JP3455993B2 - 冷媒圧縮機 - Google Patents

冷媒圧縮機

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JP3455993B2
JP3455993B2 JP24950493A JP24950493A JP3455993B2 JP 3455993 B2 JP3455993 B2 JP 3455993B2 JP 24950493 A JP24950493 A JP 24950493A JP 24950493 A JP24950493 A JP 24950493A JP 3455993 B2 JP3455993 B2 JP 3455993B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷媒圧縮機、詳しくは、
容積形給油ポンプを備え、このポンプの駆動でケーシン
グ底部に設ける油溜めの油を吸油箇所に給油するように
した冷媒圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、圧縮要素を内装したケーシングの
底部に油溜めを設けると共に、前記圧縮要素を駆動する
駆動軸に、容積形給油ポンプを設けて、このポンプの駆
動で前記油溜めの油を給油箇所に給油するようにした冷
媒圧縮機は、例えば特開昭64−3280号公報に示さ
れているように知られている。
【0003】この冷媒圧縮機に用いられている容積形給
油ポンプは、図9に示したように、圧縮要素の駆動軸A
を支持する下部軸受Bに固定支持されるポンプハウジン
グCと、長円形のポンプ室Dをもち、前記ポンプハウジ
ングCに短軸方向のみ往復動自由に支持されるヨークE
と、前記駆動軸Aの下端部に連結筒Fを介して固定さ
れ、前記ヨークEのポンプ室D内で偏心回転される円柱
状のロータGと、このロータGの下面側に、前記ヨーク
Eを受止めて前記ポンプ室Dを閉鎖する閉鎖板Hとによ
り構成したもので、前記駆動軸Aの駆動回転に伴うロー
タGの回転により、前記閉鎖板Hに設ける油吸入孔J及
び前記ロータGの吸入ポートKから吸入通路Lを経てポ
ンプ室Dに油溜めの潤滑油が吸油されると共に前記ロー
タGの回転の進行により加圧され、吐出ポートMから吐
出通路Nを経て前記駆動軸Aの給油通路Pに供給される
ようになっている。 〔発明の詳細な説明〕
【0004】所で以上のように構成する容積形給油ポン
プを用いる場合、前記駆動軸Aの回転速度に応じ所定の
給油量が得られる定容量給油運転を行えるのであるが、
圧縮機ケーシングに吸入される低圧冷媒の潤滑油への溶
け込みが大きいときで、この冷媒の低圧圧力(吸入圧
力)が低下したときには、前記ポンプ室Dの吸入側にお
ける吸入圧損で溶け込み冷媒が発泡し、このため吸油量
が減り、実給油量が減少する問題がある。
【0005】即ち、前記ポンプ室Dの吸入側入口は狭
く、この入口を通過するときの抵抗で一定の圧力損失が
生ずるのであり、このため図10に示したように冷媒の
溶け込み量が一定でも、冷媒の圧力Pが低い場合、前記
圧力損失による溶け込み冷媒の容積Vの増加量は、前記
圧力Pが高い場合における冷媒の容積増加量より大きく
なる。つまり発泡が多くなるのであって、それだけポン
プ室Dへの吸油量が減り、実給油量が減少して給油箇所
への給油不足が生ずるのである。
【0006】この問題に対しては、前記ポンプ室の容積
を拡大し、前記ポンプの理論給油量を増大することが考
えられるが、前記冷媒の圧力(低圧圧力)が所定圧力以
上で運転される定常運転時には給油量が過剰となって、
吐出ガス冷媒中に混入する油量が増大し、冷凍能力が低
下する問題が生ずるし、潤滑油の所定充填量において
は、逆に油上がりが多くなる不具合が生ずるのであっ
て、前記した問題の解決にはならないのである。
【0007】本発明の目的は、理論給油量を変えること
なく、定常運転時の過給油をなくしながら、冷媒の油へ
の溶け込みが大きいときで、前記冷媒の低圧圧力が低下
するときでも、実給油量が減少するのを防止し、所定の
