JP3454099B2 - 動力出力装置 - Google Patents

動力出力装置

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JP3454099B2
JP3454099B2 JP22431697A JP22431697A JP3454099B2 JP 3454099 B2 JP3454099 B2 JP 3454099B2 JP 22431697 A JP22431697 A JP 22431697A JP 22431697 A JP22431697 A JP 22431697A JP 3454099 B2 JP3454099 B2 JP 3454099B2
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Control Of Eletrric Generators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原動機と該原動機
の出力軸に対し電気的に所定の負荷トルクを付与する負
荷トルク付与手段とを有する動力出力装置に関し、詳し
くは該負荷トルク付与手段の過度の温度上昇を防止する
動力出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原動機と該原動機の出力軸に対し電気的
に所定の負荷トルクを付与する負荷トルク付与手段とを
有する動力出力装置としては、該負荷トルク付与手段と
して電動発電機を備え、原動機からの出力のほとんど全
てを該電動発電機の駆動に用いるもの(いわゆるシリー
ズハイブリッド式の動力出力装置)と、原動機からの出
力を該電動発電機の駆動とその他の用途、例えば車両の
駆動に分配して用いるもの(いわゆるパラレルハイブリ
ッド式の動力出力装置)とがある。
【0003】シリーズハイブリッド式の動力出力装置で
は、原動機の出力軸は電動発電機の回転軸と機械的に連
結されており、駆動軸との間には機械的結合はない。駆
動軸は、別途設けられた電動機により駆動される。この
動力出力装置では、原動機の運転により電動発電機が駆
動されるため電力が発生する。この際、原動機のトルク
は、発電機によって生じる発電負荷に等しい。発電負荷
は電動発電機に生じる起電力に比例するため、原動機の
出力トルクが大きい場合には、電動発電機に生じる起電
力も大きくなり、電動発電機およびその駆動回路に流れ
る電流が大きくなる。
【0004】パラレルハイブリッド式の動力出力装置に
は、動力の分配方式によって、いわゆる機械分配式(例
えば、特願平8−148677号公報参照)と、電気分
配式(例えば、特願平7−145575号公報参照)と
がある。これらの動力出力装置は、原動機の動力を駆動
軸に伝達する構成を備えている点で、前記のシリーズハ
イブリッド式の動力出力装置とは相違するが、それぞれ
の動力出力装置において、原動機の出力軸に機械的に結
合された電動発電機により原動機に所定の負荷トルクを
付与する点では共通する。この負荷トルクは、原動機の
出力トルクに応じて変化するため、原動機の出力トルク
が大きくなれば負荷トルクも大きくなる。従って、パラ
レルハイブリッド式の動力出力装置においても、原動機
の出力トルクに応じて電動発電機に生じる起電力が大き
くなり、電動発電機およびその駆動回路に流れる電流が
大きくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上で述べた通り、シ
リーズハイブリッド式動力出力装置およびパラレルハイ
ブリッド式動力出力装置ともに、原動機の出力トルクが
大きい場合には、電動発電機およびその駆動回路に流れ
る電流が大きくなり、これらの温度が上昇する。本来、
電動発電機およびその駆動回路は、このような温度上昇
を考慮して、十分な定格で設計され、また十分な冷却装
置も準備されている。
【0006】しかし、原動機から高いトルクが出力され
ている状態が長期間継続した場合や故障等により冷却装
置の冷却能力が低下した場合には、上記回路の温度が過
度に上昇する可能性もある。一般に電動発電機およびそ
の駆動回路は温度上昇に伴い効率が低下するため、この
ような温度上昇を放置した場合には、装置全体の効率低
下を招くことになる。本発明は上記課題を解決するため
になされ、電動発電機等およびその駆動回路の温度が過
度に上昇することを防止する動力出力装置を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の動力出力装置は、出力軸を有しており要求出力に
応じた運転状態で運転する原動機と、該出力軸に対し電
気的に所定の負荷トルクを付与する負荷トルク付与手段
とを有する動力出力装置であって、前記負荷トルク付与
手段の温度を検出する温度検出手段と、該温度検出手段
により検出された温度が所定温度以上であるときは、該
負荷トルク付与手段の温度上昇を低減するための運転状
態で、前記原動機を運転する原動機運転手段とを備える
ことを要旨とする。
【0008】この動力出力装置によれば、原動機は負荷
トルク付与手段により、電気的に所定の負荷を与えられ
た状態で運転される。また、該負荷トルク付与手段の温
度が所定温度以上であるときは、その温度上昇を低減す
るための運転状態で、原動機を運転することができる。
従って、負荷トルク付与手段の温度が異常に上昇するこ
とを防ぐことができる。
【0009】なお、負荷トルク付与手段により付与され
る負荷は、原動機の出力軸に直接付与されるものであっ
てもよいし、負荷トルク付与手段と原動機とを機械的に
結合する伝達系統を介して間接的に付与されるものであ
ってもよい。また、本明細書で「負荷トルクを付与す
る」といった場合には、原動機の出力軸を本来の回転方
向と逆に回転させる向きに逆トルクを積極的に加える場
合、および前記逆トルクを積極的に加えるとはいかない
までも原動機の出力軸が回転する際に抵抗となる場合の
双方を含んでいる。
【0010】上記の動力出力装置において、前記原動機
運転手段における前記運転状態は、前記原動機の出力ト
ルクを、所定の値に制限された出力トルクとし、かつ該
原動機の回転数を、該制限された出力トルクに応じて現
在の回転数よりも高い回転数とすることが望ましい。
【0011】原動機から高いトルクが出力されているこ
とが原因となって、負荷トルク付与手段の温度上昇が生
じている場合には、原動機から出力されるトルクを制限
することにより、負荷トルク付与手段の温度上昇を防ぐ
ことができる。上記原動機運転手段を備える動力出力装
置によれば、原動機から出力されるトルクを制限すると
ともに、該制限された出力トルクに応じて現在の回転数
よりも高い回転数で原動機を運転することができる。原
動機から出力される動力は、トルクと回転数の積で表さ
れるため、このような動力出力装置であれば、所定の要
求動力を出力しつつ、負荷トルク付与手段の温度上昇を
防ぐことができる。
【0012】一方、上記の動力出力装置において、前記
原動機運転手段における前記運転状態は、前記原動機の
出力トルクを、所定の値に制限された出力トルクとし、
かつ該原動機の回転数を、該制限された出力トルクにお
いて所定の運転効率で原動機を運転することができる回
転数とすることも望ましい。
【0013】このような動力出力装置によれば、原動機
から出力されるトルクを制限することにより、負荷トル
ク付与手段の温度上昇を防ぐことができるとともに、所
定の運転効率で原動機を運転することができるため、動
力出力装置の運転効率を著しく低下させることもない。
【0014】また、上記の動力出力装置において、前記
負荷トルク付与手段は、回転軸を有しかつ該回転軸が原
動機の出力軸に機械的に結合された電動発電機と、該電
動発電機との間で電気的なエネルギのやりとりを行う駆
動回路とから構成され、前記温度検出手段は、前記電動
発電機の温度と前記駆動回路の温度のうち少なくとも一
方の温度を検出する手段としてもよい。
【0015】かかる構成によれば、上述の電気的負荷ト
ルク付与手段を構成する電動発電機または駆動回路のう
ち少なくとも一方の温度を検出することができるため、
該電気的負荷トルク付与手段の温度上昇を防ぐことがで
きる。つまり、電動発電機または駆動回路のうち一方の
温度が上昇しやすい性質がある場合には、該上昇しやす
い要素の温度を検出しておけば、簡易な構成で電気的負
荷トルク付与手段の温度上昇を防止することができる。
また、電動発電機および駆動回路の温度上昇に所定の関
