JP3447075B2 - フレキシブル回路基板 - Google Patents

フレキシブル回路基板

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JP3447075B2
JP3447075B2 JP02230193A JP2230193A JP3447075B2 JP 3447075 B2 JP3447075 B2 JP 3447075B2 JP 02230193 A JP02230193 A JP 02230193A JP 2230193 A JP2230193 A JP 2230193A JP 3447075 B2 JP3447075 B2 JP 3447075B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリイミドフィルムと銅
薄膜で構成されるフレキシブル回路基板用材料に関し特
に、銅薄膜とポリイミドフィルムの接着性において高温
耐久性の良好なフレキシブル基板用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】絶縁性ポリマーフィルム上に金属フィル
ムが形成されたフレキシブル回路基板は膜厚約10μm
以上の金属フィルムとポリマーフィルムとを接着剤で接
合してものがあるが、接着剤の熱的特性がポリマーフィ
ルムの性能に劣ることや金属フィルムの膜厚が10μm
以上と厚いために、数10μmの微細加工が困難である
等の理由から半導体産業における高密度配線に対応でき
ない、寸法安定性が悪い、製品にそりがある等の問題が
あった。これを解決するために接着剤なしで金属フィル
ムを形成する技術が検討されてきた。これは、真空蒸
着、スパッタリング等の薄膜形成方法により金属薄膜を
形成した後、回路パターンの形成を行うものである。こ
の材料においては金属薄膜の膜厚が1μm以下と薄いた
め数10μm幅の微細加工も容易である。
【0003】すなわち、上記のごとくして形成された回
路パターンを基にしてそのパターン上に電解メッキ等に
よりさらに金属層を堆積、成長させることにより、微細
加工された導電体を形成する技術である。なお、後者の
技術は半導体産業における高密配線を可能にする技術で
あるが、回路形成工程や電解メッキ工程等の後工程にお
いて接着力の低下が問題となっていた。特開平02ー9
8994号公報には0.01〜5μmのクロム層をスパ
ッターで形成すること、特開昭62−181488号公
報には5〜1000nmのニッケル層やニッケル−クロ
ム層を蒸着で形成すること、特開昭62−62551号
公報にはクロム層を蒸着で形成するすること、特公昭5
7−18357号公報にはニッケル、コバルト、ジルコ
ニウム、パラジュウム等の金属層をイオンプレーティン
グ法で形成すること、特公昭57ー18356号公報に
はニッケル、ニッケル含有合金層をインオプレーティン
グ法で形成することを等の技術がすでに開示されてい
る。
【0004】しかしながら、これらの公知の技術は一部
成功をおさめているものの、半導体産業における高密度
配線を可能にするための材料としては、未だ満足される
性能にはなく実用化の足かせになっていた。すなわち、
リソグラフィー技術を用いる回路パターン形成工程や通
電抵抗の低下や機械的強度向上のための形成パターン上
に金属層を積層する電解メッキ工程等において金属層が
ポリイミドフィルムから剥離する問題は一部解決された
ものの、金属層/ポリイミドフィルムからなるフレキシ
ブル回路基板のめざす本来の特徴である耐熱性において
充分な性能が達成できなかった。例えば、空気中で15
0℃程度の温度に24時間保持するだけで、金属層とポ
リイミドフィルムの接着性が著しく低下するという問題
が発生していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等が
接着性低下の原因を鋭意検討したところ、ポリイミドフ
ィルムを通して透過する反応性の気体が接着性に影響を
与えていることを見いだし、さらに、通過する気体を遮
断するためのガスバリヤー性の層を設けることで接着性
の低下を防ぎ得ることを見いだした(特願平04−18
3700)。この結果、金属層/ポリイミドフィルムか
らなるフレキシブル回路基板材料を前述のごとき過酷な
プロセスをもつ半導体産業において実用に供することが
可能なものを得ることができた。具体的な例を示せば、
ガスバリヤー層としてポリイミドフィルムの片面に、テ
トラメチルジシロキサンと酸素を原料としたプラズマ化
学気相蒸着法(P−CVD法)により、実質的に酸化珪
素層を30〜300nm厚みで形成する方法を提案し
た。かかる方法は、フィルムのガスバリヤー性を飛躍的
に向上させ、従って、高温強度の劣化おも抑制すること
を見いだした。しかしながら、かかるフィルムに対し曲
