JP3443831B2 - 太陽電池付表示部構造体並びにこれを用いた太陽電池付電子機器及び太陽電池付時計 - Google Patents

太陽電池付表示部構造体並びにこれを用いた太陽電池付電子機器及び太陽電池付時計

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JP3443831B2
JP3443831B2 JP52672697A JP52672697A JP3443831B2 JP 3443831 B2 JP3443831 B2 JP 3443831B2 JP 52672697 A JP52672697 A JP 52672697A JP 52672697 A JP52672697 A JP 52672697A JP 3443831 B2 JP3443831 B2 JP 3443831B2
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好広 比田井
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、太陽電池付表示部構造体並びにこれを用い
た太陽電池付電子機器及び時計に係り、特に時計の文字
板部分を太陽電池の受光面として構成する場合に好適な
表示部構造体に関する。
背景技術 従来、例えば、表示部に設けられた表示面の全体若し
くは一部に太陽電池の受光面を配置して、この受光面に
受けた光により発電を行うことによって、その発電によ
って得られた電力により少なくとも表示部の表示機能の
一部が稼動するように構成された装置がある。これらの
中で最も典型的なものとしては、文字板の全体若しくは
一部の代わりに太陽電池の受光面を配置した腕時計があ
る。この種の腕時計は、文字板の表面となるべき所に太
陽電池の受光面を設けているので、表示面以外の部分に
受光面を設ける必要がなくなり、受光面を設けるための
スペースを節約することができ、小さな腕時計において
もその刻時機能のための消費電力を充分に賄う発電能力
を備えた太陽電池を容易に内蔵することができる。
しかしながら、当初の太陽電池付腕時計においては、
通常であれば文字板が配置されるべき表示面に太陽電池
の受光面が露出しているために、表示面の外観が悪く、
そのデザイン化も難しいという問題点があった。第12図
には、このような時計に内蔵される太陽電池の一例の平
面図を示す。太陽電池72の表面には、間隙部72a−0に
よって4つに分割された分割部72a−1,72a−2,72a−3,7
2a−4を有する平面パターンを備えた受光面72aが形成
されている。ここで、間隙部72a−0は一般に明色の色
調を有し、分割部72a−1,72a−2,72a−3,72a−4は一般
に暗色の色調を有する。したがって、このような分割パ
ターンは表示面において極めて特異な印象を与え、デザ
イン上の大きな欠点になる。特に、時計の文字板上には
印刷、接着その他の方法により文字や装飾を付すること
が望まれるが、太陽電池の受光面72aにはこのような文
字や装飾を直接に形成することが困難であった。
そこで、従来から、第13図に示すように、太陽電池の
受光面72aの上に半透明の被覆層73を形成し、この被覆
層73によって表示面を所定の色調に見せるための技術が
提案され、例えば、実開平5−93057号等に記載されて
いる。腕時計の本体ケース(胴)70の内部には文字板受
けリング71及びダイヤルリング74が固定されており、こ
の文字板受けリング71とダイヤルリング74との間に太陽
電池72が固定される。太陽電池72の受光面72aの表面に
は被覆層73が形成されており、この被覆層73の表面が通
常の腕時計における文字板面となるように構成されてい
る。なお、指針部75は太陽電池72の中心に穿孔された軸
孔を貫通して表面側に突出し、指針部75の上方には、本
体ケース70に固定されたカバーガラス76が配置されてい
る。
この被覆層73は、所定の透過率を備えた透光性層とし
て、又は所定の波長選択散乱特性を備えた散乱層として
形成される。この場合、被覆層73において一部の光を反
射又は散乱させ、残りの透過光を受光面72aに到達させ
て太陽電池の発電に用いるようにするため、被覆層73自
体を所望の光学特性になるように調整することが重要な
ポイントとなる。このような構成においては、太陽電池
の発電機能を確保しつつ、受光面72aを被覆層73によっ
て保護できるとともに、被覆層73によって外部から見た
際の表示面に所定の色調、文字、装飾等を実現できると
いう効果を奏する。
上記のような太陽電池付時計においては、被覆層73の
光透過率が高くなると、第12図に示すような平面パター
ンに形成された太陽電池の受光面72aの暗色の分割部72a
−1,72a−2,72a−3,72a−4が、各分割部間に形成され
た明色の間隙部72a−0によって分割された形状に透け
て見えるため、表示面の外観が悪くなる。逆に、被覆層
73の光透過率が低くなると、太陽電池の受光面72aに到
達する光量が低下するため、発電量が低下して動作に支
障が生ずるという問題点がある。そのため、被覆層73に
は、表示面に所望の色調等が表れるようにしつつ、太陽
電池の発電量を確保できるだけのある程度の光透過率を
得られるように、その光学特性を調整しなければならな
い。通常は、被覆層73の所望の光学特性を得るために、
被覆層の厚さ、材質を適宜に選択、調整する必要があ
る。しかしながら、太陽電池の受光面72a上に形成でき
る材質の中で、上述のような条件を満たす材質を選択す
ることはきわめて困難であり、色調やデザイン上の制約
を充分に低減することができない。この場合にはさら
に、太陽電池の受光面72a上にさらに被覆層73を物理的
又は化学的方法によって堆積させなければならないた
め、製造コストが増大するという問題点がある。さら
に、太陽電池72上に形成した被覆層73に欠陥が存在した
り、事後的に傷が付いた場合には、高価な太陽電池72と
ともに廃棄しなければならないという問題点があった。
一方、太陽電池の受光面上に樹脂板、セラミック板、
