JP3458730B2 - 内燃機関用インジェクタ駆動方法及び駆動装置 - Google Patents

内燃機関用インジェクタ駆動方法及び駆動装置

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JP3458730B2
JP3458730B2 JP31951898A JP31951898A JP3458730B2 JP 3458730 B2 JP3458730 B2 JP 3458730B2 JP 31951898 A JP31951898 A JP 31951898A JP 31951898 A JP31951898 A JP 31951898A JP 3458730 B2 JP3458730 B2 JP 3458730B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関に燃料を
供給するインジェクタを駆動するインジェクタ駆動方法
及び該駆動方法を実施するために用いるインジェクタ駆
動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関に燃料を供給する手段として、
インジェクタ(電磁式燃料噴射弁)が多く用いられるよ
うになっている。
【0003】インジェクタは、噴口部を開閉するように
設けられて開動作完了位置がストッパにより規制された
バルブと該バルブを駆動するソレノイドコイルとを有し
ていて、該ソレノイドコイルに所定の駆動電流が与えら
れたときにバルブが開いて内燃機関の燃料噴射空間(吸
気管内や燃焼室内の空間)に燃料を噴射する。
【0004】図10はインジェクタ1の一例を示したも
ので、このインジェクタは、先端に噴口部2aを有し、
後端部側に燃料コネクタ2bを有するインジェクタボデ
ィ2と、ソレノイドコイル3aと該ソレノイドコイル3
aに駆動電流が与えられた時に変位を生じる可動鉄心3
bとを有してインジェクタボディ2内に収納されたソレ
ノイド(電磁石)3と、ソレノイド3の可動鉄心3bに
結合されて、可動鉄心3bの変位に伴って噴口部2aを
閉じた状態になる閉位置と噴口部2aを開いた状態にな
る開位置との間を変位するニードルバルブ4と、可動鉄
心3bを介してニードルバルブ4を閉位置側に付勢する
復帰バネ5とを備えている。インジェクタボディ2の後
端部側には、ソレノイドコイル3aの一端及び他端にそ
れぞれ接続された端子a1 及びa2 を有する電気コネク
タ6が設けられている。
【0005】図10に示したインジェクタ1は、噴口部
2aを内燃機関の燃料噴射空間(吸気管内の空間や、燃
焼室内の空間)に臨ませた状態で機関に取り付けられ、
図示しない燃料ポンプから燃料コネクタ2bを通してイ
ンジェクタボディ2内に燃料が所定の圧力で供給され
る。インジェクタボディ2内に供給される燃料の圧力は
プレッシャレギュレータにより一定に保たれる。ソレノ
イドコイル3aはコネクタ6にプラグを介して接続され
る電気コードを通して図示しないインジェクタ駆動装置
に接続され、図示しない制御装置から噴射指令信号が与
えられたときに、インジェクタ駆動装置からソレノイド
コイル3aに駆動電流が供給される。
【0006】インジェクタ1を制御する制御装置は、マ
イクロコンピュータなどを用いて、スロットルバルブの
開度、大気圧、機関の温度、機関の回転速度などの各種
の制御条件に対して燃料噴射時間(燃料の噴射を行わせ
る時間)を演算して、演算した噴射時間に相応した時間
幅(演算した噴射時間の間燃料の噴射を行わせるために
必要な時間幅)を有する矩形波状の噴射指令信号を発生
する。
【0007】インジェクタ駆動装置は、バッテリなどを
電源とした電源部からソレノイドコイル3aに供給する
駆動電流をオンオフするスイッチ手段を備えていて、制
御装置から噴射指令信号が与えられている間スイッチ手
段をオン状態にして電源部からソレノイドコイル3aに
駆動電圧を印加することにより、ソレノイドコイル3a
に所定の大きさの駆動電流を流す。
【0008】ソレノイドコイル3aに駆動電流が与えら
れていない状態では、復帰バネ5によりバルブ4が閉位
置側に付勢された状態にあり、バルブ4により噴口部2
aが液密に閉じられている。この状態でソレノイドコイ
ル3aに所定の駆動電圧が印加されて、該ソレノイドコ
イルに所定の駆動電流が与えられると、可動鉄心3bが
ソレノイドコイル3a側に変位させられ、ニードルバル
ブ4が開位置側(図10において右側)に変位させられ
る。ニードルバルブ4が開位置側に変位すると、該バル
ブ4と噴口部2aとの間に隙間が形成され、この隙間を
通して燃料が噴射させられる。インジェクタの噴口部2
aとバルブ4との間に形成される隙間の断面積及び断面
形状は、可動鉄心3bの変位に伴って変化し、バルブ4
が設定された開動作完了位置に到達したときに、噴口部
とバルブとの間に所定の断面積と断面形状とを有する規
定の隙間が形成された状態になってインジェクタの開動
作が完了する。バルブの開動作完了位置には、該バルブ
を当接させるストッパが設けられていて、バルブが該ス
トッパに当接することにより開動作完了位置が定められ
るようになっている。
【0009】インジェクタ駆動装置に与えられていた噴
射指令信号が消滅して駆動電流が減少させられると、復
帰バネの付勢力により可動鉄心が閉位置側に変位させら
れてバルブが閉位置に戻り、噴口部が閉じられる。
【0010】上記のように復帰バネ5を備えたインジェ
クタ1においては、燃料噴射空間の雰囲気圧力(吸気管
内に噴射する場合には吸気管内の圧力、シリンダ内に直
に噴射する場合には、ピストンにより圧縮された状態に
ある燃焼室内の圧力)によりバルブ4が押し戻されて噴
口部2aが開くと燃料が逆流するため、復帰バネ4のイ
ニシャルロード(ソレノイドコイルが励磁されていない
状態での付勢力)を上記雰囲気圧力に打ち勝つことがで
きる大きさに設定しておく必要がある。インジェクタを
駆動する際には、この復帰バネの付勢力に抗して可動鉄
心を開位置側に動かす必要がある。
【0011】この種のインジェクタでは、復帰バネの付
勢力に打ち勝って噴口部2aを開く際にその開弁動作を
速やかに行わせるために大きな駆動電流を必要とする
が、一旦開いた噴口部を開状態に保持する際には、それ
ほど大きな駆動電流は必要とせず、噴口部2aを開く過
程で必要とする駆動電流のピーク値よりも小さい保持電
流を流すだけで、噴口部2aを開状態に保持することが
できる。そのため、インジェクタ駆動回路は、噴口部2
aを開く際にソレノイドコイル3aに大きな駆動電流を
流し、噴口部2aが開いた後は駆動電流を保持電流値ま
で減少させるように構成される。
【0012】インジェクタから噴射される燃料の量(機
関への燃料供給量)は、インジェクタのバルブが開いて
いる時間と、燃料ポンプからインジェクタボディ内に与
えられる燃料の圧力との積により決まる。インジェクタ
ボディ内に与えられる燃料の圧力はプレッシャレギュレ
ータにより一定に制御されているため、燃料噴射量は、
インジェクタの噴口部が開いている時間(開弁時間)を
制御することにより、即ち、噴射指令信号の時間幅を制
御することにより制御することができる。
【0013】インジェクタにおいては、バルブと噴口部
との間の隙間の断面形状と断面積とが燃料の噴射量、噴
霧角度、噴霧粒径及び噴霧粒速を決める重要な要素であ
る。従って、燃料噴射量を適確に制御するためには、燃
料の噴射を行わせる際のバルブと噴口部との間の隙間の
断面形状と断面積とを一定に保つことが必要である。バ
ルブが閉位置から開位置に向けて変位するまでの過渡状
態は、噴口部から燃料が正常に噴射されず、燃料が漏れ
る状態であるため、燃料噴射量の制御に用いることがで
きない。
【0014】従って、燃料の噴射量を適確に制御するた
めには、燃料を噴射する際にインジェクタのバルブを開
