JP3437009B2 - 救急絆創膏用フィルム - Google Patents

救急絆創膏用フィルム

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JP3437009B2
JP3437009B2 JP14364295A JP14364295A JP3437009B2 JP 3437009 B2 JP3437009 B2 JP 3437009B2 JP 14364295 A JP14364295 A JP 14364295A JP 14364295 A JP14364295 A JP 14364295A JP 3437009 B2 JP3437009 B2 JP 3437009B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、救急絆創膏用フィルム
に関する。さらに詳しくは、可塑剤を実質的に含まずに
柔軟で伸縮性を有し、長時間にわたり保存する場合にも
ブロッキングしにくい救急絆創膏用フィルムであって、
患部を圧迫しない、風合いのよい救急絆創膏用フィルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】救急絆創膏用フィルムは、柔軟性および
伸縮性に優れ、患部を圧迫せず、そして風合いに優れる
ことが重要である。このような特性を満足するフィルム
用途に好適な樹脂としては、可塑化ポリ塩化ビニル(以
下、可塑化PVCと略称する)が挙げられる。この可塑
化PVCは、一般的に、カレンダー等によりフィルム成
形され、実用に供される。しかし、上記可塑化PVCで
フィルムを作製すると、このフィルムは一般に多量の可
塑剤を含むために、可塑剤が表面に移行し、フィルムと
粘着剤との密着不良、可塑剤の粘着剤への移行による粘
着力の低下、あるいは、低温時の柔軟性の低下などの問
題を生じる。一方、近年では、環境問題も重要となり、
ハロゲンを含み燃焼時に塩化水素を発生させる可塑化P
VCの使用の中止が望まれており、その代替材料の研究
が盛んである。
【0003】このため、可塑化PVCに代わる材料とし
て、柔軟で伸縮性を有するポリオレフィン系樹脂の開発
が積極的に行われている。例えば、特開昭62−829
67号公報には、柔軟性付与のためのエチレン−プロピ
レンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元重合体な
どの炭化水素系エラストマーと、エチレン−酢酸ビニル
共重合体などのポリオレフィンとの配合物からなる救急
絆創膏用フィルムが開示されている。しかし、このよう
なフィルムでは、可塑化PVCと比較して、例えば柔軟
性および変形回復性などが十分ではない。さらに、この
ようなエラストマー含有フィルムにおいては、長時間に
わたって保存する場合にはロール状のフィルム原反がブ
ロッキングするという問題を生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題を解決するためになされたものであり、その目的と
するところは、可塑剤を含まずに柔軟で伸縮性を有し、
長時間にわたり保存する場合にもブロッキングしにくい
救急絆創膏用フィルムであって、患部を圧迫しない、風
合いのよい救急絆創膏用フィルムを提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明救
急絆創膏用フィルムは、ポリプロピレン系樹脂を含有す
る内層に、ポリオレフィン系樹脂を含有する表面層が積
層された構成となされ、該ポリプロピレン系樹脂の重量
平均分子量が8万〜50万の範囲内であり、該ポリプロ
ピレン系樹脂のクロス分別法における各温度範囲での溶
出量が、該ポリプロピレン系樹脂の全重量に対して10
℃以下で45〜80重量%、10℃超70℃以下で5〜
45重量%、70℃超95℃以下で0〜20重量%、9
5℃超125℃以下で5〜35重量%であり、上記ポリ
オレフィン系樹脂がエチレンと炭素数3以上のα−オレ
フィンとの共重合体であり、該ポリオレフィン系樹脂の
密度が0.895〜0.925g/cm3 であり、且
つ、該ポリオレフィン系樹脂のDSC発熱量が55〜1
40J/gの範囲であることを特徴とするものである。
【0006】請求項2記載の本発明救急絆創膏用フィル
ムは、請求項1記載のポリオレフィン系樹脂が、重量平
均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが3
以下であり、且つ、DSC分析における結晶融解ピーク
温度が65〜115℃にただ1つ存在することを特徴と
するものである。
