JP3451716B2 - 車輪速度検出装置および車輪のスリップ制御装置 - Google Patents

車輪速度検出装置および車輪のスリップ制御装置

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JP3451716B2 JP10099394A JP10099394A JP3451716B2 JP 3451716 B2 JP3451716 B2 JP 3451716B2 JP 10099394 A JP10099394 A JP 10099394A JP 10099394 A JP10099394 A JP 10099394A JP 3451716 B2 JP3451716 B2 JP 3451716B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車輪速度検出装置お
よび車輪のスリップ制御装置、特に、いわゆる電磁ピッ
クアップ式の車輪速センサを備えた車輪速度検出装置、
及びかかる車輪速度検出装置を備えた車輪のスリップ制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば自動車等の車両において各
車輪毎の速度を検出する車輪速度検出装置としては、磁
束変化を電圧信号に変換してパルス状の出力信号を出力
する、いわゆる電磁ピックアップ式の車輪速センサを備
えたものが一般に広く用いられている。このタイプの車
輪速度検出装置は、車輪と一体的に回転する歯車状(も
しくは鋸歯状)の回転検出板(歯形ロータ)の回転を、こ
の歯形ロータの外周部近傍に配置された電磁ピックアッ
プ(車輪速センサ)で検出するもので、該車輪速センサ
は、例えば、永久磁石と電圧発生用のコイルとを備えて
おり、ロータの回転に伴ってそのピックアップ部の近傍
を歯部が通過することにより、上記電圧発生用コイルに
磁束変化が生じ、これに従って電圧信号が出力されるよ
うになっている。そして、この場合、電圧信号は、歯形
ロータの回転に伴って、その歯部が上記ピックアップ部
の近傍を通過する毎にパルス状に出力される。
【0003】かかる車輪速度検出装置で得られた検出デ
ータは、車両制動時における各車輪のロックあるいはス
キッド状態の発生防止を図るいわゆるアンチスキッド制
御装置や、車両走行中における駆動輪のスリップ抑制を
図るいわゆるトラクション制御装置など、車輪のスリッ
プ状態を制御し得る制御装置が装備された車両では、こ
れらの制御を行うための基本的な入力情報として用いら
れる。すなわち、アンチスキッド制御の場合には、例え
ば、車輪速度検出装置で得られた車輪速データに基づい
て各車輪の加減速度を算出するとともに、同じく車輪速
データに基づいて推定した当該車両の疑似車体速と車輪
速とから車輪のスリップ率を算出し、このスリップ率を
予め設定された閾値と比較して車輪のロック発生を検知
することができる。そして、この車輪のロック発生の有
無に応じて、各車輪に対する制動力を低下あるいは増大
させる一連の制御が、例えば車両が停止するまで繰り返
して実行される。また、トラクション制御の場合には、
基本的に、各車輪の車輪速データから駆動輪と従動輪と
の速度差を算出し、この速度差が予め設定された閾値を
越えると、例えばエンジン出力を低下させるなど駆動輪
に与えられる動力を制限したり、駆動輪に制動力を作用
させたりする制御が実行されるようになっている。
【0004】ところで、上記電磁ピックアップ式の車輪
速センサは、上述のように磁束変化を電圧信号に変換し
て信号出力するものであるので、外部磁界に大きな変化
があった場合には、この変化の影響を受けることが考え
られる。つまり、外部磁界の変化が外来ノイズとして入
力され、検出結果の精度や信頼性に影響を及ぼす場合が
生じ得る。このようなノイズ問題に関して、例えば特開
昭60−25836号公報や特開昭62−255871
号公報では、車輪速度の今回演算値と前回演算値との差
を基準値と比較してノイズ判定を行うようにしたものが
開示されている。また、特に外来ノイズを意識したもの
ではないが、例えば特開昭63−172967号公報で
は、各パルス信号の周期とそれ以前のパルス周期とを比
較して異常を判別し、異常なパルス周期は上記以前のパ
ルス周期との関係に基づいて補正するようにしたものが
開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】運行中の自動車の車輪
速度検出装置に影響を及ぼし得る大きな外部磁界の変化
をもたらすものとしては、例えば、鉄道車両が考えられ
る。すなわち、鉄道車両の動力系は大きな値の電流で駆
動されており、かかる鉄道車両が上記車輪速度検出装置
を備えた自動車の近辺を通過した際には、車輪速度検出
装置の外部磁界に大きな変化がもたらされる。この場
合、通常の鉄道車両であれば、その駆動系に供給される
電流は直流であるので、上記外部磁界の変化が周期性を
持つことはなく、車輪速度の検出に特に影響を及ぼすこ
とはないと考えられる。しかしながら、新幹線の場合に
は、通常、交流60Hz(ヘルツ)の大電流が用いられて
おり、これが通過する際には60Hzのサイクルの磁界
変化がもたらされることになる。
【0006】このため、例えば、新幹線の高架上を道路
が通っており、この道路上に自動車が停車もしくは微速
走行している場合などにおいて、その道路下を新幹線が
通過した際には、60Hzの交流磁界が車輪速度検出装
置に作用し、これが外来ノイズとして検出信号に重畳さ
れるという問題がある。この場合、ノイズの周波数は一
定(60Hz)であるが、その強さ(大きさ)は、当該新幹
線車両の動力負荷の大きさによって変化する。一方、上
記電磁ピックアップ方式の車輪速度検出装置としては、
歯数が44の歯形ロータを備えたものが一般に広く用い
られており、この歯数の場合には、交流60Hzによっ
てもたらされる磁界変化は時速換算で約9km/hrに相当
する。従って、車輪速度検出装置は、新幹線車両の通過
に伴ってこの約9km/hrの速度に相当するノイズが重畳
された電圧信号を出力することになる。
【0007】この場合、自動車の走行速度がある程度高
ければ、車輪速センサから出力される本来の信号レベル
が高い(出力が大きい)ので、上記ノイズが重畳されたと
しても、車輪速度の検出値に影響を及ぼすことはまず無
いと考えられるが、自動車が停車している場合や非常に
低い速度で走行している場合には、上記ノイズの影響は
それだけ大きいものとなる。すなわち、自動車自体は実
際には走行停止(車速0km/hr)または極く低い車速でし
か走行していないのに、車輪速度検出装置はノイズとし
て9km/hrの車輪速度を検出することになる。
【0008】このノイズの強さ(大きさ)は、上述のよう
に当該新幹線車両の動力負荷の大きさによって変化する
が、アンチスキッド制御装置が上記自動車に装備されて
いる場合について説明すれば、このアンチスキッド制御
装置が読み込む信号レベルは予め定まっており、この読
み込み信号レベルとノイズレベルとの大小関係によっ
て、アンチスキッド制御装置は、9km/hrのノイズ信号
を読み込んだり読み込まなかったりする。つまり、9km
/hrのノイズ信号は、アンチスキッド制御装置側に入力
される場合とされない場合が生じ得る。そして、この9
km/hrのノイズ信号がアンチスキッド制御装置側に入力
された後、この信号が入力されなくなると、車輪速度が
9km/hrから0(零)km/hrまで急減速されたものとし
て、アンチスキッド制御の実行が開始されることが考え
られ、ドライバは、予期しない運転状態でアンチスキッ
ド制御が行なわれることになるので、違和感を覚えると
いう問題があった。
【0009】もっとも、この問題に対しては、車輪速度
検出装置の車輪速センサと組み合わされる歯形ロータの
歯数を、通常の44から例えば90に変更することによ
り、交流60Hzに相当する車輪速度を変更し、アンチ
スキッド制御の実行に影響を及ぼさないようにすること
が考えられる。すなわち、アンチスキッド制御装置は、
一般に、車輪速度が5km/hr以下であれば制御に入らな
いように設定されており、一方、歯形ロータの歯数を9
0にした場合には、交流60Hzは時速換算で約4.5km
/hrに相当するので、このノイズ信号が入力されても、
アンチスキッド制御の実行が開始されることはなくな
る。しかしながら、この場合には、上記歯形ロータの製
造工程を、その金型の製作を含めて根本的に変更する必
要があり、大幅なコスト上昇を招くという問題があっ
た。
【0010】また、各車輪に取り付けられた車輪速セン
サの向きと新幹線通過によって発生する磁界の方向とに
よっては、前輪側のみ、あるいは後輪側のみに、外部磁
界の変化によるノイズが生じることがあるが、トラクシ
ョン制御装置が上記自動車に装備されている場合、例え
ば当該自動車が後輪駆動タイプのものであれば、後輪側
のみにノイズが生じると、このノイズの影響で駆動輪と
従動輪との速度差が実際よりも大きく表れることとな
り、この速度差が予め設定された閾値を越えたものとし
て、トラクション制御の実行が開始されることが考えら
れ、ドライバは、予期しない運転状態でトラクション制
御が行なわれることになるので、違和感を覚えるという
問題があった。
【0011】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
もので、電磁ピックアップ式の車輪速センサを備えた車
輪速度検出装置において、特に大幅なコスト上昇を招く
ことなく、外部磁界の変化によるノイズを確実に判別
し、また、かかる車輪速度検出装置を備えた車輪のスリ
ップ制御装置において、ドライバが予期しない運転状態
で車輪のスリップ制御が行なわれることを防止すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、本願の請求項
1に係る発明(以下、第1の発明という)は、磁束変化を
電圧信号に変換してこの磁束変化の周波数に対応した周
波数のパルス信号を出力する電磁ピックアップ式の車輪
速センサを備え、この車輪速センサからの出力信号に基
づいて車輪速度を検出する車輪速度検出装置において、
上記車輪速センサが無パルス状態からパルス信号を出力
した場合、その出力開始から所定回数までのパルスの周
期が所定範囲の周波数に相当するときには、上記車輪速
センサからの出力信号は外部磁界の変化によるノイズで
あると判定するようにしたものである。
【0013】また、本願の請求項2に係る発明(以下、
第2の発明という)は、磁束変化を電圧信号に変換して
この磁束変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を
出力する電磁ピックアップ式の車輪速センサを備え、こ
の車輪速センサからの出力信号に基づいて車輪速度を検
出する車輪速度検出装置において、上記車輪速センサが
車両の4輪それぞれに対して取り付けられており、これ
ら4輪全ての車輪速センサが無パルスである状態から、
少なくとも1輪の車輪速センサについて、その出力開始
から所定回数までのパルスの周期が所定範囲の周波数に
相当するパルス信号が出力されたときには、上記各車輪
速センサからの出力信号は外部磁界の変化によるノイズ
であると判定するようにしたものである。
【0014】また、本願の請求項3に係る発明(以下、
第3の発明という)は、磁束変化を電圧信号に変換して
この磁束変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を
出力する電磁ピックアップ式の車輪速センサを備え、こ
の車輪速センサからの出力信号に基づいて車輪速度を検
出する車輪速度検出装置において、上記車輪速センサが
車両の4輪それぞれに対して取り付けられており、これ
ら4輪全ての車輪速センサが無パルスである状態から、
所定の複数個以上(例えば2個以上)の車輪速センサにつ
いて、その出力開始から所定回数までのパルスの周期が
所定範囲の周波数に相当するパルス信号が出力されたと
きには、上記各車輪速センサからの出力信号は外部磁界
の変化によるノイズであると判定するようにしたもので
ある。
【0015】更に、本願の請求項4に係る発明(以下、
第4の発明という)は、上記第1〜第3の発明のいずれ
か一において、上記出力開始から所定回数までのパルス
の周期は、無パルス状態から1回目のパルスの立ち上が
りと立ち下がりの周期であることを特徴としたものであ
る。
【0016】また、更に、本願の請求項5に係る発明
(以下、第5の発明という)は、磁束変化を電圧信号に変
換してこの磁束変化の周波数に対応した周波数のパルス
信号を出力する電磁ピックアップ式の車輪速センサを備
え、この車輪速センサからの出力信号に基づいて車輪速
度を検出する車輪速度検出装置において、上記車輪速セ
ンサから所定範囲の周波数のパルス信号が一定時間継続
して出力された後、無パルス状態となり、この無パルス
状態が所定時間以上継続されたときには、上記車輪速セ
ンサからの出力信号は外部磁界の変化によるノイズであ
ると判定するようにしたものである。
【0017】また、更に、本願の請求項6に係る発明
(以下、第6の発明という)は、磁束変化を電圧信号に変
換してこの磁束変化の周波数に対応した周波数のパルス
信号を出力する電磁ピックアップ式の車輪速センサを備
え、この車輪速センサからの出力信号に基づいて車輪速
度を検出する車輪速度検出装置において、上記車輪速セ
ンサが車両の4輪それぞれに対して取り付けられてお
り、これら4輪の車輪速センサのうち少なくとも1輪の
車輪速センサについて、所定範囲の周波数のパルス信号
が一定時間継続して出力された後、無パルス状態とな
り、この無パルス状態が所定時間以上継続されたときに
は、上記各車輪速センサからの出力信号は外部磁界の変
化によるノイズであると判定するようにしたものであ
る。
【0018】また、更に、本願の請求項7に係る発明
(以下、第7の発明という)は、磁束変化を電圧信号に変
換してこの磁束変化の周波数に対応した周波数のパルス
信号を出力する電磁ピックアップ式の車輪速センサを備
え、この車輪速センサからの出力信号に基づいて車輪速
度を検出する車輪速度検出装置において、上記車輪速セ
ンサが車両の4輪それぞれに対して取り付けられてお
り、これら4輪の車輪速センサのうち所定の複数個以上
(例えば2個以上)の車輪速センサについて、所定範囲の
周波数のパルス信号が一定時間継続して出力された後、
無パルス状態となり、この無パルス状態が所定時間以上
継続されたときには、上記各車輪速センサからの出力信
号は外部磁界の変化によるノイズであると判定するよう
にしたものである。
【0019】また、更に、本願の請求項8に係る発明
(以下、第8の発明という)は、上記第1〜第7の発明の
いずれか一において、上記所定範囲の周波数は50〜6
0Hzであることを特徴としたものである。
【0020】また、更に、本願の請求項9に係る発明
(以下、第9の発明という)は、上記第1〜第8の発明の
いずれか一において、上記車輪速センサからの出力信号
が外部磁界の変化によるノイズであると判定された後、
当該車輪速センサから所定の車輪速度以上の速度に相当
するパルス信号が一定時間以上にわたって出力された際
には、上記ノイズ判定が解除されるようにしたものであ
る。
【0021】また、更に、本願の請求項10に係る発明
(以下、第10の発明という)は、磁束変化を電圧信号に
変換してこの磁束変化の周波数に対応した周波数のパル
ス信号を出力する電磁ピックアップ式の車輪速センサを
備え、この車輪速センサからの出力信号に基づいて車輪
速度を検出する車輪速度検出装置において、上記車輪速
センサが車両の4輪それぞれに対して取り付けられてお
り、これら車輪速センサからの出力信号が外部磁界の変
化によるノイズであると判定された後、上記4輪全ての
車輪速センサが一定時間以上無パルス状態を継続した際
には、上記ノイズ判定が解除されるようにしたものであ
る。
【0022】また、本願の請求項11に係る発明(以
下、第11の発明という)は、磁束変化を電圧信号に変
換してこの磁束変化の周波数に対応した周波数のパルス
信号を出力する電磁ピックアップ式の車輪速センサから
の出力信号に基づいて車輪速度を検出する車輪速度検出
装置と、各車輪の制動圧を調整する油圧調整手段と、上
記車輪速度検出装置によって検出された車輪速度に基づ
いて上記油圧調整手段を作動させることにより各車輪の
制動圧を周期的に増減するアンチスキッド制御手段とを
備えた車輪のスリップ制御装置において、上記車輪速セ
ンサが無パルス状態からパルス信号を出力した場合、そ
の出力開始から所定回数までのパルスの周期が所定範囲
の周波数に相当するときには、上記車輪速センサからの
出力信号は外部磁界の変化によるノイズであると判定さ
れるようにしたものである。
【0023】更に、本願の請求項12に係る発明(以
下、第12の発明という)は、磁束変化を電圧信号に変
換してこの磁束変化の周波数に対応した周波数のパルス
信号を出力する電磁ピックアップ式の車輪速センサから
の出力信号に基づいて車輪速度を検出する車輪速度検出
装置と、各車輪の制動圧を調整する油圧調整手段と、上
記車輪速度検出装置によって検出された車輪速度に基づ
いて上記油圧調整手段を作動させることにより各車輪の
制動圧を周期的に増減するアンチスキッド制御手段とを
備えた車輪のスリップ制御装置において、上記車輪速セ
ンサが車両の4輪それぞれに対して取り付けられてお
り、これら4輪全ての車輪速センサが無パルスである状
態から、少なくとも1輪の車輪速センサについて、その
出力開始から所定回数までのパルスの周期が所定範囲の
周波数に相当するパルス信号が出力されたときには、上
記各車輪速センサからの出力信号は外部磁界の変化によ
るノイズであると判定されるようにしたものである。
【0024】更に、本願の請求項13に係る発明(以
下、第13の発明という)は、磁束変化を電圧信号に変
換してこの磁束変化の周波数に対応した周波数のパルス
信号を出力する電磁ピックアップ式の車輪速センサから
の出力信号に基づいて車輪速度を検出する車輪速度検出
装置と、各車輪の制動圧を調整する油圧調整手段と、上
記車輪速度検出装置によって検出された車輪速度に基づ
いて上記油圧調整手段を作動させることにより各車輪の
制動圧を周期的に増減するアンチスキッド制御手段とを
備えた車輪のスリップ制御装置において、上記車輪速セ
ンサが車両の4輪それぞれに対して取り付けられてお
り、これら4輪全ての車輪速センサが無パルスである状
態から、所定の複数個以上(例えば2個以上)の車輪速セ
ンサについて、その出力開始から所定回数までのパルス
の周期が所定範囲の周波数に相当するパルス信号が出力
されたときには、上記各車輪速センサからの出力信号は
