JP3446146B2 - 熱電発電方法及びその装置 - Google Patents

熱電発電方法及びその装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱電発電素子を利用した
熱電発電方法及びその装置に関し、特に多孔質媒体を用
いた燃焼法を組み合わせた新規な熱電発電方法及び装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ゼーベック効果を利用した熱電発
電素子は、金属の場合には例えば熱電対が、半導体の場
合には各種の熱電気変換デバイスがそれぞれよく知られ
ている。図4は半導体による熱電発電素子の一例を示
し、p型の半導体41とn型の半導体42とをΠ型に組
み合わせたものである。半導体41,42の一端側、す
なわち高温接合部には高温側電極43を共通に設け、半
導体41,42の他端側、すなわち低温側接合部には低
温側電極44,45を個別に設けている。
【0003】このような熱電発電素子によれば、高温側
接合部と低温側接合部とに温度差T=TH −TL を与え
ると、これらの両端には電圧VABが発生する。それ故、
低温側電極44と45との間に負荷を接続すると、電流
が流れ電力を取り出すことができる。
【0004】この種の熱電発電素子の最大効率ηmax
次の数式1で表わされる。
【0005】
【数1】 ただし、Mは下記の数式2で表わされる。
【0006】
【数2】 数式2中、Zは熱電発電素子の性能指数と呼ばれるパラ
メータであり、次の数3で表わされる。
【0007】
【数3】 数式3中、αはゼーベック係数、σは導電率、λは熱伝
導率である。
【0008】ところで、この種の熱電発電素子の効率は
高々10%程度にすぎない。これは、高温側接合部に加
えられる熱量をQ1 とすると、そのほとんどが2つの低
温側接合部から排熱Q2 として系外に捨てられ、(Q1
−Q2 )のわずかなエネルギーが電力に変換されるにす
ぎないという事情に起因する。しかも、発生した電力を
取り出す際には、熱電発電素子内にジュール熱が起こ
り、熱損失を増加させるという事情もある。これに対
し、ジュール熱が小さくなるような熱電発電素子の材料
として導電率のσの大きなものを選択すると、熱伝導率
λも大きくなって排熱Q2 を増加させるだけでなく、結
果的に低温側接合部の温度TL を押し上げてΔTが小さ
くなり、ゼーベック効果の低下を招くという二律相反性
の問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これに対し、本発明者
は、多孔質媒体を用いた燃焼現象について研究した結
果、多孔質媒体内に急峻な温度勾配が得られる点に着目
した。ここで、多孔質媒体とは、固体内に無数の微小な
空隙があり、しかも固体相が連続しているとともに空隙
も連続しているものであり、金属材料でいえば、例えば
セルメット(住友電気工業(株)製)なる商品で提供さ
れているものがある。
【0010】このような、多孔質媒体を用いた燃焼法で
は、多孔質媒体の両端面の間に数倍〜十数倍の著しい温
度差が生じることが確認されている。このように大きな
温度差が生じるのは、低温側接合部では可燃性ガスの連
続的供給によって冷却され、高温側接合部では平面状の
火炎によって加熱され、さらに媒体が多孔質であるため
遮熱効果が高いためである。
【0011】このような知見に基づいて、本発明は高い
熱効率の得られる熱電発電方法及び装置を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による熱電発電方
法は、多孔質の熱電発電媒体の両端面にそれぞれ電極を
配設するとともに、前記熱電発電媒体の一方の端面から
可燃性ガスを導入し、他方の端面から排出すると共に燃
焼させる燃焼反応を行うことにより、可燃性ガスを導入
する端面の電極に近い領域で最も低く、他方の端面の電
極に近い領域で最も高い温度分布を前記熱電発電媒体中
に形成し、前記電極から熱電発電電力を取り出すように
したことを特徴とする。
【0013】本発明によればまた、両端に電極を設けた
