JP3442623B2 - 含ハロゲン有機化合物の分解方法 - Google Patents

含ハロゲン有機化合物の分解方法

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JP3442623B2
JP3442623B2 JP25391497A JP25391497A JP3442623B2 JP 3442623 B2 JP3442623 B2 JP 3442623B2 JP 25391497 A JP25391497 A JP 25391497A JP 25391497 A JP25391497 A JP 25391497A JP 3442623 B2 JP3442623 B2 JP 3442623B2
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  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含ハロゲン有機化
合物を無害な物質に分解する含ハロゲン有機化合物の分
解方法に関し、特に、含ハロゲン有機化合物の脱ハロゲ
ン・水素化によって含ハロゲン有機化合物を分解する含
ハロゲン有機化合物の分解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トリクレン、ポリクロロビフェニール
(PCB)、フロン等の含ハロゲン有機化合物は、従来
から様々な目的で大量に使用されてきた。例えば、PC
Bは優れた絶縁性及び難燃性を有するため、電気絶縁
油、熱媒体、難燃化剤として、フロンはその化学的安定
性や低沸点により冷媒や洗浄用液材として、電子部品工
業、化学工業などの各分野で広く使われてきた。
【0003】しかし、トリクレン、PCB等の塩素化合
物については、人体に対する毒性及び生体蓄積性が問題
とされ、使用規制に関する法律が制定されている。フロ
ン等のフッ素化合物は、オゾン層の破壊に見られるよう
に地球環境破壊の面での問題点が近年明らかにされてい
る。このような状況から、含ハロゲン有機化合物を分解
して無害化する方法が求められ、様々な方法が検討され
ている。
【0004】含ハロゲン有機化合物の処理は、焼却によ
る分解と、化学的な処理による分解の2種類に大別さ
れ、焼却による分解では、800℃以上の高温で含ハロ
ゲン有機化合物を燃焼して分解し、化学的な処理による
分解では、化学反応を利用してハロゲン原子を含ハロゲ
ン有機化合物から脱離させて分解する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、焼却による分
解では、熱による作用で含ハロゲン有機化合物がより有
毒な物質に転化する可能性を有し、これを防ぐには、焼
却処理温度を適温に調節する必要がある。又、焼却によ
りハロゲン化水素ガスが発生するので、焼却排ガスの処
理を行う必要がある。
【0006】一方、化学的な処理による分解には、ナト
リウム等のアルカリ金属やナトリウムメチラート等のア
ルカリ金属化合物の様な試薬を用いる方法、還元性条件
下で脱ハロゲンを進行させる方法などがあり、還元性条
件下での脱ハロゲンは、水素ガス、アルコール、工業油
等の水素供与物質を使用する。
【0007】上述のアルカリ金属等の試薬を用いる方法
は、その試薬の取扱いが難しいため、安全性等の面で問
題がある。又、還元性条件下での脱ハロゲンにおいて、
水素供与物質として水素等のガス物質を使用すると、非
常に高い圧力下で反応を行うことになるため、安全な処
理操作のため特別な装置が必要とされる。他方、液体の
水素供与物質を用いて液相中で脱ハロゲンする液相分解
の場合には、反応条件が比較的穏やかなため安全処理が
可能であり、排出ガスが少ない等の長所を有する。特に
水素供与物質としてアルコールを用いると、極めて穏や
かな条件下での有機ハロゲン化合物の分解処理が可能と
なる。この場合、脱離したハロゲンを処理することを主
目的にアルカリ剤を用いるのが一般的である。しかしな
がら、水酸化アルカリを使用すると、処理に伴って水が
生成し、含ハロゲン有機化合物の溶媒に対する溶解度が
減少して溶媒への分散性が低くなり、分解反応が進み難
くなる。又、溶媒であるアルコールが水酸化アルカリ及
び熱の作用により縮合応を起こして別の物質に変化し
てしまい、水素供給物質として効率的に用いることがで
きなくなる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述のような
有害物質の生成や、排ガスあるいは副生成物の処理の必