外部磁界の変化によるノイズであると判定されるように
したものである。
【0025】また、更に、本願の請求項14に係る発明
(以下、第14の発明という)は、上記第11〜第13の
発明のいずれか一において、上記出力開始から所定回数
までのパルスの周期は、無パルス状態から1回目のパル
スの立ち上がりと立ち下がりの周期であることを特徴と
したものである。
【0026】また、更に、本願の請求項15に係る発明
(以下、第15の発明という)は、磁束変化を電圧信号に
変換してこの磁束変化の周波数に対応した周波数のパル
ス信号を出力する電磁ピックアップ式の車輪速センサか
らの出力信号に基づいて車輪速度を検出する車輪速度検
出装置と、各車輪の制動圧を調整する油圧調整手段と、
上記車輪速度検出装置によって検出された車輪速度に基
づいて上記油圧調整手段を作動させることにより各車輪
の制動圧を周期的に増減するアンチスキッド制御手段と
を備えた車輪のスリップ制御装置において、上記車輪速
センサから所定範囲の周波数のパルス信号が一定時間継
続して出力された後、無パルス状態となり、この無パル
ス状態が所定時間以上継続されたときには、上記車輪速
センサからの出力信号は外部磁界の変化によるノイズで
あると判定されるようにしたものである。
【0027】また、更に、本願の請求項16に係る発明
(以下、第16の発明という)は、磁束変化を電圧信号に
変換してこの磁束変化の周波数に対応した周波数のパル
ス信号を出力する電磁ピックアップ式の車輪速センサか
らの出力信号に基づいて車輪速度を検出する車輪速度検
出装置と、各車輪の制動圧を調整する油圧調整手段と、
上記車輪速度検出装置によって検出された車輪速度に基
づいて上記油圧調整手段を作動させることにより各車輪
の制動圧を周期的に増減するアンチスキッド制御手段と
を備えた車輪のスリップ制御装置において、上記車輪速
センサが車両の4輪それぞれに対して取り付けられてお
り、これら4輪の車輪速センサのうち少なくとも1輪の
車輪速センサについて、所定範囲の周波数のパルス信号
が一定時間継続して出力された後、無パルス状態とな
り、この無パルス状態が所定時間以上継続されたときに
は、上記各車輪速センサからの出力信号は外部磁界の変
化によるノイズであると判定されるようにしたものであ
る。
【0028】また、更に、本願の請求項17に係る発明
(以下、第17の発明という)は、磁束変化を電圧信号に
変換してこの磁束変化の周波数に対応した周波数のパル
ス信号を出力する電磁ピックアップ式の車輪速センサか
らの出力信号に基づいて車輪速度を検出する車輪速度検
出装置と、各車輪の制動圧を調整する油圧調整手段と、
上記車輪速度検出装置によって検出された車輪速度に基
づいて上記油圧調整手段を作動させることにより各車輪
の制動圧を周期的に増減するアンチスキッド制御手段と
を備えた車輪のスリップ制御装置において、上記車輪速
センサが車両の4輪それぞれに対して取り付けられてお
り、これら4輪の車輪速センサのうち所定の複数個以上
(例えば2個以上)の車輪速センサについて、所定範囲の
周波数のパルス信号が一定時間継続して出力された後、
無パルス状態となり、この無パルス状態が所定時間以上
継続されたときには、上記各車輪速センサからの出力信
号は外部磁界の変化によるノイズであると判定されるよ
うにしたものである。
【0029】また、更に、本願の請求項18に係る発明
(以下、第18の発明という)は、上記第11〜第17の
発明のいずれか一において、上記所定範囲の周波数は5
0〜60Hzであることを特徴としたものである。
【0030】また、更に、本願の請求項19に係る発明
(以下、第19の発明という)は、上記第11〜第18の
発明のいずれか一において、上記車輪速センサからの出
力信号が外部磁界の変化によるノイズであると判定され
た後、当該車輪速センサから所定の車輪速度以上の速度
に相当するパルス信号が一定時間以上にわたって出力さ
れた際には、上記ノイズ判定が解除されるようにしたも
のである。
【0031】また、更に、本願の請求項20に係る発明
(以下、第20の発明という)は、磁束変化を電圧信号に
変換してこの磁束変化の周波数に対応した周波数のパル
ス信号を出力する電磁ピックアップ式の車輪速センサか
らの出力信号に基づいて車輪速度を検出する車輪速度検
出装置と、各車輪の制動圧を調整する油圧調整手段と、
上記車輪速度検出装置によって検出された車輪速度に基
づいて上記油圧調整手段を作動させることにより各車輪
の制動圧を周期的に増減するアンチスキッド制御手段と
を備えた車輪のスリップ制御装置において、上記車輪速
センサが車両の4輪それぞれに対して取り付けられてお
り、上記車輪速センサからの出力信号が外部磁界の変化
によるノイズであると判定された後、上記4輪全ての車
輪速センサが一定時間以上無パルス状態を継続した際に
は、上記ノイズ判定が解除されるようにしたものであ
る。
【0032】また、本願の請求項21に係る発明(以
下、第21の発明という)は、上記第11〜第20の発
明のいずれか一において、上記車輪のスリップ制御装置
は、上記車輪速度検出装置によって検出された車輪速度
に基づいて当該車両の疑似車体速を推定する際に、上記
車輪速センサからの出力信号が外部磁界の変化によるノ
イズであると判定された場合には、このノイズ判定期間
中については、上記疑似車体速度の推定値の上昇を制限
することを特徴としたものである。
【0033】更に、本願の請求項22に係る発明(以
下、第22の発明という)は、上記第11〜第20の発
明のいずれか一において、上記車輪のスリップ制御装置
は、上記車輪速度検出装置によって検出された車輪速度
に基づいて当該車両の疑似車体速を推定する際に、上記
車輪速センサからの出力信号が外部磁界の変化によるノ
イズであると判定された場合には、このノイズ判定期間
中については、上記疑似車体速度を0km/hr側に推定す
ることを特徴としたものである。
【0034】更に、本願の請求項23に係る発明(以
下、第23の発明という)は、上記第11〜第20の発
明のいずれか一において、上記車輪のスリップ制御装置
は、上記車輪速センサからの出力信号が外部磁界の変化
によるノイズであると判定された場合には、このノイズ
判定期間中については、上記アンチスキッド制御が行な
われるための車輪速度の最低値を所定量だけ高めること
を特徴としたものである。
【0035】また、更に、本願の請求項24に係る発明
(以下、第24の発明という)は、上記第11〜第20の
発明のいずれか一において、上記車輪のスリップ制御装
置は、上記車輪速センサからの出力信号が外部磁界の変
化によるノイズであると判定された場合には、このノイ
ズ判定期間中については、上記アンチスキッド制御が開
始されるための制御閾値を、制御に入りにくい側に変更
することを特徴としたものである。
【0036】また、更に、本願の請求項25に係る発明
(以下、第25の発明という)は、上記第11〜第20の
発明のいずれか一において、上記車輪のスリップ制御装
置は、上記車輪速センサからの出力信号が外部磁界の変
化によるノイズであると判定された場合には、このノイ
ズ判定期間中については、上記アンチスキッド制御の開
始を禁止することを特徴としたものである。
【0037】また、本願の請求項26に係る発明(以
下、第26の発明という)は、磁束変化を電圧信号に変
換してこの磁束変化の周波数に対応した周波数のパルス
信号を出力する電磁ピックアップ式の車輪速センサから
の出力信号に基づいて車輪速度を検出する車輪速度検出
装置と、該車輪速度検出装置によって検出された車輪速
度に基づいて駆動輪と従動輪との速度差を演算し、この
演算値が所定値を越える場合には、上記駆動輪に制動力
を作用させる制御とエンジン出力を低下させる制御の少
なくともいずれか一方を行うトラクション制御手段とを
備えた車輪のスリップ制御装置において、上記車輪速セ
ンサが無パルス状態からパルス信号を出力した場合、そ
の出力開始から所定回数までのパルスの周期が所定範囲
の周波数に相当するときには、上記車輪速センサからの
出力信号は外部磁界の変化によるノイズであると判定さ
れるようにしたものである。
【0038】更に、本願の請求項27に係る発明(以
下、第27の発明という)は、磁束変化を電圧信号に変
換してこの磁束変化の周波数に対応した周波数のパルス
信号を出力する電磁ピックアップ式の車輪速センサから
の出力信号に基づいて車輪速度を検出する車輪速度検出
装置と、該車輪速度検出装置によって検出された車輪速
度に基づいて駆動輪と従動輪との速度差を演算し、この
演算値が所定値を越える場合には、上記駆動輪に制動力
を作用させる制御とエンジン出力を低下させる制御の少
なくともいずれか一方を行うトラクション制御手段とを
備えた車輪のスリップ制御装置において、上記車輪速セ
ンサが車両の4輪それぞれに対して取り付けられてお
り、これら4輪全ての車輪速センサが無パルスである状
態から、少なくとも1輪の車輪速センサについて、その
出力開始から所定回数までのパルスの周期が所定範囲の
周波数に相当するパルス信号が出力されたときには、上
記各車輪速センサからの出力信号は外部磁界の変化によ
るノイズであると判定されるようにしたものである。
【0039】更に、本願の請求項28に係る発明(以
下、第28の発明という)は、磁束変化を電圧信号に変
換してこの磁束変化の周波数に対応した周波数のパルス
信号を出力する電磁ピックアップ式の車輪速センサから
の出力信号に基づいて車輪速度を検出する車輪速度検出
装置と、該車輪速度検出装置によって検出された車輪速
度に基づいて駆動輪と従動輪との速度差を演算し、この
演算値が所定値を越える場合には、上記駆動輪に制動力
を作用させる制御とエンジン出力を低下させる制御の少
なくともいずれか一方を行うトラクション制御手段とを
備えた車輪のスリップ制御装置において、上記車輪速セ
ンサが車両の4輪それぞれに対して取り付けられてお
り、これら4輪全ての車輪速センサが無パルスである状
態から、所定の複数個以上(例えば2個以上)の車輪速セ
ンサについて、その出力開始から所定回数までのパルス
の周期が所定範囲の周波数に相当するパルス信号が出力
されたときには、上記各車輪速センサからの出力信号は
外部磁界の変化によるノイズであると判定されるように
したものである。
【0040】また、更に、本願の請求項29に係る発明
(以下、第29の発明という)は、上記第26〜第28の
発明のいずれか一において、上記出力開始から所定回数
までのパルスの周期は、無パルス状態から1回目のパル
スの立ち上がりと立ち下がりの周期であることを特徴と
したものである。
【0041】また、更に、本願の請求項30に係る発明
(以下、第30の発明という)は、磁束変化を電圧信号に
変換してこの磁束変化の周波数に対応した周波数のパル
ス信号を出力する電磁ピックアップ式の車輪速センサか
らの出力信号に基づいて車輪速度を検出する車輪速度検
出装置と、該車輪速度検出装置によって検出された車輪
速度に基づいて駆動輪と従動輪との速度差を演算し、こ
の演算値が所定値を越える場合には、上記駆動輪に制動
力を作用させる制御とエンジン出力を低下させる制御の
少なくともいずれか一方を行うトラクション制御手段と
を備えた車輪のスリップ制御装置において、上記車輪速
センサから所定範囲の周波数のパルス信号が一定時間継
続して出力された後、無パルス状態となり、この無パル
ス状態が所定時間以上継続されたときには、上記車輪速
センサからの出力信号は外部磁界の変化によるノイズで
あると判定されるようにしたものである。
【0042】また、更に、本願の請求項31に係る発明
(以下、第31の発明という)は、磁束変化を電圧信号に
変換してこの磁束変化の周波数に対応した周波数のパル
ス信号を出力する電磁ピックアップ式の車輪速センサか
らの出力信号に基づいて車輪速度を検出する車輪速度検
出装置と、該車輪速度検出装置によって検出された車輪
速度に基づいて駆動輪と従動輪との速度差を演算し、こ
の演算値が所定値を越える場合には、上記駆動輪に制動
力を作用させる制御とエンジン出力を低下させる制御の
少なくともいずれか一方を行うトラクション制御手段と
を備えた車輪のスリップ制御装置において、上記車輪速
センサが車両の4輪それぞれに対して取り付けられてお
り、これら4輪の車輪速センサのうち少なくとも1輪の
車輪速センサについて、所定範囲の周波数のパルス信号
が一定時間継続して出力された後、無パルス状態とな
り、この無パルス状態が所定時間以上継続されたときに
は、上記各車輪速センサからの出力信号は外部磁界の変
化によるノイズであると判定されるようにしたものであ
る。
【0043】また、更に、本願の請求項32に係る発明
(以下、第32の発明という)は、磁束変化を電圧信号に
変換してこの磁束変化の周波数に対応した周波数のパル
ス信号を出力する電磁ピックアップ式の車輪速センサか
らの出力信号に基づいて車輪速度を検出する車輪速度検
出装置と、該車輪速度検出装置によって検出された車輪
速度に基づいて駆動輪と従動輪との速度差を演算し、こ
の演算値が所定値を越える場合には、上記駆動輪に制動
力を作用させる制御とエンジン出力を低下させる制御の
少なくともいずれか一方を行うトラクション制御手段と
を備えた車輪のスリップ制御装置において、上記車輪速
センサが車両の4輪それぞれに対して取り付けられてお
り、これら4輪の車輪速センサのうち所定の複数個以上
(例えば2個以上)の車輪速センサについて、所定範囲の
周波数のパルス信号が一定時間継続して出力された後、
無パルス状態となり、この無パルス状態が所定時間以上
継続されたときには、上記各車輪速センサからの出力信
号は外部磁界の変化によるノイズであると判定されるよ
うにしたものである。
【0044】また、更に、本願の請求項33に係る発明
(以下、第33の発明という)は、上記第26〜第32の
発明のいずれか一において、上記所定範囲の周波数は5
0〜60Hzであることを特徴としたものである。
【0045】また、更に、本願の請求項34に係る発明
(以下、第34の発明という)は、上記第26〜第33の
発明のいずれか一において、上記車輪速センサからの出
力信号が外部磁界の変化によるノイズであると判定され
た後、当該車輪速センサから所定の車輪速度以上の速度
に相当するパルス信号が一定時間以上にわたって出力さ
れた際には、上記ノイズ判定が解除されるようにしたも
のである。
【0046】また、更に、本願の請求項35に係る発明
(以下、第35の発明という)は、磁束変化を電圧信号に
変換してこの磁束変化の周波数に対応した周波数のパル
ス信号を出力する電磁ピックアップ式の車輪速センサか
らの出力信号に基づいて車輪速度を検出する車輪速度検
出装置と、該車輪速度検出装置によって検出された車輪
速度に基づいて駆動輪と従動輪との速度差を演算し、こ
の演算値が所定値を越える場合には、上記駆動輪に制動
力を作用させる制御とエンジン出力を低下させる制御の
少なくともいずれか一方を行うトラクション制御手段と
を備えた車輪のスリップ制御装置において、上記車輪速
センサが車両の4輪それぞれに対して取り付けられてお
り、これら車輪速センサからの出力信号が外部磁界の変
化によるノイズであると判定された後、上記4輪全ての
車輪速センサが一定時間以上無パルス状態を継続した際
には、上記ノイズ判定が解除されるようにしたものであ
る。
【0047】また、本願の請求項36に係る発明(以
下、第36の発明という)は、上記第26〜第35の発
明のいずれか一において、上記車輪のスリップ制御装置
は、上記車輪速センサからの出力信号が外部磁界の変化
によるノイズであると判定された場合には、このノイズ
判定期間中については、少なくとも上記駆動輪に制動力
を作用させる制御を禁止することを特徴としたものであ
る。
【0048】更に、本願の請求項37に係る発明(以
下、第37の発明という)は、磁束変化を電圧信号に変
換してこの磁束変化の周波数に対応した周波数のパルス
信号を出力する電磁ピックアップ式の車輪速センサから
の出力信号に基づいて車輪速度を検出する車輪速度検出
装置と、該車輪速度検出装置によって検出された車輪速
度に基づいて駆動輪と従動輪との速度差を演算し、この
演算値が所定値を越える場合には、上記駆動輪に制動力
を作用させる制御とエンジン出力を低下させる制御の少
なくともいずれか一方を行うトラクション制御手段とを
備えた車輪のスリップ制御装置において、上記トラクシ
ョン制御を行っても上記駆動輪の車輪速度が変化しない
場合には、該駆動輪の車輪速センサからの出力信号は外
部磁界の変化によるノイズであると判定され、このノイ
ズ判定期間中については、上記トラクション制御の実行
が禁止されるようにしたものである。
【0049】
【発明の作用および効果】本願の第1の発明に係る車輪
速度検出装置によれば、上記車輪速センサが無パルス状
態からパルス信号を出力した場合、その出力開始から所
定回数までのパルスの周期により、当該出力信号が外部
磁界の変化によるノイズであるか否かの判別を行うこと
ができる。すなわち、ノイズの無い正常な状態であれ
ば、車輪速センサが無パルス状態(つまり、車輪速度0
(零)km/hrの状態)からパルス信号を出力する場合(つま
り、車輪始動時の速度を検出する場合)には、最初はあ
る程度徐々にパルス数が増すのが普通であり、パルス信
号の出力開始から所定回数まで(例えば2,3回程度ま
で)の間は、パルス数が(つまり、車輪速度が)いきなり
高い数値に立ち上がることはなく、その間のパルスの周
期はかなり長いものとなる。つまり、それに相当する周
波数はかなり低いものとなる。従って、上記所定範囲の
周波数を、立ち上がり時には通常生じない高さの適切な
数値範囲に設定することにより、上記車輪速センサから
の出力信号が外部磁界の変化によるノイズであるか否か
を確実に判別することができる。
【0050】また、本願の第2の発明に係る車輪速度検
出装置によれば、上記車輪速センサが無パルス状態から
パルス信号を出力した場合、その出力開始から所定回数
までのパルスの周期により、当該出力信号が外部磁界の
変化によるノイズであるか否かの判別を行うことができ
る。すなわち、ノイズの無い正常な状態であれば、車輪
速センサが無パルス状態(つまり、車輪速度0(零)km/h
rの状態)からパルス信号を出力する場合(つまり、車輪
始動時の速度を検出する場合)には、最初はある程度徐
々にパルス数が増すのが普通であり、パルス信号の出力
開始から所定回数まで(例えば2,3回程度まで)の間
は、パルス数が(つまり、車輪速度が)いきなり高い数値
に立ち上がることはなく、その間のパルスの周期はかな
り長いものとなる。つまり、それに相当する周波数はか
なり低いものとなる。従って、上記所定範囲の周波数
を、立ち上がり時には通常生じない高さの適切な数値範
