JPH08104977A - 金属蒸着ポリプロピレンフィルム - Google Patents

金属蒸着ポリプロピレンフィルム

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JPH08104977A
JPH08104977A JP26833194A JP26833194A JPH08104977A JP H08104977 A JPH08104977 A JP H08104977A JP 26833194 A JP26833194 A JP 26833194A JP 26833194 A JP26833194 A JP 26833194A JP H08104977 A JPH08104977 A JP H08104977A
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JP
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film
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vapor
metal
weight
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JP26833194A
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Kazuya Otani
一也 大谷
Taketo Hirose
健人 広瀬
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は美麗な金属光沢を有し、蒸着膜
接着性、蒸着面の印刷性、他のフィルムとの接着性を損
なうことなく、耐ブロッキング性、スリップ性、耐スク
ラッチ性に優れた金属蒸着ポリプロピレンフィルムを提
供することである。 【構成】(1) 結晶性プロピレン共重合体100重量
部に、平均粒径0.5〜7μm、酸化マグネシウム含有
量が40重量%以下、真球度(Fx)が0.7以上、B
ET法による比表面積が500m2/g以上で且つ吸油
量が150ml/100g以下のケイ酸マグネシウムの
球状微粒子を0.01〜1重量部配合した組成物を用い
て得られたフィルムに金属が蒸着された金属蒸着ポリプ
ロピレンフィルム。 (2) 結晶性プロピレン共重合体がプロピレン成分を
80重量%以上含有し、結晶融点が150℃以下の結晶
性プロピレン−α−オレフィン共重合体である前記第1
項記載の金属蒸着ポリプロピレンフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属蒸着フィルムもし
くはシートに関する。更に詳しくは、蒸着膜の接着性お
よび蒸着面への印刷性、ラミネート適性に優れ、かつ、
耐ブロッキング性、スリップ性、耐スクラッチ性に優れ
た金属蒸着ポリプロピレンフィルムまたはシート(以
下、単に金属蒸着フィルムという。)に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチックフィルムに真空下で
金属を蒸着させた金属蒸着フィルムは、その優れた装飾
性、ガスバリヤー性および光線遮断性等を活用し、金銀
糸、建築材料および包装用フィルム等に広く使用されて
いる。特に、アルミニウムを蒸着したアルミニウム蒸着
フィルムが包装用途を中心に広範囲に使用されている。
【0003】しかしながら、プロピレンの単独重合体ま
たはプロピレンを主成分とするプロピレンとエチレンま
たはα−オレフィンとの共重合体等のポリプロピレン系
樹脂を用いたポリプロピレンフィルムに金属を蒸着した
従来から市販されている蒸着フィルムは、ベ−スフィル
ムと金属蒸着膜との接着力が弱く、また、蒸着金属がア
ルミニウムの場合は蒸着面への印刷性および接着性が著
しく低下し、印刷やラミネ−ト等が必要な用途には使用
できず、用途開発上大きな障害となっていた。この原因
としては特開昭59-25829公報に記載されている如く通常
ポリプロピレン系樹脂に添加されている中和剤、スリッ
プ剤、酸化防止剤等がフィルム表面に移行したり、該フ
ィルムを重ねたときにフィルム表面に移行した添加剤等
が他のフィルム表面に転写することが挙げられ、このう
ち脂肪酸誘導体、特に、ポリマー中の触媒残査の酸性成
分の中和剤として用いられるステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸ナトリウム等の高級脂肪酸、フィルムのス
リップ剤として常用されているオレイン酸アミド、ステ
アリン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスステア
ロアミド等の高級脂肪酸アミド等の脂肪酸誘導体は0.
