JP3458500B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置

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JP3458500B2
JP3458500B2 JP32633694A JP32633694A JP3458500B2 JP 3458500 B2 JP3458500 B2 JP 3458500B2 JP 32633694 A JP32633694 A JP 32633694A JP 32633694 A JP32633694 A JP 32633694A JP 3458500 B2 JP3458500 B2 JP 3458500B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無段変速機の変速制御装
置に関し、詳しくは、エンジンへの燃料供給が停止され
ている状態から燃料供給が再開されるときの車両振動の
発生を抑制するための変速制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、運転者がアクセルを踏んでい
ない状態(スロットル弁全閉)でかつエンジン回転数が
所定値よりも大きいときにエンジンへの燃料供給を停止
する所謂減速時の燃料カット制御が行われ、かかる燃料
カット制御によって無駄な燃料消費の防止と排出HC量
の抑制とが図られている。
【0003】ここで、燃料供給の停止状態から通常の燃
料供給が再開されると、エンジンの出力トルクがステッ
プ的に大きくなる。このため、手動変速機付の車両や、
減速時にロックアップクラッチを締結させる自動変速機
付の車両などでエンジンと変速機とが機械的に直結され
る場合には、前記燃料供給再開時のエンジン出力トルク
のステップ的な変化によって、駆動系にねじれ振動が発
生して車両が前後に振動し、運転者に不快感を与える惧
れがある。
【0004】そこで、特開昭61−122040号公報
に開示される制御では、燃料供給の再開から所定時間は
無段変速機の変速比を所定量だけ大きくすることで、出
力変化を変速機内で吸収して振動の発生を抑制するよう
にしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、減速時
の燃料カット状態から運転者によってアクセルが踏み込
まれて再加速を行うときには、前記特開昭61−122
040号公報に開示される制御では、前記アクセル操作
に対応して変速を行わせるべく無段変速機における変速
制御を通常制御とする構成であるため、燃料カット状態
からの再加速による燃料供給の再開で初期に発生する比
較的大きな負の方向の振動と、アクセル開操作に対して
遅れて発生する変速による引きトルク(負の方向のイナ
ーシャトルク)とが重なって、車両振動が増長される惧
れがあった(図9参照)。
【0006】また、特開昭60−81446号公報で
は、燃料供給停止状態から燃料供給状態に切り替わる際
に、一部気筒への燃料供給の再開を遅らせることによ
り、燃料供給再開時のエンジン出力トルクの変化を滑ら
かにし、駆動系に発生するねじれ振動を低減することが
提案されているが、前記一部気筒への燃料供給を遅らせ
ることによるトルクの一時的低下と、変速比変化によっ
て発生する前記イナーシャトルクの引けが同期すると、
前記燃料制御を行わない場合よりも車両振動が増長され
てしまう惧れもあった。
【0007】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、アクセル開操作に伴う燃料供給の再開時に発生す
る車両振動が、変速比変化によって増長されることを確
実に回避できる無段変速機の変速制御装置を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる無段変速
機の変速制御装置は、基本的に図1に示すように構成さ
れる。即ち、燃料供給停止手段は、所定の燃料供給停止
条件においてエンジンへの燃料供給を停止する。一方、
変速比制御遅延手段は、変速比の変更要求を伴うアクセ
ル開度の変化によって前記所定の燃料供給停止条件を脱
したときに、前記変速比の変更要求に対して所定期間だ
け、変速比が大きくなる変速比制御の開始を遅らせる。
ここで、請求項1にかかる発明では、前記燃料供給停止
手段による燃料供給の停止状態から燃料供給を再開する
際に、選択された一部気筒に対する燃料供給を行わせた
後、全気筒に対する燃料供給を再開させる燃料供給再開