大理石板その他の透明又は半透明板(以下、透光性板と
いう。)を配置する方法が特開平7−72266号等に記載
されている。この方法では、太陽電池の受光面上に直接
に被覆層を形成する場合に較べて製造コストを低減する
ことができ、透光性板の前面に印刷等を施すことによっ
て所望の文字や装飾を施すことができる。このように透
光性板を受光面上に配置する場合には、先の例のよう
に、被覆層の太陽電池の受光面に対する適合性に配慮す
る必要はないが、上述と同様に、表示面の外観向上と発
電量の確保とを両立させるために、厚さや材質等を選定
して透光性板の光透過率を精密に制御しなければならな
い。この場合には、外観上の観点から限られた材質によ
って透光性板を形成しようとすると、板厚が薄くなりす
ぎて組み込み作業が困難になったり、組み込み後におい
ても透光性板に撓み等の変形が発生する等の問題点もあ
る。さらにまた、透光性板の光透過率が比較的高い場合
には、太陽電池の受光面と透光性板との間の表面反射に
よって干渉縞が発生し、時計の外観を損ねるという問題
点がある。特に、透光性板を配置することによってせっ
かく表示面のデザインを良好に改善しても、干渉縞が存
在することによって製品の品位を疑われるという事態が
発生する。
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、そ
の課題は、表示面に太陽電池の受光面を配置した太陽電
池付表示部構造体において、表示面の外観を向上させる
ことができるとともに、太陽電池の発電量も比較的容易
に確保することができ、しかも製造が容易な表示部構造
体を提供することにある。また、本発明は、太陽電池の
受光面と被覆層又は透光性板とによって干渉縞が発生す
ることを防止することのできる表示部構造体を実現す
る。さらに、本発明は、干渉縞の防止を簡易かつ製造コ
ストを抑制できる方法で実現する。特に、太陽電池付表
示部構造体を適合させる対象としては、表示部の品位向
上と小型化を図ることのできる太陽電池付電子機器や太
陽電池付時計が提供される。
発明の開示 本発明は、表示部に配置された受光面を備えた太陽電
池と、前記受光面の前面側に配置された所定の光透過率
を有する透光性板とを備えると共に、前記透光性板の前
記受光面側のみに被着層が形成されて、前記被着層は、
発光体を含む材料で形成されており、前記透光性板及び
前記被着層は、前記太陽電池の発電量を確保するための
光透過特性を持つように形成されている太陽電池付表示
部構造体とするものである。
この手段によれば、透光性板の背面上に被着層が形成
されていることによって、太陽電池の受光面上に被覆層
を形成する必要がないために受光面に対する適合性を配
慮する必要がなく、しかも、被覆層の欠陥によって太陽
電池毎廃棄或いは交換する必要もなくなる。
また、透光性板の色調、模様、文字等の外観を被着層
との組み合わせによって構成することができるので、被
着層の形成面積や厚さ等を調整することによって透光性
板の材質や厚さに対する自由度が向上する。
さらに、被着層は透光性板の背面上に形成されている
ので、外光の入射面は被着層の透光性板に対する被着面
となり、この被着面は透光性板の背面によって平滑面と
なっているため、外光入射時の光反射量や光散乱量を低
減することができるから、外光の利用効率を向上させる
ことが可能である。
その上、透光性板の背面上に被着層が形成されている
ことによって、透光性板と太陽電池の受光面との間から
干渉縞(ニュートンリング)が発生することを防止でき
る。
しかも、受光面と透光性板の背面とを直接重ね合わせ
た状態で固定できるので、部品構造が簡略化され、組立
も容易になるため、製造コストを低減できる。また、透
光性板を直接に太陽電池の受光面に接触させても、被着
層を緩衝層として形成することによって透光性板の背面
や太陽電池の受光面に傷が付きにくいとともに、被着層
の表面や太陽電池の受光面が仮に傷や汚れが付いていて
も前面側から汚れが見えにくい。
また、この手段によれば、被着層が発光体を含む材料
で形成されていることによって、夜間の照明のない場所
においても、被着層から光が放出されるため、表示部を
視認することが可能になる。特に、被着層によって表示
面に特定の表示や模様等が形成されている場合には、そ
の発光によってこれらの表示や模様等を直接に視認する
ことができる。
なお、発光体としては、蛍光体、燐光体、夜光性材
料、放射性材料等の種々の発光特性を有するものが使用
でき、自己発光性を有するか否かは問わない。しかし、
これらの中でも、発光体としては、蓄光性蛍光体(蓄光
体)と呼ばれる長時間の残光を発するものが好ましく、
特に、MAl2O4(Mは、カルシウム、ストロンチウム、バ
リウムからなる群から選ばれる少なくとも1つ以上の金
属元素)からなる化合物を母結晶とする蓄光性蛍光体で
あることが望ましい。この化合物は、残光時間が長く、
化学的にも安定であり、かつ長期にわたる耐光性に優れ
ているからである。
この場合にはまた、前記被着層は、微細粒子を堆積し
ており、且つ、前記被着層の前記受光面側の表面は微細
な凹凸が形成されていることが望ましい。
この手段によれば、被着層を発光体の微細粒子を堆積
したものとすることによって、被着層の前記受光面側の
表面を微細粒子の粒径に応じた凹凸形状を備えたものと
することができ、受光面で反射された光は、被着層の凹
凸面によって散乱させられて受光面との間に光を閉じ込
め、発電に寄与することとなるため、最終的な太陽電池
の受光量を増大させる効果が得られるとともに、太陽電
池の受光面の平面パターンが透視され難くなる。
上記各手段においては、前記透光性板と前記太陽電池
の前記受光面との間に間隙が設けられていることが好ま
しい。
この手段によれば、被着層と発光面との間に間隙を設
けることによって、被着層の表面と受光面との間におけ
る乱反射により光の閉じ込め効果が得られるので、全体
としての光の利用効率を向上させることができるととも
に、間隙を設けることによって透光性板を介しての受光
面構造の透視性を低下させることができるため、透光性