動作完了位置に保持しておくことが必要である。また燃
料の噴射量を適確に制御するためには、インジェクタか
らの最小管理噴射量(正確に管理し得る噴射量の最小
値)をできるだけ低くし、最大管理噴射量(正確に管理
し得る噴射量の最大値)をできるだけ多くしてダイナミ
ックレンジを大きくすることが望ましく、そのために
は、噴射指令が与えられた時にできるだけ速やかにバル
ブ4を閉位置から設定された開位置へと変位させて、制
御に用いることができないインジェクタの開弁過渡時間
をできるだけ短くすることが必要である。
【0015】インジェクタを駆動する方式としては、サ
チュレーテッド方式と、ピークホールド方式とが知られ
ている。
【0016】図6はサチュレーテッド方式を採用したイ
ンジェクタ駆動装置の構成を示したもので、同図におい
て3aはインダクタンス3a1と抵抗分3a2とを有するイ
ンジェクタのソレノイドコイルである。ソレノイドコイ
ル3aの一端はエミッタが接地されたNPNトランジス
タTR1 のコレクタに接続され、該トランジスタのベー
スは抵抗r1 を通してエミッタに接続されるとともに、
抵抗r2 を通して図示しない制御装置の出力端子に接続
されている。ソレノイドコイルの他端は負極端子が接地
されたバッテリBの正極端子に抵抗r3 を通して接続さ
れている。
【0017】図7は図6に示したインジェクタ駆動装置
の動作を示した波形図で、図7(A)はソレノイドコイ
ル3aの両端に印加される電圧VLiを示し、同図(B)
はソレノイドコイルを通して流れる駆動電流Id を示し
ている。また図7(C)はバルブの位置Pを示し、P1
及びP2 はそれぞれバルブの閉位置及びバルブがストッ
パに当接した状態になる開動作完了位置を示している。
【0018】図6に示したインジェクタ駆動装置におい
て、図7に示す時刻tO で図示しない制御装置が噴射指
令信号を発生すると、トランジスタTR1 が導通するた
め、バッテリBの両端の電圧がソレノイドコイルに印加
される。時刻to においては、ソレノイドコイルを通し
て流れる電流が零であるため、図7(A)に示すよう
に、印加電圧はすべてソレノイドコイル3aに加わる。
ソレノイドコイルに電圧が印加されると、図7(B)に
示すようにソレノイドコイルを通して流れる駆動電流I
d が指数関数的に増加していき、この駆動電流が所定の
レベルIo に達すると、バルブが開動作を開始する。駆
動電流がピークに達するとバルブが開動作完了位置P2
に到達し、バルブの開動作が完了する。駆動電流はピー
クに達した後飽和し、バルブは開動作完了位置に保持さ
れる。時刻t1 において、噴射指令信号が消滅すると、
トランジスタTR1 が遮断状態になるため、ソレノイド
コイルに流れる駆動電流が減衰し、バルブは閉位置に復
帰する。
【0019】このサチュレーテッド方式では、バルブが
開動作完了位置に向けて変位していく過程で駆動電流の
増加に伴ってソレノイドコイルに印加される電圧が低下
するため、開弁動作に比較的時間がかかる。
【0020】図8はピークホールド方式を採用したイン
ジェクタ駆動装置の構成を示したもので、この駆動装置
においては、図6に示した回路に、PNPトランジスタ
TR2 と抵抗r4 及びr5 とからなるピーク電流供給回
路を付加した構成を有している。図9は図8のインジェ
クタ駆動装置の動作波形を示したもので、図9(A)は
ソレノイドコイル3aの両端の電圧の波形を示し、
(B)はソレノイドコイル3aを流れる駆動電流Id の
波形を示している。また図9(C)はバルブの動作を示
したもので、P1 及びP2 はそれぞれバルブの閉位置及
び開動作完了位置を示している。
【0021】図8に示したインジェクタ駆動装置におい
ては、時刻to で噴射指令信号が与えられた時に、先ず
トランジスタTR2 のベースに駆動信号が与えられて、
該トランジスタTR2 が導通状態にされる。これにより
バッテリBからトランジスタTR2 とソレノイドコイル
3aとを通して駆動電流Id が流れ、該駆動電流が所定
の電流値Io に達した時にバルブの開動作が開始され
る。その後駆動電流Idがピーク値に達するまでの間に
バルブが開動作完了位置P2 に到達し、バルブの開動作
が完了する。バルブが開動作完了位置に到達した後、時
刻t1 においてトランジスタTR2 に与えられていた駆
動信号が消滅させられて該トランジスタTR2 が遮断状
態にされるとともに、トランジスタTR1 に駆動信号が
与えられて該トランジスタTR1 が導通状態にされる。
これにより、ソレノイドコイル3aに印加される電圧が
低下させられ、駆動電流Id がバルブを開動作完了位置
に保持するために必要な保持電流値Ih まで低下させら
れる。時刻t2 で噴射指令信号が消滅するまでの間ソレ
ノイドコイル3aに保持電流Ih が供給される。
【0022】図8に示したピークホールド方式のインジ
ェクタ駆動装置では、噴射指令信号が与えられた時に、
ソレノイドコイルに大きな駆動電流を流すため、開弁動
作に要する時間を短縮することができる。また開弁動作
が完了した後は、バルブを開動作完了位置に保持するた
めに必要な保持電流Ih まで駆動電流を低下させるた
め、ソレノイドコイルからの発熱を少なくしてインジェ
クタの温度上昇を抑制することができる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、図6に
示したサチュレーテッド方式のインジェクタ駆動装置を
用いた場合には、バルブの開動作が完了するまでに時間
がかかるため、インジェクタのダイナミックレンジが小
さくなるのを避けられなかった。
【0024】図8に示したピークホールド方式のインジ
ェクタ駆動装置では、開弁動作の初期に流す駆動電流の
ピーク値を大きくすることにより、バルブの開動作に要
する時間を短縮することができる。しかしながら、この
方式では、駆動電流Id がピーク値に向けて上昇してい
く過程でバルブを開動作完了位置に到達させてストッパ
に当接させるため、開弁動作を行わせる際の駆動電流の
ピーク値を大きくすると、バルブがストッパに当接する
際の衝撃が大きくなり、バルブの作動音が大きくなると
いう問題があった。また開弁動作時に流す駆動電流のピ
ーク値を大きくすると、バルブがストッパに衝突した後
にバウンドして図9(C)に見られるように振動が生じ
るため、バルブの開動作が完了した直後の噴射量が不安
定になるおそれがあった。これらの現象を抑制するため
に、図8に示した駆動装置では、開弁動作の初期に流す
駆動電流のピーク値が制限され、その分開弁動作時間の
短縮効果が減殺されるという問題があった。
【0025】本発明の目的は、バルブがストッパに当接
する際の衝撃を少なくして、しかも開弁動作に要する時
間を短縮することができるようにした内燃機関用インジ
ェクタ駆動方法及び該駆動方法を実施するために用いる
内燃機関用インジェクタ駆動装置を提供することにあ
る。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明のインジェクタ駆
動方法は、噴口部を開閉するように設けられて開動作完
了位置がストッパにより規制されたバルブと該バルブを
駆動するソレノイドコイルとを有して、該ソレノイドコ
イルに所定の大きさの電流が与えられたときにバルブが
前記開動作完了位置に移動して内燃機関の燃料噴射空間
に燃料を噴射するインジェクタを、噴射指令信号(燃料
の噴射を行わせることを指令する信号)に応答して駆動
する内燃機関用インジェクタ駆動方法に関わるものであ
る。
【0027】本発明においては、噴射指令信号が与えら
れる前にピーク電流供給用コンデンサを充電しておき、
噴射指令信号が与えられた時にピーク電流供給用コンデ
ンサの充電を阻止した状態でピーク電流供給用コンデン
サの電荷をソレノイドコイルを通して放電させることに