囲に設定することにより、上記車輪速センサからの出力
信号が外部磁界の変化によるノイズであるか否かを確実
に判別することができる。そして、特に、上記車輪速セ
ンサが車両の4輪それぞれに対して取り付けられている
場合において、これら4輪全ての車輪速センサが無パル
スである状態から、少なくとも1輪の車輪速センサにつ
いて、その出力開始から所定回数までのパルスの周期が
所定範囲の周波数に相当するパルス信号が出力されたと
きには、上記各車輪速センサからの出力信号は外部磁界
の変化によるノイズであると判定するようにしたので、
より迅速なノイズ判定を行うことが可能になる。
【0051】また、本願の第3の発明に係る車輪速度検
出装置によれば、上記車輪速センサが無パルス状態から
パルス信号を出力した場合、その出力開始から所定回数
までのパルスの周期により、当該出力信号が外部磁界の
変化によるノイズであるか否かの判別を行うことができ
る。すなわち、ノイズの無い正常な状態であれば、車輪
速センサが無パルス状態(つまり、車輪速度0(零)km/h
rの状態)からパルス信号を出力する場合(つまり、車輪
始動時の速度を検出する場合)には、最初はある程度徐
々にパルス数が増すのが普通であり、パルス信号の出力
開始から所定回数まで(例えば2,3回程度まで)の間
は、パルス数が(つまり、車輪速度が)いきなり高い数値
に立ち上がることはなく、その間のパルスの周期はかな
り長いものとなる。つまり、それに相当する周波数はか
なり低いものとなる。従って、上記所定範囲の周波数
を、立ち上がり時には通常生じない高さの適切な数値範
囲に設定することにより、上記車輪速センサからの出力
信号が外部磁界の変化によるノイズであるか否かを確実
に判別することができる。そして、特に、上記車輪速セ
ンサが車両の4輪それぞれに対して取り付けられている
場合において、これら4輪全ての車輪速センサが無パル
スである状態から、所定の複数個以上(例えば2個以上)
の車輪速センサについて、その出力開始から所定回数ま
でのパルスの周期が所定範囲の周波数に相当するパルス
信号が出力されたときには、上記各車輪速センサからの
出力信号は外部磁界の変化によるノイズであると判定す
るようにしたので、より確実なノイズ判定を行うことが
可能になる。
【0052】更に、本願の第4の発明に係る車輪速度検
出装置によれば、基本的には、上記第1〜第3の発明の
いずれか一と同様の効果を奏することができる。特に、
上記出力開始から所定回数までのパルスの周期を、ノイ
ズの無い正常な状態であれば、最もパルス周期が長くな
る(つまり、それに相当する周波数が最も低くなる)無パ
ルス状態から1回目のパルスの立ち上がりと立ち下がり
の周期としたので、より一層確実なノイズ判定を行うこ
とができる。
【0053】また、更に、本願の第5の発明に係る車輪
速度検出装置によれば、上記車輪速センサから所定範囲
の周波数のパルス信号が一定時間継続して出力された
後、無パルス状態となり、この無パルス状態がある程度
以上継続されるか否かにより、当該出力信号が外部磁界
の変化によるノイズであるか否かの判別を行うことがで
きる。すなわち、ノイズの無い正常な状態であれば、車
輪速センサから所定範囲の周波数のパルス信号が一定時
間継続して出力された後(つまり、一定速度で回転する
車輪の回転速度が継続して検出され後)、いきなり無パ
ルス状態(つまり、車輪速度0(零)km/hrの状態)とな
り、この状態が継続されることはない。従って、上記所
定範囲の周波数を、ノイズの無い正常な状態であれば、
いきなり無パルス状態に落ち込むことのない高さの適切
な数値範囲に設定することにより、上記車輪速センサか
らの出力信号が外部磁界の変化によるノイズであるか否
かを確実に判別することができる。
【0054】また、更に、本願の第6の発明に係る車輪
速度検出装置によれば、上記車輪速センサから所定範囲
の周波数のパルス信号が一定時間継続して出力された
後、無パルス状態となり、この無パルス状態がある程度
以上継続されるか否かにより、当該出力信号が外部磁界
の変化によるノイズであるか否かの判別を行うことがで
きる。すなわち、ノイズの無い正常な状態であれば、車
輪速センサから所定範囲の周波数のパルス信号が一定時
間継続して出力された後(つまり、一定速度で回転する
車輪の回転速度が継続して検出され後)、いきなり無パ
ルス状態(つまり、車輪速度0(零)km/hrの状態)とな
り、この状態が継続されることはない。従って、上記所
定範囲の周波数を、ノイズの無い正常な状態であれば、
いきなり無パルス状態に落ち込むことのない高さの適切
な数値範囲に設定することにより、上記車輪速センサか
らの出力信号が外部磁界の変化によるノイズであるか否
かを確実に判別することができる。そして、特に、上記
車輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付けら
れている場合において、これら4輪の車輪速センサのう
ち少なくとも1輪の車輪速センサについて、所定範囲の
周波数のパルス信号が一定時間継続して出力された後、
無パルス状態となり、この無パルス状態が所定時間以上
継続されたときには、上記各車輪速センサからの出力信
号は外部磁界の変化によるノイズであると判定するよう
にしたので、より迅速なノイズ判定を行うことが可能に
なる。
【0055】また、更に、本願の第7の発明に係る車輪
速度検出装置によれば、上記車輪速センサから所定範囲
の周波数のパルス信号が一定時間継続して出力された
後、無パルス状態となり、この無パルス状態がある程度
以上継続されるか否かにより、当該出力信号が外部磁界
の変化によるノイズであるか否かの判別を行うことがで
きる。すなわち、ノイズの無い正常な状態であれば、車
輪速センサから所定範囲の周波数のパルス信号が一定時
間継続して出力された後(つまり、一定速度で回転する
車輪の回転速度が継続して検出され後)、いきなり無パ
ルス状態(つまり、車輪速度0(零)km/hrの状態)とな
り、この状態が継続されることはない。従って、上記所
定範囲の周波数を、ノイズの無い正常な状態であれば、
いきなり無パルス状態に落ち込むことのない高さの適切
な数値範囲に設定することにより、上記車輪速センサか
らの出力信号が外部磁界の変化によるノイズであるか否
かを確実に判別することができる。そして、特に、上記
車輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付けら
れている場合において、これら4輪の車輪速センサのう
ち所定の複数個以上(例えば2個以上)の車輪速センサに
ついて、所定範囲の周波数のパルス信号が一定時間継続
して出力された後、無パルス状態となり、この無パルス
状態が所定時間以上継続されたときには、上記各車輪速
センサからの出力信号は外部磁界の変化によるノイズで
あると判定するようにしたので、より確実なノイズ判定
を行うことが可能になる。
【0056】また、更に、本願の第8の発明に係る車輪
速度検出装置によれば、基本的には、上記第1〜第7の
発明のいずれか一と同様の効果を奏することができる。
特に、上記所定範囲の周波数を50〜60Hzとしたの
で、通常、交流60Hzの大電流がその駆動系に用いら
れる新幹線が近辺を通過した場合、この新幹線通過に伴
う外部磁界の変化によるノイズを確実に判別することが
できる。尚、上記周波数範囲を50〜60Hzとしたの
は、新幹線で通常用いられている60Hzに対して、周
波数の誤差を見込んだことによるものである。
【0057】また、更に、本願の第9の発明に係る車輪
速度検出装置によれば、基本的には、上記第1〜第8の
発明のいずれか一と同様の効果を奏することができる。
特に、上記車輪速センサからの出力信号が外部磁界の変
化によるノイズであると判定された後における当該車輪
速センサからのパルス信号の出力状態に応じて、上記ノ
イズ判定を解除することができる。すなわち、車輪の回
転速度がある程度以上高い場合には、車輪速センサから
出力される本来の信号レベルが高い(出力が大きい)の
で、ノイズが重畳されたとしても車輪速度の検出値に実
質的な影響を及ぼすことがなく、かかる高い車輪速度に
相当するパルス信号が一定時間以上にわたって出力され
た際には、ノイズ判定を解除しても差し支えはない。従
って、上記所定の車輪速度を、その相当するパルス信号
が外部磁界の変化によるノイズの影響を実質的に受ける
ことがない高さの適切な値に設定することにより、的確
なノイズ判定の解除を行うことができる。
【0058】また、更に、本願の第10の発明に係る車
輪速度検出装置によれば、上記車輪速センサからの出力
信号が外部磁界の変化によるノイズであると判定された
後における当該車輪速センサからのパルス信号の出力状
態に応じて、上記ノイズ判定を解除することができる。
すなわち、車輪速センサが一定時間以上無パルス状態を
継続する場合には、ノイズが無いものと考えられ、かか
る場合にはノイズ判定を解除しても差し支えはない。そ
して、特に、上記車輪速センサが車両の4輪それぞれに
対して取り付けられている場合において、これら4輪全
ての車輪速センサが一定時間以上無パルス状態を継続し
た際には、上記ノイズ判定が解除されるようにしたの
で、より的確なノイズ解除を行うことができる。
【0059】また、本願の第11の発明に係る車輪のス
リップ制御装置によれば、上記車輪速センサが無パルス
状態からパルス信号を出力した場合、その出力開始から
所定回数までのパルスの周期により、当該出力信号が外
部磁界の変化によるノイズであるか否かの判別を行うこ
とができる。すなわち、ノイズの無い正常な状態であれ
ば、車輪速センサが無パルス状態(つまり、車輪速度0
(零)km/hrの状態)からパルス信号を出力する場合(つま
り、車輪始動時の速度を検出する場合)には、最初はあ
る程度徐々にパルス数が増すのが普通であり、パルス信
号の出力開始から所定回数まで(例えば2,3回程度ま
で)の間は、パルス数が(つまり、車輪速度が)いきなり
高い数値に立ち上がることはなく、その間のパルスの周
期はかなり長いものとなる。つまり、それに相当する周
波数はかなり低いものとなる。従って、上記所定範囲の
周波数を、立ち上がり時には通常生じない高さの適切な
数値範囲に設定することにより、上記車輪速センサから
の出力信号が外部磁界の変化によるノイズであるか否か
を確実に判別することができる。
【0060】更に、本願の第12の発明に係る車輪のス
リップ制御装置によれば、上記車輪速センサが無パルス
状態からパルス信号を出力した場合、その出力開始から
所定回数までのパルスの周期により、当該出力信号が外
部磁界の変化によるノイズであるか否かの判別を行うこ
とができる。すなわち、ノイズの無い正常な状態であれ
ば、車輪速センサが無パルス状態(つまり、車輪速度0
(零)km/hrの状態)からパルス信号を出力する場合(つま
り、車輪始動時の速度を検出する場合)には、最初はあ
る程度徐々にパルス数が増すのが普通であり、パルス信
号の出力開始から所定回数まで(例えば2,3回程度ま
で)の間は、パルス数が(つまり、車輪速度が)いきなり
高い数値に立ち上がることはなく、その間のパルスの周
期はかなり長いものとなる。つまり、それに相当する周
波数はかなり低いものとなる。従って、上記所定範囲の
周波数を、立ち上がり時には通常生じない高さの適切な
数値範囲に設定することにより、上記車輪速センサから
の出力信号が外部磁界の変化によるノイズであるか否か
を確実に判別することができる。そして、特に、上記車
輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付けられ
ている場合において、これら4輪全ての車輪速センサが
無パルスである状態から、少なくとも1輪の車輪速セン
サについて、その出力開始から所定回数までのパルスの
周期が所定範囲の周波数に相当するパルス信号が出力さ
れたときには、上記各車輪速センサからの出力信号は外
部磁界の変化によるノイズであると判定されるようにし
たので、より迅速なノイズ判定を行うことが可能にな
る。
【0061】更に、本願の第13の発明に係る車輪のス
リップ制御装置によれば、上記車輪速センサが無パルス
状態からパルス信号を出力した場合、その出力開始から
所定回数までのパルスの周期により、当該出力信号が外
部磁界の変化によるノイズであるか否かの判別を行うこ
とができる。すなわち、ノイズの無い正常な状態であれ
ば、車輪速センサが無パルス状態(つまり、車輪速度0
(零)km/hrの状態)からパルス信号を出力する場合(つま
り、車輪始動時の速度を検出する場合)には、最初はあ
る程度徐々にパルス数が増すのが普通であり、パルス信
号の出力開始から所定回数まで(例えば2,3回程度ま
で)の間は、パルス数が(つまり、車輪速度が)いきなり
高い数値に立ち上がることはなく、その間のパルスの周
期はかなり長いものとなる。つまり、それに相当する周
波数はかなり低いものとなる。従って、上記所定範囲の
周波数を、立ち上がり時には通常生じない高さの適切な
数値範囲に設定することにより、上記車輪速センサから
の出力信号が外部磁界の変化によるノイズであるか否か
を確実に判別することができる。そして、特に、上記車
輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付けられ
ている場合において、これら4輪全ての車輪速センサが
無パルスである状態から、所定の複数個以上(例えば2
個以上)の車輪速センサについて、その出力開始から所
定回数までのパルスの周期が所定範囲の周波数に相当す
るパルス信号が出力されたときには、上記各車輪速セン
サからの出力信号は外部磁界の変化によるノイズである
と判定されるようにしたので、より確実なノイズ判定を
行うことが可能になる。
【0062】また、更に、本願の第14の発明に係る車
輪のスリップ制御装置によれば、基本的には、上記第1
1〜第13の発明のいずれか一と同様の効果を奏するこ
とができる。特に、上記出力開始から所定回数までのパ
ルスの周期を、ノイズの無い正常な状態であれば、最も
パルス周期が長くなる(つまり、それに相当する周波数
が最も低くなる)無パルス状態から1回目のパルスの立
ち上がりと立ち下がりの周期としたので、より一層確実
なノイズ判定を行うことができる。
【0063】また、更に、本願の第15の発明に係る車
輪のスリップ制御装置によれば、上記車輪速センサから
所定範囲の周波数のパルス信号が一定時間継続して出力
された後、無パルス状態となり、この無パルス状態があ
る程度以上継続されるか否かにより、当該出力信号が外
部磁界の変化によるノイズであるか否かの判別を行うこ
とができる。すなわち、ノイズの無い正常な状態であれ
ば、車輪速センサから所定範囲の周波数のパルス信号が
一定時間継続して出力された後(つまり、一定速度で回
転する車輪の回転速度が継続して検出され後)、いきな
り無パルス状態(つまり、車輪速度0(零)km/hrの状態)
となり、この状態が継続されることはない。従って、上
記所定範囲の周波数を、ノイズの無い正常な状態であれ
ば、いきなり無パルス状態に落ち込むことのない高さの
適切な数値範囲に設定することにより、上記車輪速セン
サからの出力信号が外部磁界の変化によるノイズである
か否かを確実に判別することができる。
【0064】また、更に、本願の第16の発明に係る車
輪のスリップ制御装置によれば、上記車輪速センサから
所定範囲の周波数のパルス信号が一定時間継続して出力
された後、無パルス状態となり、この無パルス状態があ
る程度以上継続されるか否かにより、当該出力信号が外
部磁界の変化によるノイズであるか否かの判別を行うこ
とができる。すなわち、ノイズの無い正常な状態であれ
ば、車輪速センサから所定範囲の周波数のパルス信号が
一定時間継続して出力された後(つまり、一定速度で回
転する車輪の回転速度が継続して検出され後)、いきな
り無パルス状態(つまり、車輪速度0(零)km/hrの状態)
となり、この状態が継続されることはない。従って、上
記所定範囲の周波数を、ノイズの無い正常な状態であれ
ば、いきなり無パルス状態に落ち込むことのない高さの
適切な数値範囲に設定することにより、上記車輪速セン
サからの出力信号が外部磁界の変化によるノイズである
か否かを確実に判別することができる。そして、特に、
上記車輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付
けられている場合において、これら4輪の車輪速センサ
のうち少なくとも1輪の車輪速センサについて、所定範
囲の周波数のパルス信号が一定時間継続して出力された
後、無パルス状態となり、この無パルス状態が所定時間
以上継続されたときには、上記各車輪速センサからの出
力信号は外部磁界の変化によるノイズであると判定され
るようにしたので、より迅速なノイズ判定を行うことが
可能になる。
【0065】また、更に、本願の第17の発明に係る車
輪のスリップ制御装置によれば、上記車輪速センサから
所定範囲の周波数のパルス信号が一定時間継続して出力
された後、無パルス状態となり、この無パルス状態があ
る程度以上継続されるか否かにより、当該出力信号が外
部磁界の変化によるノイズであるか否かの判別を行うこ
とができる。すなわち、ノイズの無い正常な状態であれ
ば、車輪速センサから所定範囲の周波数のパルス信号が
一定時間継続して出力された後(つまり、一定速度で回
転する車輪の回転速度が継続して検出され後)、いきな
り無パルス状態(つまり、車輪速度0(零)km/hrの状態)
となり、この状態が継続されることはない。従って、上
記所定範囲の周波数を、ノイズの無い正常な状態であれ
ば、いきなり無パルス状態に落ち込むことのない高さの
適切な数値範囲に設定することにより、上記車輪速セン
サからの出力信号が外部磁界の変化によるノイズである
か否かを確実に判別することができる。そして、特に、
上記車輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付
けられている場合において、これら4輪の車輪速センサ
のうち所定の複数個以上(例えば2個以上)の車輪速セン
サについて、所定範囲の周波数のパルス信号が一定時間
継続して出力された後、無パルス状態となり、この無パ
ルス状態が所定時間以上継続されたときには、上記各車
輪速センサからの出力信号は外部磁界の変化によるノイ
ズであると判定されるようにしたので、より確実なノイ
ズ判定を行うことが可能になる。
【0066】また、更に、本願の第18の発明に係る車
輪のスリップ制御装置によれば、基本的には、上記第1
1〜第17の発明のいずれか一と同様の効果を奏するこ
とができる。特に、上記所定範囲の周波数を50〜60
