JP3434252B2 - 記録媒体搬送装置 - Google Patents

記録媒体搬送装置

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JP3434252B2
JP3434252B2 JP31731499A JP31731499A JP3434252B2 JP 3434252 B2 JP3434252 B2 JP 3434252B2 JP 31731499 A JP31731499 A JP 31731499A JP 31731499 A JP31731499 A JP 31731499A JP 3434252 B2 JP3434252 B2 JP 3434252B2
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suction
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    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J11/00Devices or arrangements  of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, for supporting or handling copy material in sheet or web form
    • B41J11/0085Using suction for maintaining printing material flat
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J11/00Devices or arrangements  of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, for supporting or handling copy material in sheet or web form
    • B41J11/007Conveyor belts or like feeding devices

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  • Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)
  • Handling Of Sheets (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙等の記録媒体に
対して印字等の画像形成を行う画像記録装置に組み込ま
れる記録媒体搬送装置に係る。特に、本発明は、ベルト
駆動装置を利用すると共に、ベルト表面にエア吸引によ
る吸着力を発生させ、この吸着力によって記録媒体をベ
ルト上に保持しながら搬送するものの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、紙やフィルム等の記録媒体に
印字等の画像形成を行うための機器としてプリンタや複
写機が知られている。これら機器では、記録媒体を搬送
する手段としてベルト駆動装置が使用されている。
【0003】また、記録媒体のベルト上での搬送を安定
して行うために、記録媒体をベルト上に吸着させる構成
を採用したものが知られている。具体的には、ベルトの
背面側にチャンバを配設している。このチャンバは、ベ
ルトに対向する面に吸引孔が形成されており、その内部
を負圧にすることによって吸引孔からエア吸引を行うよ
うになっている。また、ベルトにも多数の吸引孔が打ち
抜き加工等によって形成されており、チャンバ内での負
圧発生に伴う各吸引孔からのエア吸引によってベルトに
記録媒体を吸着する。これにより、ベルト上での記録媒
体の位置ずれを防止し、安定した記録媒体の搬送動作が
行えるようになっている。
【0004】ところが、このようにベルト上に記録媒体
を吸着しながら搬送するものでは、記録媒体とベルトと
の間の負圧領域が均一に存在しないことが課題となって
いた。つまり、記録媒体をベルトに吸着させる負圧は、
ベルトの吸引孔の形成部分及びこの吸引孔に近い領域で
は非常に大きくなっているのに対し、吸引孔から僅かに
外れた領域では負圧が極端に小さくなって大気圧状態と
なっている。つまり、記録媒体とベルトとの間では負圧
が極端に高い領域と極端に低い領域とが交互に存在して
いることになる。その結果、記録媒体の全面が受ける平
均圧力が低下する可能性が高く、安定した記録媒体の搬
送を行うための信頼性が十分に確保されているとは言え
なかった。
【0005】この課題を解決しようとするものとして、
例えば特許第2738532号公報や特開平7−304
167号公報に開示されている搬送装置がある。
【0006】前者のものでは、ベルトの表面を、ダイヤ
型ローレット目による粗面で形成している。これによ
り、ベルトの吸引孔近傍位置に負圧の高い領域が偏在す
ることを解消し、記録媒体の全面に亘って均一に負圧が
作用するようにしている。
【0007】また、後者のものにおいても、多孔質膜や
網目状シートでベルトを構成し、印字領域の全体に亘っ
て均一な負圧が作用するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、適切な負圧
作用状態を得るためのベルト表面粗さの最適化について
は未だ提案されていない。
【0009】本発明の発明者は、ベルトと記録媒体との
間の吸着力とベルト表面粗さとの関係について着目し
た。そして、以下のことを見出し、ベルト表面粗さの最
適化について考察を行った。
【0010】つまり、ベルト表面粗さを粗くし過ぎた場