より、ソレノイドコイルに振動電流を流して、該振動電
流が最初のピークを過ぎた後に迎える最初の零クロス点
付近のタイミングでバルブを開動作完了位置に到達さ
せ、振動電流が最初の零クロス点を過ぎてその極性が反
転した後、バルブが開動作完了位置にある間に該バルブ
を開動作完了位置に保持するために必要な大きさの保持
電流をソレノイドコイルに流して燃料の噴射を終了する
までの間該保持電流を流した状態を保持する。
【0028】上記のように、ピーク電流供給用コンデン
サの充電を阻止した状態で、該ピーク電流供給用コンデ
ンサの電荷をソレノイドコイルとスイッチ手段とを通し
て放電させると、LCRの閉回路で生じる振動電流が駆
動電流としてソレノイドコイルに流れる。ピーク電流供
給用コンデンサの充電電圧を十分に高くし、振動電流の
周波数を高くして振動電流の立上りを十分に速くしてお
くと、噴射指令信号が与えられた時に、立上りの速い電
流を開弁電流として流すことができ、バルブを開動作完
了位置に向けて速やかに移動させることができる。また
振動電流の立上りを十分に速くしておくことにより、振
動電流が最初のピークを過ぎた後に迎える最初の零クロ
ス点付近のタイミングでバルブが開動作完了位置に到達
するように設定することができる。
【0029】このように、振動電流が最初のピークを過
ぎた後に迎える零クロス点付近でバルブが開動作完了位
置に到達するようにしておくと、ソレノイドの出力トル
クが小さくなっている状態でバルブを開動作完了位置に
到達させて、ストッパに当接させることができる。その
ため、バルブがストッパに当接する際に生じる衝撃を少
なくすることができ、開弁動作を速やかに行わせて、し
かもバルブの作動音を小さくすることができる。またバ
ルブがストッパに当接する際の衝撃を緩和できるため、
開動作完了時に生じるバルブの振動を少なくして、開動
作完了直後の噴射量を安定にすることができる。更に、
バルブの開動作完了時に生じる衝撃を緩和できるため、
インジェクタの寿命を長くすることができる。
【0030】特に、機関の燃焼室内に直接燃料を噴射す
る筒内噴射を行わせるために用いるインジェクタでは、
バルブを閉位置に保持するためのバネの付勢力を強くし
ておく必要があるため、バルブを迅速に開くためにソレ
ノイドから大きな駆動力を発生させる必要があるが、上
記の方法によりインジェクタを駆動すれば、ピーク電流
供給用コンデンサの充電電圧を十分に高くしておくこと
により、開弁電流のピーク値を十分に大きくすることが
できるため、筒内噴射用のインジェクタであってもその
駆動を容易に行わせることができる。また上記の方法に
よると、開弁電流の立上りを十分に速くして、ソレノイ
ドコイルに大きな開弁電流が流れる時間を短くすること
ができるため、ソレノイドコイルからの発熱を過大にす
ることなく、開弁時間を短くすることができる。
【0031】本発明に係わる内燃機関用インジェクタ駆
動装置は、噴口部を開閉するように設けられて開動作完
了位置がストッパにより規制されたバルブと該バルブを
駆動するソレノイドコイルとを有して、該ソレノイドコ
イルに所定の大きさの電流が与えられたときにバルブを
開いて内燃機関の燃料噴射空間に燃料を噴射するインジ
ェクタを、噴射指令信号に応答して駆動するものであっ
て、本発明においては、一定の直流電圧を出力する充電
用電源と、ソレノイドコイルに対して直列に接続されて
充電用電源の出力電圧により充電されるピーク電流供給
用コンデンサと、開動作完了位置に変位したバルブを開
動作完了位置に保持するためにソレノイドコイルに流す
必要がある保持電流を出力する保持電流供給用電源と、
ピーク電流供給用コンデンサとソレノイドコイルとの直
列回路に対して並列に接続されるとともに、充電用電源
の出力端子間に対して並列に接続されて噴射指令信号が
与えられた時に導通するピーク電流供給用スイッチ手段
を有して該ピーク電流供給用スイッチ手段が導通したと
きに充電用電源の出力を短絡してピーク電流供給用コン
デンサの充電を阻止するとともに該コンデンサに蓄積さ
れた電荷をソレノイドコイルを通して放電させるための
閉回路を構成するスイッチ回路と、保持電流供給用電源
とソレノイドコイルとの間に設けられて導通した際に保
持電流供給用電源からソレノイドコイルに保持電流を供
給するように設けられた保持電流供給用スイッチ手段
と、噴射指令信号が与えられた時にピーク電流供給用ス
イッチ手段を導通させて上記閉回路を流れる振動電流が
最初のピークを過ぎた後その極性が反転したときにピー
ク電流供給用スイッチ手段を遮断状態にし、噴射指令信
号が与えられてから所定の初期駆動期間が経過した時に
保持電流供給用スイッチ手段を導通させて燃料の噴射を
終了するまでの間該保持電流供給用スイッチ手段を導通
状態に保持するようにピーク電流供給用スイッチ手段及
び保持電流供給用スイッチ手段を制御するスイッチ制御
装置とを設ける。
【0032】そして、ピーク電流供給用スイッチ手段が
導通したときに上記閉回路を流れる振動電流が最初のピ
ークを過ぎた後に迎える最初の零クロス点付近のタイミ
ングでバルブが開動作完了位置に到達するように、上記
ピーク電流供給用コンデンサの充電電圧と閉回路の回路
定数とを設定し、初期駆動期間内に前記振動電流が最初
の零クロス点を迎えてその極性が反転するように初期駆
動期間の長さを設定する。
【0033】上記のインジェクタ駆動装置においては、
噴射指令信号が与えれる前に充電用電源の出力によりピ
ーク電流供給用コンデンサが充電される。噴射指令信号
が与えられると、ピーク電流供給用スイッチ手段が導通
してピーク電流供給用コンデンサの電荷をソレノイドコ
イルを通して放電させる閉回路を形成するため、該閉回
路を通して振動電流が流れる。本発明においては、この
振動電流が最初のピークを過ぎた後に迎える最初の零ク
ロス点付近のタイミングでインジェクタのバルブが開動
作完了位置に到達するようにしてあるため、バルブが開
動作完了位置に到達してストッパに当接する際には、ソ
レノイドのトルクが小さくなっている。そのため、バル
ブがストッパに当接する際に生じる衝撃を少なくするこ
とができ、バルブの作動音を小さくすることができる上
に、インジェクタの寿命を長くすることができる。また
バルブがストッパに当接する際の衝撃を緩和することが
できるため、開動作完了時に生じるバルブの振動を少な
くして、開動作完了直後の噴射量を安定にすることがで
きる。
【0034】また上記のように、ピーク電流供給用スイ
ッチ手段を充電用電源の出力端子間に対して並列に接続
しておくと、噴射指令信号に応答して該スイッチ手段が
導通したときに充電用電源の出力を短絡してピーク電流
供給用コンデンサの充電を阻止するため、ピーク電流供
給用コンデンサの充電を阻止した状態で該コンデンサの
放電を行わせることができる。
【0035】上記スイッチ回路は、充電用電源の出力電
圧により充電されたピーク電流供給用コンデンサの両端
の電圧及び充電用電源の出力電圧がアノードカソード間
に順方向に印加される向きにしてソレノイドコイルとピ
ーク電流供給用コンデンサとの直列回路に対して並列に
接続されるとともに、充電用電源の出力端子間に並列に
接続されたピーク電流供給用サイリスタと、ピーク電流
供給用サイリスタのアノードカソード間に逆並列接続さ
れたダイオードとにより構成することができる。
【0036】また保持電流供給用スイッチ手段は、保持
電流供給用電源とソレノイドコイルとの間にコレクタエ
ミッタ間回路が挿入されて、導通した際に保持電流供給
用電源からソレノイドコイルに保持電流を供給するよう
に設けられた保持電流供給用トランジスタにより構成す
ることができる。
【0037】この場合、スイッチ制御装置は、噴射指令
信号が与えられた時にピーク電流供給用サイリスタを導
通させ、噴射指令信号が与えられてから所定の初期駆動
期間が経過した時に保持電流供給用トランジスタを導通