要性等の問題を生じることなく、安全に効率よく含ハロ
ゲン有機化合物を分解無害化できる含ハロゲン有機化合
物の分解方法を提供することを目的とする。
【0009】
【0010】発明の含ハロゲン有機化合物の分解方法
は、金属触媒の存在下で含ハロゲン有機化合物を水素供
与物質及びアルカリ剤と反応させることにより含ハロゲ
ン有機化合物を脱ハロゲン水素化する含ハロゲン有機化
合物の分解方法であって、アルコールを上記水素供与物
質とし、金属水素化物を上記アルカリ剤として用いるも
のである。
【0011】上記方法に従って反応を行うと、金属触媒
は、水素供与物質を水素源として含ハロゲン有機化合物
のハロゲンを水素置換し、放出さたハロゲン原子はアル
カリ剤により中和されて塩を形成し安定化する。アルコ
ールを水素供与物質とする場合は、アルカリ剤として金
属水素化物が用いられ、水の光分解による水素を水素供
与物質として用いる場合には、アルカリ剤は任意に選択
され、いずれも中和塩を形成する。従って、これらの反
応による反応生成物は安定且つ無害な物質となる。ま
た、分解反応を阻害する物質や扱い難い物質を生成する
ことなく、効率的に分解処理を行うことが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0013】本発明の分解方法の処理対象となる含ハロ
ゲン有機化合物は、ハロゲン原子が共有結合により炭素
と結合している構造を有する化合物であり、例えば、塩
化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、
トリクレン、フロン等のハロゲン化アルカン、クロロベ
ンゼン等のハロゲン化ベンゼン、PCB等のハロゲン化
ビフェニル、クロロジベンゾジオキシン等が挙げられ
る。このような化合物を単独でも混合物の状態でも処理
することができ、鉱油のようなハロゲンを含まない物質
との混合物であっても適用できる。
【0014】本発明の分解方法では、上記のような含ハ
ロゲン有機化合物を、金属触媒の存在下で水素源及びア
ルカリ剤と反応させることによって、含ハロゲン有機化
合物の脱ハロゲン水素化反応が進行して該化合物は分解
(つまりハロゲンを含まない物質へ転化)される。
【0015】上記金属触媒は、パラジウム、白金、ロジ
ウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、鉄、コバ
ルト、ニッケル、マンガン、クロム、モリブデン、タン
グステン、銅、亜鉛、スズ、鉛またはこれらの化合物か
ら1種類以上選択するのが好ましい。金属化合物の場合
には酸化物あるいはハロゲン化合物であるのが望まし
い。
【0016】上述の金属及び金属化合物で例示される触
媒は、水素を有する化合物から水素を引き抜く作用を有
し、例えばアルコールから水素を引き抜く。一方、含ハ
ロゲン有機化合物は、アルカリ剤の作用により、ハロゲ
ン原子を放出しやすい傾向になっており、触媒の作用を
受けて速やかにハロゲン原子を放出し、自らも活性な状
態となる。この活性な状態の含ハロゲン有機化合物は、
触媒により引き抜かれた水素と、主に触媒表面において
化合する。これによって含ハロゲン有機化合物は、ハロ
ゲン原子と水素原子の置換を完了し、ハロゲン原子数が
より少ない化合物となる。脱ハロゲン水素化反応は、含
ハロゲン有機化合物がハロゲン原子を有する限り進行
し、最終的には含ハロゲン有機化合物は完全に脱ハロゲ
ン水素化され、無害な物質となる。
【0017】上記金属触媒の量は、分解対象である含ハ
ロゲン有機化合物の重量の0.0005〜1倍とするの
が好ましい。触媒は、担体に担持させたものでも良く、
この場合、担体としては、活性炭、カーボンブラック、
グラファイト等の炭素担体が特に適しているが、ゼオラ
イトやケイソウ土、マグネシア、アルミナ、シリカアル
ミナ、コージュライト等のような担体を使用することも
でき、必要に応じて適宜選択してよい。触媒の担持率は
1〜20%の範囲内であることが好ましい。
【0018】上述の反応において、水素供与物質として
アルコール類が用いられた場合、アルコールの縮合反応
が進行して反応系の維持に複雑な処理が必要となった
り、前述したように含ハロゲン有機化合物の分解の妨げ
となったりする。このようなことを防止するために、本
発明においては、以下のような2つの形態を採用する。 1)水素供給物質としてアルコールを用い、アルカリ剤
として金属水素化物を用いる。
【0019】2)水素供給物質としてアルコールを用い