理論給油量を確保できるようにする点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
め請求項1記載の発明は、冷媒吸入管1bを開口したケ
ーシング1の上部に圧縮要素2を内装し、下部に油溜め
7を設けると共に、圧縮要素2を駆動する駆動軸4に油
溜め7に開口する容積形給油ポンプ10を設けた冷媒圧
縮機において、給油ポンプ10は駆動軸4の給油通路8
の下端部に挿入されて駆動軸4と共に回転する回転体1
1、31と、回転体11、31に一体的に設けられ回転
体11、31の吸入通路11dに連通する吸油路21、
41をもった吸油筒20、40とを有し、吸油筒20、
40に吸込油を加圧する加圧装置を設けたのである。
【0009】また、請求項2記載の発明は、容積形給油
ポンプ10の吸油筒20に、この吸油筒20の回転で吸
込油を加圧する螺旋状油溝22を設けたのであり、請求
項3記載の発明は、吸油筒20に、この吸油筒20の回
転で吸込油を加圧するスクリュー羽根23を設けたので
あり、また、請求項4に記載の発明は、吸油筒20の先
端部に遠心ポンプ作用をするデバイダー24を内装した
のであり、更に請求項5記載の発明は、吸油筒20の先
端側に、遠心加圧可能な絞り部25を設けたのである。
【0010】また、請求項6記載の発明は、容積形給油
ポンプ10の吸油筒20に放射方向に延びる吐出油路2
7aをもった羽根車27を取付けると共に、この羽根車
27の外側に、吐出油路27aの低圧側に開口する吸油
口28aと吐出通路27aの吐出側に連通し、吸油筒2
0の吸油路21に連通する加圧通路28bをもった加圧
ケース28を設けたのである。
【0011】また、請求項7記載の発明は、容積形給油
ポンプ10を、トロコイド形式とした上で、ポンプ10
の吸油筒40の吸油路41に、ポンプケーシング33に
おける吸入室36に向けて径方向に開口する遠心加圧通
路42を設けたのである。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明では、駆動軸4の給油通路
8の下端部に挿入されて駆動軸4と共に回転する給油ポ
ンプの回転体11、31に一体的に設けた回転体11、
31の吸入通路11dに、この吸入通路11dを流れる
吸込油を加圧する加圧装置を設けたから、ポンプ10の
理論給油量を増大させなくとも、ポンプ室に吸油される
ときの吸入圧力を増大して、溶け込み冷媒の発泡を抑制
でき、従って、冷媒の潤滑油への溶け込みが大きいとき
で、冷媒の低圧圧力が低下したときでも、理論給油量を
確保できるし、また、理論給油量を増大させないから、
定常運転時、過給油になることもなく、過給油による問
題も生じない。
【0013】また、請求項2記載の発明では、前記吸油
筒20に前記螺旋状油溝22を設けたから、部品点数を
増加させることなく簡単な構成で吸油される油の吸入圧
力を増大させられる。
【0014】また、請求項3記載の発明では、前記吸油
筒20にスクリュー羽根23を設けたから、前記吸入圧
力の加圧性能を増大でき、より一層溶け込み冷媒の発泡
を抑制できる。
【0015】また、請求項4記載の発明では、前記吸油
筒20の先端部にデバイダー24を内装したから、既存
品を用いられ、コスト高になるのを抑えられるし、また
請求項5記載の発明では、前記吸油筒20の先端側に前
記絞り部25を設けたから、前記吸油筒20の簡単な加
工で、部品点数を増加させずに構成でき、前記吸油筒2
0を設けるだけの最小のコストアップで冷媒発泡の抑制
が可能となる。
【0016】また、請求項6記載の発明では、前記羽根
車27と前記加圧ケース28とを設け、前記羽根車27
の回転による遠心ポンプ作用で前記加圧ケース28の加
圧通路28bで加圧して前記吸油筒20に吐出するよう
にしたから、上下高さを抑えながら充分な油の吸入圧力
の増圧を確保できるのであって、冷媒発泡をより有効に
減少できる。
【0017】更に請求項7記載の発明は、前記容積形給
油ポンプ10をトロコイド形式として、そのインナーロ
ータ34と共に回転する回転体31に前記吸油筒40を
設け、この吸油筒40に前記遠心加圧通路42を設けた
