JP3441627B2 - 防食塗料組成物 - Google Patents
防食塗料組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は防食塗料組成物に関
し、特に、高粘度のＣ重油やパーム油等の流動点の高い
動植物油を運搬する運搬船のカーゴタンクの底部の裏面
（バラストタンクの天井面）のように瞬時の温度変化を
受ける箇所に用いるのに適した長期防食性塗膜を形成す
ることのできる防食塗料組成物に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来、流動点の高い動植物油を運搬する
運搬船のカーゴタンクの底部の裏面となるバラストタン
クの天井面には、通常、タールエポキシ樹脂塗料ＪＩＳ
２種又は１種相当品が乾燥膜厚２００〜２５０μｍで塗
装されている。また、最近は、変性エポキシ樹脂塗料が
乾燥膜厚２５０〜３００μｍで塗装されることも多くな
ってきた。 【０００３】Ｃ重油やパーム油等は常温では粘度が高
く、流動性に乏しいため、荷積み及び荷降しの際にはそ
れらの荷物を加熱して粘度を低くし、作業性を良くする
のが通常である。その加熱温度は５０〜７０℃程度であ
ることが多いが、８０℃以上にすることもある。このよ
うな高温物を荷積すると、バラストタンクの天井面（カ
ーゴタンクの底部の裏面）も積荷と同程度の温度に上昇
する。また、荷降し後には、バラストタンクに海水を注
入するが、冬期の海水は冷たく、５℃以下になることも
ある。このバラストタンクへの海水の注入により、タン
クは急冷却される。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】このように、荷積み、
荷降し、バラストタンクへの注水の繰り返しにより、バ
ラストタンクの天井面は８０℃から５℃の範囲内での、
時には８０℃以上から５℃以下への瞬時の温度変化を受
け、塗膜の伸縮が激しい環境に曝されることになる。そ
のため通常のバラストタンク用塗料を用いて得た塗膜で
は早期にハガレ、ワレ等の塗膜欠陥が生じ、腐食、錆の
発生が生じ易いという問題点があった。本発明は、上記
のような諸問題を解決するものであり、本発明の目的
は、上記のような環境下においても、長期間に亘り防
食、防錆効果を発揮する塗膜を形成することのできる塗
料組成物を提供することにある。 【０００５】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討の結果、可撓性エポキシ樹
脂、硬化剤としてのポリアミン樹脂、及び瀝青質を含む
防食塗料組成物において、可撓性エポキシ樹脂を特定量
で配合し、塗装後の塗膜のＴｇ値及び伸び率を特定値に
限定することにより上記目的が達成されることを見いだ
し、本発明に到達した。即ち、本発明の瞬時の温度変化
を受ける箇所に用いる防食塗料組成物は、可撓性エポキ
シ樹脂、硬化剤としてのポリアミン樹脂、及び瀝青質を
含む防食塗料組成物において、該可撓性エポキシ樹脂
（固形分）が全樹脂固形分の１〜３０重量％を占めてお
り、塗装後の塗膜のＴｇが５０℃以上となり、塗膜の伸
び率が１０％以上となることを特徴とする。 【０００６】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて詳細に説明する。本発明の防食塗料組成物で用いる
ことのできる可撓性エポキシ樹脂としては、ポリエチレ
ングリコールグリシジルエーテル型、ポリプロピレング
リコールグリシジルエーテル型、ビスフェノールＡアル
キレンオキサイド付加物のグリシジルエーテル型、ビス
フェノールＡ重合脂肪酸付加物のグリシジルエーテル
型、ダイマー酸ジグリシジルエステル型の各種エポキシ
樹脂、或いは、これらの２種以上の混合物などが代表的
なものとして挙げることができるが、これらに限定され
るものではない。 【０００７】本発明の防食塗料組成物は、上記の可撓性
エポキシ樹脂の他に硬化剤としてのポリアミン樹脂及び
コールタールピッチや膨潤炭のような瀝青質を必須成分
として含有し、更に、従来公知の防食塗料組成物に用い
られている諸成分を同様の配合割合で含有する。即ち、
本発明の防食塗料組成物は、上記の可撓性エポキシ樹
脂、ポリアミン樹脂、瀝青質以外に、アミン硬化エポキ
シ樹脂、イソシアネート硬化ポリオール樹脂、塩素化樹
脂、クマロンインデン樹脂、塩化ビニル樹脂、キシレン
樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、或いは、これらの２種以