板及び被着層の光透過率を高めても表示面の外観を良好
に保つことが可能になる。
また、前記被着層の表面が粗面に形成されていること
が望ましい。
さらに、前記透光性板に前記被着層の非形成領域が設
けられることによって構成された表示窓と、前記太陽電
池における前記表示窓の対応位置に形成された開口部と
が設けられ、該開口部の背面側構造部が前記表示窓を通
して視認可能に構成されていることが好ましい。
この手段によれば、被着層の非形成領域により構成さ
れた表示窓を通して太陽電池の開口部の背面側構造部を
視認することができるようになるため、太陽電池の背後
に種々の情報表示体を配置して表示を行うことができる
とともに、別途の保護窓等を設けることなく透光性板自
体によって構成される表示窓により情報表示体を保護す
ることができる。
さらに、前記被着層は、前記透光性板の背面上に選択
的な平面パターンで形成されていることが好ましい。
この手段によれば、透光性板の背面上に選択的な平面
パターンで被着層を形成することによって、表示面に平
面パターンに応じた種々の模様を構成することできる。
この場合にはまた、前記被着層は可視光の波長よりも
厚く形成されており、前記被着層を前記太陽電池の前記
受光面に接触させることによって、前記被着層の形成さ
れていない前記透光性板の背面と前記太陽電池の受光面
との間に前記被着層の厚さに応じた間隙が設けられてい
ることが望ましい。
この手段によれば、被着層を可視光の波長よりも十分
に厚く形成することによって、透光性板と受光面との間
に可視光の波長よりも十分に大きな間隙を形成すること
ができるため、透光性板における被着層の非形成領域の
背面と受光面との光反射によって干渉縞(ニュートンリ
ング)が発生することを防止することができる。また、
受光面と透光性板の裏面とを直接重ね合わせた状態で固
定できるので、部品構造が簡略化され、組立も容易にな
るため、製造コストを低減できる。
さらに、前記被着層は、前記太陽電池と前記透光性板
の少なくとも一方が他部材によって押圧固定される部分
に対応した領域に形成されていることが好ましい。
この手段によれば、他部材、例えば腕時計の場合にお
ける文字板受けリングやダイヤルリング等により太陽電
池及び/又は透光性板を押圧固定する部位に被着層を形
成することにより、被着層の厚さによって太陽電池と透
光性板との間隔をより確実に規定できるため、上述の干
渉縞の発生や部品の取付ガタを抑制することができる。
また、被着層が押圧固定部の緩衝層として機能するた
め、太陽電池の受光面や透光性板に傷や歪みが発生する
ことを抑制できる。
また、前記被着層は、前記太陽電池の前記受光面にお
ける視認可能な平面パターンを打ち消すような色調分
布、厚さ分布及び/又は平面パターンに形成されている
ことが好ましい。
この手段によれば、被着層の色調分布、厚さ分布及び
平面パターンによって太陽電池の受光部構造の模様を打
ち消すように構成されているので、表示面から太陽電池
の受光部構造が透視されることがなくなり、デザイン性
を向上させることができるとともに、受光部構造に影響
されることなく表示面のデザインの自由度を高めること
ができる。特に、被着層が受光部構造に起因する模様を
打ち消すように構成されていることによって、被着層を
備えた透光性板全体の光透過率を向上させることがで
き、太陽電池の発電量を増大させることができる。
次に、太陽電池付電子機器としては、上記の太陽電池
付表示部構造体を備え、前記太陽電池の発生した電力に
より少なくとも一部が機能するように構成されているも
のである。
ここで、前記透光性板に前記被着層の非形成領域を設
けることによって構成した表示窓と、前記太陽電池に前
記表示窓の対応位置に形成された開口部と、該開口部の
背面側に配置された情報表示部とを設け、前記表示窓を
通して前記情報表示部が視認可能に構成されていること
が好ましい。
次に、太陽電池付時計としては、上記の太陽電池付表
示部構造体を備え、前記太陽電池の発生した電力により
少なくとも一部が機能するように構成されているもので
ある。
ここで、前記透光性板は時刻表示用の文字板として構
成されている場合がある。
この手段によれば、透光性板に時刻表示用の文字、図
形その他の模様を印刷、刻印その他の方法により形成す
ることによって、時刻表示用の文字板として構成するこ
とができる。
また、前記透光性板に前記被着層の非形成領域を設け
ることによって構成した表示窓と、前記太陽電池に前記
表示窓の対応位置に形成された開口部と、該開口部の背
面側に配置された情報表示部とを設け、前記表示窓を通
して前記情報表示部が視認可能に構成されていることが
好ましい。
さらに、前記被着層の色調分布、厚さ分布及び/又は
平面パターンによって、前記表示面の時刻表示模様若し
くは時刻表示文字が構成されていることが好ましい。
この手段によれば、被着層によって時刻表示模様若し
くは時刻表示文字、すなわち、時刻目盛り、時刻の数字
等を構成できるので、干渉縞の防止構造と文字板模様と
を兼用することできる。
図面の簡単な説明 第1図は、本発明に係る太陽電池付腕時計の第1実施
形態の一部を拡大し、リュウズを省略して示す3時方向
の断面図である。
第2図は、第1実施形態における表示部構造体の平面
構造を示す平面図である。
第3図は、第1実施形態における12時方向の断面図で
ある。
第4図は、半透明の透光性板を用いた表示部構造体の
断面図である。
第5図は、太陽電池の受光面と透光性板とを互いに間
隔をおいて配置した状態を示す断面図である。
第6図は、第1実施形態における日窓付近の構造を示
す拡大断面図である。
第7図は、第5図に示す実施例における表示部構造及
び視認性を説明するための断面図である。
第8図は、被着層を透光性板の前面上に形成した比較
例における日窓付近の構造及び視認性を説明するための
断面図である。
第9図は、本発明に係る太陽電池付腕時計の第2実施
形態の一部を拡大して示す断面図である。
第10図は、第2実施形態における被着層の平面パター
ンを示す断面図である。
