JP3435764B2 - オートマチックトランスミッションの引きずり防止機構 - Google Patents

オートマチックトランスミッションの引きずり防止機構

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JP3435764B2
JP3435764B2 JP28534293A JP28534293A JP3435764B2 JP 3435764 B2 JP3435764 B2 JP 3435764B2 JP 28534293 A JP28534293 A JP 28534293A JP 28534293 A JP28534293 A JP 28534293A JP 3435764 B2 JP3435764 B2 JP 3435764B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトルクコンバータ付きの
オートマチックトランスミッションの引きずり防止機構
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばフォークリフトに装着され
ているオートマチックトランスミッションは図3に示す
ような構成になっている。
【0003】オートマチックトランスミッション71に
は前進用インプットシャフト72、後進用インプットシ
ャフト73及びアウトプットシャフト74が備えられて
いる。前進用インプットシャフト72には図示しないエ
ンジンからの動力が図示しないトルクコンバータを介し
て伝達されている。アウトプットシャフト74には図示
しないプロペラシャフトが連結されており、動力をディ
ファレンシャルへと伝達している。
【0004】前進用インプットシャフト72には前進用
インプットシャフト72に対して一体回転するドラム7
5及び前進用インプットシャフト72に対して相対回転
をする前進ギヤ76が設けられている。ドラム75と前
進ギヤ76との間には、動力の接続及び遮断を行う湿式
多板クラッチ77が設けられている。湿式多板クラッチ
77は、ドラム75と一体回転するドリブンプレート7
8と、前進ギヤ76と一体回転するクラッチディスク7
9を接続又は遮断することによってドラム75と前進ギ
ヤ76との動力の接続又は遮断を行うようになってい
る。又、後進用インプットシャフト73にも同一構成の
湿式多板クラッチ80が設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、各湿式多板
クラッチ77,80のドリブンプレートとクラッチディ
スクの間には発熱や磨耗を防止するため、潤滑油が供給
されている。又、ニュートラル時には、この潤滑油がド
リブンプレートとクラッチディスクの間に均一に供給さ
れていることによって、ドリブンプレートとクラッチデ
ィスクの遮断が円滑に行われるようになっている。
【0006】ところが、フォークリフトを使用する場所
が低温下である場合には、潤滑油の粘性が高くなってお
り、ニュートラル時にドリブンプレートとクラッチディ
スクが連れ回る、いわゆる引きずり現象を起こすことが
ある。
【0007】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は低温下においても、ニュ
ートラル時にオートマチックトランスミッションの引き
ずりを防止することができる防止機構を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1記載の発明は、走行位置及びニュートラル
位置の切り換え位置を有する操作手段が備えられ、その
切り換え位置に基づいて湿式クラッチの断続を行うこと
により動力を出力軸に伝達するオートマチックトランス
ミッションにおいて、出力軸に伝達される動力を遮断す
る動力遮断手段と、潤滑油の温度を検出する油温検出手
段と、操作手段がニュートラル位置に切り換えられたと
であって、油温検出手段により検出された油温が予め
設定された油温より低いとき動力遮断手段を駆動さ
せる駆動手段とを設けたことをその要旨とする。
【0009】
【0010】請求項記載の発明は、請求項1記載のオ
ートマチックトランスミッションの引きずり防止機構に
おいて、駆動手段は操作手段がニュートラル位置に切り
換えられたまま一定時間経過したときに動力遮断手段を
駆動させるものであることをその要旨とする。
【0011】
【作用】従って、請求項1記載の発明によれば、操作手
段がニュートラル位置に切り換えられたときには湿式ク
ラッチの接続を解除して出力軸への動力の遮断を行う
