JP3433657B2 - ブラシレスdcモータ制御方法およびその装置 - Google Patents

ブラシレスdcモータ制御方法およびその装置

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JP3433657B2 JP31568797A JP31568797A JP3433657B2 JP 3433657 B2 JP3433657 B2 JP 3433657B2 JP 31568797 A JP31568797 A JP 31568797A JP 31568797 A JP31568797 A JP 31568797A JP 3433657 B2 JP3433657 B2 JP 3433657B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はブラシレスDCモ
ータ制御方法およびその装置に関し、さらに詳細にいえ
ば、インバータ出力電圧が供給されるブラシレスDCモ
ータの固定子巻線の第1中性点電圧と、固定子巻線と並
列に接続された抵抗回路の第2中性点電圧との差電圧を
積分し、積分信号からブラシレスDCモータの回転子の
回転位置を示す回転位置検出信号を得、得られた回転位
置検出信号をもとにインバータゲート駆動波形を出力し
てインバータを制御するブラシレスDCモータ制御方法
およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ブラシレスDCモータ制御装
置として、インバータ出力電圧が供給されるブラシレス
DCモータの固定子巻線の第1中性点電圧と、固定子巻
線と並列に接続された抵抗回路の第2中性点電圧との差
電圧を積分し、積分信号からブラシレスDCモータの回
転子の回転位置を示す回転位置検出信号を得、得られた
回転位置検出信号をもとにインバータゲート駆動波形を
出力してインバータを制御するように構成したものが提
案されている。
【0003】さらに詳細に説明すると、従来のブラシレ
スDCモータ制御装置の構成は次のとおりである。三相
インバータからのインバータ出力電圧をブラシレスDC
モータの固定子巻線に印加しているとともに、ブラシレ
スDCモータの固定子巻線に対して並列接続された抵抗
回路にも印加して、それぞれ第1中性点電圧と第2中性
点電圧とを得る。そして、両中性点電圧の差電圧を積分
して積分信号を得、この積分信号のゼロクロスを検出し
て、ゼロクロスごとにレベルが反転する回転位置検出信
号(ブラシレスDCモータの回転子の回転位置を示す信
号)を得る。また、積分信号の大きさを検出してレベル
検出信号を生成する。そして、モータ効率を制御するた
めに、このレベル検出信号をもとにインバータの電圧位
相を制御し、モータの速度を制御するために、前記回転
位置検出信号をもとに速度を算出し、インバータの電圧
振幅を制御する。ただし、モータ効率を電圧振幅で制御
し、モータ速度を電圧位相で制御するように構成するこ
とも可能である。
【0004】そして、電圧制御、効率制御を行ってイン
バータゲート駆動波形を生成してドライブ回路を介して
三相インバータに供給する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の構成のブラシレ
スDCモータ制御装置を用いてブラシレスDCモータを
駆動するに当って、電圧利用率を上げるために、従来の
120度通電波形に代え、図9に示す180度通電波形
を使用する場合には、インバータモードの切り替え時
に、インバータが出力しているパルス幅変調(PWM)
波形が電圧ベクトルV1〜V6の何れかになっている
と、積分信号波形の乱れ(大小乱れ)が大きくなり、最
悪の場合には、回転位置の検出を行なうことが不可能に
なってしまい、ブラシレスDCモータが停止してしまう
という不都合がある。
【0006】したがって、通電幅を広げることができ
ず、ひいては運転エリアを余り広げることができない。
【0007】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、インバータモードの切り替え時の電圧ベ
クトルに起因して積分信号波形の大きな乱れが発生する
ことを未然に防止することができるブラシレスDCモー
