JP3445004B2 - プレス金型 - Google Patents

プレス金型

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JP3445004B2
JP3445004B2 JP00219595A JP219595A JP3445004B2 JP 3445004 B2 JP3445004 B2 JP 3445004B2 JP 00219595 A JP00219595 A JP 00219595A JP 219595 A JP219595 A JP 219595A JP 3445004 B2 JP3445004 B2 JP 3445004B2
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    • B30PRESSES
    • B30BPRESSES IN GENERAL
    • B30B15/00Details of, or accessories for, presses; Auxiliary measures in connection with pressing
    • B30B15/06Platens or press rams
    • B30B15/065Press rams

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、プレス金型のスリー
ブ及び上・下パンチの主要部分をセラミックで形成し
た、耐摩耗性、耐食性に優れたセラミック製プレス金型
に関する。
【0002】
【従来の技術】 プレス金型は、セラミック等の原料粉
末などを圧縮成形する際に、プレス機にセットして使用
される。プレス金型では、スリーブの内周面、上・下パ
ンチの外周面、及び上・下パンチのプレス面等が、摩
耗、腐食等により損耗する。例えば、セラミック粉末を
プレス成形する場合には、これらの個所が硬質のセラミ
ック粉末によって摩耗する。また、殺菌剤などの薬品粉
末をプレス成形する場合にも、薬品により上記した部分
が腐食される。
【0003】 そこで、これらの問題を解決するため、
従来から各種の対策が検討されており、例えば、スリー
ブや上・下パンチの摺動部及びプレス面等の要部を耐摩
耗性の大きい高強度の特殊鋼によって被覆する方法が提
案されている。しかし、この方法でも、経時的に摩耗を
起して成形品が汚染したり、摺動部の隙間が拡大して成
形粉体のロス及び製品寸法変動等が生じる上、耐食性に
も限界がある。また、実開昭61−190321号で
は、上・下パンチ及びスリーブ等の本体部は鋳鉄等の金
属材料で作製し、スリーブや上・下パンチの摺動部及び
プレス面等の要部はアルミナを主成分とする無機質材に
よって形成する方法が提案されている。しかし、アルミ
ナは靱性及び強度が低いため、摺動部が摩耗したり欠け
易く、又プレス圧で破損し易い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 さらに、特開平6−
277770号公報は、スリーブの摺動部と上・下パン
チのヘッドに、Si34 、サイアロン、部分安定化ジ
ルコニア、SiC、Al23 (アルミナ)、望ましく
はSi34 、サイアロン、部分安定化ジルコニアのう
ちの1種又は2種を組合わせたセラミックス層を形成す
ることにした。そして、スリーブ及び上・下パンチの摺
動面における表面粗さRaは0.4μm以下とすること
により、摺動面における摩擦を低減することとした。こ
のプレス金型では、金属製の軸部の外周面及び金属製ス
リーブの両端面はクロムメッキ等されて、保護されてい
た。しかし、プレス成形される粉末が腐食性である場合
などでは、クロムメッキ等されていても、金属製の軸部
の外周面及び金属製スリーブの両端面に錆が生じたりす
るときがあった。具体的には、軸部の周面、軸部の固定
面の縁、金属製スリーブの両端面が腐食等されやすい。
これらの中では、軸部の周面が成形品に接触する機会が
最も多く、次に、軸部の固定面の縁であり、金属製スリ
ーブの両端面が最も成形品に接触する機会が少ない。そ
して、成形品に接触する機会が多いほど、成形品の物性
によっては腐食を受けやすくなり、また、錆等により成
