JP3439036B2 - 直交および振幅誤差補償回路 - Google Patents

直交および振幅誤差補償回路

Info

Publication number
JP3439036B2
JP3439036B2 JP20857396A JP20857396A JP3439036B2 JP 3439036 B2 JP3439036 B2 JP 3439036B2 JP 20857396 A JP20857396 A JP 20857396A JP 20857396 A JP20857396 A JP 20857396A JP 3439036 B2 JP3439036 B2 JP 3439036B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
quadrature
component
signal
coefficient
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20857396A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1056484A (ja
Inventor
知之 山田
哲 田野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP20857396A priority Critical patent/JP3439036B2/ja
Publication of JPH1056484A publication Critical patent/JPH1056484A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3439036B2 publication Critical patent/JP3439036B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディジタル信号を変
調して伝送する通信システムに関する。特に、ディジタ
ル信号を復調する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】位相変復調方式を用いたディジタル通信
において、変調波から情報を抽出する従来の復調装置で
は、増幅器により受信変調波を増幅し、直交準同期検波
器により直交準同期検波を行い、この直交準同期検波器
の出力を検波器により検波し、識別装置により、同相成
分をI軸、直交成分をQ軸とするIQ平面における識別
面を用いて、検波器の出力である同相成分と直交成分と
から情報を得ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、直交準同期検
波器の出力である同相成分および直交成分は、理想的に
は直交しかつ振幅が一定となるはずであるが、装置の不
完全性のために、振幅が一定でなかったり、直交しない
場合が生じる。すなわち、直交準同期検波器の出力に、
直交・振幅誤差が発生する。そのため、直交準同期検波
器の出力である同相成分と直交成分とをそのまま検波器
の入力として用いると、ビット誤り率(BER)が増加
してしまう欠点があった。このような欠点の生じる詳し
い過程を以下に説明する。
【0004】図7は、直交準同期検波器の出力である同
相成分および直交成分が描く軌跡を示す図であり、装置
の不完全性のためにIQ平面上においてどのような軌跡
を描くかを説明する図である。
【0005】直交準同期検波器とは、位相変調された変
調波信号Acos(ωc t+Φk )に基準信号を乗算し
て位相和信号と位相差信号とを発生させ、低域通過フィ
ルタで位相和信号を除去し、位相差信号を得る装置であ
る。ここで、変調波信号の式のASは変調信号の振幅を
表し、ωc は搬送波の角周波数を表し、Φk はベースバ
ンド信号の値に異なる値をもつ位相成分を表す。また、
基準信号とは、搬送波の角周波数ωc と誤差Δωだけの
差異がある角周波数ω=ωc +Δωの正弦関数pi co
s(ωt)および余弦関数−pq sin(ωt)のこと
であり、各々の基準信号を用いると、変調波の同相成分
I=Api cos(Φk −Δωt)と直交成分Q=−p
q sin(Φk −Δωt)とが得られる。なお、正弦関
数pi cos(ωt)および余弦関数pq sin(ω
t)のpi 、pq は、それぞれの関数の振幅を表す。
【0006】誤差Δωが零である場合は、同相成分およ
び直交成分はそれぞれ、Api cos(Φk )、Apq
sin(Φk )となる。したがって、IQ平面上におけ
る同相成分と直交成分の軌跡は、Φk の変化と共に点の
位置は変化するが、1タイムスロット内においては静止
した点となる。しかし、実際にはΔωが何らかの値をも