から、トロコイド形ポンプを用いながら外部からポンプ
駆動をチェックできるし、また、螺旋状油溝の加工や、
スクリュー羽根、デバイダーなどの部品を付加しなくと
も、前記遠心加圧通路42を設けるだけの簡単な構成で
吸油される油の充分な加圧が行えるし、前記吸油筒40
に螺旋状油溝を設けたりスクリュー羽根やデバイダーな
どを設けることにより2段加圧が可能となり、冷媒発泡
をより有効に減少させられる。
【0018】
【実施例】図2に示した冷媒圧縮機は、スクロール形圧
縮機で、下部に油溜め7を設けた密閉ケーシング1の内
部下方に固定及び可動スクリューから成る圧縮要素2
を、また、その下方に上部軸受ハウジング3と、駆動軸
4をもったモ−タ5とをそれぞれ配設すると共に、前記
圧縮要素2の上方には区画された吐出チャンバーを設け
て冷媒吐出管1aを開口させ、前記圧縮要素2の下方に
は冷媒吸入管1bを開口させ、前記ケーシング1内を低
圧ドームとする一方、前記モ−タ5の下方に下部軸受ハ
ウジング6を配設して前記駆動軸4の下端側を軸支し、
更にこの駆動軸4の下端部に、前記油溜め7に開口する
容積形給油ポンプ10を設け、このポンプ10の前記駆
動軸4による駆動で、駆動軸4に設ける給油通路8に油
溜め7の油を汲上げ、各潤滑箇所に給油するようにした
ものである。
【0019】また、前記容積形給油ポンプ10はヨーク
形ポンプで、前記駆動軸4と共に回転する回転体11
と、この回転体11の外周部に嵌合するヨーク12と、
前記回転体11を受止めて、前記回転体11とヨーク1
2との間に形成するポンプ室13を閉鎖する閉鎖板14
及び前記下部軸受ハウジング6にボルト16で固定され
るスラスト受板15とから構成されている。
【0020】更に詳記すると、前記回転体11は、前記
駆動軸4における給油通路8の下端部に挿入するボス部
11aと、前記駆動軸4の下端面に当接される鍔部11
bと、前記駆動軸4に対し偏心された偏心部11cとを
備えると共に、吸入通路11dと、前記ポンプ室13の
油を給油通路8に吐出する吐出通路11eとを設けてい
る。
【0021】また、前記ヨーク12は、中心部に長円形
長孔12aを備えると共に、外側部には短軸方向に向か
って延びる1対のキー(図示せず)を備えており、前記
長孔12aに前記回転体11の偏心部11cを挿嵌し
て、これら偏心部11cと長孔12aとの間に前記ポン
プ室13を形成し、また、前記各キーを、前記下部軸受
ハウジング6の下端部に形成した摺動溝(図示せず)に
それぞれ嵌合させて短軸方向にのみ往復移動させるよう
にしている。
【0022】しかして、以上の構成において前記駆動軸
4の駆動回転により前記回転体11が回転すると、前記
偏心部11cの偏心回転により前記ヨーク12を短軸方
向に往復移動させながら、このヨーク12の往復移動と
偏心部11cの偏心回転とで、該偏心部11cと前記ヨ
ーク12の長孔12aとの間に形成するポンプ室13の
容積を変化させ、この容積変化で前記ポンプ室13に潤
滑油を吸入したり、吸入した潤滑油を加圧してポンプ室
13から吐出したりするのである。
【0023】図1に示した第1実施例は、以上のように
構成する前記給油ポンプ10の回転体11に、この回転
体11の吸入通路11dに連通する吸油路21をもった
吸油筒20を一体に設け、この吸油筒20の内周面に、
該吸油筒20の回転で吸込油を加圧する螺旋状油溝22
を設けたのである。
【0024】しかして、前記回転体11の回転により潤
滑油が前記ポンプ室13に吸入されるとき、その吸入側
入口が狭いためこの入口を通るときの抵抗で一定の吸入
圧損が生ずるのであって、この圧損による圧力低下で吸
込油に溶け込む冷媒の容積が増大することになり、ま
た、冷媒の溶け込みが大きいときで、冷媒圧力(低圧圧
力)が下がったときには、溶け込み冷媒の冷媒増加量が
大きくなって発泡することから前記ポンプ室13への吸
油量が減り、実給油量が減少するのであるが、前記油溝
22をもった吸油筒20を設けることにより前記回転体
11の吸入通路11dを流れる吸込油を加圧でき、この
加圧により冷媒の低圧圧力が低下するときでも吸込油に