させて、噴射指令信号が消滅するまでの間該保持電流供
給用トランジスタを導通状態に保持するように構成す
る。
【0038】また、ピーク電流供給用サイリスタが導通
したときにピーク電流供給用コンデンサとソレノイドコ
イルとピーク電流供給用サイリスタ及びダイオードとに
より構成された閉回路を流れる振動電流が最初のピーク
を過ぎた後に迎える最初の零クロス点付近のタイミング
でバルブが開動作完了位置に到達するようにピーク電流
供給用コンデンサの充電電圧と閉回路の回路定数とを設
定し、初期駆動期間内に上記振動電流が最初の零クロス
点を過ぎてその極性が反転するように初期駆動期間の長
さを設定する。
【0039】本発明においては、インジェクタに開弁電
流を流す際に、ピーク電流供給用コンデンサの充電を阻
止した状態で、該コンデンサとソレノイドコイルとスイ
ッチ回路とにより構成される閉回路を通してピーク電流
供給用コンデンサを放電させることが重要である。その
ため、開弁電流を流す際には充電用電源の出力がピーク
電流供給用コンデンサに印加されないようにしておくこ
とが必要である。
【0040】本発明においては、ピーク電流供給用スイ
ッチ手段が導通したときにピーク電流供給用コンデンサ
と該スイッチ手段を含むスイッチ回路とソレノイドコイ
ルとからなる閉回路を通して放電させることによりソレ
ノイドコイルに振動電流を流して、該振動電流が最初の
ピークを過ぎた後に迎える零クロス点付近のタイミング
でインジェクタのバルブを開動作完了位置に到達させ
る。そのためには、振動電流の立上りを十分に速くする
とともに、その最初のピーク値を従来のピークホールド
方式のインジェクタ駆動方法で流していたピーク電流の
ピーク値よりも十分に大きくすることにより、噴射指令
信号が与えられると同時にバルブを開動作完了位置に向
けて高速度で変位させ、振動電流が最初のピークを過ぎ
てソレノイドのトルクが低下した後は、バルブを慣性に
より開動作完了位置に向けて変位させて、振動電流が最
初のピークを過ぎて最初に迎える零クロス点付近で、該
バルブを開動作完了位置に到達させるようにする。
【0041】上記のような波形の開弁電流を得るために
は、ピーク電流供給用コンデンサを放電させる閉回路を
流れる電流の振動が減衰振動となるように、閉回路の回
路定数が設定されていることが必要である。閉回路に存
在するインダクタンスをL、静電容量をC、抵抗分をR
とすると、周知のように、該閉回路を通してピーク電流
供給用コンデンサの電荷を放電させた際に流れる電流の
振動を減衰振動とするための条件は、R2 <4L/Cで
ある。
【0042】本発明において、保持電流供給用スイッチ
手段を導通状態にするタイミング(所期駆動期間の終
期)は、次の条件を満たすように設定する。
【0043】イ.閉回路を流れる振動電流が最初のピー
クを過ぎた後、最初に迎える零クロス点付近の時刻とす
ること。
【0044】ロ.バルブが開動作完了位置に到達した後
の時刻であること。
【0045】ハ.ソレノイドのトルクが低下してバルブ
が復帰バネの付勢力により開動作完了位置から離れる時
刻よりは前の時刻であること。
【0046】ニ.インジェクタのバルブを開動作完了位
置に到達させる開弁動作から、該バルブを開動作完了位
置に保持する保持動作への移行を安定に行わせることが
できる時刻であること。
【0047】本発明において、開弁電流は、常に、定数
が決まったLCRの閉回路を流れる振動電流であるた
め、ピーク電流供給用コンデンサの充電電圧を一定にし
ておけば、上記保持電流供給用スイッチ手段を導通させ
るタイミングは常に一定にすることができる。従って、
保持電流供給用スイッチ手段を導通状態にするタイミン
グ(所期駆動期間の終期)は、計算及び実験などにより
予め決めておけばよく、機関の回転数などに応じて制御
する必要はない。
【0048】上記ピーク電流供給用コンデンサを充電す
る充電用電源は、該コンデンサを十分に高い電圧まで充
電することができるように、出力電圧が高いものである
ことが必要である。この充電用電源部としては、内燃機
関により駆動される磁石式交流発電機内の発電コイルの
出力電圧を整流する整流回路と、該整流回路の出力電圧
を一定値に保つように制御する定電圧制御回路とにより
構成することができる。またバッテリと該バッテリの出
力電圧を昇圧して一定の高電圧を出力するDC−DCコ
ンバータとにより充電用電源部を構成することもでき
る。
【0049】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係わる内燃機関用
インジェクタ駆動方法を実施するために用いるインジェ
クタ駆動装置の構成を示したものである。図1におい
て、3aは一端が接地されたインジェクタのソレノイド
コイルで、ソレノイドコイル3aは、インダクタンス3
a1と抵抗分3a2とを有している。10は内燃機関により
駆動される磁石式交流発電機内に設けられたインジェク
タ駆動用発電コイルで、この発電コイルは、機関の回転
に同期して交流電圧を発生する。発電コイル10の出力
は整流回路11により整流された後定電圧電源回路12
に入力されている。定電圧電源回路12は、例えば整流
回路11の出力により充電される電源コンデンサと、該
電源コンデンサの充電電圧を一定値に保つように制御す
る制御回路とからなっていて、一定の直流電圧をコンデ
ンサ充電用電圧として出力する。この例では、発電コイ
ル10と整流回路11と定電圧電源回路12とにより、
充電用電源13が構成されている。
【0050】ソレノイドコイル3aの他端にはピーク電
流供給用コンデンサ14の一端が接続されて、該コンデ
ンサとソレノイドコイル3aとが直列に接続され、ピー
ク電流供給用コンデンサ14とソレノイドコイル3aと
の直列回路の両端には、カソードをコンデンサ14の他
端に接続したダイオード15を通して充電用電源13の
出力電圧が印加されている。従って、ピーク電流供給用
コンデンサ14は充電用電源13の出力電圧によりダイ
オード15とソレノイドコイル3aを通して図示の極性
に充電される。
【0051】ピーク電流供給用コンデンサ14とソレノ
イドコイル3aとの直列回路の両端にはまた、ピーク電
流供給用サイリスタ16がそのカソードを接地側に向け
た状態で接続され、サイリスタ16の両端にはダイオー
ド17が逆並列接続されている。サイリスタ16のゲー
トカソード間には抵抗18が接続され、スイッチ制御装
置19のトリガ信号出力端子19aが抵抗20を通して
サイリスタ16のゲートに接続されている。
【0052】図示の例では、サイリスタ16と抵抗18
及び20とにより、ピーク電流供給用スイッチ手段が構
成されている。またこのピーク電流供給用スイッチ手段
とダイオード17とにより双方向に電流を流し得るスイ
ッチ回路21が構成され、サイリスタ16が導通したと
きに、コンデンサ14−スイッチ回路21−ソレノイド
コイル3a−コンデンサ14の閉回路が構成されて、こ
の閉回路を通して振動電流が流れるようになっている。
【0053】また22は保持電流供給用電源で、図示の
例では、保持電流供給用電源22がバッテリからなって
おり、その負極端子が接地されている。保持電流供給用
電源22の正極端子はPNPトランジスタからなる保持
電流供給用トランジスタ23のエミッタに接続され、該
トランジスタ23のコレクタは抵抗24とダイオード2
5とを通してソレノイドコイル3aとピーク電流供給用
コンデンサ14との接続点に接続されている。トランジ
スタ23のエミッタベース間には抵抗26が接続され、
トランジスタ23のベースは抵抗27を通してスイッチ
制御装置19の駆動信号出力端子19bに接続されてい
る。トランジスタ23と抵抗24,26及び27とによ
り、保持電流供給用スイッチ手段28が構成されてい
る。
【0054】図1に示した内燃機関用インジェクタ駆動