上の混合物などの結合剤、キシレン、トルエンなどの芳
香族炭化水素、アルコール、ケトンなどの有機溶剤を含
有することができ、更に必要に応じて、酸化チタン、酸
化鉄、カーボンブラックなどの着色顔料、タルク、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム、マイカなどの体質顔料、そ
の他、沈澱防止剤、流れ止め剤、ハジキ防止剤などの各
種添加剤を含有することができる。 【０００８】本発明の防食塗料組成物においては、可撓
性エポキシ樹脂（固形分）が該可撓性エポキシ樹脂を含
めた全樹脂固形分の１〜３０重量％、好ましくは３〜２
５重量％を占める。可撓性エポキシ樹脂（固形分）の含
有量が全樹脂固形分の１重量％未満である場合には、本
発明で目的とする効果が不十分になるので好ましくな
い。逆に３０重量％を超えると塗膜が十分な物理的強度
を有さなくなって塗膜欠陥を生じる傾向が大きくなるの
で好ましくない。 【０００９】また、本発明の防食塗料組成物は、塗装後
の塗膜のＴｇが５０℃以上、好ましくは７０℃以上とな
り、塗膜の伸び率が１０％以上、好ましくは１２％以上
となるものである。塗装後の塗膜のＴｇが５０℃未満で
ある場合には、高温環境下において塗膜の劣化が早くな
る傾向があるので好ましくない。また、塗膜の伸び率が
１０％未満である場合には、塗膜が瞬時の温度変化によ
る伸縮応力を緩和することが困難となる傾向があるので
好ましくない。 【００１０】本発明の防食塗料組成物は、鋼材の表面
に、例えばショットブラスト鋼材の表面を脱脂し、乾燥
させて得た鋼材の表面に直接塗装してもよく、又は鋼材
の表面にショッププライマーを塗装し、その上に塗装し
てもよい。本発明の防食塗料組成物は乾燥膜厚２００〜
５００μｍ、好ましくは２５０〜３００μｍとなるよう
に塗装し、自然乾燥もしくは１００℃以下の温度で強制
乾燥させる。本発明の防食塗料組成物を塗装する塗装方
法としては、ハケ塗装、ローラー塗装、エアースプレ
ー、エアレススプレー、静電スプレー等の従来から一般
に実施されている方法がそのまま採用できる。 【００１１】 【実施例】以下に、実施例及び比較例に基づいて本発明
を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によ
って限定されるものではない。後記の表１に示した成分
のうち、硬化剤であるポリアミン樹脂及びポリアミド樹
脂成分以外の全成分を表１に示した量（重量部）比でサ
ンドミルにて２時間混練して各々の配合物を調製した。
そして、塗装直前にそれらの配合物にポリアミン樹脂又
はポリアミド樹脂成分を表１に示した量（重量部）比で
混合して本発明の防食塗料組成物を調製した。 【００１２】ショットブラスト鋼材（ＪＩＳ Ｇ ３１
０１、７０×１５０×３．２ｍｍ）の表面をキシレンで
脱脂し、乾燥させた。この鋼材の表面に上記で得た各々
の塗料組成物をエアースプレーにて乾燥膜厚２００μｍ
になるように塗装し、７日間自然乾燥させた。得られた
塗板につき、ヒートサイクル試験、９０℃塩水浸漬試験
を下記の方法により行った。 【００１３】＜ヒートサイクル試験＞塗膜の表面を１０
０℃まで加熱上昇させ、次いで５℃の氷水に漬けた。こ
の操作を１０回繰り返した後、濃度３重量％の食塩水を
満たした容器に試験板を浸漬し、６０℃に保持し、１週
間静置した。この操作を１サイクルとし、１５サイクル
の操作を行った。 ＜９０℃塩水浸漬試験＞濃度３重量％の食塩水を満たし
た容器中に試験板を浸漬し、９０℃に保持し、４ヶ月間
静置した。 【００１４】ヒートサイクル試験、９０℃塩水浸漬試験
の後に塗膜の付着力を測定し、また塗膜外観を観察し
た。更に、これらの試験の前の塗膜の付着力と試験後の
塗膜の付着力から塗膜の付着力低下率を求めた。これら
を下記の表２の評価基準に基づいて評価した。その結果
は下記の表３に示す通りであった。また、それぞれの単
離塗膜の伸び率及びＴｇを測定し、塗膜性能との関係を
把握した。 【００１５】 【表１】 【００１６】 【表２】【００１７】 【表３】 【００１８】表３に示す評価結果からも明かなように、
本発明の防食塗料組成物である実施例１及び実施例２の
塗料組成物は優れた防食性及び耐久性を有している。一
方、可撓性エポキシ樹脂の配合量が全樹脂固形分の３０
重量％を超える比較例１の塗料組成物は塗膜の物理的強
度が不十分であり、ヒートサイクル試験、９０℃塩水浸
漬試験に耐えることができなかった。また、塗膜の伸び
率が１０％未満の比較例２の塗料組成物は耐ヒートサイ