【0007】本発明の救急絆創膏用フィルムの内層に用
いられるポリプロピレン系樹脂は、プロピレン、および
/またはプロピレンとα−オレフィンとの組み合せでな
る共重合体が好ましく用いられる。このポリプロピレン
系樹脂は、プロピレン、および必要に応じてα−オレフ
ィンを成分として有する共重合体である。α−オレフィ
ン成分としては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−オクテンなどが用いられる。
【0008】上記ポリプロピレン系樹脂は、例えば以下
のような多段重合法により製造される。まず、第1段階
として、チタン化合物触媒およびアルミニウム化合物触
媒の存在下においてプロピレンモノマー、および必要に
応じてエチレンモノマー、α−オレフィンモノマーを用
いて重合を行う。これにより、プロピレン単独重合体、
プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−α−オレ
フィン共重合体などが得られる。次いで、第2段階とし
て、チタン化合物触媒およびアルミニウム化合物触媒を
含有する状態、例えば、上記単独重合体や共重合体を含
有する反応液に、プロピレンモノマー、および必要に応
じてエチレンモノマー、α−オレフィンモノマーを加え
て共重合させることにより、ポリプロピレン系樹脂が得
られる。このとき、第2段階で加えられる成分は1段で
加えられても2段で加えられてもよい。すなわち、この
重合法は3段階以上の多段階重合であり得る。この多段
階反応により得られるポリプロピレン系樹脂は、プロピ
レン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロ
ピレン−α−オレフィン共重合体、またはプロピレン−
エチレン−α−オレフィン共重合体であり得る。
【0009】上記ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子
量は、8万〜50万、好ましくは10万〜40万であ
る。重量平均分子量が8万未満では、得られるフィルム
の伸縮性や強度が不十分である。重量平均分子量が50
万を超えると、得られるフィルムに十分な柔軟性が得ら
れない。
【0010】上記ポリプロピレン系樹脂のクロス分別法
における各温度範囲での溶出量は、このポリプロピレン
系樹脂の全重量に対して、10℃以下で45〜80重量
%、好ましくは、50〜75重量%、10℃超70℃以
下で5〜45重量%、好ましくは、5〜30重量%、7
0℃超95℃以下で0〜20重量%、好ましくは、0〜
10重量%、95℃超125℃以下で5〜35重量%、
好ましくは、5〜30重量%である。10℃以下での溶
出量が45重量%未満では、得られるフィルムの柔軟性
が不十分であり、80重量%を越えると得られるフィル
ムの強度が不十分である。10℃超70℃以下での溶出
量が5重量%未満では、得られるフィルムの柔軟性が不
十分であり、45重量%を越えると得られるフィルムの
変形回復性が不十分である。70℃超95℃以下での溶
出量が20重量%を超えると、得られるフィルムの強度
が不十分である。95℃超125℃以下での溶出量が5
重量%未満では、得られるフィルムの強度が不十分であ
り、35重量%を越えると得られるフィルムの柔軟性が
不十分である。
【0011】さらに、上記の10℃以下、10℃超70
℃以下、70℃超95℃以下、および95℃超125℃
以下の各温度範囲における溶出樹脂の重量平均分子量の
好ましい範囲は、それぞれ、10万〜30万、7万〜5
0万、5万〜50万、および5万〜50万である。
【0012】ここで、クロス分別法とは、溶媒(本発明
ではo−ジクロロベンゼン)に樹脂を完全に溶解させた
溶液を一定速度(1℃/min)で冷却し、予め用意し
ておいた不活性単体表面に薄いポリマー層を生成させた
後、温度を連続的に又は段階的に昇温し、順次溶出する
樹脂成分の濃度を検出する。そして、この濃度から、組
成分布(結晶性分布)を測定するものである(温度上昇
溶離分別)。同時に各溶出成分の分子量も測定され得
る。
【0013】本発明の救急絆創膏用フィルムの表面層に
用いられるポリオレフィン系樹脂は、エチレンと炭素数
3以上のα−オレフィンとの組み合わせでなる共重合体
である。炭素数3以上のα−オレフィンとしては、プロ
ピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4
−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン
などが用いられる。
【0014】上記ポリオレフィン系樹脂の密度は、0.