合には、ベルトと記録媒体との間の空間が大きくなり過
ぎて吸引抵抗が低くなる。その結果、チャンバ内の負圧
が低下し、記録媒体に十分な吸着力を作用させることが
できなくなって安定した搬送が行えなくなる可能性が高
くなってしまう。それに加えて、ベルト表面の細かな凹
凸が記録媒体の表面(画像形成面)側に浮き出ることが
あり、平滑な面への画像形成が行えなくなって、高画質
を得ることができなくなる。
【0011】逆に、ベルト表面粗さが不十分な場合に
は、上述したように、記録媒体とベルトとの間では負圧
が極端に高い領域と極端に低い領域とが交互に存在する
ことによって、平均圧力が低下して安定した記録媒体の
搬送が行えない。
【0012】このように、ベルトと記録媒体との間に十
分な吸着力を確保して安定した記録媒体の搬送を行うた
めには、ベルト表面粗さを最適に設定しておくことが重
要である。
【0013】特に、インクジェットプリンタのように記
録媒体を間欠的に搬送するものにあっては、記録媒体に
対する吸着力が十分に得られていない場合、記録媒体が
ベルト上で滑りやすく、画質の劣化が著しくなる可能性
がある。このため、この種のプリンタにおいては、ベル
ト表面粗さの最適化は特に重要となる。
【0014】また、このベルト表面の粗さを適切に設定
するに際し、互いに隣り合う吸引孔間の距離の設定も重
要になってくる。つまり、互いに隣り合う吸引孔間の距
離の設定も、記録媒体を安定して搬送して高画質の画像
形成を行うためには重要な要素である。
【0015】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、記録媒体をベルト上
にエア吸引によって吸着しながら記録媒体を搬送する記
録媒体搬送装置に対し、ベルト表面粗さや互いに隣り合
う吸引孔間の距離を最適に設定することによって、記録
媒体に対する吸着力を最適に得て、高い精度で記録媒体
を搬送可能とすることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】具体的に、本発明は、記
録媒体搬送用ベルトに吸引孔が形成され、この吸引孔か
らのエア吸引によって記録媒体をベルト表面に吸着して
搬送する記録媒体搬送装置を前提とする。この記録媒体
搬送装置に対し、上記記録媒体搬送用ベルトの表面粗さ
(Ra)を、 第1式
【0017】
【数7】
【0018】(D0 :吸引孔の直径、c0 ,c1 :フィ
ッティング値(c0 =16.49,c1 =6.05))
で定義される等価吸着直径(Dx)を 第2式
【0019】
【数8】
【0020】に代入して得られる範囲に設定している。
具体的には、吸引孔の直径(D0)が1〜2mmであると
き、記録媒体搬送用ベルトの表面粗さ(Ra)を1.9
〜13.7μmに設定する。
【0021】また、吸引孔の直径(D0)が2〜5mmであ
るとき、記録媒体搬送用ベルトの表面粗さ(Ra)を
3.4〜29.4μmに設定する。
【0022】これら特定事項により、ベルトの表面粗さ
が適切に設定されることになり、ベルトの記録媒体に対
する吸着力が過不足無く作用する。そのため、記録媒体
の搬送を安定して行うことが可能になる。
【0023】また、他の発明では、互いに隣り合う吸引
孔の中心間距離の最適化を図るために、以下のような設
定を行っている。つまり、上記と同構成の記録媒体搬送
装置に対し、吸引孔の直径(D0)をαとし、記録媒体搬
送用ベルトの表面粗さ(Ra)をβとした場合に、互い
に隣り合う吸引孔の中心間距離(p)が、 式
【0024】
【数9】
【0025】のD0 にαを、Raにβをそれぞれ代入し
て得られるDx以上の寸法に設定している。
【0026】具体的には、吸引孔の直径(D0)が1〜2
mmであるとき、記録媒体搬送用ベルトの表面粗さ(R
a)を1.9〜13.7μmとし、互いに隣り合う吸引
孔の中心間距離(p)を7.6mm以上に設定する。
【0027】また、吸引孔の直径(D0)が2〜5mmであ
るとき、記録媒体搬送用ベルトの表面粗さ(Ra)を
3.4〜29.4μmとし、互いに隣り合う吸引孔の中
心間距離(p)を19.1mm以上に設定する。
【0028】これら特定事項により、互いに隣り合う吸
引孔の中心間距離を、負圧が記録媒体の全体に作用する
最大距離以上に設定することができる。その結果、互い
に隣り合う吸引孔の中心間距離が小さ過ぎてベルトの吸
引孔開口率が極端に大きくなって負圧が弱くなってしま
うことを防止できる。
【0029】更に、他の発明では、隣り合う吸引孔の中
心間距離を考慮したベルトの表面粗さの最適化を図るた
めに以下の設定を行っている。つまり、上記と同構成の
記録媒体搬送装置に対し、吸引孔の直径(D0)をαと
し、互いに隣り合う吸引孔間の距離をpとした場合に、
記録媒体搬送用ベルトの表面粗さ(Ra)を、 式
【0030】
【数10】
【0031】のD0 にαを、Dxに(0.5×p≦Dx
≦p)をそれぞれ代入して得られるRaの範囲内に設定
している。
【0032】この特定事項によっても、ベルトの表面粗
さを最適にでき、ベルトの記録媒体に対する吸着力を過
不足無く得ることができ、記録媒体の搬送を安定して行
うことができる。
【0033】また、吸引孔間に連結溝を設けた場合の溝
深さに関して以下の設定を行っている。つまり、ベルト
表面に、互いに隣り合う吸引孔同士を連結する連結溝を
形成し、連結溝の深さ寸法dを、 式
【0034】
【数11】
【0035】(p:互いに隣り合う吸引孔の中心間距
離、h:連結溝の幅寸法、Ramax :第2式で得られる
記録媒体搬送用ベルトの表面粗さの最大値、Ramin :
第2式で得られる記録媒体搬送用ベルトの表面粗さの最
小値)の範囲内に設定している。
【0036】この特定事項により、ベルトの表面粗さが