係が存在する場合には、両者のうちいずれか一方の温度
を検出し、双方の温度を該関係に基づいて求めることに
より電気的負荷トルク付与手段の温度上昇を防止するこ
ともできる。
【0016】本発明の動力出力装置において、負荷トル
ク付与手段を前記の電気的負荷トルク付与手段とした場
合には、さらに、前記出力軸および回転軸とは異なる駆
動軸と、該駆動軸から出力されるべき要求トルクおよび
要求回転数を設定する手段と、前記出力軸と前記回転軸
と前記駆動軸とに各々結合される3軸を有し、該3軸の
うちいずれか2軸へ入出力される動力を決定したとき、
該決定された動力に基づいて残余の1軸へ入出力される
動力が決定される3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸
に結合された電動機と、前記原動機の運転状態に応じ
て、前記要求トルクおよび要求回転数が前記駆動軸から
出力されるように前記電動発電機および前記電動機を制
御する手段とすることが望ましい。
【0017】かかる構成によれば、電動発電機から原動
機に対し、上述の3軸式動力入出力手段を介して間接的
に負荷トルクを付与することができるとともに、原動機
の運転を制御することにより前記電動発電機の温度上昇
を防ぐことができる。3軸式動力入出力装置には原動
機、電動発電機の他、電動機も結合されており、また原
動機の運転状態に応じて、前記要求トルクおよび要求回
転数が前記駆動軸から出力されるように前記電動発電機
および前記電動機を制御する手段も備えられている。従
って、この動力出力装置によれば、電動発電機の温度上
昇を防ぐとともに、要求トルクおよび要求回転数を駆動
軸から出力することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例に基
づいて説明する。 (1)実施例の構成 はじめに、実施例の構成について図1から図3を用いて
説明する。図1は本実施例の動力出力装置の駆動回路部
を中心とした拡大図、図2は本実施例の動力出力装置を
搭載した車両の概略構成を示す説明図、図3は本実施例
の動力出力装置の冷却系統の概略構成を示す説明図であ
る。
【0019】まず、図2により、本実施例の動力出力装
置を搭載した車両の全体構成について説明する。このハ
イブリッド車両の構成は大きくは、駆動力を発生する動
力系統と、その制御系統および冷却系統と、駆動源から
の駆動力を駆動輪116、118に伝達する動力伝達系
統と、運転操作部等からなっている。また、上記、動力
系統はエンジン150を含む系統とモータMG1,MG
2を含む系統とからなっており、制御系統は、エンジン
150の運転を主に制御するための電子制御ユニット
(以下、EFIECUと呼ぶ)170と、モータMG
1,MG2の運転を主に制御する制御ユニット190
と、EFIECU170および制御ユニット190に必
要な信号を検出し入出力する種々のセンサ部とからなっ
ている。なお、EFIECU170および制御ユニット
190の内部構成は図示していないが、これらはそれぞ
れ内部にCPU、ROM、RAM等を有するワンチップ
・マイクロコンピュータであり、CPUがROMに記録
されたプログラムに従い、以下に示す種々の制御処理を
行うよう構成されている。
【0020】エンジン150は、吸入口200から吸入
した空気と燃料噴射弁151から噴射されたガソリンと
の混合気を燃焼室152に吸入し、この混合気の爆発に
より押し下げられるピストン154の運動をクランクシ
ャフト156の回転運動に変換する。この爆発は、イグ
ナイタ158からディストリビュータ160を介して導
かれた高電圧によって点火プラグ162が形成した電気
火花によって混合気が点火され燃焼することで生じる。
燃焼により生じた排気は、排気口202を通って大気中
に排出される。
【0021】エンジン150の運転は、EFIECU1
70により制御されている。EFIECU170が行う
エンジン150の制御としては、エンジン150の回転
数に応じた点火プラグ162の点火時期制御や、吸入空
気量に応じた燃料噴射量制御等がある。エンジン150
の制御を可能とするために、EFIECU170にはエ
ンジン150の運転状態を示す種々のセンサが接続され
ている。例えばクランクシャフト156の回転数と回転
角度を検出するためにディストリビュータ160に設け
られた回転数センサ176及び回転角度センサ178な
どである。なお、EFIECU170には、この他、例
えばイグニッションキーの状態STを検出するスタータ
スイッチ179なども接続されているが、その他のセン
サ,スイッチなどの図示は省略した。
【0022】モータMG1は、同期電動発電機として構
成され、外周面に複数個の永久磁石を有するロータ13
2と、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステ
ータ133とを備える。ステータ133は、無方向性電
磁鋼板の薄板を積層して形成されており、ケース119
に固定されている。このモータMG1は、ロータ132
に備えられた永久磁石による磁界とステータ133に備
えられた三相コイルによって形成される磁界との相互作
用によりロータ132を回転駆動する電動機として動作
し、場合によってはこれらの相互作用によりステータ1
33に備えられた三相コイルの両端に起電力を生じさせ
る発電機としても動作する。
【0023】モータMG2も、モータMG1と同様に同
期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁
石を有するロータ142と、回転磁界を形成する三相コ
イルが巻回されたステータ143とを備える。モータM
G2のステータ143も無方向性電磁鋼板の薄板を積層
して形成されており、ケース119に固定されている。
このモータMG2もモータMG1と同様に、電動機ある
いは発電機として動作する。
【0024】これらのモータMG1,MG2は、スイッ
チングを行うトランジスタを複数内蔵した駆動回路19
1、192を介してバッテリ194および制御ユニット
190に電気的に接続されている。制御ユニット190
には、この他各種のセンサおよびスイッチが電気的に接
続されている。制御ユニット190に接続されているセ
ンサおよびスイッチとしては、アクセルペダルポジショ
ンセンサ164a、ブレーキペダルポジションセンサ1
65a、シフトポジションセンサ184、バッテリ19
4の残容量検出器199などがある。
【0025】モータMG1,MG2の制御を含むハイブ
リッド車両の運転状態の制御を可能とするために、この
制御ユニット190には運転操作部からの種々の信号や
バッテリ194の残容量等が入力され、また、エンジン
150を制御するEFIECU170との間で種々の情
報を、通信によってやりとりしている。運転操作部から
の種々の信号として、具体的には、アクセルペダルポジ
ションセンサ164aからのアクセルペダルポジション
(アクセルペダルの踏込量)AP、ブレーキペダルポジ
ションセンサ165aからのブレーキペダルポジション
(ブレーキペダルの踏込量)BP、シフトポジションセ
ンサ184からのシフトポジションSPがある。また、
バッテリ194の残容量は残容量検出器199で検出さ
れる。なお、残容量検出器199は、バッテリ194の
電解液の比重またはバッテリ194の全体の重量を測定
して残容量を検出するものや、充電・放電の電流値と時
間を演算して残容量を検出するものや、バッテリ194
の端子間を瞬間的にショートさせて電流を流し内部抵抗
を測ることにより残容量を検出するものなどが知られて
いる。
【0026】駆動源からの駆動力を駆動輪116、11
8に伝達する動力伝達系統の構成は次の通りである。エ
ンジン150の動力を伝達するためのクランクシャフト
156およびプラネタリキャリア軸127と、モータM
G1,モータMG2の回転を伝達する回転軸125、1
26とは、後述するプラネタリギヤ120を介して動力
伝達ギヤ111に機械的に結合されている。また、この
動力伝達ギヤ111はディファレンシャルギヤ114を
介して左右の駆動輪116、118に結合されている。
【0027】ここで、プラネタリギヤ120の構成と併
せてクランクシャフト156、プラネタリキャリア軸1
27、モータMG1の回転軸125、MG2の回転軸1
26の結合について説明する。プラネタリギヤ120
は、サンギヤ121、リングギヤ122なる同軸の2つ
のギヤと、サンギヤ121とリングギヤ122との間に
配置されサンギヤ121の外周を自転しながら公転する