このとき、油温検出手段により検出された潤滑油の温度
が予め設定された温度よりも低いときには駆動手段によ
り駆動する動力遮断手段によっても出力軸への動力の遮
断を行う。
【0012】
【0013】請求項記載の発明によれば、操作手段が
ニュートラル位置に切り換えられたときには湿式クラッ
チの接続を解除して出力軸への動力の遮断を行う。そし
て、操作手段がニュートラル位置に切り換えられたまま
一定時間経過したときには駆動手段により駆動する動力
遮断手段によっても、出力軸への動力の遮断を行う。
【0014】
【実施例】以下、本発明をフォークリフトのオートマチ
ックトランスミッションの防止機構に具体化した一実施
例を図1及び図2に従って説明する。
【0015】図示しないエンジンからの動力は図示しな
いトルクコンバータを介して前進用インプットシャフト
11に伝達されている。前進用インプットシャフト11
は2個のベアリング12を介してトランスミッションケ
ース13に回転可能に支持されている。前進用インプッ
トシャフト11には以下のように構成される湿式多板ク
ラッチ14が設けられている。
【0016】前進用インプットシャフト11にはドラム
15が固着されている。そのドラム15には、ドリブン
プレート16がドラム15とともに回転可能にスプライ
ン嵌合され、スプライン溝上をスラスト方向に摺動可能
に設けられている。
【0017】又、前記前進用インプットシャフト11に
は、前進ギヤ17がベアリング18を介して、前進用イ
ンプットシャフト11に対して回転可能に取り付けられ
ている。その前進ギヤ17にはクラッチディスク19が
ドリブンプレート16と交互に配設され、前進ギヤ17
とともに回転可能にスプライン嵌合され、前進ギヤ17
のスプライン溝上をスラスト方向に摺動可能に設けられ
ている。又、前進ギヤ17には図示しない第1のアイド
ラギヤが噛合している。
【0018】前記前進用インプットシャフト11には、
ドラム15と前進ギヤ17のスプライン摺動面、及びド
リブンプレート16とクラッチディスク19の摩擦面を
潤滑するための潤滑油を供給する潤滑油供給路20が設
けられている。
【0019】又、ドラム15と前進ギヤ17との間のに
はスラスト方向に摺動可能にピストン21が設けられて
いる。前進用インプットシャフト11にはピストン21
を前進ギヤ17側へ駆動させる作動油を供給するための
油圧経路22が設けられている。従って、油圧経路22
に作動油が供給されると、ピストン21がドリブンプレ
ート16を前進ギヤ17側へ押すことによって、ドリブ
ンプレート16とクラッチディスク19が圧接される。
そして、ドリブンプレート16とクラッチディスク19
が一体回転し、ドリブンプレート16側の動力をクラッ
チディスク19側に伝達するようになっている。すなわ
ち、上記のように構成された湿式多板クラッチ14によ
り前進用インプットシャフト11に固着されたドラム1
5の動力を前進ギヤ17に伝達するようになっている。
【0020】又、ピストン21にはリターンスプリング
23が取着され、リターンスプリング23のもう一方が
前進用インプットシャフト11に固定された固定金具2
4に当接されている。従って、油圧経路22に供給され
ていた油圧をドレインすると、リターンスプリング23
が働いてピストン21をドラム15側へ押し戻し、ドリ
ブンプレート16とクラッチディスク19の接続を解除
する。すなわち、リターンスプリング23によって、前
進ギヤ17に伝達されていたドラム15の動力が遮断さ
れるようになっている。
【0021】前記前進用インプットシャフト11には第
1のギヤ25が固着されている。第1のギヤ25には後
進ギヤ31が噛合している。後進ギヤ31はベアリング
32を介して後進用インプットシャフト33に対して回
転可能に後進用インプットシャフト33に取り付けられ
ている。後進用インプットシャフト33はその両端にベ
アリング34を介してトランスミッションケース13に
回転可能に支持されている。後進用インプットシャフト
33にはドラム35が固着されている。又、後進用イン
プットシャフト33には潤滑油供給路36及び油圧経路
37が設けられている。又、後進用インプットシャフト
33には前述した前進用インプットシャフト11と同様
に湿式多板クラッチ38が設けられ、その湿式多板クラ
ッチ38により後進ギヤ31からドラム35への動力の
伝達が行われている。なお、湿式多板クラッチ38の構
成は前記湿式多板クラッチ14と同一であるので説明を
省略する。
【0022】後進用インプットシャフト33には第2の