装置においては、内燃機関の回転に伴って磁石発電機内
の発電コイル10が発生する電圧により整流回路11と
定電圧電源回路12とを通して充電用電源13が一定の
直流電圧を出力する。サイリスタ16が遮断状態にある
ときに、充電用電源13が出力する一定の直流電圧によ
り、ダイオード15とソレノイドコイル3aとを通し
て、ピーク電流供給用コンデンサ14が図示の極性に充
電される。
【0055】図2は、図1の各部の信号波形とバルブの
動作とを示したもので、図2において、(A)は噴射指
令信号Vj の波形を示し、(B)及び(C)はそれぞれ
スイッチ制御装置19の出力端子19a及び19bから
出力される信号の波形を示している。また図2(D)は
ソレノイドコイル3aを流れる駆動電流Id の波形を示
し、(E)はインジェクタのバルブの位置Pの変化を示
している。図2(E)において、P1 はインジェクタの
バルブの閉位置を示し、P2 は開動作完了位置を示して
いる。
【0056】スイッチ制御装置19には、燃料の噴射開
始時期に図示しないインジェクタ制御装置から噴射指令
信号Vj が与えられる。インジェクタ制御装置は例えば
マイクロコンピュータを備えていて、内燃機関の回転数
やスロットルバルブ開度、あるいは大気圧などの各種の
制御条件に対して燃料の噴射開始時期と噴射時間とを演
算して、演算した噴射時間に相応した信号幅を有する矩
形波状の噴射指令信号Vj を発生する。
【0057】図2(A)に示すように、噴射指令信号V
j は燃料の噴射を開始する時期に立上る矩形波状の信号
で、その信号幅は燃料を噴射する時間(燃料噴射時間)
に相応している。
【0058】スイッチ制御装置19は、噴射指令信号V
j が与えられたときに、図2(B)に示すようなパルス
波形のトリガ信号Vg を出力端子19aからサイリスタ
16に与える。スイッチ制御装置19はまた、噴射指令
信号Vj が与えられた時刻から一定の初期駆動期間To
が経過した時に出力端子19bの電位Vb を高レベルの
状態から低レベル(接地電位)の状態に変化させ、噴射
指令信号Vj が消滅した時に出力端子19bの電位Vb
を高レベルの状態に復帰させる。
【0059】スイッチ制御装置19は、例えば、噴射指
令信号Vj の立上りを微分してパルス信号(トリガ信号
Vg )を発生する微分回路と、噴射指令信号Vj が発生
したときに初期駆動期間To の計測を開始する時限動作
を開始して、初期駆動期間の計測が完了した時に出力端
子の電位を高レベルの状態から低レベルの状態に変化さ
せるタイマ回路とにより構成できる。
【0060】時刻t1 で噴射指令信号Vj が与えられ
て、サイリスタ16にトリガ信号Vgが与えられると、
ピーク電流供給用コンデンサ14の両端の電圧が順方向
に印加されているサイリスタ16が導通する。サイリス
タ16が導通すると、充電用電源13の出力端子間が短
絡されるため、充電用電源13によるピーク電流供給用
コンデンサ14の充電が阻止される。またサイリスタ1
6が導通すると、ピーク電流供給用コンデンサ14の電
荷がサイリスタ16とソレノイドコイル3aとを通して
放電する。この放電によりピーク電流供給用コンデンサ
14が図示の極性と反対の極性に充電されると、サイリ
スタ16のアノードカソード間が逆バイアスされるた
め,サイリスタ16を流れていたアノード電流が保持電
流値以下になった時に該サイリスタ16が遮断状態にな
る。ピーク電流供給用コンデンサ14の最初の放電によ
り、該コンデンサが図示の極性と反対の極性に充電され
るとコンデンサ14の電荷がソレノイドコイル3aとダ
イオード17とを放電する。このようにして、コンデン
サ14とスイッチ回路21とソレノイドコイル3aとか
らなる閉回路を通して図2(D)に示すような振動電流
Id1が流れ、この振動電流が開弁電流となる。上記閉回
路を通して振動電流Id1が流れると、インジェクタのバ
ルブが閉位置P1 から開動作完了位置P2 に向けて変位
する。本発明においては、バルブが開動作完了位置P2
に到達する前に振動電流Id1がピークを過ぎて最初の零
クロス点tz に向けて減衰していくように、振動電流の
周波数を十分に高くして、その立上りを速くしておく。
また振動電流Id1がピークに達するまでの間にバルブを
十分に加速して、振動電流がピークを過ぎて減衰してい
く過程でもバルブが開動作完了位置側への変位を続ける
ように、振動電流のピーク値を十分に大きくしておき、
振動電流Id1が最初のピークを過ぎた後に最初に迎える
零クロス点tZ 付近のタイミングta でバルブが開動作
完了位置P2 に到達するように、閉回路の回路定数(ソ
レノイドコイル3aのインダクタンスL及び抵抗分R、
コンデンサ14の静電容量Cなど)とピーク電流供給用
コンデンサ14の充電電圧とを設定しておく。
【0061】そして、バルブが開動作完了位置に到達し
た後、該バルブが開動作完了位置に保持されている間
に、スイッチ制御装置19の出力端子の電位を低下させ
て(保持電流供給用スイッチ手段を構成するトランジス
タ23に駆動信号を与えて)、トランジスタ23を導通
状態にし、保持電流供給用電源22からトランジスタ2
3のエミッタコレクタ間−抵抗24−ダイオード25−
ソレノイドコイル3a−保持電流供給用電源22の経路
でソレノイドコイル3aに保持電流Id2を流して、バル
ブを開動作完了位置に保持する。噴射指令信号Vj が消
滅した時にスイッチ制御装置19の出力端子19bの電
位を高レベルにしてトランジスタ23を遮断状態にして
ソレノイドコイルへの保持電流の供給を停止させ、イン
ジェクタのバルブを閉位置に復帰させる。
【0062】なお図5(A),(B)は、LCRの閉回
路に流れる減衰振動の振動電流のみをソレノイドコイル
3aに流したときのバルブの位置の変化を示している。
図5に示したように、ソレノイドコイルに振動電流のみ
を流した場合には、振動電流の最初の零クロス点ではバ
ルブが開動作完了位置に保持されるが、2回目以降の零
クロス点付近ではバルブが開動作完了位置P2 から離れ
る現象が生じる。従って、保持電流への切替は、最初の
零クロス点の直後に行うのが好ましい。
【0063】上記のように、振動電流が最初のピークを
過ぎた後に迎える零クロス点付近でバルブが開動作完了
位置に到達するようにしておくと、ソレノイドの出力ト
ルクが小さくなっている状態でバルブを開動作完了位置
に到達させて、ストッパに当接させることができる。そ
のため、バルブがストッパに当接する際に生じる衝撃を
少なくすることができ、バルブの開弁動作を速やかに行
わせて、しかもバルブの作動音を小さくすることができ
る。またバルブがストッパに当接する際の衝撃を緩和で
きるため、開動作完了時に生じるバルブの振動を少なく
して、開動作完了直後の噴射量を安定にすることができ
る。更に、バルブの開動作完了時に生じる衝撃を緩和で
きるため、インジェクタの寿命を長くすることができ
る。
【0064】本発明のインジェクタ駆動方法により、開
弁動作を迅速に行わせるためには、ピーク電流供給用コ
ンデンサ14の充電電圧を充分に高くして開弁動作時に
ソレノイドコイルに流れる振動電流の最初のピーク値を
大きくする必要があるが、バルブが開動作完了位置に到
達する際にソレノイドコイルに流れている電流は小さい
方がよいので、ピーク電流供給用コンデンサ14として
は静電容量が小さいものを用いればよい。
【0065】本明細書では、噴射指令信号が発生する時
期を噴射開始時期としているが、噴射指令信号が与えら
れてから実際にインジェクタのバルブが開くまでには遅
れがあるため、噴射指令信号の発生時期と実際の噴射開
始時期とは厳密には一致しない。インジェクタからの燃
料噴射量は、インジェクタのバルブが実際に開状態を保
持する時間と該インジェクタに与えられる燃料の圧力と
により決まるので、噴射指令信号の時間幅は、インジェ
