JP3455005B2 - 荷電ビーム露光装置 - Google Patents

荷電ビーム露光装置

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JP3455005B2
JP3455005B2 JP06878496A JP6878496A JP3455005B2 JP 3455005 B2 JP3455005 B2 JP 3455005B2 JP 06878496 A JP06878496 A JP 06878496A JP 6878496 A JP6878496 A JP 6878496A JP 3455005 B2 JP3455005 B2 JP 3455005B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LSI等の微細パ
ターンを試料面上に描画する荷電ビーム露光装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】半導体基板の表面に微細パターンを露光
する手段として、電子ビームを用いた電子ビーム露光装
置が使用されている。この電子ビーム露光装置の中で
も、特にビーム寸法を変化させて任意の形状のビームを
形成する可変成形ビーム方式の電子ビーム露光装置は、
スループットが格段に高いという特徴を有する。
【0003】可変成形ビーム方式の電子ビーム露光装置
では、設定ビーム寸法と実際のビーム寸法とが一致する
ようにビーム寸法を調整する必要がある。ビーム寸法の
調整は、例えば特開昭63−23756号公報に記載さ
れている方法がある。
【0004】しかし露光時に、ビーム寸法が設定された
ビーム寸法からずれてくることが知られている。これ
は、電子光学鏡筒内(以下EOS[Electron
Optical System]と記す)に電荷が溜ま
り(以下チャージアップと記す)、荷電ビームの軌道が
変化する(いわゆるビームドリフト)ために起こる。更
に詳しく説明すると、ビーム寸法を制御するための成形
偏向器内でチャージアップが起こるとビームドリフトが
生じ、第2成形アパーチャ上の電子ビーム像の位置が変
動し、実際のビーム寸法にずれが生じる。これは実寸法
を設定ビーム寸法に合わせるためのオフセット量が時間
の関数として変化する事を意味する(以下オフセットド
リフトと記す)。
【0005】このオフセットドリフトは短時間に大きく
変化し、飽和する短周期オフセットドリフトと、長時間
掛けてドリフトする長時間オフセットドリフトからな
る。このオフセットドリフトの描画パターンに与える影
響は微細パターンになるほど顕著になる。例えばオフセ
ットドリフト量が0.01μm(試料面上)である場
合、0.5μmルールの描画パターンでは2%(0.0
1/0.5)の誤差となるが、0.1μmルールの描画
パターンでは10%(0.01/0.1)の誤差となっ
てしまう。
【0006】また、対物偏向器内や試料面上のレジスト
内でチャージアップが起こると、ビーム寸法に変化はな
いがビームの照射位置が変化するという問題を引き起こ
す。このようなビーム照射位置誤差を解消するために、
パターニングの途中で一定時間毎にビーム照射位置を計
測し、位置ドリフトの分だけビーム偏向量を調整して、
描画精度の低下を防ぐことを行っている(例えば特開平
5−304080号参照)。
【0007】この方法は、ビームドリフトが比較的ゆっ
くり発生する場合には有効であるが、短時間ドリフトを
補正することは困難である。そのため、パターンを描画
する前に、ビームドリフトが比較的安定する程度の時
間、被照射物からはずれた場所にビームを照射し、任意
のパターンを描画するダミー照射が行われている。
【0008】しかし、この方法はビーム寸法を変化させ
るようなビームドリフトに対しては効果はないため、描
画中の実際のビーム寸法を正しく管理できることができ
ないという欠点がある。即ち、ビーム調整時に計測され
たビーム寸法はオフセットドリフトによって変化する。
また、時間的に安定な状態になったとしても、描画中の