01重量%前後の微量添加でも蒸着面のぬれ指数を33
dyne/cm以下に低下させ、蒸着面への印刷や他の
フィルム等の接着が不可能になるが、これらの添加剤は
従来ポリプロピレンフィルムには必須の添加剤として常
用されているものであり、これらを添加しないポリプロ
ンフィルムはフィルム成形時またはフィルムの後加工の
段階で多くの問題を発生する。
【0004】例えば、前記のスリップ剤を添加しない場
合、得られるフィルムの滑り性や耐ブロッキング性が極
端に低下し、巻取ったフィルムにしわが入ったり、フィ
ルムロ−ルが局部的に肥大するいわゆる巻こぶができた
りして生産性を大幅に低下させる。特にプロピレン−α
−オレフィンランダム共重合体を用いた場合には得られ
るフィルムの剛性が低く、粘着性が大きいためこれらの
現象が顕著に現れ、フィルムの生産性や歩留まりが低下
するのみならず、しわや巻こぶの無い部分のみを選んで
金属蒸着を行っても蒸着後のフィルムの巻取り工程でし
わや巻こぶが発生し、蒸着フィルムの生産性を一層悪化
させる結果になる。この現象はプロピレン−α−オレフ
ィン共重合体の融点が低いほど顕著であり、また、特開
昭50-61469号公報、特開昭55-52338号公報に示されたよ
うなポリプロピレンに無水マレイン酸等をグラフト重合
させたグラフト化ポリプロピレンをポリプロピレンに配
合して得られるフィルムも同様でる。このような観点か
ら、耐衝撃性、ヒ−トシ−ル性に優れ、かつ蒸着面の印
刷性、接着性に優れた金属蒸着ポリプロピレンが求めら
れているのが実状である。
【0005】これらの問題点を解決するために多くの提
案がなされている。例えば、特公昭61-16617号公報には
ポリプロピレンにゼオライト粉末を添加してなる組成物
を用いて得られたフィルム面に金属を蒸着した金属蒸着
ポリプロピレンフィルムが提案されている。しかしなが
ら、該公報記載の金属蒸着フィルムは、蒸着膜接着性に
優れ、金属面ぬれ指数の低下の少ない蒸着フィルムには
なるが、得られた蒸着フィルムのスリップ性が著しく劣
り、また、ゼオライトの添加量が増えるにともない、フ
ィルムの表面が祖面化し、美麗な金属光沢を有するフィ
ルムが得られなくなったり、また、用いたゼオライトに
起因してフィッシュアイやピンホールが発生し、また、
フィルム同士のこすれによって傷がついたりする等の欠
点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
欠点を解決した金属蒸着フィルムすなわち、美麗な金属
光沢を有し、蒸着膜接着性、蒸着面の印刷性、他のフィ
ルムとの接着性を損なうことなく、耐ブロッキング性、
スリップ性、耐スクラッチ性に優れた金属蒸着フィルム
を得るべく鋭意研究した。その結果、結晶性プロピレン
共重合体に特定のケイ酸マグネシウムの球状微粒子を特
定量配合した組成物を用いて得られたポリプロピレンフ
ィルムに金属が蒸着された金属蒸着フィルムが上述の欠
点を解決した金属蒸着フィルムであることを見い出し、
この知見に基づき本発明を完成した。 以上の記述から
明らかなように、本発明の目的は美麗な金属光沢を有
し、蒸着膜接着性、蒸着面の印刷性、他のフィルムとの
接着性を損なうことなく、耐ブロッキング性、スリップ
性、耐スクラッチ性に優れた金属蒸着ポリプロピレンフ
ィルムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を有
する。 (1) 結晶性プロピレン共重合体100重量部に、平
均粒径0.5〜7μm、酸化マグネシウム含有量が40
重量%以下、真球度(Fx)が0.7以上、BET法に
よる比表面積が500m2/g以上で且つ吸油量が15
0ml/100g以下のケイ酸マグネシウムの球状微粒
子を0.01〜1重量部配合した組成物を用いて得られ
たフィルムに金属が蒸着された金属蒸着ポリプロピレン
フィルム。 (2) 結晶性プロピレン共重合体がプロピレン成分を
80重量%以上含有し、結晶融点が150℃以下の結晶
性プロピレン−α−オレフィン共重合体である前記第1
項記載の金属蒸着ポリプロピレンフィルム。
【0008】本発明は、結晶性プロピレン共重合体10
0重量部に、好ましくはプロピレン成分の共重合割合が