制御手段を備え、かつ、前記所定期間を、前記燃料供給
再開制御手段によって全気筒に対する燃料供給が再開さ
れるまでの期間とする構成とした。
【0009】
【0010】請求項の発明にかかる無段変速機の変速
制御装置では、前記所定期間を、駆動系の固有振動数に
応じて設定される所定時間とした。
【0011】
【0012】
【作用】請求項1の発明にかかる無段変速機の変速制御
装置によると、燃料供給が再開されるときに、当初から
全気筒に対して通常に燃料供給を行わせるのではなく、
選択された一部気筒に対する燃料供給を再開当初に行わ
せ、その後、全気筒に対する通常の燃料供給を再開させ
て、燃料供給再開によるトルクの立ち上がりを緩和して
車両振動の抑制を図るが、前記一部気筒に対する燃料供
給を行わせているときには同時に変速が行われることを
禁止し、全気筒に対する通常の燃料供給状態になってか
ら変速を開始させる。これによって、一部気筒に対して
燃料供給を行っているときに同時に変速が行われて、変
速比変化に伴って発生する負のイナーシャトルクで振動
が増長されてしまうことを回避する。
【0013】請求項の発明にかかる無段変速機の変速
制御装置によると、変速比制御の開始を遅らせる所定期
間を、駆動系の固有振動数に応じて設定される所定時間
とすることで、振動の減衰が予測されるタイミングで、
或いは、燃料供給再開による振動を積極的に低減し得る
タイミングで、変速制御を開始させることができるよう
にした。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。図2は本
実施例においてエンジンと組み合わされるVベルト式無
段変速機1を示す。ここで、エンジンのクランクシャフ
ト(図示省略)と一体に回転するエンジン出力軸2に、
ポンプインペラ4,タービンランナ6,ステータ8及び
ロックアップクラッチ10からなる流体式トルクコンバー
タ12が取付けられている。
【0015】ロックアップクラッチ10は、タービンライ
ナ6に連結されると共に軸方向に移動可能であり、ポン
プインペラ4と一体の部材4aとの間にロックアップク
ラッチ油室14を形成しており、このロックアップクラッ
チ油室14の油圧がトルクコンバータ12内の油圧よりも低
くなると、ロックアップクラッチ10は部材4aに押し付
けられてこれと一体に回転する締結状態(直結状態)と
なる。
【0016】タービンライナ6は、軸受16及び18によっ
てケース20に回転自在に支持された駆動軸22の一端とス
プライン結合されている。駆動軸22の軸受16及び18間の
部分には駆動プーリ24が設けられている。駆動プーリ24
は、駆動軸22に固着された固定円錐板26と、固定円錐板
26に対向配置されてV字状プーリみぞを形成すると共
に、駆動プーリシリンダ室(図示省略)に作用する油圧
によって駆動軸22の軸方向に移動可能である可動円錐板
30とからなっている。
【0017】駆動プーリ24はVベルト32によって従動プ
ーリ34と伝動可能に結合されているが、この従動プーリ
34は、ケース20に軸受36及び38によって回転自在に支持
された従動軸40上に設けられている。従動プーリ34は、
従動軸40に固着された固定円錐板42と、固定円錐板42に
対向配置されてV字状みぞを形成すると共に、従動プー
リシリンダに作用する油圧によって従動軸40の軸方向に
移動可能である可動円錐板46とからなっている。
【0018】固定円錐板42には、前進用多板クラッチ48
を介して従動軸40状に回転自在に支承された前進用駆動
ギヤ50が連結可能にされており、この前進用駆動ギヤ50
はリングギヤ52と噛み合っている。従動軸40には後退用
駆動ギヤ54が固着されており、この後退用駆動ギヤ54は
アイドラギヤ56と噛み合っている。アイドラギヤ56は、
後退用多板クラッチ58を介してアイドラ軸60と連結可能
にされており、アイドラ軸60には、リングギヤ52と噛み
合う別のアイドラギヤ62が固着されている。
【0019】リングギヤ52には、一対のピニオンギヤ64
及び66が取付けられ、このピニオンギヤ64及び66と噛み
合って差動装置67を構成する一対のサイドギヤ68及び70
にそれぞれ出力軸72及び74が連結されており、軸受76及
び78によってそれぞれ支持された出力軸72及び74は互い
に反対方向にケース20から外部へ伸長している。この出
力軸72及び74は、図示しないロードホイールに連結され
ることになる。尚、軸受18の図で右側には、油圧源であ
る内接歯車式のオイルポンプ80が設けられているが、こ
