JPH03240940A - プラスチック成形機用スクリューおよびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はプラスチック成形機用スクリューおよびその製
造方法にかかわるもので、とくに中間的な特性を有する
少なくとも一層の中間金ＰＡｍを形成することにより製
品の割れを防止するとともに、耐摩れ性および耐腐食性
に優れた製品を安価に製造可能としたことを特徴とする
ものである。

［従来の技術］ 従来型のプラスチック成形機用スクリューとしては、窒
化鋼を用いたもの、あるいは構造用合金鋼に硬質クロム
メツキを施工したものなどがあるが、耐摩耗性および耐
腐食性が不足するため、過酷な使用環境においてはスク
リューの寿命が短い。

したがって、スクリューその他の製品の耐摩耗性および
耐腐食性を改善するために、その表面にこうした特性に
優れた合金層を形成することが行われている。

一例として特開昭６３−１６２８０１号に開示されてい
る樹脂加工機械用スクリューの製造法を第７図にもとづ
き概説する。

第７図は上記製造法の一工径を示す断面図で、耐摩耗性
および耐腐食性の合金粉末を冷間静水圧加圧処理（ＣＩ
Ｐ）によりスクリュー形状に形成して円筒状の圧粉体１
を得る。この円筒状の圧粉体１の中に焼結接合用芯金２
を挿入し、熱間静水圧加圧処理（ＨＩＰ）により円筒状
の圧粉体１の成形、および焼結接合用芯金２との接合を
行う。

最後に加工ないし研削により製品形状とする。

しかしながらこの製造方法では冷間静水圧加圧処理（Ｃ
Ｉ　Ｐ）を必要とするため、コストアップになるという
問題がある。

従来の製造方法の他の例としては、第８図に示すように
、耐摩耗性および耐腐食性の合金粉末３をスクリュー母
材４と円筒状のカプセル５との間に充填し、熱間静水圧
加圧処理（ＨＩＰ）により上記合金粉末３を焼結し、カ
プセル５を除去後、製品形状に加工することも行われて
いる。

この従来の方法では、焼結した状態の合金粉末３が硬質
であるため、ＨＩＰ成形後スクリュー形状に加工する工
程のコストが高いという他の問題がある。また、こうし
た製品形状に類似する外形を成形するニアネット成形が
必要であるために、このスクリューを含めて三次元的に
複雑な形状を有する製品の場合には、上記カプセル５に
相当するカプセルの製作コストが上昇するという問題も
ある。

さらに、所定形状のスクリュー母材にＣＯ基合金ないし
はＮｉ基合金を溶射処理や焼結処理することにより耐摩
耗性および耐腐食性を増強するものもある。

しかしながら、炭素鋼あるいは工具鋼などスクリュー母
材の鉄系合金の外表面に上記Ｇｏ基やＮｉ基の合金層を
ライニングしているため、これら材質の異なるスクリュ
ー母材とライニング合金層との間で熱膨張係数の相違に
起因する熱応力の発生のため、加熱および加圧処理を行
うＨＩＰ処理時に割れやすい等の問題が考えられる。

［発明が解決しようとする課！［］ 本発明は以上のような諸問題にかんがみてなされたもの
で、従来のようにＣＩＰ処理を必要とせず、さらにライ
ニングした合金層とスクリュー母材との間の熱膨張係数
の相違による製品の割れを防止することも可能な耐摩耗
性および耐腐食性のあるスクリュー、およびこうしたス
クリューを安価にかつ確実に製造可能なプラスチック成
形機用スクリューのＩｌ造方法を提供することを課題と
する。

［課題を解決するための手段］ すなわち第一の発明は、スクリュー母材の表面に耐摩耗
性および耐腐食性の合金層を形成したプラスチック成形
機用スクリューであって、上記スクリュー母材の表面に
形成した耐摩耗性および耐腐食性の合金層と上記スクリ
ュー母材の表面との間に形成するとともに、中間豹な特
性を有する沙なくとも一層の中間金属層を有することを
特徴とするプラスチック成形機用スクリューである。