タ制御方法およびその装置を提供することを目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1のブラシレスD
Cモータ制御方法は、インバータ出力電圧が供給される
ブラシレスDCモータの固定子巻線の第1中性点電圧
と、固定子巻線と並列に接続された抵抗回路の第2中性
点電圧との差電圧を積分し、積分信号からブラシレスD
Cモータの回転子の回転位置を示す回転位置検出信号を
得、得られた回転位置検出信号をもとにインバータゲー
ト駆動波形を出力してインバータを制御するに当って、
インバータモードの切替前のインバータ出力波形をゼロ
ベクトルとすべくインバータを制御する方法である。
【0009】請求項2のブラシレスDCモータ制御方法
は、インバータモードの切替前の所定のタイミングを検
出し、検出した所定のタイミングからインバータモード
の切替時点までの間にインバータ出力波形をゼロベクト
ルとすべくインバータを制御する方法である。請求項3
のブラシレスDCモータ制御方法は、インバータを位相
速度制御しているか通電幅速度制御しているかを判定
し、位相速度制御を行っており、かつ位相が予め設定し
た位相制限値に達したことを条件としてインバータの制
御を位相速度制御から通電幅速度制御に切り替え、通電
幅速度制御を行っており、かつ通電幅が予め設定した最
小値に達したことを条件としてインバータの制御を通電
幅速度制御から位相速度制御に切り替える方法である。
【0010】請求項4のブラシレスDCモータ制御装置
は、インバータ出力電圧が供給されるブラシレスDCモ
ータの固定子巻線の第1中性点電圧と、固定子巻線と並
列に接続された抵抗回路の第2中性点電圧との差電圧を
積分し、積分信号からブラシレスDCモータの回転子の
回転位置を示す回転位置検出信号を得、得られた回転位
置検出信号をもとにインバータゲート駆動波形を出力し
てインバータを制御するものであって、インバータモー
ドの切替前のインバータ出力波形をゼロベクトルとすべ
くインバータを制御するインバータ制御手段を含むもの
である。
【0011】請求項5のブラシレスDCモータ制御装置
は、インバータ制御手段として、インバータモードの切
替前の所定のタイミングを検出し、検出した所定のタイ
ミングからインバータモードの切替時点までの間にイン
バータ出力波形をゼロベクトルとすべくインバータを制
御するものを採用するものである。請求項6のブラシレ
スDCモータ制御装置は、インバータ制御手段として、
インバータを位相速度制御しているか通電幅速度制御し
ているかを判定し、位相速度制御を行っており、かつ位
相が予め設定した位相制限値に達したことを条件として
インバータの制御を位相速度制御から通電幅速度制御に
切り替え、通電幅速度制御を行っており、かつ通電幅が
予め設定した最小値に達したことを条件としてインバー
タの制御を通電幅速度制御から位相速度制御に切り替え
るものを採用するものである。
【0012】
【作用】請求項1のブラシレスDCモータ制御方法であ
れば、インバータ出力電圧が供給されるブラシレスDC
モータの固定子巻線の第1中性点電圧と、固定子巻線と
並列に接続された抵抗回路の第2中性点電圧との差電圧
を積分し、積分信号からブラシレスDCモータの回転子
の回転位置を示す回転位置検出信号を得、得られた回転
位置検出信号をもとにインバータゲート駆動波形を出力
してインバータを制御するに当って、インバータモード
の切替前のインバータ出力波形をゼロベクトルとすべく
インバータを制御するのであるから、電圧利用率を高め
るべくインバータの通電幅を広げた場合であっても、イ
ンバータモードの切り替え時の電圧ベクトルに起因する
積分信号波形の大きな乱れの発生を未然に防止し、ブラ
シレスDCモータを安定に駆動し続けることができる。
この結果、従来の120度通電波形に比べ、通電幅を広
げることができ、電圧利用率の向上に伴って運転エリア
を広げることができる。
【0013】請求項2のブラシレスDCモータ制御方法
であれば、インバータモードの切替前の所定のタイミン
グを検出し、検出した所定のタイミングからインバータ
モードの切替時点までの間にインバータ出力波形をゼロ
ベクトルとすべくインバータを制御するのであるから、
請求項1と同様の作用を達成することができる。請求項
3のブラシレスDCモータ制御方法であれば、インバー