80重量%以上で結晶融点が150℃以下の結晶性プロ
ピレン−α−オレフィン共重合体100重量部に、平均
粒径が0.5〜7μm、酸化マグネシウム含有量が40
重量%以下、真球度(FX)が0.7以上で、BET法
による非表面積が500m2/g以上で且つ吸油量が1
50ml/100g以下のケイ酸マグネシウムの球状微
粒子を0.01〜1重量部含有した組成物を用いて得ら
れたフィルム表面に金属が蒸着された金属蒸着ポリプロ
ピレンフィルムである。
【0009】本発明で用いられる結晶性プロピレン共重
合体は、プロピレンを主成分とし、該プロピレンとα−
オレフィンとの結晶性プロピレン−α−オレフィン共重
合体であり、そのα−オレフィン成分としてはエチレン
またはブテンー1、ヘキセン等の炭素数4以上のα−オ
レフィンであって、それらの1または2以上とプロピレ
ンとの二元以上の共重合体である。これらの結晶性プロ
ピレン−α−オレフィン共重合体は蒸着膜接着性、耐衝
撃性、ヒ−トシ−ル性の面から結晶融点(以下、Tmで
表すことがある)150℃以下の結晶性プロピレン−α
−オレフィン共重合体が好ましい。ここで、結晶融点
(Tm) とは、走査型差動熱量計を用いて窒素雰囲気中
で10mgの試料を10℃/分の速度で昇温させて得られる結
晶の融解にともなう吸熱カーブのピーク温度を言う。
【0010】プロピレンを主成分とする結晶性共重合体
の場合、コモノマ−成分であるエチレンまたはα−オレ
フィンの含有量が増すとTmが低下する。例えば、結晶
性エチレン−プロピレンランダム共重合体の場合、共重
合体のランダムネスによっても若干変動するが、エチレ
ン含有量がおよそ2.5重量%を越えるとTmは150℃以下
になる。なお、重合条件を変えて2段階以上の多段階重
合で共重合を行なうことによって複数のTmを有するポ
リマ−を得ることができるが、この場合主ピ−クが150
℃以下のものが望ましい。
【0011】本発明で用いるケイ酸マグネシウムの球状
微粒子は、酸化マグネシウム含有量が40重量%以下、
真球度(FX)が0.7以上で、BET法による比表面
積が500m2/g以上で且つ吸油量が150ml/1
00g以下のものであり、その組成式を示すと(SiO
2)x・(MgO)y・(Na2O)z・(H2O)nで
あり、ここで各成分の成分比は、 x=30〜99重量% y=0.5〜40重量% z=0〜2重量% n=1〜25重量%であり、x+y+z+n=100重
量%である かかるケイ酸マグネシウムは、ゲル法により作製した二
酸化ケイ素(SiO2)と水酸化マグネシウム(Mg(O
H)2)とを反応させることによって得られ、また市販品
を用いることもできる。かかる市販品としては、例えば
水澤化学工業(株)製の商品名ミズパールMを挙げるこ
とができ、平均粒径は0.5〜7μmのものが好まし
い。平均粒径が7μを越えるものを用いると得られるフ
ィルムの透明性が悪化し、また、0.5μ未満のものを
用いると巻き取り時のフィルムの滑り性および耐ブロッ
キング性が劣る。
【0012】該ケイ酸マグネシウム球状微粒子の配合量
は、結晶性プロピレン共重合体100重量部に対して
0.01〜1.0重量部である。該配合量が0.01重
量部未満では、得られるフィルムの滑り性、耐ブロッキ
ング性の改良効果が不足し、1重量部を越えるとフィッ
シュアイの発生や透明性の悪化を招き好ましくない。
0.03〜0.3重量部の範囲の配合量が特に好まし
い。本発明で使用するケイ酸マグネシウム球状微粒子は
酸化マグネシウムの含有量が40重量%以下で、真球度
(FX)が0.7以上のものである。酸化マグネシウム
の含有量が40重量%を超えると得られる金属蒸着フィ
ルムの耐スクラッチ性が悪化し、また真球度(FX)が
0.7未満のものを用いると得られるフィルムの滑り性
が悪化する。また、該ケイ酸マグネシウム球状微粒子の
BET法による比表面積は500m2/g以上であり且
つ吸油量が150ml/100g以下のものであり、該
比表面積が500m2/g未満、吸油量が150ml/
100gを超えるものを用いると、得られる金属蒸着ポ
リプロピレンフィルムの滑り性、耐ブロッキング性が悪
化するので好ましくない。
【0013】本発明におけるケイ酸マグネシウムの球状
微粉末の平均粒径、比表面積および吸油量は、下記の方