多孔質の熱電発電素子と、熱電発電素子に対して一方の
端面から可燃性ガスを導入し、他方の端面から排出する
と共に燃焼せしめる手段を備えたことを特徴とする熱電
発電装置が得られる。
【0014】なお、前記熱電発電素子としては、例えば
多孔質のp型半導体とn型半導体とを接合したものが使
用される。
【0015】
【実施例】本発明の実施例を説明する前に、本発明と密
接な関係にあり、本発明の原理ともいえる熱伝導と熱電
発電について言及する。ゼーベック効果とは、量子効果
は別途考えるとすれば、熱伝導によって誘起された図4
に破線で示すような温度分布に応じ、半導体41,42
のいずれかにおいてホールあるいは電子が励起されて起
電力が発生すると考えられているが、問題はこの電気現
象が熱伝導(自由電子あるいはフォノン)による熱移動
と連携していることが熱電変換の本質であると考えられ
ている点にある。
【0016】もし、このことが熱電変換の前提条件であ
るとすれば、高温側接合部に加えられた熱量Q1 の大半
は低温側接合部で排熱Q2 として捨てなければならない
ことになる。したがって、Q1 とQ2 のわずかな差が電
力に変換され、またQ2 は大気温度近くの低質の熱エネ
ルギーであるためほとんど利用価値が無いことになり、
高効率の熱電発電が難しいとされる背景になっている。
【0017】これに対し、本発明においては、図1に示
すように、多孔質媒体による熱電発電媒体11の中を可
燃性ガスが、図1中に白抜きの矢印で示すように、低温
側接合部12から高温側接合部13に向かう方向に流
れ、高温側接合部13側で点火して安定な平面状の火炎
14を生じさせると、可燃性ガスを導入する端面に近い
領域で最も低く、排出する端面に近い領域で最も高い温
度になる。その結果、図1中に破線で示すような高温側
H 、低温側TL の温度分布が形成される。
【0018】伝熱学では、これを対流支配によって形成
される温度場といい、熱伝導を考慮した厳密な解析によ
って明らかにすることができ、固体内の熱放射も考慮し
た理論解析により、固体内の熱伝導は温度分布形成に決
定的役割を果たすことはないことが確認されている。そ
して、可燃性ガスは熱伝導に逆らって流れて行くことに
より、低温側接合部からの排熱Q2 を大幅に低減するこ
とができ、高効率化が可能になるのである。排熱Q2
低減はまた、多孔質の熱電発電媒体内でジュール熱が生
じて低温側接合部に移動しようとする。しかし、可燃性
ガスの導入により押し戻されることになり、結果とし
て、温度分布は熱電発電媒体の熱伝導率に支配されず対
流現象によって決まることにも起因している。
【0019】図2は本発明による熱電発電装置を要部の
みについて模式的に示しており、複層のp型半導体21
とn型半導体22とを、絶縁体23を介在させて交互に
重ねて熱電発電媒体とし、この熱電発電媒体の両端には
p型半導体21とn型半導体22との直列接続体が得ら
れるように電極24,25を設けて熱電発電素子20と
して成る。p型半導体21、n型半導体22は、いずれ
も多孔質構造を有し、電極24,25も多孔質構造とし
て電極24側から電極25側へ向かう可燃性ガスの流れ
を実現できる構造にされている。
【0020】このような熱電発電素子に対して、電極2
4側から電極25側に向けて可燃性ガスを導入し、電極
25側で点火(点火手段は図示省略)して燃焼反応を生
じさせると、温度分布は可燃性ガスを導入する端面にお
けるn型半導体とp型半導体の接合部で最も低い温度T
L となり、可燃性ガスを排出する端面におけるp型半導
体とn型半導体の接合部で最も高い温度TH となる。そ
の結果、電極24と25との間には温度差(TH
L )にもとづく起電力が発生し、電力を得ることがで
きる。
【0021】熱電発電素子の材料は、前述した数式3に
おける分子α2 σの大きい材料が好ましく、このような
材料としては半導体が最適であるが、これに限らず、熱
電対用の金属のほか、熱電発電効果のある材料であれば
多孔質の金属あるいはセラミックス材料であっても利用
可能である。例えば、半導体を多孔質にするには、粒子
状あるいは粉末状にした半導体材料をプレスし、焼結す