タを位相速度制御しているか通電幅速度制御しているか
を判定し、位相速度制御を行っており、かつ位相が予め
設定した位相制限値に達したことを条件としてインバー
タの制御を位相速度制御から通電幅速度制御に切り替
え、通電幅速度制御を行っており、かつ通電幅が予め設
定した最小値に達したことを条件としてインバータの制
御を通電幅速度制御から位相速度制御に切り替えるので
あるから、請求項1または請求項2の作用に加え、運転
エリアを拡大することができる。
【0014】請求項4のブラシレスDCモータ制御装置
であれば、インバータ出力電圧が供給されるブラシレス
DCモータの固定子巻線の第1中性点電圧と、固定子巻
線と並列に接続された抵抗回路の第2中性点電圧との差
電圧を積分し、積分信号からブラシレスDCモータの回
転子の回転位置を示す回転位置検出信号を得、得られた
回転位置検出信号をもとにインバータゲート駆動波形を
出力してインバータを制御するに当って、インバータ制
御手段によって、インバータモードの切替前のインバー
タ出力波形をゼロベクトルとすべくインバータを制御す
ることができる。
【0015】したがって、電圧利用率を高めるべくイン
バータの通電幅を広げた場合であっても、インバータモ
ードの切り替え時の電圧ベクトルに起因する積分信号波
形の大きな乱れの発生を未然に防止し、ブラシレスDC
モータを安定に駆動し続けることができる。この結果、
従来の120度通電波形に比べ、通電幅を広げることが
でき、電圧利用率の向上に伴って運転エリアを広げるこ
とができる。
【0016】請求項5のブラシレスDCモータ制御装置
であれば、インバータ制御手段として、インバータモー
ドの切替前の所定のタイミングを検出し、検出した所定
のタイミングからインバータモードの切替時点までの間
にインバータ出力波形をゼロベクトルとすべくインバー
タを制御するものを採用するのであるから、請求項3と
同様の作用を達成することができる。
【0017】請求項6のブラシレスDCモータ制御装置
であれば、インバータ制御手段として、インバータを位
相速度制御しているか通電幅速度制御しているかを判定
し、位相速度制御を行っており、かつ位相が予め設定し
た位相制限値に達したことを条件としてインバータの制
御を位相速度制御から通電幅速度制御に切り替え、通電
幅速度制御を行っており、かつ通電幅が予め設定した最
小値に達したことを条件としてインバータの制御を通電
幅速度制御から位相速度制御に切り替えるものを採用す
るのであるから、請求項4または請求項5の作用に加
え、運転エリアを拡大することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながらこ
の発明のブラシレスDCモータ制御方法およびその装置
の一実施態様を詳細に説明する。図1はこの発明のブラ
シレスDCモータ制御装置の一実施態様を示す電気回路
図である。
【0019】このブラシレスDCモータ制御装置は、積
分装置1と、ゼロクロスコンパレータ3と、マイコン4
と、ブラシレスDCモータ5と、Y結線した抵抗回路6
と、マイコン4により制御される三相インバータ7とを
有している。さらに詳細に説明する。ブラシレスDCモ
ータ5の固定子巻線5a,5b,5cがY結線されてい
るとともに、Y結線した抵抗回路6を構成する抵抗6
a,6b,6cが固定子巻線5a,5b,5cと並列接
続されている。そして、三相インバータ7の出力電圧が
固定子巻線5a,5b,5cおよび抵抗6a,6b,6
cに印加されている。なお、5dは回転子である。
【0020】積分装置1は、オペアンプ1aと、オペア
ンプ1aの反転入力端子と出力端子との間に互いに並列
接続された抵抗1bおよびコンデンサ1cとを有してい
る。そして、固定子巻線5a,5b,5cの接続点にお
いて得られる第1の中性点電圧VNがオペアンプ1aの
非反転入力端子に印加され、抵抗6a,6b,6cの接
続点において得られる第2の中性点電圧VMがオペアン
プ1aの反転入力端子に印加されている。したがって、
両中性点電圧の差電圧VMN(=VN−VM)がこの積
分装置1により積分され、積分信号∫VMNdtを得る
ことができる。
【0021】ゼロクロスコンパレータ3は、オペアンプ
3aと、オペアンプ3aの非反転入力端子と出力端子と