第11図は、第2実施形態の平面パターンとは別の平面
パターンを有する第3実施形態の被着層パターンを示す
平面図である。
第12図は、太陽電池の平面構造を示す平面図である。
第13図は、従来の太陽電池付時計の断面構造の一部を
拡大して示す断面図である。
発明を実施するための好ましい形態 次に、添付図面を参照して本発明に係る実施形態につ
いて説明する。ここで、下記の実施形態においては、腕
時計の表示面に太陽電池の受光面を配置した場合を示す
が、本発明の太陽電池付表示部構造体は、太陽電池の受
光面を表示面に配置した種々の物品の表示部に採用する
ことができるものであり、本発明は、下記実施形態の腕
時計に限らず、太陽電池の受光面を備えた表示部(何ら
かの情報を表示若しくは掲示する部分)であればよく、
このような表示部を備えた種々の物品若しくは部位に広
く適用できるものである。これらの物品としては、電
卓、携帯電話、ポケットベル、携帯ラジオ等の電子機器
や、電子時計、腕時計、置時計等の時計が上げられ、本
発明はこれらの機器を小型化、携帯化する場合に特に有
効なものである。
第1図は、本発明に係る太陽電池付腕時計の第1実施
形態における時計本体部の3時方向(時針が3時を示す
方向)に切断した断面の一部を示すものである。ここ
で、説明のためにリュウズ形状は省略して示す。腕時計
の本体ケース10の前面側にはカバーガラス11が取り付け
られ、本体ケース10の背面側には裏蓋12が装着されてい
る。本体ケース10の内部においては、突起部品13により
支持された時計ムーブメント14が収容されている。この
時計ムーブメント14は、時計の刻時機能を果たす指針を
駆動するための機構である。
本体ケース10の内部においては、上記時計ムーブメン
ト14の前面側に合成樹脂製の文字板受けリング15が固定
されている。この文字板受けリング15の上には、ウエハ
状の太陽電池16の周縁部が載置されている。
太陽電池16の構造としては、太陽電池の構造として公
知の種々の構造が採用できる。時計に用いられる最も典
型的なものとしては、薄いステンレス鋼板からなる電極
板を兼ねた基板上にアモルファスシリコン層を気相成長
法によって形成することによって、半導体のp−i−n
構造を形成し、さらにその前面上にITO(インジウムス
ズ酸化物)等からなる透明電極膜を形成したものがあ
る。
太陽電池16の半導体層の形成プロセスの例としてプラ
ズマ気相成長装置を用いた以下のものがある。まず、Si
H4ガスにPH3ガスを微量添加してチャンバー内に供給
し、p型シリコン層を形成し、次に、ドーパントなしで
SiH4ガスを供給してi型シリコン層を形成し、最後に、
SiH4ガスにB2H6ガスを添加して供給し、n型シリコン層
を形成する。
太陽電池16の前面(図中上面)、すなわち受光面16a
の前方には、厚さ0.5mmのアクリル樹脂板からなる透光
性板17が配置されている。この透光性板17は、ガラス、
アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の種々の樹脂シ
ート等でも構成できる。透光性板17は必ずしも透明であ
る必要はなく、後述するように、太陽電池16の受光面16
aに対して、腕時計を動作させるのに必要な発電量を確
保できる程度の光透過率を示すものであればよい。透光
性板17の周縁部は、環状のダイヤルリング18によって前
面側から押さえ付けられているため、太陽電池16及び透
光性板17は、文字板受けリング15とダイヤルリング18と
によって挟み付けられた状態で固定されている。
本実施形態において透光性板17の材料として用いたア
クリル樹脂には、一般的に紫外線吸収材が含まれている
ため、紫外線を吸収して透過させない。これに対してポ
リカーボネート樹脂を用いた場合には一般的に紫外線を
吸収しないため、後述するように、透光性板の裏面上に
蓄光性蛍光体からなる被着層を形成した場合、展示時に
おいて、紫外線ライトにより紫外線を照射すると表示面
が明るく輝くという利点がある。また、ポリカーボネー
ト樹脂の耐熱性は120℃程度の熱処理を可能とするた
め、後述する蓄光性蛍光体の熱処理を容易に行うとがで
きるという利点もある。
透光性板17の背面上には、所定の条件で塗布又は印刷
成形された被着層20が被着されている。この被着層20
は、有機塗料等を透光性板17の背面上に所定の厚さ、面
積で被着した状態に形成することによって、光の半透過
特性を持たせたものである。光透過特性は、被着層20の
厚さ、形成面積、材質によって適宜に設定される。すな
わち、時計ムーブメント14を駆動するに充分な太陽電池
16の発電能力を予め算定しておき、算定された発電能力
を得るのに必要な被着層20の厚さ、形成面積を材質毎に
決定し、この決定された厚さ及び面積に適合するように
被着層20を形成する。
被着層20としては、一般的な塗料を塗布又は印刷した
ものの他に、透光性を備えた酸化物層を蒸着法やスパッ
タリング法によって被着したもの、有機樹脂シートを透
光性板17の裏面上に密着させたもの等でもよい。
また、被着層20の材質としては、発光体、特に蓄光性
蛍光体からなる薄膜を用いることが好ましい。発光体と
しては種々のものがあるが、その中で、蓄光性蛍光体
(蓄光性材料)と呼ばれるものは、外部からの刺激を停
止した後にもかなりの長時間(数10分〜数時間)にわた
って残光が肉眼で認められるものである。蓄光性蛍光体
には、CaS:Bi(CaSにBiを添加したもの、発光色は紫青
である。)、CASrS:Bi(発光色は青である。)、ZnS:Cu
(発光色は緑である。)、ZnCdS:Cu(発光色は黄〜橙で
ある。)等の硫化物蛍光体がある。
しかし、これらの蛍光体よりも、MAl2O4(Mはカルシ
ウム、ストロンチウム、バリウムから選ばれる少なくと
も1種以上の金属元素である。)からなる化合物を母結
晶とする材料が、残光時間が長く、耐候性、耐光性が高
い点で好ましい。
このMAl2O4構造を有する蓄光性蛍光体の母結晶には、
必要に応じてマグネシウムを添加したものを用いること
がある。また、賦活剤として、ユウロピウムを0.001モ