形品を汚染し易い。
【0005】
【課題を解決するための手段】 そこで、本発明では、
これらの金属製の部材の表面をセラミックス層で保護す
ることにより、腐食等を防止することとした。即ち、本
発明によれば、スリーブ(10)、及び、当該スリーブ
の内周面を摺動して内容物を圧縮する、一対のパンチ
(20、30)を有するプレス金型であって、当該一対
のパンチの各々は、金属製の軸部(22、32)と、当
該軸部に固定されているセラミックス製ヘッド(24、
34)とを有していて、当該軸部(22、32)の外周
面(22s、32s)であって当該スリーブに挿入する
ことができる部分が、セラミックス層(26、36)で
被覆されているとともに、当該スリーブ(10)が、金
属製スリーブ(12)と、当該金属製スリーブの内周面
に固定されているセラミックス製スリーブ(14)とを
有していて、当該金属製スリーブの両端面(12u、1
2v)がセラミックス層(16、18)で被覆されてい
ことを特徴とするプレス金型が提供される。
【0006】 また本発明では、当該セラミックス製
ヘッド(24)と接触している当該軸部の固定面であっ
て、当該固定面の縁(22a、32a)がセラミックス
層(27、37)で被覆されていて、このセラミックス
層(27、37)は当該軸部(22、32)の当該外周
面(22s、32s)に被覆する当該セラミックス層
(26、36)に連続していることが好ましい
【0007】 更にまた、当該セラミックス製スリーブ
(14)の軸方向の長さが当該金属製スリーブ(12)
の軸方向の長さの97〜99.5%であり、当該セラミ
ックス製スリーブの両端面が当該金属製スリーブの両端
面より軸方向に内側に位置することが好ましい。セラミ
ックス製スリーブ(14)の両端面に、特に金属製スリ
ーブ(12)と接触する隅角部には応力が集中してクラ
ックが発生し易い。そこで、セラミックス製スリーブ
(14)の両端面が金属製スリーブ(12)の両端面よ
り軸方向に内側にすることにより、隅角部における応力
を軽減することができる。
【0008】 また、当該セラミックス層(26、2
7、36、37、16、18)が、アルミナ、部分安定
化ジルコニア又は酸化クロムから実質的に構成されてい
ることが好ましい。これらのセラミックス材料は耐磨耗
性、耐食性、耐熱性に優れ、かつ、熔射により良好な被
膜が得られるためである。
【0009】 当該セラミックス層(26、27、3
6、37、16、18)がセラミックスの熔射により形
成されていることが好ましい。ここで、熔射とは、セラ
ミックス粉末を火炎、アーク、プラズマ等の熱源で溶融
させ、圧縮空気、ガスジェット等で被被覆体の表面に吹
き付けて、被覆する方法をいう。熔射する温度は熱源に
依存する。火炎熔射では約3400K、アーク熔射では
約6300K、プラズマ熔射では約10300Kであ
る。熔射する温度が高いほど、溶融するセラミックス粒
子が小さくなりより緻密な被膜が得られるため、プラズ
マ熔射を用いることが好ましい。当該セラミックス層
が、0.01〜5mmの厚さを有することが好ましく、
0.1〜0.3mmの厚さを有することが更に好まし
い。0.01mm未満のセラミックス層は、セラミック
ス層の磨耗を鑑み、好ましくない。一方、セラミックス
層が5mmより厚いときには均一に被覆する手段が限ら
れ、また、セラミックス層が欠けやすくなるからであ
る。
【0010】 当該金属製スリーブ(12)と当該セラ
ミックス製スリーブ(14)が締りばめにより締結され
ていて、当該軸部(22、32)と当該セラミックス製
ヘッド(24、34)が締まりばめにより締結されてい
て、当該軸部(22、32)を被覆する当該セラミック
ス層(26、36)の外周径は当該セラミックス製ヘッ
ド(24、34)の外周径より小さく、当該セラミック
ス製スリーブ(14)の内周面(14s)及び当該セラ
ミックス製ヘッド(24、34)の外周面(24s、3
4s)の表面粗さRaが0.4μm以下であり、当該軸
部を被覆する当該セラミックス層(26、36)の表面
粗さRaが10μm以下であることが好ましい。ここ
で、締りばめとは、例えば、金属の軸体の上にスリーブ
を固着させる場合、軸体の外径とスリーブの内径との間