の間に互いに直列接続された抵抗3bおよび発光ダイオ
ード3cと、オペアンプ3aの非反転入力端子とアース
端子との間に接続された抵抗3dと、抵抗3bと発光ダ
イオード3cとの接続点に接続されたプルアップ抵抗3
eと、発光ダイオード3cからの光を受光するフォトト
ランジスタ3fと、フォトトランジスタ3fのコレクタ
端子と動作用電源端子との間に接続された抵抗3gとを
有している。そして、フォトトランジスタ3fのエミッ
タ端子をアースと直接接続し、フォトトランジスタ3f
のコレクタ端子から回転位置検出信号SINTを出力す
るようにしている。ただし、発光ダイオード3cとフォ
トトランジスタ3fとからなるフォトカプラを省略し
て、オペアンプ3aの出力端子から直接に回転位置検出
信号SINTを出力するようにしてもよい。したがっ
て、積分信号∫VMNdtのゼロクロスが発生するごと
にレベルが反転する回転位置検出信号SINTを出力す
ることができる。そして、この回転位置検出信号SIN
Tはマイコン4に供給される。
【0022】なお、マイコン4から出力される比較レベ
ル設定信号に基づいて比較レベルが設定される比較部2
aに前記積分信号∫VMNdtを供給してレベル判定を
行い、レベル判定結果信号をフリップフロップ回路2b
により保持するとともに、フリップフロップ回路2bの
保持データ(レベル検出信号)をマイコン4に供給して
いる。そして、フリップフロップ回路2bには、マイコ
ン4から出力されるリセット信号が供給されている。
【0023】前記マイコン4は、回転位置検出信号SI
NTを入力として、例えば、速度制御および効率制御を
行って電圧振幅指令および位相指令を生成し、電圧振幅
指令および位相指令に基づくパルス幅変調を行ってイン
バータゲート波形信号を生成し、ドライブ回路7aを介
してインバータ7に供給する。なお、マイコン4におけ
る速度制御、効率制御などは従来公知であるから、詳細
な説明を省略する。また、インバータ7の入力電流が過
電流になったことを過電流検出回路7bにより検出して
過電流検出信号を生成し、マイコン4に供給する。
【0024】図2はインバータ出力電圧波形を制御する
処理を説明するフローチャートである。ステップSP1
において、インバータモード中の通電幅部分の最後のキ
ャリアか否かを判定し、インバータモード中の通電幅部
分の最後のキャリアである場合には、ステップSP2に
おいて、通電幅制御部分の最後の通常波形を出力し、ス
テップSP3において、インバータモード切り替え時ま
でゼロベクトルを出力し、そのまま一連の処理を終了す
る。
【0025】ステップSP1においてインバータモード
中の通電幅部分の最後のキャリアでないと判定された場
合には、ステップSP4において、通常波形を出力し、
そのまま一連の処理を終了する。図3は回転位置検出信
号、キャリアタイマ波形、三相インバータの各相の上ア
ーム(U,V,W)、下アーム(X,Y,Z)のゲート
制御波形を示す図であり、回転位置検出信号のエッジを
基準として、位相補正を行なうことにより、インバータ
モードの切り替えタイミングを設定する。そして、イン
バータモードの切り替えタイミングを起点として、キャ
リアタイマの周期でインバータゲートを制御し、通常波
形(電圧ベクトルV0〜V7のうち、所望のインバータ
出力電圧を得るための2以上の電圧ベクトルの組合せ)
を出力する。
【0026】そして、インバータモード中の通電幅部分
の最後のキャリアにおいては、先ず通常波形を出力し、
その後にゼロベクトルを出力する。したがって、インバ
ータモードの切り替え時に積分信号波形が大きく乱れる
ことを未然に防止し、ブラシレスDCモータを安定に駆
動し続けることができる。ここで、電圧ベクトルV0〜
V7についてさらに説明する。
【0027】電圧形インバータでは、各相アーム中の何
れか一方のトランジスタは必ずオン状態にあるから、便
宜上、+側のオン状態を”1”、−側のオン状態を”
0”で表し、u相、v相、w相の順に”101”、”0
11”などと表記すると、インバータの状態は8通り存
在する。この各状態の電圧ベクトルVp(p=0〜7)
は、大きさが(2/3)1/2Vd(Vdはインバータに
印加される直流電圧)であり、その方向は、図10に示
す方向となる。ここに、V0、V7はV0=V7=0で
ゼロベクトルである。上記電圧ベクトルの時間積分λp