法により測定されるものである。 平均粒径:コールターカウンター法による。 真球度(FX):FX= A/(π/4)Dmax ここで、Aは粉末の断面積mm2、Dmaxは同断面の
最長径mmである。A及びDmaxは、ケイ酸マグネシ
ウムの球状微粒子にエポキシ樹脂を添加して固化し、ミ
クロトームでカッティングし、イメージアナライザーで
微粒子の断面を分析することによって求められる。この
式によって与えられる真球度の価は0〜1の範囲であ
り、真球は1である。 比表面積:液体窒素温度でのN2吸着によるBET法に
よる。 吸油量:JIS K−5101 19による。
【0014】本発明の金属蒸着ポリプロピレンフィルム
に用いる組成物には必要に応じて酸化防止剤、滑剤、ブ
ロッキング防止剤等を本発明の目的を損なわない範囲で
適宜配合することができるが、フィルムと金属蒸着膜と
の接着性すなわち蒸着膜接着性、蒸着面の印刷性、ラミ
ネート適性を低下させないためには、ステアリン酸、パ
ルミチン酸等の脂肪酸、ステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸マグネシウム等の脂肪酸の金属塩、オレイン酸
アミド、エルカ酸アミド等の脂肪酸アミドおよびその他
脂肪酸形成基を含有する誘導体等は配合しないことが望
ましい。
【0015】組成物に配合できる添加剤としては、例え
ば分子量が500以上のリン系酸化防止剤、フェノール
系酸化防止剤および無機充填剤等を例示することができ
る。該酸化防止剤としては、例えばテトラキス−〔メチ
レン−3−(3´,5´−ジ−t−ブチル−4´−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、1,3,5
−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,
5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6
−ジメチルベンジル)イソシアネート、トリス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシア
ヌレート、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)4,4´−ビフェニレン−ジフォスファイト等をあ
げることができ、これらを単独で、または二種以上を併
用して結晶性プロピレン共重合体100重量部に、0.
03〜0.30重量部配合する。これら酸化防止剤の配
合は、フィルム成形時およびフィルム使用時の安定性に
とってきわめて有効である。
【0016】また、配合できる無機充填剤としてはハイ
ドロタルサイト、炭酸カルシウム、シリカ等を挙げるこ
とができ、特に有効な無機充填剤としては、平均粒径3
μm以下のハイドロタルサイトであり、該ハイドロタル
サイトを配合するとケイ酸マグネシウムの球状微粒子と
該ハイドロタルサイトとの相乗効果により、蒸着膜接着
性および耐ブロッキング性が向上するので好ましい。こ
こでいうハイドロタルサイトとは、マグネシウム、アル
ミニウムの含水塩基性炭酸塩であって、天然物、合成品
いずれのものを用いてもよい。天然のハイドロタルサイ
トはMg6Al2(OH)16CO3・4H2Oの構造を有す
るとされており、合成ハイドロタルサイトはMgとAl
との比が異なったもの、例えばMg4Al2(OH)12
3・4H2O、Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O、
Mg10Al2(OH)22(CO32・4H2O、Mg6
2(OH)20CO3・5H2O等の構造のものを例示す
ることができる。
【0017】かかるハイドロタルサイトの配合量は、結
晶性プロピレン共重合体100重量部に対して0.01
〜0.20重量部が望ましく、特に0.03〜0.15
重量部が望ましい。
【0018】結晶性プロピレン共重合体にケイ酸マグネ
シウムの球状微粒子等を配合する方法としては、これが
均一に分散する方法であればとくに限定されないが、ヘ
ンシェルミキサ−(商品名)等で混合し、その混合物を
押出機等で溶融混練してペレット化する方法が望まし
い。