のオイルポンプ80は中空の駆動軸22を貫通するオイルポ
ンプ駆動軸82を介してエンジン出力軸2によって駆動さ
れるようにしてある。
【0020】このようにロックアップクラッチ付きトル
クコンバータ,Vベルト式無段変速機及び差動装置を組
み合わせてなる無段変速機にエンジン出力軸2から入力
された回転力は、トルクコンバータ12,駆動軸22,駆動
プーリ24,Vベルト32,従動プーリ34,従動軸40へと伝
達されていき、次いで、前進用多板クラッチ48が締結さ
れかつ後退用多板クラッチ58が開放されている場合に
は、前進用駆動ギヤ50,リングギヤ52,差動装置67を介
して出力軸72及び74が前進方向に回転され、逆に、後退
用多板クラッチ58が締結されかつ前進用多板クラッチ48
が開放されている場合には、後退用駆動ギヤ54,アイド
ラギヤ56,アイドラ軸60,アイドラギヤ62,リングギヤ
52,差動装置67を介して出力軸72及び74が後退方向に回
転される。
【0021】この動力伝達の際に、駆動プーリ24の可動
円錐板30及び従動プーリ34の可動円錐板46を軸方向に移
動させてVベルト32との接触位置半径を変えることによ
り、駆動プーリ24と従動プーリ34との回転比、即ち、変
速比を変えることができる。例えば、駆動プーリ24のV
字状プーリみぞの幅を拡大すると共に、従動プーリ34の
V字状プーリみぞの幅を縮小すれば、駆動プーリ24側の
Vベルト接触位置半径は小さくなり、従動プーリ34側の
Vベルト接触位置半径は大きくなり、結局大きな変速比
が得られることになる。可動円錐板30及び46を逆方向に
移動させれば、上記と全く逆に変速比は小さくなる。
【0022】また、トルクコンバータ12には、前述のよ
うにロックアップクラッチ10を設けてあり、ロックアッ
プクラッチ油室14の油圧をドレーンさせてロックアップ
クラッチ10をポンプインペラ4と一体の部材4aに押圧
することにより、エンジン出力軸(エンジン)と駆動軸
22(変速機)とを機械的に直結した状態とすることがで
きる。
【0023】ここで、前記駆動プーリシリンダ室及び従
動プーリシリンダ室に作用する油圧(V字状プーリみぞ
幅)を制御することで、Vベルト式無段変速機1の変速
比を制御する変速コントロールユニット101 が図3に示
すように設けられている。この変速コントロールユニッ
ト101 には、車速VSPを検出する車速センサ102 、エ
ンジン103 の吸気系に介装されアクセルと連動して開閉
するスロットル弁(図示省略)の開度TVO(アクセル
開度)を検出するスロットルセンサ104 、及び、前記ト
ルクコンバータ12のタービン回転数Ntを変速機の入力
回転数として検出するタービンセンサ110 からの検出信
号が入力されるようになっており、前記車速VSPとス
ロットル開度TVOに応じて目標タービン回転数Nt
(図4参照)を設定し、この目標タービン回転数Ntに
実際のタービン回転数Ntを一致させるべく前記駆動プ
ーリシリンダ室及び従動プーリシリンダ室に作用する油
圧、換言すれば、変速比をフィードバック制御する。
【0024】尚、前記スロットルセンサ104 には、スロ
ットル弁の全閉位置でONとなるアイドルスイッチ104
aが付設されている。また、変速コントロールユニット
101 は、前記車速VSPとスロットル開度TVOに応じ
て前記ロックアップクラッチ10の締結・開放を決定し、
ロックアップクラッチ油室14の油圧を制御する。ここ
で、前記ロックアップクラッチ10は、図5に示すよう
に、極低車速側を除く殆どの運転領域で締結されるよう
になっており、スロットルが全閉である減速運転状態に
おいても締結されるようになっている。
【0025】一方、前記エンジン103 には、各気筒別に
電磁式の燃料噴射弁105 が設けられており、この燃料噴
射弁105 はエンジンコントロールユニット106 から各別
に出力される噴射パルス信号のパルス幅に対応する燃料
を各気筒毎に噴射供給する。前記エンジンコントロール
ユニット106 には、前記スロットルセンサ104 (アイド
ルスイッチ104 a)からの検出信号の他、エンジンの吸
入空気量Qを検出するエアフローメータ107 、カム軸又
はクランク軸から回転信号を取り出すクランク角センサ
108 等からの検出信号が入力されるようになっている。
尚、前記クランク角センサ108 からの検出信号に基づい
てエンジン回転数Neを算出できる。
【0026】前記エンジンコントロールユニット106
は、前記エアフローメータ107 で検出された吸入空気量