ずに、光エネルギーにより水を分解して得られる水素を
用いる。
【0020】以下、上記の2つの形態について説明す
る。
【0021】(アルコール/金属水素化物の使用)本発
明で用いられる金属水素化物としては、水素化リチウ
ム、水素化ナトリウムなどのアルカリ金属水素化物、水
素化カルシウムなどのアルカリ土類金属水素化物、水素
化ホウ素ナトリウムなどのテトラヒドロホウ酸塩、水素
化アルミニウムリチウムなどのテトラヒドロアルミン酸
塩等が挙げられるが、水素化リチウムが取り扱いや入手
の容易さから最も適している。使用する金属水素化物の
量が増加すると、含ハロゲン有機化合物の分解効率が向
上する。しかしながら必要以上に金属水素化物を用いる
と、反応液の粘性過大や装置の耐性限界といった実施上
の問題が生じる。このような点を考慮して金属水素化物
の量は、処理する含ハロゲン有機化合物のハロゲンのモ
ル数の1倍〜30倍とするのが好ましい。
【0022】本発明で用いられるアルコールとしては、
金属触媒の作用により容易に水素を放出する傾向を有す
るアルコール類が好ましい。また常温において液体であ
ることが取り扱い等から好ましい。アルコール類として
はメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プ
ロパノール等が挙げられるが、水素の放出しやすさから
2−プロパノールまたはエタノールが最も好ましい。上
記のアルコール類は単独で用いてもよいし、2種類以上
を混合してもよい。また上記のアルコール類は純粋なも
のである必要はなく、それら以外の物質と混合して用い
てもよい。これらのアルコールは、金属水素化物の反応
性を損なわないために、含有水分量が1%以下であるこ
とが好ましい。
【0023】金属水素化物は、微細粒に粉砕してアルコ
ールと混合して使用することが好ましい。
【0024】上記で説明した金属触媒、アルコールの存
在下で、金属水素化物と含ハロゲン有機化合物を接触さ
せることによって、含ハロゲン有機化合物の脱ハロゲン
水素化反応が進行する。必要に応じて反応系を加熱し、
反応速度を増大させて処理速度を高めてもよい。加熱す
る場合の温度は、溶媒の沸点や熱による変性を考慮して
室温〜150℃の範囲内が好ましい。
【0025】本発明のように、液体に金属触媒を添加し
た反応系で一般に用いられる触媒は、細かい粒子形状で
あることが多く、反応系に分散させて反応させる。しか
し、カラム等の固定手段を用いて触媒を固定し、金属水
素化物、アルコール及び含ハロゲン有機化合物を混合し
た反応液が繰り返し、固定した触媒に接触するように構
成して反応を行うと、反応後の触媒の回収操作の簡素化
あるいは省略が可能になる。
【0026】(水の分解による水素の使用)水は、酸化
チタンや酸化ジルコニウムなどの触媒の存在下で光を照
射すると酸素と水素に分解する。これにより得られた水
素を含ハロゲン有機化合物の分解反応に用いることがで
きれば、アルコールを含ハロゲン有機化合物の分解にお
ける水素供給源として用いる必要がないので、アルコー
ルと水酸化アルカリとの併用による問題は生じない。但
し、含ハロゲン有機化合物は水に対する溶解度が低いの
で、水の光分解と含ハロゲン有機化合物の分解は分離し
た系で行われるのが好ましい。これを実施可能な形態と
して、水素透過性を有する膜を介して水の光分解系と含
ハロゲン有機化合物の分解系とを接合する形態が挙げら
れる。つまり、光分解系において生成した水素のみが水
素透過性膜を通じて光分解系から含ハロゲン有機化合物
の分解系へ移動し、含ハロゲン有機化合物の分解反応に
使用される。
【0027】上述のような形態において用いられる水素
透過性膜としては、ポリスルホン膜、テフロン膜等を挙
げることができる。水素透過性膜の光分解系と接する一
面に酸化チタンなどの光分解用触媒を担持させると、光
分解によって生じる水素の移動距離が短くなり、効率が
よい。
【0028】図1に、上述の実施形態に従った分解装置
の一例を示す。
【0029】図1の分解装置1は、反応管3、水タンク
5、被処理液タンク7、ポンプ9,11及びランプ13
から構成され、反応管3の内部は、水素透過性膜15に
よって光分解槽17と有機槽19とに分離される。反応
管3の光分解槽17にはポンプ9によって水が循環方式
で供給される。有機槽19にはポンプ11によって含ハ
ロゲン有機化合物及びヘキサン等の有機溶剤を含んだ被
処理液が被処理液タンク7から供給される。更に、アル
カリ剤及び含ハロゲン有機化合物を分解するための金属
触媒も供給される。
【0030】反応管3の壁部21は酸化チタンで構成さ