比較的小さい場合であっても、ベルトの表面に形成され
る連結溝の深さ寸法の最適化を図ることで、表面粗さが
適切に設定されたベルトを採用した場合と同様の吸着力
を得ることができる。
【0037】また、吸引孔間に連結溝を設けた場合の溝
の幅寸法に関して以下の設定を行っている。つまり、ベ
ルト表面に、互いに隣り合う吸引孔同士を連結する連結
溝を形成し、連結溝の幅寸法hを、 式
【0038】
【数12】
【0039】の範囲内に設定している。この特定事項に
よっても、ベルトの表面粗さが比較的小さい場合であっ
ても、表面粗さが適切に設定されたベルトを採用した場
合と同様の吸着力を得ることができる。
【0040】更に、ベルト表面の静摩擦係数の最適化に
関し以下の設定を行っている。つまり、記録媒体搬送用
ベルトの記録媒体に対する静摩擦係数を1.0以上に設
定している。
【0041】このように静摩擦係数を比較的高い値に設
定することにより、記録媒体に対する水平方向の吸着力
が十分に得られ、記録媒体の搬送を安定して行うことが
できる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。本形態では、本発明をインクジェ
ット方式のプリンタに適用した場合について説明する。
【0043】−プリンタの構成説明− 図1は、本形態に係るプリンタにおける記録媒体として
の紙10の搬送系及び搬送される紙10に対して印字を
行う印字系の概略構成を示している。紙10を搬送する
ための搬送装置はベルト駆動装置1により構成されてい
る。つまり、このベルト駆動装置1は、駆動ローラ1
1、従動ローラ12及びテンションローラ13を備え、
これらローラ11,12,13に無端ベルト14が掛け
渡されて構成されている。駆動ローラ11は、図示しな
いモータの駆動軸に接続しており、モータの駆動力が伝
達されて回転する。つまり、この駆動ローラ11の回転
に伴ってベルト14が図中矢印A方向に走行するように
なっている。また、上記モータは、例えばステッピング
モータにより構成されており、所定のステップ角毎に間
欠的に駆動する。このため、ベルト14の走行もモータ
の駆動に連動して間欠的に行われるようになっている。
上記駆動ローラ11及び従動ローラ12に対向する図中
上側には、これらローラ11,12との間でベルト14
を挟持するピンチローラ31,32が配設されている。
【0044】上記駆動ローラ11と従動ローラ12との
間に存在するベルト14のスパンSの上方には印字ヘッ
ド2が設けられている。この印字ヘッド2は、シリアル
型ヘッドであって、図1中のA方向(紙10の送り方
向)に数十〜数百の吐出ノズルを有している。また、こ
の印字ヘッド2は、図1の紙面鉛直方向に移動可能とな
るように図示しない移動手段を備えている。更に、この
印字ヘッド2は、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラッ
クの各カートリッジを備えており、フルカラー印刷が可
能となっている。これらカートリッジは、一体型のもの
であってもよく、また、各色毎に独立したものであって
もよい。
【0045】上記従動ローラ12の上流側(図中右側)
には複数枚の紙10が収容された給紙カセット4が配設
されている。更に、この給紙カセット4の排紙側には図
示しない給紙ローラが配設されている。この給紙ローラ
により給紙カセット4から紙10が1枚づつ取り出され
てベルト14上に供給される構成となっている。
【0046】上記駆動ローラ11と従動ローラ12との
間に存在するベルト14のスパンSの背面側にはプラテ
ンチャンバ5が配設されている。このプラテンチャンバ
5は、略直方体状の容器で成り、その上面位置は、上記
駆動ローラ11の上端と従動ローラ12の上端とを結ぶ
直線上に略一致している。
【0047】また、このプラテンチャンバ5は、図2に
示すように、上面に複数の吸引孔51,51,…が形成
されている。この吸引孔51は、ベルト14の走行方向
(図2の左右方向)に長い長孔であって、ベルト幅方向
に所定間隔を存した位置に形成されている。また、この
プラテンチャンバ5には図示しないダクトが接続してお
り、ダクト上流側に位置する図示しないファンの駆動に
よって、このダクトから空気が排出される。これによ
り、プラテンチャンバ5内部が負圧(例えば100〜6
00Pa程度)となって紙10をベルト14側に吸引す
るための吸着力が発生するようになっている。
【0048】ベルト14は、ウレタンゴム等のゴム材料
により作製されており、その表面は紙10との間の摩擦
力が大きく得られている。更に、このベルト14の厚さ
は例えば0.5mmに設定されている。
【0049】図2及び図3に示すように、ベルト14に
も複数個の吸引孔14a,14a,…が形成されてい
る。この吸引孔14aは、円形(例えば直径1〜10mm
程度)の開口であって、千鳥状に配列されている。そし
て、上記プラテンチャンバ5の駆動に伴って、ベルト1
4表面に紙10を吸引するための吸着力が各吸引孔14
a,14a,…に発生し、ベルト14に対する紙10の
位置ずれを回避して、良好な紙10の搬送動作が行える
ようになっている。これら吸引孔14a,14a,…
は、ベルト14の長手方向及び幅方向にそれぞれ所定の
間隔(ピッチ)を存してそれぞれ形成されている。これ
ら吸引孔14a,14a,…のベルト幅方向のピッチ
は、上記プラテンチャンバ5に形成されている吸引孔5
1,51,…の間隔寸法に一致している。
【0050】図3は、ベルト14の幅方向の中心位置を
用紙搬送基準軸(図中破線で示す)とした場合の紙10
(図中仮想線で示す)の搬送状態を示している。
【0051】−動作説明− 次に、上述の如く構成されたプリンタの動作について説