ビーム寸法は不明であるという問題があった。
【0009】オフセットドリフトは、EOS、特に静電
偏向器の電極に付着する汚染物層に電荷がチャージアッ
プし、そのチャージアップによる電極表面の電位変化に
よって発生する。この汚染物層は真空中の残留ハイドロ
カーボン分子と電子線の相互作用によって付着する。こ
の汚染物は量の多い少ないはあるが荷電ビームを用いた
装置共通の問題である。このカーボンの除去方法とし
て、例えば特願平06−313715号に提案されてい
る方法がある。この方法は、CF4 とO2 との混合ガス
を用いたダウンフローによる強力な酸化プロセスを用い
て、電極表面に付着する汚染物を除去するというもので
ある。汚染物を除去する事によって、汚染物のチャージ
アップによるオフセットドリフトをなくすことができ
る。
【0010】しかし、上記の方法で電極表面から汚染物
を除去しても、その後の使用時間に応じて、真空中に残
留するハイドロカーボン分子と電子線の相互作用により
再び電極表面に汚染物が付着する。そして、汚染物のチ
ャージアップによるオフセットドリフトが誘発されるこ
とになる。従って、定期的に電極表面を洗浄する作業が
必要になる。
【0011】洗浄を行うためには、装置の稼動を停止し
なければならない。洗浄の工程、その後の調整確認等の
工程を含めると、装置を3日から5日程度停止しなけれ
ばならない。しかし、この様な装置の停止は、製品を製
造する上でコストアップにつながり望ましくない。
【0012】しかし、汚染物の洗浄を行わないと、電極
表面の汚染物によるオフセットドリフトは時間とともに
2次関数的に増加し、描画パターン精度を劣化させる。
パターン精度が劣化した状態で描画を続けると、歩留り
が低下し、後工程を含めると莫大な損害が発生してしま
う。
【0013】つまり、頻繁に洗浄を行うと装置の稼動時
間が短くなり、製造コストが上昇する。また、洗浄を行
わないと歩留りが低下し、製造コストが上昇する。従っ
て、洗浄の実施の判断は的確に行わなければならない。
洗浄の実施の判断を行うためには、実際に描画を行い描
画パターンの状態から判断するか、ビーム電流量をファ
ラデーカップ等で測定し、ビーム電流値の変化からオフ
セットドリフト量を判断するものがある。
【0014】前者の判断方法では、描画前にオフセット
ドリフトの状態が判断できない、描画後の現像処理、走
査型電子顕微鏡の観察などに2日程度必要なため、判断
に時間がかかる。また、プロセスの要因も入ることなど
から判断時期を誤ることが多かった。一方、後者のよう
に、ビーム電流値の変化をモニターするのであれば、描
画前に警告等が発せられるので上記のような問題はな
い。しかし、ビーム電流値の測定結果と実際の描画パタ
ーンとが一致しないという問題があり、洗浄時期の的確
な判断が行えなかった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、電子
ビーム露光装置の光学系に付着する汚染物がビームドリ
フトを招く要因となるため、光学系を定期的に洗浄する
必要があるが、洗浄時期を的確に、且つ早く判断する事
はできなかった。即ち、描画パターンからの判断では判
定までに時間がかかる問題があった。またビーム電流値
の変化では、実際に得られる描画パターンと異なる結果
を得る等の問題があった。なお、上記の汚染物の洗浄時
期の判定の問題は、必ずしも電子ビーム露光装置に限ら
ず、イオンビーム露光装置についても同様にいえること
である。本発明の目的は、光学系に付着する汚染物を洗
浄するための洗浄時期を的確に、且つ早く判断する事が
できる荷電ビーム露光装置を提供する事にある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
(構成) 本発明の荷電ビーム露光装置は、次のように構成されて
いる。(1) 荷電ビームを発生する荷電ビーム発生部と、こ
の荷電ビーム発生部で発生された荷電ビームを所望の形
状に成形する第1及び第2の成形アパーチャと、これら