げや切断といった2次加工を施した試料の中には加熱試
験を行うと接着性の低下が見られるものがあるという別
の新規な問題に遭遇した。そこで、さらにその原因を鋭
意調査したところ、曲げ加工や切断加工がガスバリヤー
層に欠陥を生じせしめていることが原因であること見い
だした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、2次加工
時の性能低下を克服するために、可撓性を向上させる方
法について鋭意研究したところ、酸化珪素の層の上に好
ましくはガスバリヤー性の高分子層を少なくとも単層積
層することにより上記課題が解決できることを見いだし
本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、ポリイミドフィルム
と、当該ポリイミドフィルムの主面上に下地金属の薄膜
が形成され、その上に回路用の銅の薄膜が形成されてな
る多層膜と、当該ポリイミドフィルムのもう一方の主面
少なくとも酸素と有機珪素化合物を用いたプラズマ化
学気相蒸着法で形成された酸化珪素の層と高分子層が積
層された、酸素透過率が、1cc・m -2 ・day -1 以下
であるガスバリヤー層が形成されるフレキシブル回路基
板材料、であり高分子層が、ポリビニルアルコール、
ポリ塩化ビニリデンおよびエチレン・ビニルコール共重
合体においてエチレン共重合比率が30〜50モル%の
ものの群からすくなくとも1つ選ばれたガスバリヤ性の
層であるフレキシブル回路基板材料、である。
【0008】すなわち、本発明は、金属/ポリイミドフ
ィルムからなるフレキシブル回路基板材料のポリイミド
フィルムの金属が積層されていない側の主面上に、酸化
珪素からなるガスバリヤー層を設け、該酸化珪素の層の
外側にさらにガスバリヤー性の高分子層を積層すること
によって、高温試験時の特性を劣化のみならず2次加工
時の性能劣化が大幅に緩和されたフレキシブル回路基板
材料を提供するものである。
【0009】まず、図面について説明するに、図1〜2
は本発明のフレキシブル回路基板用材料の一実施例を示
すものであって、1はポリイミドフィルム、2は下地金
属の層、3は銅薄膜、4は回路用銅膜、5は酸化珪素
層、6はガスバリヤー性高分子層を示すものである。
【0010】以下、これら図面を参照しつつ本願発明を
説明する。すなわち、本発明は、ポリイミドフィルム1
と、当該ポリイミドフィルムの主面上に下地金属の薄膜
2が形成され、その上に銅の薄膜4が形成されてなる多
層薄膜と、および当該ポリイミドフィルムのもう一方の
主面上に形成された酸化珪素層上にさらに少なくとも単
層のガスバリヤー性高分子層が形成されてなるフレキシ
ブル回路基板材料、でありポリイミドフィルムのもう
一方の主面に形成された酸化珪素と高分子層の酸素ガス
透過率が、1cc・m-2・day-1以下であるフレキシ
ブル回路基板材料、である。
【0011】本発明における酸化珪素層の厚さは、ガス
バリヤー性を保ちながら密着性を保てればよく、30〜
3000nmが好ましく、より好ましくは60〜200
nmである。膜厚が薄すぎるとガスバリヤー性が充分で
なく、厚すぎるとポリイミドフィルムとの密着性が低下
する傾向がある。
【0012】酸化珪素層の作製法としては、物理気相蒸
着法ならびに化学気相蒸着等があるが、本発明では、化
学気相蒸着法を用いる。
【0013】本発明で使用する化学気相蒸着法(CV
D)法は、プラズマCVD法である。。原料としてはシ
ラン、ジシラン、テトラエチルオルソシラン、テトラメ
チルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン等の珪素
化合物と酸素を用いることが好ましい。有機珪素化合物
であれば必ずしも上記のものに限定されるものではな
く、各種シラノール、各種シラザン等も使用し得る。基
板が高分子である場合にはより好ましくは、テトラメ
チルジシロキサンと酸素を用いたプラズマCVD法であ
り、当該方法により、酸素透過率が、1cc・m-2・d
ay-1以下のガスバリヤー層を形成することが可能であ
る。
【0014】高分子の層は、ポリイミド層と協働して、
酸化珪素層を挟み込むように形成することが重要であ
る。驚くべきことにかかる構成を取ることにより、ガス
バリヤー層の可撓性が著しく向上するのである。高分子
の層は、可撓性があり、かつ、ガスバリヤー性が高いも
のが望ましく、具体的に示すならば、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコー
ル共重合体においてエチレン共重合比率が30〜40モ
ル%のものの群からすくなくとも1つ選ばれた層が好ま
しく、特に、ポリビニルアルコールが好ましい。高分子
層の形成には公知の湿式コート法を用いることができ