明する。
【0052】本プリンタの動作が開始されると、先ず、
図示しない給紙ローラを駆動させて給紙カセット4から
紙10を取り出し、その紙10の先端縁をピンチローラ
32とベルト14との間に位置させる。この状態で、モ
ータを駆動して、駆動ローラ11を回転させる。この駆
動ローラ11の回転に伴い、ベルト14が図1中矢印A
方向へ走行する。
【0053】一方、プラテンチャンバ5のファンを駆動
し、このプラテンチャンバ5内に負圧を発生させる。こ
れにより、ベルト14の表面にはエア吸引による吸着力
が発生し、この吸着力によって紙10はベルト14に吸
着される。このため、ベルト14に対する紙10の位置
ずれが生じること無しに紙10の搬送動作が良好に行わ
れる。
【0054】この際、紙10は、複数の吸引孔14a,
14a,…によって吸引されているので、ベルト14か
ら浮き上がること無しに搬送される。例えば、図3に仮
想線で示すように、A4サイズの紙10を搬送している
場合には、紙10の下側に位置している各吸引孔14
a,14a,…が紙10を吸引することになり、紙10
の略全体が吸着されてベルト14との間の相対的な位置
ずれ無しに搬送される。また、紙10の各辺近傍位置も
吸引孔14a,14a,…によって吸引されることにな
るため、紙10の上方へのカールが防止されている。
【0055】その後、紙10が印字ヘッド2の配設位置
まで搬送されると、モータの駆動が停止してベルト14
の走行が停止する。そして、印字ヘッド2が、図1の紙
面鉛直方向に移動しながら吐出ノズルからインクを吐出
し、これによって紙10への画像形成を行っていく。印
字ヘッド2が紙10の一端部まで移動すると、再びベル
ト14が走行し、紙10を所定量だけ移動させた後、停
止する。そして、再び印字ヘッド2が図1の紙面鉛直方
向に移動しながら画像形成が行われる。このようにし
て、印字ヘッド2による画像形成動作と、ベルト駆動装
置1による紙10の送り動作とが交互に行われて紙10
全体への印刷が行われる。
【0056】そして、紙10全体への印刷が終了する
と、紙10はベルト搬送装置1の排出側(図1の左側)
に排出される。以上の動作が繰り返されることにより、
複数枚の紙10に対して連続的に画像形成が行われてい
く。
【0057】−ベルト14の詳細説明− 次に、本形態の特徴であるベルト14の詳細構成につい
て説明する。以下、第1実施例として「ベルト14の表
面粗さの設定」、第2実施例として「隣り合う吸引孔間
の距離の設定」、第3実施例として「隣り合う吸引孔間
の距離を考慮したベルトの表面粗さの設定」、第4実施
例として「吸引孔間に連結溝を設けた場合の溝深さの設
定」、第5実施例として「吸引孔間に連結溝を設けた場
合の溝の幅寸法の設定」、第6実施例として「ベルト表
面の静摩擦係数の設定」について順に説明する。
【0058】<第1実施例−ベルト14の表面粗さの設
定>紙10がベルト14に吸着された状態では、吸引孔
14aの形成部分及びこの吸引孔14aに近い領域では
局部的に負圧が大きくなっている。図4では、吸引孔1
4aの形成部分の近傍で負圧が作用している領域を破線
で囲んで示している。この負圧の作用する領域は、紙1
0の空気抵抗及びベルト14と紙10との間の空間での
空気抵抗に影響され、それによって変化する。つまり、
空気抵抗が小さい紙(例えば薄い紙)10では吸引孔1
4aの形成部分における負圧発生範囲は小さく、逆に、
空気抵抗が大きい紙(厚紙等)10では吸引孔14aの
形成部分における負圧発生範囲は大きい。
【0059】また、ベルト14の表面粗さと負圧発生範
囲との関係について述べると、ベルト14の表面粗さが
小さい(滑らかな面で形成されている)場合には、この
ベルト14と紙10との間の空間が狭いため、空気抵抗
が大きくなり、それに伴って吸引孔14aの形成部分に
おける負圧発生範囲は小さくなる。それに対し、ベルト
14の表面粗さが大きい場合には、このベルト14と紙
10との間の空間が広いため、空気抵抗が小さくなり、
それに伴って吸引孔14aの形成部分における負圧発生
範囲は大きくなる。
【0060】プラテンチャンバ5内の負圧(p0)が吸引
孔14aの周囲に対向する紙10に均等に作用するとし
た場合の等価吸着直径(Dx)と、ベルトの表面粗さ
(Ra)とは請求項でいう第2式(下記式(2))で与
えられる関係がある(この第2式の導出方法については
後述する)。図4において破線で囲まれた領域の直径が
等価吸着直径(Dx)である。
【0061】
【数13】
【0062】(D0 :吸引口径)上述したように、紙1
0の空気抵抗、紙10とベルト14との間の空気抵抗を
考慮して第2式を導出し、実験データ(吸引口径(D0)
を2mmとした場合) に基づいてフィッティング値c0 ,
c1 (c0 =16.49,c1 =6.05)を得た。
【0063】以下、このときの実験について説明する。
先ず、第1の実験として、ベルト14上に紙10を置
き、プラテンチャンバ5によるエア吸引を行いながら紙
10を水平方向に引っ張る。そして、このときの水平方
向の吸着力を測定する。
【0064】次に、第2の実験として、紙10上に適当
な錘を載せ、それをベルト14上で吸引なしの状態で水
平方向に引っ張り、そのときに要する力を測定してベル
ト14と紙10との間の動摩擦係数を得る。
【0065】これら2つの実験から、プラテンチャンバ
5内の負圧(Pr)、垂直方向の吸着力(Vf)が得ら
れる。
【0066】ところで、上記吸着力は、ある範囲の面積
(等価吸着直径Dx)のみに及ぶと仮定すると、垂直方
向の吸着力(Vf,VerticalForce)、負圧(Pr,Pres
sure)、吸引数(Hn,HoleNumber)の間には以下の式
(5)が成り立つ。
【0067】