れ、壁部21に隣接して設けられているランプ13から
照射される紫外光、太陽光等の照射光を透過し、壁部2
1上で光分解槽17内の水の光分解が進行する。光分解
によって生じる水素は、水素透過性膜15を通って有機
槽19へ移行する。光分解に用いる照射光が太陽光であ
る場合には、ランプ13を省略することができる。
【0031】この装置では、酸素透過性膜15が傾斜し
て取り付けられており、光分解槽17は上方ほど系内が
細く、発生した水素が有機槽19へ移行し易くしてい
る。水素透過性膜15はテフロン製で、光分解槽17側
の表面に酸化チタンが担持されており、水素透過性膜1
5上においても壁部21を透過した照射光によって水の
分解が進行する。有機槽19へ移行した水素とアルカリ
剤とを用いて有機槽19内の金属触媒上で有機溶媒に溶
解している含ハロゲン有機化合物の分解反応が進行す
る。脱ハロゲンされたハロゲン原子は、系内のアルカリ
剤と結合し、塩が生成する。時間の経過と共にこの有機
槽19では塩が析出するので、この有機槽19の被処理
液は適宜循環させるとよい。
【0032】上記装置1において、光エネルギーによっ
て若干の発熱が生じるので、有機槽19は特に加熱を施
して温度を上げる必要はないが、含ハロゲン有機化合物
の分解反応を促進させる場合には、60℃位まで加熱し
てもかまわない。含ハロゲン有機化合物を溶解させる溶
媒は、非プロトン性溶媒であれば特に制限はないが
ハロゲン有機化合物を溶解しやすい炭化水素系溶媒が好
ましく、取扱い易いヘキサンなどが最も適している。
【0033】有機槽19に供給するアルカリ剤として
は、水酸化カリウムが最も反応性が高いが、脱離したハ
ロゲンをトラップできれば特に限定はなく、アルカリ金
属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等を適宜使用す
ることができる。アルカリ剤の量は、含ハロゲン有機化
合物のハロゲンの量の10倍モル以上あることが望まし
い。また、ここで用いる触媒は、触媒上で水素移行能を
有するものが好ましく、炭素−ハロゲン間結合切断効果
が高く、脱ハロゲン水素化しやすい触媒であり、具体的
にはパラジウムまたはロジウムが好ましく、この様な触
媒を活性炭、アルミナ、チタニア、ジルコニア等担持
させ使用するのが望ましい。この担持触媒は、少量の
水を含んでいるのが好ましく、従って、アルカリ剤を溶
解した水に担持触媒を浸して有機槽19に供給する。担
持触媒の表面において含ハロゲン有機化合物から脱離し
たハロゲンは担持触媒に含まれるアルカリ水溶液に吸収
中和される。有機槽19における反応時間は、光の強
度、含ハロゲン有機化合物の濃度にもよるが、数時間か
ら数十時間を要する。反応装置は密閉形であり、特に有
害な物質等が発生することもないので、きわめて安全で
かつ簡便な処理法である。被処理液を還流する場合の流
速は特に限定されない。
【0034】
【実施例】以下、実施例を参照して本発明を更に説明す
る。
【0035】(実施例1)前処理として、水素化リチウ
ム0.8g、パラジウム担持活性炭(担持率10重量
%)0.2gを2−プロパノール100mLに溶解させ
た調製液を温度調整装置及び撹拌装置を具備したガラス
製反応容器に注ぎ入れた。反応容器内の空気を窒素に置
換した後、PCB(3塩化物48重量%、4塩化物28
重量%、2塩化物16重量%、その他8重量%)2.0
gを反応容器に投入した。反応容器を密閉し、調製液を
攪拌しながら、50℃で加熱した。
【0036】加熱時間を10分、20分、30分及び1
時間の各々に設定し、各場合において、加熱終了後に濾
過により調製液から触媒を含む固形分を除去し、ガスク
ロマトグラフを用いて調製液のPCB濃度を測定した。
結果を各々表1に示す。
【0037】(比較例1)水素化リチウムの代わりに水
酸化ナトリウム4.0gを用いた以外は実施例1と同様
に反応を行った。結果を表1に示す。
【0038】(実施例2)パラジウム担持活性炭の代わ
りに白金担持活性炭(担持率10重量%)0.2gを用
いた点以外は実施例1と同様に反応を行った。結果を表
1に示す。
【0039】(比較例2)水素化リチウムの代わりに水
酸化ナトリウム4.0gを用いた以外は実施例2と同様
に反応を行った。結果を表1に示す。
【0040】(実施例3)パラジウム担持活性炭の代わ
りにロジウム担持活性炭(担持率10重量%)0.2g
を用いた点以外は実施例1と同様に反応を行った。結果
を表1に示す。
【0041】(比較例3)水素化リチウムの代わりに水