のアパーチャ間に設けられ、前記第1の成形アパーチャ
の像を前記第2の成形アパーチャ上に投影する投影レン
ズと、前記第1及び第2の成形アパーチャの光学的重な
りを可変する成形偏向器と、この成形偏向器によって成
形されたビームを試料上に投影する対物レンズと、前記
成形偏向器によって、荷電ビームを前記第2のアパーチ
ャ上の第1の位置に一定時間偏向した後に第2の位置に
偏向する偏向動作を第1の位置を変更して複数回行い、
偏向動作毎に該第2の位置における荷電ビームの電流値
の時間変化を測定し、測定された電流値の変化量を求め
電流値測定手段と、求められた電流値の変化量と予め
設定された値とを比較する電流値比較手段とを具備して
なる。(2) 荷電ビームを発生する荷電ビーム発生部と、こ
の荷電ビーム発生部で発生されたビームを所望の形状に
成形する手段と、成形されたビームを試料上に結像する
ための対物レンズと、成形されたビームを試料上の所望
の位置に偏向する対物偏向器と、前記対物偏向器によっ
て、荷電ビームを試料上の第1の位置に一定時間偏向し
た後に第2の位置に偏向し、該第2の位置に対するビー
ムの位置の変化量を測定する位置測定手段と、測定され
た前記ビーム位置の変化量と予め設定された値とを比較
する位置比較手段とを具備してなる。 () ()において第2の位置が、ビームの形状を
縦横比が大きく異なるラインビームを形成する位置であ
る。 () 前記位置測定手段は、第1の位置を2個所以上
に変えて複数回の測定をおこなう。 () ()において第1の位置が、対物偏向器によ
る偏向可能領域の頂点付近である。 () ()において、ビームの照射位置を測定する
ために、ビームの反射電子を用いて、第2の位置の計測
をする。
【0017】(作用)オフセットドリフトを電子ビーム
描画装置EX−8D(東芝製)を用いて実験的に測定し
た。なお、オフセットドリフトは、ビーム電流をファラ
デーカップで計測して評価を行った。具体的にはビーム
寸法を調整した後、図7に示す第2成形アパーチャ上の
それぞれの位置(Type−1からType−5)での
透過電流値が一定になるように偏向し、成形偏向器内で
チャージアップが十分なされるまでそれぞれの位置に偏
向しておく(ここでは180秒に設定)。その後、電子
ビーム像S1を図8の(a)及び(b)に示すような、
ドリフト測定用のXラインビーム(1μm×0.01μ
m)、Yラインビーム(0.01μm×1μm)になる
ように偏向し、各ラインビームの電流値の時間変化を測
定した。ラインビームは、短辺の幅方向の寸法に変化が
生じると、電流値が急激に変化するので、電流変化を測
定することで容易にドリフトを観測することができ、X
ラインビームではY方向,YラインビームではX方向の
ドリフトを測定することができる。
【0018】図9、図10、図11、図12に代表的な
測定結果を示す。図9及び図10の(a)〜(e)は、
各TypeからXラインビームに偏向した後のビーム電
流値の時間変化、図11及び図12の(a)〜(e)
は、各TypeからYラインにビームを偏向した後のビ
ーム電流値の時間変化を示す図である。図11及び図1
2において、Type−1からYラインビームに偏向し
た場合、ビーム電流値が変化する様子が見られない。そ
れ以外の場合、いずれも短周期(100秒程度)の間で
ビーム電流が大きく増加し、その後、電流値は飽和して
安定する。一方図9及び図10に示す、各Typeから
Xラインビームに偏向した場合、全てのTypeでビー
ム電流値が増加した後、飽和、安定する。ただしTyp
e−1の場合、初期増加量が他のTypeと比較すると
少なくなっている。
【0019】次に、各TypeからX,Yラインビーム
に偏向する際の成形偏向器の印加電圧の変化をベクトル
で示したものを図13に示す。ここで、図13の(a)
は各TypeからXラインビームに偏向する際の印加電
圧の変化で、図13(b)は各TypeからYラインビ
ームに偏向する際の印加電圧の変化である。また、図1
4に成形アパーチャ25、対物偏向器23と一緒に、図