【数14】
【0068】この式において、変数Dx以外は既知であ
る。このため、上式によって等価吸着直径(Dx)を求
めることが可能である。
【0069】等価吸着直径(Dx)とベルト14の表面
粗さ(Ra)との関係を図5に示す。この図5からも判
るように、ベルト14の表面粗さ(Ra)が比較的小さ
い場合には、このベルト14の表面粗さ(Ra)と等価
吸着直径(Dx)とは比例関係にある。しかし、ベルト
14の表面粗さ(Ra)が大きくなると、この両者は比
例関係とならず等価吸着直径(Dx)は飽和する。ベル
ト14の表面粗さ(Ra)が極端に大きくなったときの
等価吸着直径(Dxmax)は以下の式(6)で与えられ
る。
【0070】
【数15】
【0071】本実験では、ベルト14の表面粗さ(R
a)、ベルト14の紙10に対する吸着力、紙10の搬
送精度、画質の良否の相対関係を調べた。
【0072】その結果、ベルトの表面粗さ(Ra)が大
き過ぎる場合には以下の現象が生じることを確認した。 (1)ベルト14と紙10との間の空間が広いため、空
気抵抗が小さくなり、それに伴って吸着力が低下する。 (2)吸着力の低下に伴って、ベルト14上での紙10
の搬送状態が不安定となり、正確な搬送が行えなくな
る。 (3)紙10がベルト14の表面形状に沿って変形し、
高画質の画像形成を行うことができなくなる。
【0073】逆に、ベルト14の表面粗さ(Ra)が小
さ過ぎる場合には、上記等価吸着直径(Dx)が小さく
なり、この場合にも、吸着力が低下して紙10の正確な
用紙搬送が行えなくなることを確認した。
【0074】この実験により、ベルト14の紙10に対
する吸着力が過不足無く作用し、紙10の搬送を安定し
て行って高画質の画像形成が行えるようにするためのベ
ルトの表面粗さ(Ra)は、請求項でいう第1式(下記
式)で定義される等価吸着直径(Dx)を上記第2式
(2)に代入して得られる範囲であることが判明した。
【0075】
【数16】
【0076】尚、第2式(2)における単位は、Dx,
D0 を[mm]としたときにはRaは[μm]となる。
【0077】以下、ベルトの表面粗さ(Ra)の導出方
法(上記第2式の導出方法)について、図6を参照しな
がら説明する。
【0078】図6に示すように、吸引孔14aが形成さ
れたベルト14に垂直な方向をZ軸とし、ベルト14の
平面内において吸引孔14aの中心を原点とする水平軸
をr軸とする。また、吸引孔14aの開口縁のr軸方向
の位置をr0 とし、吸引孔14aの外側(r>r0)に存
在する負圧作用領域のr軸方向の寸法をdr とする。
【0079】更に、吸引孔14aよりもベルト14の平
面方向の外側dr の領域において紙10を通過して漏れ
てくる空気の流速をVz 、紙10とベルト14との間の
距離(隙間)をH、紙10とベルト14との間であって
距離rの位置に流れ込む空気の流速をVrとする。この
流速(Vr) はZ軸方向において分布を有するため、Z
軸方向において平均した流速をVravとする。
【0080】連続の式より、
【0081】
【数17】
【0082】また、運動方程式より、
【0083】
【数18】
【0084】よって、
【0085】
【数19】
【0086】となる。ここで、用紙に作用する圧力Pと
して、
【0087】
【数20】
【0088】但し、cは定数である。図7を参照し、上
記式(7),(9),(10)を境界条件 P=0 (r=re) =−ΔP (r=0) (但し、reは負圧Pが0となるときのr軸方向の位
置、r0 は吸引孔14aまでのr軸方向位置、ΔPはプ
ラテンチャンバ5内負圧であって大気圧からの差分)に
おいて、上式を解くと、以下の式(11)が得られる。
【0089】
【数21】
【0090】この式(11)において、 re=Dx r0 =D0 /2 H=Ra と置き換えるとことにより上記第2式(2)を得ること
ができる。
【0091】ここで、上記実験結果により、等価吸着半
径(Dx/2)は、概略(re/2)に等しいとした。
【0092】以上により、例えば、吸引孔14aの直径
(D0)が1〜2mmのときには、ベルト14の表面粗さ
(Ra)を1.9〜13.7μmに設定すれば良い。
【0093】例えば、吸引孔14aの直径(D0)が2〜
5mmのときには、ベルト14の表面粗さ(Ra)を3.
4〜29.4μmに設定すれば良い。
【0094】以上を表1にまとめる。
【0095】
【表1】
【0096】上記の構成により、ベルト14の表面を適
度に形成し、ベルト14の紙10に対する吸着力が過不
足無く得られ、紙10の搬送を安定して行って高画質の
画像形成を行うことができる。
【0097】<第2実施例−隣り合う吸引孔の中心間距
離の設定>以下、互いに隣り合う吸引孔14a、14a
の中心間距離の設定について説明する。
【0098】図8に示すように、吸引孔14aの直径が
D0 、ベルト14の表面粗さがRaであるとき、互いに
隣り合う吸引孔14a、14aの中心間距離pを、上記
第2式の(D0 ,Ra)に固定値(α,β)を代入して
得られる等価吸着直径(Dx)以上に設定するものであ
る。
【0099】言い換えると、図4において破線で囲んだ
等価吸着領域が重なり合わないように、互いに隣り合う
吸引孔14a、14aの中心間距離pを設定するのであ
る。
【0100】例えば、吸引孔14aの直径(D0)が1〜
2mmであるとき、上述したベルト表面粗さ設定の場合の
ように、ベルト14の表面粗さ(Ra)を1.9〜1
3.7μmとし、互いに隣り合う吸引孔14a、14a
の中心間距離pを7.6mm以上に設定する。
【0101】また、吸引孔14aの直径(D0)が2〜5
mmであるとき、上述したベルト表面粗さ設定の場合のよ
うに、ベルト14の表面粗さ(Ra)を3.4〜29.