Qと前記クランク角センサ108 からの検出信号に基づい
て算出したエンジン回転数Neとに基づいて基本噴射パ
ルス幅Tpを演算する一方、該基本噴射パルス幅Tp
を、冷却水温度等の運転条件に応じて補正して最終的な
噴射パルス幅TIを決定する。そして、各気筒の吸気行
程にタイミングを合わせて、各気筒の燃料噴射弁105 に
対して個別に前記噴射パルス幅TIの噴射パルス信号を
出力する。
【0027】また、燃料供給停止手段としての機能を有
するエンジンコントロールユニット106 は、所定の燃料
供給停止条件において、燃料噴射弁105 による燃料の噴
射供給を全気筒において停止し、HCの抑制と燃費向上
を図るようにしてある。前記所定の燃料供給停止条件と
は、前記アイドルスイッチ109 がONであるスロットル
弁(アクセル)の全閉状態であってかつエンジン回転数
Neが所定回転数以上の減速状態であり、アクセルが踏
み込まれてスロットル弁が開きアイドルスイッチ109 が
OFFになったとき、又は、アイドルスイッチ109 がO
Nのままでも所定以下にエンジン回転数Neが低下した
ときには、燃料供給を再開するようになっている。
【0028】尚、前記減速時の燃料供給停止制御が行わ
れる条件は、前記ロックアップクラッチ10の締結領域に
含まれ、前記減速時の燃料カットが行われるときには、
通常エンジンと変速機とは直結状態になっているものと
する。ところで、前述のように減速時の燃料供給停止状
態においても、前記ロックアップクラッチ10が締結さ
れ、かかる直結状態からアクセルが踏み込まれて加速に
移行すると、燃料供給の再開によるエンジントルクの急
激な立ち上がりによって駆動系にねじれ振動(車両の前
後振動)が発生する。ここで、燃料供給の再開と共に前
記アクセル開操作に伴って変速が開始されると、かかる
変速によって発生する引けトルク(負のイナーシャトル
ク)が負の方向の振動に重なって、前記車両振動が増長
されてしまう惧れがある。
【0029】そこで、本実施例では、図6のフローチャ
ートに示すようにして車両振動の低減を図る。尚、本実
施例において、変速比制御遅延手段としての機能は、前
記図6のフローチャートに示すように変速コントロール
ユニット101 がソフトウェア的に備えている。
【0030】図6のフローチャートは、前記減速時の燃
料供給停止制御が行われている状態からアクセルの開操
作に伴って燃料供給が再開されるときの変速機制御の内
容を示すものであり、所定時間(例えば10msec) 毎に実
行される。まず、S1では、燃料供給停止条件の1つで
あるスロットルの全閉状態を、アイドルスイッチ104 a
のON・OFFに基づいて判別する。
【0031】ここで、アイドルスイッチ104 aがONで
スロットル弁が全閉状態にあるとき、即ち、継続的に燃
料供給停止制御が行われるときには、S2へ進み、フラ
グFIDに1をセットする一方、タイマTIMER をゼロリ
セットさせておく。また、S2では、そのときの変速比
に基づいて駆動系の固有振動数fを求める。前記固有振
動fは、予め実験によって求めておいたデータを変速比
に対応させてマップに記憶させておく。
【0032】次のS3では、通常の変速制御を行わせ
る。前記通常の変速制御とは、前述のように、車速VS
Pとスロットル開度TVOに応じて目標タービン回転数
Ntを設定し、この目標タービン回転数Ntに実際のタ
ービン回転数Ntを一致させるべく変速比をフィードバ
ック制御することを示す。一方、運転者のアクセル開操
作に伴ってスロットルが開きアイドルスイッチ104 aが
OFFに切り替わると、別の制御ルーチンに従って燃料
供給が再開されることになるが、図6のフローチャート
上では、S4へ進んで、前記フラグFIDの判別を行
う。アイドルスイッチ104 aがONからOFFに切り替
わったときには、前記フラグFIDには1がセットされ
ているから、S4からS5へ進む。
【0033】S5では、前記タイマTIMER をカウントア
ップさせ、次のS6では、前記タイマTIMER による計測
時間が、前記固有振動数fの逆数として求められる振動
周期Tを越えているか否かを判別する。ここで、アイド
ルスイッチ104 aがON→OFF切換えされてから(ア
クセルが開操作されてから)の経過時間が前記振動周期
Tを越えていない場合には、ステップ7へ進み、変速制
御を禁止する。即ち、アクセル開操作がなされているか
ら、通常であれば、スロットル開度TVOの変化に対応
して目標タービン回転数Ntが変更されて変速比を変更