複数のプラネタリピニオンギヤ123の3つから構成さ
れる。サンギヤ121はプラネタリキャリア軸127に
軸中心を貫通された中空のサンギヤ軸125を介してモ
ータMG1のロータ132に結合され、リングギヤ12
2はリングギヤ軸126を介してモータMG2のロータ
142に結合されている。また、プラネタリピニオンギ
ヤ123は、その回転軸を軸支するプラネタリキャリア
124を介してプラネタリキャリア軸127に結合さ
れ、プラネタリキャリア軸127はクランクシャフト1
56に結合されている。機構学上周知のことであるが、
プラネタリギヤ120は上述のサンギヤ軸125、リン
グギヤ軸126およびクランクシャフト156の3軸の
うちいずれか2軸へ入出力される動力が決定されると、
残余の1軸に入出力される動力が決定されるという性質
を有している。
【0028】リングギヤ122には、動力の取り出し用
の動力取出ギヤ128が、リングギヤ122とモータM
G1との間の位置で結合されている。この動力取出ギヤ
128は、チェーンベルト129により動力伝達ギヤ1
11に接続されており、動力取出ギヤ128と動力伝達
ギヤ111との間で動力の伝達がなされる。上述の構成
およびプラネタリギヤ120の性質に基づいて、ハイブ
リッド車両はモータMG2のみを駆動源として走行する
こともできるし、エンジン150とモータMG2の双方
を駆動源として走行することもできる。具体的には、ハ
イブリッド車輌は減速時または降坂時等のエンジン動力
を必要としないとき、および初期加速時には、エンジン
150の運転を停止し、モータMG2のみで走行する。
通常走行時には、エンジン150を主駆動源としつつ、
モータMG2の動力も用いて走行する。エンジン150
とモータMG2の双方を駆動源として走行する場合に
は、必要なトルクおよびモータMG2で発生し得るトル
クに応じて、エンジン150を効率のよい運転ポイント
で運転できるため、エンジン150のみを駆動源とする
車両に比べて省資源性および排気浄化性に優れている。
一方、クランクシャフト156の回転を、プラネタリキ
ャリア軸127およびサンギヤ軸125を介してモータ
MG1に伝達することができるため、エンジン150の
運転によりモータMG1で発電しつつ走行することも可
能である。
【0029】次に、図1に基づいてモータMG1,MG
2を駆動制御する制御装置について説明する。図1に示
すように、モータMG1には第1の駆動回路191を介
して制御ユニット190に接続され、モータMG2は第
2の駆動回路192を介して制御ユニット190に接続
されている。図2では図示しなかったが、モータMG1
の回転軸であるサンギヤ軸125には、その回転角度を
検出するためのレゾルバ139が設けられており、モー
タMG2の回転軸であるリングギヤ軸126にも同じく
レゾルバ149が設けられている。また、制御ユニット
190には、図2を用いて説明した種々の信号の他、レ
ゾルバ139からのサンギヤ軸125の回転角度θs、
レゾルバ149からのリングギヤ軸126の回転角度θ
r、第1の駆動回路191に設けられた2つの電流検出
器195、196からの電流値Iu1,Iv1、第2の
駆動回路192に設けられた2つの電流検出器197,
198からの電流値Iu2,Iv2、バッテリ194の
残容量を検出する残容量検出器199からの残容量など
が、入力ポートを介して入力されている。
【0030】また、制御ユニット190からは、第1の
駆動回路191に設けられたスイッチング素子である6
個のトランジスタT11ないしT16を駆動する制御信
号SW1と、第2の駆動回路192に設けられたスイッ
チング素子としての6個のトランジスタT21ないしT
26を駆動する制御信号SW2とが出力されている。第
1の駆動回路191内の6個のトランジスタT11ない
しT16は、トランジスタインバータを構成しており、
それぞれ、一対の電源ラインL1,L2に対してソース
側とシンク側となるよう2個ずつペアで配置され、その
接続点に、モータMG1の三相コイル(UVW)の各々
が接続されている。電源ラインL1,L2は、バッテリ
194のプラス側とマイナス側に、それぞれ接続されて
いるから、制御ユニット190により対をなすトランジ
スタT11ないしT16のオン時間の割合を制御信号S
W1により順次制御し、三相コイルの各相に流れる電流
を、PWM制御によって擬似的な正弦波にすると、三相
コイルにより、回転磁界が形成される。
【0031】他方、第2の駆動回路192の6個のトラ
ンジスタT21ないしT26も、トランジスタインバー
タを構成しており、それぞれ、第1の駆動回路191と
同様に配置されていて、対をなすトランジスタの接続点
は、モータMG2の三相コイルの各々に接続されてい
る。したがって、制御ユニット190により対をなすト
ランジスタT21ないしT26のオン時間を制御信号S
W2により順次制御し、各コイルの各相に流れる電流
を、PWM制御によって擬似的な正弦波にすると、三相
コイルにより、回転磁界が形成される。
【0032】エンジン150、モータMG1およびその
駆動回路191、モータMG2およびその駆動回路19
2等からなる動力系統を冷却する冷却系統について図3
に基づいて説明する。本実施例では、冷却系統は全て冷
却水を用いたいわゆる水冷式を適用しているが、エンジ
ン150の冷却系統とモータMG1、MG2およびその
駆動回路の冷却系統とは独立なものとして構成されてい
る。
【0033】エンジン150の冷却系統は、エンジン1
50のみを駆動源とする従来車両で採用されているもの
と基本的には同じ構成である。エンジン150とラジエ
ータ250がホース254で接続されており、冷却水は
ウォーターポンプ260によりこの中を循環する。冷却
水は、エンジン150に設けられたウォータージャケッ
ト173でエンジン150の熱を吸収し、ラジエータ2
50で放熱することにより、エンジン150を冷却す
る。ラジエータ250には、冷却水の放熱を助けるべ
く、冷却ファン252が設けられている。また、ウォー
タージャケット173内に設けられた水温センサ174
により、冷却水の温度を検出することで、制御ユニット
190は、エンジン150の冷却状態を感知している。
【0034】一方、モータMG1、MG2およびその駆
動回路191、192の冷却系統は、次の構成をとって
いる。図3に示す通り、モータMG1、MG2には、ケ
ース119の外周を囲むようにウォータージャケット2
58、259が設けられている。駆動回路191、19
2はそれぞれトランジスタインバータを構成する素子が
取り付けられている基板Bdを介して、内部を冷却水が
通過しているヒートシンク256に接触している。ウォ
ータージャケット258、259およびヒートシンク2
56は、上記エンジン150のラジエータ250とは別
個のラジエータ251と、それぞれホース255で接続
されており、冷却水はウォーターポンプ261によりこ
の中を循環する。かかる構成により、駆動回路191、
192で発生した熱は、ヒートシンク256内部を通過
する冷却水に吸収され、モータMG1、MG2で発生し
た熱は、ウォータージャケット258、259の内部を
通過する冷却水に吸収される。冷却水は、これらの熱を
ラジエータ251で放熱する。ラジエータ251には、
冷却水の放熱を助けるべく、冷却ファン253が設けら
れている。
【0035】駆動回路191、192には同じ基板上に
隣接して、温度センサ191t、192tが設けられて
いる。また、モータMG1、MG2には各モータのステ
ータ133、143に巻回されているコイル部に温度セ
ンサ133t、143tが設けられている。制御ユニッ
ト190は、これらの温度センサにより検出される温度
により、駆動回路191、192およびモータMG1、
MG2の冷却状態を感知している。
【0036】なお、本実施例では、エンジン150の冷
却系統とモータMG1、MG2およびその駆動回路19
1、192の冷却系統を別個独立の系統として構成した
が、両者に共通のラジエータを設けること等により、こ
れらを一つの系統で構成するものとしてもよい。また、
冷却水を用いる代わりに、各発熱部に冷却ファンを設け
る等していわゆる空冷式の冷却系統を構成するものとし
てもよい。
【0037】(2)一般的動作作原理 以上に構成を説明した動力出力装置の一般的な動作につ
いて説明する。動力出力装置の動作原理、特にトルク変
換の原理は以下の通りである。エンジン150を回転数
Ne,トルクTeからなる動力P1を出力する状態で運