はdλp/dt=Vpであるから、インバータの駆動時
の時間積分λpは、電圧ベクトルVpの方向に|Vp|
=(2/3)1/2Vdの速度で動く(ただし、ゼロベク
トルの場合は停止する)。
【0028】以上から、電圧形インバータのPWM制御
パターンは、電圧ベクトルの時間積分λpの複素平面上
でのベクトル軌跡が指定半径Rの円周に沿って角速度ω
で動くよう電圧ベクトルVpを適宜選定して決定する。
なお、指定半径Rは、基本波電圧の線電圧の実効値をV
1、角周波数をωとすると、R=V1/ωである。つま
り、例えば図11に示すように、角度φが0≦φ≦π/
3の範囲では、電圧ベクトルV4、V6およびゼロベク
トル(例えばV0)を用い、点P0において時間τ0だ
け留まり(この状態を記号○で示す)、その後、電圧ベ
クトルV4を時間τ4だけとって点q1に達し、さら
に、電圧ベクトルV6を時間τ6だけとって点P1に到
達する場合を考える。この場合、△P0q1P1におい
て、各辺の長さを、基本波電圧の実効値、インバータに
印加される直流電圧、および前記時間を用いて表すこと
ができ、しかも、前記時間の和が定まっているのである
から、これらの関係から、前記電圧ベクトルV4、V
6、V0をとる時間を算出することができる。
【0029】図4は回転位置検出信号、キャリアタイマ
波形、キャリア数カウント値を拡大して示す図、図5は
インバータモードに対応する各相の出力電圧を示す図で
ある。図4、図5を参照してさらに詳細に説明する。イ
ンバータモードの切り替え点は回転位置検出信号のエッ
ジと位相補正量により定まるが、回転位置検出信号から
算出した回転数または指令回転数からインバータモード
の長さ(期間)を予測できるのであるから、インバータ
モード中に出現するキャリアの個数と、通電幅部分の最
後のキャリアで通常波形を出力する長さ(期間)を計算
により求めることができる。このようにして算出され
た、通常波形を出力する長さ(期間)を通電幅制御部分
として図4、図5に示している。
【0030】そして、図5に示すように、前のインバー
タモードの通電幅制御部分において、キャリア毎に電圧
ベクトルV7と電圧ベクトルV5とを交互に出力し、イ
ンバータモードの切り替えタイミングの直前においてゼ
ロベクトル(電圧ベクトルV0)を出力し、後のインバ
ータモードにおいて、キャリア毎に電圧ベクトルV4と
電圧ベクトルV0とを交互に出力し、インバータモード
の切り替えタイミングの直前においてゼロベクトル(電
圧ベクトルV0)を出力する。ただし、図5の電圧ベク
トルは一例であり、他の電圧ベクトルを出力するように
してもよい。また、図5の電圧ベクトルパターンは、図
3、図4の電圧ベクトルパターンと異なっているが、イ
ンバータモードの切り替えタイミングの直前においてゼ
ロベクトルを出力するようにしている点は同じである。
【0031】上記の実施態様においては、積分信号波形
を安定化するために通電幅を制御し、インバータモード
の切り替えタイミングの直前においてゼロベクトルを出
力するようにしているが、積分信号波形に多少乱れが発
生してもブラシレスDCモータを安定に駆動できる場合
には、通電幅を拡張することにより運転エリアを拡張す
ることができる。このような制御を行なう場合の状態遷
移図を図6に、フローチャートを図7に、それぞれ示し
ている。
【0032】図7のフローチャートのステップSP1に
おいて、位相速度制御を行っているか否かを判定し、位
相速度制御を行っている場合には、ステップSP2にお
いて、位相が位相制限値に達しているか否かを判定し、
位相が位相制限値に達している場合には、通電幅速度制
御への切替を行い、そのまま一連の処理を終了する。ス
テップSP2において位相が位相制限値に達していない
と判定された場合には、そのまま一連の処理を終了す
る。
【0033】ステップSP1において位相速度制御を行
っていないと判定された場合には、ステップSP4にお
いて、通電幅が最小値に達しているか否かを判定し、通
電幅が最小値に達している場合には、ステップSP5に
おいて、位相速度制御への切替を行い、そのまま一連の
処理を終了する。ステップSP4において通電幅が最小
値に達していないと判定された場合には、そのまま一連
の処理を終了する。
【0034】さらに詳細に説明する。通常、高速・高負