ギヤ39が嵌着されている。第2のギヤ39には前記図
示しない前進ギヤ17と噛合する第1のアイドラギヤが
噛合している。さらに、第2のギヤ39には第2のアイ
ドラギヤ41が噛合している。第2のアイドラギヤ41
はアイドラシャフト42にテーパローラベアリング43
を介して回転可能に取り付けられている。第2のアイド
ラギヤ41には、同じ中心軸に対して回転し、その直径
が第2のアイドラギヤ41よりも小さい第3のアイドラ
ギヤ44が隣接し、固着されている。
【0023】前記アイドラシャフト42はトランスミッ
ションケース13と一体成形されたクラッチハウジング
45に固設されている。クラッチハウジング45にはド
ラム部46が一体成形されている。そして、第3のアイ
ドラギヤ44とドラム部46との間にはその両者を接続
又は接続を解除するための動力遮断手段としての湿式多
板クラッチ47が設けられている。その湿式多板クラッ
チ47は次のように構成されている。
【0024】前記ドラム部46にはドリブンプレート4
8がスプライン嵌合され、スプライン溝上をスラスト方
向に摺動可能に設けられている。又、前記第3のアイド
ラギヤ44にはクラッチディスク49がドリブンプレー
ト48と交互に配設され、第3のアイドラギヤ44とと
もに回転可能にスプライン嵌合されて第3のアイドラギ
ヤ44のスプライン溝上をスラスト方向に摺動可能に設
けられている。
【0025】前記アイドラシャフト42にはドラム部4
6と第3のアイドラギヤ44のスプライン摺動面、及び
ドリブンプレート48とクラッチディスク49の摩擦面
を潤滑するための潤滑油を供給する潤滑油供給路50が
設けられている。
【0026】又、ドラム部46と第3のアイドラギヤ4
4との間にはピストン51が設けられている。アイドラ
シャフト42及びクラッチハウジング45にはピストン
51を第3のアイドラギヤ44側へ駆動させる作動油を
供給するための油圧経路52,53がそれぞれ設けられ
ている。従って、油圧経路52,53に作動油が供給さ
れると、ピストン51がドリブンプレート48を第3の
アイドラギヤ44側へ押すことによって、ドリブンプレ
ート48とクラッチディスク49が圧接されるようにな
っている。そして、ドラム部46と第3のアイドラギヤ
44が接続されるようになっている。
【0027】又、ピストン51にはリターンスプリング
54が取着され、リターンスプリング54のもう一方が
アイドラシャフト42に固定された固定金具55に当接
されている。従って、油圧経路52,53に供給されて
いた油圧をドレインすると、リターンスプリング54が
働いてピストン51をドラム部46側へ押し戻し、ドリ
ブンプレート48とクラッチディスク49の接続を解除
する。すなわち、リターンスプリング54によって、第
3のアイドラギヤ44とドラム部46の接続が解除され
るようになっている。
【0028】前記第3のアイドラギヤ44はアウトプッ
トギヤ56に噛合している。アウトプットギヤ56はア
ウトプットシャフト57に一体回転可能なように嵌着さ
れている。アウトプットシャフト57はその両端にベア
リング58を介してトランスミッションケース13に回
転可能に支持されている。そして、アウトプットシャフ
ト57には図示しないプロペラシャフトが連結されてお
り、動力をディファレンシャルへ伝達している。
【0029】又、トランスミッションケース13の内壁
面にはトランスミッションケース13内の潤滑油の温度
を検出する油温検出手段としての油温センサ59が取着
されている。なお、この潤滑油は各湿式多板クラッチ1
4,38,47に供給される潤滑油と同じものである。
【0030】次に上記のように構成されたオートマチッ
クトランスミッションの引きずり防止機構の電気的構成
について図2に基づいて説明する。図示しないフォーク
リフトの車両本体にはコントローラ61が搭載されてい
る。コントローラ61には操作手段としてのシフトレバ
ースイッチ63、油温センサ59及び制動用ソレノイド
バルブ64が接続されている。制動用ソレノイドバルブ
64はクラッチハウジング45の油圧経路53に接続さ
れている。又、制動用ソレノイドバルブ64には図示し
ないオイルタンクが接続されており、コントローラ61
からの駆動信号に基づいてオイルタンクからの作動油を
油圧経路53に供給するようになっている。
【0031】シフトレバースイッチ63は車両本体に備
えられた図示しないシフトレバーの「前進」、「後進」
及び「ニュートラル」の位置信号をコントローラ61に
出力するようになっている。又、コントローラ61には
タイマ部62が内蔵されている。コントローラ61はシ