転し、この回転数、トルクとは異なる回転数Nr,トル
クTrからなる動力P2をリングギヤ軸126から出力
する場合を考える。ただし、動力P1と動力P2は同じ
仕事率(トルクと回転数の積)である。この時のエンジ
ン150とリングギヤ軸126の回転数およびトルクの
関係を図4に示す。
【0038】なお、一般に「動力」とは単位時間あたり
の出力エネルギ、即ち仕事率を意味するスカラー量であ
り、一つの値に対してトルクと回転数の組み合わせは無
数に存在しうるが、説明の便宜上、本明細書で「動力」
というときは特定のトルクと回転数の組み合わせからな
る仕事率を指すものとする。例えば、図4に示した動力
P1と動力P2は、仕事率が同じであってもトルクおよ
び回転数の組み合わせが異なっている。従って、本明細
書においては、両者は異なる動力として扱う。
【0039】本実施例の一般的な動作原理を理解するた
めには、プラネタリギヤ120の働きについて理解する
ことが必要となる。機構学の教えるところによれば、プ
ラネタリギヤ120の三軸(サンギヤ軸125,リング
ギヤ軸126およびプラネタリキャリア軸127)にお
ける回転数やトルクの関係は、図5に例示する共線図と
して表わすことができ、幾何学的に解くことができる。
プラネタリギヤ120における三軸の回転数やトルクの
関係は、上述の共線図を用いなくても各軸のエネルギを
計算することなどにより数式的に解析することもでき
る。本実施例では説明の容易のため共線図を用いて説明
する。
【0040】図5における縦軸は3軸の回転数軸であ
り、横軸はリングギヤ122の歯数(Zr)に対するサ
ンギヤ121の歯数(Zs)の比ρ(ρ=Zs/Zr)
に基づいて定められる座標軸である。この座標軸では、
その両端をサンギヤ軸125とリングギヤ軸126の座
標S、Rとし、プラネタリキャリア軸127の座標Cを
座標Sと座標Rの間を1:ρに内分する座標として定め
る。
【0041】上述の座標軸にプラネタリギヤ120の各
軸の回転数をプロットする。図2に示した構成から明ら
かな通り、エンジン150のクランクシャフト156は
プラネタリキャリア軸127に連結されているため、エ
ンジン150が回転数Neで運転されているときは、プ
ラネタリキャリア軸127の回転数もNeとなる。従っ
て、図5に示す通り、座標Cの回転数はNeとしてプロ
ットできる。一方、リングギヤ軸126が回転数Nrで
運転されている場合を考えているから、座標Rの回転数
はNrとしてプロットできる。この両点を通る直線を描
けば、座標Sにおけるこの直線上の回転数としてサンギ
ヤ軸125の回転数Nsを求めることができる。以下、
この直線を動作共線と呼ぶ。なお、回転数Nsは、回転
数Neと回転数Nrとを用いて比例計算式によっても求
めることができ、Ns=((1+ρ)Ne―Nr)/ρ
と表される。このようにプラネタリギヤ120では、サ
ンギヤ121,リングギヤ122およびプラネタリキャ
リア124のうちいずれか2つの回転を決定すると、残
余の1つの回転は、決定した2つの回転に基づいて決定
される。
【0042】次に、共線図を用いて三軸にかかるトルク
の関係を求める。機構学によればトルクの関係は、動作
共線を剛体として扱い、各トルクをその作用する方向お
よび大きさに基づくベクトルとしての力で表すことによ
り、前記剛体に作用する力の釣り合い関係に等しくな
る。具体的には、エンジン150のトルクTeをプラネ
タリキャリア軸127の座標Cにおいて、図5に示す通
り鉛直下から上に作用させる。トルクTeを表すベクト
ルは力として扱うことができるため、座標軸C上に作用
させたトルクTeは、向きが同じで異なる作用線への力
の分離の手法により、座標SにおけるトルクTesと座
標RにおけるトルクTerとに分離することができる。
このときトルクTesの大きさはTes=Te/(1+
ρ)式で表され、トルクTerの大きさはTer=Te
・ρ/(1+ρ)式で表わされる。一方、リングギヤ軸
126からは、トルクTrが出力されるため、座標Rに
おいて動作共線に、鉛直上から下にトルクTrを作用さ
せる。
【0043】動作共線がこの状態で安定であるために
は、動作共線の力の釣り合いをとればよい。すなわち、
座標軸S上には、トルクTesと大きさが同じで向きが
反対のトルクTm1を作用させ、座標軸R上には、リン
グギヤ軸126に出力するトルクTrと同じ大きさで向
きが反対のトルクとトルクTerとの合力に対し大きさ
が同じで向きが反対のトルクTm2を作用させればよ
い。トルクTm1はモータMG1により、トルクTm2
はモータMG2により作用させることができる。このと
き、回転の方向と逆向きにトルクを作用させることにな
るモータMG1は発電機として動作し、トルクTm1と
回転数Nsとの積で表わされる電力Pm1をサンギヤ軸
125から回生する。回転の方向とトルクの方向とが同
じとなるモータMG2は電動機として動作し、電力Pm
2を消費しつつトルクTm2と回転数Nrとの積で表わ
される動力をリングギヤ軸126に出力する。
【0044】図5に示す共線図ではサンギヤ軸125の
回転数Nsは正であったが、エンジン150の回転数N
eとリングギヤ軸126の回転数Nrとによっては、負
となる場合や回転数0となる場合もある。これらの場合
には、モータMG1は電動機として動作し、トルクTm
1と回転数Nsとの積で表わされる電力Pm1を消費す
る。
【0045】上述した通り、本実施例による動力出力装
置では、エンジン150から出力される動力をトルク変
換して出力することができる。従って、駆動軸126の
要求出力として回転数NrおよびトルクTrからなる動
力が指定された場合、仕事率が一定、即ち回転数とトル
クの積がNr×Trが一定という条件下で、エンジン1
50の運転ポイントは自由に選択することができる。エ
ンジン150は運転ポイントにより効率が変化するが、
本実施例では、上述の条件下で最も効率のよい運転ポイ
ントを選択しつつエンジン150を運転することができ
るため、高い効率で動力を出力することができる。
【0046】図6にエンジン150の運転ポイント選択
の様子を示す。図中の曲線Bは、エンジン150が運転
可能な回転数およびトルクの限界値を示している。図6
においてα1%、α2%等で示される曲線は、それぞれ
エンジン150の効率が一定となる等効率線であり、α
1%、α2%の順に効率が低くなっていくことを示して
いる。図6に示す通り、エンジン150は比較的限定さ
れた運転ポイントで効率が高く、その周囲の運転ポイン
トでは徐々に効率が低下していく。
【0047】図6中、C1−C1、C2−C2、および
C3−C3で示されている曲線は、エンジン150の仕
事率が一定の曲線であり、エンジン150の運転ポイン
トは要求出力に応じてこれらの曲線上で選択することに
なる。例えば、要求回転数Nrおよび要求トルクTrが
曲線C1−C1上にプロットされる場合には、エンジン
150の運転ポイントは、曲線C1−C1上で最も運転
効率が高くなるA1点に選択することになる。同様にC
2−C2曲線上ではA2点に、C3−C3曲線上ではA
3点で運転ポイントを選択する。各曲線上における、エ
ンジン150の回転数と運転効率の関係を図7に示す。
なお、C1−C1等の曲線は、説明の便宜上、図6中の
3本を例示しているが、要求出力に応じて無数に引くこ
とができる曲線であり、エンジン150の運転ポイント
A1点等も無数に選択することができるものである。こ
れらの無数の運転ポイントを描いた曲線が図6中の曲線
Aである。従って、本実施例では、要求出力に応じて選
択される図6中の曲線A上の運転ポイントで運転するよ
うにエンジン150を制御する。
【0048】次にモータMG1およびその駆動回路等で
発生する熱について説明する。上述の動作原理で示した
通り、本実施例では、モータMG1がエンジン150に
対し負荷となる所定のトルクTm1を付与しながら駆動
軸126から動力を出力する。このトルクの大きさTm
1は、既に示した通り、Tm1=Te/(1+ρ)で表
され、エンジン150の出力トルクTeに比例する。即
ち、エンジン150から出力されるトルクが大きくなる
程、モータMG1がエンジン150に対し付与する負荷
トルクも大きくなる。
【0049】モータMG1は同期電動機として構成され
ており、モータMG1の回転軸であるサンギヤ軸125
に付与されるトルクは駆動回路191および三相コイル
に流れる電流の大きさに比例する。これは、モータMG
1が電動機として働きトルクを出力する場合、および発