クタのバルブの開動作の遅れ時間を考慮して演算する。
【0066】開弁電流Id1の波形を上記のような波形に
するためには、ピーク電流供給用コンデンサを閉回路を
通して放電させた際に生じる振動を減衰振動するように
閉回路の回路定数を設定することが必要がある。ソレノ
イドコイル3aのインダクタンスをL、抵抗分をR及び
ピーク電流供給用コンデンサ14の静電容量をCとする
と、ピーク電流供給用コンデンサ14とスイッチ回路2
1とソレノイドコイル3aとにより構成される閉回路を
流れる電流に生じる振動を減衰振動とするために必要な
条件は、周知のように、R2 <4L/Cである。すなわ
ち、ピーク電流供給用コンデンサ15の放電を行わせる
LCRの閉回路は、少なくともR2 <4L/Cの条件を
満たす回路であることが必要である。
【0067】上記閉回路の回路定数は一定であるため、
保持電流供給用トランジスタ23を遮断状態にする時刻
(初期駆動期間To )は、実験または計算により予め求
めた適当な時刻に固定することができ、制御する必要は
ない。
【0068】本発明においては、開弁動作の開始時にソ
レノイドコイルにピーク値が大きな開弁電流を流すの
で、インジェクタとしては、線径が大きいコイル導体を
用いてソレノイドコイルを巻回して、その内部抵抗を1
〜2Ω程度に小さくしたものを用いるのが好ましい。機
関の燃焼室内に直接燃料を噴射するために一般に用いら
用れている筒内噴射用インジェクタはこのような条件を
満たしているので、本発明は、筒内噴射用インジェクタ
を駆動する場合に特に有用である。
【0069】上記の例では、ピーク電流供給用コンデン
サ14を充電する充電用電源13を、磁石式交流発電機
内の発電コイルと、該発電コイルの出力電圧を整流して
定電圧化する回路とにより構成したが、バッテリと該バ
ッテリの電圧を昇圧するDC−DCコンバータ(チョッ
パ回路)とにより充電用電源13を構成することもでき
る。
【0070】また保持電流供給用電源22も上記の例に
限定されるものではなく、磁石発電機の出力を整流して
一定の直流電圧を出力する回路により保持電流供給用電
源18を構成することもできる。
【0071】図3は、図1に示したインジェクタ駆動装
置のスイッチ制御装置19の具体的な構成例を示したも
のである。図3に示した例では、マイクロコンピュータ
30によりインジェクタ制御装置が構成されていて、マ
イクロコンピュータ30の出力ポートから噴射指令信号
Vj が出力される。マイクロコンピュータ30の出力ポ
ートにはエミッタが接地されたPNPトランジスタ31
のベースが抵抗32を通して接続され、トランジスタ3
1のベースエミッタ間には抵抗33が接続されている。
トランジスタ31のコレクタは抵抗34を通して図示し
ない直流電源の正極端子に接続されるとともに、抵抗3
5を通してPNPトランジスタ36のベースに接続され
ている。トランジスタ36のエミッタは図示しない直流
電源の正極端子に接続され、エミッタベース間には抵抗
37が接続されている。トランジスタ36のコレクタは
抵抗38を通して接地電位部に接続されるとともに、微
分コンデンサ39を通して、サイリスタ16のゲートに
接続されている。この例では、微分コンデンサ39とサ
イリスタ16のゲートカソード間に接続された抵抗18
とにより微分回路が構成されている。
【0072】トランジスタ31のコレクタはまた、エミ
ッタが接地されたNPNトランジスタ40のベースに抵
抗41を通して接続されている。トランジスタ40のベ
ースエミッタ間にはタイマコンデンサ42が接続され、
抵抗41の両端にはカソードをトランジスタ40のベー
ス側に向けたダイオード43が接続されている。トラン
ジスタ40のコレクタは抵抗44を通して直流電源回路
の正極端子に接続されるとともに、抵抗45を通してN
PNトランジスタ46のベースに接続されている。トラ
ンジスタ46のベースエミッタ間には抵抗47が接続さ
れ、トランジスタ46のコレクタとトランジスタ23の
ベースとの間が抵抗27を通して接続されている。その
他の点は図1に示したインジェクタ駆動装置と同様に構
成されている。
【0073】図3のインジェクタ駆動装置の各部の信号
波形を図4に示した。図4(A)はマイクロコンピュー
タ30が出力する噴射指令信号Vj を示し、(B)はサ
イリスタ16に与えられるトリガ信号Vg を示してい
る。また(C)はコンデンサ42の両端の電圧Vc を示
し、(D)はトランジスタ40のコレクタと接地電位部
との間に得られる矩形波電圧Vq を示している。図4
(E)はピーク電流供給用コンデンサ14とスイッチ回
路21とソレノイド3aとにより構成される閉回路を通
して流れる駆動電流Id を示している。
【0074】図3に示したインジェクタ駆動装置におい
て、マイクロコンピュータ30が噴射指令信号Vj を発
生していない状態では、図示しない直流電源の出力によ
り抵抗34とダイオード43とを通してタイマコンデン
サ42が図示の極性に充電されている。マイクロコンピ
ュータ30が時刻t1 において噴射指令信号Vj (図4
A)を発生すると、トランジスタ31が導通するため、
トランジスタ36が導通し、図示しない直流電源からト
ランジスタ36のエミッタコレクタ間を通して微分コン
デンサ39に電流が供給される。これによりサイリスタ
16のゲートに図4(B)に示すようなパルス波形のト
リガ信号Vg が与えられる。これによりサイリスタ16
が導通するためピーク電流供給用コンデンサ14の充電
が阻止され、該コンデンサ14の電荷はサイリスタ16
とソレノイドコイル3aとを通して放電する。これによ
り、ピーク電流供給用コンデンサ14とスイッチ回路2
1とソレノイドコイル3aとにより構成される閉回路を
通して振動電流(開弁電流)Id1が流れ、バルブが閉位
置から開動作完了位置に向けて変位を開始する。
【0075】また噴射指令信号Vj を発生してトランジ
スタ31が導通すると、タイマコンデンサ42の電荷が
抵抗41とトランジスタ31とを通して放電する。従っ
てタイマコンデンサ42の両端の電圧Vc は図4(C)
に示すように低下していく。タイマコンデンサ42の両
端の電圧Vc がしきい値Vr 以上あるときには、トラン
ジスタ40が導通しているため、該トランジスタ40の
コレクタと接地間の電圧Vq はほぼ接地電位のレベル
(零レベル)にある。時刻t2 においてタイマコンデン
サ42の両端の電圧Vc がしきい値Vr 未満になると、
トランジスタ40が遮断状態になるため、図4(D)に
示すように、トランジスタ40のコレクタと接地間の電
圧Vq が高レベルの状態に立ち上がる。トランジスタ4
0が遮断状態になると、それまで遮断状態にあったトラ
ンジスタ46が導通するため、トランジスタ23にベー
ス電流が流れて該トランジスタ23が導通し、保持電流
供給用電源22からトランジスタ23と抵抗24とダイ
オード25とを通してソレノイドコイル3aに保持電流
Id2が供給される。
【0076】時刻t3 において噴射指令信号Vj が消滅
すると、トランジスタ31が遮断状態になるため、トラ
ンジスタ36が遮断状態になり、ピーク電流供給用コン
デンサ14が充電される。またトランジスタ31が遮断
状態になることによりタイマコンデンサ42が充電され
る。タイマコンデンサ42の両端の電圧がしきい値Vr
以上になると、トランジスタ40が導通してトランジス
タ46及び23が遮断状態になり、保持電流が遮断され
る。しきい値Vr は十分に低く設定されているため、保
持電流の遮断は噴射指令信号Vj が消滅するとほぼ同時
に行われる。
【0077】図1及び図3に示した例のように、ピーク
電流供給用スイッチ手段としてサイリスタ16を用い
て、該サイリスタ16を充電用電源13の出力端子間及
びピーク電流供給用コンデンサ14とソレノイドコイル