【0019】また、金属蒸着に用いられるフィルムは、
通常のTダイ法またはインフレ−ション法で得られる未
延伸フィルムおよび該フィルムを表層にした二層ないし
三層以上の多層複合フィルムを例示することができる。
【0020】フィルムに金属を蒸着する方法は、通常、
フィルム表面にコロナ放電処理、火炎処理等の表面処理
を行い、この処理面に公知の方法、例えばフィルムの繰
出部、蒸着部および巻取部を備えた真空蒸着装置内で、
オイルポンプおよび拡散ポンプ等を併用して装置内の気
圧を10-4Torr以下に減圧し、アルミニウム等の所
望の金属を入れた容器または所望の金属を付着させたフ
ィラメントを加熱して該金属を熔解蒸発させ、蒸発分子
を繰り出されたフィルム表面に連続的に蒸着させ巻取る
方法が一般的である。その他、真空中で放電させたとき
に陰極を構成する金属が飛散する現象を利用したスパッ
タリング蒸着やイオンプレーティング法によっても可能
である。なお、蒸着させる金属は、アルミニウム、金、
銀、銅、ニッケル、クロム、ゲルマニウム等があげられ
るが、作業性、反射率、経済性からアルミニムが好まし
い。金属蒸着層の厚さは通常200〜700オングスト
ロームの範囲である。
【0021】
【実施例】以下、実施例、比較例を用いて本発明をさら
に具体的に説明するが、本発明はこれによって限定され
るものではない。なお、実施例、比較例における特性の
測定は下記の方法および基準で行った。 (1)スリップ性(動摩擦係数):ASTM D189
4に定められた方法で測定した原反フィルムのコロナ処
理面対非処理面の動摩擦係数でスリップ性を示した。こ
の値が小さいほど、スリップ性が良いことを示してい
る。 (2)ブロッキング度:2cm(幅)×7cm(長)に
サンプリングした原反フィルムのコロナ処理面と非処理
面を長さ2cmにわたり重ね、500g/cm2の荷重
下で50℃、24時間放置した後、引張試験機を用いて
試料の剪断剥離に要する力を求めた。この値が小さいほ
ど、ブロッキング度が小さいことを示している。(単
位:kg/4cm2 ) (3)耐スクラッチ性(耐傷つき性):まず、アルミニ
ウム蒸着フィルムの蒸着面の光沢度をASTM D52
3に定められた方法に準じて測定し、その値をG1 とす
る。次に、ASTM D1894に定められた方法に準
じて、台側にアルミニウム蒸着フィルムの蒸着面を、そ
り側に非蒸着面をセットし、そりをすべらせる。(この
とき、そりの重さは2200gとする。)台側のアルミ
ニウム蒸着フィルムのそりが通過した部分の光沢度を測
定し、G2 とする。さらに、次の式より△Gを求め、そ
の値で耐スクラッチ性を評価した。 △G=G1 −G2 この値が、小さいほど傷がつきにくいことを示してお
り、耐スクラッチ性が良いことを示している。(単位:
%) (4)フィルムの巻き姿:一定長の蒸着フィルムを連続
して巻き取って得られたフィルムロ−ルを肉眼で観察
し、表面が平担で、しわや巻きこぶの無いものを○(巻
き姿良)、しわ又は巻きこぶがあるものを(巻き姿不良)
と評価した。 (5)蒸着膜の接着性:蒸着フィルムの蒸着膜側に幅1
8mmのセロファン粘着テープ(セキスイセロテ−プR)
を70mmの長さに貼り付けたのち、手で素早く剥ぎ取
り、粘着テ−プに付着せず試料フィルム面に残存する蒸
着膜の面積率を求めランク付けをした。 (6)結晶性プロピレン共重合体のメルトフローレート
(MFR) JIS K6758(試験条件:230℃、2.16kgf)に準
拠。
【0022】実施例1〜7 MFRが7.0g/10min、Tmが137℃の結晶
性エチレン−プロピレン−ブテン−1三元ランダム共重
合体100重量部に、酸化防止剤としてテトラキス−
〔メチレン−3−(3´,5´−ジ−t−ブチル−4´
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン0.1
2重量部、ハイドロタルサイト0.03重量部および後
述の表1に示した添加剤を配合し、ヘンシェルミキサー
(商品名)で混合したのち、押出機を用いて220℃で
溶融混練し、ペレット状組成物を得た。得られた組成物
を口径65mmのTダイ付押出機を用いて溶融混練温度
220℃で押出し、エアチャンバ−および表面温度30