溶け込む冷媒の発泡を少なくでき、冷媒発泡による吸油
量減少を抑制できるのである。
【0025】従って、前記ポンプ10の理論給油量を増
大しなくとも、その理論給油量を確保できるし、また、
理論給油量を増大させないから、定常運転時、つまり冷
媒の低圧圧力が所定圧力以上となる定常運転時に過給油
になることも回避できるのである。
【0026】尚、以上説明した第1実施例において、前
記吸油筒20に螺旋状油溝22を、ねじ溝を凹設して形
成しているが、その他例えばコイルばねなどのコイル状
部材を挿嵌して形成してもよい。
【0027】次に図3に示した第2実施例を説明する。
この第2実施例は、第1実施例と同様前記容積形給油ポ
ンプ10をヨーク形ポンプとした上で、回転体11に設
ける吸油筒20にスクリュー羽根23を設けたのであ
る。この場合、スクリュー羽根23を設けるから、前記
吸油筒20から前記吸入通路11dを経てポンプ室13
に吸入される油の加圧状態を増大でき、その吸入圧力を
有効に増大できるから、溶け込み冷媒の発泡をより少な
く抑制できる。
【0028】次に図4に示した第3実施例及び図5に示
した第4実施例を説明する。これら第3及び第4実施例
は、第1及び第2実施例と同様、何れも容積形給油ポン
プ10をヨーク形ポンプとした上で、回転体11に吸油
筒20を設け、第3実施例ではこの吸油筒20の先端部
にデバイダー24を内装し、また、第4実施例では、前
記吸油筒20の先端側に遠心加圧可能な絞り部25を設
けたものである。
【0029】前記デバイダー24は、下端部に切欠き2
4aをもった板材から成り、前記吸油筒20の先端側内
面に溶接等により固定して構成するもので、図4に示し
た実施例では、前記吸油筒20の先端面に、吸油口26
aをもった給油板26を取付ており、前記吸油筒20の
回転で前記吸油口26aから取入れる油を加圧できるよ
うになっている。
【0030】また、前記絞り部25は、前記吸油筒20
の先端側を内向きに絞り込んで形成してもよいが、図5
に示した実施例では、上向きに拡径するラッパ状の絞り
体225Aを形成して、この絞り体25Aを前記吸油筒
20の先端面に固定している。以上の第3実施例によれ
ば既存のデバイダー24を利用できるからコスト高にな
るのを抑えられるし、また、第4実施例によれば、前記
絞り体27を吸油筒20の先端面に取付けるだけで構成
できるし、また、絞り込みによっても形成できるから簡
単な加工で、また、部品点数を増大させずに構成でき、
最小のコストアップで冷媒発泡の抑制が可能となる。
【0031】次に図6,7に示した第5実施例を説明す
る。この第5実施例は、以上説明した各実施例と同様ヨ
ーク形式とした容積形給油ポンプ10の回転体11に吸
油筒20を設け、この吸油筒20に、図7に示したよう
に放射方向に延びる吐出油路27aをもった羽根車27
を取付けると共に、この羽根車27の外側に、前記吐出
通路27aの低圧側に開口する吸油口28aと、前記吐
出通路27aの吐出側に連通し、かつ、前記吸油筒20
の吸油路21と連通する加圧通路28bとをもった加圧
ケース28を配設し、この加圧ケース28を前記下部軸
受ハウジング6に固定のスラスト受板15にボルト29
により固定したものである。
【0032】尚30は前記加圧ケース28の底部に、該
ケース28の底面とはスペーサ30aを介して所定間隔
を設け、前記羽根車27とは近接状に取付ける通路板
で、この通路板30により前記羽根車27の外周部と前
記吸油筒20の下端開口部との間に前記加圧通路28b
を形成している。
【0033】第5実施例によると、前記羽根車27の回
転による遠心ポンプ作用により前記加圧ケース28の吸
油口28aから吸入された油溜め7の油が吐出油路27
aを介して加圧されて吐出され、この加圧油が前記加圧
通路28bから前記吸油筒20の吸油路21を経て前記
ポンプ10のポンプ室13に吸入されるのであって、前
記吸油筒20は前記羽根車27を取付けるだけの軸方向
長さでよく、また、羽根車28の軸方向寸法は短寸です
むから、前記吸油筒20に前記した実施例のように螺旋