13での座標系を示す。ただし、実際の偏向器は8極で
構成されているが、説明の簡素化のため4極で示してあ
る。
【0020】X,YラインともType−1の場合はベ
クトル量は小さい。それに対し、他のTypeではベク
トル量が大きくなっている。図9、10、11、12と
見比べると、偏向電圧の印加電圧の変化と短時間のビー
ム電流値の変化量との間に強い相関が有ることに気づい
た。
【0021】Type−1からラインビームに偏向した
場合、偏向器の印加電圧の変化は小さく、ラインビーム
の位置と余り変わりがないので、偏向を行わずにビーム
電流値を測定したものに近い状態といえる。単に偏向さ
せずにビーム電流値を測定すると、測定値は変化しな
い。しかし実際の描画時には偏向させながら行うので、
ビームを偏向させない場合、ビーム電流値の変化量と実
際の描画パターンとが一致しないことがわかる。
【0022】即ち、オフセットドリフトは、ビームが偏
向された前歴に強く依存し、その前歴と偏向電圧の変化
量に依存する。例えば、Type−1からYラインに偏
向した場合、ビーム電流値の変化は発生していない。こ
の状態で洗浄時期の判断を行うと、オフセットドリフト
は無く、洗浄を行なう必要性はないと判断される。しか
し、Type−5からYラインに偏向した場合、ビーム
電流値は大きく変化し、ビーム寸法が変化していること
が判る。この状態で描画を行うと、形成されるパターン
の精度が低下し問題となる。
【0023】この問題を顕著に表したものを図15、図
16に示す。ここでaは洗浄前のビーム電流値で、bは
洗浄後のビーム電流値である。図15は洗浄前、洗浄後
の電極を用いて、Type−1からラインビームに偏向
した際のビーム電流値の時間変化を示すものである。洗
浄前と洗浄後とで、ビーム電流値の初期増加は両者とも
無く、洗浄前と洗浄後との違いは顕著に現れない。その
ため、Type−1からラインビームに偏向させてオフ
セットドリフトの評価を行うと、オフセットドリフトは
ないと判断され、電極の洗浄処理は必要ないと判断され
る。
【0024】図16は、図15での測定と同じ電極を使
用し、洗浄前、洗浄後において、Type−5からライ
ンビームに偏向した際のビーム電流値の時間変化を示す
図である。ここでaは洗浄前のビーム電流値で、bは洗
浄後のビーム電流値である。洗浄前のビーム電流値は初
期増加を有し、電極の洗浄が必要だと判断される。ま
た、洗浄することによって、ビーム電流値の初期増加も
無くなり、洗浄によってオフセットドリフトが無くなっ
ていることが判る。
【0025】この様に、前歴によってビーム電流値の変
化は大きく異なるので、単に電流値の変化を測定しただ
けで洗浄時期を判断すると、判断を誤ることになる。実
際の描画時には、各Typeに偏向しながら行う為、単
純にビーム電流値を測定するだけでは洗浄時期を判断す
ることはできない。しかし、各Typeからラインビー
ムに偏向し、その後のビーム電流値の時間変化を観察す
ることによって、実際の描画時に近い状態でビーム電流
値の変化を観察することができる。
【0026】この様に、各Typeからラインビームに
偏向し、ビーム電流値の変化量があるレベル以上になっ
た時を洗浄時期とする事によって、適切な洗浄時期を判
断することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)図1は本発明の第1実施形態に係わる
電子ビーム露光装置の概略を示す模式図である。ここ
で、光学系などを収納するチャンバや排気系などは省略
している。電子ビームを発生する電子銃1(荷電ビーム
発生部)の下方に、電子ビームを集束、偏向、成形する
光学系2が設けられている。光学系2の下方には露光さ
れる試料3が移動可能な可動ステージ4の上に設置され
ている。また、可動ステージ4上には電子ビームの電流
値を測定するファラデーカップ(電流値測定手段)5、
ビーム寸法測定用マーク台6が設けられている。また、
可動ステージ4を移動させる事で、電子ビームの照射位