に締めしろがあるものを云い、収縮ばめとも呼ばれる加
工法である。締りばめは、部材の熱収縮を利用して互い
に締結する方法で、これには焼きばめと冷却ばめとがあ
る。
【0011】
【作用】 本発明では、セラミックス層(26、36)
により、軸部(22、32)の外周面(22s、32
s)が腐食等より保護され、錆等が成形品を汚染し難く
なる。ここで、スリーブ(10)に挿入することができ
る軸部(22)の周面について説明する。パンチ(2
0、30)の全体がスリーブ(10)に挿入されるわけ
ではない。セラミックス製スリーブの軸方向の長さをL
とすると、パンチ(20、30)のパンチ面からの長さ
がLの部分がスリーブ(10)に挿入される。そこで、
軸部(22、32)の外周面(22s、32s)におい
て、パンチ面(20s、30s)からの長さがLの部分
がセラミックス層(26、36)で被覆されていればよ
い。尚、スリーブ(10)は、金属製スリーブ(12)
と、当該金属製スリーブの内周面に固定されているセラ
ミックス製スリーブ(14)とを有していて、当該金属
製スリーブの両端面(12u、12v)がセラミックス
層(16、18)で被覆されていることが好ましい。
【0012】 また、パンチ(30)のように、パンチ
の径方向が大きくなるようにテーパーが設けられている
ときががある。こういうパンチでは、パンチ面からの長
さがL以下であっても、テーパーが生じる部分より先は
スリーブに挿入することができない。従って、かかる場
合には、テーパーが生じる部分からパンチ面にかけての
周面がセラミックス層で被覆されていればよい。なお、
本発明で、パンチの周面の全てがセラミックス層で被覆
されていてもよいことは明らかである。
【0013】
【実施例】 以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。図1は本発明のプレス金型の一実施例を示す
断面概要図である。そして、図2は図1のAについての
拡大図である。
【0014】 プレス金型は、スリーブ10、並びに、
スリーブ10の周面を摺動する一対のパンチ20、30
を有する。以下、説明の便宜上、適宜パンチ20を上パ
ンチ、パンチ30を下パンチという。スリーブ10は、
金属製スリーブ12及びその周面に締まりばめで固定さ
れたセラミックス製スリーブとを有する。
【0015】 金属製スリーブ12は、フランジ13が
設けられた筒形状を有する。そして、金属製スリーブ1
2は、径方向に内側の表面12s及び径方向に外側の表
面12t、並びに、端面12u、12vを有している。
本発明では、金属製スリーブ12の端面12u、12v
がセラミックス層で被覆されていることが好ましい。こ
れにより、金属製スリーブ12の端面12u、12vの
腐食を防止することができる。
【0016】 セラミックス製スリーブ14は金属製ス
リーブ12の周面12sに固定されている。セラミック
ス製スリーブ14が金属製スリーブ12に締りばめによ
り締結されていることが好ましい。セラミックス製スリ
ーブ14の軸方向の長さは、金属製スリーブ12の軸方
向の長さより若干短く、セラミックス製スリーブの両端
面が当該金属製スリーブの両端面より軸方向に内側に位
置することいことが好ましい。具体的には、セラミック
ス製スリーブ14の軸方向の長さが金属製スリーブ12
の軸方向の長さの97〜99.5%であることが好まし
い。セラミックス製スリーブ14の両端面に、特に金属
製スリーブ12と接触する隅角部には応力が集中してク
ラックが発生し易いので、この配置により隅角部にかか
る応力を軽減することができる。
【0017】 一対のパンチ20、30がセラミックス
製スリーブ14の径方向に内側となる周面14sを摺動
して内容物を圧縮する。セラミックス製スリーブ14の
周面14s、セラミックス製ヘッド24、34の周面2
4s、34s及びセラミックス層26の表面26sの表
面粗さRaは0.4μm以下であることが好ましい。こ
れにより、一対のパンチ20、30がスリーブ10に円
滑に摺動することができる。
【0018】 パンチ20、30の各々は、金属製の軸
部22、32と、当該軸部に固定されているセラミック
ス製ヘッド24、34とを有する。セラミックス製ヘッ
