着面に細かい凹凸がある (ロ)斑点状に蒸着層のない部分や蒸着ムラが見られた
り蒸着面が黒ずんでいる (ハ)JIS K7105に準拠し測定した光沢度が5
5%未満である xと評価したものは実用上問題がある。
【0035】引裂強度 JIS K7128のエレメンドルフ引裂法に準拠し測
定した。
【0036】引張強度および伸び JIS Z1702に準拠し測定した。
【0037】実施例1〜3,比較例1〜2 エチレン/1−ヘキセン共重合体(密度;0.925g
/cm3,MFR;2g/10分)および低密度ポリエ
チレン(密度;0.924g/cm3,MFR;1g/
10分)を表1に示す割合で配合した組成物(1)10
0部に対し、フェノール系酸化防止剤としてオクタデシ
ル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート(分子量;530.9,商品
名;イルガノックス1076,日本チバガイギー(株)
製)を、燐系酸化防止剤としてテトラキス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニレンフォ
スフォナイト(商品名;分子量;1035.4,IRG
AFOS P−EPQ FF,日本チバガイギー(株)
製)を、触媒中和剤としてハイドロタルサイト(商品
名;DHT−4A,協和化学工業(株)製)を、ブロッ
キング防止剤としてシリカ(商品名;シルトンPF−
6,水沢化学工業(株)製)を表1に示す量添加し、タ
ンブラーブレンダーで混合後、単軸押出し機で溶融混練
後冷却しペレット化した。
【0038】次に90mm径の押出し機およびこれに連
結した2.8mmのスリットを有する直径450mmの
環状ダイからなるインフレーション成形機を用いて、樹
脂温度170℃、ブロー比2.3の条件で溶融押出し後
空冷し、片面にコロナ放電処理を施した後速度15m/
分で巻取り厚み60μm、処理面のぬれ指数が40dy
n/cmの筒状のフィルムを得た。このフィルムの機械
方向の5%伸び時の荷重を測定した結果を表1に示す。
【0039】次に得られたフィルムを連続真空蒸着装置
にセットし、10 -4 Torr以下の真空下でフィルムに
アルミニウム蒸着を施して巻取り蒸着膜の厚みが450
オングストロ−ムの幅1500mm、長さ6000mの
ロール状の蒸着フィルムを得た。
【0040】得られた蒸着フィルムの性状を表1に示
す。
【0041】本発明の実施例1〜3のフィルムは蒸着強
度、蒸着外観、蒸着面の印刷性等蒸着フィルムが具備す
べき性質に優れていた。フィルムの機械方向の5%伸び
時の荷重が400gf/cm未満の比較例1の蒸着フィ
ルムはしわが発生し巻き姿が不良で蒸着むらがあり蒸着
外観も悪かった。樹脂組成物中のフェノール系酸化防止
剤の添加量が0.2部を超え、隣系酸化防止剤の添加量
が0.1部を超える比較例2の蒸着フィルムは蒸着強度
が低く、蒸着面の印刷性・ラミネート適性に劣る。
【0042】比較例3〜4 組成物(1)中のエチレン/1−ヘキセン共重合体およ
び低密度ポリエチレンとして表2に示すMFR、密度の
ものを用いた以外は実施例1と同様の配合割合で同様の
添加剤を添加し組成物ペレットを作製し、実施例1と同
様にインフレーション成形し、アルミニウム蒸着を施し
た。
【0043】フィルムの機械方向の5%伸び時の荷重お
よび蒸着フィルムの性状を表1に示す。
【0044】組成物(1)中のエチレン/α−オレフィ
ン共重合体として密度が0.910g/cm3未満のも
のを用いた比較例3の蒸着フィルムは、しわが発生し巻
き姿が不良で蒸着むらがあり蒸着外観が悪く、また蒸着
強度や蒸着面の印刷性・ラミネート適性に劣る。また組
成物(1)中のエチレン/α−オレフィン共重合体とし
て密度が0.935g/cm3を超えるものを用いた比
較例4の蒸着フィルムは、低温ヒートシール性に劣る。
【0045】比較例5 実施例1の組成物(1)に配合された低密度ポリエチレ
ンの代りに高密度ポリエチレン(密度;0.953g/
cm3,MFR;1.0g/10分)を用いた以外は、
実施例1と同様の配合割合で同様の添加剤を添加し組成
物ペレットを作製し、実施例1と同様にインフレーショ
ン成形し、アルミニウム蒸着を施した。フィルムの機械
方向の5%伸び時の荷重および蒸着フィルムの性状を表
1に示す。
【0046】高密度ポリエチレンを用いたこの樹脂組成
物は加工安定性が悪くフィルムは表面肌荒れが激しく、
得られた蒸着フィルムは蒸着面の光沢等の蒸着外観が悪
くまた低温ヒートシール性に欠ける。
【0047】比較例6 実施例1の樹脂組成物に配合されたフェノール系および
隣系酸化防止剤の代りに、フェノール系酸化防止剤とし
て2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(分
子量;220,商品名;BHTスワノックス,吉富製薬
(株)製)を、隣系酸化防止剤としてトリフェニルフォ
スファイト(分子量;310,商品名;JP−360,
城北化学(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様の
配合割合で同様の添加剤を添加し組成物ペレットを作製
し、実施例1と同様にインフレーション成形し、アルミ
ニウム蒸着を施した。
【0048】フィルムの機械方向の5%伸び時の荷重お
よび蒸着フィルムの性状を表1に示す。
【0049】分子量が500未満の酸化防止剤を用いた