フトレバースイッチ63からの「ニュートラル」の位置
信号を入力すると、タイマ部62を作動させる。タイマ
部62は次に「前進」又は「後進」の位置信号を入力す
るまで、カウントを継続する。そして、コントローラ6
1はその経過時間によって「ニュートラル」の位置信号
がスイッチバックによるものであるか否かを判断する。
すなわち、所定時間(本実施例では、2秒)経過する前
に「前進」又は「後進」の位置信号を入力したときには
その「ニュートラル」の位置信号がスイッチバックによ
るものであると判断する。逆に、所定時間経過後も「ニ
ュートラル」の位置信号を入力しているときには、その
「ニュートラル」の位置信号はスイッチバックによるも
のでないと判断する。
【0032】油温センサ59はトランスミッションケー
ス13内の潤滑油の温度を検出してコントローラ61に
出力するようになっている。コントローラ61には湿式
多板クラッチ14,38において引きずり現象を起こす
虞のある所定の温度(本実施例では、10℃)が予め設
定され、記憶されている。そして、検出温度とこの設定
温度とを比較して、引きずり現象を起こす温度であるか
否かの判断をする。
【0033】コントローラ61はこのシフトレバースイ
ッチ63及び油温センサ59の両者の検出結果に基づい
て制動用ソレノイドバルブ64の駆動制御を行う。すな
わち、シフトレバースイッチ63からの「前進」又は
「後進」の位置信号、油温センサ59からの「設定温度
以上」の検出信号のうちいずれか一つが入力されたとき
には制動用ソレノイドバルブ64は閉路したままにして
おく。逆に、シフトレバースイッチ63からの「ニュー
トラル」の位置信号及び油温センサ59からの「設定温
度以下」の検出信号が入力されたときには制動用ソレノ
イドバルブ64を開路して油圧経路52に作動油を供給
する。そして、作動油が油圧経路52,53を介して湿
式多板クラッチ47に供給されると、ドラム部46と第
3のアイドラギヤ44が接続され、第3のアイドラギヤ
44に制動がかかるようになっている。
【0034】さらに、コントローラ61には前進用及び
後進用の各ソレノイドバルブ65,66が接続されてい
る。各ソレノイドバルブ65,66はそれぞれ前進用イ
ンプットシャフト11、後進用インプットシャフト33
の油圧経路22,37に接続されている。又、各ソレノ
イドバルブ65,66には前記図示しないオイルタンク
が接続されている。コントローラ61はシフトレバース
イッチ63の「前進」又は「後進」の位置信号に基づい
て、ソレノイドバルブ65又は66を開路させてオイル
タンクからの作動油を油圧経路22又は37に供給する
ようになっている。
【0035】次に上記のように構成されたオートマチッ
クトランスミッションの引きずり防止機構の作用につい
て説明する。コントローラ61はシフトレバースイッチ
63から「前進」の位置信号を入力すると、フォークリ
フトを前進させるべく前進用ソレイノイドバルブ65を
開路し、前進用インプットシャフト11の油圧経路22
に作動油を供給する。供給された作動油の油圧により湿
式多板クラッチ14のピストン21がドリブンプレート
16を前進ギヤ17側へ押すことによって、ドリブンプ
レート16とクラッチディスク19が圧接される。そし
て、ドリブンプレート16とクラッチディスク19が一
体回転し、ドリブンプレート16側の動力をクラッチデ
ィスク19側に伝達する。すなわち、前進用インプット
シャフト11と一体回転するドラム15の動力を前進ギ
ヤ17に伝達する。前進ギヤ17の動力は図示しない第
1のアイドラギヤ、第2のギヤ39、第2、第3のアイ
ドラギヤ41,44を介してアウトプットギヤ56に伝
達される。そして、アウトプットギヤ56とアウトプッ
トシャフト57が一体回転することにより、アウトプッ
トシャフト57に動力が伝達される。
【0036】このとき、例えばトルクコンバータから右
回転の動力が前進用インプットシャフト11に与えられ
たとすると、前進ギヤ17において右回転、第1のアイ
ドラギヤにおいて左、第2のギヤ39において右、第
2,第3のアイドラギヤ41,44において左、そし
て、アウトプットギヤ56において右回転に変換され
る。従って、前進時においてアウトプットシャフト57
には右回転の動力が出力されることになる。
【0037】又、コントローラ61はシフトレバースイ
ッチ63から「後進」の位置信号を入力すると、フォー
クリフトを後進させるべく後進用ソレイノイドバルブ6
6を開路し、後進用インプットシャフト33の油圧経路
37に作動油を供給する。トルクコンバータから前進用