ド24、34がパンチ20、30のパンチ面を付与する
ことにより、磨耗等し難くなる。そして、本発明では、
軸部22、32の外周面22s、32sが、セラミック
ス層26、36で被覆されている。ただし、本発明では
周面22s、32sの全てがセラミックス層で被覆され
ている必要はない。セラミックス製ヘッド24、34
は、軸部の固定面で軸部22、32と接触している。そ
して、軸部の固定面の縁22a、32aがセラミックス
層27、37で被覆される。軸部の固定面の中でもその
縁は特に腐食されやすいからである。このセラミックス
層27、37は軸部22、32の周面22s、32sに
被覆するセラミックス層26、36に連続している。
【0019】 セラミックス製ヘッド及びセラミックス
製スリーブに用いるセラミックスは、特にその種類を限
定するものではない。窒化珪素(Si34 )、サイア
ロン、部分安定化ジルコニア、SiC、アルミナ(Al
23 )等の耐摩耗性、耐食性に優れたものが好まし
く、Si34 、サイアロン、部分安定化ジルコニアの
うちの1種又は2種を組合わせたものが更に望ましい。
なお、特に、セラミックス製スリーブとしては、Si3
4 、サイアロン、部分安定化ジルコニアが望ましい。
【0020】(実施例1)図1のプレス金型を作製し
た。まず、上パンチ20を作製した。外径が40mm
で、高さが100mmである円柱形状の合金工具鋼SK
D11より軸部22を作製した。この軸部22の一方の
端面を旋盤加工して、内径32mm、深さ18mmの円
柱形状の凹部23を形成した。この凹部23の内径の公
差は0.025mm以下に規定した。この凹部23の中
心軸は軸部22の中心軸に一致した。
【0021】 軸部22の凹部23の回りの端面22s
にアルミナ粉末を、プラズマ熔射装置(メテコ製、出力
80kw、プラズマガス速度600m/sec、使用プ
ラズマガスは窒素)にて熔射して、厚さ0.2mmのア
ルミナからなるセラミックス層27を被覆した。
【0022】 また、外径が45mmで高さが50mm
である円柱形状の部分安定化ジルコニアよりヘッド24
を作製した。このヘッドの一方の端面の周囲を研削加工
して、外径が32mmで高さが18mmの円柱形状の凸
部25を形成した。この凸部25の外径の公差は0.0
26〜0.042mmに規定した。この凸部25の中心
軸はヘッド24の中心軸に一致した。軸部22を電気炉
にて200℃に加熱した。そして、電気炉より軸部22
を取り出した後、即座にヘッド24の凸部25を軸部2
2の凹部23に挿入した。そして、そのまま放置して室
温まで冷却した。次いで、軸部22の周面を熔射によ
り、アルミナからなるセラミックス層26を被覆した。
軸部22の端面22sから軸方向に80mmの範囲の周
面を被覆した。セラミックス層26の外周径はセラミッ
クス製ヘッド24の外周径より約1〜2mm小さい。こ
れにより、セラミックス層26の表面26sと、セラミ
ックス製スリーブの周面14sとの摩擦が低減して、上
パンチ20がスリーブ10の内周面を摺動し易くなる。
同様にして、下パンチ30を作製した。
【0023】 次に、スリーブ10を作製した。外径が
120mmで、内径が72mmで、高さが100mmで
ある円筒形状の合金工具鋼SKD11より金属製スリー
ブ12を作製した。この金属製スリーブ12の端面12
u、12vにアルミナを熔射して、厚さが0.2mmで
ある、アルミナからなるセラミックス層16、18を被
覆した。次いで、金属製スリーブ12の周面12sを旋
盤加工して、内径を75mmとした。ここで、内径の公
差は0.030mm以下に仕上げた。
【0024】 また、外径が78mmで、内径が45m
mで、高さが99mmである円筒形状である部分安定化
ジルコニアをセラミックス製スリーブ14として作製し
た。セラミックス製スリーブ14の径方向に外側の外周
面14tを研削して、外径を75mmとした。このと
き、外径の公差は0.043〜0.062mmに規定し
た。金属製スリーブ12を電気炉にて200℃に加熱し
た。そして、電気炉より金属製スリーブ12を取り出し
た後、即座にセラミックス製スリーブ14を金属製スリ
ーブ12の内側に挿入した。このとき、セラミックス製
スリーブ14の両端面は、金属製スリーブ12の両端面