する制御が開始されることになるが、本実施例では、前
記振動周期T内では変速を強制的に禁止する。
【0034】そして、S6で、前記振動周期Tを越える
時間が経過したことが判別されると、S8へ進んで、燃
料供給再開時の変速禁止制御が終了したことに対応して
前記フラグFIDをゼロリセットし、次のS9へ進んで
通常の変速制御を行わせることで、ここで初めて変速制
御を開始させる。即ち、減速時の燃料供給停止状態から
アクセルが踏み込まれて燃料供給を再開するときには、
前記アクセル操作に対応して同時に変速比の変更要求が
発生することになるが、本実施例では、振動周期Tに相
当する時間だけ前記変速比の変更要求に対応する変速制
御の開始を遅らせるようにしている。
【0035】燃料供給が停止されている状態から燃料供
給が再開されると、トルクの急激な立ち上がりによって
駆動系にねじれ振動が生じるが、かかるねじれ振動の振
幅が大きい初期段階での負の方向の振動に対して、変速
によって発生する引けトルク(イナーシャトルクの引
け)が重なると、振動が増長されて大きな振動を招くこ
とになってしまう。そこで、少なくとも前記ねじれ振動
の1周期分だけ変速制御の開始、即ち、変速による引け
トルクの発生タイミングを遅らせることで、燃料供給の
再開によって生じた振動がある程度減衰した段階で変速
による引けトルクが発生するようにした。従って、たと
え負の方向の振動に前記引けトルクが重なることがあっ
ても、より振幅の大きな初期段階での振動に重なる場合
に比べて、充分に小さな振動に抑制できることになる
(図9参照)。
【0036】ここで、前記変速制御の開始を遅らせる時
間を長くするほど、変速制御によって振動が増長されて
しまうことを確実に回避できるが、アクセル操作に対し
てあまり変速を遅らせることは望ましくなく、また、1
周期程度で充分な減衰がみられ同じ位相差で変速による
引けトルクが重なったとしても振動を抑制できることに
なることから、本実施例では振動周期T分だけ変速制御
を遅らせる構成とし、無用に変速が遅れることなく、か
つ、確実に振動が減衰している状況で変速による引けト
ルクが発生するようにした。
【0037】従って、変速制御の開始を遅らせる時間を
固定値としても良いが、上記実施例のように変速比に基
づいて設定した固有振動数fに対応する時間を遅延時間
とした方が、効果的に振動抑制が図られる。但し、遅延
時間を1周期T分に限定するものではなく、例えば図7
のフローチャートのS6’に示すように1.5 周期分だけ
遅らせる構成としても良い。図7のフローチャートにお
いて、S6’以外の各ステップは、前述の図6のフロー
チャートと全く同一であるため、ここでは説明を省略す
る。
【0038】上記のように前記変速制御の開始を遅らせ
る時間を、前記1周期Tに代えて1.5 周期とすれば、前
記変速制御の開始を遅延させる制御を行わない場合に、
燃料供給再開によって発生した車両前後振動における負
の方向の振動に、変速によって発生する引けトルクが重
なるような最悪の条件を、正の方向の振動に変速によっ
て発生する引けトルクを重ねて相殺させることができる
条件に変換することができ、変速開始の遅延制御によっ
て積極的に車両振動を低減させることが可能となる。
【0039】また、図6及び図7のフローチャート中の
S7’に示すように、S7で変速制御を禁止している
間、換言すれば、燃料供給の再開から所定時間内におい
て、通常に全気筒に対して燃料供給を行わせるのではな
く、選択された一部気筒においてのみ燃料供給を行わせ
ることで(燃料供給再開制御手段)、トルクの立ち上が
りを鈍らせ、以て、燃料供給の再開によって発生する振
動を抑制する構成としても良い。
【0040】かかる構成によれば、前記一部気筒に限定
した燃料供給の再開によって振動が抑制される上に、発
生した振動の減衰を待って変速が開始されるから、変速
によって発生する引けトルク(イナーシャトルクの引
け)によって振動が増長されることがあっても、その振
動レベルをより一層小さなレベルに抑制できることにな
る。また、一部気筒において燃料噴射を行わないことに
よって発生するトルクの低下に、変速によって発生する
トルクの引けが重なることがなく、このことによって
も、振動の低減が図られる。
【0041】前述のように一部気筒に限定して燃料供給
を行わせる場合には、予め噴射気筒と非噴射気筒とを設
定しておいても良いが、燃料供給の再開が指示された直
後に噴射タイミングとなる気筒を先頭とする所定の噴射
パターンで噴射気筒と非噴射気筒とをその都度設定する