895〜0.925g/cm3 、好ましくは0.900
〜0.915g/cm3 である。密度が0.895g/
cm 3 未満では、コモノマー成分の増加により低分子量
物が増加して得られるフィルムの表面にタック性が現れ
てブロッキングし易くなる。0.925g/cm3 を超
えると、得られるフィルムはブロッキングを生じない
が、柔軟性が不十分で表層抗張力が高く、絆創膏として
使用する際につっぱり感が発生するので使用しづらい。
【0015】上記ポリオレフィン系樹脂のDSC発熱量
は、55〜140J/gの範囲である。発熱量が55J
/g未満では得られるフィルムがブロッキングしやす
い。発熱量が140J/gを超えると得られるフィルム
の柔軟性が不十分であり、さらに絆創膏として使用する
際につっぱり感が発生する。
【0016】即ち、密度が0.895〜0.925g/
cm3 、DSC発熱量が55〜140J/gであるポリ
オレフィン系樹脂を用いることにより、従来と同密度の
ポリオレフィン系樹脂と比較して低分子量物の含有量が
極めて低く、耐ブロッキング性にすぐれ、粘着剤への低
分子量物の移行による粘着力の低下を防止するために有
効である。
【0017】請求項2記載の救急絆創膏用フィルムに用
いるポリオレフィン系樹脂は、エチレンとα−オレフィ
ンとを重合させる場合の触媒として、メタロセン触媒
(カミンスキー触媒)、バナジウム系触媒等のような単
一の活性点を有する化学構造のもの(シングルサイト触
媒)を用いたものである。これにより、DSC分析の結
晶融解ピークが1つだけであるポリオレフィン系樹脂が
得られる。このものは従来の触媒を用いて製造されたポ
リオレフィン系樹脂と比較して低分子量物の含有量が一
層低いものである。
【0018】従来の直鎖状低密度ポリエチレン(LLD
PE)の製造に用いられていた重合触媒(チーグラー・
ナッタ触媒等)では、一分子中に活性点を複数個有する
ため、重合されたポリマーは複数の種類の組成成分から
なる混合物であった。絆創膏の用途に用いるには柔軟化
のためにコモノマーであるα−オレフィンの含有率を高
くすると、従来の触媒では低分子量物の増加は避けられ
ず、ブロッキングの原因となったり、低分子量物が粘着
剤へ移行することによる粘着力低下を引き起こす可能性
があった。請求項2記載の発明はこの点を改良したもの
である。
【0019】本発明の救急絆創膏用フィルムは、上記ポ
リプロピレン系樹脂を含有する内層と上記ポリオレフィ
ン系樹脂を含有する表面層とを積層して得られる。この
内層および表面層は、Tダイ法、あるいはインフレーシ
ョン法などにより所定の厚みのフィルムとして成形され
る。本発明の救急絆創膏用フィルムは、上記内層および
上記表面層を共押出により積層フィルムとして成形する
か、各単層フィルムを押出し、熱ラミネートにより積層
することにより得られる。
【0020】上記内層および上記表面層は、それぞれ2
層以上積層され得る。すなわち、本発明の救急絆創膏用
フィルムは3層以上の積層体でもあり得る。
【0021】本発明の救急絆創膏用フィルムにおける内
層と表面層との層厚比は、1:1〜15:1が好まし
く、さらに好ましくは、5:1〜9:1である。層厚比
が1:1未満では、得られるフィルムの柔軟性が不十分
であり、抗張力が不足する。又、15:1を超えると、
表面層が薄くなりすぎるため製膜が困難となり、応力緩
和性がなくなり絆創膏としての好ましい物性が失われ
る。
【0022】本発明の救急絆創膏用フィルムの厚みは、
15〜300μmが好ましく、さらに好ましくは、50
〜80μmである。フィルム厚みが15μm未満では、
実用時の強度が不十分である。300μmを超えると、
実用時の柔軟性が不十分であり、さらに所望の風合いが
得られない。
【0023】本発明の救急絆創膏用フィルムは、無色透
明、着色透明、または着色不透明のいずれでもよい。さ
らに本発明の救急絆創膏用フィルムには、絹目などのエ
ンボス加工を行うことにより、高級感が付与され得る。
【0024】本発明の救急絆創膏用フィルムを用いた救
急絆創膏は以下の手順で製造され得る。本発明の救急絆
創膏用フィルムには所望により印刷を施すことが可能で
あり、その場合には、印刷面に、印刷直前での表面濡れ