3aとの直列回路に対して並列に接続すると、サイリス
タ16が導通した時に、自動的にコンデンサ14の充電
を阻止してコンデンサ14の放電を開始させることがで
きるため、回路構成を簡単にすることができる。しかし
ながら、本発明は、インジェクタのバルブを開く際に、
ピーク電流供給用コンデンサ14の充電を阻止した状態
で、該コンデンサの電荷をソレノイドコイルを通して放
電させる閉回路を構成すればよいため、図1または図3
に示した構成に限定されるものではなく、例えば、充電
用電源13とコンデンサ14との間に別のスイッチ手段
を挿入して、噴射指令信号が消滅している期間該スイッ
チ手段をオン状態にし、噴射指令信号が発生した時に該
スイッチ手段をオフ状態にして充電用電源をコンデンサ
14から切り離すとともに、ピーク電流供給用スイッチ
手段をオン状態にしてコンデンサ14の放電を行わせる
ようにしてもよい。
【0078】上記の例では、ピーク電流供給用スイッチ
手段としてサイリスタ16を用いているが、該スイッチ
手段としてはトランジスタなどの他のスイッチ手段を用
いることもできる。またこのピーク電流供給用スイッチ
手段としてFETのような双方向性を有するスイッチ手
段を用いる場合には、逆方向電流を流すためのダイオー
ド17を用いることなく、ピーク電流供給用スイッチ手
段のみでスイッチ回路21を構成することができる。た
だし、ピーク電流供給用スイッチ手段としてトランジス
タやFETを用いる場合には、閉回路を流れる振動電流
の極性が反転したときに該スイッチ手段を自動的に遮断
することができないため、ピーク電流供給用スイッチ手
段の制御は、その導通時期の制御と遮断時期の制御との
双方を行うことが必要になる。
【0079】上記の例では、ピーク電流供給用スイッチ
手段としてサイリスタ16を用いて、ソレノイドコイル
を流れる振動電流の極性が反転した時に該サイリスタを
遮断状態にした後、保持電流供給用スイッチ手段(上記
の例ではトランジスタ23)を導通状態にするようにし
たが、ピーク電流供給用スイッチ手段としてトランジス
タやFETのように導通時期と遮断時期との双方を外部
から与える信号により制御するスイッチ素子を用いる場
合には、ピーク電流供給用スイッチ手段を遮断状態にす
ると同時に、保持電流供給用スイッチ手段を導通状態に
するように制御してもよい。
【0080】上記の例では、噴射指令信号Vj として、
噴射時間に相当する時間幅を有する矩形波状の信号を用
いたが、噴射開始時にピーク電流供給用スイッチ手段に
与えるトリガ信号(図2Bに示すパルス波形の信号)と
保持電流供給用スイッチ手段を導通させるための駆動信
号(図2Cの信号)との2つの信号を噴射指令信号とし
て用いるようにしてもよい。
【0081】上記の例では、保持電流供給用電源22と
してバッテリを用いたが、この保持電流供給用電源とし
て、上記の例で用いた充電用電源13と同様に、内燃機
関に取り付けられた磁石発電機の出力を整流して一定の
直流電圧を得る回路により構成することができる。充電
用電源13と保持電流供給用電源22との双方を磁石発
電機を電源とするように構成すると、バッテリを搭載し
ない内燃機関にも本発明に係わるインジェクタ駆動方法
を適用することができる。
【0082】なおバッテリが設けられている場合には、
該バッテリとその出力電圧を昇圧して高い直流電圧を得
るDC−DCコンバータとにより充電用電源13を構成
することもできる。
【0083】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、燃料の
噴射を開始する前に充電されるピーク電流供給用コンデ
ンサを設けて、噴射指令信号が与えられた時に、該コン
デンサの充電を阻止した状態で、該コンデンサの電荷を
ソレノイドコイルとスイッチ手段とを通して放電させる
ことによりソレノイドコイルに振動電流を流し、該振動
電流が最初のピークを過ぎた後に迎える最初の零クロス
点付近のタイミングでバルブを開動作完了位置に到達さ
せるようにしたため、ソレノイドの出力トルクが小さく
なっている状態でバルブを開動作完了位置に到達させる
ことができる。したがって、バルブが開動作完了位置に
到達してストッパに当接する際に生じる衝撃を少なくす
ることができ、バルブの作動音を小さくすることができ
る。
【0084】また本発明によれば、バルブがストッパに
当接する際の衝撃を緩和できるため、開動作完了時に生
じるバルブの振動を少なくして、開動作完了直後の噴射
量を安定にすることができる上に、インジェクタの寿命
を長くすることができる。
【0085】また本発明によれば、ソレノイドコイルに
流す振動電流の最初のピーク値を大きくしておくことに
より、インジェクタの開弁動作を迅速に行わせることが
できる。
【0086】このように、本発明によれば、インジェク
タの開弁動作を迅速に行わせることができる上に、バル
ブがストッパに当接する際の衝撃を緩和することができ
るため、最小噴射管理量の低減を図ってインジェクタの
ダイナミックレンジを大きくすることができる上に、バ
ルブの作動音の低減と、インジェクタの寿命の延長とを
図ることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる内燃機関用インジェクタ駆動装
置の構成例を示す回路図である。
【図2】図1の各部の信号波形及び電流波形とバルブの
動作とを示した波形図である。
【図3】図1のインジェクタ駆動装置で用いるスイッチ
制御装置の具体的構成例を、駆動装置の全体的な構成と
共に示した回路図である。
【図4】図3の各部の信号波形と電流波形とを示した波
形図である。
【図5】インジェクタのソレノイドコイルにLCR閉回
路の振動電流のみを流した場合の電流波形とバルブの動
作とを示した線図である。
【図6】従来のサチュレーテッド方式のインジェクタ駆
動装置の構成例を示した回路図である。
【図7】図6の駆動装置の動作を説明するための波形図
である。
【図8】従来のピークホールド方式のインジェクタ駆動
装置の構成例を示した回路図である。
【図9】図8の駆動装置の動作を説明するための波形図
である。
【図10】インジェクタの一例を示した断面図である。
【符号の説明】
1…インジェクタ、3a…インジェクタのソレノイドコ
イル、10…インジェクタ駆動用発電コイル、13…充
電用電源、14…ピーク電流供給用コンデンサ、16…
ピーク電流供給用サイリスタ(ピーク電流供給用スイッ
チ手段)、17…ダイオード、19…スイッチ制御装
置、21…スイッチ回路、22…保持電流供給用電源、
23…保持電流供給用トランジスタ(保持電流供給用ス
イッチ手段)。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 51/06 F02M 51/00 F02D 41/20 330 F16K 31/06 310

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 噴口部を開閉するように設けられて開動
    作完了位置がストッパにより規制されたバルブと該バル
    ブを駆動するソレノイドコイルとを有して、該ソレノイ
    ドコイルに所定の大きさの電流が与えられたときに前記
    バルブが前記開動作完了位置に移動して内燃機関の燃料
    噴射空間に燃料を噴射するインジェクタを、噴射指令信
    号に応答して駆動する内燃機関用インジェクタ駆動方法
    において、 前記噴射指令信号が与えられる前にピーク電流供給用コ
    ンデンサを充電しておき、 前記噴射指令信号が与えられた時に前記ピーク電流供給
    用コンデンサの充電を阻止した状態で前記ピーク電流供
    給用コンデンサの電荷を前記ソレノイドコイルを通して
    放電させることにより、前記ソレノイドコイルに振動電
    流を流して、該振動電流が最初のピークを過ぎた後に迎