る。具体的に示すならば、バーコート、スピンコート、
ロールコート、リバースロールコート、ディップコート
等である。目的とする高分子層のモノマーを含有する溶
液を上記の方法でコートした後、重合させ被膜層を形成
する。高分子層の厚みの上限には特に臨界的な制限はな
いが、その効果を奏するに必要充分な範囲を示すなら
ば、1から50μmが好ましく、より好ましくは5から
20μmである。
【0015】回路形成の目的のためにポリイミドフィル
ムのもう一方の主面上に形成される下地金属の薄膜につ
いては、酸化安定性に優れた金属や合金であるニッケ
ル、クロム、チタン、モリブデン、タングステン、亜
鉛、インジュウム、シリコン、インジュウウム−錫合
金、ニッケル系合金(ニクロム、インコネル、ハステロ
イ、ニモニック、モネル等)および鉄系合金(ステンレ
ス、インコロイ等)、アルミニウムおよびアルミニウム
合金、珪素、非晶質珪素さらに、これら金属の酸化物、
窒化物、炭化物、硼化物等が有用である。下地金属の厚
さは30〜100nmで充分である。30nm未満であ
ると本発明の効果が充分に発揮されなくなる。100n
mを越えて膜厚を増大させると導電率の低下、エッチン
グによる回路加工性の低下、コストの増加等の問題が顕
在化してくる。
【0016】下地金属上に形成される銅薄膜は、当業者
が容易に理解するところの回路形成用の材料である。本
発明においては、それ以上の特に限定される要件はな
い。好ましくは純度99.99%以上の銅が用いられ
る。銅薄膜は100nm以上の膜厚に形成されるが、本
発明はフレキシブル回路基板であり、そのままで用いら
れるよりもメッキ工程、半田工程を経て回路が形成され
る。これらの後工程のことを考慮すると回路加工を容易
にするためには膜厚は200nm以上であることが望ま
しい。なお、銅薄膜は酸化珪素層5、透明高分子層6の
上に形成されてもよい。
【0017】下地金属層ならびに導薄膜の形成は、真空
蒸着法、イオンプレティーング法、スパッタリング法、
CVD法等乾式の形成方法はもちろん、浸漬法、印刷法
等の湿式の薄膜形成方法も利用することができる。薄膜
の接着性や薄膜の制御性に優れたスパッタリング法が特
に用いるに好ましい方法である。スパッタリングの方法
において、特に限定される条件はない。形成すべき薄膜
に対応させて適宜ターゲットを選択して用いることは当
業者の理解するところである。スパッタリングの方法に
も限定される条件はなく、DCマグネトロンスパッタリ
ング、高周波マグネトロンスパッタリング、イオンビー
ムスパッタリング等の方法が有効に用いられる。
【0018】ポリイミドフィルムの膜厚は特に限定され
る条件はないが、通常25μm〜125μmの膜厚のポ
リイミドフィルムが用途に応じて適宜選択されて用いら
れる。ポリイミドフィルムとして具体的な例を示すとす
れば、カプトン、ユーピレックス、アピカル等の商品名
として、市場で入手できるポリイミドフィルムを有効に
用いることができる。さらに、ピロメリット酸無水物、
ビフタル酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無
水物、オキシジフタル酸無水物、ハイドロフランジフタ
ル酸無水物等の酸無水物とメトキシジアミノベンゼン、
4,4’−オキシジアニリン、3,4’−オキシジアニ
リン、3,3’オキシジアニリン、ビスジアニリノメタ
ン、3,3’−ジアミノゼンゾフェノン、p,p−アミ
ノフェノキシベンゼン、p,m−アミノフェノキシベン
ゼン、m,p−アミノフェノキシベンゼン、m,m−ア
ミオフェノキシベンゼン、クロル−m−アミノフェノキ
シベンゼン、p−ピリジンアミノフェノキシベンゼン、
m−ピリジンアミノフェノキシベンゼン、p−アミノフ
ェノキシビフェニル、m−アミノフェノキシビフェニ
ル、p−ビスアミノフェノキシベンジスルホン、m−ビ
スアミノフェノキシベンジスルフォンp−ビスアミノフ
ェノキシベンジルケトン、m−ビスアミノフェノキシベ
ンジルケトン、p−ビスアミノフェノキシベンジルヘキ
サフルオロプロパン、m−ビスアミノフェノキシベンジ
ルヘキサフルオロプロパン、m−ビスアミノフェノキシ
ベンジルヘキサフルオロプロパン、p−ビスアミノフェ
ノキシベンジルプロパン、o−ビスアミノフェノキシベ
ンジルプロパン、m−ビスアミノフェノキシベンジルプ
ロパン、p−ジアミノフェノキシベンジルチオエーテ
ル、m−ジアミノフェノキシベンジルチオエーテル、イ
ンダンジアミン、スピロビジアミン、ジケトンジアミン
等のアミンと反応、イミド化して形成されるポリイミド
も本発明に効果的に用いることができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明は以下の実施例になんら制限される
ものではない。 (実施例1)ポリイミドフィルムとして、膜厚が50.