より軸方向に内側に0.5mmほど引っ込むようにし
た。そして、そのまま放置して室温まで冷却した。
【0025】 前記のプレス型、即ち、スリーブ10及
び一対のパンチ20、30を用いて、塩素系殺菌剤の粉
末を成形するプレス成形試験を行った。スリーブ10及
び一対のパンチ20、30をプレス機にセットした。具
体的には、金属製スリーブ12をプレス機にネジ止めし
た。一回のプレス操作では、まず、ホッパーより塩素系
殺菌剤粉末をプレス型の内部に充填した。そして、一対
のパンチを操作して、1200kg/cm2 の圧力でプ
レス成形をした。最後に、成形体をイジェックターにて
押し出して取り出した。ここで、1回のプレス操作は1
0秒に設定し、1分に6回のプレスを行った。このプレ
ス操作を1日に8時間繰り返した。そして、1カ月に一
度の点検を行い、1カ月に20日、6カ月間継続した。
【0026】 その後、プレス型をプレス機から取り外
し、プレス型の外観を目視で点検した。錆、割れ、セラ
ミック部分の欠けなど、何の異常も認められなかった。
また、殺菌剤の成形体に異物が混入することもなかっ
た。これらの結果を表1にまとまる。
【0027】
【表1】 表1の点検結果において、左欄は成形品の点検結果を、
右欄はプレス型の点検結果を示す。また、PSZは、部
分安定化ジルコニアを意味する。
【0028】(実施例2)アルミナ熔射ではなく、厚さ
が0.1mmのガラスコーテンィングを施したことのみ
が異なる、実施例1と同一のプレス型を作製した。ここ
で、ガラスにはケイ酸ガラスを用いた。そして、実施例
1と同様のプレス成形試験を行った。6カ月に及ぶ試験
後に、プレス型を取り外し、プレス型の外観を目視で点
検した。上パンチ20及び下パンチ30の嵌合部付近の
軸部22、32に若干の錆が発生していた。その他の部
位には異常が認められなかった。また、殺菌剤の成形体
に異物が混入することもなかった。
【0029】(比較例1)セラミックス部品を用いてい
ない、プレス型を作製した。このプレス型のサイズは実
施例1のプレス型と同一であり、合金工具鋼SKD11
からなる。上パンチ及び下パンチの外周面及びプレス
面、並びに、スリーブの両端面及び内周面には、厚さが
0.03mmの硬質クロムメッキを施した。そして、実
施例1と同様のプレス成形試験を行った。試験を開始し
てから1カ月後に、上パンチ及び下パンチのプレス面及
び周面、並びに、スリーブの内周面に錆が発生し始め、
また、殺菌剤の成形体にも錆が混入するときがあった。
更に、試験を継続したところ、試験を開始してから3カ
月で、上パンチ及び下パンチとスリーブとでかじりが発
生し、プレス機が作動しなくなった。プレス型を取り外
し、プレス型の外観を目視で点検したところ、上パンチ
及び下パンチのプレス面及び外周面、並びに、スリーブ
の内周面の全体に錆が発生し、硬質クロムメッキは殆ど
残っていなかった。特に上パンチ及び下パンチのプレス
面及び周面にかけての腐食が著しかった。
【0030】(比較例2)アルミナ熔射ではなく、厚さ
が0.03mmのクロムメッキを施したことのみが異な
る、実施例1と同一のプレス型を作製した。そして、実
施例1と同様のプレス成形試験を行った。試験を開始し
てから1カ月後に、上パンチ及び下パンチのプレス面及
び外周面であって固定面の近傍、並びに、金属製スリー
ブの端面に錆が発生し始めた。更に、試験を継続したと
ころ、試験を開始してから3カ月で、上パンチ及び下パ
ンチのプレス面及び周面の全体、並びに、金属製スリー
ブの端面に錆が認められた。そして、試験を開始してか
ら4カ月後に、殺菌剤の成形体にも錆が混入するときが
あった。試験を開始してから6カ月後に、プレス型を取
り外し、プレス型の外観を目視で点検したところ、上パ
ンチ及び下パンチのプレス面及び外周面、並びに、スリ
ーブの内周面の全体に錆が発生し、硬質クロムメッキは
殆ど残っていなかった。特に上パンチ及び下パンチの固
定面から周面にかけての腐食が著しかった。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のプレス金
型によれば、金属部材が腐食し難くなり、金型の寿命が
伸びる。また、スリーブと一対のパンチとの摺動による