Hzとしたので、通常、交流60Hzの大電流がその駆動
系に用いられる新幹線の車両が近辺を通過した場合、こ
の新幹線通過に伴う外部磁界の変化によるノイズを確実
に判別することができる。尚、上記周波数範囲を50〜
60Hzとしたのは、新幹線で通常用いられている60
Hzに対して、周波数の誤差を見込んだことによるもの
である。
【0067】また、更に、本願の第19の発明に係る車
輪のスリップ制御装置によれば、基本的には、上記第1
1〜第18の発明のいずれか一と同様の効果を奏するこ
とができる。特に、上記車輪速センサからの出力信号が
外部磁界の変化によるノイズであると判定された後にお
ける当該車輪速センサからのパルス信号の出力状態に応
じて、上記ノイズ判定を解除することができる。すなわ
ち、車輪の回転速度がある程度以上高い場合には、車輪
速センサから出力される本来の信号レベルが高い(出力
が大きい)ので、ノイズが重畳されたとしても車輪速度
の検出値に実質的な影響を及ぼすことがなく、かかる高
い車輪速度に相当するパルス信号が一定時間以上にわた
って出力された際には、ノイズ判定を解除しても差し支
えはない。従って、上記所定の車輪速度を、その相当す
るパルス信号が外部磁界の変化によるノイズの影響を実
質的に受けることがない高さの適切な値に設定すること
により、的確なノイズ判定の解除を行うことができる。
【0068】また、更に、本願の第20の発明に係る車
輪のスリップ制御装置によれば、上記車輪速センサから
の出力信号が外部磁界の変化によるノイズであると判定
された後における当該車輪速センサからのパルス信号の
出力状態に応じて、上記ノイズ判定を解除することがで
きる。すなわち、車輪速センサが一定時間以上無パルス
状態を継続する場合には、ノイズが無いものと考えら
れ、かかる場合にはノイズ判定を解除しても差し支えは
ない。そして、特に、上記車輪速センサが車両の4輪そ
れぞれに対して取り付けられている場合において、これ
ら4輪全ての車輪速センサが一定時間以上無パルス状態
を継続した際には、上記ノイズ判定が解除されるように
したので、より的確なノイズ解除を行うことができる。
【0069】また、本願の第21の発明に係る車輪のス
リップ制御装置によれば、基本的には、上記第11〜第
20の発明のいずれか一と同様の効果を奏することがで
きる。しかも、その上、上記車輪速度検出装置によって
検出された車輪速度に基づいて当該車両の疑似車体速を
推定する際に、上記車輪速センサからの出力信号が外部
磁界の変化によるノイズであると判定された場合には、
このノイズ判定期間中については、上記疑似車体速度の
推定値の上昇を制限するようにしたので、上記ノイズ判
定期間中は、一般に4輪の車輪速度のうちの最高値で与
えられる疑似車体速度がノイズの影響を受けて実際より
も高い値となることを抑制することができ、ドライバが
予期しない運転状態でアンチスキッド制御が実行される
ことを防止できる。すなわち、車輪速度検出装置の歯形
ロータの歯数の変更による場合などのように、大幅なコ
スト上昇を招くことなく、外部磁界の変化によるノイズ
の影響を回避することができる。
【0070】更に、本願の第22の発明に係る車輪のス
リップ制御装置によれば、基本的には、上記第11〜第
20の発明のいずれか一と同様の効果を奏することがで
きる。しかも、その上、上記車輪速度検出装置によって
検出された車輪速度に基づいて当該車両の疑似車体速を
推定する際に、上記車輪速センサからの出力信号が外部
磁界の変化によるノイズであると判定された場合には、
このノイズ判定期間中については、上記疑似車体速度を
0km/hr側に推定するようにしたので、上記ノイズ判定
期間中は、一般に4輪の車輪速度のうちの最高値で与え
られる疑似車体速度がノイズの影響を受けて実際よりも
高い値となることを確実に防止することができ、ドライ
バが予期しない運転状態でアンチスキッド制御が実行さ
れることを防止できる。すなわち、車輪速度検出装置の
歯形ロータの歯数の変更による場合などのように、大幅
なコスト上昇を招くことなく、外部磁界の変化によるノ
イズの影響を確実に回避することができる。
【0071】また、更に、本願の第23の発明に係る車
輪のスリップ制御装置によれば、基本的には、上記第1
1〜第20の発明のいずれか一と同様の効果を奏するこ
とができる。しかも、その上、上記車輪速センサからの
出力信号が外部磁界の変化によるノイズであると判定さ
れた場合には、このノイズ判定期間中については、上記
アンチスキッド制御が行なわれるための車輪速度の最低
値を所定量だけ高めるようにしたので、上記ノイズ判定
期間中は、アンチスキッド制御に入りにくくなり、ドラ
イバが予期しない運転状態でアンチスキッド制御が実行
されることを防止できる。すなわち、車輪速度検出装置
の歯形ロータの歯数の変更による場合などのように、大
幅なコスト上昇を招くことなく、外部磁界の変化による
ノイズの影響を回避することができる。
【0072】また、更に、本願の第24の発明に係る車
輪のスリップ制御装置によれば、基本的には、上記第1
1〜第20の発明のいずれか一と同様の効果を奏するこ
とができる。しかも、その上、上記車輪速センサからの
出力信号が外部磁界の変化によるノイズであると判定さ
れた場合には、このノイズ判定期間中については、上記
アンチスキッド制御が開始されるための制御閾値を、制
御に入りにくい側に変更するようにしたので、上記ノイ
ズ判定期間中は、アンチスキッド制御に入りにくくな
り、ドライバが予期しない運転状態でアンチスキッド制
御が実行されることを防止できる。すなわち、車輪速度
検出装置の歯形ロータの歯数の変更による場合などのよ
うに、大幅なコスト上昇を招くことなく、外部磁界の変
化によるノイズの影響を回避することができる。
【0073】また、更に、本願の第25の発明に係る車
輪のスリップ制御装置によれば、基本的には、上記第1
1〜第20の発明のいずれか一と同様の効果を奏するこ
とができる。しかも、その上、上記車輪速センサからの
出力信号が外部磁界の変化によるノイズであると判定さ
れた場合には、このノイズ判定期間中については、上記
アンチスキッド制御の開始を禁止するようにしたので、
上記ノイズ判定期間中は、ドライバが予期しない運転状
態でアンチスキッド制御が実行されることを防止でき
る。すなわち、車輪速度検出装置の歯形ロータの歯数の
変更による場合などのように、大幅なコスト上昇を招く
ことなく、外部磁界の変化によるノイズの影響を確実に
回避することができる。
【0074】また、本願の第26の発明に係る車輪のス
リップ制御装置によれば、上記車輪速センサが無パルス
状態からパルス信号を出力した場合、その出力開始から
所定回数までのパルスの周期により、当該出力信号が外
部磁界の変化によるノイズであるか否かの判別を行うこ
とができる。すなわち、ノイズの無い正常な状態であれ
ば、車輪速センサが無パルス状態(つまり、車輪速度0
(零)km/hrの状態)からパルス信号を出力する場合(つま
り、車輪始動時の速度を検出する場合)には、最初はあ
る程度徐々にパルス数が増すのが普通であり、パルス信
号の出力開始から所定回数まで(例えば2,3回程度ま
で)の間は、パルス数が(つまり、車輪速度が)いきなり
高い数値に立ち上がることはなく、その間のパルスの周
期はかなり長いものとなる。つまり、それに相当する周
波数はかなり低いものとなる。従って、上記所定範囲の
周波数を、立ち上がり時には通常生じない高さの適切な
数値範囲に設定することにより、上記車輪速センサから
の出力信号が外部磁界の変化によるノイズであるか否か
を確実に判別することができる。
【0075】更に、本願の第27の発明に係る車輪のス
リップ制御装置によれば、上記車輪速センサが無パルス
状態からパルス信号を出力した場合、その出力開始から
所定回数までのパルスの周期により、当該出力信号が外
部磁界の変化によるノイズであるか否かの判別を行うこ
とができる。すなわち、ノイズの無い正常な状態であれ
ば、車輪速センサが無パルス状態(つまり、車輪速度0
(零)km/hrの状態)からパルス信号を出力する場合(つま
り、車輪始動時の速度を検出する場合)には、最初はあ
る程度徐々にパルス数が増すのが普通であり、パルス信
号の出力開始から所定回数まで(例えば2,3回程度ま
で)の間は、パルス数が(つまり、車輪速度が)いきなり
高い数値に立ち上がることはなく、その間のパルスの周
期はかなり長いものとなる。つまり、それに相当する周
波数はかなり低いものとなる。従って、上記所定範囲の
周波数を、立ち上がり時には通常生じない高さの適切な
数値範囲に設定することにより、上記車輪速センサから
の出力信号が外部磁界の変化によるノイズであるか否か
を確実に判別することができる。そして、特に、上記車
輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付けられ
ている場合において、これら4輪全ての車輪速センサが
無パルスである状態から、少なくとも1輪の車輪速セン
サについて、その出力開始から所定回数までのパルスの
周期が所定範囲の周波数に相当するパルス信号が出力さ
れたときには、上記各車輪速センサからの出力信号は外
部磁界の変化によるノイズであると判定されるようにし
たので、より迅速なノイズ判定を行うことが可能にな
る。
【0076】更に、本願の第28の発明に係る車輪のス
リップ制御装置によれば、上記車輪速センサが無パルス
状態からパルス信号を出力した場合、その出力開始から
所定回数までのパルスの周期により、当該出力信号が外
部磁界の変化によるノイズであるか否かの判別を行うこ
とができる。すなわち、ノイズの無い正常な状態であれ
ば、車輪速センサが無パルス状態(つまり、車輪速度0
(零)km/hrの状態)からパルス信号を出力する場合(つま
り、車輪始動時の速度を検出する場合)には、最初はあ
る程度徐々にパルス数が増すのが普通であり、パルス信
号の出力開始から所定回数まで(例えば2,3回程度ま
で)の間は、パルス数が(つまり、車輪速度が)いきなり
高い数値に立ち上がることはなく、その間のパルスの周
期はかなり長いものとなる。つまり、それに相当する周
波数はかなり低いものとなる。従って、上記所定範囲の
周波数を、立ち上がり時には通常生じない高さの適切な
数値範囲に設定することにより、上記車輪速センサから
の出力信号が外部磁界の変化によるノイズであるか否か
を確実に判別することができる。そして、特に、上記車
輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付けられ
ている場合において、これら4輪全ての車輪速センサが
無パルスである状態から、所定の複数個以上(例えば2
個以上)の車輪速センサについて、その出力開始から所
定回数までのパルスの周期が所定範囲の周波数に相当す
るパルス信号が出力されたときには、上記各車輪速セン
サからの出力信号は外部磁界の変化によるノイズである
と判定されるようにしたので、より確実なノイズ判定を
行うことが可能になる。
【0077】また、更に、本願の第29の発明に係る車
輪のスリップ制御装置によれば、基本的には、上記第2
6〜第28の発明のいずれか一と同様の効果を奏するこ
とができる。特に、上記出力開始から所定回数までのパ
ルスの周期を、ノイズの無い正常な状態であれば、最も
パルス周期が長くなる(つまり、それに相当する周波数
が最も低くなる)無パルス状態から1回目のパルスの立
ち上がりと立ち下がりの周期としたので、より一層確実
なノイズ判定を行うことができる。
【0078】また、更に、本願の第30の発明に係る車
輪のスリップ制御装置によれば、上記車輪速センサから
所定範囲の周波数のパルス信号が一定時間継続して出力
された後、無パルス状態となり、この無パルス状態があ
る程度以上継続されるか否かにより、当該出力信号が外
部磁界の変化によるノイズであるか否かの判別を行うこ
とができる。すなわち、ノイズの無い正常な状態であれ
ば、車輪速センサから所定範囲の周波数のパルス信号が
一定時間継続して出力された後(つまり、一定速度で回
転する車輪の回転速度が継続して検出され後)、いきな
り無パルス状態(つまり、車輪速度0(零)km/hrの状態)
となり、この状態が継続されることはない。従って、上
記所定範囲の周波数を、ノイズの無い正常な状態であれ
ば、いきなり無パルス状態に落ち込むことのない高さの
適切な数値範囲に設定することにより、上記車輪速セン
サからの出力信号が外部磁界の変化によるノイズである
か否かを確実に判別することができる。
【0079】また、更に、本願の第31の発明に係る車
輪のスリップ制御装置によれば、上記車輪速センサから
所定範囲の周波数のパルス信号が一定時間継続して出力
された後、無パルス状態となり、この無パルス状態があ
る程度以上継続されるか否かにより、当該出力信号が外
部磁界の変化によるノイズであるか否かの判別を行うこ
とができる。すなわち、ノイズの無い正常な状態であれ
ば、車輪速センサから所定範囲の周波数のパルス信号が
一定時間継続して出力された後(つまり、一定速度で回
転する車輪の回転速度が継続して検出され後)、いきな
り無パルス状態(つまり、車輪速度0(零)km/hrの状態)
となり、この状態が継続されることはない。従って、上
記所定範囲の周波数を、ノイズの無い正常な状態であれ
ば、いきなり無パルス状態に落ち込むことのない高さの
適切な数値範囲に設定することにより、上記車輪速セン
サからの出力信号が外部磁界の変化によるノイズである
か否かを確実に判別することができる。そして、特に、
上記車輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付
けられている場合において、これら4輪の車輪速センサ
のうち少なくとも1輪の車輪速センサについて、所定範
囲の周波数のパルス信号が一定時間継続して出力された
後、無パルス状態となり、この無パルス状態が所定時間
以上継続されたときには、上記各車輪速センサからの出
力信号は外部磁界の変化によるノイズであると判定され
るようにしたので、より迅速なノイズ判定を行うことが
可能になる。
【0080】また、更に、本願の第32の発明に係る車
輪のスリップ制御装置によれば、上記車輪速センサから
所定範囲の周波数のパルス信号が一定時間継続して出力
された後、無パルス状態となり、この無パルス状態があ
る程度以上継続されるか否かにより、当該出力信号が外
部磁界の変化によるノイズであるか否かの判別を行うこ
とができる。すなわち、ノイズの無い正常な状態であれ
ば、車輪速センサから所定範囲の周波数のパルス信号が
一定時間継続して出力された後(つまり、一定速度で回
転する車輪の回転速度が継続して検出され後)、いきな
り無パルス状態(つまり、車輪速度0(零)km/hrの状態)
となり、この状態が継続されることはない。従って、上
記所定範囲の周波数を、ノイズの無い正常な状態であれ
ば、いきなり無パルス状態に落ち込むことのない高さの
適切な数値範囲に設定することにより、上記車輪速セン
サからの出力信号が外部磁界の変化によるノイズである
か否かを確実に判別することができる。そして、特に、
上記車輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付
けられている場合において、これら4輪の車輪速センサ
のうち所定の複数個以上(例えば2個以上)の車輪速セン
サについて、所定範囲の周波数のパルス信号が一定時間
継続して出力された後、無パルス状態となり、この無パ
ルス状態が所定時間以上継続されたときには、上記各車
輪速センサからの出力信号は外部磁界の変化によるノイ
ズであると判定されるようにしたので、より確実なノイ
ズ判定を行うことができる。
【0081】また、更に、本願の第33の発明に係る車
輪のスリップ制御装置によれば、基本的には、上記第2
6〜第32の発明のいずれか一と同様の効果を奏するこ
とができる。特に、上記所定範囲の周波数を50〜60
Hzとしたので、通常、交流60Hzの大電流がその駆動
系に用いられる新幹線車両が近辺を通過した場合、この
新幹線通過に伴う外部磁界の変化によるノイズを確実に
判別することができる。尚、上記周波数範囲を50〜6
0Hzとしたのは、新幹線で通常用いられている60Hz
に対して、周波数の誤差を見込んだことによるものであ
る。
【0082】また、更に、本願の第34の発明に係る車
輪のスリップ制御装置によれば、基本的には、上記第2
6〜第33の発明のいずれか一と同様の効果を奏するこ
とができる。特に、上記車輪速センサからの出力信号が
外部磁界の変化によるノイズであると判定された後にお
ける当該車輪速センサからのパルス信号の出力状態に応
じて、上記ノイズ判定を解除することができる。すなわ
ち、車輪の回転速度がある程度以上高い場合には、車輪
速センサから出力される本来の信号レベルが高い(出力
が大きい)ので、ノイズが重畳されたとしても車輪速度
の検出値に実質的な影響を及ぼすことがなく、かかる高
い車輪速度に相当するパルス信号が一定時間以上にわた
って出力された際には、ノイズ判定を解除しても差し支
えはない。従って、上記所定の車輪速度を、その相当す
るパルス信号が外部磁界の変化によるノイズの影響を実
質的に受けることがない高さの適切な値に設定すること
により、的確なノイズ判定の解除を行うことができる。
【0083】また、更に、本願の第35の発明に係る車
輪のスリップ制御装置によれば、上記車輪速センサから
の出力信号が外部磁界の変化によるノイズであると判定
された後における当該車輪速センサからのパルス信号の
出力状態に応じて、上記ノイズ判定を解除することがで
きる。すなわち、車輪速センサが一定時間以上無パルス
状態を継続する場合には、ノイズが無いものと考えら
れ、かかる場合にはノイズ判定を解除しても差し支えは
ない。そして、特に、上記車輪速センサが車両の4輪そ
れぞれに対して取り付けられている場合において、これ
ら4輪全ての車輪速センサが一定時間以上無パルス状態
を継続した際には、上記ノイズ判定が解除されるように
したので、より的確なノイズ解除を行うことができる。
【0084】また、本願の第36の発明に係る車輪のス
リップ制御装置によれば、基本的には、上記第26〜第
35の発明のいずれか一と同様の効果を奏することがで
きる。しかも、その上、上記車輪速センサからの出力信
号が外部磁界の変化によるノイズであると判定された場
合には、このノイズ判定期間中については、少なくとも
上記駆動輪に制動力を作用させる制御を禁止するように
したので、上記ノイズ判定期間中は、ドライバが予期し
ない運転状態でトラクション制御による駆動輪の制動が
実行されることを防止できる。すなわち、車輪速度検出
装置の歯形ロータの歯数の変更による場合などのよう
に、大幅なコスト上昇を招くことなく、外部磁界の変化
によるノイズの影響を確実に回避することができる。
【0085】更に、本願の第37の発明に係るスリップ
制御装置によれば、上記トラクション制御を行っても上
記駆動輪の車輪速度が変化しない場合には、該駆動輪の
車輪速センサからの出力信号は外部磁界の変化によるノ
イズであると判定され、このノイズ判定期間中について
は、上記トラクション制御の実行が禁止されるようにし
たので、上記ノイズ判定期間中は、ドライバが予期しな
い運転状態でトラクション制御による駆動輪の制動が実
行されることを防止できる。すなわち、車輪速度検出装
置の歯形ロータの歯数の変更による場合などのように、
大幅なコスト上昇を招くことなく、外部磁界の変化によ
るノイズの影響を確実に回避することができる。
【0086】
【実施例】以下、本発明の実施例を、車輪のスリップ制
御装置として所謂アンチスキッド制御装置(以下、AB
S制御装置と略称する)を搭載した自動車に装備された
車輪速度検出装置および上記ABS制御装置に適用した
場合について、添付図面を参照しながら説明する。図1
は、本実施例に係る自動車の車両制動系の全体構成を概
略的に表す平面説明図である。この図に示すように、上
記自動車は、左右の前輪1,2が従動輪、左右の後輪3,
4が駆動輪とされた後輪駆動タイプのもので、エンジン
5の出力トルクが、自動変速機6からプロペラシャフト
7,差動装置8及び左右の駆動軸9,10を順次介して、
左右の後輪3,4に伝達されるようになっている。上記
前輪1,2及び後輪3,4には、これら車輪1〜4と一体
的に回転するディスク11a〜14a と、制動圧の供給
を受けてこれらディスク11a〜14a の回転を制動す
るキャリパ11b〜14b などで構成されるブレーキ装
置11〜14がそれぞれ設けられ、これらブレーキ装置
11〜14は、以下に述べるブレーキ制御システムによ
って制動操作されるようになっている。
【0087】上記自動車のブレーキ制御システムは、運
転者によるブレーキペダル16の踏込力を増大させる倍
力装置17と、この倍力装置17によって増大された踏
込力に応じた制動圧を発生させるマスターシリンダ18
とを備えている。このマスターシリンダ18から導かれ
た前輪用制動圧供給ライン19が2つの経路に分岐さ
れ、これら分岐して各々設けられた左右の前輪用分岐制
動圧ライン19a,19bが左右の前輪1,2におけるブレ
ーキ装置11,12のキャリパ11b,12b にそれぞれ
接続されている。上記左前輪1のブレーキ装置11に通
じる左前輪用分岐制動圧ライン19a には、電磁式の開
閉弁20a と電磁式のリリーフ弁20b とを備えた第1
バルブユニット20が設置されている。また、右前輪2
のブレーキ装置12に通じる右前輪用分岐制動圧ライン
19b にも、上記第1バルブユニット20と同様に電磁
式の開閉弁21a と電磁式のリリーフ弁21b とを備え
た第2バルブユニット21が設置されている。
【0088】一方、上記マスターシリンダ18から導か
れた後輪用制動圧供給ライン22には、上記第1,第2
バルブユニット20,21と同様に電磁式の開閉弁23a
と電磁式のリリーフ弁23b とを備えた第3バルブユニ
ット23が設置されており、上記後輪用制動圧供給ライ
ン22は、上記第3バルブユニット23の下流側で2つ
の経路に分岐され、これら分岐して各々設けられた左右
の後輪用分岐制動圧ライン22a,22bが左右の後輪3,
4におけるブレーキ装置13,14のキャリパ13b,1
4b にそれぞれ接続されている。つまり、本実施例にお
けるブレーキ制御システムでは、上記第1バルブユニッ
ト20の作動によって左前輪1におけるブレーキ装置1
1の制動圧を可変制御する第1チャンネルと、第2バル
ブユニット21の作動によって右前輪2におけるブレー
キ装置12の制動圧を可変制御する第2チャンネルと、
第3バルブユニット23の作動によって左右の後輪3,
4における両ブレーキ装置13,14の制動圧を可変制
御する第3チャンネルとが設けられ、これら第1〜第3
チャンネルが互いに独立して制御されるようになってい
る。
【0089】そして、上記ブレーキ制御システムには上
記第1〜第3チャンネルをそれぞれ制御する電子制御式
のコントロールユニット(以下、ECUという)24が備
えられている。このECU24は、ブレーキペダル16
のON/OFFを検出するブレーキスイッチ25からの
ブレーキ信号と、各車輪の回転速度をそれぞれ検出する
車輪速センサ26〜29からの車輪速信号とを入力し、
これらの信号に応じた制動圧制御信号を第1〜第3バル
ブユニット20,21,23にそれぞれ出力することによ
り、左右の前輪1,2及び後輪3,4のスリップに対する
制動制御、つまりABS制御を第1〜第3チャンネルご
とに並行して行うようになっている。尚、本実施例で
は、上記車輪速センサ26〜29として、後で詳しく説
明するように、磁束変化を電圧信号に変換してこの磁束
変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を出力す
る、所謂、電磁ピックアップ式のものが用いられ、これ
ら車輪速センサ26〜29からの出力信号に基づいて各
車輪1〜4の車輪速度を検出する車輪速度検出装置が装
備されている。
【0090】上記ECU24は、上記各車輪速センサ2
6〜29からの車輪速信号が示す車輪速に基づいて上記
第1〜第3バルブユニット20,21,23における開閉
弁20a,21a,23aとリリーフ弁20b,21b,23bと
をそれぞれデューティ制御によって開閉制御することに
より、各車輪1〜4のスリップ状態に応じた制動圧で前
輪1,2及び後輪3,4に制動力を付与するようになって
いる。尚、上記第1〜第3バルブユニット20,21,2
3における各リリーフ弁20b,21b,23b から排出さ
れたブレーキオイルは、図示しないドレンラインを介し
て上記マスターシリンダ18のリザーバタンク18a に
戻されるようになっている。
【0091】そして、ABS非制御状態においては、上
記ECU24からは制動圧制御信号が出力されることは
なく、従って、図1において示されているように、第1
〜第3バルブユニット20,21,23におけるリリーフ
弁20b,21b,23b がそれぞれ閉保持され、かつ各バ
ルブユニット20,21,23の開閉弁20a,21a,23
aがそれぞれ開保持されることになる。つまり、ブレー
キペダル16の踏込力に応じてマスターシリンダ18で
発生した制動圧が、前輪用制動圧供給ライン19及び後
輪用制動圧供給ライン22を介して左右の前輪1,2及
び後輪3,4におけるブレーキ装置11〜14に対して
供給され、これらの制動圧に応じた制動力が前輪1,2
及び後輪3,4に対してダイレクトに付与されることに
なる。
【0092】次に、上記ECU24が行うブレーキ制御
の概略を説明する。すなわち、ECU24は、上記車輪
速センサ26〜29からの信号が示す車輪速に基づいて
各車輪ごとの加速度及び減速度をそれぞれ算出する。こ
こで、加速度ないし減速度の算出方法を説明すると、E
CU24は、車輪速の前回値に対する今回値の差分を所
定のサンプリング周期△t(例えば7ms)で除算した上
で、その結果を重力加速度に換算した値を今回の加速度
ないし減速度として更新する。そして、ECU24は、
上記第3チャンネル用の車輪速及び加減速度を代表させ
る後輪3,4を選択する。本実施例においては、より好
ましくは、スリップ時における後輪3,4の両車輪速セ
ンサ28,29の検出誤差を考慮して両車輪速W3,W4
のうちの小さいほうの車輪速が後輪車輪速Wrとして選
択され、この車輪速Wrから求められた加速度及び減速
度が後輪減速度及び後輪加速度として用いられる。
【0093】更に、上記ECU24は、当該車両の疑似
車体速Vrと路面摩擦係数とを推定する。このうち疑似
車体速Vrは具体的には次のようにして求められる。つ
まり、ECU24は、上記車輪速センサ26〜29から
の信号が示す車輪速W1〜W4の中から最高車輪速Wmx
を決定した上で、この最高車輪速Wmxを疑似車体速Vr
として採用する。その際、最高車輪速Wmxとして駆動輪
である後輪3,4に備えられた車輪速センサ28,29か
らの信号が示す車輪速W3,W4が採用されている場合
において、後輪3,4がスリップするなどして従動輪で
ある前輪1,2に備えられた車輪速センサ26,27から
の信号が示す車輪速W1, W2よりも上記車輪速W3,
W4が大きな値を示すときには、前輪輪1,2の車輪速
W1,W2のうちの値の大きいほうを疑似車体速Vrとし
て採用する。
【0094】一方、前輪1,2及び後輪3,4のいずれも
がロックしたときには、次の表1に示すように、予め摩
擦係数値MUに対応して設定したテーブルを参照して、
その時点における疑似車体速Vrの単位時間あたりの変
化量(以下、車体速変化量という)△Vrを仮定し、この
車体速変化量△Vrに従って疑似車体速Vrを減少させて
いく。
【0095】
【表1】
【0096】つまり、後述するように疑似車体速Vrに
基づいて推定した路面摩擦係数を示す摩擦係数値MUが
低μ路面を示す1にセットされているときには、車体速
変化量△Vrとして変化の少ない−0.3G(重力加速度
に換算した値)が選択され、一方、上記摩擦係数値MU
が高μ路面を示す3にセットされているときには、車体
速変化量△Vrとして変化の多い−1.2Gが選択される
ことになる。そして、上記摩擦係数値MUが高μ路面と
低μ路面との中間状態を示す2にセットされているとき
には、車体速変化量△Vrとして両者の中間の−0.8G
が選択される。このようにして、当該車両の疑似車体速
Vrが各車輪速W1〜W4に応じてサンプリング周期△t
ごとに更新されていく。尚、本実施例では、後で詳しく
説明するように、上記疑似車体速Vrを推定する際に、
上記車輪速センサ26〜29からの出力信号が外部磁界
の変化によるノイズであると判定された場合には、この
ノイズ判定期間中については、上記疑似車体速度の推定
値Vrの上昇が制限されるようになっている。
【0097】一方、上記路面摩擦係数は、具体的には次
のようにして求められる。つまり、ECU24は、前述
のようにして推定した疑似車体速Vrから車体速変化量
△Vrを算出し、次の表2に示すように、予め車体速変
化量に応じて設定した摩擦係数値のテーブルに、上記車
体速変化量△Vrを当てはめて対応する値を摩擦係数値
MUとして設定する。
【0098】
【表2】
【0099】ここで、上記摩擦係数値MUのテーブル
は、車体速変化量△Vrに応じて3段階に設定されてお
り、例えば重力加速度に換算した車体速変化量△Vrが
−0.3Gよりも大きな値であるとき、つまり変化が少
ないときには、摩擦係数値MUとして低μ路面を示す1
が選択される。一方、車体速変化量△Vrが−1.2Gよ
りも小さな値であるとき、つまり変化の多いときには、
摩擦係数値MUとして高μ路面を示す3が選択される。
そして、車体速変化量△Vrが両者の中間の値を示すと
きには、摩擦係数値MUとして中摩擦路面を示す2が選
択されることになる。
【0100】ECU24は、上記車輪速センサ28,2
9からの信号から求めた後輪車輪速Wr及び上記車輪速
センサ26,27からの信号が示す左右の各前輪1,2の
車輪速W1,W2と疑似車体速Vrとから第1〜第3チャ
ンネルについてのスリップ率をそれぞれ算出するのであ
るが、その際、次の関係式を用いてスリップ率が算出
される。 スリップ率=(車輪速/疑似車体速)×100 ……… つまり、疑似車体速に対する車輪速の偏差が大きくなる
ほどスリップ率が小さくなって、当該車輪のスリップ傾
向が大きくなる。続いて、ECU24は上記第1〜第3
チャンネルの制御に用いる各種の制御閾値を設定する。
【0101】ここで、制御閾値の設定処理の概略につい
て説明すると、この制御閾値の設定処理は第1チャンネ
ルについては、例えば次のようにして行われる。すなわ
ち、ECU24は、予め車速域と路面摩擦係数とに応じ
て設定した各種の制御閾値から、摩擦係数値と疑似車体
速とに対応する制御閾値を選択する。これら制御閾値と
しては、例えば、ABS非制御状態を示すフェーズ0か
ら増圧後の保持状態を示すフェーズ2への移行判定用の
0−2減速度閾値B02、増圧状態を示すフェーズ1か
ら上記フェーズ2への移行判定用の1−2減速度閾値B
12、上記フェーズ2から減圧状態を示すフェーズ3へ
の移行判定用の2−3減速度閾値B23、このフェーズ
3から減圧後の保持状態を示すフェーズ5への移行判定
用の3−5減速度閾値B35,フェーズ5からフェーズ
1への増圧判定用の5−1スリップ率閾値Bsz、および
制御開始直後の第1サイクル用の初期スリップ率閾値B
iなどが、車速域と路面摩擦係数とに応じてそれぞれ設
定されている。
【0102】この場合、制動力に大きく影響する減速度
閾値は、路面摩擦係数が大きいときのブレーキ性能と、
路面摩擦係数が小さいときの制御応答性とを高水準で両
立させるために、より好ましくは、摩擦係数値のレベル
が小さくなるほど、つまり路面摩擦係数が小さくなるほ
ど0Gに近づくように設定されている。また、上記第
2,第3チャンネルについても、同様にして制御閾値が
設定される。そして、ECU24は、各チャンネルごと
のロック判定処理と、上記第1〜第3バルブユニット2
0,21,23に対する制御量を規定するためのフェーズ
決定処理とを行うようになっている。
【0103】ここで、上記ロック判定処理について説明
すると、概略以下のようなものとなる。例えば左前輪用
の第1チャンネルに対するロック判定処理においては、
ECU24は、まず第1チャンネル用の継続フラグFc
の今回値を前回値としてセットした上で、次に疑似車体
速Vrと車輪速W1とが所定の条件(例えば、Vr<5km
/h, W1<7.5km/h)を満足するか否かを判定し、こ
れらの条件を満足するときに継続フラグFc及びロック
フラグFl1をそれぞれ0にリセットする一方、満足し
ていなければロッグフラグFl1が1にセットされてい
るか否かを判定する。ロックフラグFl1が1にセット
されていなければ、所定の条件のとき(例えば、疑似車
体速Vrが車輪速W1より大きいとき)にロックフラグF
l1に1をセットする。一方、ECU24は、ロックフ
ラグFl1が1にセットされていると判定したときに
は、例えば、第1チャンネルのフェーズ値P1がフェー
ズ5を示す5にセットされ、かつスリップ率S1が例え
ば90%より大きいときに継続フラグFcに1をセット
する。なお、上記第2,第3チャンネルに対しても同様
にしてロック判定処理が行われる。
【0104】また、上記フェーズ決定処理の概略を説明
すると、ECU24は、当該車両の運転状態に応じて設
定したそれぞれの制御閾値と、車輪加減速度やスリップ
率との比較によって、ABS非制御状態を示すフェーズ
0,ABS制御時における増圧状態を示すフェーズ1,増
圧後の保持状態を示すフェーズ2,減圧状態を示すフェ
ーズ3,急減圧状態を示すフェーズ4及び減圧後の保持
状態を示すフェーズ5を選択するようになっている。そ
して、ECU24は、各チャンネルごとに設定されたフ
ェーズ値に応じた制御量を設定した上で、その制御量に
従った制動圧制御信号を第1〜第3バルブユニット2
0,21,23に対してそれぞれ出力する。これにより、
第1〜第3バルブユニット20,21,23の下流側にお
ける前輪用分岐制動圧ライン19a, 19b及び後輪用分
岐制動圧ライン22a,22bの制動圧が、増圧あるいは
減圧したり、増圧もしくは減圧後の圧力レベルに保持さ
れたりする。
【0105】そして、上記ブレーキ制御システムにおけ
る制動圧の制御処理は、例えば、第1チャンネルを例に
とって説明すれば、図2のフローチャートに従って次の
ように行われる。すなわち、ECU24はステップS1
で各種データを取り込んだ上でステップS2を実行して
ABSフラグFaの値が1にセットされているか否かを
判定する。つまり、ABS制御中かどうかを判定するの
である。このABSフラグFaは、例えば上記第1〜第
3チャンネルのロックフラグFl1, Fl2, Fl3のど
れかが1にセットされたときに1にセットされ、またブ
レーキスイッチ25がONからOFF状態に切り変わっ
たときなどには0にクリアされるフラグである。ECU
24は上記ステップS2においてABSフラグFaが1
にセットされていると判定したときには、ステップS3
に進んで路面摩擦係数が高μか否かを判定する。この実
施例においては、摩擦係数値MUの値が高μ路面を示す
3にセットされているときにYESと判定され、それ以
外の2もしくは1にセットされているときにはNOと判
定されるようになっている。
【0106】ECU24が上記ステップS3において路
面摩擦係数が高μではないと判定したときには、ステッ
プS4が実行され、車輪速センサ26からの信号が示す
左前輪1の車輪速W1が第1設定値V1(例えば、3.5k
m/h)よりも大きいか否かを判定し、上記車輪速W1が
第1設定値V1よりも大きいと判定したときにはステッ
プS5に移ってABS制御が終了したか否かを判定し
て、該制御が終了していないと判定したときには、ステ
ップS6を実行して所定のサブルーチンに従って通常の
ABS制御を実行する。一方、ECU24は、上記ステ
ップS4において上記車輪速W1が第1設定値V1より
も大きくないと判定したときには、ステップS7に移っ
て所定の緩増圧制御量を設定した上で、ステップS8を
実行してロックフラグFl1及び継続フラグFcをそれぞ
れ0にクリアする。
【0107】また、ECU24は、上記ステップS3に
おいて路面摩擦係数が高μであると判定したときには、
ステップS9に移って上記車輪速W1が第1設定値V1
よりも高車輪速側に設定された第2設定値V2(例え
ば、5km/h)よりも大きいか否かを判定し、この場合に
おいても上記車輪速W1が第2設定値V2よりも大きい
と判定したときには、ステップS5に移ってABS制御
が終了したか否かを判定し、該制御が終了していないと
判定したときには、ステップS6を実行して所定のサブ
ルーチンに従って通常のABS制御を実行するようにな
っている。一方、ECU24は、上記ステップS9にお
いて車輪速W1が第2設定値V2よりも大きくないと判
定したときには、ステップS10を実行して所定の通常
増圧制御量を設定した上で、この場合においてもステッ
プS8を実行してロックフラグFl1及び継続フラグFc
をそれぞれ0にクリアする。
【0108】次に、第1チャンネルの場合を例にとっ
て、上記ブレーキ制御システムにおけるABS制御につ
いて説明する。すなわち、減速時のABS非制御状態に
おいて、ブレーキペダル16の踏込操作によってマスタ
ーシリンダ18で発生した制動圧が徐々に増圧し、例え
ば図3(d)に示すように、左前輪1の車輪速W1の変化
量(つまり車輪減速度DW1)が−3Gに達したときに
は、同図(a) (b)に示すように、第1チャンネルにおけ
るロックフラグFl1が1にセットされると共に、同時
にABSフラグFaも1にセットされ、その時点からA
BS制御に移行することになる。
【0109】そして、ECU24は、上記車輪速W1か
ら算出したスリップ率S1、減速度DW1、加速度AW
1と上記各種の制御閾値とを比較する。この場合、初期
スリップ率閾値B1が例えば90%にセットされている
とすると、スリップ率S1が例えば96%を示すときに
は、ECU24は、同図(e)に示すようにフェーズ値P
1を0から2に変更する。したがって、制動圧は、同図
(f)に示すように、増圧直後のレベルで維持されること
になる。この後、例えば上記スリップ率S1が90%よ
り低下したときには、ECU24はフェーズ値P1を2
から3に変更する。これにより、第1バルブユニット2
0のリリーフ弁20bが所定のデューティ率に従ってO
N/OFFされることになり、図中符号(ア)で示すよう
に、制動圧が所定の勾配に従って減圧されて制動力が徐
々に低下し、これに伴って前輪1の回転力が回復し始め
る。
【0110】さらに制動圧の減圧が続いて、前輪1の車
輪速W1から求めた減速度DW1及び加速度AW1がそ
れぞれ0になったときには、ECU24は、フェーズ値
P1を3から5に変更する。したがって、図中符号(イ)
で示すように制動圧が減圧後のレベルで維持されること
になる。そして、フェーズ5の状態が続いてスリップ率
S1が90%を超えたときには、ECU24は、同図
(c)に示すように、継続フラグFcを1にセットする。こ
れにより、第1チャンネルにおけるABS制御は、制御
開始直後の第1サイクルから第2サイクルに移行するこ
とになる。その場合に、ECU24は、フェーズ値P1
を強制的に1に変更するようになっている。
【0111】そして、このフェーズ1への移行直後に
は、第1バルブユニット20の開閉弁20b が、第1サ
イクルにおけるフェーズ5の持続時間に基づいて設定さ
れた初期急増圧時間Tpzに応じて、100%のデューテ
ィ率で開閉されることになり、図中符号(ウ)で示すよう
に、制動圧が急勾配で増圧される。この初期急増圧時間
Tpzが終了してからは、上記開閉弁20aが所定のデュ
ーティ率に従ってON/OFFされ、制動圧は、図中符
号(エ)で示すように、上記勾配よりも緩かな勾配に従っ
て徐々に上昇することになる。ECU24は、第2サイ
クルにおけるフェーズ5の状態において、例えばスリッ
プ率S1が5−1スリップ率閾値Bszより大きいと判定
したときには、フェーズ値P1を1にセットして第3サ
イクルに移行する。
【0112】そして、摩擦係数値MUが低μ路面を示す
1にセットされている状態において、図4の符号(オ)で
示すように、車輪速W1が第1設定値V1にまで低下し
たときには、ECU24は、同図(a), (b)に示すよう
に、第1チャンネルにおけるロックフラグFl1及び継
続フラグFcをそれぞれ0にクリアして、その時点から
終了処理に移行する。その際、摩擦係数値MUは上記し
たように低μ路面を示す1にセットされていることか
ら、ECU24は、より好ましくは、緩増圧制御量を設
定してそれに応じた制動圧制御信号を第1バルブユニッ
ト20に出力する。これにより、制動圧が符号(カ)で示
すように徐々に増圧することとなり、左前輪1のロック
ないしスキッド状態が回避される。そして、当該車両の
停止直前には、上記のような制動圧制御が第2,第3チ
ャンネルに対しても同様にして行われることから、左右
の前輪1,2及び後輪3,4のロックないしスキッド状態
の発生が防止されて、アイスバーンのような低μ路面に
おいても、当該車両が安定して停止することになる。
【0113】一方、摩擦係数値MUが高μ路面を示す3
にセットされている状態においては、ECU24は、図
5の符号(キ)で示すように、車輪速W1が今度は第2設
定値V2にまで低下した時点において、同図(a), (b)に
示すように、第1チャンネルにおけるロックフラグFl
1及び継続フラグFcをそれぞれ0にクリアして、その
時点から終了処理に移行することになる。これにより、
車輪速W1が第1設定値V1まで低下するまでABS制
御を続行する場合に比べて制動圧が不測に減圧する確率
が少なくなって、運転者に不必要に空走感を感じさせる
ことがない。しかも、前輪1が確実に路面をグリップし
ていることから、該前輪1がロックないしスキッド状態
になることがなく、これによって走行安定性が損なわれ
ることもない。また、ECU24は、車輪速W1が上記
第2設定値T2まで低下した時点で通常増圧制御量を設
定し、それに応じた制動圧制御信号を第1バルブユニッ
ト20に対して出力するようになっているので、符号
(ク)で示すように、制動圧が低μ時に比べて速やかに上
昇することになって、当該車両が確実に停止するように
なっている。
【0114】ところで、本実施例では、各車輪1〜4毎
の車輪速度を検出する車輪速度検出装置として、前述の
ように、磁束変化を電圧信号に変換してパルス状の出力
信号を出力する、いわゆる電磁ピックアップ式の車輪速
センサ26〜29を備えたものが用いられている。すな
わち、例えば、左前輪用のもの26を例にとって説明す
れば、図6に示すように、該車輪速センサ26は、永久
磁石26bと電圧発生用のコイル26cとを備え、そのピ
ックアップ部26aが、車輪1と一体的に回転する歯車
状(もしくは鋸歯状)の歯形ロータ31の外周部近傍に位
置するように取り付けられている。尚、本実施例では、
上記歯形ロータ31として、歯数が44のものが用いら
れている。そして、車輪1の回転に伴って上記歯形ロー
タ31が回転すると、上記ピックアップ26aの近傍を
歯形ロータ31の歯部31a,…,31aが通過することに
より、上記電圧発生用コイル26cに磁束変化が生じ、
これに従って電圧信号が出力されるようになっている。
この場合、電圧信号は、歯形ロータ31の回転に伴って
その歯部31a,…,31aがピックアップ部26aの近傍
を通過する毎にパルス状に出力される。
【0115】上記電磁ピックアップ式の車輪速センサ2
6〜29は、前述のように磁束変化を電圧信号に変換し
て信号出力するものであるので、外部磁界に大きな変化
があった場合にはこの磁界変化の影響を受け、その出力
信号にノイズが重畳されたり、あるいは、実際には車輪
速度が0km/hrで出力が無いのにノイズが出力信号とし
て表れたりすることがある。具体的には、前述のよう
に、上記自動車の近辺を新幹線が通過した場合、新幹線
は、通常、交流60Hzの大きな値の電流がその駆動系
に用いられている関係上、これが通過する際には60H
zのサイクルの磁界変化がもたらされることになる。こ
の場合、自動車の走行速度がある程度高ければ、図7に
示すように、車輪速センサ26〜29から出力される本
来の信号レベルVpが高い(出力が大きい)ので、上記ノ
イズVn(図7における一点鎖線参照)が重畳されたとし
ても、車輪速度の検出値に影響を及ぼすことはまず無い
と考えられるが、自動車が停車している場合や非常に低
い速度で走行している場合には、上記ノイズVnの影響
はそれだけ大きいものとなる。
【0116】本実施例に係る車輪速度検出装置では、歯
数が44の歯形ロータ31が用いられており、この歯数
の場合には、交流60Hzによってもたらされる磁界変
化は時速換算で約9km/hrに相当する。従って、車輪速
度検出装置は、新幹線の通過に伴ってこの約9km/hrの
速度に相当するノイズが重畳された電圧信号を出力する
ことになる。すなわち、自動車自体は実際には走行停止
(車速0km/hr)または極く低い車速でしか走行していな
いのに、車輪速度検出装置はノイズとして9km/hrの値
が重畳された車輪速度を検出することになる。
【0117】このノイズの強さ(大きさ)は、例えば図8
に示すように、当該新幹線車両の動力負荷の大きさによ
って変化し、一方、ABS制御装置が読み込む信号レベ
ルVa(図8における一点鎖線参照)は予め定まってお
り、この読み込み信号レベルとノイズレベルとの大小関
係によって、アンチスキッド制御装置は、9km/hrのノ
イズ信号Vnを読み込んだり読み込まなかったりする。
つまり、9km/hrのノイズ信号Vnは、アンチスキッド
制御装置側に入力される場合とされない場合が生じ得
る。そして、この9km/hrのノイズ信号Vnがアンチス
キッド制御装置側に入力された後、この信号が入力され
なくなると、車輪速度が9km/hrから0(零)km/hrまで
急減速されたものとして、アンチスキッド制御の実行が
開始されることがあり得る。
【0118】本実施例では、外部磁界に変化があった
際、この磁界変化によって車輪速センサ26〜29が影
響を受け、その出力信号にノイズが重畳された場合、あ
るいは実際には出力が無いのにノイズが出力信号として
表れた場合に、このノイズを確実に判別し、また、AB
S制御装置が、本来、作動することのない運転状態で制
御を開始することを防止するようになっている。以下、
上記外部磁界の変化によるノイズの判別、及びこのノイ
ズが生じた場合におけるABS制御装置の作動制御につ
いて、図9及び図10のフローチャートを参照しながら
説明する。
【0119】システムがスタートすると、まずステップ
S31で、ノイズフラグFnが1にセットされているか
否かが判定される。このノイズフラグFnは、各車輪速
センサ26〜29からの出力信号が外部磁界の変化によ
るノイズであるとの判定中には1にセットされ、上記出
力信号がノイズでない場合および上記ノイズ判定が解除
された場合に0にセットもしくはクリアされるフラグで
ある。上記ステップS31での判定結果がNOの場合に
は、ステップS32で、4輪全ての車輪速センサ26〜
29について無パルス状態(つまり、車輪速度0km/hrの
状態)であるか否かが判定され、この判定結果がYES
の場合には、ステップS33で、車輪速センサ26〜2
9からパルス信号の出力が有ったか否かが判定される。
このステップS33での判定結果がYESの場合には、
次いでステップS34で、パルス信号の出力が有った各
車輪速センサ26〜29について、その出力開始から所
定回数までのパルスの周期(本実施例では、具体的に
は、無パルス状態から1回目のパルスの立ち上がりと立
ち下がりの周期)が所定範囲の周波数(本実施例では、具
体的には50〜60Hz)に相当するか否かが判定され
る。
【0120】上記ステップS34での判定結果がYES
の場合には、更に、ステップS35で、上記のような無
パルス状態から1回目のパルスの立ち上がりと立ち下が
りの周期が50〜60Hzに相当するパルス信号が、4
輪の車輪速センサ26〜29のうち所定の複数個以上
(本実施例では少なくとも2個以上)の車輪速センサにつ
いて出力されているか否かが判定される。そして、この
ステップS35での判定結果がYESの場合には、ステ
ップS36で、ノイズフラグが1にセットされる。つま
り、上記車輪速センサ26〜29からの出力信号は外部
磁界の変化によるノイズであると判定されるようになっ
ている。
【0121】以上のように、本実施例によれば、上記車
輪速センサ26〜29が無パルス状態からパルス信号を
出力した場合、その出力開始から所定回数までのパルス
の周期により、当該出力信号が外部磁界の変化によるノ
イズであるか否かの判別を行うことができる。すなわ
ち、ノイズの無い正常な状態であれば、車輪速センサ2
6〜29が無パルス(つまり、車輪速度0km/hrの状態)
からパルス信号を出力する場合(つまり、車輪始動時の
速度を検出する場合)には、最初はある程度徐々にパル
ス数が増すのが普通であり、パルス信号の出力開始から
例えば2,3回程度までの間は、パルス数が(つまり、車
輪速度が)いきなり高い数値に立ち上がることはなく、
その間のパルスの周期はかなり長いものとなる。つま
り、それに相当する周波数はかなり低いものとなる。従
って、車輪速センサ26〜29が無パルス状態からパル
ス信号を出力した場合に、その出力開始から所定回数ま
でのパルス信号の周期が、車輪始動時には通常生じない
高さの周波数にするか否かを判定することにより、当該
出力信号が外部磁界の変化によるノイズであるか否かの
判別を行うことができるのである。尚、上記のノイズ判
定は、車輪速度検出装置に、例えばマイクロコンピュー
タを主要部として構成されたノイズ判定部を設けて、こ
のノイズ判定部により行なうことができるが、この替わ
りに、ABS制御装置のコントロールユニット(ECU
24)内にノイズ判定部を設けてノイズ判定を行うよう
にしても良い。
【0122】特に、本実施例では、上記出力開始から所
定回数までのパルスの周期を、ノイズの無い正常な状態
であれば、最もパルス周期が長くなる無パルス状態から
1回目のパルスの立ち上がりと立ち下がりの周期とした
ので、より確実なノイズ判定を行うことができる。尚、
上記所定回数を、出力開始から余り間のない、例えば
2,3回までとしても良い。
【0123】また、特に、本実施例では、上記所定範囲
の周波数を50〜60Hzとしたので、通常、交流60
Hzの大電流がその駆動系に用いられる新幹線が自車近
辺を通過した場合、この新幹線通過に伴う外部磁界の変
化によるノイズを確実に判別することができるのであ
る。尚、新幹線の駆動系に供給されるのは、上述のよう
に、通常、交流60Hzであるが、本実施例では、周波
数の誤差を見込んで上記周波数範囲を50〜60Hzと
した。この周波数の誤差が常用の60Hzの上下に出る
ことが予想される場合には、上記周波数範囲を60Hz
を含む上下に設定(例えば60Hz±5Hzに設定)しても
良い。
【0124】更に、本実施例では、4輪全ての車輪速セ
ンサ26〜29が無パルスである状態から、所定の複数
個以上(少なくとも2個以上)の車輪速センサについて、
その出力開始の1回目のパルスの立ち上がりと立ち下が
りの周期が50〜60Hzの周波数に相当するパルス信
号が出力されたときは、各車輪速センサ26〜29から
の出力信号は外部磁界の変化によるノイズであると判定
するようにしたので、1輪の車輪速センサの出力のみで
判定する場合に比べて、より確実なノイズ判定を行うこ
とができる。尚、このかわりに、4輪全ての車輪速セン
サ26〜29が無パルスである状態から、少なくとも1
輪の車輪速センサについて、その出力開始の1回目のパ
ルスの立ち上がりと立ち下がりの周期が50〜60Hz
の周波数に相当するパルス信号が出力されたときは、各
車輪速センサ26〜29からの出力信号は外部磁界の変
化によるノイズであると判定するようにしても良い。こ
の場合には、上記の場合に比べてより迅速なノイズ判定
を行うことが可能になる。
【0125】また、上記ステップS32の判定結果がN
Oの場合には、パルス信号を出力している車輪速センサ
について、ステップS37で、所定範囲の周波数(つま
り、50〜60Hz)のパルス信号が一定時間以上継続し
て出力されたか否かが判定され、この判定結果がYES
の場合には、ステップS38で、上記車輪速センサにつ
いて、その後、無パルス状態になり、その無パルス状態
が所定時間以上継続したか否かが判定される。このステ
ップS38での判定結果がYESの場合には、当該車輪
速センサの出力信号は外部磁界の変化によるノイズであ
るものと判別される。4輪の車輪速センサ26〜29の
うち2輪の車輪速センサについて、上記ステップS38
での判定結果がYESである場合には、ステップS36
に移行し、ノイズフラグFnに1がセットされるように
なっている。一方、上記ステップS33〜ステップS3
5並びにステップS37及びステップS38での判定結
果がNOの場合には、上記各車輪速センサ26〜29か
ら出力されるパルス信号は、外部磁界の変化によるノイ
ズではないので、上記ブレーキ制御システムのコントロ
ールユニット(ECU24)は、ステップS39で通常ど
うりの制御を行う。
【0126】本実施例では、このように、上記車輪速セ
ンサから所定範囲の周波数(50〜60Hz)のパルス信
号が一定時間継続して出力された後、無パルス状態とな
り、この無パルス状態がある程度以上継続されるか否か
により、当該出力信号が外部磁界の変化によるノイズで
あるか否かの判別を行うことができる。すなわち、ノイ
ズの無い正常な状態であれば、車輪速センサから50〜
60Hzの周波数のパルス信号が一定時間継続して出力
された後、つまり、一定速度(約9km/hr)で回転する車
輪の回転速度が継続して検出され後、いきなり無パルス
状態(つまり、車輪速度0(零)km/hrの状態)となり、こ
の状態が継続されることはないので、かかる状態になる
か否かを判定することにより、上記車輪速センサ26〜
29からの出力信号が外部磁界の変化によるノイズであ
るか否かを確実に判別することができるのである。
【0127】上記のサブルーチンにおいて、車輪速セン
サ26〜29からの出力信号が外部磁界の変化によるノ
イズであると判定され、ノイズフラグFnに1がセット
された場合(つまり、ステップS36が実行された場合)
には、制御サイクルが繰り返される際に、ステップS3
1での判定結果がYESとなり、ステップS40が実行
される。すなわち、このノイズ判定期間中(つまりノイ
ズフラグFnが1にセットされている期間中)について
は、ECU24は、疑似車体速度を推定する際にその推
定値の上昇を制限するようになっている。本実施例で
は、具体的には、上記車輪速センサ26〜29からの出
力信号がノイズによるものであると判定されると、その
時点から疑似車体速度の推定値がそれ以上上昇しないよ
うに、つまり横ばいになるように設定されている。
【0128】このように、本実施例では、上記車輪速度
検出装置によって検出された車輪速度に基づいて当該車
両の疑似車体速を推定する際に、上記車輪速センサ26
〜29からの出力信号が外部磁界の変化によるノイズで
あると判定された場合には、このノイズ判定期間中につ
いては、上記疑似車体速度の推定値の上昇を制限するよ
うにしたので、上記ノイズ判定期間中は、一般に4輪の
車輪速度のうちの最高値で与えられる疑似車体速度がノ
イズの影響を受けて実際よりも高い値となることを抑制
することができ、ドライバが予期しない運転状態でAB
S制御が実行されることを防止できる。すなわち、車輪
速度検出装置の歯形ロータの歯数の変更による場合など
のように、大幅なコスト上昇を招くことなく、外部磁界
の変化によるノイズの影響を回避することができるので
ある。
【0129】尚、上記ノイズ判定期間中については、上
述のように疑似車体速度の推定値の上昇を制限する代わ
りに、ドライバが予期しない状態でのABS制御の実行
がより確実に防止できるように、上記疑似車体速度を0