酸化ナトリウム4.0gを用いた以外は実施例3と同様
に反応を行った。結果を表1に示す。
【0042】(実施例4)2−プロパノールの代わりに
エタノール100mLを用いた点以外は実施例1と同様
に反応を行った。結果を表1に示す。
【0043】(比較例4)水素化リチウムの代わりに水
酸化ナトリウム4.0gを用いた以外は実施例4と同様
に反応を行った。結果を表1に示す。
【0044】(実施例5)PCBの代わりにトリクロロ
ベンゼン2.0gを用いた点以外は実施例1と同様に反
応を行った。結果を表2に示す。
【0045】(比較例5)水素化リチウムの代わりに水
酸化ナトリウム4.0gを用いた以外は実施例5と同様
に反応を行った。結果を表2に示す。
【0046】(実施例6〜9)水素化リチウムに代え
て、実施例6では水素化ナトリウム2.4g、実施例7
では水素化カルシウム4.2g、実施例8では水素化ホ
ウ素ナトリウム3.8g、実施例9では水素化アルミニ
ウムリチウム3.8gを用いた以外は実施例1と同様に
反応を行った。結果を表3に示す。
【0047】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− PCB濃度(ppm ) 処理前 10分 20分 30分 1時間 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 25000 90 1.1 0.027 <0.0005 比較例1 25000 1500 90 3.2 0.240 実施例2 25000 250 5.2 0.095 0.0014 比較例2 25000 6500 920 70 0.0085 実施例3 25000 430 10 0.310 0.0027 比較例3 25000 9800 1300 220 32 実施例4 25000 130 3.9 0.078 <0.0005 比較例4 25000 3800 240 0.019 1.2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 定量下限:0.5ppb
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− トリクロロベンゼン濃度(ppm ) 処理前 10分 20分 30分 1時間 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例5 25000 1.7 0.044 <0.005 <0.005 比較例5 25000 160 2.9 320 0.850 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 定量下限:5ppb
【表3】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− PCB濃度(ppm ) 処理前 10分 20分 30分 1時間 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 25000 90 1.1 0.027 <0.0005 実施例6 25000 140 2.8 0.100 0.0017 実施例7 25000 260 8.6 0.420 0.0069 実施例8 25000 110 1.2 0.015 0.0008 実施例9 25000 200 3.0 0.034 0.0015 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 定量下限:0.5ppb (実施例10)図1のように構成され水素透過性膜とし
てテフロン膜(水素透過性:0.45g/100in2
24hr/(atm/mil) (40℃)、0.85g/100in
2 /24hr/(atm/mil) (60℃))を備えた装置1を
用いて、溶媒としてヘキサンにPCB含有油(PCB濃
度2%)を溶解して被処理液タンク7に投入し、Pd/
C触媒5gに水酸化カリウム20%濃度の水を浸して有
機槽19に加えて、被処理液タンク7からPCB溶液を
有機槽19へ供給した。光分解槽17には水タンク5か
ら水を循環させた。
【0048】ランプ13から光分解槽17へ太陽光波長
のエネルギーを照射し、10時間後に有機槽19内の溶
媒中の残留PCBをGC/MSによりの測定した結果、
検出下限(10ppb )以下であった。従って、このPC
Bは完全に分解された。
【0049】(比較例6)内容量300mLのガラス製
の3つロフラスコにPCB(KC−300)100ppm