また第二の発明は、スクリュー母材の表面に耐摩耗性お
よび耐腐食性の合金層を形成するプラスチック成形機用
スクリューの製造方法であって、上記スクリュー母材を
所定のスクリュー形状に加工してスクリュー形状母材を
準備する工程と、このスクリュー形状母材の表面に中間
的な特性を有する混合金属粉末を溶射して少なくとも一
層の中間混合金属粉末溶射層を形成する工程と、この中
間混合金属粉末溶射層の表面に耐摩耗性および耐腐食性
の合金粉末を溶射して合金粉末溶射層を形成し、ＨＩＰ
用母材を準備する工程と、このＨＩＰ用母材を熱間静水
圧加圧処理することにより上記中間混合金属粉末溶射層
および合金粉末溶射層を加圧焼結して少なくとも一層の
中間金属層および合金層を形成する工程と、上記合金層
を上記所定のスクリュー形状に合わせて加工する工程と
を有することを特徴とするプラスチック成形機用スクリ
ューの製造方法である。

なお、上記中間的な特性を有するとは、たとえば熱膨張
係数などが、スクリュー母材および合金層の材質のもの
の中間的な値を有するということである。したがって、
こうした中間的な特性を付与することにより、ＨＩＰ処
理後においてスクリュー母材および合金層の間に層間剥
離や割れを発生させることがないようにすることができ
るものである。

また、こうした中間的な特性を付与するためには、たと
えばスクリュー母材の材質と１合金層の材質とを混合し
た混合粉末層をＩＲ偏することが考えられる。

さらに、ＨＩＰ処理を行う工程としては、超塑性カプセ
ルを利用するもの、ないしはガラス粉末を溶射してカプ
セルとするもの等を採用可能である。

つぎに、第１図ないし第６図にもとづき本発明をより詳
細に説明する。まず第１図に示すような円柱状のスクリ
ュー母材１０をスクリュー形状に加工することによりス
クリュー形状母材１１を準備する（第２図）。このスク
リュー母材１０の材質としては、Ｃｒ　−Ｍ　ｏ錆、冷
間および熱間工具鋼、高速度工具鋼などがある。

またスクリュー形状母材１１の寸法としては、第２図に
示すように、最終製品（スクリュー）寸法より所定寸法
Ａ（たとえば０．５＋ｎｍ）だけ少なく設定する。

つぎに第３図に示すように、上記スクリュー形状母材１
１の表面上に溶射処理により中間的な特性を有する混合
金属粉末を溶射して中間混合金属粉末溶射層１２を厚さ
Ｂ（たとえば０．５ｍｍ）に形成する。

この混合金属粉末としては、市販のＮｉ系あるいはＧｏ
系の耐摩耗性および耐腐食性の合金粉末に、スクリュー
母材１０と同材質のＦｅ系金属粉末を３０〜７０ｗｔ％
の＠囲で混ぜ合わせた混合金属粉末を用いる。

さらに、この中間混合金属粉末溶射層１２の表面に上記
耐摩耗性および耐腐食性の合金粉末を溶射して合金粉末
溶射層１３を厚さＣ（たとえば０．５＋＋ｕｅ）に形成
する。かくしてＨＩ　Ｐ用母材１４を準備する。上記合
金粉末としてはＦｅ系、Ｎｉ系あるいはＣＯ系のものを
採用する。

つぎに第４図に示すように、上記ＨＩＰ用母材１４を、
超塑性特性を有するパイプ状の超塑性カプセル１５内に
装入する。なお、この超塑性カプセル１５にはあらかじ
め下１１１６を溶接により取り付けておき、超塑性カプ
セル１５を装入後上蓋１７を電子ビーム溶接等により真
空シールする。

上記超塑性カプセル」５の材質としては、たとえば二相
ステンレス鋼、′１”ｉ、−６Ａｌ−４Ｖなど、高温に
おいて数百〜数千パーセントの均一の延びを示す任意の
金属ないし合金その他の材ｒ↓を採用するものとする。