本蒸着フィルムは、ゲルが多発し蒸着強度が弱く、蒸着
面の印刷性・ラミネート適性に劣り蒸着外観が悪い。
【0050】比較例7 比較例1の樹脂組成物に更にエルカ酸アミドを0.2部
添加した以外は、実施例1と同様に組成物ペレットを作
製し、実施例1と同様にインフレーション成形し、アル
ミニウム蒸着を施した。
【0051】フィルムの機械方向の5%伸び時の荷重お
よび蒸着フィルムの性状を表1に示す。
【0052】エルカ酸アミドを添加した本蒸着フィルム
は巻き姿は改良されたが、蒸着強度、蒸着面の印刷性・
ラミネート適性および蒸着外観に劣る。
【0053】実施例4〜6,比較例8 組成物(1)の成分として表2の密度、MFRを有する
エチレン/1−ブテン共重合体および低密度ポリエチレ
ンを表1に示す割合で配合した組成物100部に対し、
フェノール系酸化防止剤として3,9−bis[2−
〔3−(3−t−butyl−4−hydroxy−5
−methyl phenyl)propionylo
xy〕−1,1−dimethyl ethyl]−
2,4,8,10−tetraoxaspiro〔5,
5〕undecane(分子量;741,商品名;Su
milizer GA−80,住友化学(株)製)、燐
系酸化防止剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)フォスファイト(分子量;646.9,商品
名;IRGAFOS168,日本チバガイギー(株)
製)を、触媒中和剤としてハイドロタルサイト(商品
名;DHT−4A,協和化学工業(株)製)を、ブロッ
キング防止剤としてアルミノシリケート(商品名;シル
トンJC−30,水沢化学工業(株)製)を表1に示す
量添加し、実施例1と同様に組成物ペレットを作製し、
実施例1と同様にインフレーション成形し、アルミニウ
ム蒸着を施した。
【0054】フィルムの機械方向の5%伸び時の荷重お
よび蒸着フィルムの性状を表1に示す。
【0055】実施例4〜6の蒸着フィルムは蒸着強度、
蒸着外観、蒸着面の印刷性等蒸着フィルムが具備すべき
性質に優れていた。また、トリス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)フォスファイトの添加量が0.05部を
超える比較例8の蒸着フィルムは蒸着むらが発生し蒸着
外観に劣る。
【0056】比較例9 実施例1と同様の成分および添加剤を用いて組成物
(1)中の低密度ポリエチレンの割合を50%とした以
外は実施例1と同様に組成物ペレットを作製し、実施例
1と同様にインフレーション成形した。このフィルムお
よび実施例1のインフレーション成形フィルムの引裂強
度、引張強度および伸びを測定した結果を表3に示す。
組成物(1)中の低密度ポリエチレンの割合が40%を
超える比較例9のフィルムは引裂強度、引張強度および
伸びに劣る。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【発明の効果】本発明の金属蒸着用ポリエチレン系フィ
ルムは、低温ヒートシール性を有しているので蒸着加工
後にフィルムにトップコートまたはラミネート加工を施
すことなくそれ自体で包装材料として好適に用いられる
が、蒸着面の印刷性、ラミネート適性が優れている点を
活かし、蒸着面に印刷およびトップコートを施したり、
蒸着面にアンカーコート後ポリオレフィン、ポリエステ
ル、ナイロン、エバール等の樹脂をラミネートし、フィ
ルム同志を内面としヒートシールすることにより、高機
能包装体とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続真空蒸着装置の概観図である。
【符号の説明】
1;巻き出し軸、2;冷却ロール、3;蒸発源、4;巻
取り軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 23/04 C08L 23/04 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/00 - 5/24 C08J 7/04 - 7/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密度0.910〜0.935g/cm3
    エチレンとα−オレフィンとの共重合体を60〜95重
    量%と密度0.910〜0.940g/cm3の低密度
    ポリエチレン5〜40重量%とからなる組成物(1)1
    00重量部に対し、分子量が500以上のフェノール系
    酸化防止剤を0.01〜0.2重量部、分子量が500
    以上の燐系酸化防止剤を0.01〜0.1重量部、ハイ
    ドロタルサイト0.01〜0.1重量部およびブロッキ
    ング防止剤を0.05〜0.5重量部を添加してなり、
    機械方向の5%伸び時の荷重が400gf/cm以上で
    ある金属蒸着用ポリエチレン系フィルム。
  2. 【請求項2】組成物(1)100重量部に対し、分子量
    が500以上の隣系酸化防止剤としてトリス(2,4−
    ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトを0.01〜
    0.05重量部添加した請求項1に記載の金属蒸着用ポ
    リエチレン系フィルム。
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