JP3440197B2 - 偏平状異形微粒子の製造方法および該微粒子を含むエマルジョン - Google Patents

偏平状異形微粒子の製造方法および該微粒子を含むエマルジョン

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JP3440197B2 JP36555397A JP36555397A JP3440197B2 JP 3440197 B2 JP3440197 B2 JP 3440197B2 JP 36555397 A JP36555397 A JP 36555397A JP 36555397 A JP36555397 A JP 36555397A JP 3440197 B2 JP3440197 B2 JP 3440197B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、塗料、紙、情報
記録紙または光拡散性フィルム等に用いられるコーティ
ング剤の添加剤、化粧品の添加剤等として有用な偏平状
異形微粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
乳化重合により粒子の形状をコントロールした高分子微
粒子を製造できることが知られており、そのような微粒
子は、コーティング剤の添加剤として使用されている。
例えば、USP4,427,836ではアルカリ膨潤性
のコア粒子に熱可塑性のシェルをつけた粒子を高温でア
ルカリ膨潤することにより、0.3〜0.6μmの中空
粒子を製造できることが示されている。この方法により
製造された中空微粒子は、水系塗料中の酸化チタンの代
わりに高隠蔽性有機顔料として使用され、また紙コーテ
ィングの分野でも白色度および光沢の改良に使用されて
いる。
【0003】また、特開平2−14222号公報および
第19回表面改質研究会講演要旨集16〜21頁(19
94年)では、赤血球に似た偏平面にくぼみのある偏平
状微粒子の製造法が示されている。すなわち、ビニル重
合体からなる種粒子を含むエマルジョンに水、重合開始
剤、単量体、有機溶剤を含む混合乳化物を連続的に添加
して重合する製造方法が開示されている。このような偏
平状微粒子を、塗料、化粧料、紙コーティング剤および
情報記録紙等に用いた場合、光沢、隠蔽力、白色度等に
優れた特性を有することが示されている。
【0004】しかし、この製造法の場合、イソオクタン
等の有機溶媒が種粒子内に存在しているため、重合後に
水蒸気蒸留を行って非水溶性有機溶剤を除去する必要が
あり、製造工程が煩雑になるという問題があった。ま
た、水蒸気蒸留を行わない場合には、塗工工程でエマル
ジョンの乾燥時に、水と一緒に非水溶性有機溶剤が大気
中に蒸散されるため環境上問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、非水溶性
有機溶剤を使用することなく、内部にくぼみを有する凸
状のビニル系重合体異形微粒子を製造する方法について
鋭意検討した結果、重量平均分子量5,000〜15
0,000のビニル系重合体粒子を種粒子とし、(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体を主成分とし、かつ架
橋性ビニル系単量体を含む単量体混合物を種粒子に吸収
させ、水溶性重合開始剤を用いて、、非水溶性有機溶剤
の非存在下で乳化重合することにより、目的とする異形
微粒子が得られることを見出し、この発明を完成した。
【0006】この発明における「偏平状異形微粒子」と
は、平面形状が略円形で、表面が凸状で、裏面(底部)
が凹状となった異形微粒子であって、底部の直径(D)
が0.3〜5μmで、この直径(D)と底部から凸状表
面の先端までの厚み(H)との比(D/H)が1.5〜
4の範囲にあり、凸状表面に対応した内径0.1μm以
上の凹状内面を底部に有する微粒子を意味する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、この発明について詳細に説
明する。この発明で使用されるビニル系重合体粒子から
なる種粒子としては、スチレン、αーメチルスチレン等
の芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル
等の(メタ)アクリル酸エステル単量体、酢酸ビニル、
あるいは他の共重合可能な単量体の単独重合体またはこ
れらのブロック、ラムダム、グラフト共重合体が挙げら
れる。ここで、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸およ
びメタクリル酸の双方を意味する。
【0008】なお、種粒子を構成する単量体は、後述の
単量体混合物に含まれる単量体と同一であるか、または
同系列のものであれば、透明性の異形微粒子が得られや
すいので好ましい。種粒子の製造方法は特に限定されな
いが、乳化重合、ソープフリー乳化重合あるいは懸濁重
合などの方法を用いることができる。種粒子の粒径の均
一性や製造方法の簡便さを考慮すると、乳化重合および
ソープフリー乳化重合法が好ましい。
【0009】この発明で用いられる種粒子の重量平均分
子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによ
る測定で、5,000〜150,000の範囲であり、
好ましくは10,000〜80,000、さらに好まし
くは15,000〜50,000である。重合開始剤の
使用量の加減あるいは分子量調整剤の添加などにより、
種粒子の重量平均分子量をこの範囲に調整することがで
きる。分子量調整剤としては、n−オクチルメルカプタ
ン、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、四
塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類が使用され得る。こ
れらの分子調整剤の添加量を加減することによって
も、種粒子の重量平均分子量を調整することができる。
【0010】種粒子の重量平均分子量が150,000
より大きい場合には、得られる異形微粒子の偏平の度合
いが低下し、球状の微粒子が混入する。すなわち、種粒
子の重量平均分子量が150,000より大きくなる
と、種粒子の単量体吸収能力が小さくなり、単量体混合
物の単量体が種粒子に吸収されないまま独自に重合する
ため、目的の形状とは異なる球状の微粒子が生成するも
のと思われる。
【0011】他方、種粒子の重量平均分子量が5,00
0より小さい場合には、多量の分子量調整剤を使用して
も、所望の種粒子が得られ難いばかりでなく、最終的に
得られる偏平状異形微粒子の強度が低下するという問題
がある。なお、種粒子の大きさおよび形状は特に限定さ
れないが、通常0.1〜2μmの球状粒子が使用され
る。
【0012】この発明で用いられる(メタ)アクリル酸
エステル系単量体としては、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブ
チル等が挙げられる。偏平状異形微粒子として得られる
重合体のガラス転移温度は、粉体として取り扱う際の結
合、合着等の弊害を回避する上で50℃以上が好まし
く、より好ましくは70℃以上である。そのためには、
(メタ)アクリル酸メチルが好ましく、しかも(メタ)
アクリル酸メチルが単量体混合物中に50〜97重量%
程度含有されているのが好ましい。
【0013】もう一方の単量体である架橋性ビニル系単
量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレング
リコールジメタクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート等の、重合性ビニル基を1分子中に2
つ以上有する多官能性単量体が用いられる。この発明の
架橋性ビニル系単量体の使用量は、単量体混合物の全量
に対して3〜15重量%に調整される。
【0014】架橋性ビニル系単量体の比率が3重量%未
満であると、偏平化の度合いが小さく球状に近い粒子が
得られる。また、逆に架橋性ビニル系単量体の比率が1
5重量%より大きい場合も、同様の結果が得られる。な
お、所望により、上記以外の共重合可能な単量体を併用
することもできる。
【0015】そのような単量体としては、スチレン、α
ーメチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、酢酸ビニ
ル、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)
アクリルアミド、2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。この発明における単量体混合物の使用量は、種粒子
1重量部に対して3〜30重量部であることが好まし
く、さらに好ましくは5〜25重量部であり、特に好ま
しくは7〜19重量部である。
【0016】単量体混合物の使用量が種粒子1重量部に
対して3重量部未満であると、得られる偏平状異形微粒
子の偏平化の度合いが小さくなりやすい。逆に、この使
用量が30重量部を越えると、種粒子の単量体吸収能力
が不充分となって、種粒子に吸収されない単量体が増
え、そのため目的とする形状以外の微小な粒子が生成し
やすい。
【0017】なお、単量体混合物の種粒子への添加方法
は特に限定されず、一度に、または分割して、あるいは
連続的に添加して、単量体を種粒子に吸収させることが
できる。この発明では、水溶性重合開始剤として、水溶
性のラジカル開始剤が用いられる。水溶性のラジカル開
始剤としては例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニ
ウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類、ベンゾイルハ
イドロパーオキサイド等の有機過酸化物、4,4´−ア
ゾビス(4−シアノペンタン酸)等のアゾ系化合物類、
過硫酸カリウム−チオ硫酸ナトリウム、過酸化水素−ア
スコルビン酸等のレドックス系開始剤などが挙げられ
る。
【0018】なお、この発明の方法でベンゾイルパーオ
キシド,アゾイソビスブチロニトリル等の油溶性重合開
始剤を用いると、目的とする偏平状異形微粒子は得られ
ない。重合温度は、65℃〜90℃であることが好まし
く、さらに好ましくは70℃〜80℃である。重合温度
が65℃未満では偏平化の度合いが小さくなりやすく、
逆に90℃を越えると重合開始剤が分解しやすく、重合
開始剤の失活により重合が完結し難くなる。
【0019】重合に際して、界面活性剤を用いてもよ
く、好ましい界面活性剤としては、アルキルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、
ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等のアニオン系界
面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のノニオン
系界面活性剤が挙げられ、これらの界面活性剤は単独
で、または2種以上のものを組み合わせて用いることが
できる。これらの界面活性剤を用いる場合、その使用量
は、臨界ミセル濃度以下であって、できるだけ少ない方
が好ましい。界面活性剤の使用量が多くなると、目的と
する粒子径の範囲外の粒子が生成しやすくなり、好まし
くない。
【0020】また、この発明の方法では分散安定剤を用
いてもよく、好ましい分散安定剤としては、ポリビニル
アルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース等の水溶性高分子が挙げられる。この
ようにして得られる偏平状異形微粒子は、底部の直径
(D)が0.3〜5μmであり、この直径(D)と底部
から凸状表面の頂点までの厚さ(H)との比(D/H)
が1.5〜4の範囲にあり、凸状表面に対応した内径
0.1μm以上の凹状内面を粒子の底部中央に有してい
る。
【0021】なお、この発明の方法により偏平状異形微
粒子の得られるメカニズムは明確ではないが、次のよう
に推定される。まず、種粒子が単量体を吸収して膨潤し
た状態になる。次いで、水溶性重合開始剤で重合を行う
ため、水相で発生したラジカルが水相から単量体油滴に
浸入する。単量体油滴の表面で反応が開始されるが、架
橋性単量体を含有しているため、比較的低重合率の段階
で粒子の外形が定まる。そして、重合の進行に伴い、単
量体に溶解していた種粒子のポリマーが析出する。さら
に重合が進行して粒子内の重合収縮のひずみが増大す
る。析出した種粒子のポリマーと生成した架橋ポリマー
の相溶性が高く、架橋性単量体の量が比較的少ないた
め、空孔は形成されず、重合収縮により中央部にくぼみ
が形成される。
【0022】この発明は、このようにして得られる偏平
状異形微粒子を含む水性エマルジョンをも提供するもの
である。このエマルジョンは、上記の重合反応により得
られる反応混合物そのままであってもよく、あるいは使
用目的に応じてエマルジョン中の固形成分の濃度を公知
の手段によって適宜調整したものであってもよい。
【0023】さらに、該エマルジョンは、反応混合物か
ら一旦脱水、乾燥工程を経て単離された偏平状異形微粒
子を水中に分散させたものであってもよい。この場合に
は、必要に応じて、公知の乳化剤を添加してもよい。こ
の発明で得られる偏平状異形微粒子およびそれを含む水
性エマルジョンは、何れも有機溶剤を含むものでなく、
塗料、化粧品等の添加剤あるいは紙、情報記録紙、光拡
散性フィルム等のコーティング剤の添加剤などとして使
用され、作業環境や大気環境を改善するとともに、すぐ
れた光拡散効果を奏する。
【0024】
【実施例】本発明の具体的な製造法を実施例により以下
に説明するが、この発明の方法はこれらの実施例に限定
されるものではない。なお、実施例における粒径、直
径、厚さ、長径、短径等の数値は、いずれも平均的な数
値である。
【0025】また、実施例における重量平均分子量の測
定方法は、次の通りである。 測定機器:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー 機種名:島津製作所(株)製 クロマトパック C−R
4A 溶媒:THF 測定温度:40℃ 以下に示す合成例1〜8により種粒子を作成した。
【0026】(合成例1) 攪拌機、温度計および還流コンデンサーを備えたセパラ
ブルフラスコに、水600g、メタクリル酸メチル10
0gおよび分子量調整剤としてn−オクチルメルカプタ
ン(n−OM)0.5gを仕込み、攪拌下に窒素置換し
ながら70℃まで昇温する。内温を70℃に保ち、重合
開始剤として過硫酸カリウム0.5gを添加した後、8
時間重合反応させる。得られたエマルジョンは、固形分
14%を含有し、その固形成分は粒径0.4μm、重量
平均分子量45,000の真球状粒子であった。
【0027】(合成例2〜4)n−OMの添加量を表1
に示すように変えた以外は、合成例1と同様の方法で重
合を行った。
【0028】(合成例5)重合温度を80℃とした以外
は、合成例1と同様の方法で重合を行った。
【0029】(合成例6)n−OMの添加量を2gとし
た以外は、合成例5と同様の方法で重合を行った。
【0030】(合成例7)n−OMの添加量を5gとし
た以外は、合成例5と同様の方法で重合を行った。
【0031】(合成例8) 攪拌機、温度計および還流コンデンサーを備えたセパラ
ブルフラスコに、水900g、スチレン100gおよび
分子量調整剤としt−ドデシルメルカプタン(t−D
M)1gを仕込み、攪拌下に窒素置換しながら70℃ま
で昇温する。内温を70℃に保ち、重合開始剤として過
硫酸カリウム1gを添加した後、24時間重合反応させ
る。得られたエマルジョンは固形分10%を含有し、そ
の固形成分は粒径0.5μm、重量平均分子量75,0
00の真球状粒子であった。
【0032】合成例1〜8により得られたポリマー微粒
子(種粒子)の粒径および重量平均分子量を表1に示
す。
【0033】
【表1】
【0034】(実施例1)合成例1で製造したエマルジ
ョン71.5g(種粒子としての固形分換算10g)、
ラウリル硫酸ナトリウム0.15g、イオン交換水50
0g、メタクリル酸メチル95gおよびエチレングリコ
ールジメタクリレート5gを混合し、30℃で2時間攪
拌して、種粒子に単量体を吸収させた。次に、この混合
物を窒素気流下で70℃に昇温し、重合開始剤として過
硫酸カリウム0.5gを溶解したイオン交換水50gを
添加し、5時間重合を行った。その後、室温まで冷却
し、孔系0.8μmの濾紙を用いて吸引濾過洗浄を行っ
た後、60℃にて真空乾燥を行った。得られた重合体微
粒子は、走査型電子顕微鏡により観察したところ、底部
の直径が1.1μm、底部から凸状表面の頂点までの厚
さ(H)が0.6μmで、粒子の底部中央に直径0.5
μmの凹部を持つ偏平状異形微粒子であった。この実施
例で得られた微粒子の走査型電子顕微鏡写真を図1に示
す。
【0035】(実施例2)重合温度を85℃とした以外
は、実施例1と同様の条件で重合を行った。得られた重
合体微粒子を走査型電子顕微鏡により観察したところ、
実施例1と同様の偏平状異形微粒子であった。
【0036】(実施例3)合成例2で製造した種粒子を
用いた以外は、実施例1と同様の条件で重合を行った。
得られた重合体微粒子は、走査型電子顕微鏡により観察
したところ、底部の直径が1μm、底部から凸状表面の
頂点までの厚さが0.5μmで、粒子の底部中央部に直
径0.2μmの凹部をもつ偏平状異形微粒子であった。
【0037】(実施例4)メタクリル酸メチルの量を9
0g、エチレングリコールジメタクリレートの量を10
gとした以外は、実施例1と同様の条件で重合を行っ
た。得られた重合体微粒子は、走査型電子顕微鏡により
観察したところ、底部の直径が1μm、底部から凸状表
面の頂点までの厚さが0.5μmで、粒子の中央部に直
径0.2μmの凹部をもつ偏平状異形微粒子であった。
【0038】(実施例5)メタクリル酸メチルの量を8
5g、エチレングリコールジメタクリレートの量を15
gとした以外は、実施例1と同様の条件で重合を行っ
た。得られた重合体微粒子は、走査型電子顕微鏡により
観察したところ、底部の直径が1μm、底部から凸状表
面の頂点までの厚さが0.6μmで、粒子の底部中央部
に直径0.1μmの凹部をもつ偏平状異形微粒子であっ
た。
【0039】(実施例6)合成例5で製造した種粒子を
固形分換算で3.3g用いた以外は、実施例1と同様の
条件で重合を行った。得られた重合体微粒子は、走査型
電子顕微鏡により観察したところ、底部の直径が1.2
μm、底部から凸状表面の頂点までの厚さが0.6μm
で、粒子の底部中央に直径0.5μmの凹部をもつ偏平
状異形微粒子であった。
【0040】(実施例7)合成例1で製造した種粒子を
固形分換算で20g用いた以外は、実施例1と同様の条
件で重合を行った。得られた重合体微粒子は、走査型電
子顕微鏡により観察したところ、底部の直径が1.0μ
m、底部から凸状表面の頂点までの厚さが0.6μm
で、粒子の底部中央に直径0.2μmの凹部をもつ偏平
状異形微粒子であった。
【0041】(実施例8)合成例8で製造したポリスチ
レン粒子を種粒子として用いた以外は、実施例1と同様
の条件で重合を行った。得られた重合体微粒子は、走査
型電子顕微鏡により観察したところ、底部の直径が1.
2μm、底部から凸状表面の頂点までの厚さが0.5μ
mで、粒子の底部中央部に直径0.5μmの凹部をもつ
偏平状異形微粒子であった。
【0042】(実施例9)単量体として、メタクリル酸
メチル75g、メタクリル酸ノルマルブチル20gおよ
びエチレングリコールジメタクリレート5gを用いた以
外は、実施例1と同様の条件で重合を行った。得られた
重合体微粒子は、走査型電子顕微鏡により観察したとこ
ろ、底部の直径が1.1μm、底部から凸状表面の頂点
までの厚さが0.6μmで、粒子の底部中央に直径0.
5μmの凹部をもつ偏平状異形微粒子であった。
【0043】(実施例10)合成例6で製造した種粒子
を用いた以外は、実施例1と同様の条件で重合を行っ
た。得られた重合体微粒子は、走査型電子顕微鏡により
観察したところ、底部の直径が1.1μm、底部から凸
状表面の頂点まで厚さが0.5μmで、粒子の中央部に
直径0.5μmの凹部をもつ偏平状異形微粒子であっ
た。
【0044】(実施例11)合成例7で製造した種粒子
を用いた以外は、実施例1と同様の条件で重合を行なっ
た。得られた重合体微粒子は、走査型電子顕微鏡により
観察したところ、底部の直径1.1μm、底部から凸部
の頂点まで厚さ0.5μmで、粒子の中央部に直径0.
5μmの凹部を持つ偏平状異形微粒子であった。
【0045】(実施例12)実施例1で得られた偏平状
異形微粒子10gを、ラウリル硫酸ナトリウムを500
ppm含む水100mlに分散させてエマルジョンを得
た。
【0046】(比較例1)合成例3で製造した種粒子を
用いた以外は、実施例1と同様の条件で重合を行った。
得られた重合体微粒子は、走査型電子顕微鏡により観察
したところ、粒径0.9μmのほぼ球状の微粒子であ
り、凹部は見られなかった。
【0047】(比較例2)実施例1における重合開始剤
としての過硫酸カリウムの代わりに、アゾイソビスブチ
ロニトリル(油溶性重合開始剤)をメタクリル酸メチル
に溶解したものを用いた以外は、実施例1と同様の条件
で重合を行った。得られた重合体微粒子を電子顕微鏡に
より観察したところ、粒径0.7μmの真球状であっ
た。
【0048】(比較例3)メタクリル酸メチルの量を8
0gに変更し、エチレングリコールジメタクリレートの
量を20gに変更した以外は、実施例1と同様の条件で
重合を行った。得られた重合体微粒子は、走査型電子顕
微鏡により観察したところ、長径0.9μm、短径0.
7μmのいびつな形状をしていたが、直径が0.1μm
以上の凹部は認められなかった。
【0049】(比較例4)メタクリル酸メチルの量を9
9gに変更し、エチレングリコールジメタクリレートの
量を1gに変更した以外は、実施例1と同様の条件で重
合を行った。得られた重合体微粒子は、走査型電子顕微
鏡により観察したところ、長径0.9μm、短径0.7
μmのいびつな形状をしていたが、凹部は認められなか
った。
【0050】(比較例5)合成例1で製造した種粒子を
固形分換算で10g、ラウリル硫酸ナトリウム0.15
g、イオン交換水500g、スチレン95gおよびジビ
ニルベンゼン5gを混合し、30℃で2時間攪拌して、
種粒子に単量体を吸収させた。この混合物を窒素気流下
で70℃に昇温し、重合開始剤として過硫酸カリウム
0.5gを溶解したイオン交換水50gを添加して、1
0時間重合を行った。得られた重合体微粒子を走査型電
子顕微鏡により観察したところ、粒径1.1μmの真球
状微粒子であった。
【0051】
【発明の効果】この発明の方法によれば、非水溶性の有
機溶媒を用いることなく、偏平状異形微粒子を容易に製
造することができる。この発明の方法により得られる偏
平状異形微粒子およびこの微粒子を含むエマルジョン
は、塗料、化粧品等の添加剤あるいは紙、情報記録紙、
光拡散性フィルム等のコーティング剤の添加剤などとし
て使用することができ、特異な形状に由来する優れた光
拡散効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の方法で得られた偏平状異形微粒子の
走査型電子顕微鏡写真である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量5,000〜150,0
    00のビニル系重合体粒子からなる種粒子の存在下に、
    (メタ)アクリル酸エステル系単量体を主成分とし、か
    つ架橋性ビニル系単量体3〜15重量%を含む単量体混
    合物を、水溶性重合開始剤を用いて、水性媒体中、非水
    溶性有機溶剤の非存在下で乳化重合させることを特徴と
    する偏平状異形微粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法により製造された
    微粒子が、水性媒体中に分散されてなる水性エマルジョ
    ン。
JP36555397A 1997-12-22 1997-12-22 偏平状異形微粒子の製造方法および該微粒子を含むエマルジョン Expired - Fee Related JP3440197B2 (ja)

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