金型のかじり傷が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のセラミックス製プレス金型の一実施
例を示す断面説明図である。
【図2】 図1のA部分の拡大図である。
【符号の説明】
10・・・スリーブ、12・・・金属製スリーブ、12・・・周
面、13・・・フランジ、14・・・セラミックス製スリー
ブ、14s・・・周面、16・・・セラミックス層、18・・・
セラミックス層、20・・・上パンチ、20s・・・パンチ
面、22・・・軸部、22a・・・縁、22s・・・周面、23・
・・凹部、24・・・セラミックス製ヘッド、25・・・凸部、
26・・・セラミックス層、28・・・セラミックス層、30
・・・下パンチ、30s・・・パンチ面、32・・・軸部、32
a・・・縁、32s・・・周面、33・・・凹部、34・・・セラミ
ックス製ヘッド、35・・・凸部、36・・・セラミックス
層、38・・・セラミックス層、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B30B 11/02 B21D 37/01 B21D 37/20 B21J 1/00 - 13/14 B21J 17/00 - 19/04 B21K 1/00 - 31/00 C23C 4/10

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スリーブ、及び、当該スリーブの内周面
    を摺動して内容物を圧縮する、一対のパンチを有するプ
    レス金型であって、 当該一対のパンチの各々は、金属製の軸部と、当該軸部
    に固定されているセラミックス製ヘッドとを有してい
    て、 当該軸部の周面であって少なくとも当該スリーブに挿入
    することができる部分が、セラミックス層で被覆されて
    いるとともに、 当該スリーブが、金属製スリーブと、当該金属製スリー
    ブの内周面に固定されているセラミックス製スリーブと
    を有していて、当該金属製スリーブの両端面がセラミッ
    クス層で被覆されている ことを特徴とするプレス金型。
  2. 【請求項2】 当該セラミックス製ヘッドと接触してい
    る当該軸部の固定面であって、当該固定面の縁がセラミ
    ックス層で被覆されていて、このセラミックス層は当該
    軸部の当該周面に被覆する当該セラミックス層に連続し
    ている求項1に記載のプレス金型。
  3. 【請求項3】 当該セラミックス製スリーブの軸方向の
    長さが当該金属製スリーブの軸方向の長さの97〜9
    9.5%であり、当該セラミックス製スリーブの両端面
    が当該金属製スリーブの両端面より軸方向に内側に位置
    する請求項1又は2に記載のプレス金型。
  4. 【請求項4】 当該セラミックス層が、アルミナ、部分
    安定化ジルコニア又は酸化クロムから実質的に構成され
    ている請求項1〜3のいずれか1項に記載のプレス金
    型。
  5. 【請求項5】 当該セラミックス層がセラミックスの熔
    射により形成されている請求項1〜4のいずれか1項
    記載のプレス金型。
  6. 【請求項6】 当該セラミックス層が、0.01〜5m
    mの厚さを有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    プレス金型。
  7. 【請求項7】 当該金属製スリーブと当該セラミックス
    製スリーブが締りばめにより締結されていて、当該軸部
    と当該セラミックス製ヘッドが締まりばめにより締結さ
    れていて、当該軸部を被覆する当該セラミックス層の外
    周径は当該セラミックス製ヘッドの外周径より小さく、
    当該セラミックス製スリーブの内周面及び当該セラミッ
    クス製ヘッドの外周面の表面粗さRaが0.4μm以下
    であり、当該軸部を被覆する当該セラミックス層の表面
    粗さRaが10μm以下である請求項2〜6のいずれか
    1項に記載のプレス金型。
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