性が38dyn/cm以上が確保できる条件でコロナ処
理を施し、直接印刷法または転写印刷法などにより印刷
する。次いで、印刷された救急絆創膏用フィルムの粘着
剤塗布面に、粘着剤塗工時の表面濡れ性が38dyn/
cm以上に確保できるようコロナ処理を施すか、あるい
はアンカーコートを施した後、粘着剤を塗布する。
【0025】粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、お
よびSIS系などの粘着剤が使用され得る。この絆創膏
用フィルムを穿孔加工し、ガーゼなどを貼着する。さら
に、ガーゼの上に保護用剥離紙を積層した後、所定寸法
に打抜き個別包装紙を重ね製品化することにより製品と
しての救急絆創膏が得られる。
【0026】
【作用】請求項1記載の救急絆創膏用フィルムは、ポリ
プロピレン系樹脂が、クロス分別法により規定される分
子量特性(分子量分布)により低抗張力のフィルムを形
成するため柔軟性に優れる。そして、ポリオレフィン系
樹脂は、密度およびDSCで特徴づけられる範囲では、
得られるフィルムのべたつきが少なくブロッキング性に
優れる。従って、柔軟なフィルムを内層に、べたつきの
少ないフィルムを表面層に有する本発明の救急絆創膏用
フィルムは、優れた柔軟性および優れたブロッキング性
を共に有する。さらに、このような本発明の救急絆創膏
用フィルムは実用温度領域での力学的特性の変化が小さ
い。従って、本発明の救急絆創膏用フィルムを用いる救
急絆創膏は製品としての信頼性が高い。
【0027】一方、可塑剤を実質的に含有しない本発明
の救急絆創膏用フィルムは、可塑剤を用いた場合のフィ
ルムと粘着剤との密着不良、あるいは可塑剤の粘着剤へ
の移行による粘着力の低下といった問題を解消し得る。
さらに、ハロゲンを含まない本発明の救急絆創膏用フィ
ルムは燃焼時に塩化水素などの有毒ガスが発生せず、近
年の環境問題にも十分配慮したものである。このよう
に、本発明の救急絆創膏用フィルムは可塑化PVCにお
ける問題点を解消し得る。
【0028】請求項2記載の救急絆創膏用フィルムは、
一分子中に単一の活性点を有する化学構造の触媒を用い
て製造され、DSC分析の結晶融解ピークが1つであ
り、該結晶融解ピーク温度が65〜115℃の範囲のポ
リオレフィン系樹脂を表面層として積層されたものであ
る。これにより、低分子量物の含有率が極めて低く、ブ
ロッキングの原因となったり、低分子量物が粘着剤へ移
行することによる粘着力低下を引き起こすことがない。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明
の実施例での評価項目は以下の通りである。
【0030】(1)伸長時抗張力と柔軟性 幅(MD:縦方向)19mm、長さ(TD:横方向)1
00mmの試料を作製し、引張試験機(オリエンテック
社製、テンシロンUCT−500)により、チャック間
隔50mm、引張速度100mm/minで引っ張り、
伸度が10%のときの引張強度を測定し、以下の基準で
柔軟性を評価した。 ○:良好 引張強度が200〜450gf/1
9mm ×:不良 引張強度が200gf/19mm未
満または450gf/19mmを超える
【0031】(2)剥離力とブロッキング性 フィルムの一方の面と他方の面とを重ね合わせ、40
℃、10kg/cm2 で1カ月加圧保管後、50mm幅
にスリットし300mm/minの引張速度で引き剥し
たときの剥離力を測定し、以下の基準でブロッキング性
を評価した。 ○:良好 剥離力が50gf/50mm未満 △:やや良好 剥離力が50〜100gf/50m
m ×:不良 剥離力が100gf/50mmを超
える
【0032】(3)総合評価 上記(1)、(2)の評価を用いて、以下の基準で総合
評価とした。 ○:良好 上記(1)、(2)の評価結果がい
ずれも○である ×:不良 上記(1)、(2)の評価結果のい
ずれかに×または△がある
【0033】(実施例1)表面層用ポリオレフィン系樹
脂として、密度0.910g/cm3 およびDSC発熱
量90J/gのエチレンと4−メチル−1−ペンテンと
の共重合体(三井石油化学社製、ウルトゼックス102
0L)を、又、内層用ポリプロピレン系樹脂として、分