電機として働きサンギヤ軸125の回転に対する負荷と
なる場合ともに同様である。一方、駆動回路191およ
び三相コイルに電流が流れることにより熱が発生する。
このとき、駆動回路191、三相コイルおよびバッテリ
194を含む回路全体の抵抗をRとし、その回路に流れ
る電流の実効値をIとすると、発生する熱量Qは概ねQ
=R×I2で表される。以上で説明された通り、エンジ
ン150の出力トルクTeが大きくなる程、モータMG
1およびその駆動回路191で発生する熱量も大きくな
る。モータMG2も、その出力トルクに応じて熱を発生
する。本実施例では、図3に示した冷却系統で、これら
の熱を吸収・放熱しつつ、動力出力装置を運転してい
る。
【0050】(3)運転ポイント補正ルーチン 上述した「(2)一般的動作原理」では、本実施例の構
成をとるハイブリッド車両における動力出力原理を説明
した。次に、本実施例の特徴的な部分である運転ポイン
ト補正ルーチンについて図8を用いて説明する。本ルー
チンは、原動機から高いトルクが出力されている状態が
長期間継続した場合や故障等により冷却装置の冷却能力
が低下した場合等に、電動発電機、クラッチモータおよ
びその駆動回路の温度が過度に上昇することを防止する
ためのルーチンである。運転ポイント補正ルーチンは、
制御ユニット190が、エンジン150の運転制御を行
う際、要求出力に応じてエンジン150の運転ポイント
を設定するルーチン実行後の所定時期に周期的に実行さ
れるものである。
【0051】運転ポイント補正ルーチンが実行される
と、制御ユニット190はモータMG1の温度を読み込
む(ステップS100)。この温度は、モータMG1に
設けられた温度センサ133tより検出される。次に、
制御ユニット190はモータMG1の温度tgに基づい
て、エンジン150の出力トルクの制限値(Tg)を算
出する(ステップS105)。エンジン150の出力ト
ルクの制限値Tgは、モータMG1の温度tgとの関係
に基づいて設定されている制限マップからの読みとりに
より求められる。この制限マップの例を図9に示す。図
9の制限マップによれば、モータMG1の温度tgが所
定値tg1以下である場合には、エンジン150は最大
値Tmaxまで出力することができる。モータMG1の
温度tgが所定値tg1以上である場合には、温度tg
に応じてエンジン150の出力トルクが制限され、ある
温度で出力トルクは値0に制限される。
【0052】図9に示した制限マップは、モータMG1
の冷却装置の冷却能力等に応じて試験的に設定すること
ができる。図9では、所定値tg1以上で直線的にトル
クを制限するマップとしているが、曲線状に制限するも
のや、段階的に制限するものとしてもよい。また、トル
ク制限マップは、冷却能力に大きく依存するため、冷却
系統が故障しているか否かにより複数の制限マップを使
い分けるものとしてもよい。複数の制限マップを使い分
ける方法としては、モータMG1の温度tgの時間的変
化を検出し、温度tgの時間的変化が小さい場合は冷却
系統に何らかの故障があると判断するもの等が考えられ
る。
【0053】本実施例では、図9の制限マップは、モー
タMG1の温度tgとエンジン150のトルク制限値と
を対応させるテーブルデータとして、制御ユニット19
0内に設けられているROMに記憶されている。制限マ
ップが数式で表すことができる場合には、モータMG1
の温度tgの関数として算出するものとしてもよい。
【0054】次に、制御ユニット190は、モータMG
1の駆動回路191の温度Tiを読み込む(ステップS
110)。この温度は、駆動回路191に設けられた温
度センサ191tにより検出される。制御ユニット19
0は、この温度に基づいて、エンジン150の出力トル
クの制限値Tiを算出する(ステップS115)。エン
ジン150の出力トルクの制限値Tiは、駆動回路19
1の温度tiとの関係に基づいて設定されている制限マ
ップからの読みとりにより求められる。この制限マップ
の例を図10に示す。図10の制限マップによれば、駆
動回路191の温度tiが所定値ti1以下である場合
には、エンジン150は最大Tmaxまで出力すること
ができる。駆動回路191の温度tiが所定値ti1以
上である場合には、温度tiに応じてエンジン150の
出力トルクが制限され、ある温度で出力トルクは値0に
制限される。
【0055】図10に示した制限マップは、図9の制限
マップと同様に試験的に設定することができ、トルクは
曲線状に制限するものとしてもよい。また、トルク制限
マップを冷却装置が故障しているか否かにより複数の制
限マップを使い分けるものとしてもよい。図10の制限
マップはテーブルデータとして制御ユニット190内に
設けられているROMに記憶されているが、駆動回路1
91の温度tiの関数として算出するものとしてもよ
い。
【0056】次に制御ユニット190は、こうして求め
られた制限トルクの最小値をエンジン150の制限トル
クTLとする。つまり、モータMG1の温度による制限
トルクTgが駆動回路191の温度による制限トルクT
iよりも小さい場合には、エンジン150の制限トルク
TLをモータMG1の温度による制限トルクTgとす
る。また、その逆の場合には、エンジン150の制限ト
ルクTLを駆動回路191の温度による制限トルクTi
とする。
【0057】制御ユニット190は、次にステップS1
25に進み、こうして決定されたエンジン150の制限
トルクTLとエンジン150に要求されている目標トル
クの大小を比較する(ステップS125)。ここで、目
標トルクとは、要求出力に応じて図6に示した曲線A上
で選択されたトルクをいい、運転ポイント補正ルーチン
を実行する以前に、別のルーチンにおいて制御ユニット
190により設定されているトルクである。目標トルク
が制限トルクTLよりも大きい場合には、目標トルクを
TLに置き換える(ステップS130)。つまり、制限
トルクTL以上のトルクがエンジン150から出力され
ないようにする。
【0058】上述の処理により、エンジン150の出力
トルクを本来出力すべき目標トルクより低い値であるT
Lに置き換えているため、このままでは、エンジン15
0は要求通りの出力をすることができない。従って、制
御ユニット190は、次にエンジン150の回転数の補
正を行う。これは、図6に示したC1−C1曲線につい
て、エンジン150の運転ポイントをA1から、さらに
低トルクかつ高回転数のC1−C1上の他の運転ポイン
ト、例えば図7中のA1’に変更する処理に当たる。
【0059】かかる処理を行うため、制御ユニット19
0は、エンジン150の要求出力(Pe)を読み込む
(ステップS135)。要求出力とは、エンジン150
に要求されているトルクと回転数の積で求まる仕事率の
ことをいう。次に、制御ユニット190は、要求出力P
eを制限トルクTLで除することにより、エンジン15
0の目標回転数Neを算出する(ステップS140)。
これにより、エンジン150の運転ポイントは、要求出
力Peを保ちつつ、トルクTLおよび回転数Neなる運
転ポイントに変更されることになる。
【0060】一方、ステップS125において、目標ト
ルクが制限トルクTL以下である場合には、エンジン1
50の運転ポイントを変更する必要はないため、制御ユ
ニット190は、何も処理を行うことなく、運転ポイン
ト補正ルーチンを一旦終了する。
【0061】運転ポイント補正ルーチンが終了した後、
本実施例の動力出力装置は、該ルーチンにより設定され
た目標トルクおよび回転数でエンジン150を運転す
る。この運転は、エンジン150の運転を制御するため
に別途設けられたルーチンを制御ユニット190が実行
することにより行われる。具体的には、制御ユニット1
90からEFIECU170に、前記目標トルクおよび
回転数でエンジン150を運転するように指示する信号
が出力される。EFIECU170はこの信号に基づい
てエンジン150の燃料噴射量等を制御し、エンジン1
50を目標トルクおよび回転数で運転するのである。
【0062】エンジン150が、運転ポイント補正ルー
チンにより設定された目標トルクおよび回転数で運転さ
れれば、一般的動作原理として既に説明したトルク変換
により、要求された回転数およびトルクからなる動力を
駆動軸126から出力することができる。
【0063】本実施例の運転ポイント補正ルーチンを実
行することにより、エンジン150の出力するトルク
は、本来要求されていた目標トルクよりも低いトルクに
制限される。既に述べた通り、モータMG1によりサン