    える最初の零クロス点付近のタイミングで前記バルブを
    前記開動作完了位置に到達させ、 前記振動電流が前記最初の零クロス点を過ぎてその極性
    が反転した後、前記バルブが開動作完了位置にある間に
    該バルブを開動作完了位置に保持するために必要な大き
    さの保持電流を前記ソレノイドコイルに流して前記燃料
    の噴射を終了するまでの間該保持電流を流した状態を保
    持することを特徴とする内燃機関用インジェクタ駆動方
    法。
  2. 【請求項2】 噴口部を開閉するように設けられて開動
    作完了位置がストッパにより規制されたバルブと該バル
    ブを駆動するソレノイドコイルとを有して、該ソレノイ
    ドコイルに所定の大きさの電流が与えられたときに前記
    バルブを開いて内燃機関の燃料噴射空間に燃料を噴射す
    るインジェクタを、噴射指令信号に応答して駆動するイ
    ンジェクタ駆動装置において、 一定の直流電圧を出力する充電用電源と、 前記ソレノイドコイルに対して直列に接続されて前記充
    電用電源の出力電圧により充電されるピーク電流供給用
    コンデンサと、 前記開動作完了位置に変位した前記バルブを前記開動作
    完了位置に保持するために前記ソレノイドコイルに流す
    必要がある保持電流を出力する保持電流供給用電源と、 前記ピーク電流供給用コンデンサとソレノイドコイルと
    の直列回路に対して並列に接続されるとともに、前記充
    電用電源の出力端子間に対して並列に接続されて前記噴
    射指令信号が与えられた時に導通するピーク電流供給用
    スイッチ手段を有して該ピーク電流供給用スイッチ手段
    が導通したときに前記充電用電源の出力端子間を短絡す
    るとともに前記ピーク電流供給用コンデンサに蓄積され
    た電荷を前記ソレノイドコイルを通して放電させるため
    の閉回路を構成するスイッチ回路と、 前記保持電流供給用電源と前記ソレノイドコイルとの間
    に設けられて、導通した際に前記保持電流供給用電源か
    ら前記ソレノイドコイルに前記保持電流を供給するよう
    に設けられた保持電流供給用スイッチ手段と、 前記噴射指令信号が与えられた時に前記ピーク電流供給
    用スイッチ手段を導通させて前記閉回路を流れる振動電
    流が最初のピークを過ぎた後に迎える最初の零クロス点
    付近のタイミングで前記ピーク電流供給用スイッチ手段
    を遮断状態にし、前記噴射指令信号が与えられてから所
    定の初期駆動期間が経過した時に前記保持電流供給用ス
    イッチ手段を導通させて前記燃料の噴射を終了するまで
    の間該保持電流供給用スイッチ手段を導通状態に保持す
    るように前記ピーク電流供給用スイッチ手段及び保持電
    流供給用スイッチ手段を制御するスイッチ制御装置とを
    具備し、 前記ピーク電流供給用スイッチ手段が導通したときに前
    記閉回路を流れる振動電流が前記最初のピークを過ぎた
    後に迎える最初の零クロス点付近のタイミングで前記バ
    ルブが前記開動作完了位置に到達するように、前記ピー
    ク電流供給用コンデンサの充電電圧と前記閉回路の回路
    定数とが設定され、 前記初期駆動期間内に前記振動電流が前記最初の零クロ
    ス点を迎えてその極性が反転するように前記初期駆動期
    間の長さが設定されていることを特徴とする内燃機関用
    インジェクタ駆動装置。
  3. 【請求項3】 噴口部を開閉するように設けられて開動
    作完了位置がストッパにより規制されたバルブと該バル
    ブを駆動するソレノイドコイルとを有して、該ソレノイ
    ドコイルに所定の大きさの電流が与えられたときに前記
    バルブを開いて内燃機関の燃料噴射空間に燃料を噴射す
    るインジェクタを、燃料の噴射時間に相応した時間幅を
    有する噴射指令信号に応答して駆動するインジェクタ駆
    動装置において、 一定の直流電圧を出力する充電用電源と、 前記ソレノイドコイルに対して直列に接続されて前記充
    電用電源の出力電圧により充電されるピーク電流供給用
    コンデンサと、 前記開動作完了位置に変位した前記バルブを前記開動作
    完了位置に保持するために必要な保持電流を出力する保
    持電流供給用電源と、 前記充電用電源の出力電圧により充電された前記ピーク
    電流供給用コンデンサの両端の電圧及び前記充電用電源
    の出力電圧がアノードカソード間に順方向に印加される
    向きにして前記ソレノイドコイルとピーク電流供給用コ
    ンデンサとの直列回路に対して並列に接続されるととも
    に、前記充電用電源の出力端子間に並列に接続されたピ
    ーク電流供給用サイリスタと、 前記ピーク電流供給用サイリスタのアノードカソード間
    に逆並列接続されたダイオードと、 前記保持電流供給用電源と前記ソレノイドコイルとの間
    にコレクタエミッタ間回路が挿入されて導通した際に前
    記保持電流供給用電源から前記ソレノイドコイルに前記
    保持電流を供給するように設けられた保持電流供給用ト
    ランジスタと、 前記噴射指令信号が与えられた時に前記ピーク電流供給
    用サイリスタを導通させ、前記噴射指令信号が与えられ
    てから所定の初期駆動期間が経過した時に前記保持電流
    供給用トランジスタを導通させて、前記噴射指令信号が
    消滅するまでの間該保持電流供給用トランジスタを導通
    状態に保持するように前記サイリスタと前記保持電流供
    給用トランジスタとを制御するスイッチ制御装置とを具
    備し、 前記ピーク電流供給用サイリスタが導通したときに前記
    ピーク電流供給用コンデンサとソレノイドコイルと前記
    ピーク電流供給用サイリスタ及びダイオードとにより構
    成された閉回路を流れる振動電流が最初のピークを過ぎ
    た後に迎える最初の零クロス点付近のタイミングで前記
    バルブが前記開動作完了位置に到達するように前記ピー
    ク電流供給用コンデンサの充電電圧と前記閉回路の回路
    定数とが設定され、 前記初期駆動期間内に前記振動電流が最初の零クロス点
    を迎えてその極性が反転するように前記初期駆動期間の
    長さが設定されていることを特徴とする内燃機関用イン
    ジェクタ駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記充電用電源は、内燃機関により駆動
    される磁石式交流発電機に設けられた発電コイルと、該
    発電コイルの出力を整流する整流回路と、該整流回路の
    出力電圧を一定値に保ように制御する定電圧電源回路と
    により構成されている請求項2または3に記載の内燃機
    関用インジェクタ駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記充電用電源は、バッテリと、該バッ
    テリの出力電圧を昇圧して一定の直流電圧を出力するD
    C−DCコンバータとにより構成されている請求項2ま
    たは3に記載の内燃機関用インジェクタ駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記閉回路に存在するインダクタンスを
    L、キャパシタンスをC、抵抗分をRとしたときに、R
    2 <4L/Cの条件が成立するように前記閉回路が構成
    されている請求項2,3,4または5のいずれかに記載
    の内燃機関用インジェクタ駆動装置。
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