つため、同相成分および直交成分の軌跡は、時間の経過
と共に回転する軌跡となる。ここで、同相成分および直
交成分を導き出す基準信号の振幅pi とpq が同じ値を
もち、かつ同相成分と直交成分とのゲインが同じである
と仮定すれば、IQ平面上における同相成分および直交
成分の軌跡は、図7(a)に示すように真円となる。
【0007】しかし、実際には装置の不完全性のため、
上記の仮定が成り立たず、IQ平面上における同相成分
および直交成分の軌跡は、図7(b)に示すように、軸
がI軸およびQ軸である楕円になる。
【0008】ここまでは、前提条件として、同相成分と
直交成分とを導き出す基準信号として、正弦関数pi
os(ωt)と余弦関数−pq sin(ωt)とを用い
た場合を仮定していた。すなわち、同相成分と直交成分
を導き出す二つの基準信号の位相が正確にπ/2ずれて
いる場合であり、それゆえ同相成分と直交成分とが正確
に直交している場合であった。しかし、装置の不完全性
により同相成分と直交成分とが直交していない場合に
は、図7(c)に示すように、軸がI軸およびQ軸のい
ずれからもずれた楕円となる。式で示すと、基準信号は
i cos(ωt)と−pq sin(ωt+Φ)とな
り、これらから同相成分と直交成分とを求めると、それ
ぞれI=Api cos(Φk −Δωt)、Q=Apq
in(Φk −Δωt−Φ)となる。これらの式は、直交
準同期検波器の出力の直交・振幅誤差を表現している。
【0009】以上の説明をまとめると、同相成分Iと直
交成分Qとが直交し、かつ振幅(I2 +Q2 の平方根)
が一定の場合は、図7(a)に示すようにIQ平面上に
おける同相成分および直交成分の軌跡が真円になり、直
交はしているが振幅が一定でない場合は、図7(b)に
示すように軸がI軸およびQ軸である楕円になり、直交
もしていない場合には図7(c)に示すように軸がI軸
およびQ軸のいずれからもずれた楕円となる。
【0010】なお、直交準同期検波器の出力である同相
成分および直交成分の軌跡が真円にならない原因は、直
交準同期検波器を構成する移相器が正確に移送をπ/2
だけ移相できない場合や、同相成分と直交成分とのゲイ
ンが異なる場合など、装置の不完全性に起因する。
【0011】次に、直交準同期検波器の出力である同相
成分と直交成分とが、検波器に入力されてどのような処
理が施され、結果としてBERが増加するのかについて
説明する。検波器の処理の目的は、直交準同期検波器の
基準信号の周波数ずれΔωのために生じた同相成分およ
び直交成分の軌跡の回転の影響を除去して、新しい同相
成分および直交成分を得ることにある。しかし、白色ガ
ウス雑音が信号に加わっており、IQ平面上における同
相成分および直交成分の軌跡の周辺に雑音が分布してい
るため、直交準同期検波器の出力である同相成分および
直交成分の軌跡が真円にならない場合、検波器の処理を
施して識別装置でディジタル信号を抽出した結果は、同
相成分および直交成分の軌跡が真円となる場合と比べ、
BERが増加する。
【0012】以上説明したように、直交準同期検波器の
出力である同相成分および直交成分は、理想的には直交
しかつ振幅が一定になるはずであるが、装置の不完全性
のために直交・振幅誤差が発生する。このため、振幅が
同相成分と直交成分とで異なっていたり、直交しない場
合が生じ、この同相成分と直交成分とをそのまま検波器
に入力すると、BERが増加するという欠点があった。
【0013】また、装置の不完全性のために同相成分と
直交成分とが直交はしているが振幅が一定でない場合
や、直交していない場合でも完全な装置との差異が事前
にわかっている場合には、直交準同期検波器の後段に同
相成分と直交成分に定数を掛けて調整する装置を設け、
同相成分と直交成分とが直交しかつ振幅が一定になるよ
うにするという技術も知られている。この従来技術を利
用すれば、たしかにBERを向上させることができる
が、調整が困難であるため、人件費の増加を招くという
欠点がある。また、このような従来技術は、温度変動に
起因するゆっくりした時間変動により同相成分と直交成
分との揺らぎが時間の経過と共に変化する場合には、何
らの有効な手立てを与えるものではない。
【0014】本発明は、これらの課題を解決し、直交準
同期検波器の出力する同相成分と直交成分とを直交さ
せ、かつ振幅を一定にする直交および振幅誤差補償回路
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の直交および振幅
誤差補償回路は、直交準同期検波器から出力される同相
成分および直交成分の信号の直交性および振幅の誤差を
補償する直交および振幅誤差補償回路において、直交準