、炭素系触媒及び水酸化ナトリウムを含んだC重油を
加え、常圧の窒素雰囲気中で撹拌し、マントルヒーター
により300℃以上で6時間撹拌した。6時間後にろ過
し、ろ液をGC/MSで分析した結果、PCBは検出さ
れた。検出値からPCBの分解率は99.9%であり、
僅かにPCBは残存していた。
【0050】(実施例11)装置1の水素透過膜15と
して、ポリスルホン膜を用い、実施例10と同様に被処
理液タンク7に、溶媒としてヘキサンにPCBを濃度1
%で溶解させた溶液を投入した。有機槽19には水酸化
カリウム20%濃度の水溶液をPd/C触媒5gに浸し
たものを加え、被処理液タンク7からPCB溶液を有機
槽19へ供給した。光分解槽17へ水を循環させ、ラン
プ13により太陽光波長の光エネルギーを照射し、12
時間後に溶媒の残留PCBをGC/MSにより測定した
結果、検出下限以下であった。従って、このPCBは完
全に分解された。
【0051】(実施例12)壁部21をガラスで構成
し、水素透過性膜15としてポリスルホン膜表面に酸化
チタンを担持したものを用いて、図1のような構成の装
置を作製し、被処理液タンク7にトリクレン水溶液(濃
度120ppm )を投入し、有機槽19に供給した。有機
槽19には更に、水酸化カルシウム20%濃度の水溶液
をPd/C触媒5gに浸したものを加えた。光分解槽1
7に水を循環させ、ランプ13により太陽光波長の光エ
ネルギーを照射し、12時間後の溶媒中のトリクレン濃
度をGC−ECDにより分析した結果、検出下限以下で
あった。従って、トリクレンは完全に分解された。
【0052】以上から理解されるように、本発明は上記
実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱し
ない範囲において、種々の変形が可能である。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、含
ハロゲン有機化合物の分解が効率よく行われるので、不
要になった含ハロゲン有機化合物の処理が簡単になり、
反応後の処理も容易である点も優れている。従って、そ
の工業及び環境保護における価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における含ハロゲン有機化合物の分解を
実施する分解装置の概略構成図。
【符号の説明】
1 分解装置 3 反応管 5 水タンク 7 被処理液タンク 9,11 ポンプ 13 ランプ 15 水素透過性膜 17 光分解槽 19 有機槽 21 壁部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01J 35/02 B01J 35/02 J C02F 1/30 C02F 1/30 1/58 1/58 A (56)参考文献 特開 昭52−36650(JP,A) 特開 昭62−74452(JP,A) 特開 平10−249313(JP,A) 特開 昭60−218330(JP,A) 特開 平4−26632(JP,A) 特開 平4−261675(JP,A) 特開 平8−266888(JP,A) 特開 平9−122479(JP,A) 特開 平7−51401(JP,A) 特開 昭60−118289(JP,A) 特開 昭57−205301(JP,A) 特開 昭49−41344(JP,A) 特開 昭54−59233(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/70 A62D 3/00 C07B 35/06 C07B 61/00 B01J 23/40 B41J 35/02 C02F 1/30 C02F 1/58

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属触媒の存在下で含ハロゲン有機化合
    物を水素供与物質及びアルカリ剤と反応させることによ
    り含ハロゲン有機化合物を脱ハロゲン水素化する含ハロ
    ゲン有機化合物の分解方法であって、アルコールを上記
    水素供与物質とし、金属水素化物を上記アルカリ剤とし
    て用いることを特徴とする含ハロゲン有機化合物の分解
    方法。
  2. 【請求項2】 前記金属水素化物は、アルカリ金属水素
    化物、アルカリ土類金属水素化物、テトラヒドロホウ酸
    塩及びテトラヒドロアルミン酸塩からなる群より選択さ
    れる請求項1記載の分解方法。
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