子量24万、ならびにクロス分別法による各温度範囲で
の溶出量が、全重量に対して10℃以下で55.4重量
%、10℃超70℃以下で31.0重量%、70℃超9
5℃以下で0.7重量%、そして95℃超125℃以下
で12.9重量%であるポリプロピレン系樹脂(ハイモ
ント社製、キャタロイ)を用いた。上記ポリオレフィン
系樹脂および上記ポリプロピレン系樹脂を、Tダイ共押
出により表面層厚み10μm、内層厚み60μmである
積層フィルムを成形し、総厚み70μmの2層構造を有
する救急絆創膏用フィルムを得た。
【0034】(実施例2)表面層用ポリオレフィン系樹
脂として、密度0.907g/cm3 およびDSC発熱
量85J/gのエチレンと1−オクテンとの共重合体
(出光石油化学社製、モアテックVO398CN)を、
又、内層用ポリプロピレン系樹脂として、実施例1で用
いたポリプロピレン系樹脂を用いた。上記ポリオレフィ
ン系樹脂および上記ポリプロピレン系樹脂をインフレー
ション共押出により表面層厚みが各5μm、内層厚み6
0μmである総厚み70μmの積層フィルムを成形し、
内層の両側に表面層を有する3層構造の救急絆創膏用フ
ィルムを得た。
【0035】(実施例3)表面層用ポリオレフィン系樹
脂として、密度0.900g/cm3 およびDSC発熱
量75J/gのエチレンと1−ブテンとの共重合体(住
友化学社製、エクセレンVL−200)を用いたこと以
外は実施例2と同様にして、表面層厚みが各5μm、内
層厚み60μm、および総厚み70μmであって、内層
の両側に表面層を有する3層構造の救急絆創膏用フィル
ムを得た。
【0036】(実施例4)表面層用ポリオレフィン系樹
脂として、密度0.910g/cm3 、DSC発熱量9
8J/g、Mw/Mnが2.3、結晶融解ピーク温度が
106℃であるエチレンと1−オクテンとの共重合体
(ダウ社製,商品名「アフィニティPL1840」)
を、又、内層用ポリプロピレン系樹脂として、分子量2
5万、クロス分別法による各温度範囲での溶出量が、全
重量に対して10℃以下で56.4重量%、10℃超7
0℃以下で18.4重量%、70℃超95℃以下で1
6.8重量%、そして95℃超125℃以下で8.41
重量%であるポリプロピレン系樹脂(ハイモント社製,
商品名「キャタロイ」)を用いた。上記ポリオレフィン
系樹脂および上記ポリプロピレン系樹脂を、インフレー
ション共押出により表面層厚みが各5μm、内層厚み6
0μmである総厚み70μmの積層フィルムを成形し、
内層の両側に表面層を有する3層構造の救急絆創膏用フ
ィルムを得た。
【0037】(実施例5)表面層用ポリオレフィン系樹
脂として、密度0.905g/cm3 、DSC発熱量9
0J/g、Mw/Mnが2.2、結晶融解ピーク温度が
92℃であるエチレンと1−オクテンとの共重合体(住
友化学社製,商品名「SPO NO352」)を、又、
内層用ポリプロピレン系樹脂として実施例4で用いたも
のと同じポリプロピレン系樹脂を用いて、実施例4と同
様にしてインフレーション共押出により表面層厚みが各
5μm、内層厚み60μmである総厚み70μmの積層
フィルムを成形し、内層の両側に表面層を有する3層構
造の救急絆創膏用フィルムを得た。
【0038】(比較例1)表面層用ポリオレフィン系樹
脂として、密度0.890g/cm3 およびDSC発熱
量2J/gのエチレンとα−オレフィン共重合体(三井
石油化学社製、タフマーP−0280)を用いたこと以
外は実施例1と同様にして、表面層厚みが10μm、内
層厚み60μm、総厚み70μmである2層構造を有す
る救急絆創膏用フィルムを得た。
【0039】(比較例2)表面層用ポリオレフィン系樹
脂として、密度0.935g/cm3 およびDSC発熱
量160J/gの4メチル−1−ペンテンの共重合体
(三井石油化学社製、ウルトゼックス3520L)を用
いたこと以外は実施例2と同様にして、表面層厚みが各
5μm、内層厚み60μm、総厚み70μmであって、
内層の両側に表面層を有する3層構造の救急絆創膏用フ
ィルムを得た。
【0040】(比較例3)表面層用ポリオレフィン系樹
脂として、密度0.907g/cm3 およびDSC発熱
量85J/gのエチレンと1−オクテンとの共重合体
(出光石油化学社製、モアテックVO398CN)を、
又、内層用ポリプロピレン系樹脂として、分子量27
万、ならびにクロス分別法による各温度範囲での溶出量
が、全重量に対して10℃以下で40.3重量%、10
℃超70℃以下で19.2重量%、70℃超95℃以下
で10.0重量%、そして95℃超125℃以下で3
0.5重量%であるポリプロピレン系樹脂(ハイモント
社製、キャタロイ)を用いた。上記ポリオレフィン系樹
脂および上記ポリプロピレン系樹脂をインフレーション
共押出により積層フィルム成形し、表面層厚みが各5μ
m、内層厚み60μm、総厚み70μmであって、内層
の両側に表面層を有する3層構造の救急絆創膏用フィル
ムを得た。
【0041】上記実施例1〜5及び比較例1〜3の救急
絆創膏用フィルムを前記評価項目(1)、(2)で評価
した。その結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1からわかるように、本発明の救急絆創
膏用フィルムは、柔軟性およびブロッキング性のいずれ
にも優れている。
【0044】
【発明の効果】請求項1記載の本発明救急絆創膏用フィ
ルムによれば、可塑剤を実質的に含まずに柔軟で伸縮性
を有し、長時間にわたり保存する場合にもブロッキング
しにくい救急絆創膏用フィルムが提供される。さらに、
本発明の救急絆創膏用フィルムは、患部を圧迫しない、
風合いのよい救急絆創膏用フィルムである。
【0045】請求項2記載の本発明救急絆創膏用フィル
ムによると、請求項1記載の救急絆創膏用フィルムが有
する効果に加え、ブロッキングの原因となったり、低分
子量物が粘着剤へ移行することによる粘着力低下を引き
起こすことがないという効果が一層顕著である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−59839(JP,A) 特開 平7−255831(JP,A) 特開 平3−47884(JP,A) 特開 昭62−82967(JP,A) 特開 平4−255737(JP,A) 特開 平4−221572(JP,A) 特開 平3−115338(JP,A) 特開 平2−1284(JP,A) 特開 昭60−92765(JP,A) 特開 昭60−92341(JP,A) 特開 平6−315524(JP,A) 特公 昭57−11342(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 15/00 - 15/64 A61F 13/00 - 13/84

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂を含有する内層
    に、ポリオレフィン系樹脂を含有する表面層が積層され
    た構成となされ、該ポリプロピレン系樹脂の重量平均分
    子量が8万〜50万の範囲内であり、該ポリプロピレン
    系樹脂のクロス分別法における各温度範囲での溶出量
    が、該ポリプロピレン系樹脂の全重量に対して10℃以
    下で45〜80重量%、10℃超70℃以下で5〜45
    重量%、70℃超95℃以下で0〜20重量%、95℃
    超125℃以下で5〜35重量%であり、上記ポリオレ
    フィン系樹脂が、エチレンと炭素数3以上のα−オレフ
    ィンとの共重合体であり、該ポリオレフィン系樹脂の密
    度が0.895〜0.925g/cm3 であり、且つ、
    該ポリオレフィン系樹脂のDSC発熱量が55〜140
    J/gの範囲であることを特徴とする救急絆創膏用フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン系樹脂は、重量平均分子
    量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが3以下で
    あり、且つ、DSC分析における結晶融解ピーク温度が
    65〜115℃にただ1つ存在することを特徴とする請
    求項1記載の救急絆創膏用フィルム。
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