℃の冷却ロ−ルで急冷してフィルムを成形し、直ちに該
フィルムの片面にぬれ指数が40dyn/cmになるよ
うにコロナ放電処理を施し、巻取って厚さ25μm、幅
60cmのロ−ル状原反フィルムを得た。得られた原反
フィルムをスリッターを用いて幅50cmに裁断したの
ち、連続真空蒸着装置にセットし、フィルムを連続的に
繰り出しながら、そのコロナ処理面に10-5Torrの
真空下でアルミニウム蒸着を施して巻取り、蒸着膜の厚
みが約500オングストローム、長さ1000mのロ−
ル状に巻き取った片面アルミニウム蒸着フィルムを得
た。得られた金属蒸着フィルムを用いて蒸着フィルムの
特性を評価し、その結果を表2に示した。表2から明ら
かなように、実施例1〜7の蒸着フィルムは、スリップ
性、ブロッキング性、耐スクラッチ性、巻き姿、蒸着膜
接着性のいずれも良好であることが分かる。
【0023】比較例1〜2 比較例1、2として、比較例1は真球度(Fx)が0.5
5、比較例2は酸化マグネシウム含有量が50重量%と
本発明で用いるケイ酸マグネシウム球状微粒子の範囲か
ら外れるケイ酸マグネシウム微粒子をそれぞれ用いる以
外は実施例1に準拠してフィルムを作製し、実施例1〜
7に準拠してアルミニウム金属を蒸着して片面アルミニ
ウム蒸着フィルムを得た。比較各例で得られたフィルム
の特性を表2に示す。表2から明らかなように、用いる
ケイ酸マグネシウム微粒子の真球度が外れる比較例1で
はフィルムのスリップ性および巻き姿が悪化し、酸化マ
グネシウム含有量が外れる比較例2では得られるフィル
ムの耐スクラッチ性が悪化することが分かる。
【0024】比較例3〜8 後述の表1に記載のような添加剤を配合する以外は実施
例1〜7に準拠して、フィルムを作製し、実施例1〜7
に準拠してアルミニウム金属を蒸着して片面アルミニウ
ム蒸着フィルムを得た(但し、比較例3は添加剤を使用
せず)。比較各例で得られたフィルムの特性を表2に示
す。表2から明らかなように、得られたフィルムはスリ
ップ性、ブロッキング性、耐スクラッチ性、巻き姿、蒸
着膜接着性のうちいずれかの特性が劣っていることが分
かる。
【0025】
【発明の効果】本発明の金属蒸着ポリプロピレンフィル
ムは特定のケイ酸マグネシウムの球状微粒子を特定量配
合した組成物を用いているため、得られる金属蒸着フィ
ルムのスリップ性、耐ブロッキング性、耐スクラッチ
性、巻き姿、蒸着膜接着性のいずれの特性も優れてい
る。また、従来から用いられているブロッキング防止剤
であるシリカ、合成ゼオライトおよびスリップ剤である
シリコーンオイルを配合した組成物を用いた金属蒸着フ
ィルムに比べ、いずれの特性にも優れている。さらに本
発明の金属蒸着ポリプロピレンフィルムは、蒸着膜がフ
ィルムに強固に接着し、かつ、蒸着面の印刷性および他
のフィルムとの接着性を低下させることなく、加工適性
が大幅に改善されているので、従来にない広幅で、か
つ、長尺巻の蒸着フィルムを高い生産性で製造すること
ができる。また、スリップ性、耐スクラッチ性、耐ブロ
ッキング性に優れているので、印刷工程、ラミネート工
程、包装工程、製袋工程でもしわや傷が発生しにくく、
生産速度も向上できるといった優れた性能を有してお
り、包装用、装飾用等広範囲な分野に好適に使用するこ
とができる。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性プロピレン共重合体100重量部
    に、平均粒径0.5〜7μm、酸化マグネシウム含有量
    が40重量%以下、真球度(Fx)が0.7以上、BE
    T法による比表面積が500m2/g以上で且つ吸油量
    が150ml/100g以下のケイ酸マグネシウムの球
    状微粒子を0.01〜1重量部配合した組成物を用いて
    得られるフィルムに金属が蒸着された金属蒸着ポリプロ
    ピレンフィルム。
  2. 【請求項2】 結晶性プロピレン共重合体がプロピレン
    成分を80重量%以上含有し、結晶融点が150℃以下
    の結晶性プロピレン−α−オレフィン共重合体である請
    求項1記載の金属蒸着ポリプロピレンフィルム。
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