4μmとし、互いに隣り合う吸引孔14a,14aの中
心間距離pを19.1mm以上に設定する。
【0102】以下、この互いに隣り合う吸引孔14a、
14aの中心間距離pの導出過程について説明する。 (a)吸引孔14aの直径(D0)が1〜2mmであるとき ・D0 =1mmのとき、上記式(6)により、
【0103】
【数22】
【0104】となる。 ・D0 =2mmのとき、上記式(6)により、
【0105】
【数23】
【0106】となる。よって、直径(D0)が1〜2mmで
あるときには、上記値の大きい方を採用し、隣り合う吸
引孔14a、14aの中心間距離pは7.6mm以上に設
定される。 (b)吸引孔14aの直径(D0)が2〜5mmであるとき ・D0 =2mmのとき、上記式(6)により、
【0107】
【数24】
【0108】となる。 ・D0 =5mmのとき、上記式(6)により、
【0109】
【数25】
【0110】となる。よって、直径(D0)が2〜5mmで
あるときには、上記値の大きい方を採用し、隣り合う吸
引孔14a、14aの中心間距離pは19.1mm以上に
設定される。
【0111】以下に、吸引孔14aの直径(D0)と、互
いに隣り合う吸引孔14a、14aの中心間距離pとの
対応関係について表2を用いて示す。
【0112】
【表2】
【0113】上記の構成により、互いに隣り合う吸引孔
14a、14aの中心間距離pを、負圧が紙10の全体
に作用する最大距離以上に設定することができる。その
結果、互いに隣り合う吸引孔14a、14aの中心間距
離pが小さ過ぎてベルトの吸引孔開口率が極端に大きく
なってプラテンチャンバ5内の負圧が弱くなってしまう
ことを防止できる。これにより、紙10の搬送を安定し
て行って高画質の画像形成を行うことが可能になる。
【0114】<第3実施例−隣り合う吸引孔の中心間距
離を考慮したベルトの表面粗さの設定>以下、上述の如
く設定した互いに隣り合う吸引孔14a、14aの中心
間距離を考慮してベルトの表面粗さを設定する場合につ
いて説明する。
【0115】吸引孔14aの直径がD0 、互いに隣り合
う吸引孔14a,14aの中心間距離がpであるとき、
ベルト14の表面粗さRaを、上記第2式のDxに
「0.5p≦Dx≦p」を代入して得られる範囲に設定
している。
【0116】例えば、吸引孔14aの直径を2mm、隣り
合う吸引孔14a,14aの中心間距離を10mmとする
と、ベルト14の表面粗さRaは2.0〜5.0μmの
範囲に設定される。
【0117】このように、互いに隣り合う吸引孔14
a,14aの中心間距離を考慮してベルトの表面粗さを
設定しているので、ベルト14の表面粗さを最適にで
き、ベルト14の紙10に対する吸着力が過不足無く作
用させることができ、紙10の搬送を安定して行って高
画質の画像形成を行うことができる。
【0118】<第4実施例−吸引孔間に連結溝を設けた
場合の溝深さの設定>ここでは、図9に示すように、互
いに隣り合う吸引孔14a,14a間に連結溝6を設け
た場合の溝深さを適切に設定する場合について説明す
る。
【0119】吸引孔14aの直径がD0 、互いに隣り合
う吸引孔14a、14aの中心間距離がp、連結溝6の
幅寸法がhであるとき、「Ramin ≦Ra≦Ramax 」
の範囲により溝深さを以下の式(3)の範囲に設定して
いる。
【0120】
【数26】
【0121】一般に、ベルト14の表面平均粗さRa
は、粗さ曲線f(x) をその中心線に対し折り返した部分
の面積を測定長さLで除した値であるので、図10のよ
うな粗さ曲線f(x) がある場合には、表面粗さRaは以
下の式(16)で表される。
【0122】
【数27】
【0123】図9(b)(連結溝6の断面図)のような
断面において、測定長さをpとして表面粗さRaを算出
し、溝深さdについて解くと、
【0124】
【数28】
【0125】となる。例えば、吸引孔14aの直径を2
mm、隣り合う吸引孔14a,14a間の距離を10mm、
連結溝6の幅を10μmとしたとき、ベルト14の表面
粗さRaは3.4〜13.7μm、連結溝6の深さdは
1.7〜6.9μmの範囲に設定される。
【0126】このように、ベルト14の表面粗さが比較
的小さい場合であっても、ベルト14の表面に連結溝6
を形成することによって表面粗さが大きいベルト14と
同様の吸着力を得ることができる。つまり、この連結溝
6を設けておくことによって、ベルト14の表面粗さを
任意に設定しながら紙10の搬送を安定して行って高画
質の画像形成を行うことができる。
【0127】<第5実施例−吸引孔間に連結溝を設けた
場合の溝の幅寸法の設定>ここでは、上述したように、
互いに隣り合う吸引孔14a,14a間に連結溝6を設
けた場合の連結溝6の幅寸法を適切に設定する場合につ
いて説明する。
【0128】吸引孔14aの直径がD0 、互いに隣り合
う吸引孔14a、14a間の距離がp、連結溝の深さが
dであるとき、「Ramin ≦Ra≦Ramax 」の範囲に
より連結溝6の幅寸法を以下の式(4)の範囲に設定し
ている。
【0129】
【数29】
【0130】図9(b)に示すような断面において、測
定長さをpとして表面粗さRaを算出し、連結溝6の幅
寸法hについて解くと、
【0131】
【数30】
【0132】となる。例えば、吸引孔14aの直径を2
mm、隣り合う吸引孔14a,14a間の距離を10mm、
連結溝6の深さを5μmとしたとき、ベルト14の表面
粗さRaは3.4〜13.7μm、連結溝6の幅寸法h
は0.4〜1.6μmの範囲に設定される。