ル%以上10%以下添加する場合があり、さらにこの場合
には、共賦活剤として、ランタン、セリウム、プラセオ
ジム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウム、テルビウ
ム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウ
ム、イッテルビウム、ルテチウム、マンガン、スズ、ビ
スマスの少なくとも1つ以上を0.001モル%以上10%以
下添加する場合がある。
このような母結晶は微粒子状に粉砕され、この粉砕物
は、有機バインダ、溶剤等に混合され、塗布若しくは印
刷(例えばスクリーン印刷等)により透光性板17の背面
上に被着される。被着後、所定の温度で熱処理(例え
ば、80〜100℃で1〜2時間程度)を行うことによって
被着層20が形成される。
蓄光性蛍光体としてストロンチウムアルミナを用いた
場合には、例えば、粉砕物の平均粒径を15〜20μmと
し、被着層20を80〜150μm程度の厚さに形成すること
によって透光性板17を所定の光透過率に形成することが
でき、太陽電池の発電効率を、受光面16aを露出させた
場合の45〜60%程度の値とすることができる。この発電
効率は、太陽電池16がほぼ200mm2の受光面積以上である
腕時計の表示面のほぼ全面に受光面16aを配置した場
合、通常の水晶発振子を用いた電子時計ムーブメントを
実用的に駆動するのに充分な電力供給を行うことができ
る値である。
本実施形態においては、表示面に被着層20の非形成領
域20aを設け、この非形成領域20aの直下には、太陽電池
16の開口部16bが配置されるように構成し、このような
構造によって日窓Aが形成されるようになっている。日
窓Aの下には日車19が配置され、日車19の前面に記載さ
れた日付表示を透光性板17を通して視認できるように構
成されている。
この場合、被着層20が透光性板17の背面上に被着され
ているので被着層20の非形成領域20aと太陽電池16の開
口部16bとの距離が短くなるため、第6図にも示すよう
に、非形成領域20aと開口部16bとがほぼ同一形状に形成
されている場合、斜め上方から日付表示を見た場合で
も、太陽電池16に形成された開口部16bの縁部が視認さ
れ難くなり、日窓A周辺の外観を良好なものとすること
ができる。
これに対して、第8図に示すように、例えば、被着層
20が透光性板17の前面上に形成されている場合には、太
陽電池16の受光面16aと被着層20との距離が少なくとも
透光性板17の厚さ以上になるため、上記と同様に日付表
示を斜め上方から見ると、下層にある太陽電池16の開口
部16bの縁部が広い範囲で視認されたり、或いは、日付
表示が被着層20における非形成領域20aの縁部によって
隠されてしまったりするという問題点があり、外観を大
きく損ねてしまう。
なお、上記日窓Aの構成は、日付表示に限らず、曜
日、その他の付加情報を表示するための種々の表示窓に
対して同様に適用できるものである。
第2図は、上記実施形態における文字板受けリング1
5、太陽電池16及び透光性板17を組み立てた状態を示す
平面図であり、第3図は、上記実施形態の12時方向の断
面を示すものである。文字板受けリング15の前面側に嵌
合された円盤状の太陽電池16には、その12時方向の周縁
部における前面上に、フレキシブル基板21が配置され、
太陽電池16の端子部16cがフレキシブル基板21の配線部
に導電接続されている。太陽電池16の複数の端子部16c
はそれぞれ4分割された分割部16dに接続されている。
太陽電池16の4つの分割部16dにはそれぞれ別個の太
陽電池が構成されており、通常は、太陽電池16の発生す
る電圧を高めるために、4つの分割部16dの出力を互い
に直列に接続して時計ムーブメント14内に収容された大
容量コンデンサ等からなる2次電池に電力を供給するよ
うになっている。
太陽電池16の前面側には、背面上に被着層20を備えた
透光性板17がその係合凹部17bを文字板受けリング15の
係合突起15aに嵌合させることによって位置決めされて
いる。
上述のように、被着層20を透光性板17の背面上に被着
させた場合、被着層20における透光性板17との界面(被
着面)を平坦若しくは平滑に形成することができるの
で、被着層20を透光性板17の前面に被着した場合(この
場合には、被着層20の表面(前面)には微細な凹凸が形
成され、表面に研磨等の処理を施さなければ平滑な表面
は得られない。)と較べて、被着層20の光の入射面にお
ける散乱や反射等を低減し、被着層20を透過する光量を
増大させることができる。特に、被着層20の材質として
上述の蓄光性蛍光体を用いた場合、被着層20の表面(背
面)は、蓄光性蛍光体を粉砕して得た蓄光性粒子の粒径
に応じた凹凸が形成されるので、外光が被着層20の表面
に入射するように構成すると表面散乱が大きくなる。こ
れに対して、本実施形態では、被着層20の透光性板17に
対する被着面が光の入射面となるように構成されてお
り、被着面は透光性板17の裏面によって平坦化され、平
滑に形成されているため、被着層20における散乱を低減
することができる。
第4図には、上記第1実施形態における変形例を示
す。この場合、太陽電池26の前面上には、被着層30を背
面上に被着させた透光性板27が配置されている。この透
光性板27は、透明樹脂の内部に微細な非透光性粒子28を
分散させたものである。この非透光性粒子28の存在によ
り透光性板27の光透過率は僅かに低下し、前面側から見
た場合には被着層30の被着面が視認し難くなり、表示面
の外観を変えることができる。このような透光性板27と
しては、非透光性粒子28を散乱性の粒子とすることによ
って全体として薄く白濁したもの、非透光性粒子28を反
射率の高い微粒子としたもの、その他、着色した粒子に
よって透光性全体が薄く着色したもの等を用いることが
できる。なお、このような透光性板27を用いた場合に
は、通常は透光性板27の光透過率が低下するため、透光