状油溝22やスクリュー羽根23を設ける場合に比較し
て上下高さ(軸方向寸法)を抑えられるし、しかも、そ
の上で充分な油の吸入圧力の増加を確保でき、冷媒発泡
をより有効に減少できるのである。
【0034】以上説明した実施例の容積形給油ポンプ1
0は、何れもヨーク形ポンプであるが、図8に示したよ
うにトロコイド形ポンプを用いる場合にも適用できる。
【0035】図8に示した第6実施例は、駆動軸4の軸
端部におる前記給油通路8に、ポンプ油となる回転体3
1を挿入固定すると共に、前記下部軸受ハウジング6の
下端部に、前記駆動軸4の下端面を受止めるスラスト受
板32とポンプケーシング33とを取付ける一方、前記
回転体31に外周部に多数の歯を有するインナーロータ
34を取付け、前記ポンプケース33に内周部に前記イ
ンナーロータ34の歯数より1歯多い多数の歯を有する
アウターロータ35を、前記インナーロータ34の軸心
に対し偏心した軸心を中心に回転自在に取付けてトロコ
イド形ポンプを構成した上、前記回転体31に、前記ポ
ンプケーシング33から前記油溜め7に向かって突出す
る吸油路41をもった吸油筒40を一体に設け、この吸
油筒40の吸油路41に、前記ポンプケーシング33に
おける吸入室36に向けて径方向に開口する遠心加圧通
路42を設けたものである。
【0036】更に詳記すると、前記インナーロータ34
とアウターロータ35との軸方向上部には吐出口37a
をもった吐出側端板37を、また、下部には吸入口38
aをもった吸入側端板38をそれぞれ設け、前記吐出側
端板37の上部側に吐出室39を、また、吸入側端板3
8の下部側に前記吸入室36を設けけると共に、前記吐
出室39を前記回転体31の上方中心部に設けられ、前
記給油通路8に開口する吐出通路31aに、連通路31
bを介して連通し、また、前記吸入室36に前記遠心加
圧通路42を開口させるのであって、前記駆動軸4の駆
動回転による前記回転体31の回転で前記インナーロー
タ34とアウターロータ35とが、これら各ロータ3
4,35の歯が噛合った状態で回転し、これら各歯の接
触部間に形成されるポンプ室43の容積変化で、油溜め
7の油が前記吸油筒40の吸油路41及び吸入室36を
経て前記ポンプ室43に吸入されると共に加圧されて吐
出室39に吐出され、前記連通路31b、吐出通路31
aを経て給油通路8に給油されるのである。
【0037】このとき、前記吸油筒40には、前記吸入
室36に向かって径方向に延びる遠心加圧通路42を設
けているから、前記回転体31の回転による吸油筒40
の回転で前記吸油路41を介して吸油する油を加圧で
き、前記吸入室36の圧力を上昇させられるのである。
従って、前記吸入室36からポンプ室43に吸入される
吸込油を圧力上昇させられるから、冷媒の低圧圧力が下
がっても、吸入圧損による溶け込み冷媒の発泡を減少さ
せられるのである。
【0038】また、以上の如く構成するトロコイド形ポ
ンプにおいては、前記回転体31の周りに吸入室36が
形成されるから、前記吸油筒40に径方向に延びる遠心
加圧通路42を設けるだけで吸入室36の吸込油を加圧
でき、従って、前記した第1乃至第5実施例のように、
吸油筒20に螺旋状油溝22を設けたり、スクリュー羽
根23やデバイダー24などの加圧手段を設けなくと
も、前記加圧通路42を設けるだけの簡単な構成で、吸
込油の加圧を充分行えるし、また、前記吸油筒31に螺
旋状油溝22を設けたり、スクリュー羽根23やデバイ
ダー24などを設けることにより2段加圧が可能とな
り、より一層吸入圧力の昇圧が有効に行え、冷媒の発泡
をより一層減少させられるのである。また、前記吸油筒
40は前記ポンプケーシング33から油溜め7に向かっ
て突出させているから、トロコイド形ポンプとしなが
ら、駆動軸4の回転、ひいてはポンプ駆動を外部からチ
ェックできることになる。
【0039】以上説明した実施例は何れも吸油筒20,
40を回転体11,31と一体に形成したが、別部材と
して取付けてもよい。
【0040】また、前記した各実施例は吸油筒20,4
0を設け、この吸油筒20,40に加圧作用をする螺旋