同期検波器からの同相成分および直交成分の一方の成分
の入力信号に第一の係数を乗算した信号と他方の成分の
入力信号に第二の係数を乗算した信号とを加算して一方
の成分に対する出力信号とする第一の手段と、他方の成
分の入力信号に第三の係数を乗算してその成分に対する
出力信号とする第二の手段と、直交準同期検波器からの
あらかじめ定められた回数の入力毎に、第一の手段の出
力信号と前記第二の手段の出力信号とが直交しその二乗
和が一定となるように第一ないし第三の係数を更新する
第三の手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】第三の手段は、所望の振幅レベルを表わす
定数σの二乗から第一の手段の出力と第二の手段の出力
との二乗和を差し引いた誤差項eを求める第四の手段
と、一方の成分の入力信号および出力信号と誤差項eと
の乗算値にさらに補正の大きさを制御する一定のパラメ
ータμを乗算した第一の更新差異を求め、この第一の更
新差異を更新前の第一の係数に加算して新たな第一の係
数とする第五の手段と、一方の成分の入力信号と他方の
成分の出力信号と誤差項eとパラメータμとを乗算した
第二の更新差異を求め、この第二の更新差異を更新前の
第二の係数に加算して新たな第二の係数とする第六の手
段と、他方の成分の入力信号と一方の成分の出力信号と
誤差項eとパラメータμとを乗算した第三の更新差異を
求め、この第三の更新差異を更新前の第三の係数に加算
して新たな第二の係数とする第六の手段とを含むことが
よい。
【0017】本発明の原理について以下に説明する。ま
ず、離散時間表現による直交性および振幅の誤差発生モ
デルを以下のように展開する。
【0018】
【数1】 ただし、xi,k 、xq,k はそれぞれ同相成分と直交成分
とを表し、添字kは時刻を表す。数1の右辺の行列項が
明らかに直交性および振幅の誤差を発生させている部分
である。したがって、この行列項の逆行列を数1のベク
トルに乗じることにより、この直交性および振幅の誤差
を補償できる。この逆行列は以下のように簡単に求めら
れる。
【0019】
【数2】 すなわち、数2における行列の三つの要素を正確に推定
することにより、直交および振幅が補償されることにな
る。そこで、直交検波された信号に対して数2に相当す
る以下の処理を行う。
【0020】
【数3】 ただし、yi,k 、yq,k は信号処理済の同相成分と直交
成分とを表す。この三つの行列要素を推定するため、直
交振幅補償が完全であれば送信符号ビットに関わらず出
力振幅は一定になることに着目し、コスト関数として定
振幅性を使うCMA(Constant Modulus Algorithm)を
適用する。このアルゴルズムは、 文献:J.R.Treichler and M.G.Larimore, "New process
ing techniques based on the constant adaptive algo
rithm", IEEE Trans.Acoust., Speech & processing, A
SSP-33, pp.420-431, 1985 に詳しい。CMAを適用したコスト関数を数4に示す。
【0021】
【数4】 この式におけるσ2 は所望の振幅レベル、行列Hとベク
トルXは各々数3の右変の行列とベクトルを示す。CM
Aで用いられるパラメータ推定式は最急降下法の拡張と
して得られ、次式で与えられる。
【0022】
【数5】 ただし、
【0023】
【数6】 である。μはステップタイズパラメータと呼ばれる定数
で、毎回の繰り返しにおける補正の大きさを制御するパ
ラメータである。〔・〕T は行列あるいはベクトルの転
置を示す。数6を具体的に計算した更新式を表1に示
す。数3で求めた直交性および振幅の補償モデルは完全
であるため、数4および数5のパラメータ推定式を繰り
返し実効することにより、直交性および振幅の誤差の補
償が実現できる。
【0024】本発明では、直交準同期検波器の出力とし
ての同相成分および直交成分に対して時間の経過と共に
逐次的に適応する信号処理を行うことにより、直交準同
期検波器の出力の直交および振幅誤差を補償し、同相成
分および直交成分を直交させ、かつ振幅を一定にする。
従来の技術とは、直交準同期検波器の出力の同相成分お
よび直交成分を直ちに検波器に入力させることなく、信
号処理する装置に入力して信号処理をする段階を経る点
が異なる。また、同相成分と直交成分とに定数を掛けて
調整する装置を設ける従来技術と比べても、同相成分と
直交成分を信号処理するときに用いる係数を定数ではな
く、時間の経過と共に逐次的に変化させるものにすると
いう点で異なる。
【0025】本発明は、直交準同期検波器の出力として