ギヤ軸125に付与されるトルクTm1はエンジン15
0の出力トルクに比例する。従って、運転ポイント補正
ルーチンを実行することにより、Tm1も本来のトルク
よりも低減され、モータMG1およびその駆動回路19
1での発熱量が低減される。この結果、モータMG1お
よびその駆動回路191の過熱を防止することができ
る。しかも、この際にエンジン150は、要求出力を維
持しているため、動力出力装置は要求トルクおよび要求
回転数からなる動力を駆動軸126に出力することがで
きる。
【0064】図6に示した通り、本来はエンジン150
の効率を最優先してその運転ポイントを設定されてい
る。しかし、モータMG1およびその駆動回路に過熱が
生じるおそれがある場合には、エンジン150の運転効
率を若干犠牲にしても、モータMG1およびその駆動回
路の冷却を優先してエンジン150の運転ポイントを設
定する必要がある。このような運転ポイントを設定する
ことが、本実施例における運転ポイント補正ルーチンの
働きである。
【0065】なお、上記実施例では、モータMG1およ
びその駆動回路191の温度を検出し、これらの温度に
応じてエンジン150の運転トルクを制限するものとし
ていたが、温度の検出部分はこれらに限定する必要はな
い。例えば、モータMG1等に加えてバッテリ194の
温度を検出するものとし、バッテリ194の温度も考慮
してエンジン150の出力トルクを制限するものとして
もよい。このような構成をとることにより、バッテリ1
94の過熱を防止することができる。また、モータMG
2およびその駆動回路192の温度を検出し、その温度
も考慮してエンジン150の出力トルクを制限するもの
としてもよい。
【0066】モータMG1およびその駆動回路191に
ついて、いずれか一方が過熱を生じやすい場合には、過
熱を生じやすい要素の温度のみを検出するものとしても
よい。例えば、モータMG1の方が駆動回路191より
も温度上昇が激しいような場合には、つまり、図8の運
転ポイント補正ルーチンにおいてエンジン150のトル
ク制限TLがモータMG1の温度によるトルク制限値T
gで定まる場合には、モータMG1の温度のみを検出す
るものとしてもよい。また、モータMG1およびその駆
動回路191の双方の温度上昇に相関がある場合にも、
両者のうちいずれか一方のみの温度を検出するものとし
てもよい。この場合、他方の温度は上記相関に基づいて
算出することができる。このように、モータMG1また
はその駆動回路191のいずれか一方の温度を検出する
ものとできれば、簡易な構成によりモータMG1等の過
熱を防止することができる。
【0067】モータMG1およびその駆動回路191の
温度上昇は、モータMG1により付与されるトルクに大
きく依存する。従って、その温度上昇とモータMG1に
より付与されるトルクの大きさおよび時間との間に相関
がある場合には、この相関をテーブルデータとしてもつ
ことにより、温度センサなしで構成するものとしてもよ
い。
【0068】本実施例における運転ポイント補正ルーチ
ンでは、エンジン150は要求出力を維持するように目
標トルクおよび目標エンジン回転数を補正しているが
(ステップS125、S140)、必ずしも要求出力P
eを維持するものとしなくてもよい。原理的には、エン
ジン150の出力トルクを低減することにより、モータ
MG1により付与されるトルクも低減され、モータMG
1およびその駆動回路191の過熱を防止することがで
きる。従って、運転ポイント補正ルーチンでは、エンジ
ン150の回転数は変化させず、出力トルクのみを低減
するものとしてもよい。ただし、このような運転ポイン
ト設定は、バッテリ194に蓄えられた電力に余裕があ
る場合に限ることが望ましい。このような運転ポイント
設定がなされた場合に、駆動軸126から要求トルクお
よび要求回転数からなる動力を出力するためには、バッ
テリ194に蓄えられた電力を用いてモータMG2を駆
動する必要が生じるからである。
【0069】このような考えに基づいてなされた、本発
明の第2実施例としての動力出力装置に備えられる運転
ポイント補正ルーチンについて図11に基づいて説明す
る。第2実施例としての動力出力装置の全体構成は、第
1実施例(図2)と同一である。また、本実施例の運転
ポイント補正ルーチンが制御ユニット190により実行
されるタイミングも第1実施例の場合と同じである。
【0070】第2実施例の運転ポイント補正ルーチンが
実行されると、制御ユニット190は、エンジン150
の出力トルク制限値(TL)を算出する(ステップS1
50)。出力トルク制限値(TL)の算出は、図8にお
いて説明したステップS100からステップS120ま
での処理と同じ処理である。次に、制御ユニット190
は、本来エンジン150が出力すべき目標トルクと上記
制御トルクTLの大小を比較する(ステップS15
5)。目標トルクが制限トルクTL以下である場合に
は、エンジン150の運転ポイントを補正する必要がな
いため、制御ユニット190は、何も処理を行わずに運
転ポイント補正ルーチンを一旦終了する。
【0071】目標トルクが制限トルクTLよりも大きい
場合には、制御ユニット190は、目標トルクの値をT
Lに置き換え(ステップS160)、エンジン150か
ら制限トルクTL以上のトルクが出力されないようにす
る。次に制御ユニット190は、エンジン要求出力(P
e)に基づくエンジン回転数(Np)を算出する(ステ
ップS165)。この処理は、図8におけるステップS
135およびステップS140と同じ処理である。即
ち、制御ユニット190が読み込んだエンジン要求出力
Peを、エンジン制限トルクTLで除することにより、
エンジン回転数(Np)を算出する。
【0072】次のステップで制御ユニット190は、エ
ンジン最低回転数(Nmin)を算出する(S17
0)。エンジン最低回転数(Nmin)は次の考え方に
基づいて算出される回転数である。
【0073】エンジン150の出力トルクをTLに制限
した場合において、値Npよりも小さい回転数でエンジ
ン150を運転しときは、エンジン150は要求出力を
維持することができないため、動力出力装置はバッテリ
194の電力を消費することになる。このときバッテリ
194で消費される電力は、駆動軸126から出力され
るべき要求動力とエンジン150から出力される動力と
の差分に概ね一致する。
【0074】逆にいえば、走行に支障を生じないバッテ
リ194の残容量の下限値SOC1に対し、バッテリ1
94の残容量SOCの余裕がほとんどない状態であると
きはエンジン150の回転数は値Npとする必要があ
る。一方、バッテリ194の残容量SOCがSOC1よ
りも大きい場合には、その余裕に応じてエンジン150
の回転数は値Npよりも低い値とすることができる。こ
の余裕に応じてとり得る、エンジン150の回転数の最
小値がエンジン最低回転数(Nmin)である。
【0075】このような考え方の下、エンジン最低回転
数を算出する処理を、図12に基づいて説明する。エン
ジン最低回転数(Nmin)の算出処理においては、制
御ユニット190は、残容量検出器199により検出さ
れるバッテリ残容量SOCを読み込む(ステップS20
0)。バッテリ残容量の検出方法には、種々の方法があ
り、その残容量の定義にも種々の定義があるが、本ルー
チンにおいては、バッテリ残容量SOCを仕事率と同じ
単位を持つ物理量として扱う。このような物理量として
は、例えば、バッテリ194から所定時間取り出すこと
ができる電力の最大値として定義することができる。
【0076】次に制御ユニット190は、検出されたバ
ッテリ残容量SOCを、走行に支障を生じないバッテリ
194の残容量の下限値SOC1と比較する(ステップ
S205)。バッテリ残容量SOCがSOC1以下であ
る場合には、エンジン150は要求出力を維持して運転
する必要があるため、エンジン要求出力Peに基づくエ
ンジン回転数NpをNminに代入して(ステップS2
25)、エンジン最低回転数算出処理から抜け、運転ポ
イント補正ルーチンに戻る。
【0077】バッテリ残容量SOCがSOC1よりも大
きい場合には、次のステップで、両者の差をとり、SO
C1に対するSOCの余裕値SOC2を算出する(ステ
ップS210)。また、次のステップで、制御ユニット
190は、エンジン要求出力Peから上記余裕値SOC
2を引いてPminを算出する(ステップS215)。
Pminは、エンジン150が出力すべき最低要求出力
を意味する。即ち、エンジン150の出力がPminの
とき、バッテリ194の電力を値SOC2だけ消費すれ
ば、動力出力装置は要求出力Peを維持することができ
る。
【0078】制御ユニット190は、上記算出した最低
要求出力Pminを、エンジントルク制限値TL(図1
1のステップS150)で除することにより、エンジン
最低回転数Nminを算出する(ステップS220)。
こうしてエンジン最低回転数算出処理(ステップS17
0)を終了し、運転ポイント補正ルーチンに戻る。
【0079】図11に戻り、運転ポイント補正ルーチン
の続きを説明する。エンジン最低回転数算出処理(ステ
ップS170)の結果、バッテリ194の残容量SOC
を考慮して、エンジン150が運転可能な回転数はNm
in以上Np以下の範囲と求められている。
【0080】制御ユニット190は、エンジン150が
運転可能な回転数の範囲内において、エンジン150の
運転効率が最も高くなる回転数(Necon)を算出し
(ステップS175)、目標エンジン回転数NeにNe
conを代入する(ステップS180)。第1実施例と
異なり、NeconはステップS180の代入処理を実
行する以前の目標エンジン回転数Neよりも大きいとは
限らない。
【0081】図6に示した通り、出力トルクおよび回転
数によってエンジン150の運転効率は変化する。ステ
ップ165において算出したエンジン150の運転可能
な範囲における運転効率の変化の様子を図13に示す。
図13は、エンジン150のトルクがTLで一定となる
直線(図6中D1−D1)において、回転数がNmin
からNpの範囲におけるエンジン運転効率の変化の様子
を示したグラフである。図13に示される通り、制御ユ
ニット190は、ステップS175において、エンジン
150の運転効率が最も高くなる点B1の回転数をNe
conとして求める。
【0082】図13に示した例では、図6中の曲線A上
の点でエンジン150の回転数Neconを決定する結
果となっているが、上述の回転数Nminの値によって
は、このようにならない場合がある。例えば、図13に
おいて運転可能な最小回転数がNmin2のようにB1
点よりも高い回転数となっている場合である。このと
き、エンジン150はNmin2以より小さい回転数で
運転することはできないから、回転数Nmin2でエン
ジン150を運転する場合が最も運転効率が高くなり、
ステップS175における回転数Neconは、回転数
Nmin2となる。この運転ポイントは、図6中の曲線
A上にはない。
【0083】第2実施例の運転ポイント補正ルーチンに
よれば、エンジン150の出力トルクを制限した条件下
で、その運転効率が最も高くなる点で運転するよう、エ
ンジン150の運転を制御するため、動力出力装置の効
率低下を防止することができる。エンジン150の出力
トルクがTLに制限されることに伴い、要求出力を維持
するようにエンジン150の回転数を高くして運転した
場合、エンジン150の運転効率を著しく低下させる場
合に特に有効である。
【0084】この場合、動力出力装置が要求トルクおよ
び回転数からなる動力を出力するためには、バッテリ1
94から電力を供給する必要があるが、上述の動力出力
装置は、バッテリ194の残容量SOCの余裕を考慮し
つつ、エンジン150の運転範囲を決定しているため、
バッテリ194の残容量不足により車両の走行に支障が
生じるというおそれもない。
【0085】なお、第2の実施例において、エンジン1
50の運転可能範囲内で効率が最も高くなる回転数を算
出する処理(ステップS165〜S175)に代えて、
エンジン150の回転数が所定値以下になるように制限
を加えるだけのステップとしてもよい。このようにすれ
ば、エンジン150の回転数を所定値以上に上昇するこ
とにより、エンジン150の運転効率が著しく低下する
場合には、簡易な制御方法により運転効率の低下を防止
することができる。
【0086】以上の実施例を適用するハイブリッド車両
も種々の構成が可能である。図2ではエンジン150お
よびモータMG2の駆動力をプラネタリギヤ120を介
して駆動輪116、118に伝達するハイブリッド車両
の構成を示したが、エンジン150、モータMG1,M
G2についてプラネタリギヤ120を介した接続は図1
4および図15に示す種々の形態としてもよい。例え
ば、図2に示した構成では、リングギヤ軸126に出力
された動力をリングギヤ122に結合された動力取出ギ
ヤ128を介してモータMG1とモータMG2との間か
ら取り出したが、図14に変形例として示した構成のよ
うに、リングギヤ軸126Aを延出して動力を取り出す
ものとしてもよい。また、図15に変形例として示した
構成のように、エンジン150側からプラネタリギヤ1
20,モータMG2,モータMG1の順になるよう配置
してもよい。この場合、サンギヤ軸125Bは中空でな
くてもよく、リングギヤ軸126Bは中空軸とする必要
がある。この構成では、リングギヤ軸126Bに出力さ
れた動力をエンジン150とモータMG2との間から取
り出すことができる。さらに、図示しないが、図15に
おいてモータMG2とモータMG1を入れ替えた構成と
することも可能である。
【0087】以上は、プラネタリギヤ120を用いた変
形例であるが、図16に示すように、プラネタリギヤ1
20を用いない構成をとってもよい。図16に示す構成
では、図2におけるモータMG1およびプラネタリギヤ
120に代えて、ロータ(インナロータ)234および
ステータ(アウタロータ)232の双方が同じ軸中心に
相対的に回転可能であり電磁継手として作用し得るクラ
ッチモータMG3を用いている。クラッチモータMG3
のアウタロータ232はエンジン150のクランクシャ
フト156に機械的に結合され、クラッチモータMG3
のインナロータ234およびモータMG2のロータ14
2は駆動軸112Aに結合されている。モータMG2の
ステータ143はケース119に固定されている。
【0088】この構成では、プラネタリギヤ120に代
えて、クラッチモータMG3によりエネルギの分配を行
なう。クラッチモータMG3に入出力される電気的なエ
ネルギにより、インナロータ234とアウタロータ23
2の相対的な回転を制御し、エンジン150の動力を駆
動軸112Aに伝達することができる。また、モータM
G2のロータ132が駆動軸112Aに取り付けられて
いるため、モータMG2を駆動源とすることもできる。
さらに、エンジン150の動力によりモータMG3で発
電することもできる。このような構成のハイブリッド車
両でも、クラッチモータMG3によりエンジン150に
発電負荷トルクをかけるように制御され、原動機150
の運転トルクに比例して、クラッチモータMG3の駆動
回路191に電流が流れ、発熱量が増加するため、本発
明を適用することができる。
【0089】さらに、ハイブリッド車両は図17に示す
ような、いわゆるシリーズ式の構成であっても構わな
い。シリーズ式のハイブリッド車両では、エンジン15
0の出力軸は発電機Gに機械的に結合されている。駆動
輪116、118には、モータMG4が動力伝達ギヤ1
11等を介して結合されているが、エンジン150は結
合されてはいない。
【0090】上述の構成をとるため、シリーズ式のハイ
ブリッド車両では、エンジン150の動力は駆動輪11
6、118に伝達されることはなく発電機Gの運転に使
われ、車両はバッテリ194の電力によりモータMG4
を動かすことにより駆動される。発電負荷は発電機Gに
生じる起電力に比例する。発電機Gによる発電負荷が所
望の値となるように制御できる駆動回路191を備えて
いる場合には、エンジン150の運転トルクに比例して
発電機Gに起電力が生じ、発電機Gの発熱量も大きくな
るため、本発明を有効に適用することができる。
【0091】以上、本発明の実施例およびその変形例に
ついて説明してきたが、本発明はこれらに限定されるも
のではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、さらに種々
の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の動力出力装置の駆動回路部を中心と
した拡大図である。
【図2】本実施例の動力出力装置を搭載した車両の概略
構成を示す説明図である。
【図3】本実施例の動力出力装置の冷却系統の概略構成
を示す説明図である。
【図4】本実施例の動力出力装置のトルク変換時の運転
ポイントを示す説明図である。
【図5】プラネタリギヤの各ギヤにおけるトルクの関係
を示す共線図である。