置を、試料3、ファラデーカップ5又は電子ビーム寸法
測定用マーク台6の中から選択する事ができる。
【0028】又、ファラデーカップ5には、ファラデー
カップ5の測定する電流値の変化量を予め設定した基準
値と比較し、洗浄時期に有るかどうかを判定する洗浄判
定器(電流値比較手段)7が接続されている。
【0029】次に光学系2の詳しい構成を説明する。電
子銃1の下方に電子ビームの電流密度を調節するコンデ
ンサレンズ21が設けられている。またその下方には電
子ビームを制限する第1の成形アパーチャ22が設けら
れている。また、その下に電子ビームを偏向する成形偏
向器23が設けられている。そして投影レンズ24及び
第2の成形アパーチャ25が設けられている。その下方
に縮小レンズ26が設けられ、その下方に対物レンズ2
7及び対物偏向器28が設けられている。
【0030】また、電子ビームの寸法及び試料に照射す
る位置のデータを格納するパターンデータメモリ30
が、パターンデータデコーダ31及び描画データデコー
ダ32にデータ信号を送るよう接続されている。パター
ンデータデコーダ31は、パターンデータメモリ30の
データから成形偏向器23へ印加する電圧を計算し、成
形偏向器23に電圧を印加するビーム成形アンプ33を
制御する。また、描画データデコーダ32は、パターン
データメモリ30のデータから対物偏向器28へ印加す
る電圧を計算し、対物偏向器28に電圧を印加する対物
偏向アンプ34を制御する。
【0031】ここで、実際の露光について説明する。電
子銃1から放出された電子ビームは、電子銃のコンデン
サレンズ21によって電流密度が調節され、第1の成形
アパーチャ22上に均一に照射される。アパーチャ22
で成形された電子ビームは投影レンズ24によって第2
の成形アパーチャ25に結像される。第1成形アパーチ
ャ22と投影レンズ24の間に設けられた成形偏向器2
3によって、第1の成形アパーチャ22で形成された電
子ビームが第2成形アパーチャ25に重なる程度が制御
され、電子ビームの寸法が変えられる。
【0032】第1及び第2成形アパーチャ22,25で
成形された電子ビーム像は縮小レンズ26によって縮小
され、さらに対物レンズ27によって試料3上に結像さ
れる。また、試料3に投影される電子ビーム像の位置は
対物偏向器28によって決定される。
【0033】次に洗浄時期の判定について、図2を用い
て説明する。図2は第2の成形アパーチャ25上の電子
ビーム像S1の位置を示す図である。第1の成形アパー
チャ22で成形された電子ビーム像S1をラインビーム
Type−Lに偏向させた時、電子ビームがファラデー
カップ5に照射されて電子ビーム値を測定可能なように
調節しておく。
【0034】第1成形アパーチャで成形された電子ビー
ム像をType−L、Type−2、Type−L、T
ype−3、Type−L、Type−4、Type−
L、Type−5、Type−Lの順で20秒間ずつ偏
向していく。その時、Type−2〜5からType−
Lに偏向した際のビーム電流値をファラデーカップ5に
よって測定する。
【0035】図3は成形偏向器の電極表面が汚れていな
い状態での、ビーム電流値の時間変化を示す図である。
図中の矢印の区間内はType−2〜5に偏向している
状態である。電極の表面が汚れていない場合、ビーム電
流値の最大値と最小値との差△Iの変化は少なく、描画
中のオフセットドリフト量が小さい状態である事がわか
る。
【0036】また、図4は成形偏向器電極の表面が汚れ
ている状態での、Type−2〜5からラインビームT
ype−Lに偏向した後の、ビーム電流値の時間変化を
示す図である。測定は図3での測定と同様に行った。成
形偏向器の電極表面が汚れている場合、ビーム電流の最
大値と最小値との差△Iが大きく、描画中にオフセット
ドリフトが発生している事がわかる。
【0037】つまり、オフセットドリフトが発生してい
ない場合には電子ビーム値の変化量△Iが小さく、オフ
セットドリフトが発生してる場合には変化量△Iが大き
くなるとすることができる。従って、実際の洗浄時期の