クル性が悪く、塗膜の伸び率が１０％未満で塗膜のＴｇ
が５０℃未満の比較例３の塗料組成物は耐ヒートサイク
ル性及び９０℃塩水浸漬の両方共悪く、塗膜のＴｇが５
０℃未満の比較例４の塗料組成物は９０℃塩水浸漬性が
悪い結果となり、好ましくないものであった。 【００１９】 【発明の効果】本発明の防食塗料組成物は、温度変化に
よる伸縮応力を緩和することができ且つ長期に亘って防
食性を維持できる塗膜を形成することのできる防食塗料
組成物であり、瞬時の温度変化を受ける箇所を塗装する
のに適している。
し、特に、高粘度のＣ重油やパーム油等の流動点の高い
動植物油を運搬する運搬船のカーゴタンクの底部の裏面
（バラストタンクの天井面）のように瞬時の温度変化を
受ける箇所に用いるのに適した長期防食性塗膜を形成す
ることのできる防食塗料組成物に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来、流動点の高い動植物油を運搬する
運搬船のカーゴタンクの底部の裏面となるバラストタン
クの天井面には、通常、タールエポキシ樹脂塗料ＪＩＳ
２種又は１種相当品が乾燥膜厚２００〜２５０μｍで塗
装されている。また、最近は、変性エポキシ樹脂塗料が
乾燥膜厚２５０〜３００μｍで塗装されることも多くな
ってきた。 【０００３】Ｃ重油やパーム油等は常温では粘度が高
く、流動性に乏しいため、荷積み及び荷降しの際にはそ
れらの荷物を加熱して粘度を低くし、作業性を良くする
のが通常である。その加熱温度は５０〜７０℃程度であ
ることが多いが、８０℃以上にすることもある。このよ
うな高温物を荷積すると、バラストタンクの天井面（カ
ーゴタンクの底部の裏面）も積荷と同程度の温度に上昇
する。また、荷降し後には、バラストタンクに海水を注
入するが、冬期の海水は冷たく、５℃以下になることも
ある。このバラストタンクへの海水の注入により、タン
クは急冷却される。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】このように、荷積み、
荷降し、バラストタンクへの注水の繰り返しにより、バ
ラストタンクの天井面は８０℃から５℃の範囲内での、
時には８０℃以上から５℃以下への瞬時の温度変化を受
け、塗膜の伸縮が激しい環境に曝されることになる。そ
のため通常のバラストタンク用塗料を用いて得た塗膜で
は早期にハガレ、ワレ等の塗膜欠陥が生じ、腐食、錆の
発生が生じ易いという問題点があった。本発明は、上記
のような諸問題を解決するものであり、本発明の目的
は、上記のような環境下においても、長期間に亘り防
食、防錆効果を発揮する塗膜を形成することのできる塗
料組成物を提供することにある。 【０００５】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討の結果、可撓性エポキシ樹
脂、硬化剤としてのポリアミン樹脂、及び瀝青質を含む
防食塗料組成物において、可撓性エポキシ樹脂を特定量
で配合し、塗装後の塗膜のＴｇ値及び伸び率を特定値に
限定することにより上記目的が達成されることを見いだ
し、本発明に到達した。即ち、本発明の瞬時の温度変化
を受ける箇所に用いる防食塗料組成物は、可撓性エポキ
シ樹脂、硬化剤としてのポリアミン樹脂、及び瀝青質を
含む防食塗料組成物において、該可撓性エポキシ樹脂
（固形分）が全樹脂固形分の１〜３０重量％を占めてお
り、塗装後の塗膜のＴｇが５０℃以上となり、塗膜の伸
び率が１０％以上となることを特徴とする。 【０００６】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて詳細に説明する。本発明の防食塗料組成物で用いる
ことのできる可撓性エポキシ樹脂としては、ポリエチレ
ングリコールグリシジルエーテル型、ポリプロピレング
リコールグリシジルエーテル型、ビスフェノールＡアル
キレンオキサイド付加物のグリシジルエーテル型、ビス
フェノールＡ重合脂肪酸付加物のグリシジルエーテル
型、ダイマー酸ジグリシジルエステル型の各種エポキシ
樹脂、或いは、これらの２種以上の混合物などが代表的
なものとして挙げることができるが、これらに限定され
るものではない。 【０００７】本発明の防食塗料組成物は、上記の可撓性
エポキシ樹脂の他に硬化剤としてのポリアミン樹脂及び
コールタールピッチや膨潤炭のような瀝青質を必須成分
として含有し、更に、従来公知の防食塗料組成物に用い
られている諸成分を同様の配合割合で含有する。即ち、
本発明の防食塗料組成物は、上記の可撓性エポキシ樹