【図6】エンジンのトルクおよび回転数と運転効率との
関係を示すグラフである。
【図7】エンジン出力を一定とした場合のエンジン回転
数と運転効率の関係を示すグラフである。
【図8】第1実施例の運転ポイント補正ルーチンのフロ
ーチャートである。
【図9】第1実施例における、発電機温度に基づくトル
ク制限値を示すグラフである。
【図10】第1実施例における、インバータ温度に基づ
くトルク制限値を示すグラフである。
【図11】第2実施例の運転ポイント補正ルーチンのフ
ローチャートである。
【図12】第2実施例におけるエンジン最低回転数算出
処理のフローチャートである。
【図13】エンジンの出力トルクを一定とした場合のエ
ンジン回転数と運転効率の関係を示すグラフである。
【図14】機械分配式ハイブリッド車両の第1の構成変
形例を示す説明図である。
【図15】機械分配式ハイブリッド車両の第2の構成変
形例を示す説明図である。
【図16】電気分配式ハイブリッド車両の概略構成を示
す説明図である。
【図17】シリーズ式ハイブリッド車両の概略構成を示
す説明図である。
【符号の説明】
111…動力伝達ギヤ 112、112A…駆動軸 114…ディファレンシャルギヤ 116,118…駆動輪 119、119A…ケース 120、120A、120B…プラネタリギヤ 121…サンギヤ 122…リングギヤ 123…プラネタリピニオンギヤ 124…プラネタリキャリア 125、125A、125B…サンギヤ軸 126、126A、126B…リングギヤ軸 127、127A、127B…プラネタリキャリア軸 128…動力取出ギヤ 129…チェーンベルト 132…ロータ 133…ステータ 133t…温度センサ 139…レゾルバ 142…ロータ 143…ステータ 143t…温度センサ 149…レゾルバ 150…エンジン 151…燃料噴射弁 152…燃焼室 154…ピストン 156…クランクシャフト 158…イグナイタ 160…ディストリビュータ 162…点火プラグ 164…アクセルペダル 164a…アクセルペダルポジションセンサ 165…ブレーキペダル 165a…ブレーキペダルポジションセンサ 170…EFIECU 173…ウォータージャケット 174…水温センサ 176…回転数センサ 178…回転角度センサ 179…スタータスイッチ 182…シフトレバー 184…シフトポジションセンサ 190、190A、190B…制御ユニット 191…第1の駆動回路 191t…温度センサ 192…第2の駆動回路 192t…温度センサ 194…バッテリ 195、196、197、198…電流検出器 199…残容量検出器 200…吸入口 202…排気口 232…アウタロータ 234…インナロータ 238…回転トランス 250、251…ラジエータ 252、253…冷却ファン 254、255…ホース 256…ヒートシンク 258、259…ウォータージャケット 260、261…ウォーターポンプ G…発電機 MG1、MG2、MG4…モータ MG3…クラッチモータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 29/06 F02D 29/06 D Q G05D 17/02 G05D 17/02 H02P 9/00 H02P 9/00 B 9/04 9/04 L (56)参考文献 特開 平3−117400(JP,A) 特開 平4−148037(JP,A) 特開 平5−328526(JP,A) 特開 平9−184436(JP,A) 特開 平9−46965(JP,A) 特開 平6−80048(JP,A) 特開 昭58−69403(JP,A) 特開 昭51−79813(JP,A) 特開 平2−238141(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 6/02 - 6/04 B60L 11/00 - 11/18 F02D 29/00 - 29/06 H02P 9/00 - 9/48

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出力軸を有しており要求出力に応じた運
    転状態で運転する原動機と、該出力軸に対し電気的に所
    定の負荷トルクを付与する負荷トルク付与手段とを有す
    る動力出力装置であって、 前記負荷トルク付与手段の温度を検出する温度検出手段
    と、 該温度検出手段により検出された温度が所定温度以上で
    あるときは、該負荷トルク付与手段の温度上昇を低減す
    るよう所定の値に制限された出力トルクとなる運転状態
    で、前記原動機を運転する原動機運転手段とを備える動
    力出力装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の動力出力装置であって、 前記原動機運転手段における前記運転状態は、 更に、該原動機の回転数が、該制限された出力トルクに
    応じて現在の回転数よりも高い回転数である動力出力装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の動力出力装置であって、 前記原動機運転手段における前記運転状態は、 更に、該原動機の回転数が、該制限された出力トルクに
    おいて所定の運転効率で原動機を運転することができる
    回転数である動力出力装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3いずれか記載の
    動力出力装置であって、 前記負荷トルク付与手段は、回転軸を有しかつ該回転軸
    が原動機の出力軸に機械的に結合された電動発電機と、
    該電動発電機との間で電気的なエネルギのやりとりを行
    う駆動回路とから構成され、 前記温度検出手段は、前記電動発電機の温度と前記駆動
    回路の温度のうち少なくとも一方の温度を検出する手段
    である動力出力装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の動力出力装置であって、
    さらに、 前記出力軸および回転軸とは異なる駆動軸と、 該駆動軸から出力されるべき要求トルクおよび要求回転
    数を設定する手段と、 前記出力軸と前記回転軸と前記駆動軸とに各々結合され
    る3軸を有し、該3軸のうちいずれか2軸へ入出力され
    る動力を決定したとき、該決定された動力に基づいて残
    余の1軸へ入出力される動力が決定される3軸式動力入
    出力手段と、 前記駆動軸に結合された電動機と、 前記原動機の運転状態に応じて、前記要求トルクおよび
    要求回転数が前記駆動軸から出力されるように前記電動
    発電機および前記電動機を制御する手段とを備える動力
    出力装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の動力出力装置であって、 動力を出力するための駆動軸と、 該駆動軸から出力されるべき要求トルクおよび要求回転
    数を設定する手段と、 前記駆動軸に結合された電動機とを備え、 前記電動発電機は2つの回転軸を有し、該2つの回転軸
    はそれぞれ前記出力軸および駆動軸に結合された対ロー
    タ電動機であり、 更に、前記原動機の運転状態に応じて、前記要求トルク
    および要求回転数が前記駆動軸から出力されるように前
    記電動発電機および前記電動機を制御する手段を備える
    動力出力装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の動力出力装置であって、 前記負荷トルク付与手段は、前記要求出力に応じて前記
    負荷トルクを制御する動力出力装置。
  8. 【請求項8】 出力軸を有しており要求出力に応じた運
    転状態で運転する原動機と、該出力軸に対し電気的に所
    定の負荷トルクを付与する負荷トルク付与手段とを有す
    る動力出力装置であって、 前記負荷トルク付与手段の温度を検出する温度検出手段
    と、 該温度検出手段により検出された温度が所定温度以上で
    あるときは、該負荷トルク付与手段の温度上昇を低減す
    るよう、前記要求出力に応じて設定された出力トルクよ
    りも低い所定の値に制限された出力トルクとなる運転状
    態で、前記原動機を運転する原動機運転手段とを備える
    動力出力装置。
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