インプットシャフト11に伝達された動力は第1のギヤ
25を介して後進ギヤ31に伝達される。後進ギヤ31
の動力は、湿式多板クラッチ38に作動油が供給される
ことによりドラム35に伝達される。ドラム35は後進
用インプットシャフト33及び第2のギヤ39を伴って
回転し、動力を第2,第3のアイドラギヤ41,44を
介してアウトプットギヤ56に伝達する。そして、アウ
トプットギヤ56とアウトプットシャフト57が一体回
転することにより、アウトプットシャフト57に動力が
伝達される。
【0038】このとき、前進時と同様にトルクコンバー
タから右回転の動力が前進用インプットシャフト11に
与えられている。そのため、第1のギヤ25において右
回転、後進ギヤ31及び第2のギヤ39において左、第
2,第3のアイドラギヤ41,44において右、そし
て、アウトプットギヤ56において左回転に変換され
る。従って、後進時においてアウトプットシャフト57
には左回転の動力が出力されることになる。
【0039】又、コントローラ61はシフトレバースイ
ッチ63から「ニュートラル」の位置信号を入力する
と、前進用及び後進用ソレノイドバルブ65,66を閉
路して湿式多板クラッチ14,38の接続を解除する。
それとともにコントローラ61はタイマ部62を作動さ
せる。そして、予め設定された所定時間が経過する前に
シフトレバースイッチ63からの位置信号が「ニュート
ラル」から「前進」又は「後進」に切り換わると、コン
トローラ61はその「ニュートラル」の位置信号はスイ
ッチバックによるものであったと判断する。逆に、所定
時間経過後も「ニュートラル」の位置信号を入力してい
ると、コントローラ61はその「ニュートラル」の位置
信号はスイッチバックによるものではないと判断する。
【0040】このとき、同時に油温センサ59からの
「設定温度以下」の検出信号を入力していると、コント
ローラ61は制動用ソレイノイドバルブ64を開路し
て、油圧経路52,53に作動油を供給する。そして、
供給された作動油の油圧により湿式多板クラッチ47の
ピストン51がドリブンプレート48を第3のアイドラ
ギヤ44側へ押すことによって、ドリブンプレート48
とクラッチディスク49が圧接される。すなわち、クラ
ッチハウジング45と一体成形されたドラム部46と第
3のアイドラギヤ44が接続され、第3のアイドラギヤ
44に制動がかかる。従って、潤滑油の温度が低いた
め、湿式多板クラッチ14又は38においてドリブンプ
レートとクラッチディスクの引きずり現象を起こしてい
たとしても、その動力がアウトプットギヤ56に伝達さ
れることはない。
【0041】そして、コントローラ61は油温センサ5
9からの「設定温度以上」の検出信号、又はシフトレバ
ースイッチ63からの「前進」又は「後進」の位置信号
を入力すると、クラッチハウジング45の油圧経路52
への作動油の供給を停止する。それと同時に再び前進用
インプットシャフト11の油圧経路22又は後進用イン
プットシャフト33の油圧経路37への作動油の供給を
行う。
【0042】このように本実施例によれば、第3のアイ
ドラギヤ44とクラッチハウジング45に固設されたド
ラム部46との間に湿式多板クラッチ47を設け、第3
のアイドラギヤ44に制動をかける。コントローラ61
はその制動を、シフトレバースイッチ63からの「ニュ
ートラル」の位置信号及び油温センサ59からの「設定
温度以下」の検出信号が入力されたときに行う。従っ
て、湿式多板クラッチ14又は38においてドリブンプ
レートとクラッチディスクの引きずり現象を起こしてい
たとしても、その動力がアウトプットギヤ56に伝達さ
れることを防止することができる。
【0043】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、例
えば次のように変更してもよい。 (1)上記実施例では、本発明をフォークリフトのオー
トマチックトランスミッションに具体化した場合を示し
たが、自動車のオートマチックトランスミッションに具
体化してもよい。
【0044】(2)上記実施例では、湿式多板クラッチ
14,38において引きずり現象を起こす虞のある温度
を10℃と設定したが、この温度は適宜変更してもよ
い。又、シフトレバースイッチ63の位置信号が「ニュ
ートラル」2秒以上切り換えられたままであるときに
は、その「ニュートラル」の位置信号はスイッチバック
によるものでないと判断していたが、その設定時間は適
宜変更してもよい。
【0045】(3)上記実施例では、動力遮断手段とし