の同相成分と直交成分に直交および振幅誤差が発生し、
直交はしているが振幅が一定でない場合や、直交してい
ない場合でも、信号処理装置の一種である直交および振
幅誤差補償回路により、直交準同期検波器の出力を信号
処理して同相成分と直交成分とを直交させ、かつ振幅を
一定にすることが可能であるため、BERを低下させる
効果が得られる。
【0026】本発明は、直交準同期検波器の出力として
の同相成分と直交成分とを信号処理するときに用いる係
数を時間の経過と共に逐次的に変化させるため、温度変
動に起因するゆっくりした時間変動のため同相成分と直
交成分との揺らぎが時間の経過と共に変化しても、その
時々刻々と変わる条件に追随的に適応して信号処理する
ことが可能であるので、温度変動が存在してもBERを
低下させる効果が得られる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態を示すデ
ィジタル信号復調装置のブロック構成図である。この復
調装置は、増幅器1、直交準同期検波器2、直交および
振幅誤差補償回路3、検波器4および識別装置5を備え
る。電波の形でこの復調装置に到達した位相変調された
変調波はアンテナで受信され、増幅器1により増幅され
て直交準同期検波器2に入力される。直交準同期検波器
2は、増幅された受信波を直交準同期検波し、同相成分
および直交成分の信号を出力する。以下では、これらの
信号を単に「同相成分」、「直交成分」という。直交準
同期検波器2の出力は、直交および振幅誤差補償回路4
を経由して検波器4に入力されて検波される。識別装置
5は、検波器4から出力される同相成分および直交成分
から、同相成分をI軸、直交成分をQ軸とするIQ平面
を識別面として情報を識別する。これにより、電波の形
で復調装置に到達した変調波からディジタルベースバン
ド情報を得ることができる。
【0028】ここで、直交準同期検波器2の出力する同
相成分および直交成分は、基準信号の周波数が正確に搬
送波の周波数と同一でないために、IQ平面上において
は完全に同期がとれておらず、回転する軌跡となる。ま
た、直交準同期検波器2の不完全性のために、通常、同
相成分および直交成分は、直交はしているが振幅が一定
でなかったり、直交していなかったりする。すなわち、
直交および振幅の誤差が生じる。
【0029】そこで本実施形態では、直交準同期検波器
2の出力である変調波の同相成分と直交成分とについ
て、直交準同期検波器2の後段に設置される信号処理装
置の一種である直交および振幅誤差補償回路に入力し、
信号処理済の同相成分および直交成分を出力として得
る。この信号処理済の同相成分と直交成分とは、直交お
よび振幅誤差補償回路3の働きにより、互いに直交し、
かつ振幅が一定である。この信号処理済の同相成分と直
交成分とを検波器4に入力することで、完全に同期が取
られIQ平面上で静止した同相成分および直交成分が得
られる。
【0030】図2ないし図6は直交および振幅誤差補償
回路3の詳細な回路構成を示す図であり、機能別に分け
て示す。図2は直交準同期検波器2から入力される同相
成分xI および直交成分xq に対して係数h1 、h2
3 を用いて処理する構成を示し、図3は誤差項eを求
めるための構成を示し、図4ないし6はそれぞれ係数h
1 、h2 、h3 を得るための構成を示す。
【0031】図2を参照すると、この直交および振幅誤
差補償回路3は、直交準同期検波器2からの入力直交成
分xq に第一の係数h1 を乗算する乗算器11と、同じ
く入力同相成分xi に第二の係数h2 を乗算する乗算器
12と、乗算器11の出力と乗算器12の出力と加算し
て出力直交成分yq とする加算器13と、入力同相成分
i に第三の係数h3 を乗算して出力同相成分yi とす
る乗算器14とを備える。すなわち、 yi =h3 i 、yq =h1 q +h2 i の信号処理を行う。ここで、係数h1 、h2 、h3 は定
数ではなく、同相成分yi と直交成分q とが直交しその
二乗和が一定となるように、時間の経過と共に逐次的に
変化する係数である。したがって、あらかじめ定められ
た回数の入力毎に係数h1 、h2 、h3 を逐次的に更新
する必要がある。なお、この逐次的に行われる更新は、
1シンボルの入力がある毎に行われてもよく、複数のシ
ンボル毎に行われてもよい。したがって、更新の周期は
シンボルレート以下となる。
【0032】係数h1 、h2 、h3 は、入出力の各成分
と、出力の振幅誤差とから求めることができる。振幅誤
差として、所望の振幅レベルを表わす定数σの二乗から
同相成分yi と直交成分yq との二乗和を差し引いた誤
差項eを定義する。この誤差項eを求めるには、図3に
示すように、乗算器15により定数σの二乗を求め、乗