ると粉末の一部が相互に接合し、しかも粉体の間に微小
な空隙ができる。金属の場合も同様な方法でできる。多
孔質体は空隙部及び固体部が連続していればよく、たと
えば前記材料からなる金網や繊維の集合体でもよい。こ
のほか、熱電対用の金属の場合には、多数の熱電対をそ
の低温側接合部及び高温側接合部がそれぞれ可燃性ガス
導入側及び排出側の電極になるように束ねるとともに各
熱電対を電気的に直列接続するように電極を構成して実
現することもできる。
【0022】図3は本発明の効果を確認するための熱電
対用の実験装置を示す。本装置では、熱電対31は直径
1.0mm、長さ30mmのアルメル−クロメル線を3
025対直列に接続したものを用いた。これらの熱電対
を断面が2.25mm2 の正方形の貫通孔を3025個
配列した厚さ25mmのセラミックス製多孔体燃焼室3
2に配置した。このような実験装置により、一方の端面
から都市ガスを供給し、他方の端面で燃焼させた。都市
ガス導入部の熱電対の温度は70℃、燃焼部の温度は5
65℃であった。この状態で負荷抵抗RL の値を0.2
Ω及び1.0Ωとした時の熱電発電電力はそれぞれ85
W及び38Wであった。以上のような実験に基づいて、
本発明によれば上記の実験のごとき温度差が容易に得ら
れるので、温度差1000℃を得ることができれば、上
記のアルメル−クロメル熱電対(一本あたり0.14W
として)を200000〜400000本束ねて多孔体
を構成すると、本発明により得られる熱電発電電力は
2.8〜5.6kWになると考えられる。
【0023】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば多孔質媒体を用いた燃焼法により、多孔質媒体の両端
面の間に大きな温度差を生じせしめるとともに、多孔質
媒体の熱伝導率に支配されることなく低温側接合部から
放出される排熱を低減することができるので高効率の熱
電発電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための模式図である。
【図2】本発明による熱電発電装置の要部を概略的に示
した断面図である。
【図3】本発明の効果を確認するための実験装置を示し
た図である。
【図4】従来の熱電発電素子の一例を説明するための図
である。
【符号の説明】
11,20 熱電発電素子 12 低温側接合部 13 高温側接合部 14,34 火炎 21,41 p型半導体 22,42 n型半導体 23 絶縁体 24,25,43,44,45 電極

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質の熱電発電媒体の両端面にそれぞ
    れ電極を配設するとともに、前記熱電発電媒体の一方の
    端面から可燃性ガスを導入し、他方の端面から排出する
    と共に燃焼させる燃焼反応を行うことにより、前記可燃
    性ガスを導入する端面の電極に近い領域で最も低く、前
    記他方の端面の電極に近い領域で最も高い温度分布を前
    記熱電発電媒体中に形成し、前記電極から熱電発電電力
    を取り出すようにしたことを特徴とする熱電発電方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱電発電方法において、
    前記熱電発電媒体は多孔質のp型半導体と多孔質のn型
    半導体を電極部で接合したものであることを特徴とする
    熱電発電方法。
  3. 【請求項3】 両端に電極を設けた多孔質の熱電発電素
    子と、該熱電発電素子に対して一方の端面から可燃性ガ
    スを導入し、他方の端面から排出すると共に燃焼せしめ
    る手段を備えたことを特徴とする熱電発電装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の熱電発電装置において、
    前記熱電発電素子は多孔質のp型半導体と多孔質のn型
    半導体を電極部で接合したものであることを特徴とする
    熱電発電装置。
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