荷領域ではブラシレスDCモータは弱め磁束運転を行っ
ており、電圧振幅は最大電圧に固定され、位相により速
度制御を行っている。この時、位相が十分に進むと、積
分信号が十分に大きくなっているため、積分信号に多少
乱れが発生しても、ブラシレスDCモータを安定に運転
することができる。したがって、この場合には、位相を
固定し、通電幅で速度制御を行なうことにより運転エリ
アを広げることが可能になる。そして、通電幅で速度制
御を行なうようにすることにより、図8中(B)に示す
ように、図8中(A)に示す積分信号波形と比較して、
積分信号波形の乱れを抑制することができる。もちろ
ん、通電幅速度制御中に通電幅が最小値に達した場合に
は、位相速度制御に切り替える。
【0035】以下、上記の制御を反復することにより、
ブラシレスDCモータを安定に運転することができ、し
かも、該当する場合には通電幅で速度制御を行なうこと
により運転エリアを拡大することができる。上記の実施
態様においては、通電幅部分の最後のキャリアについて
ゼロベクトルを出力するようにしているが、ゼロベクト
ルを複数のキャリアに跨って出力することが可能であ
る。そして、この場合には、ゼロベクトルを出力した後
のキャリア周期を延長すること(結果的に最後のキャリ
アとなる)、複数のキャリアでゼロベクトルを出力する
ことなどが可能となる。
【0036】
【発明の効果】請求項1の発明は、電圧利用率を高める
べくインバータの通電幅を広げた場合であっても、イン
バータモードの切り替え時の電圧ベクトルに起因する積
分信号波形の大きな乱れの発生を未然に防止し、ブラシ
レスDCモータを安定に駆動し続けることができ、ひい
ては、従来の120度通電波形に比べ、通電幅を広げる
ことができ、電圧利用率の向上に伴って運転エリアを広
げることができるという特有の効果を奏する。
【0037】請求項2の発明は、請求項1と同様の効果
を奏する。請求項3の発明は、請求項1または請求項2
の効果に加え、運転エリアを拡大できるという特有の効
果を奏する。請求項4の発明は、電圧利用率を高めるべ
くインバータの通電幅を広げた場合であっても、インバ
ータモードの切り替え時の電圧ベクトルに起因する積分
信号波形の大きな乱れの発生を未然に防止し、ブラシレ
スDCモータを安定に駆動し続けることができ、ひいて
は、従来の120度通電波形に比べ、通電幅を広げるこ
とができ、電圧利用率の向上に伴って運転エリアを広げ
ることができるという特有の効果を奏する。
【0038】請求項5の発明は、請求項4と同様の効果
を奏する。請求項6の発明は、請求項4または請求項5
の効果に加え、運転エリアを拡大できるという特有の効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のブラシレスDCモータ制御装置の一
実施態様を示す電気回路図である。
【図2】インバータ出力電圧波形を制御する処理を説明
するフローチャートである。
【図3】回転位置検出信号、キャリアタイマ波形、三相
インバータの各相の上アーム、下アームのゲート制御波
形を示す図である。
【図4】回転位置検出信号、キャリアタイマ波形、キャ
リア数カウント値を拡大して示す図である。
【図5】インバータモードに対応する各相の出力電圧を
示す図である。
【図6】通電幅速度制御と位相速度制御との状態遷移を
説明する図である。
【図7】通電幅速度制御と位相速度制御とを切り替え制
御する処理を説明するフローチャートである。
【図8】通電幅制御を行なわない場合の積分信号波形と
通電幅制御を行なう場合の積分信号波形とを示す図であ
る。
【図9】従来のブラシレスDCモータ制御装置において
180度通電波形を採用した場合における回転位置検出
信号、キャリアタイマ波形、三相インバータの各相の上
アーム、下アームのゲート制御波形を示す図である。
【図10】電圧形インバータの各種状態を8種の電圧ベ
クトルで表示した説明図である。
【図11】電圧ベクトルの時間積分の複素平面上での軌
跡を円軌道に近付けるための電圧ベクトル制御の説明図
である。
【符号の説明】