km/hr側に推定するようにしても良い。また、上記ノイ
ズ判定期間中については、ABS制御に入りにくくする
ために、ABS制御が行なわれるための車輪速度の最低
値を所定量だけ高めるようにしても良い。具体的には、
ABS制御が行なわれるための車輪速度の最低値を、通
常の7.5km/hrから10km/hr以上に高めても良い。
あるいは、ABS制御が行なわれるための疑似車体速度
の最低値を所定量だけ(例えば、通常の5km/hrから1
0km/hr以上に)高めるようにしても良い。更に、上記
ノイズ判定期間中については、ABS制御に入りにくく
するために、上記ABS制御が開始されるための制御閾
値を制御に入りにくい側に変更するようにしても良い。
具体的には、ABS制御に入るための車輪減速度の制御
閾値を通常の−3Gから−5Gに変更するようにしても
良い。また、更に、上記ノイズ判定期間中については、
ABS制御の実行を確実に防止するために、上記ABS
制御の開始を禁止するようにようにしても良い。
【0130】上記ステップS40が実行された後におい
て、ステップS41で、車輪速センサ26〜29が所定
値以上の車輪速度を検出したか否か、つまり、車輪速セ
ンサ26〜29から所定の車輪速度以上の速度に相当す
るパルス信号が一定時間以上にわたって出力されたか否
かが判定される。この判定結果がNOの場合には、更
に、ステップS42で、4輪全ての車輪速センサ26〜
29が一定時間以上無パルス状態を継続したか否かが判
定され、この判定結果がNOの場合には、ステップS3
1に戻ってそれ以降のステップが繰り返して実行され
る。一方、上記ステップS41あるいはステップS42
での判定結果がYESの場合には、ステップS43で、
ノイズ判定が解除され、ノイズフラグFnが0にリセッ
トされるようになっている。
【0131】以上、説明したように、本実施例によれ
ば、上記車輪速センサ26〜29からの出力信号が外部
磁界の変化によるノイズであると判定された後における
当該車輪速センサからのパルス信号の出力状態に応じ
て、上記ノイズ判定を解除することができる。すなわ
ち、車輪の回転速度がある程度以上高い場合には、車輪
速センサから出力される本来の信号レベルが高い(出力
が大きい)ので、ノイズが重畳されたとしても車輪速度
の検出値に実質的な影響を及ぼすことがなく、かかる高
い車輪速度に相当するパルス信号が一定時間以上にわた
って出力された際には、ノイズ判定を解除しても差し支
えはない。従って、上記所定の車輪速度を、その相当す
るパルス信号が外部磁界の変化によるノイズの影響を実
質的に受けることがない高さの適切な値に設定すること
により、的確なノイズ判定の解除を行うことができるの
である。
【0132】また、車輪速センサが一定時間以上無パル
ス状態を継続する場合には、ノイズが無いものと考えら
れ、かかる場合にはノイズ判定を解除しても差し支えは
ない。そして、特に、4輪全ての車輪速センサ26〜2
9が一定時間以上無パルス状態を継続した際には、上記
ノイズ判定が解除されるようにしたので、より的確なノ
イズ解除を行うことができるのである。
【0133】尚、上記実施例は、電磁ピックアップ式の
車輪速センサ26〜29を備えた車輪速度検出装置およ
び該検出装置を有するABS制御装置についてのもので
あったが、本発明は、上記の場合に限定されるものでは
なく、上記タイプの車輪速度検出装置を備えた他のスリ
ップ制御装置、例えば、上記のような車輪速度検出装置
によって検出された車輪速度に基づいて駆動輪と従動輪
との速度差を演算し、この演算値が所定値を越える場合
には、上記駆動輪に制動力を作用させる制御とエンジン
出力を低下させる制御の少なくともいずれか一方を行う
ようにした、所謂、トラクション制御装置にも有効に適
用することができる。
【0134】すなわち、各車輪に取り付けられた車輪速
センサの向きと新幹線通過によって発生する磁界の方向
とによっては、前輪側のみ、あるいは後輪側のみに、外
部磁界の変化によるノイズが生じることがあるが、トラ
クション制御装置が装備された自動車では、例えば当該
自動車が後輪駆動タイプのものであれば、後輪側のみに
ノイズが生じると、このノイズの影響で駆動輪と従動輪
との速度差が実際よりも大きく表れることとなり、この
速度差が予め設定された閾値を越えたものとして、トラ
クション制御の実行が開始される場合が考えられ、ドラ
イバは、予期しない運転状態でトラクション制御が行な
われることになるので、違和感を覚えるという問題があ
った。
【0135】このトラクション制御装置の場合には、車
輪速センサからの出力信号が外部磁界の変化によるノイ
ズであると判定されたときには、このノイズ判定期間中
については、少なくとも上記駆動輪に制動力を作用させ
る制御を禁止するようにすることにより、上記ノイズ判
定期間中は、ドライバが予期しない運転状態でトラクシ
ョン制御による駆動輪の制動が実行されることを防止で
きる。すなわち、外部磁界の変化によるノイズの影響を
確実に回避し、ドライバに違和感を及ぼすことを防止で
きるのである。尚、このトラクション制御装置の場合に
おけるノイズ判定及びその解除は、上記ABS制御装置
の場合と同様にして行うことができる。
【0136】また、上記トラクション制御装置の場合に
は、上記トラクション制御を行っても上記駆動輪の車輪
速度が変化しない場合には、該駆動輪の車輪速センサか
らの出力信号は外部磁界の変化によるノイズであると判
定することができ、このノイズ判定期間中については、
上記トラクション制御の実行を禁止することにより、上
記ノイズ判定期間中は、ドライバが予期しない運転状態
でトラクション制御による駆動輪の制動が実行されるこ
とを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る自動車の車両制動系の
全体構成を概略的に示す平面説明図である。
【図2】 上記自動車のブレーキ制御システムにおける
制動圧制御処理を示すフローチャートである。
【図3】 上記ブレーキ制御システムにおけるABS制
御への移行前後の状態を示すタイムチャートである。
【図4】 低μ路でのABS制御の終了前後の状態を示
すタイムチャートである。
【図5】 高μ路でのABS制御の終了前後の状態を示
すタイムチャートである。
【図6】 上記自動車に装備された車輪速センサの説明
図である。
【図7】 高速域における車輪速センサの出力レベルと
ノイズレベルとを示す説明図である。
【図8】 低速域もしくは停車時におけるABS制御装
置の信号読み込みレベルとノイズレベルとを示す説明図
である。
【図9】 上記ブレーキ制御システムにおけるノイズ判
定処理および判定解除処理を示すフローチャートの一部
である。
【図10】 上記ブレーキ制御システムにおけるノイズ
判定処理および判定解除処理を示すフローチャートの一
部である。
【符号の説明】
1,2,3,4…車輪 24…コントロールユニット(ECU) 26,27,28,29…車輪速センサ Vr…疑似車体速 W1,W2,W3,W4…車輪速度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−94735(JP,A) 特開 平6−80072(JP,A) 特開 平5−201325(JP,A) 特開 昭61−266964(JP,A) 特開 昭60−25836(JP,A) 特開 昭63−172967(JP,A) 特開 昭62−255871(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 3/481 B60T 8/00 G01D 5/245 102

Claims (37)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁束変化を電圧信号に変換してこの磁束
    変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を出力する
    電磁ピックアップ式の車輪速センサを備え、この車輪速
    センサからの出力信号に基づいて車輪速度を検出する車
    輪速度検出装置であって、 上記車輪速センサが無パルス状態からパルス信号を出力
    した場合、その出力開始から所定回数までのパルスの周
    期が所定範囲の周波数に相当するときには、上記車輪速
    センサからの出力信号は外部磁界の変化によるノイズで
    あると判定することを特徴とする車輪速度検出装置。
  2. 【請求項2】 磁束変化を電圧信号に変換してこの磁束
    変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を出力する
    電磁ピックアップ式の車輪速センサを備え、この車輪速
    センサからの出力信号に基づいて車輪速度を検出する車
    輪速度検出装置であって、 上記車輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付
    けられており、これら4輪全ての車輪速センサが無パル
    スである状態から、少なくとも1輪の車輪速センサにつ
    いて、その出力開始から所定回数までのパルスの周期が
    所定範囲の周波数に相当するパルス信号が出力されたと
    きには、上記各車輪速センサからの出力信号は外部磁界
    の変化によるノイズであると判定することを特徴とする
    車輪速度検出装置。
  3. 【請求項3】 磁束変化を電圧信号に変換してこの磁束
    変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を出力する
    電磁ピックアップ式の車輪速センサを備え、この車輪速
    センサからの出力信号に基づいて車輪速度を検出する車
    輪速度検出装置であって、 上記車輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付
    けられており、これら4輪全ての車輪速センサが無パル
    スである状態から、所定の複数個以上の車輪速センサに
    ついて、その出力開始から所定回数までのパルスの周期
    が所定範囲の周波数に相当するパルス信号が出力された
    ときには、上記各車輪速センサからの出力信号は外部磁
    界の変化によるノイズであると判定することを特徴とす
    る車輪速度検出装置。
  4. 【請求項4】 上記出力開始から所定回数までのパルス
    の周期は、無パルス状態から1回目のパルスの立ち上が
    りと立ち下がりの周期であることを特徴とする請求項1
    〜請求項3のいずれか一に記載の車輪速度検出装置。
  5. 【請求項5】 磁束変化を電圧信号に変換してこの磁束
    変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を出力する
    電磁ピックアップ式の車輪速センサを備え、この車輪速
    センサからの出力信号に基づいて車輪速度を検出する車
    輪速度検出装置であって、 上記車輪速センサから所定範囲の周波数のパルス信号が
    一定時間継続して出力された後、無パルス状態となり、
    この無パルス状態が所定時間以上継続されたときには、
    上記車輪速センサからの出力信号は外部磁界の変化によ
    るノイズであると判定することを特徴とする車輪速度検
    出装置。
  6. 【請求項6】 磁束変化を電圧信号に変換してこの磁束
    変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を出力する
    電磁ピックアップ式の車輪速センサを備え、この車輪速
    センサからの出力信号に基づいて車輪速度を検出する車
    輪速度検出装置であって、 上記車輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付
    けられており、これら4輪の車輪速センサのうち少なく
    とも1輪の車輪速センサについて、所定範囲の周波数の
    パルス信号が一定時間継続して出力された後、無パルス
    状態となり、この無パルス状態が所定時間以上継続され
    たときには、上記各車輪速センサからの出力信号は外部
    磁界の変化によるノイズであると判定することを特徴と
    する車輪速度検出装置。
  7. 【請求項7】 磁束変化を電圧信号に変換してこの磁束
    変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を出力する
    電磁ピックアップ式の車輪速センサを備え、この車輪速
    センサからの出力信号に基づいて車輪速度を検出する車
    輪速度検出装置であって、 上記車輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付
    けられており、これら4輪の車輪速センサのうち所定の
    複数個以上の車輪速センサについて、所定範囲の周波数
    のパルス信号が一定時間継続して出力された後、無パル
    ス状態となり、この無パルス状態が所定時間以上継続さ
    れたときには、上記各車輪速センサからの出力信号は外
    部磁界の変化によるノイズであると判定することを特徴
    とする車輪速度検出装置。
  8. 【請求項8】 上記所定範囲の周波数は50〜60Hz
    であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか
    一に記載の車輪速度検出装置。
  9. 【請求項9】 上記車輪速センサからの出力信号が外部
    磁界の変化によるノイズであると判定された後、当該車
    輪速センサから所定の車輪速度以上の速度に相当するパ
    ルス信号が一定時間以上にわたって出力された際には、
    上記ノイズ判定が解除されることを特徴とする請求項1
    〜請求項8のいずれか一に記載の車輪速度検出装置。
  10. 【請求項10】 磁束変化を電圧信号に変換してこの磁
    束変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を出力す
    る電磁ピックアップ式の車輪速センサを備え、この車輪
    速センサからの出力信号に基づいて車輪速度を検出する
    車輪速度検出装置であって、 上記車輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付
    けられており、これら車輪速センサからの出力信号が外
    部磁界の変化によるノイズであると判定された後、上記
    4輪全ての車輪速センサが一定時間以上無パルス状態を
    継続した際には、上記ノイズ判定が解除されることを特
    徴とする車輪速度検出装置。
  11. 【請求項11】 磁束変化を電圧信号に変換してこの磁
    束変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を出力す
    る電磁ピックアップ式の車輪速センサからの出力信号に
    基づいて車輪速度を検出する車輪速度検出装置と、各車
    輪の制動圧を調整する油圧調整手段と、上記車輪速度検
    出装置によって検出された車輪速度に基づいて上記油圧
    調整手段を作動させることにより各車輪の制動圧を周期
    的に増減するアンチスキッド制御手段とを備えた車輪の
    スリップ制御装置であって、 上記車輪速センサが無パルス状態からパルス信号を出力
    した場合、その出力開始から所定回数までのパルスの周
    期が所定範囲の周波数に相当するときには、上記車輪速
    センサからの出力信号は外部磁界の変化によるノイズで
    あると判定されることを特徴とする車輪のスリップ制御
    装置。
  12. 【請求項12】 磁束変化を電圧信号に変換してこの磁
    束変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を出力す
    る電磁ピックアップ式の車輪速センサからの出力信号に
    基づいて車輪速度を検出する車輪速度検出装置と、各車
    輪の制動圧を調整する油圧調整手段と、上記車輪速度検
    出装置によって検出された車輪速度に基づいて上記油圧
    調整手段を作動させることにより各車輪の制動圧を周期
    的に増減するアンチスキッド制御手段とを備えた車輪の
    スリップ制御装置であって、 上記車輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付
    けられており、これら4輪全ての車輪速センサが無パル
    スである状態から、少なくとも1輪の車輪速センサにつ
    いて、その出力開始から所定回数までのパルスの周期が
    所定範囲の周波数に相当するパルス信号が出力されたと
    きには、上記各車輪速センサからの出力信号は外部磁界
    の変化によるノイズであると判定されることを特徴とす
    る車輪のスリップ制御装置。
  13. 【請求項13】 磁束変化を電圧信号に変換してこの磁
    束変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を出力す
    る電磁ピックアップ式の車輪速センサからの出力信号に
    基づいて車輪速度を検出する車輪速度検出装置と、各車
    輪の制動圧を調整する油圧調整手段と、上記車輪速度検
    出装置によって検出された車輪速度に基づいて上記油圧
    調整手段を作動させることにより各車輪の制動圧を周期
    的に増減するアンチスキッド制御手段とを備えた車輪の
    スリップ制御装置であって、 上記車輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付
    けられており、これら4輪全ての車輪速センサが無パル
    スである状態から、所定の複数個以上の車輪速センサに
    ついて、その出力開始から所定回数までのパルスの周期
    が所定範囲の周波数に相当するパルス信号が出力された
    ときには、上記各車輪速センサからの出力信号は外部磁
    界の変化によるノイズであると判定されることを特徴と
    する車輪のスリップ制御装置。
  14. 【請求項14】 上記出力開始から所定回数までのパル
    スの周期は、無パルス状態から1回目のパルスの立ち上
    がりと立ち下がりの周期であることを特徴とする請求項
    11〜請求項13のいずれか一に記載の車輪のスリップ
    制御装置。