脂、ポリアミン樹脂、瀝青質以外に、アミン硬化エポキ
シ樹脂、イソシアネート硬化ポリオール樹脂、塩素化樹
脂、クマロンインデン樹脂、塩化ビニル樹脂、キシレン
樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、或いは、これらの２種以
上の混合物などの結合剤、キシレン、トルエンなどの芳
香族炭化水素、アルコール、ケトンなどの有機溶剤を含
有することができ、更に必要に応じて、酸化チタン、酸
化鉄、カーボンブラックなどの着色顔料、タルク、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム、マイカなどの体質顔料、そ
の他、沈澱防止剤、流れ止め剤、ハジキ防止剤などの各
種添加剤を含有することができる。 【０００８】本発明の防食塗料組成物においては、可撓
性エポキシ樹脂（固形分）が該可撓性エポキシ樹脂を含
めた全樹脂固形分の１〜３０重量％、好ましくは３〜２
５重量％を占める。可撓性エポキシ樹脂（固形分）の含
有量が全樹脂固形分の１重量％未満である場合には、本
発明で目的とする効果が不十分になるので好ましくな
い。逆に３０重量％を超えると塗膜が十分な物理的強度
を有さなくなって塗膜欠陥を生じる傾向が大きくなるの
で好ましくない。 【０００９】また、本発明の防食塗料組成物は、塗装後
の塗膜のＴｇが５０℃以上、好ましくは７０℃以上とな
り、塗膜の伸び率が１０％以上、好ましくは１２％以上
となるものである。塗装後の塗膜のＴｇが５０℃未満で
ある場合には、高温環境下において塗膜の劣化が早くな
る傾向があるので好ましくない。また、塗膜の伸び率が
１０％未満である場合には、塗膜が瞬時の温度変化によ
る伸縮応力を緩和することが困難となる傾向があるので
好ましくない。 【００１０】本発明の防食塗料組成物は、鋼材の表面
に、例えばショットブラスト鋼材の表面を脱脂し、乾燥
させて得た鋼材の表面に直接塗装してもよく、又は鋼材
の表面にショッププライマーを塗装し、その上に塗装し
てもよい。本発明の防食塗料組成物は乾燥膜厚２００〜
５００μｍ、好ましくは２５０〜３００μｍとなるよう
に塗装し、自然乾燥もしくは１００℃以下の温度で強制
乾燥させる。本発明の防食塗料組成物を塗装する塗装方
法としては、ハケ塗装、ローラー塗装、エアースプレ
ー、エアレススプレー、静電スプレー等の従来から一般
に実施されている方法がそのまま採用できる。 【００１１】 【実施例】以下に、実施例及び比較例に基づいて本発明
を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によ
って限定されるものではない。後記の表１に示した成分
のうち、硬化剤であるポリアミン樹脂及びポリアミド樹
脂成分以外の全成分を表１に示した量（重量部）比でサ
ンドミルにて２時間混練して各々の配合物を調製した。
そして、塗装直前にそれらの配合物にポリアミン樹脂又
はポリアミド樹脂成分を表１に示した量（重量部）比で
混合して本発明の防食塗料組成物を調製した。 【００１２】ショットブラスト鋼材（ＪＩＳ Ｇ ３１
０１、７０×１５０×３．２ｍｍ）の表面をキシレンで
脱脂し、乾燥させた。この鋼材の表面に上記で得た各々
の塗料組成物をエアースプレーにて乾燥膜厚２００μｍ
になるように塗装し、７日間自然乾燥させた。得られた
塗板につき、ヒートサイクル試験、９０℃塩水浸漬試験
を下記の方法により行った。 【００１３】＜ヒートサイクル試験＞塗膜の表面を１０
０℃まで加熱上昇させ、次いで５℃の氷水に漬けた。こ
の操作を１０回繰り返した後、濃度３重量％の食塩水を
満たした容器に試験板を浸漬し、６０℃に保持し、１週
間静置した。この操作を１サイクルとし、１５サイクル
の操作を行った。 ＜９０℃塩水浸漬試験＞濃度３重量％の食塩水を満たし
た容器中に試験板を浸漬し、９０℃に保持し、４ヶ月間
静置した。 【００１４】ヒートサイクル試験、９０℃塩水浸漬試験
の後に塗膜の付着力を測定し、また塗膜外観を観察し
た。更に、これらの試験の前の塗膜の付着力と試験後の
塗膜の付着力から塗膜の付着力低下率を求めた。これら
を下記の表２の評価基準に基づいて評価した。その結果
は下記の表３に示す通りであった。また、それぞれの単
離塗膜の伸び率及びＴｇを測定し、塗膜性能との関係を
把握した。 【００１５】 【表１】 【００１６】 【表２】【００１７】 【表３】 【００１８】表３に示す評価結果からも明かなように、
本発明の防食塗料組成物である実施例１及び実施例２の
塗料組成物は優れた防食性及び耐久性を有している。一
方、可撓性エポキシ樹脂の配合量が全樹脂固形分の３０
重量％を超える比較例１の塗料組成物は塗膜の物理的強
度が不十分であり、ヒートサイクル試験、９０℃塩水浸
漬試験に耐えることができなかった。また、塗膜の伸び
率が１０％未満の比較例２の塗料組成物は耐ヒートサイ
クル性が悪く、塗膜の伸び率が１０％未満で塗膜のＴｇ
が５０℃未満の比較例３の塗料組成物は耐ヒートサイク
ル性及び９０℃塩水浸漬の両方共悪く、塗膜のＴｇが５
０℃未満の比較例４の塗料組成物は９０℃塩水浸漬性が
悪い結果となり、好ましくないものであった。 【００１９】 【発明の効果】本発明の防食塗料組成物は、温度変化に
よる伸縮応力を緩和することができ且つ長期に亘って防
食性を維持できる塗膜を形成することのできる防食塗料
組成物であり、瞬時の温度変化を受ける箇所を塗装する
のに適している。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 織田 信貞
大阪府大阪市東淀川区下新庄６−９−18
−507
(56)参考文献 特開 昭58−147466（ＪＰ，Ａ)
特開 平９−263713（ＪＰ，Ａ)
特開 平９−302276（ＪＰ，Ａ)
特開 平５−228426（ＪＰ，Ａ)
特開 平１−240575（ＪＰ，Ａ)
特開 平７−8905（ＪＰ，Ａ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
C09D 163/00
C09D 5/08
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】可撓性エポキシ樹脂、硬化剤としてのポリ
アミン樹脂、及び瀝青質を含む防食塗料組成物におい
て、該可撓性エポキシ樹脂（固形分）が全樹脂固形分の
１〜３０重量％を占めており、塗装後の塗膜のＴｇが５
０℃以上となり、塗膜の伸び率が１０％以上となること
を特徴とする瞬時の温度変化を受ける箇所に用いる防食
塗料組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19557097A JP3441627B2 (ja) | 1997-07-22 | 1997-07-22 | 防食塗料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19557097A JP3441627B2 (ja) | 1997-07-22 | 1997-07-22 | 防食塗料組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1135882A JPH1135882A (ja) | 1999-02-09 |
| JP3441627B2 true JP3441627B2 (ja) | 2003-09-02 |
Family
ID=16343330
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19557097A Expired - Fee Related JP3441627B2 (ja) | 1997-07-22 | 1997-07-22 | 防食塗料組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3441627B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE10244683A1 (de) * | 2002-09-24 | 2004-04-01 | Basf Ag | Feste Pigmentzubereitungen, enthaltend oberflächenaktive Additive auf Basis von alkoxylierten Bisphenolen |
| US7066071B2 (en) | 2003-05-01 | 2006-06-27 | Helen Of Troy Limited | Food slicer |
-
1997
- 1997-07-22 JP JP19557097A patent/JP3441627B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH1135882A (ja) | 1999-02-09 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
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