方が好ましい。ところで、上記では、変速制御の開始を
遅らせる期間を、駆動系の固有振動数fに基づく時間と
し、かかる遅延期間において一部気筒に限定した燃料供
給を行わせる構成としたが、駆動系の固有振動数fに基
づく遅延時間の設定を行わずに、前記一部気筒に限定し
た燃料供給を行わせる期間を、変速制御を遅らせる期間
としても良く、かかる実施例を、図8のフローチャート
に示す。
【0042】図8のフローチャートも、図6又は図7の
フローチャート同様に、減速時の燃料供給停止制御が行
われている状態からアクセルの開操作に伴って燃料供給
が再開されるときの変速機制御の内容を示すものであ
り、噴射周期毎に実行されるものとする。まず、S21で
は、燃料供給停止条件の1つであるスロットルの全閉状
態を、アイドルスイッチ104 aのON・OFFに基づい
て判別する。
【0043】ここで、アイドルスイッチ104 aがONで
スロットル弁が全閉状態にあるとき、即ち、継続的に燃
料供給停止制御が行われるときには、S22へ進み、燃料
供給を再開させるときに、選択される一部の気筒におい
てのみ燃料噴射を行わせる制御における噴射制御回数を
カウンタre-counterにセットする。また、次のS23で
は、通常の変速制御を行わせる。前記通常の変速制御と
は、前述のように、車速VSPとスロットル開度TVO
に応じて目標タービン回転数Ntを設定し、この目標タ
ービン回転数Ntに実際のタービン回転数Ntを一致さ
せるべく変速比をフィードバック制御することを示す。
【0044】一方、運転者のアクセル開操作に伴ってス
ロットルが開きアイドルスイッチ104 aがOFFに切り
替わると、S24へ進んで、前記カウンタre-counterが0
であるか否かの判別を行う。アイドルスイッチ104 aが
ONからOFFに切り替わったときには、前記カウンタ
re-counterには噴射制御回数に対応する所定値がセット
されているから、S24からS25へ進む。
【0045】S25では、予め設定されている噴射パター
ンを、前記カウンタre-counterの値に基づいて参照する
ことで、今回の噴射タイミングの気筒において噴射させ
るか非噴射とするかを決定する。前記噴射パターンと
は、再開直後に噴射タイミングとなる気筒を先頭として
噴射タイミング順に噴射又は非噴射を指示するデータで
あり、燃料供給再開から何番目の噴射タイミングである
かによって噴射するか噴射を行わないかが決定されるこ
とになる。
【0046】S26では、前記S25における決定に基づい
て噴射を行うか否かを判別し、噴射が指示されている場
合には、S27へ進んで噴射タイミングである気筒におい
て燃料噴射を行わせ、非噴射の指示がある場合にはS28
へ進んで噴射タイミングである気筒に対して燃料噴射を
禁止する。S29では、前記カウンタre-counterをカウン
トダウンさせることで、前記噴射パターンにおける次の
噴射タイミングにおける指示が参照されるようにする。
従って、前記噴射パターンに従って燃料噴射か行われる
一部の気筒が順次選択されることになる。上記のS22,
S24〜S29の部分が、燃料供給再開制御手段に相当す
る。
【0047】また、上記のようにして、噴射パターンに
従って選択される気筒に対する燃料供給を行っている間
においては、S30で変速制御が禁止される。一方、前記
噴射パターンに従って噴射制御が一通り終了し、前記カ
ウンタre-counterが0にまでカウントダウンされると、
S24からS31へ進んで、全気筒に対する通常の燃料噴射
を再開させ、また、次のS32では、通常の変速制御を許
可することで、前記S30における変速の禁止措置によっ
て遅れていた変速制御を開始させる。
【0048】かかる構成によれば、前記噴射パターンに
従った噴射制御によって燃料供給再開時における振動の
発生を抑制できると共に、前記噴射パターンに従った噴
射制御によって噴射が禁止される気筒によるトルクの低
下に、変速制御によって発生する引けトルクが重なるこ
とがなく、変速によって振動が増長されてしまうことを
回避できる(図9参照)。
【0049】更に、変速を実際に開始させるときには、
既に燃料供給を再開したことによって発生した車両振動
が充分に減衰しているから、たとえ変速によって発生す
る負のイナーシャトルクによって振動が増長されること
があっても、充分に小さなレベルに抑制できる。尚、上
記実施例では、Vベルト式の無段変速機としたが、トロ
イダル型の無段変速機であっても良く、また、トルクコ
ンバータ12の代わりに電磁クラッチを用いる構成の無段