【0133】この場合にも、ベルト14の表面粗さが比
較的小さい場合であっても、ベルト14の表面に連結溝
6を形成することによって表面粗さが大きいベルト14
と同様の吸着力を得ることができる。
【0134】<第6実施例−ベルト表面の静摩擦係数の
設定>ここでは、ベルト表面の紙10に対する静摩擦係
数の設定について説明する。具体的には、この静摩擦係
数を1.0以上に設定している。
【0135】紙10の搬送方向、紙10の幅方向(搬送
方向に直交する方向)の保持力は、静摩擦係数に比例し
て増大する。仮に、この静摩擦係数が小さ過ぎる場合に
は、たとえ、ベルト表面の形状を最適化しても、水平方
向の吸着力は不足してしまう。このため、紙10をベル
ト14上に安定して保持することができない可能性があ
る。
【0136】このため、この静摩擦係数を1.0以上の
高い値に設定して、水平方向の吸着力も十分に得られる
ようにしている。
【0137】静摩擦係数を1.0以上に設定した場合
と、1.0未満に設定した場合とのそれぞれについて画
像形成実験を行った。その結果、静摩擦係数を1.0以
上に設定したものにあっては高画質が得られたのに対
し、静摩擦係数を1.0未満に設定したものにあっては
画質が極端に劣化することが確認された。
【0138】−その他の実施形態− 上記実施形態では、シリアル型ヘッドを備えたインクジ
ェット方式のプリンタに対して本発明を適用した場合に
ついて説明した。本発明は、これに限らず、ライン型ヘ
ッドを備えたプリンタやその他の方式のプリンタに対し
ても適用可能である。また、プリンタ以外の複写機等の
画像記録装置にも適用可能である。また、記録媒体とし
ては、紙10に限らずフィルム等各種の媒体を採用する
ことが可能である。
【0139】また、本形態では、紙10をベルト幅方向
の中央部分に載置して搬送するものについて説明した
が、紙10をベルト幅方向の一方側寄りに載置して搬送
するものに対しても適用可能である。
【0140】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、記録媒
体をベルト上にエア吸引によって吸着しながら記録媒体
を搬送する記録媒体搬送装置に対し、ベルトの表面粗さ
を適切に設定することにより、ベルトの記録媒体に対す
る吸着力を過不足無く確保することができる。つまり、
吸引抵抗が著しく大きくなって負圧作用領域が小さくな
ってしまったり(ベルト表面粗さが小さ過ぎる場合)、
ベルトと記録媒体との間の隙間が大きくなり過ぎて吸気
抵抗が著しく小さくなって十分な吸着力が得られなくな
ってしまう(ベルト表面粗さが大き過ぎる場合)といっ
た状況を回避することができる。その結果、記録媒体の
搬送を安定して行うことが可能になり、高画質の画像形
成を行うことができる。特に、記録媒体がベルト上で滑
りやすかったインクジェットプリンタのような間欠的な
搬送を行うものに適用した場合には、この記録媒体の滑
りを確実に回避することができ、特に有効である。
【0141】また、ベルト表面粗さが大き過ぎることに
よってベルト表面の細かな凹凸が記録媒体の表面側に浮
き出るといった状況を回避することもできる。従って、
平滑な面への画像形成が可能になり、これによっても高
画質の画像形成を行うことができる。
【0142】また、互いに隣り合う吸引孔の中心間距離
の最適化を図るようにした場合には、隣り合う吸引孔の
距離が小さ過ぎてベルトの吸引孔開口率が極端に大きく
なるといった状況を回避できる。このため、負圧が弱く
なってしまうことを防止でき、これによっても、ベルト
の記録媒体に対する吸着力を過不足無く確保することが
できる。その結果、記録媒体の搬送を安定して行うこと
が可能になり、高画質の画像形成を行うことができる。
【0143】更に、吸引孔間に連結溝を設けた場合の溝
深さや溝の幅寸法を適切に設定した場合には、ベルトの
表面粗さが比較的小さい場合であっても、表面粗さが適
切に設定されたベルトを採用した場合と同様の吸着力を
得ることができる。つまり、ベルトの表面粗さを任意に
設定しながらも、記録媒体の搬送を安定して行って高画
質の画像形成を行うことが可能になる。
【0144】また、ベルト表面の静摩擦係数を1.0以
上に設定した場合には、水平方向の吸着力を十分に得る
ことができる。このため、上記ベルトの表面粗さ、吸引
孔の中心間距離、連結溝の溝深さや溝の幅寸法を適切に
設定した場合の効果と相まって、安定した記録媒体の搬
送動作をより確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るプリンタの搬送系及び印字系の
概略構成を示す図である。
【図2】プラテンチャンバ及びベルトを示す一部を破断
した平面図である。
【図3】ベルトの平面図である。
【図4】負圧が作用している部分を示すベルト表面の平
面図である。
【図5】等価吸着直径とベルト表面粗さとの関係を示す
図である。
【図6】ベルト表面粗さを設定する式の導出方法を説明
するための図である。
【図7】吸引孔付近における負圧分布を説明するための
図である。
【図8】隣り合う吸引孔の中心間距離設定方法を説明す
るための図である。
【図9】隣り合う吸引孔間に形成された連結溝の形状設
定方法を説明するための図である。
【図10】ベルトの表面平均粗さを説明するための図で
ある。
【符号の説明】
1 ベルト駆動装置(記録媒体搬送装置) 10 紙(記録媒体) 14 無端ベルト 14a 吸引孔 Ra ベルトの表面粗さ D0 吸引孔の直径 c0 ,c1 フィッティグン値 Dx 等価吸着直径 p 吸引孔間の距離 d 連結溝の深さ寸法 h 連結溝の幅寸法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 5/02 B65H 5/22