4 マイコン 5 ブラシレスDCモータ 5a、5b、5c 固定子巻線 5d 回転子 6 抵抗回路 7 インバータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−276782(JP,A) 特開 平3−207271(JP,A) 特開 平8−191589(JP,A) 国際公開95/027328(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 6/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インバータ出力電圧が供給されるブラシ
    レスDCモータ(5)の固定子巻線(5a)(5b)
    (5c)の第1中性点電圧と、固定子巻線(5a)(5
    b)(5c)と並列に接続された抵抗回路(6)の第2
    中性点電圧との差電圧を積分し、積分信号からブラシレ
    スDCモータ(5)の回転子(5d)の回転位置を示す
    回転位置検出信号を得、得られた回転位置検出信号をも
    とにインバータゲート駆動波形を出力してインバータ
    (7)を制御するブラシレスDCモータ制御方法であっ
    て、インバータモードの切替前のインバータ出力波形を
    ゼロベクトルとすべくインバータ(7)を制御すること
    を特徴とするブラシレスDCモータ制御方法。
  2. 【請求項2】 インバータモードの切替前の所定のタイ
    ミングを検出し、検出した所定のタイミングからインバ
    ータモードの切替時点までの間にインバータ出力波形を
    ゼロベクトルとすべくインバータ(7)を制御する請求
    項1に記載のブラシレスDCモータ制御方法。
  3. 【請求項3】 インバータ(7)を位相速度制御してい
    るか通電幅速度制御しているかを判定し、位相速度制御
    を行っており、かつ位相が予め設定した位相制限値に達
    したことを条件としてインバータ(7)の制御を位相速
    度制御から通電幅速度制御に切り替え、通電幅速度制御
    を行っており、かつ通電幅が予め設定した最小値に達し
    たことを条件としてインバータ(7)の制御を通電幅速
    度制御から位相速度制御に切り替える請求項1または請
    求項2に記載のブラシレスDCモータ制御方法。
  4. 【請求項4】 インバータ出力電圧が供給されるブラシ
    レスDCモータ(5)の固定子巻線(5a)(5b)
    (5c)の第1中性点電圧と、固定子巻線(5a)(5
    b)(5c)と並列に接続された抵抗回路(6)の第2
    中性点電圧との差電圧を積分し、積分信号からブラシレ
    スDCモータ(5)の回転子(5d)の回転位置を示す
    回転位置検出信号を得、得られた回転位置検出信号をも
    とにインバータゲート駆動波形を出力してインバータ
    (7)を制御するブラシレスDCモータ制御装置であっ
    て、インバータモードの切替前のインバータ出力波形を
    ゼロベクトルとすべくインバータ(7)を制御するイン
    バータ制御手段(4)を含むことを特徴とするブラシレ
    スDCモータ制御装置。
  5. 【請求項5】 インバータ制御手段(4)は、インバー
    タモードの切替前の所定のタイミングを検出し、検出し
    た所定のタイミングからインバータモードの切替時点ま
    での間にインバータ出力波形をゼロベクトルとすべくイ
    ンバータ(7)を制御するものである請求項4に記載の
    ブラシレスDCモータ制御装置。
  6. 【請求項6】請求項4または請求項5に記載のブラシレ
    スDCモータ制御装置を用いたブラシレスDCモータ制
    御方法において、インバータ制御手段(4)は、インバ
    ータ(7)を位相速度制御しているか通電幅速度制御し
    ているかを判定し、位相速度制御を行っており、かつ位
    相が予め設定した位相制限値に達したことを条件として
    インバータ(7)の制御を位相速度制御から通電幅速度
    制御に切り替え、通電幅速度制御を行っており、かつ通
    電幅が予め設定した最小値に達したことを条件としてイ
    ンバータ(7)の制御を通電幅速度制御から位相速度制
    御に切り替えるものであるブラシレスDCモータ制御方
    法。
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