状油溝などの加圧手段を設けて前記ポンプ10の吸入通
路11dを流れる吸込油を加圧する加圧装置を形成した
が、この加圧装置は、前記ポンプ10とは別にポンプを
設けて構成してもよい。
【0041】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、駆動軸4の給
油通路8の下端部に挿入されて駆動軸4と共に回転する
給油ポンプの回転体11、31に一体的に設けた回転体
11、31の吸入通路11dに、この吸入通路11dを
流れる吸込油を加圧する加圧装置を設けたから、ポンプ
10の理論給油量を増大させなくとも、ポンプ室に吸油
されるときの吸入圧力を増大して、溶け込み冷媒の発泡
を抑制でき、従って、冷媒の潤滑油への溶け込みが大き
いときで、冷媒の低圧圧力が低下したときでも、理論給
油量を確保できるし、また、理論給油量を増大させない
から、定常運転時、過給油になることもなく、過給油に
よる問題も生じない。
【0042】また、請求項2記載の発明では、前記吸油
筒20に前記螺旋状油溝22を設けたから、部品点数を
増加させることなく簡単な構成で吸油される油の吸入圧
力を増大させられる。
【0043】また、請求項3記載の発明では、前記吸油
筒20にスクリュー羽根23を設けたから、前記吸入圧
力の加圧性能を増大でき、より一層溶け込み冷媒の発泡
を抑制できる。
【0044】また、請求項4記載の発明では、前記吸油
筒20の先端部にデバイダー24を内装したから、既存
品を用いられ、コスト高になるのを抑えられるし、また
請求項5記載の発明では、前記吸油筒20の先端側に前
記絞り部25を設けたから、前記吸油筒20の簡単な加
工で、部品点数を増加させずに構成でき、前記吸油筒2
0を設けるだけの最小のコストアップで冷媒発泡の抑制
が可能となる。
【0045】また、請求項6記載の発明では、前記羽根
車27と前記加圧ケース28とを設け、前記羽根車27
の回転による遠心ポンプ作用で前記加圧ケース28の加
圧通路28bで加圧して前記吸油筒20に吐出するよう
にしたから、上下高さを抑えながら充分な油の吸入圧力
の増圧を確保できるのであって、冷媒発泡をより有効に
減少できる。
【0046】更に請求項7記載の発明は、前記容積形給
油ポンプ10をトロコイド形式として、そのインナーロ
ータ34と共に回転する回転体31に前記吸油筒40を
設け、この吸油筒40に前記遠心加圧通路42を設けた
から、トロコイド形ポンプを用いながら外部からポンプ
駆動をチェックできるし、また、螺旋状油溝の加工や、
スクリュー羽根、デバイダーなどの部品を付加しなくと
も、前記遠心加圧通路42を設けるだけの簡単な構成で
吸油される油の充分な加圧が行えるし、前記吸油筒40
に螺旋状油溝を設けたり、スクリュー羽根やデバイダー
などを設けることにより2段加圧が可能となり、冷媒発
泡をより有効に減少させられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示す要部の拡大断面
図。
【図2】 第1実施例の圧縮機全体の部分切欠正面図。
【図3】 第2実施例の要部拡大断面図。
【図4】 第3実施例の要部拡大断面図。
【図5】 第4実施例の要部拡大断面図。
【図6】 第5実施例の要部拡大断面図。
【図7】 第5実施例における羽根車の断面平面図。
【図8】 第6実施例の要部拡大断面図。
【図9】 従来例を示す要部の断面図。
【図10】 冷媒圧力Pと容積Vの変化との関係を示す
P−V線図。
【符号の説明】
1 密閉ケーシング 2
圧縮要素 4 駆動軸 7
油溜め 8 給油通路 10
容積形給油ポンプ 11,31 回転体 11d
吸入通路 20,40 吸油筒 21,4
1 吸油路 22 螺旋状油溝 23
スクリュー羽根 24 デバイダー 25
絞り部 25A 絞り体 27
羽根車 27a 吐出油路 28
加圧ケース 28a 吸油口 28b
加圧通路 33 ポンプケーシング 34
インナーロータ 35 アウターロータ 36