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体搬送用ベルトに吸引孔が形成さ
    れ、この吸引孔からのエア吸引によって記録媒体をベル
    ト表面に吸着して搬送する記録媒体搬送装置において、 上記記録媒体搬送用ベルトの表面粗さ(Ra)が、 第1式 【数1】 (D0 :吸引孔の直径、c0 ,c1 :フィッティング値
    (c0 =16.49,c1 =6.05))で定義される
    等価吸着直径(Dx)を 第2式 【数2】 に代入して得られる範囲に設定されていることを特徴と
    する記録媒体搬送装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の記録媒体搬送装置におい
    て、 吸引孔の直径(D0)が1〜2mmであり、記録媒体搬送用
    ベルトの表面粗さ(Ra)が1.9〜13.7μmに設
    定されていることを特徴とする記録媒体搬送装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の記録媒体搬送装置におい
    て、 吸引孔の直径(D0)が2〜5mmであり、記録媒体搬送用
    ベルトの表面粗さ(Ra)が3.4〜29.4μmに設
    定されていることを特徴とする記録媒体搬送装置。
  4. 【請求項4】 記録媒体搬送用ベルトに複数の吸引孔が
    形成され、これら吸引孔からのエア吸引によって記録媒
    体をベルト表面に吸着して搬送する記録媒体搬送装置に
    おいて、 吸引孔の直径(D0)をαとし、記録媒体搬送用ベルトの
    表面粗さ(Ra)をβとした場合に、 互いに隣り合う吸引孔の中心間距離(p)が、 式 【数3】 (c0 ,c1 :フィッティング値(c0 =16.49,
    c1 =6.05))のD0 にαを、Raにβをそれぞれ
    代入して得られるDx以上の寸法に設定されていること
    を特徴とする記録媒体搬送装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の記録媒体搬送装置におい
    て、 吸引孔の直径(D0)が1〜2mmであり、記録媒体搬送用
    ベルトの表面粗さ(Ra)が1.9〜13.7μmであ
    って、互いに隣り合う吸引孔の中心間距離(p)が7.
    6mm以上に設定されていることを特徴とする記録媒体搬
    送装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の記録媒体搬送装置におい
    て、 吸引孔の直径(D0)が2〜5mmであり、記録媒体搬送用
    ベルトの表面粗さ(Ra)が3.4〜29.4μmであ
    って、互いに隣り合う吸引孔の中心間距離(p)が1
    9.1mm以上に設定されていることを特徴とする記録媒
    体搬送装置。
  7. 【請求項7】 記録媒体搬送用ベルトに複数の吸引孔が
    形成され、これら吸引孔からのエア吸引によって記録媒
    体をベルト表面に吸着して搬送する記録媒体搬送装置に
    おいて、 吸引孔の直径(D0)をαとし、互いに隣り合う吸引孔間
    の距離をpとした場合に、 記録媒体搬送用ベルトの表面粗さ(Ra)が、 式 【数4】 (c0 ,c1 :フィッティグ値(c0 =16.49,c
    1 =6.05))のD0 にαを、Dxに(0.5×p≦
    Dx≦p)をそれぞれ代入して得られるRaの範囲内に
    設定されていることを特徴とする記録媒体搬送装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の記録媒体搬送装置におい
    て、 ベルト表面には、互いに隣り合う吸引孔同士を連結する
    連結溝が形成されており、 連結溝の深さ寸法dが、 式 【数5】 (p:互いに隣り合う吸引孔の中心間距離、h:連結溝
    の幅寸法、Ramax :第2式で得られる記録媒体搬送用
    ベルトの表面粗さの最大値、Ramin :第2式で得られ
    る記録媒体搬送用ベルトの表面粗さの最小値)の範囲内
    に設定されていることを特徴とする記録媒体搬送装置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の記録媒体搬送装置におい
    て、 ベルト表面には、互いに隣り合う吸引孔同士を連結する
    連結溝が形成されており、 連結溝の幅寸法hが、 式 【数6】 (p:互いに隣り合う吸引孔の中心間距離、d:連結溝
    の深さ寸法、Ramax :第2式で得られる記録媒体搬送
    用ベルトの表面粗さの最大値、Ramin :第2式で得ら
    れる記録媒体搬送用ベルトの表面粗さの最小値)の範囲
    内に設定されていることを特徴とする記録媒体搬送装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のうち一つに記載の記録
    媒体搬送装置において、 記録媒体搬送用ベルトの記録媒体に対する静摩擦係数が
    1.0以上に設定されていることを特徴とする記録媒体
    搬送装置。
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