性板27を薄く形成したり、或いは被着層30の厚さを薄く
形成したりする必要がある。
第5図には、上記第1実施形態の異なる変形例を示
す。この場合、太陽電池36と透光性板37との間に、図示
しないスペーサや透明基板等を部分的に介挿することに
よって間隔を設け、太陽電池36の受光面と透光性板37と
の間に所定幅の間隙gを形成する。この間隙gの存在に
より、第7図に示すように、被着層40を透過した光のう
ちの一部が太陽電池36の受光面36aで反射されたとして
も、被着層40の表面(背面)により乱反射され、最終的
には再び受光面36aによって吸収される場合が多くな
り、受光面36aで反射された光が再度外部へ放出される
確率が低下する。したがって、入射光の利用効率を向上
させることができ、また、受光面36aからの反射光が外
部へ戻り難くなるため、太陽電池の受光面36aが透視し
にくくなるから、表示面の外観をさらに向上させること
ができる。特に、被着層40の材質として上述の蓄光性蛍
光体を用いた場合には、太陽電池の受光面で反射された
光が被着層自体に吸収されたとしても、当該吸収された
光のエネルギーは、被着層の残光エネルギーの一部とし
て利用されることとなるので、無駄になることはない。
上記各構造においては、透光性板と太陽電池との間に
間隙があってもなくても、透光性板及び被着層を透過し
た光が太陽電池の受光面によって反射された場合、被着
層の表面(背面)に微細な凹凸形状が形成されていたり
被着層の表面が粗面に形成されていれば、被着層の表面
によって散乱される確率が多少なりとも増大し、光の利
用効率を高めることができると同時に、表示面の外観も
向上させることができる。特に、被着層の材質として、
上述の蓄光性蛍光体のように微少粒子を固めたものを用
いる場合には、被着層の表面に微少粒子の粒径に応じた
凹凸面を構成することができる場合があり、このような
場合には、ことさら被着層の表面に凹凸面を形成する工
程(例えば、エッチング処理など)を設ける必要もな
い。
上記実施形態において、被着層を蓄光性蛍光体等の蛍
光材料で構成した場合には、被着層自体から発せられる
蛍光によって太陽電池による発電が行われる場合もあ
る。この点も、上記表示部構造体の全体的な光の利用効
率を向上させる。
上記実施形態においては、いずれの場合にも透光性板
が被着層と太陽電池とを覆い、保護する構造となってい
るため、内部構造の耐久性を向上させることができる。
特に、日窓等の表示窓を設ける場合にも、透光性板には
開口部を設ける必要がないため、内部構造を確実に保護
することが可能になる。
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。
この実施形態は電子腕時計に係るものであり、第9図は
当該実施形態を示す拡大一部縦断面図である。腕時計の
本体ケース(胴)50に固定された合成樹脂製の文字板受
けリング51に略円盤状の太陽電池52が取り付けられる。
太陽電池52は、その前面(上面)に受光面52aを備え
ており、図10に示すように、この受光面52aは、シリコ
ン基板上に形成された4つの分割部52a−1,52a−2,52a
−3,52a−4と、これらの分割部の間に形成された間隙
部52a−0とから構成される。太陽電池52は、上記第1
実施形態と同様に、各分割部毎に発生する光電流を電流
電圧変換により電圧に変換し、この電圧を分割部間で直
列に接続して、高い電圧を得るようになっている。
太陽電池52の周縁部には、第9図に示すように、各分
割部に接続された外部端子を有する端子配列部52bが形
成され、太陽電池52は、この端子配列部52bを介して時
計内に形成された電気回路に接続される。
太陽電池52と透光性板53とは重ねられるようにして配
置され、透光性板53の周縁部は上方からダイヤルリング
54によって押さえ付けられる。なお、55は指針部であり
56はカバーガラスである。
透光性板53は、上記第1実施形態と同様の合成樹脂製
やガラス製の透明基板、或いは、白色その他の色調を備
えた半透明板等で構成することができる。なお、半透明
板で構成する場合には、透光性板53の透過率を、太陽電
池12の発電効率が時計機能を駆動するために支障のない
範囲内となるように調整する必要がある。透光性板53
は、透過率を制御した材質、及び/又は透過率を制御す
るために所定の厚さに形成した板によって形成される
他、透明基板の前面及び/又は背面上に透過率を勘案し
て適宜の材質及び/又は厚さに形成された半透明層を備
えたものにより構成してもよい。
透光性板53の背面上には、所定厚さを備えた被着層57
が部分的に付着するように形成されている。この被着層
57は、好ましくはスクリーン印刷やタコ印刷等の印刷成
形によって透光性板57の背面上に選択的に形成される。
被着層57は、蒸着やスパッタリング法等によって形成し
てもよく、また、金属箔をエッチング等によって所望の
形状にして貼着した転写シートにより透光性板57の背面
上に転写することにより被着してもよい。
この被着層57の厚さは、可視領域の光の波長よりも十
分に大きい厚さであればよく、その色調、透過率等も任
意である。ただし、被着層57自体を透明層で構成するな
らば、時刻表示面の任意の場所に任意の面積に亘って形
成しても太陽電池52の発電効率を低下させることはなく
なる。
太陽電池52の受光面52aは、通常、発生電圧を高める
ために第10図に示すように複数の分割部に分割されてい
るが、この分割部の間には色調の明るい帯状の間隙部が
構成される。この間隙部を視認できなくするために、間
隙部に沿って分割部とほぼ同様の色調で被着層57を形成
することは非常に有効である。この場合には、被着層57
は時刻表示面の外観を向上させるとともに、形成されて
いる領域が間隙部の直上だけであるため、太陽電池52の
発電効率にほとんど影響を与えないからである。
この実施形態において、太陽電池52と透光性板53とは
互いに接触している。このとき、透光性板53の背面上に
被着された被着層57は太陽電池52の受光面52aと透光性
板53の背面との間に間隙を形成するため、透光性板53と