こうした準備の完了後、ＨＩＰ用母材１４を装入した＃
！塑性カプセル１５ををＨＩＰ処理することにより、こ
の超塑性カプセル１５をＩＩ　Ｉ　Ｐ用母材１４の外形
の山谷に接触して沿うように変形させるとともに中間混
合金属粉末溶射層１２および合金粉末溶射ＪＷ１３を真
密度になるように加圧焼結する。

こうしたＩ（Ｉ　Ｐ処理過程において超塑性カプセル１
５は均一かつ十分に変形するため、中間混合金属粉末溶
射層１２および合金粉末溶射層」３の収縮やスクリュー
の山谷に十分追随することができ、アルゴン等の圧媒ガ
スが中間混合金属粉末溶射層１２および合金粉末溶射層
１３内に侵入するなどのリークがなく、中間混合金属粉
末溶射層１２および合金粉末溶射層１３を完全に圧密化
することができる。

なおＨＩＰ条件としては、加熱温度９５０℃〜１１００
℃、加圧圧力１０００　Ｋｇｆ／　ｃボ、処理時ｆｋ１
２〜４時間である。

第５図に示すように、こうしたＨＩＰ処理によって中間
混合金属粉末溶射層１２および合金粉末溶射層１３は加
圧焼結されて収縮するとともに中間金属層１８および合
金層１９となり、ｌａ塑性カプセル１５は変形超塑性カ
プセル２０となる。

なお、このＨＩＰ処理後の冷却過程において、スクリュ
ー形状母材１１、中間金属層１８および合金層１９はそ
れぞれ収縮するが、それぞれの熱膨張係数を段階的に変
化させるようにしているので、熱応力は緩和される。し
たがって、こうした熱応力により眉間剥離あるいは割れ
が生ずることを防止可能である。

この変形超塑性カプセル２０を研削あるいはケミカルミ
ーリング等により除去する。さらに上記合金層１９を研
磨加工により、第６図に示すスクリュー（最終製品）２
１に仕上げる。

つまり本発明においては、超塑性材料をカプセルとして
用いるとともに中間混合金属粉末溶射層１２および合金
粉末溶射１１３を準備することにより、熱膨張係数の相
違による熱応力により層間剥離あるいは割れを生じさせ
ることなく、確実に被覆し加圧焼結することができる。

なお、本発明はスクリューのみならず、一般の部品に異
種材料のコーティングを施す場合に有効であり、とくに
複雑な外形を有しＨＩＰ用カプセルの製作にコストがか
かるもの、たとえば多条ネジ、あるいは混線プロペラな
どの表面に合金層を形成するために好適である。

また、中間金属層を構成するものとして中間混合金属粉
末溶射層を一層としているが、必要に応じて二層以上の
中間金属層を形成することもできる。

［作用］ 本発明によるプラスチック成形機用スクリューおよびそ
の製造方法においては、スクリュー形状にあらかじめ加
工した母材に耐摩耗性および耐腐食性の合金粉末を溶射
するとともに、このスクリュー母材と合金粉末溶射層と
の間に中間混合金属粉末溶射層を介在させて）ｉＩＰ処
理することとしたので、熱応力による層間剥離あるいは
割れを防止し、中間混合金属粉末溶射層および合金溶射
層の焼結を実現することができる。

なお、超塑性カプセルを使用した場合にはこれを簡単な
処理により除去することが可能であり、最終製品として
加工することも低コストでこれを行うことができる。

したがって、耐摩耗性および耐腐食性の合金層を、熱膨
張係数の相違に起因する熱応力による各金属層間の剥離
や割れを防止し、低コストで形成することができるもの
である。

［実施例］ つぎに本発明の一実施例を説明する 第１表に合金粉末の組成の一例を示す。

第１表 なお上記合金粉末に、たとえばＷＣ，ＮｂＣ１ＶＣなど
の炭化物、ＴｉＢ２．Ｍｏ−Ｂなどのほう化物、あるい
はＡ　ｌ　２０３、ＺｒＯ２などの酸化物等の硬質粒子
を必要に応じて添加することにより硬度の向上をはかる
こともできる。

前記中間混合金属粉末溶射ＮＪ１２を形成するための混
合金属粉末としては、上記した合金粉末にスクリュー母
材１０と同材質のＦｅ系金属粉末を３０〜７０ｗｔ％の
範囲で混ぜ合わせたものを用いた。

ＨＩ　Ｐ条件としては、既述のように、加熱温度９５０
℃〜１１００℃、加圧圧力Ｌ　ＯＯＯＫｇｆ／ｃｒｒＩ
、処理時ｒｋＪ２〜４時間である。

かくして、低コストて耐摩耗性および耐腐食性の合金層
１９および中間的な特性を有する中間金属層１８を、割
れや剥離を生じさせることなくスクリュー形状母材１１
表面上に形成することができた。

［発明の効果］ 以上のように本発明によれば、従来の粉体焼結方法にお
いて、母材の表面と合金粉末溶射層との間に中間的な熱
膨張係数を有する中間混合金属粉末溶射層を介在させる
ことにより、これらの層の間の熱応力を緩和しスクリュ
ー母材の表面を被覆させたので、従来のような高価な処
理を行うことなく、低コストで強固な合金層を有する耐
摩耗性および耐腐食性のスクリューを提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は１本発明によるプラスチック成形機用スクリュ
ーの製造方法におけるスクリュー母材１０の正面図。 第２図は同、スクリュー形状母材１１の断面図、 第３図は同、ＨＩＰ用母材１４の断面図、１４図は同、
ＨＩＰ用母材１４を超塑性カプセル１５内に装入した状
態の断面図、 第５図は同、ＨＩＰ処！！！！後の断面図。 第６図は同、スクリュー（ｉ綿製品）２１の断面図、 第７図は従来の製造方法の一工程を示す樅斯面図、 第８図は、従来の他のＩｉｌ造方法の一工程を示す縦衛
面図である。 １・・・・・・円筒状の圧粉体 ２　、、、、、、焼結接合用芯金 ３　、、、、、、耐摩耗性および耐腐食性の合金粉末４
　、、、、、、スクリュー母材 ５　、、、、、、円筒状のカプセル １０・・・・・・スクリュー母材 １１　、、、、、、スクリュー形状母材１２　、、、、
、、中間混合金属粉末溶射層１３　、、、、、、合金粉
末溶射層 １４　、、、、、、ＨＩ　Ｐ用母材 １５　、、、、、、超塑性カプセル １６　、、、、、、下蓋 １７、、、、、、上蓋 ｉ　ｓ　、、、、、、中間合金層 １９　、、、、、、合金層 ２０　、、、、、、変形超塑性カプセル２１　、、、、
、、スクリュー（最終製品）Ａ１９．スクリュー１７と
スクリュー形状母材１１の機械加工寸法との差

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）スクリュー母材の表面に耐摩耗性および耐腐食性
   の合金層を形成したプラスチック成形機用スクリューで
   あつて、 前記耐摩粍性および耐腐食性の合金層と前記スクリュー
   母材の表面との間に形成するとともに、中間的な特性を
   有する少なくとも一層の中間金属層を有することを特徴
   とするプラスチック成形機用スクリュー。
2. （２）スクリュー母材の表面に耐摩耗性および耐腐食性
   の合金層を形成するプラスチック成形機用スクリューの
   製造方法であつて、 前記スクリュー母材を所定のスクリュー形状に加工して
   スクリュー形状母材を準備する工程と、このスクリュー
   形状母材の表面に中間的な特性を有する混合金属粉末を
   溶射して少なくとも層の中間混合金属粉末溶射層を形成
   する工程と、この中間混合金属粉末溶射層の表面に耐摩
   耗性および耐腐食性の合金粉末を溶射して合金粉末溶射
   層を形成し、ＨＩＰ用母材を準備する工程と、このＨＩ
   Ｐ用母材を熱間静水圧加圧処理することにより前記中間
   混合金属粉末溶射層および合金粉末溶射層を加圧焼結し
   て少なくとも一層の中間金属層および合金層を形成する
   工程と、 前記合金層を前記所定のスクリュー形状に合わせて加工
   する工程とを有することを特徴とするプラスチック成形
   機用スクリューの製造方法。