判定は、ビーム電流の変化量△Iがある基準値以上にな
ったときを洗浄時期とする。
【0038】洗浄判定器7は、上記の測定の後、ビーム
電流値の変化量△Iと基準値を比較し、変化量△Iが基
準値以上であれば洗浄時期であると判断する。この様
に、Type−2〜5からラインビームLに設定した後
の電流の変化量を求める事により、実際の描画と同様な
条件における評価を行なう事ができる。
【0039】本実施形態ではType−2〜5及びライ
ンビームType−Lに偏向した時間を20秒間として
いるが、その時間間隔は必要に応じて設定すればよい。
この設定時間は電極表面の汚染物の質による。
【0040】また、洗浄時期を判断するビーム電流の基
準値も目的とする描画パターンの精度に従って設定すれ
ば良い。本実施形態のようにビーム電流値の変化をビー
ムの履歴を考慮にいれて測定する事によって、実際の描
画に近い状態で、オフセットドリフト量を評価する事が
でき、成形偏向器の洗浄時期を的確に判断する事ができ
る。
【0041】(第2実施形態)本実施形態では、対物偏
向器28の洗浄時期を判定する装置について図5、図6
を用いて説明する。図5は対物偏向器の偏向可能領域と
ドリフト測定前のビーム電流値の偏向位置を示す図で、
図6は偏向可能領域とドリフト測定前の偏向位置からド
リフト測定位置に偏向した例を示す図である。なお、図
5,6において、四角で示す領域は、対物偏向器によっ
て、電子ビームを偏向させることが可能な領域である。
【0042】対物偏向器による偏向可能領域の各頂点付
近P1,P2,P3,P4に偏向し、各点で対物偏向器
電極表面が十分チャージアップするまで偏向しておき、
その後図6に示す測定位置Mに偏向し、電子ビームの照
射位置を求め、電子ビームの照射位置の変動から、対物
偏向器の電極の洗浄時期を判断する事ができる。
【0043】ビーム位置の測定は、例えば次に示す方法
で行なう。ドリフト測定位置Mにマーク台6を移動して
おき、そのマーク台上にはビーム寸法測定用の重金属が
設置され、各点P1〜4から測定点Mに偏向させた後、
測定位置M上でビームを微少走査し、マーク台6上の重
金属からの反射電子を検出し、ドリフト測定位置Mの位
置を測定する。そして、この測定を一定時間繰り返す。
ドリフトがあると、位置Mの計測された位置が、測定時
間によって異なる。ここで、ビームの照射位置を測定す
る代わりに測定位置Mの位置を計測しているが、ビーム
の照射位置が変動すれば、計測された測定位置Mが変動
する。従って、ドリフト測定位置Mの位置を計測するこ
とで、ビーム照射位置の測定をする事ができる。実際の
判断は第1実施形態と同様に、位置の変化量と設定され
た基準値とを比較することによって、洗浄時期かどうか
を判断する。
【0044】また測定点Mは、図6に示した位置に限定
されるわけではなく、任意の位置に測定点を設けて良
い。重要な点は、偏向可能領域の最大位置に偏向した後
に測定点へ偏向し位置の測定を行なう事にある。
【0045】先の実施形態では荷電粒子ビームとして電
子ビームを取り上げたがイオンビームなどの荷電ビーム
でも良い。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、
種々変形して実施することが可能である。
【0046】
【発明の効果】本発明の荷電ビーム露光装置は、実際の
描画に近い状態でビームを偏向させながらビーム電流値
あるいはビーム照射位置を測定することによって、光学
系(成形偏向器や対物偏向器)の洗浄時期を早く、且つ
的確に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係わる電子ビーム露光装置の光
学系の概略構成を示す図。
【図2】図1の光学系の第2の成形アパーチャ上の電子
ビーム像の偏向位置を示す図。
【図3】洗浄後の偏向器の場合のビーム電流値の時間変
化を示す図。
【図4】洗浄前の偏向器の場合のビーム電流値の時間変
化を示す図。
【図5】対物偏向領域とドリフト測定前の偏向位置の関