算器16、17によりそれぞれ同相成分yi 、直交成分
q の二乗を求め、乗算器16、17の出力に乗算器1
8、19により−1を乗算し、乗算器15、18、19
の出力を加算器20により加算する。定数σは任意に選
ぶことができるが、回路がディジタル回路で信号が量子
化されている場合、定数の値σの値を小さくし過ぎると
量子化誤差に埋もれてしまうし、反対に大きくし過ぎる
と飽和してしまうので、適当な値を設定することが望ま
しい。また、回路がアナログの場合でも、定数σの値は
小さくし過ぎると直流ドリフトの影響を大きく受けてし
まうし、大きくし過ぎても消費電力が大きくなり過ぎる
という欠点があるので、適当な値を設定する必要があ
る。
【0033】次に、係数h1 の更新について図4を参照
して説明する。ここで、更新前の係数h1 をh1,k-1
更新後の係数h1 をh1,k と表す。係数h1,k を得るに
は、入力直交成分xq と、出力直交成分yq と、誤差項
eと、補正の大きさを制御する一定のパラメータμとを
乗算器21により乗算し、得られた更新差異Δh1 を加
算器22により更新前の係数h1 1,k-1 に加算する。こ
れにより得られた係数h1,k が図2に示した乗算器11
に供給される。パラメータμはステップサイズパラメー
タと呼ばれる定数であり、毎回の繰り返しにおける補正
の大きさを制御する。
【0034】係数h2 の更新は、更新前の係数h2 をh
2,k-1 、更新後の係数h2 をh2,kと表し、図5に示す
ように、入力直交成分xq と出力同相成分yi と誤差項
eとパラメータμとを乗算器23により乗算し、得られ
た更新差異Δh2 を加算器24により更新前の係数h
2,k-1 に加算する。これにより得られた係数h2,k が図
2に示した乗算器12に供給される。
【0035】係数h3 の更新は、更新前の係数h3 をh
3,k-1 、更新後の係数h3 をh3,kと表し、図6に示す
ように、入力同相成分xi と出力同相成分yi と誤差項
eとパラメータμとを乗算器25により乗算し、得られ
た更新差異Δh3 を加算器26により更新前の係数h
3,k-1 に加算する。これにより得られた係数h3,k が図
2に示した乗算器14に供給される。
【0036】表1に係数h1 、h2 、h3 の更新式を示
す。この逐次的に変化する係数h1、h2 、h3 を用い
て、図2に示す構成により信号処理を行う。これによ
り、IQ平面における同相成分および直交成分に直交お
よび振幅の誤差が発生して、直交していなかったり、直
交はしているが振幅が一定でなかったりした場合でも、
直交しかつ振幅が一定になるように修正することが可能
になる。また、温度特性の変化により同相成分と直交成
分との揺らぎが時間の経過と共に変化しても、係数
1 、h2 、h3 が逐次的に変化するため、揺らぎに追
随して適応的に信号処理することが可能になる。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】直交準同期検波器の出力としての同相成
分と直交成分との直交性および振幅に誤差が存在する場
合には、信号の位相に応じて振幅が変動する。そこで本
発明では、振幅を一定にするCMAアルゴリズムを利用
した直交および振幅誤差補償回路を直交準同期検波の出
力に設ける。これにより、同相成分と直交成分とを直交
させつつ、かつ振幅を一定にすることが可能となる。直
交性および振幅の誤差を除去することで、結果的にBE
Rを低下させる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すディジタル信号復調装
置のブロック構成図。
【図2】直交および振幅誤差補償回路の構成の一部を示
す図であり、同相成分xI および直交成分xq に対して
係数h1 、h2 、h3 を用いて処理するための構成を示
す回路図。
【図3】直交および振幅誤差補償回路の構成の一部を示
す図であり、誤差項eを求めるための構成を示す回路
図。
【図4】直交および振幅誤差補償回路の構成の一部を示
す図であり、係数h1 を得るための構成を示す回路図。
【図5】直交および振幅誤差補償回路の構成の一部を示
す図であり、係数h2 を得るための構成を示す回路図。
【図6】直交および振幅誤差補償回路の構成の一部を示
す図であり、係数h3 を得るための構成を示す回路図。
【図7】直交準同期検波器の出力である同相成分および
直交成分が描く軌跡を示す図。
【符号の説明】