太陽電池52の受光面52aとの間における干渉縞の発生を
防止することができる。被着層57の厚さは、太陽電池52
の受光面52aと透光性板53の背面との間隔を概略決定す
るものであり、当該間隔が可視領域において干渉縞を発
生しないように十分に厚く形成する必要がある。
この間隙は、太陽電池52の受光面52a及び透光性板53
の背面の反りや歪みの量を勘案して決定する必要もあ
る。被着層57の厚さは、反り、歪みその他の部品の平坦
度をも勘案すると、10〜20μm程度あった方がよい。ス
クリーン印刷やタコ印刷等の印刷法によると、3〜30μ
m程度の厚さの被着層を容易に形成することができる。
被着層57は、互いに直接重ね合わされる太陽電池52と
透光性板53との間の緩衝層としても機能する。特に、印
刷法によって形成した厚めの被着層は両者間の緩衝機能
を十分に発揮し、両者は被着層を介して確実に密着する
ため、ダイヤルリング等の押さえ部材によって各部品を
確実に固定することができる。
第10図には、本実施形態による被着層57の概略の平面
パターンが示されている。被着層57は、第9図に示す指
針部55に対応して太陽電池52及び透光性板53に穿孔され
た指針挿通孔の周縁部に沿って略円形に形成された内側
周縁部57aと、太陽電池52及び透光性板53の外周縁に沿
って略円形に形成された外側周縁部57bとを備える。ま
た、内側周縁部57aと外側周縁部57bとを、太陽電池52の
4つの分割部52a−1,52a−2,52a−3,52a−4のそれぞれ
の間に形成された4つの間隙部52a−0の直上に、それ
ぞれ半径方向に帯状に伸びる連結部57cが接続してい
る。
内側周縁部57aと連結部57cは、時計を組立終わって
も、そのままの形状にて視認されるが、特に、下層にあ
る太陽電池52の受光面52aの受光領域の形状を反映した
間隙部52a−0を視認できなくするのに役立っている。
この場合、被着層57を太陽電池52の分割部52a−1,52a−
2,52a−3,52a−4の色調と近似した色調を呈する色調と
することによって、太陽電池52の平面構造を外部から視
認できなくすることができる。この被着層57は透光性板
53の背面上に形成されているために、分割部と近似した
色調を備えた被着層57と太陽電池52の分割部とは、相互
に接触していることからほぼ等しい平面上に存在するこ
ととなるため、視覚上ほとんど区別することが出来なく
なる。
被着層57は、上記連結部57cのように時刻表示面の装
飾や外観を決めるために設けられるとともに、太陽電池
52と透光性板53の周縁部に形成されることが好ましい。
被着層57を周縁部に設けることによって、直接接触する
太陽電池52の受光面52aを安定した状態で押さえつける
ことができる。第10図において一点鎖線で示すのは、透
光性板53の周縁部を押さえ付けるダイヤルリング54の内
周縁部であり、このダイヤルリング54にて押さえ付ける
部分に対応する領域内に外側周縁部57bを形成している
ことによって、太陽電池52の受光面52aと透光性板53の
背面との間隔を確実に得ることができる。
本実施形態では、透光性板53が太陽電池52とダイヤル
リング54との間に挟持され、太陽電池52が文字板受けリ
ング51に固定された状態になっているが、透光性板53及
び太陽電池52を文字受けリング51とダイヤルリング54と
の間に挟持する構造としてもよい。このような構造の場
合、上記被着層57の少なくとも一部を、上述の外側周縁
部57bと同様に挟持部分に形成することによって、太陽
電池52の受光面52aと透光性板53との間隙を確実に設定
することができる。
第11図は別のパターン形状を備えた被着層67を透光性
板の背面上に形成した第3実施形態の平面パターンを示
すものである。この被着層67の内側周縁部67a及び連結
部67cは上記被着層57とほぼ同形状のパターンで形成さ
れているが、その他に、指針の時刻位置を示すための時
刻目盛り部67dとカレンダー用窓部69を縁取りするため
の窓枠部67eとが設けられている。このように、被着層6
7は表示面上に必要な表示や模様の一部として形成する
こともでき、例えば、時刻を示す数字、メイカー名、ブ
ランド名、製品名等を表示する文字や、種々の図形を被
着層67の平面パターンによって形成することもできる。
なお、被着層を表示や模様と兼用して形成する場合に
おいて、この被着層を公知の種々の蛍光性、蓄光性の材
料で形成することによって、夜間にも視認できる表示と
して形成することが可能である。
本実施形態では、太陽電池の受光面と透光性板の背面
との間に被着層を介在させたため、受光面と透光性板と
の間の光の干渉に起因する干渉縞の発生を防止すること
ができ、しかも、被着層自体は、受光面と透光性板との
間の重ね合わせ状態を安定させることができるととも
に、太陽電池の受光部の構造を覆い隠す手段としても使
用でき、さらに、従来の文字板を構成する時刻表示面に
種々の文字や図形模様を形成することができるという効
果を持つ。
また、上記各実施形態においては、太陽電池の受光面
上に直接透光性板を配置できるため、両者間に間隔を設
けるための支持構造を設ける必要もないため、部品構造
も簡易なものとするとができるとともに時計の組立も容
易になり、製造コストを低減することができる。さら
に、被着層は透光性板の背面上に形成されているため、
上述のように光学特性上の利点を享受することができる
上に、仮に、被着層に欠陥があっても比較的安価な透光
性板のみを交換すればよく、高価な太陽電池を廃棄する
必要がなくなる。
被着層の基本的な効果としては、デザイン上の効果が
最も大きいものであるが、その他にも表示面構造体にお
ける傷、ケバ等を目立たなくすることができるという効
果がある。この効果を高めるためには、なるべく明度の
高い色調、例えば白色の被着層を形成することが好まし
い。また、透光性板の背面上に被着層が形成されている
ことによって、太陽電池と透光性板との接触による傷の
発生が防止されるとともに、仮に被着層の表面(背面)
や太陽電池の受光面に傷や汚れが付いても、表面側から
は見えにくいという効果がある。
なお、上記各実施形態においては、それぞれ透光性板
の背面上に単一の色調、単一の厚さ及び単一の材質から
なる被着層を形成しているが、本発明においては、透光
性板の背面上に複数種類の色調、厚さ及び/又は材質を
備えた被着層を平面的に種々の分布若しくはパターンで
形成してもよい。このような平面的な分布若しくはパタ
ーンによって、背後に存在する太陽電池の受光面の平面
構造を視覚的に打ち消すように構成することができると
ともに、表示面に種々の装飾模様や文字等からなる表示
を形成することが可能になる。
産業上の利用可能性 以上説明したように本発明によれば、透光性板の背面
上に被着層が形成されていることによって、太陽電池の
受光面上に被覆層を形成する必要がないために受光面に
対する適合性を配慮する必要がなく、しかも、被覆層の
欠陥によって太陽電池毎廃棄或いは交換する必要もなく
なる。
また、透光性板の色調、模様、文字等の外観を被着層
との組み合わせによって構成することができるので、被
着層の形成面積や厚さ等を調整することによって透光性
板の材質や厚さに対する自由度が向上する。
さらに、被着層は透光性板の背面上に形成されている
ので、外光の入射面は被着層の透光性板に対する被着面
となり、この被着面は透光性板の背面によって容易に平
滑面とすることができるため、外光入射時の光反射量や
光散乱量を低減することができるから、外光の利用効率
を向上させることが可能である。
その上、透光性板の背面上に被着層が形成されている
ことによって、透光性板と太陽電池の受光面との間から
干渉縞(ニュートンリング)が発生することを防止でき
る。
しかも、受光面と透光性板の裏面とを直接重ね合わせ
た状態で固定できるので、部品構造が簡略化され、組立
も容易になるため、製造コストを低減できる。また、透
光性板を直接に太陽電池の受光面に接触させても、被着
層を緩衝層として形成することによって透光性板の背面
や太陽電池の受光面に傷が付きにくいとともに、被着層
の表面や太陽電池の受光面が仮に傷や汚れが付いていて
も前面側から汚れが見えにくい。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−294667(JP,A) 特開 平7−287541(JP,A) 特開 平7−198866(JP,A) 特開 平5−45474(JP,A) 実開 平7−34389(JP,U) 実開 平7−34388(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G04B 19/06 G04B 19/32 G04C 10/02 G04G 19/00 H01L 33/04

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表示部に配置された受光面を備えた太陽電
    池と、 前記受光面の前面側に配置された所定の光透過率を有す
    る透光性板とを備えると共に、 前記透光性板の前記受光面側のみに被着層が形成され
    て、 前記被着層は、発光体を含む材料で形成されており、 前記透光性板及び前記被着層は、 前記太陽電池の発電量を確保するための光透過特性を持
    つように形成されている太陽電池付表示部構造体。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記被着層は、 微細粒子を堆積しており、且つ、前記被着層の前記受光
    面側の表面は微細な凹凸が形成されている太陽電池付表
    示部構造体。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2において、前記透光
    性板と前記太陽電池の前記受光面との間に間隙が設けら
    れている太陽電池付表示部構造体。
  4. 【請求項4】請求項1乃至請求項3のいずれかにおい
    て、前記透光性板に前記被着層の非形成領域が設けられ
    ることによって構成された表示窓と、 前記太陽電池における前記表示窓の対応位置に形成され
    た開口部とが設けられ、該開口部の背面側構造部が前記
    表示窓を通して視認可能に構成されている太陽電池付表
    示部構造体。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記被着層は、前記透
    光性板の背面上に選択的な平面パターンで形成されてい
    る太陽電池付表示部構造体。
  6. 【請求項6】請求項5において、前記被着層は可視光の
    波長よりも厚く形成されており、前記被着層を前記太陽
    電池の前記受光面に接触させることによって、前記被着
    層の形成されていない前記透光性板の背面と前記太陽電
    池の受光面との間に前記被着層の厚さに応じた間隙が設
    けられている太陽電池付表示部構造体。
  7. 【請求項7】請求項1又は請求項5において、前記被着
    層は、前記太陽電池と前記透光性板の少なくとも一方が
    他部材によって押圧固定される部分に対応した領域に形
    成されている太陽電池付表示部構造体。
  8. 【請求項8】請求項1又は請求項5において、前記被着
    層は、前記太陽電池の前記受光面における視認可能な平
    面パターンを打ち消すような色調分布、厚さ分布及び/
    又は平面パターンに形成されている太陽電池付表示部構
    造体。
  9. 【請求項9】請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記
    載の太陽電池付表示部構造体を備え、前記太陽電池の発
    生した電力により少なくとも一部が機能するように構成
    されている太陽電池付電子機器。
  10. 【請求項10】請求項9において、前記透光性板を時刻
    表示用の文字板として構成した太陽電池付時計。
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