て、ドリブンプレート及びクラッチディスクを複数枚備
えた湿式多板クラッチ47を使用したが、引きずり現象
によるトルクは比較的小さいので湿式単板クラッチを使
用してもよい。
【0046】(4)上記実施例では、コントローラ61
にタイマ部62を設けていたが、タイマ部62を設けず
に、シフトレバースイッチ63からの「ニュートラル」
の位置信号を入力すると同時に第3のアイドラギヤ44
に制動をかけるものであってもよい。このとき、シフト
レバースイッチ63から「前進」又は「後進」の位置信
号を入力すれば、第3のアイドラギヤ44の制動を中断
するので、誤動作することはない。
【0047】(5)上記実施例では、動力遮断手段とし
ての湿式多板クラッチ47を第3のアイドラギヤ44に
設けた場合を示したが、前進ギヤ17、後進ギヤ31、
アウトプットギヤ56のいずれかに設けるようにしても
よい。この場合、湿式多板クラッチをよりトルクコンバ
ータに近いギヤに設けることによって制動トルクが小さ
くて済むので、湿式多板クラッチのドリブンプレート及
びクラッチディスクの枚数を減らしたり、その大きさを
小さくすることができる。
【0048】さらに、第3のアイドラギヤ44、前進ギ
ヤ17、後進ギヤ31及びアウトプットギヤ56のうち
複数に設けるようにしてもよい。この場合、何らかの理
由により一つの湿式多板クラッチが作動しなくなったと
しても、他の湿式多板クラッチにより制動をかけること
ができるので、確実に制動をかけることができる。
【0049】
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1記載の発明
によれば、ニュートラル時に湿式クラッチにおいて引き
ずり現象を起こした場合にも、動力遮断手段により出力
軸への動力の伝達を遮断し、車両を確実に停止させるこ
とができる優れた効果がある。
【0051】また、潤滑油の温度が予め設定された設定
温度以下のときにのみ、動力遮断手段を駆動させること
ができる優れた効果がある。請求項記載の発明によれ
ば、スイッチバック時に操作手段がニュートラル位置に
切り換えられたときには動力遮断手段を駆動させないよ
うにすることができる優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオートマチックトランスミッションの
引きずり防止機構を具体化した一実施例を示す一部省略
断面図である。
【図2】オートマチックトランスミッションの引きずり
防止機構の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】従来のオートマチックトランスミッションを示
す一部省略断面図である。
【符号の説明】
14…前進用湿式多板クラッチ、38…後進用湿式多板
クラッチ、47…動力遮断手段としての湿式多板クラッ
チ、57…出力軸としてのアウトプットシャフト、59
…油温検出手段としての油温センサ、61…駆動手段と
してのコントローラ 、62…タイマ部、63…操作手
段としてのシフトレバースイッチ、64…駆動手段とし
てのソレノイドバルブ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 48/00 - 48/12 F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行位置及びニュートラル位置の切り換
    え位置を有する操作手段が備えられ、その切り換え位置
    に基づいて湿式クラッチの断続を行うことにより動力を
    出力軸に伝達するオートマチックトランスミッションに
    おいて、 出力軸に伝達される動力を遮断する動力遮断手段と、潤滑油の温度を検出する油温検出手段と、 操作手段がニュートラル位置に切り換えられたときであ
    って、油温検出手段により検出された油温が予め設定さ
    れた油温より低いとき動力遮断手段を駆動させる駆
    動手段とを設けたオートマチックトランスミッションの
    引きずり防止機構。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のオートマチックトランス
    ミッションの引きずり防止機構において、前記駆動手段は操作手段がニュートラル位置に切り換え
    られたまま一定時間経過したときに動力遮断手段を駆動
    させるものである オートマチックトランスミッションの
    引きずり防止機構。
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