1 増幅器 2 直交準同期検波器 3 直交および振幅誤差補償回路 4 検波器 5 識別装置 11、12、14〜19、21、23、25 乗算器 13、20、22、24、26 加算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−188928(JP,A) 特開 平7−95137(JP,A) 特開 平3−157034(JP,A) 特開 平9−135279(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 27/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直交準同期検波器から出力される同相成
    分および直交成分の信号の直交性および振幅の誤差を補
    償する直交および振幅誤差補償回路において、 前記直交準同期検波器からの同相成分および直交成分の
    一方の成分の入力信号に第一の係数を乗算した信号と他
    方の成分の入力信号に第二の係数を乗算した信号とを加
    算して前記一方の成分に対する出力信号とする第一の手
    段と、 前記他方の成分の入力信号に第三の係数を乗算してその
    成分に対する出力信号とする第二の手段と、 前記直交準同期検波器からのあらかじめ定められた回数
    の入力毎に、前記第一の手段の出力信号と前記第二の手
    段の出力信号とが直交しその二乗和が一定となるように
    前記第一ないし第三の係数を更新する第三の手段とを備
    えたことを特徴とする直交および振幅誤差補償回路。
  2. 【請求項2】 前記第三の手段は、 所望の振幅レベルを表わす定数σの二乗から前記第一の
    手段の出力と前記第二の手段の出力との二乗和を差し引
    いた誤差項を求める第四の手段と、 前記一方の成分の入力信号および出力信号と前記誤差項
    との乗算値にさらに補正の大きさを制御する一定のパラ
    メータを乗算した第一の更新差異を求め、この第一の更
    新差異を更新前の第一の係数に加算して新たな第一の係
    数とする第五の手段と、 前記一方の成分の入力信号と前記他方の成分の出力信号
    と前記誤差項と前記パラメータとを乗算した第二の更新
    差異を求め、この第二の更新差異を更新前の第二の係数
    に加算して新たな第二の係数とする第六の手段と、 前記他方の成分の入力信号と前記一方の成分の出力信号
    と前記誤差項と前記パラメータとを乗算した第三の更新
    差異を求め、この第三の更新差異を更新前の第三の係数
    に加算して新たな第二の係数とする第六の手段とを含む
    請求項1記載の直交および振幅誤差補償回路。
  3. 【請求項3】 位相変調された変調波を直交準同期検波
    して同相成分および直交成分の信号を出力する直交準同
    期検波器と、 この直交準同期検波器からの出力を検波する検波器と、 この検波器から出力される同相成分および直交成分の信
    号から同相成分をI軸、直交成分をQ軸とするIQ平面
    を識別面として情報を識別する識別装置とを備えた復調
    装置において、 前記直交準同期検波器と前記検波器との間に、請求項1
    または2記載の直交および振幅誤差補償回路が設けられ
    たことを特徴とする復調装置。
JP20857396A 1996-08-07 1996-08-07 直交および振幅誤差補償回路 Expired - Fee Related JP3439036B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20857396A JP3439036B2 (ja) 1996-08-07 1996-08-07 直交および振幅誤差補償回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20857396A JP3439036B2 (ja) 1996-08-07 1996-08-07 直交および振幅誤差補償回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1056484A JPH1056484A (ja) 1998-02-24
JP3439036B2 true JP3439036B2 (ja) 2003-08-25

Family

ID=16558429

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20857396A Expired - Fee Related JP3439036B2 (ja) 1996-08-07 1996-08-07 直交および振幅誤差補償回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3439036B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4429533B2 (ja) 2001-01-29 2010-03-10 三星電子株式会社 周波数変換器