8μmのカプトン−V(デュポン社製)を用い、この片
面上に、ヘリウムをキャリヤーガスとして用いたテトラ
メチルジシロキサン(以下TMDSOと略記する)と酸
素とを、平行平板型のプラズマCVD装置の内に導入
し、13.56MHzの高周波で放電させ、酸化珪素の
層を100nm厚に形成した。その時の成膜条件を表1
に示す。当該フィルムの酸化珪素を形成した面に対し
て、ゴーセノールKH−17(日本合成化学製)を純水
に10容量%まで希釈した溶液をバーコート法により
7.5μm厚にコートし、120℃で10分間乾燥させ
ることによりポリビニルアルコール層を形成した。当該
フィルムの酸素透過率をASTM D−1434に準拠
して測定したところ、0.81cc・m-2・day-1
あった。
【0020】当該フィルムのもう一方の主面上に銅をタ
ーゲットにして、酸素のグロー放電で処理した後、クロ
ムをターゲットとして、DCマグネトロンスパッタリン
グ法により厚さ50nmのクロム薄膜層を下地金属の薄
膜として形成した後、真空状態を破ることなく、銅をタ
ーゲットにして、連続的にDCマグネトロンスパッタリ
ングにより、当該クロム薄膜に接して、平均膜厚が約6
00nmの銅薄膜を積層した。次に、当該銅薄膜の上に
銅の電解メッキを施すことにより回路用の銅膜の厚みを
20μmとした。
【0021】かかる方法で得た回路用銅膜のポリイミド
フィルムに対する接着力を測定したところ、常態強度で
平均1.4kg/cmであった。これを、150℃のオ
ーブンに入れ、10日間保持した後、同様に接着力を測
定したところ、平均1.3kg/cmであり、接着力は
92.9%低下したものの、依然として1.0kg/c
mを越える高い接着力を保持することを確認した。
【0022】一方、150℃のオーブンに入れる前に、
当該フィルムを直径10mmのステンレス製の丸棒に裏
表5回ずつ計10回巻き付けたのち、150℃のオーブ
ンに入れ、10日間保持した後、同様に接着力を測定し
たところ、平均1.3kg/cmであり、この場合にお
いても、接着力は92.9%に低下したものの、依然と
して1.0kg/cmを越える高い接着力を保持するこ
とを確認した。
【0023】
【表1】
【0024】(実施例2)実施例1において、ポリビニ
ルアルコールの層を形成する代わりに、pH調整用のピ
ロ燐酸ナトリウムを加えたクレハロンDO600(クレ
ハ化学製)溶液を、スピンコーターにより5μm厚にコ
ートし、85℃で8分間乾燥させることによりポリ塩化
ビニリデン層を形成した。当該フィルムの酸素透過率を
ASTMD−1434に準拠して測定したところ、0.
67cc・m-2・day-1であった。
【0025】かかる方法で得た回路用銅膜のポリイミド
フィルムに対する接着力を測定したところ、常態強度で
平均1.3kg/cmであった。これを、直径10mm
のステンレス製の丸棒に裏表5回ずつ計10回巻き付け
たのち、150℃のオーブンに入れ、10日間保持した
後、同様に接着力を測定したところ、平均1.2kg/
cmであり、接着力は92.3%に低下したものの、依
然として1.0kg/cmを越える高い接着力を保持す
ることを確認した。
【0026】(実施例3)実施例1において、カプトン
−Vの代わりにユーピレックス−S(宇部興産製)を用
い、さらに、ポリビニルアルコールの層を形成する代わ
りに、エチレン・ビニルアルコール共重合体(エチレン
共重合比40mol%)を、リバースロールコーターに
より5μm厚にコートし、当該フィルムの酸素透過率を
ASTMD−1434に準拠して測定したところ、0.