  15. 【請求項15】 磁束変化を電圧信号に変換してこの磁
    束変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を出力す
    る電磁ピックアップ式の車輪速センサからの出力信号に
    基づいて車輪速度を検出する車輪速度検出装置と、各車
    輪の制動圧を調整する油圧調整手段と、上記車輪速度検
    出装置によって検出された車輪速度に基づいて上記油圧
    調整手段を作動させることにより各車輪の制動圧を周期
    的に増減するアンチスキッド制御手段とを備えた車輪の
    スリップ制御装置であって、 上記車輪速センサから所定範囲の周波数のパルス信号が
    一定時間継続して出力された後、無パルス状態となり、
    この無パルス状態が所定時間以上継続されたときには、
    上記車輪速センサからの出力信号は外部磁界の変化によ
    るノイズであると判定されることを特徴とする車輪のス
    リップ制御装置。
  16. 【請求項16】 磁束変化を電圧信号に変換してこの磁
    束変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を出力す
    る電磁ピックアップ式の車輪速センサからの出力信号に
    基づいて車輪速度を検出する車輪速度検出装置と、各車
    輪の制動圧を調整する油圧調整手段と、上記車輪速度検
    出装置によって検出された車輪速度に基づいて上記油圧
    調整手段を作動させることにより各車輪の制動圧を周期
    的に増減するアンチスキッド制御手段とを備えた車輪の
    スリップ制御装置であって、 上記車輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付
    けられており、これら4輪の車輪速センサのうち少なく
    とも1輪の車輪速センサについて、所定範囲の周波数の
    パルス信号が一定時間継続して出力された後、無パルス
    状態となり、この無パルス状態が所定時間以上継続され
    たときには、上記各車輪速センサからの出力信号は外部
    磁界の変化によるノイズであると判定されることを特徴
    とする車輪のスリップ制御装置。
  17. 【請求項17】 磁束変化を電圧信号に変換してこの磁
    束変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を出力す
    る電磁ピックアップ式の車輪速センサからの出力信号に
    基づいて車輪速度を検出する車輪速度検出装置と、各車
    輪の制動圧を調整する油圧調整手段と、上記車輪速度検
    出装置によって検出された車輪速度に基づいて上記油圧
    調整手段を作動させることにより各車輪の制動圧を周期
    的に増減するアンチスキッド制御手段とを備えた車輪の
    スリップ制御装置であって、 上記車輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付
    けられており、これら4輪の車輪速センサのうち所定の
    複数個以上の車輪速センサについて、所定範囲の周波数
    のパルス信号が一定時間継続して出力された後、無パル
    ス状態となり、この無パルス状態が所定時間以上継続さ
    れたときには、上記各車輪速センサからの出力信号は外
    部磁界の変化によるノイズであると判定されることを特
    徴とする車輪のスリップ制御装置。
  18. 【請求項18】 上記所定範囲の周波数は50〜60H
    zであることを特徴とする請求項11〜請求項17のい
    ずれか一に記載の車輪のスリップ制御装置。
  19. 【請求項19】 上記車輪速センサからの出力信号が外
    部磁界の変化によるノイズであると判定された後、当該
    車輪速センサから所定の車輪速度以上の速度に相当する
    パルス信号が一定時間以上にわたって出力された際に
    は、上記ノイズ判定が解除されることを特徴とする請求
    項11〜請求項18のいずれか一に記載の車輪のスリッ
    プ制御装置。
  20. 【請求項20】 磁束変化を電圧信号に変換してこの磁
    束変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を出力す
    る電磁ピックアップ式の車輪速センサからの出力信号に
    基づいて車輪速度を検出する車輪速度検出装置と、各車
    輪の制動圧を調整する油圧調整手段と、上記車輪速度検
    出装置によって検出された車輪速度に基づいて上記油圧
    調整手段を作動させることにより各車輪の制動圧を周期
    的に増減するアンチスキッド制御手段とを備えた車輪の
    スリップ制御装置であって、 上記車輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付
    けられており、これら車輪速センサからの出力信号が外
    部磁界の変化によるノイズであると判定された後、上記
    4輪全ての車輪速センサが一定時間以上無パルス状態を
    継続した際には、上記ノイズ判定が解除されることを特
    徴とする車輪のスリップ制御装置。
  21. 【請求項21】 上記車輪のスリップ制御装置は、上記
    車輪速度検出装置によって検出された車輪速度に基づい
    て当該車両の疑似車体速を推定する際に、上記車輪速セ
    ンサからの出力信号が外部磁界の変化によるノイズであ
    ると判定された場合には、このノイズ判定期間中につい
    ては、上記疑似車体速度の推定値の上昇を制限すること
    を特徴とする請求項11〜請求項20のいずれか一に記
    載の車輪のスリップ制御装置。
  22. 【請求項22】 上記車輪のスリップ制御装置は、上記
    車輪速度検出装置によって検出された車輪速度に基づい
    て当該車両の疑似車体速を推定する際に、上記車輪速セ
    ンサからの出力信号が外部磁界の変化によるノイズであ
    ると判定された場合には、このノイズ判定期間中につい
    ては、上記疑似車体速度を0km/hr側に推定することを
    特徴とする請求項11〜請求項20のいずれか一に記載
    の車輪のスリップ制御装置。
  23. 【請求項23】 上記車輪のスリップ制御装置は、上記
    車輪速センサからの出力信号が外部磁界の変化によるノ
    イズであると判定された場合には、このノイズ判定期間
    中については、上記アンチスキッド制御が行なわれるた
    めの車輪速度の最低値を所定量だけ高めることを特徴と
    する請求項11〜請求項20のいずれか一に記載の車輪
    のスリップ制御装置。
  24. 【請求項24】 上記車輪のスリップ制御装置は、上記
    車輪速センサからの出力信号が外部磁界の変化によるノ
    イズであると判定された場合には、このノイズ判定期間
    中については、上記アンチスキッド制御が開始されるた
    めの制御閾値を、制御に入りにくい側に変更することを
    特徴とする請求項11〜請求項20のいずれか一に記載
    の車輪のスリップ制御装置。
  25. 【請求項25】 上記車輪のスリップ制御装置は、上記
    車輪速センサからの出力信号が外部磁界の変化によるノ
    イズであると判定された場合には、このノイズ判定期間
    中については、上記アンチスキッド制御の開始を禁止す
    ることを特徴とする請求項11〜請求項20のいずれか
    一に記載の車輪のスリップ制御装置。
  26. 【請求項26】 磁束変化を電圧信号に変換してこの磁
    束変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を出力す
    る電磁ピックアップ式の車輪速センサからの出力信号に
    基づいて車輪速度を検出する車輪速度検出装置と、該車
    輪速度検出装置によって検出された車輪速度に基づいて
    駆動輪と従動輪との速度差を演算し、この演算値が所定
    値を越える場合には、上記駆動輪に制動力を作用させる
    制御とエンジン出力を低下させる制御の少なくともいず
    れか一方を行うトラクション制御手段とを備えた車輪の
    スリップ制御装置であって、上記車輪速センサが無パル
    ス状態からパルス信号を出力した場合、その出力開始か
    ら所定回数までのパルスの周期が所定範囲の周波数に相
    当するときには、上記車輪速センサからの出力信号は外
    部磁界の変化によるノイズであると判定されることを特
    徴とする車輪のスリップ制御装置。
  27. 【請求項27】 磁束変化を電圧信号に変換してこの磁
    束変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を出力す
    る電磁ピックアップ式の車輪速センサからの出力信号に
    基づいて車輪速度を検出する車輪速度検出装置と、該車
    輪速度検出装置によって検出された車輪速度に基づいて
    駆動輪と従動輪との速度差を演算し、この演算値が所定
    値を越える場合には、上記駆動輪に制動力を作用させる
    制御とエンジン出力を低下させる制御の少なくともいず
    れか一方を行うトラクション制御手段とを備えた車輪の
    スリップ制御装置であって、 上記車輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付
    けられており、これら4輪全ての車輪速センサが無パル
    スである状態から、少なくとも1輪の車輪速センサにつ
    いて、その出力開始から所定回数までのパルスの周期が
    所定範囲の周波数に相当するパルス信号が出力されたと
    きには、上記各車輪速センサからの出力信号は外部磁界
    の変化によるノイズであると判定されることを特徴とす
    る車輪のスリップ制御装置。
  28. 【請求項28】 磁束変化を電圧信号に変換してこの磁
    束変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を出力す
    る電磁ピックアップ式の車輪速センサからの出力信号に
    基づいて車輪速度を検出する車輪速度検出装置と、該車
    輪速度検出装置によって検出された車輪速度に基づいて
    駆動輪と従動輪との速度差を演算し、この演算値が所定
    値を越える場合には、上記駆動輪に制動力を作用させる
    制御とエンジン出力を低下させる制御の少なくともいず
    れか一方を行うトラクション制御手段とを備えた車輪の
    スリップ制御装置であって、 上記車輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付
    けられており、これら4輪全ての車輪速センサが無パル
    スである状態から、所定の複数個以上の車輪速センサに
    ついて、その出力開始から所定回数までのパルスの周期
    が所定範囲の周波数に相当するパルス信号が出力された
    ときには、上記各車輪速センサからの出力信号は外部磁
    界の変化によるノイズであると判定されることを特徴と
    する車輪のスリップ制御装置。
  29. 【請求項29】 上記出力開始から所定回数までのパル
    スの周期は、無パルス状態から1回目のパルスの立ち上
    がりと立ち下がりの周期であることを特徴とする請求項
    26〜請求項28のいずれか一に記載の車輪のスリップ
    制御装置。
  30. 【請求項30】 磁束変化を電圧信号に変換してこの磁
    束変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を出力す
    る電磁ピックアップ式の車輪速センサからの出力信号に
    基づいて車輪速度を検出する車輪速度検出装置と、該車
    輪速度検出装置によって検出された車輪速度に基づいて
    駆動輪と従動輪との速度差を演算し、この演算値が所定
    値を越える場合には、上記駆動輪に制動力を作用させる
    制御とエンジン出力を低下させる制御の少なくともいず
    れか一方を行うトラクション制御手段とを備えた車輪の
    スリップ制御装置であって、 上記車輪速センサから所定範囲の周波数のパルス信号が
    一定時間継続して出力された後、無パルス状態となり、
    この無パルス状態が所定時間以上継続されたときには、
    上記車輪速センサからの出力信号は外部磁界の変化によ
    るノイズであると判定されることを特徴とする車輪のス
    リップ制御装置。
  31. 【請求項31】 磁束変化を電圧信号に変換してこの磁
    束変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を出力す
    る電磁ピックアップ式の車輪速センサからの出力信号に
    基づいて車輪速度を検出する車輪速度検出装置と、該車
    輪速度検出装置によって検出された車輪速度に基づいて
    駆動輪と従動輪との速度差を演算し、この演算値が所定
    値を越える場合には、上記駆動輪に制動力を作用させる
    制御とエンジン出力を低下させる制御の少なくともいず
    れか一方を行うトラクション制御手段とを備えた車輪の
    スリップ制御装置であって、 上記車輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付
    けられており、これら4輪の車輪速センサのうち少なく
    とも1輪の車輪速センサについて、所定範囲の周波数の
    パルス信号が一定時間継続して出力された後、無パルス
    状態となり、この無パルス状態が所定時間以上継続され
    たときには、上記各車輪速センサからの出力信号は外部
    磁界の変化によるノイズであると判定されることを特徴
    とする車輪のスリップ制御装置。
  32. 【請求項32】 磁束変化を電圧信号に変換してこの磁
    束変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を出力す
    る電磁ピックアップ式の車輪速センサからの出力信号に
    基づいて車輪速度を検出する車輪速度検出装置と、該車
    輪速度検出装置によって検出された車輪速度に基づいて
    駆動輪と従動輪との速度差を演算し、この演算値が所定
    値を越える場合には、上記駆動輪に制動力を作用させる
    制御とエンジン出力を低下させる制御の少なくともいず
    れか一方を行うトラクション制御手段とを備えた車輪の
    スリップ制御装置であって、 上記車輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付
    けられており、これら4輪の車輪速センサのうち所定の
    複数個以上の車輪速センサについて、所定範囲の周波数
    のパルス信号が一定時間継続して出力された後、無パル
    ス状態となり、この無パルス状態が所定時間以上継続さ
    れたときには、上記各車輪速センサからの出力信号は外
    部磁界の変化によるノイズであると判定されることを特
    徴とする車輪のスリップ制御装置。
  33. 【請求項33】 上記所定範囲の周波数は50〜60H
    zであることを特徴とする請求項26〜請求項32のい
    ずれか一に記載の車輪のスリップ制御装置。
  34. 【請求項34】 上記車輪速センサからの出力信号が外
    部磁界の変化によるノイズであると判定された後、当該
    車輪速センサから所定の車輪速度以上の速度に相当する
    パルス信号が一定時間以上にわたって出力された際に
    は、上記ノイズ判定が解除されることを特徴とする請求
    項26〜請求項33のいずれか一に記載の車輪のスリッ
    プ制御装置。
  35. 【請求項35】 磁束変化を電圧信号に変換してこの磁
    束変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を出力す
    る電磁ピックアップ式の車輪速センサからの出力信号に
    基づいて車輪速度を検出する車輪速度検出装置と、該車
    輪速度検出装置によって検出された車輪速度に基づいて
    駆動輪と従動輪との速度差を演算し、この演算値が所定
    値を越える場合には、上記駆動輪に制動力を作用させる
    制御とエンジン出力を低下させる制御の少なくともいず
    れか一方を行うトラクション制御手段とを備えた車輪の
    スリップ制御装置であって、 上記車輪速センサが車両の4輪それぞれに対して取り付
    けられており、これら車輪速センサからの出力信号が外
    部磁界の変化によるノイズであると判定された後、上記
    4輪全ての車輪速センサが一定時間以上無パルス状態を
    継続した際には、上記ノイズ判定が解除されることを特
    徴とする車輪のスリップ制御装置。
  36. 【請求項36】 上記車輪のスリップ制御装置は、上記
    車輪速センサからの出力信号が外部磁界の変化によるノ
    イズであると判定された場合には、このノイズ判定期間
    中については、少なくとも上記駆動輪に制動力を作用さ
    せる制御を禁止することを特徴とする請求項26〜請求
    項35のいずれか一に記載の車輪のスリップ制御装置。
  37. 【請求項37】 磁束変化を電圧信号に変換してこの磁
    束変化の周波数に対応した周波数のパルス信号を出力す
    る電磁ピックアップ式の車輪速センサからの出力信号に
    基づいて車輪速度を検出する車輪速度検出装置と、該車
    輪速度検出装置によって検出された車輪速度に基づいて
    駆動輪と従動輪との速度差を演算し、この演算値が所定
    値を越える場合には、上記駆動輪に制動力を作用させる
    制御とエンジン出力を低下させる制御の少なくともいず
    れか一方を行うトラクション制御手段とを備えた車輪の
    スリップ制御装置であって、 上記トラクション制御を行っても上記駆動輪の車輪速度
    が変化しない場合には、該駆動輪の車輪速センサからの
    出力信号は外部磁界の変化によるノイズであると判定さ
    れ、このノイズ判定期間中については、上記トラクショ
    ン制御の実行が禁止されることを特徴とする車輪のスリ
    ップ制御装置。
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