JP3967226B2 (ja) 2002-08-07 2007-08-29 三星電子株式会社 無線機
JP4574471B2 (ja) * 2004-09-17 2010-11-04 株式会社日立国際電気 歪補償直交変調器及び無線送信機
US7456683B2 (en) 2005-06-09 2008-11-25 Panasonic Corporation Amplitude error compensating device and quadrature skew error compensating device
CN102165685A (zh) 2008-09-26 2011-08-24 松下电器产业株式会社 复数信号处理电路、接收电路、信号再生装置
JP2011199554A (ja) 2010-03-19 2011-10-06 Panasonic Corp 複素信号処理回路、受信回路、信号再生装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1056484A (ja) 1998-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4495159B2 (ja) 無線通信システムのための周波数領域等化器
JP3017041B2 (ja) 自動周波数制御方法及びその装置
US5705949A (en) Compensation method for I/Q channel imbalance errors
CN102725960B (zh) 用于相位和振荡器频率估计的方法
GB2313270A (en) Digital Broadcasting Receiver
KR100459741B1 (ko) M진fsk신호들복조방법,m진fsk심볼들수신및복조방법,m진fsk신호들복조기,m진fsk심볼들수신기
JP2006509438A (ja) 位相/ゲイン不均衡概算または補償
KR100587951B1 (ko) 직교복조수신시스템에서의 동위상채널과 직교채널 간이득불일치 보상 및 자동이득조절 장치 및 그 방법
JP3371876B2 (ja) 自動直交制御機能を備えた復調器
JP3439036B2 (ja) 直交および振幅誤差補償回路
JP2002335294A (ja) 曲線当てはめによる位相同期ループ初期化
JP3228358B2 (ja) 直交位相誤差補償回路
EP1690338B1 (en) Wireless communication method and apparatus for performing post-detection constellation correction
US9106326B2 (en) Method for determining the imperfections of a transmit pathway and of a receive pathway of an apparatus, and associated radio apparatus
US20010028687A1 (en) Method and apparatus for generating transmission signal by processing which includes digital quadrature modulation
JP3451398B2 (ja) 準同期検波復調回路
JP3742257B2 (ja) 復調装置
JP6602748B2 (ja) 受信器の低周波数変換時の二重cordicアーキテクチャを用いる直交位相の不釣り合いと利得の不釣り合いの補正
KR100651526B1 (ko) 직교주파수 분할 다중화 시스템에서 코히런트 복조를 위한채널 보상 및 디맵핑 방법 및 장치
JP3498600B2 (ja) キャリア位相推定装置とキャリア位相推定装置を用いた復調器
EP1130866B1 (en) Correction of quadrature and gain errors in homodyne receivers
JP3568284B2 (ja) 復調方法および復調装置
JPH0690265A (ja) 準同期検波復調部
JP3444938B2 (ja) 準同期検波復調回路
CN113507427B (zh) 一种适用于π/4-DQPSK的载波跟踪方法、设备及可读存储介质

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090613

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees