JP3433885B2 - ディーゼル排ガス浄化用触媒 - Google Patents

ディーゼル排ガス浄化用触媒

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JP3433885B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ン(以下DEという)の排ガス中に含まれるHC(炭化
水素)及びCO(一酸化炭素)を酸化浄化するととも
に、SOF(可溶性有機物質)を酸化してディーゼルパ
ティキュレートの排出量を低減するディーゼル排ガス浄
化用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】ガソリンエンジンについては、排ガスの
厳しい規制とそれに対処できる技術の進歩により、排ガ
ス中の有害成分は確実に減少している。しかしDEにつ
いては、有害成分が主としてパティキュレートとして排
出されるという特異な事情から、規制も技術の開発もガ
ソリンエンジンに比べて遅れており、有害成分を確実に
浄化できる排ガス浄化用触媒の開発が望まれている。
【0003】現在までに開発されているDE排気ガス浄
化装置としては、大きく分けてトラップを用いる方法
(触媒無しと触媒付き)と、オープン型SOF分解触媒
とが知られている。このうちトラップを用いる方法は、
ディーゼルパティキュレートを捕捉してその排出を規制
するものであり、特にドライスーツの比率の高い排ガス
に有効である。しかしながらトラップを用いる方法で
は、捕捉されたディーゼルパティキュレートを焼却する
ための再生処理装置が必要となり、再生時の触媒構造体
の割れ、アッシュによる閉塞あるいはシステムが複雑に
なるなど、実用上多くの課題を残している。
【0004】一方オープン型SOF分解触媒は、例えば
特開平1−171626号公報に示されるように、ガソ
リンエンジンと同様に活性アルミナなどの担持層に白金
族金属などの触媒金属を担持した触媒が利用され、CO
やHCとともにSOFを酸化分解して浄化している。こ
のオープン型SOF分解触媒は、ドライスーツの除去率
が低いという欠点があるが、ドライスーツの量はDEや
燃料自体の改良によって低減することが可能であり、か
つ再生処理装置が不要という大きなメリットがあるた
め、今後の一段の技術の向上が期待されている。
【0005】ところがオープン型SOF分解触媒は、高
温下ではSOFを効率良く分解可能であるが、低温条件
では触媒金属の触媒作用が低くSOFの浄化性能が低下
するという欠点がある。またオープン型SOF分解触媒
においては、高温域で排ガス中のSO2 までも酸化され
てSO3 やSO4 が生成し、サルフェートとなって逆に
パティキュレート量が増大するという問題がある。これ
は、SO2 はパティキュレートとして測定されないが、
サルフェートはパティキュレートとして測定されるため
である。特にDEにおいては排ガス中に酸素ガスが多く
存在し、SO2 の酸化反応が生じやすい。
【0006】さらにオープン型SOF分解触媒では、触
媒金属がDE排ガス中に多量に含まれる硫黄の被毒を受
け、触媒金属の触媒活性が低下することが知られてい
る。すなわち、燃料中の硫黄から生成するSO2 が触媒
担体であるアルミナと反応して硫酸アルミニウム(Al
2 (SO4 3 )が形成され、これが触媒金属を覆うた
めに触媒活性が低下する。
【0007】一方、ボイラーなどの排ガス処理分野で
は、耐硫黄被毒性に優れたチタニア(TiO2 )を触媒
担持層に用い、それにPt、Vなどの触媒金属を担持し
た触媒が開発され、実用に供されている。しかしこの種
の触媒はSOFの吸着性がなく、低温域ではHC及びS
OFがそのまま排出されてしまう。そこで本願出願人
は、特開平4−267928号公報において、活性アル
ミナやゼオライトなどの吸着性の高いコート層をもち触
媒金属をもたない触媒を排ガス流の上流側に配置し、チ
タニアやシリカなどの吸着性の低いコート層をもつ担体
に触媒金属を担持した酸化触媒を下流側に配置した触媒
装置を提案している。
【0008】この触媒装置によれば、上流側触媒ではH
C及びSOFが低温時に吸着されるとともにSO2 も吸
着されるが、上流側触媒は触媒金属をもたないためSO
2 の酸化が防止されている。そして下流側触媒では、高
温時に上流側触媒から放出されたHC及びSOFが触媒
金属により酸化浄化される。一方、上流側触媒からはS
2 も放出されるが、下流側触媒はSO2 の吸着性が低
いためSO2 が吸着して酸化されるのが抑制され、サル
フェートの生成が防止されている。
【0009】上記公報に開示された触媒装置では、定常
条件の場合には確かに効果がある。しかしながら、低温
時に上流側触媒に吸着・蓄積された多量のSO2 が高温
時に放出されて下流側触媒に流入すると、下流側触媒の
触媒金属と接触するSO2 も少なからず存在し、それが
サルフェートとして排出されるという不具合があった。
【0010】そこで特願平7−320313号公報(本
願出願時未公開)には、担体を二層に分け、上層には触
媒金属を担持せず下層にのみ触媒金属を担持したディー
ゼル排ガス用酸化触媒が開示されている。このような構
成とすることにより、低温時には上層にHC、SOF及
びSO2が吸着されて蓄積される。上層は触媒金属をも
たないので、HC、SOF及びSO2 は酸化されること
なく蓄積される。HC及びSOFは液相となり、毛細管
現象により浸透して下層にまで吸着され酸化浄化され
る。しかしSO2 は低温でも気相でありHC及びSOF
に比べて吸着されにくく下層にまで移動しにくいので、
大部分が上層に吸着・蓄積される。
【0011】そして高温域では、吸着されたHC及びS
OFが酸化浄化され、SO2 はそのまま排出される。し
たがってパティキュレートの排出が抑制される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記のように
下層のみに触媒金属を担持した触媒では、初期の性能に
は優れるものの、熱履歴によりHC及びSOFの浄化活
性が低下し、耐久性が低いという不具合があることが明
らかとなった。またSO2 が上層から下層まである程度
浸透することが避けられず、下層でサルフェートが生成
するという不具合が避けられない。
【0013】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、耐熱性を向上させることによりパティキュ
レートの排出量を一層低減することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1に記載のディーゼル排ガス浄化用触媒の特徴は、ハ
ニカム形状の担体基材と、担体基材のセル壁表面に形成
され触媒金属を担持した第1コート層と、第1コート層
の表面に形成され触媒金属を担持しない第2コート層と
よりなり、第1コート層の層厚を第1コート層と第2コ
ート層の合計層厚の1/10〜1/5としたことにあ
る。
【0015】また請求項2に記載のディーゼル排ガス浄
化用触媒の特徴は、請求項1記載のディーゼル排ガス浄
化用触媒において、第1コート層はシリカ、チタニア及
びジルコニアから選ばれる材質からなり、第2コート層
はアルミナ及びゼオライトから選ばれる材質からなるこ
とにある。
【0016】
【発明の実施の形態】担体基材のセル密度は一般に40
0セル/inch2 程度とされ、コート層の形成量は担体基
材1リットル当たり100〜120g程度に規制されて
いる。本発明は、このような規制を踏まえて従来と同等
のコート層厚さとしながら、前記課題を解決したもので
ある。
【0017】すなわち、本発明の排ガス浄化用触媒で
は、触媒金属は下層の第1コート層にのみ担持されてい
る。この第1コート層は全コート層の厚さの1/10〜
1/5と薄いため、全触媒金属量を同じにして第1コー
ト層のみに担持する場合は、触媒金属は高密度で担持さ
れることになる。このような構成としたことにより、第
1コート層における触媒金属の担持密度を例えば1層コ
ートの場合の約10倍とすることができ、SOFの着火
温度が低下して着火性能が向上するためSOFの浄化性
能が向上する。そして第1コート層のSO2 と接触する
体積比率が減少し、またSO2 の拡散時の吸着量が低減
されるため、サルフェートの生成が抑制される。
【0018】さらに、触媒金属を薄い第1コート層に高
密度で担持することにより、焼成時の成長によって担持
された触媒金属の粒径が従来の一層コート層に担持した
場合に比べて大きくなる。酸化されやすさは、HC及び
SOFの方がSO2 よりはるかに高いので、触媒金属の
粒径が大きくなることにより、HC及びSOFの酸化活
性は高く維持しつつSO2 の酸化活性を低めることがで
きる。これによりサルフェートの生成が抑制される。
【0019】また、熱履歴により触媒金属のシンタリン
グと同時に第1コート層中の触媒金属が第2コート層に
移行し再分散するという現象がみられ、これにより触媒
金属の分散性が向上するため、耐久後のHC及びSOF
の浄化活性が一層向上する。担体基材としては、コーデ
ィエライトなどの耐熱性無機物からなるモノリス担体基
材や金属製のメタル担体基材が用いられ、その形状はハ
ニカム型、ペレット型など従来と同様とすることができ
る。
【0020】第1コート層の材質としては、排ガス中の
成分の吸着性が低いものが望ましく、シリカ(Si
2 )、チタニア(TiO2 )、ジルコニア(Zr
2 )、チタン酸カリウム酸化物、あるいはこれらの複
合酸化物、ゼオライトなどを用いることができる。中で
もチタニア、シリカ及びジルコニアから選ばれる材質が
特に好ましい。
【0021】第2コート層の材質としては、排ガス中の
成分の吸着性が第1コート層より高いものが望ましい。
上に例示した材質どうしであっても、第1コート層に用
いたものより吸着性がわずかでも高ければ用いることが
できるが、吸着性が本質的に高いものが望ましくアルミ
ナ、ゼオライトから選ばれる材質を用いることが望まし
い。
【0022】第1コート層の厚さは、全コート厚さの1
/10〜1/5とされる。第1コート層の厚さが全コー
ト厚さの1/5より厚くなると、触媒金属の粒径が小さ
くなるため、熱履歴によりシンタリングが生じ、HC及
びSOFの浄化活性の耐久性が低下する。すなわち耐久
性に劣る。またSO2 の吸着量も多くなり触媒金属と接
触する機会も多くなるためサルフェートの生成を抑制す
ることが困難となる。
【0023】また第1コート層の厚さが全コート厚さの
1/10より薄いと、コート状態が不均一となる。第1
コート層に担持される触媒金属としては、白金(P
t)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、銀(A
g)などの貴金属の他、鉄(Fe)、ニッケル(N
i)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、コバルト
(Co)、銅(Cu)などの卑金属も用いられ、目的と
する酸化力に応じて選択される。この触媒金属の担持量
としては、触媒体積1リットルに対して0.05〜10
g程度が適当である。担持量がこれより少ないとHC及
びSOFの酸化力が不十分となり、これより多く担持し
ても効果が飽和するとともにコスト面での不具合が発生
する場合がある。
【0024】もし第2コート層に触媒金属を担持したと
すると、HC及びSOFの吸着性とSO2 の吸着性には
正の相関関係があるから、SO2 も第2コート層に吸着
され昇温時にはそれが単にSO2 として放出されずSO
3 まで酸化されて、サルフェート生成量が増大してしま
う。したがって第2コート層には触媒金属を担持せず、
単に吸着層として機能させている。
【0025】つまり本発明の排ガス浄化用触媒では、低
温時に表層の第2コート層にHC、SOF及びSO2
吸着されて蓄積される。第2コート層は触媒金属をもた
ないので、HC、SOF及びSO2 は酸化されることな
く蓄積される。HC及びSOFは液相となり、毛細管現
象により浸透して第1コート層にまで吸着される。しか
しSO2 は低温でもガス相でありHC及びSOFに比べ
て吸着されにくく第1コート層にまで移動しにくいの
で、大部分が第2コート層に吸着・蓄積される。したが
って本発明の排ガス浄化用触媒では、低温域におけるパ
ティキュレートの排出が抑制されている。
【0026】そして排ガスが高温になると、高温の排ガ
スは流速が大きいために、第2コート層に吸着したSO
2 が、触媒金属が存在する第1コート層の酸化点まで拡
散する時間が不足し、SO2 はあまり酸化されずにその
まま排出される。しかし第1コート層には触媒金属が高
密度に担持されているため、SOFの着火性能が向上し
HC及びSOFの浄化性能は高い。したがってパティキ
ュレートの排出量が低減される。
【0027】一方、低温時に第2コート層から第1コー
ト層にまで蓄積されていたHC及びSOFは、高温下で
第1コート層の触媒金属によって効率よく酸化されて浄
化される。また第2コート層に蓄積されていたSO
2 は、第1コート層に到達することなく、したがってサ
ルフェートを生成することなく第2コート層からそのま
ま放出される。すなわち低温時に蓄積されていたHC、
SOF及びSO2 に起因するパティキュレートの排出も
大きく抑制されている。
【0028】そして触媒金属は第1コート層に高密度で
担持されているため、粒径が大きく熱履歴による粒成長
が抑制されている。したがって耐熱性が向上し、上記作
用が長期間奏されるため、長期間安定した浄化活性が維
持される。さらに請求項2に記載の排ガス浄化用触媒で
は、触媒金属は吸着性の低い第1コート層に担持され、
吸着性が高い第2コート層と分離されている。したがっ
て第2コート層においてSO2 とアルミナなどとの反応
が生じたとしても、第1コート層の触媒金属にはほとん
ど影響がない。また触媒金属の酸化活性を失活させる
P、S、Znなどの被毒物質が第2コート層に吸着され
るので、触媒金属の被毒も防止される。
【0029】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。 (実施例1)図1に本発明の一実施例の排ガス浄化用触
媒の要部拡大断面図を示す。この酸化触媒は、コーディ
エライトからなるハニカム形状の担体基材1と、担体基
材1表面に被覆形成された第1コート層2と、第1コー
ト層2の表面に被覆形成された第2コート層3と、第1
コート層2に担持されたPt4とから構成されている。
【0030】担体基材1は、150×95mm、長さ1
50mm、セル数1000セル/in2 、セル壁厚0.
15mmの容積1.7リットルのオーバル型ハニカム担
体である。下層の第1コート層2は、シリカ−アルミナ
とPt4から構成され、担体基材1の容積1リットルに
対して10g形成されている。またPt4は担体基材1
の容積1リットルに対して1.5g担持されている。
【0031】第2コート層3はシリカ−アルミナから構
成され、担体基材1の容積1リットルに対して90g形
成されている。したがって第1コート層2は全コート量
の1/10を占め、その厚さは全コート層の厚さの1/
10となっている。この排ガス浄化用触媒は、以下のよ
うにして製造された。先ずシリカ−アルミナ粉末を用意
し、所定濃度の白金アンミンヒドロキシド水溶液の所定
量を含浸させ、蒸発・乾固してPtを担持した。
【0032】得られたPt担持シリカ−アルミナ粉末を
スラリー化して、担体基材1をこの第1スラリーに浸漬
し、引き上げた後余分なスラリーを吹き払って500℃
で焼成することにより、担体基材1表面に第1コート層
2を形成した。第1コート層2のコート量は、担体基材
容積1リットル当たり10gであり、コート量の制御は
第1スラリーの粘度を制御することで行った。この時の
Pt4の担持量は、担体基材1の容積1リットル当たり
1.5gである。
【0033】次に何も担持していないシリカ−アルミナ
粉末をスラリー化して、第1コート層2が形成された担
体基材1をこの第2スラリーに浸漬し、引き上げた後余
分なスラリーを吹き払って500℃で焼成することによ
り、第1コート層2表面に第2コート層3を形成した。
第2コート層3のコート量は、担体基材容積1リットル
当たり90gであり、コート量の制御は第2スラリーの
粘度を制御することで行った。
【0034】(実施例2)第1スラリー及び第2スラリ
ーの粘度を制御することにより、第1コート層2のコー
ト量を担体基材1の容積1リットル当たり20gとし、
第2コート層3のコート量を担体基材1の容積1リット
ル当たり80gとしたこと以外は実施例1と同様にし
て、実施例2の排ガス浄化用触媒を調製した。
【0035】なお、第1コート層2のPt4の担持量
は、シリカーアルミナ粉末への担持工程時の白金アンミ
ンヒドロキシド水溶液濃度の調製により、担体基材1の
容積1リットル当たり実施例1と同じ1.5gとなるよ
うにした。 (参考例)第1スラリー及び第2スラリーの粘度を制御
することにより、第1コート層2のコート量を担体基材
1の容積1リットル当たり50gとし、第2コート層3
のコート量を担体基材1の容積1リットル当たり50g
としたこと以外は実施例1と同様にして、参考例の排ガ
ス浄化用触媒を調製した。
【0036】なお、第1コート層2のPt4の担持量
は、シリカーアルミナ粉末への担持工程時の白金アンミ
ンヒドロキシド水溶液濃度の調製により、担体基材1の
容積1リットル当たり実施例1と同じ1.5gとなるよ
うにした。 (比較例)先ずシリカ−アルミナ粉末をスラリー化し
て、担体基材1をこのスラリーに浸漬し、引き上げた後
余分なスラリーを吹き払って500℃で焼成することに
より、担体基材1表面にコート層を形成した。コート層
のコート量は、担体基材容積1リットル当たり100g
である。
【0037】次にコート層が形成された担体基材1に所
定濃度のジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を吸水さ
せ、蒸発・乾固してPtを担持した。Ptの担持量は、
担体基材1の容積1リットル当たり1.5gである。 (試験例)上記の構成の各実施例、参考例及び比較例の
排ガス浄化用触媒を4リットル直噴DEの排気系にそれ
ぞれ装着し、一定のエンジン回転数(2000rpm)
で負荷を変更しながら、入りガス温度が500℃の条件
で1時間前処理した。その後400℃、300℃、20
0℃の4水準にて定常評価を行い、初期HC浄化率と初
期パティキュレート低減率(PM低減率)をそれぞれ測
定した。
【0038】なお、パティキュレート低減率とは、触媒
を通過する前の排ガス中のパティキュレート量をP1
し、触媒通過後の排ガス中のパティキュレート量をP2
と表すと、次式によって算出される値である。 100×(P1 −P2 )/P1 したがって、触媒中でサルフェートが生成するとP2
1 となり、パティキュレート低減率が負の値となる。
【0039】また、入りガス温度が650℃の条件で5
0時間処理する耐久試験を行った。その後、上記と同様
に入りガス温度が500℃、400℃、300℃、20
0℃の4水準にて定常評価を行い、耐久後HC浄化率と
耐久後パティキュレート低減率(PM低減率)をそれぞ
れ測定した。結果を図2〜図9にそれぞれ示す。図2〜
図9より、各実施例及び参考例の触媒は比較例の触媒に
比べて耐久後のHC浄化性能の低下がほとんど見られ
ず、むしろHC浄化率が向上している。また比較例と比
べて耐久後のPM低減率の低下度合いも少ない。すなわ
ち実施例の排ガス浄化用触媒は浄化活性の耐久性に優れ
ていることが明らかである。
【0040】さらに、各実施例及び参考例を比較する
と、第1コート層2のコート量が少ないものほど耐久後
の性能低下が小さいことがわかり、参考例より第1コー
ト層2のコート量を多くすると比較例とほとんど差がな
くなることが推察される。したがって第1コート層2の
厚さは、全コート層厚の1/2以下とすることが必要で
あることがわかる。
【0041】なお、実施例1と比較例の排ガス浄化用触
媒について、初期と耐久後のPt粒径をX線回折により
測定した。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】 表1より、実施例1では耐久後のPtの粒成長が僅かで
あるのに対し、比較例では耐久後にPtの粒径がきわめ
て大きくなっていることがわかる。すなわち、実施例の
排ガス浄化用触媒が比較例に比べて耐久性に優れている
のは、Ptの粒成長が僅かであることに起因していると
考えられる。これは、熱履歴により触媒金属のシンタリ
ングと同時に第1コート層中の触媒金属が第2コート層
に移行して再分散し、結果として平均粒径の増大が僅か
であったためと考えられる。
【0043】
【発明の効果】すなわち本発明のディーゼル排ガス浄化
用触媒によれば、触媒金属のシンタリングが生じにくい
ため、耐久後のHC浄化活性の低下が少なく耐久性に優
れている。したがって低温から高温までパティキュレー
トの排出量を低減でき、かつHC及びSOF浄化の温度
ウィンドウが拡大される。
【0044】したがって本発明の排ガス浄化用触媒で
は、従来に比べて排ガスとの接触面積を小さくしても従
来と同等以上の浄化性能が得られるので、触媒容積を小
さくすることができ、軽量化及び配置スペース面で有利
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の排ガス浄化用触媒の要部の
構成を示す模式的断面図である。
【図2】実施例1の排ガス浄化用触媒の入りガス温度と
HC浄化率との関係を示すグラフである。
【図3】実施例2の排ガス浄化用触媒の入りガス温度と
HC浄化率との関係を示すグラフである。
【図4】参考例の排ガス浄化用触媒の入りガス温度とH
C浄化率との関係を示すグラフである。
【図5】比較例の排ガス浄化用触媒の入りガス温度とH
C浄化率との関係を示すグラフである。
【図6】実施例1の排ガス浄化用触媒の入りガス温度と
パティキュレート低減率との関係を示すグラフである。
【図7】実施例2の排ガス浄化用触媒の入りガス温度と
パティキュレート低減率との関係を示すグラフである。
【図8】参考例の排ガス浄化用触媒の入りガス温度とパ
ティキュレート低減率との関係を示すグラフである。
【図9】比較例の排ガス浄化用触媒の入りガス温度とパ
ティキュレート低減率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:担体基材 2:第1コート層
3:第2コート層 4:Pt
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01J 33/00 B01D 53/36 104B (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 B01D 53/86,53/94 B01J 20/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハニカム形状の担体基材と、該担体基材
    のセル壁表面に形成され触媒金属を担持した第1コート
    層と、該第1コート層の表面に形成され触媒金属を担持
    しない第2コート層とよりなり、該第1コート層の層厚
    を該第1コート層と該第2コート層の合計層厚の1/1
    0〜1/5としたことを特徴とするディーゼル排ガス浄
    化用触媒。
  2. 【請求項2】 前記第1コート層はシリカ、チタニア及
    びジルコニアから選ばれる材質からなり、前記第2コー
    ト層はアルミナ及びゼオライトから選ばれる材質からな
    ることを特徴とする請求項1記載のディーゼル排ガス浄
    化用触媒。
JP03088197A 1997-02-14 1997-02-14 ディーゼル排ガス浄化用触媒 Expired - Fee Related JP3433885B2 (ja)

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