54cc・m-2・day-1であった。
【0027】かかる方法で得た回路用銅膜のポリイミド
フィルムに対する接着力を測定したところ、常態強度で
平均1.2kg/cmであった。これを、直径10mm
のステンレス製の丸棒に裏表5回ずつ計10回巻き付け
たのち、150℃のオーブンに入れ、10日間保持した
後、同様に接着力を測定したところ、平均1.1kg/
cmであり、接着力は91.7%に低下したものの、依
然として1.0kg/cmを越える高い接着力を保持す
ることを確認した。
【0028】(比較例1)実施例1において、酸化珪素
の層とポリビニルアルコールの層を有しないものを作製
し、銅回路基板のポリイミドフィルムに対する接着力を
測定したところ、常態強度で平均1.4kg/cmであ
った。これを、150℃のオーブンに入れ、10日間保
持した後、同様に接着力を測定したところ、低下が著し
く、0.01kg/cm以下になってしまった。
【0029】(比較例2)実施例1において、ポリビニ
ルアルコールの層を有しないものを作製し、銅回路基板
ののポリイミドフィルムに対する接着力を測定したとこ
ろ、常態強度で平均1.4kg/cmであった。これ
を、150℃のオーブンにいれ10日間保持した後に接
着強度を測定したところ1.3kg/cmと高い水準を
維持していた。しかしながら、当該フィルムを直径10
mmのステンレス製の丸棒に裏表5回ずつ計10回巻き
付けたのち、150℃のオーブンに入れ、10日間保持
した後、同様に接着力を測定したところ、平均0.4k
g/cmであり、接着力は初期状態のの28.6%に低
下し、1.0kg/cmを越える高い接着力を保持する
ことはできなかった。
【0030】(比較例3)実施例1において、酸化珪素
の層を有せず、ポリビニルアルコールの層のみを有する
ものを作製し、銅回路基板ののポリイミドフィルムに対
する接着力を測定したところ、常態強度で平均1.4k
g/cmであった。これを、150℃のオーブンにいれ
10日間保持した後に接着強度を測定したところ、平均
0.2kg/cmであり、接着力は初期状態の14.3
%に低下し、1.0kg/cmを越える高い接着力を保
持することはできなかった。
【0031】
【発明の効果】以上の実施例および比較例の示すところ
から明らかなように、本発明は半導体ICチップの高集
積化を実現するための耐熱性を充分満足しているばかり
でなく、フィルムの特性を生かす可撓性においても優れ
た特性をしめすフレキシブル回路基板用材料の技術を提
供するものであり、半導体産業にとって、極めて有用な
発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフレキシブル回路基板用材料の一実施
例の層構成
【図2】本発明のフレキシブル回路基板用材料の一実施
例の層構成
【符号の説明】
1 ポリイミドフィルム 2 下地金属層 3 銅薄膜 4 回路用銅膜 5 酸化珪素層 6 高分子層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05K 3/38 H05K 3/38 A (56)参考文献 特開 平2−249640(JP,A) 特開 昭61−79644(JP,A) 特開 平5−16284(JP,A) 特開 平6−29634(JP,A) 特開 平6−61600(JP,A) 実開 平4−120024(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 1/03 C23C 14/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミドフィルムと、当該ポリイミド
    フィルムの主面上に下地金属の薄膜が形成され、その上
    に銅の薄膜が形成されてなる多層膜と、当該ポリイミド
    フィルムのもう一方の主面上に少なくとも酸素と有機珪
    素化合物を用いたプラズマ化学気相蒸着法で形成された
    酸化珪素の層と高分子層が積層された、酸素透過率が、
    1cc・m -2 ・day -1 以下であるガスバリヤー層が形
    成されるフレキシブル回路基板材料。
  2. 【請求項2】 高分子層が、ポリビニルアルコール、ポ
    リ塩化ビニリデン、およびエチレン・ビニルコール共重
    合体においてエチレン共重合比率が30〜50モル%の
    ものの群からすくなくとも1つ選ばれたガスバリヤー性
    の層である請求項に記載のフレキシブル回路基板材
    料。
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