変速機であっても良い。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明にか
かる無段変速機の変速制御装置によると、燃料供給制御
によって燃料供給再開によるトルクの立ち上がりを緩和
して車両振動の抑制を図る一方、このときに変速比変化
によって発生する負のイナーシャトルクによって振動が
増長されることを回避できるという効果がある。
【0051】請求項2の発明にかかる無段変速機の変速
制御装置によると、振動の減衰が予測されるタイミング
で、或いは、燃料供給再開による振動を積極的に低減し
得るタイミングで、変速制御を開始させることができる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明にかかる制御装置の構成ブロッ
ク図。
【図2】実施例の無段変速機を示す部分断面図。
【図3】実施例における全体のシステム構成を示すブロ
ック図。
【図4】実施例における目標タービン回転数の設定マッ
プを示す線図。
【図5】実施例におけるロックアップクラッチによる直
結領域を示す線図。
【図6】燃料供給再開時における変速比制御の第1実施
例を示すフローチャート。
【図7】燃料供給再開時における変速比制御の第2実施
例を示すフローチャート。
【図8】燃料供給再開時における変速比制御の第3実施
例を示すフローチャート。
【図9】従来制御の問題点及び本発明の効果を説明する
ためのタイムチャート。
【符号の説明】
1 無段変速機 10 ロックアップクラッチ 12 トルクコンバータ 24 駆動プーリ 32 Vベルト 34 従動プーリ 101 変速コントロールユニット 102 車速センサ 103 エンジン 104 スロットルセンサ 104a アイドルスイッチ 105 燃料噴射弁 106 エンジンコントロールユニット 107 エアフローメータ 108 クランク角センサ 110 タービンセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝沢 哲 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 皆川 裕介 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−122040(JP,A) 特開 昭60−81446(JP,A) 特開 昭61−201957(JP,A) 特開 昭61−122039(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48 B60K 31/00 - 37/06 F16H 9/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の燃料供給停止条件においてエンジン
    への燃料供給を停止する燃料供給停止手段を備えて構成
    されたエンジンと組み合わされる無段変速機の変速制御
    装置であって、 変速比の変更要求を伴うアクセル開度の変化によって前
    記所定の燃料供給停止条件を脱したときに、前記変速比
    の変更要求に対して所定期間だけ、変速比が大きくなる
    変速比制御の開始を遅らせる変速比制御遅延手段と、 前記燃料供給停止手段による燃料供給の停止状態から燃
    料供給を再開する際に、選択された一部気筒に対する燃
    料供給を行わせた後、全気筒に対する燃料供給を再開さ
    せる燃料供給再開制御手段とを備え、かつ、 前記所定期間を、前記燃料供給再開制御手段によって全
    気筒に対する燃料供給が再開されるまでの期間とする
    とを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】所定の燃料供給停止条件においてエンジン
    への燃料供給を停止する燃料供給停止手段を備えて構成
    されたエンジンと組み合わされる無段変速機の変速制御
    装置であって、 変速比の変更要求を伴うアクセル開度の変化によって前
    記所定の燃料供給停止条件を脱したときに、前記変速比
    の変更要求に対して所定期間だけ、変速比が大きくなる
    変速比制御の開始を遅らせる変速比制御遅延手段を備
    え、かつ、前記所定期間を、駆動系の固有振動数に応じ
    て設定される所定時間とすることを特徴とする 無段変速
    機の変速制御装置。
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