係を示す図。
【図6】対物偏向領域とドリフト測定前の偏向位置から
ドリフト測定位置に偏向した例を示す図。
【図7】電子ビーム像の第2の成形アパーチャ上の位置
の各Typeを示す図。
【図8】ラインビームを示す図。
【図9】各TypeからXラインビームへ偏向したとき
のビーム電流値の時間変化を示す図(1)。
【図10】各TypeからXラインビームへ偏向したと
きのビーム電流値の時間変化を示す図(2)。
【図11】各TypeからYラインビームへ偏向したと
きのビーム電流値の時間変化を示す図(1)。
【図12】各TypeからYラインビームへ偏向したと
きのビーム電流値の時間変化を示す図(2)。
【図13】各Typeからラインビームに偏向する際の
印加電圧を示す図。
【図14】偏向器の印加電圧ベクトルの座標系を示す
図。
【図15】洗浄前と洗浄後において、Type−1から
ラインビームに偏向したときのビーム電流値の時間変化
を示す図。
【図16】洗浄前と洗浄後において、Type−5から
ラインビームに偏向したときのビーム電流値の時間変化
を示す図。
【符号の説明】
1…電子銃(荷電ビーム発生部) 2…光学系 3…試料 4…可動ステージ 5…ファラデーカップ(電流値測定手段) 6…ビーム寸法測定用マーク台 7…洗浄判定器(電流値比較手段) 21…コンデンサレンズ 22…第1の成形アパーチャ 23…成形偏向器 24…投影レンズ 25…第2の成形アパーチャ 26…縮小レンズ 27…対物レンズ 28…対物偏向器 30…パターンデータメモリ 31…パターンデータデコーダ 32…描画データデコーダ 33…ビーム成形アンプ 34…対物偏向アンプ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−263305(JP,A) 特開 平5−82426(JP,A) 特開 昭59−98523(JP,A) 特開 昭50−55270(JP,A) 特開 平6−204127(JP,A) 特開 平8−37141(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】荷電ビームを発生する荷電ビーム発生部
    と、この荷電ビーム発生部で発生された荷電ビームを所
    望の形状に成形する第1及び第2の成形アパーチャと、
    これらのアパーチャ間に設けられ、前記第1の成形アパ
    ーチャの像を前記第2の成形アパーチャ上に投影する投
    影レンズと、前記第1及び第2の成形アパーチャの光学
    的重なりを可変する成形偏向器と、この成形偏向器によ
    って成形されたビームを試料上に投影する対物レンズ
    と、前記成形偏向器によって、荷電ビームを前記第2の
    アパーチャ上の第1の位置に一定時間偏向した後に第2
    の位置に偏向する偏向動作を第1の位置を変更して複数
    回行い、偏向動作毎に該第2の位置における荷電ビーム
    の電流値の時間変化を測定し、測定された電流値の変化
    量を求める電流値測定手段と、求められた電流値の変化
    量と予め設定された値とを比較する電流値比較手段とを
    具備してなることを特徴とする荷電ビーム露光装置。
  2. 【請求項2】荷電ビームを発生する荷電ビーム発生部
    と、この荷電ビーム発生部で発生されたビームを所望の
    形状に成形する手段と、成形されたビームを試料上に結
    像するための対物レンズと、成形されたビームを試料上
    の所望の位置に偏向する対物偏向器と、前記対物偏向器
    によって、荷電ビームを試料上の第1の位置に一定時間
    偏向した後に第2の位置に偏向し、該第2の位置に対す
    ビームの位置の変化量を測定する位置測定手段と、測
    定された前記ビーム位置の変化量と予め設定された値と
    を比較する位置比較手段とを具備してなることを特徴と
    する荷電ビーム露光装置。
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