吸入室 42 遠心加圧通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植田 秀作 大阪府堺市築港新町3丁12番地 ダイキ ン工業株式会社堺製作所臨海工場内 (72)発明者 吉井 利彰 大阪府堺市築港新町3丁12番地 ダイキ ン工業株式会社堺製作所臨海工場内 (72)発明者 赤川 智之 大阪府堺市築港新町3丁12番地 ダイキ ン工業株式会社堺製作所臨海工場内 (56)参考文献 特開 昭62−87693(JP,A) 特開 平3−267594(JP,A) 特開 平4−171293(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 29/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒吸入管(1b)を開口したケーシン
    グ(1)の上部に圧縮要素(2)を内装し、下部に油溜
    め(7)を設けると共に、前記圧縮要素(2)を駆動す
    る駆動軸(4)に前記油溜め(7)に開口する容積形給
    油ポンプ(10)を設けた冷媒圧縮機において、前記給
    油ポンプ(10)は前記駆動軸(4)の給油通路(8)
    の下端部に挿入されて前記駆動軸(4)と共に回転する
    回転体(11、31)と、前記回転体(11、31)に
    一体的に設けられ前記回転体(11、31)の吸入通路
    (11d)に連通する吸油路(21、41)をもった吸
    油筒(20、40)とを有し、前記吸油筒(20、4
    0)に吸込油を加圧する加圧装置を設けていることを特
    徴とする冷媒圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記加圧装置として、前記吸油筒(2
    0)に、前記吸油筒(20)の回転で吸込油を加圧する
    螺旋状油溝(22)を設けている請求項1記載の冷媒圧
    縮機。
  3. 【請求項3】 前記加圧装置として、前記吸油筒(2
    0)に、前記吸油筒(20)の回転で吸込油を加圧する
    スクリュー羽根(23)を設けている請求項1記載の冷
    媒圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記加圧装置として、前記吸油筒(2
    0)の先端部にデバイダー(24)を内装している請求
    項1記載の冷媒圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記加圧装置として、前記吸油筒(2
    0)の先端側に、遠心加圧可能な絞り部(25)を設け
    ている請求項1記載の冷媒圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記加圧装置として、前記吸油筒(2
    0)に放射方向に延びる吐出油路(27a)をもった羽
    根車(27)を取付けると共に、この羽根車(27)の
    外側に、前記吐出油路(27a)の低圧側に開口する吸
    油口(28a)と前記吐出油路(27a)の吐出側に連
    通し、前記吸油筒(20)の吸油路(21)に連通する
    加圧通路(28b)をもった加圧ケース(28)を設け
    ている請求項1記載の冷媒圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記容積形給油ポンプ(10)は、前記
    回転体(31)と共に回転するインナーロータ(34)
    と、このインナーロータ(34)の軸心に対し偏心した
    偏心軸心をもつアウターロータ(35)とを備え、これ
    ら各ロータ(34)(35)をポンプケーシング(3
    3)に内装したトロコイドポンプから成り、前記加圧装
    置として、前記吸油筒(40)の前記吸油路(41)
    に、前記ポンプケーシング(33)における吸入室(3
    6)に向けて径方向に開口する遠心加圧通路(42)を
    設けている請求項1記載の冷媒圧縮機。
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