JP3432406B2

JP3432406B2 - 携帯用刈払機

Info

Publication number: JP3432406B2
Application number: JP34325097A
Authority: JP
Inventors: 彬長島
Original assignee: Kyoritsu Co Ltd
Current assignee: Kyoritsu Co Ltd
Priority date: 1997-12-12
Filing date: 1997-12-12
Publication date: 2003-08-04
Anticipated expiration: 2017-12-12
Also published as: US6065214A; JPH11168956A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は携帯用刈払機に関し、よ
り詳細には、始動時における回転刈刃の空転を防止する
ための制動装置と、回転刈刃の取替え及び装着の際の、
回転刈刃が取付けられた回転軸の回転を防止するための
回り止め装置と、を備えた携帯用刈払機に関する。

【０００２】

【従来技術】従来から、回転刈刃によって雑草等を刈る
携帯用刈払機が知られている。該携帯用刈払機の回転刈
刃は、例えば、空冷式小型２サイクル内燃機関等によっ
て回転駆動され、前記内燃機関の回転を作業回転からア
イドル回転に戻した時に、慣性により回転し続けるの
で、作業者の安全を確保するため、前記携帯用刈払機
に、前記回転刈刃の空転を防止する制動装置を設けるこ
とが知られている。また、前記回転刈刃は、通常、前記
内燃機関によって回転駆動される回転軸に螺合手段によ
って固定されており、前記回転刈刃の取外し及び装着の
際に、前記螺合手段の取外し及び装着を容易にするた
め、前記携帯式刈払機に、前記回転刈刃の回転軸の回転
を防止するための回り止め装置を設けることも知られて
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記の観点から、前記
携帯用刈払機に前記制動装置及び回り止め装置を設ける
のが望ましいが、前記携帯用刈払機は、作業者への作業
労力の負担軽減のために、できるだけ小型かつ軽量であ
る必要である。そこで本発明の目的は、従来の携帯用刈
払機の構造の限られた空間内に設けることができ、携帯
用刈払機の外形寸法を増大することのない、制動装置及
び回り止め装置を有する携帯用刈払機を提供することに
ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、操
作桿（４）の前端に設けられた刈刃装置（８）の回転刈
刃（８ａ）の空転を防止するための制動装置（５０）
と、前記回転刈刃（８ａ）の取外し及び装着の際の回転
を防止するための回り止め装置（３０）と、を有する携
帯用刈払機であって、前記刈刃装置（８）が、前記操作
桿（４）の前端に固定されたケース（１２）と、該ケー
ス（１２）内に収容され、かつ、回転駆動される回転軸
（１６）と、該回転軸（１６）と一体的に回転する円板
状の刈刃受け金具（２０）と、前記回転軸（１６）に取
外し可能に装着される前記回転刈刃（８ａ）と、前記回
転軸（１６）の外端部に形成されたねじ部（１６ｂ）に
螺合して、前記刈刃（８ａ）を前記刈刃受け金具（２
０）に対して固定する締結手段（２６）とを有し、前記
制動装置（５０）が、前記刈刃受け金具（２０）の周囲
に設けられたブレーキドラム部分（２０ｂ）と、該ブレ
ーキドラム部分（２０ｂ）の内側に、枢支軸（１２ａ）
によって枢支されたブレーキシュー（５２）と、を有
し、前記回り止め装置（３０）は、前記刈刃装置（８）
を平面視したとき、前記ケース（１２）の、前記ブレー
キシュー（５２）の一端（５２ａ）と前記他端（５２
ｂ）との間の空き空間（Ｓ）に設けられている、ことを
特徴とする携帯用刈払機によって達成することができ
る。

【０００５】本発明にかかる携帯用刈払機（２）の制動
装置（５０）は、以下のように作用する。前記携帯用刈
払機（２）の原動機の始動前及びアイドル回転時には、
前記ブレーキライニング（５３）が前記ブレーキドラム
部分（２０ｂ）の前記内面（２０ｃ）に対して押圧さ
れ、これにより、前記刈刃受け金具（２０）の回転、す
なわち前記回転軸（１６）の回転が阻止され、それによ
り前記回転刈刃（８ａ）の回転が防止される。更に、本
発明によれば、前記ブレーキシュー（５２）が、前記ブ
レーキドラム（２０ａ）の内側の片側にだけ設けられて
いるので、前記ブレーキドラム（２０ａ）の内側の、前
記ブレーキシュー（５２）の一端（５２ａ）と他端（５
２ｂ）との間に空き空間（Ｓ）が形成され、ここに前記
回り止め装置（３０）を設けることができ、従来の携帯
用刈払機の構造の限られた空間内に、前記制動装置（５
０）と前記回り止め装置（３０）を設けることができ
る。従って、前記携帯用刈払機の外側寸法を増大させる
ことなく、従来の大きさに維持することができる。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、前記制動
装置（５０）は、前記ブレーキシュー（５２）の前記他
端（５２ｂ）に設けられた、前記ブレーキシュー（５
２）を前記ブレーキドラム部分（２０ｂ）の前記内壁面
（２０ｃ）に押圧するための第一付勢手段（５４）と、
前記ブレーキシュー（５２）の、前記枢支軸（１２ａ）
に対して前記他端（５２ｂ）の反対側の前記一端（５２
ａ）に設けられた、前記ブレーキシュー（５２）を制動
位置（Ｅ）と解除位置（Ｆ）との間で移動させるための
カム手段（５６）と、該カム手段（５６）を作動させる
ための引張ワイヤ（６２ａ）とを有する。また、本発明
の他の実施の形態は、前記刈刃受け金具（２０）の板面
（２０ａ）には孔（４０）が形成されており、前記回り
止め装置（３０）は、前記孔（４０）と整列するように
配設され、かつ、前記孔（４０）に向かって突出する突
出位置と引っ込む退避位置との間で移動可能な棒状部材
（３４）と、該棒状部材（３４）を前記退避位置に付勢
する第二付勢手段（３８）と、を有する。

【０００７】

【実施例】添付の図面を参照しつつ、本発明の好ましい
実施例について説明する。図１は、本実施例にかかる携
帯用刈払機の全体を示す斜視図である。図１に示すよう
に、携帯用刈払機２は、基本的に、原動機としての、例
えば、小型空冷２サイクルガソリンエンジン６と、図示
しない遠心クラッチ装置を介して前記エンジン６から前
方に向かって真っ直ぐに延びる伝動軸４ａを内挿した操
作桿４と、該操作桿４の前端に設けられ、かつ、回転刈
刃８ａを含む刈刃装置８と、を有する。また、前記携帯
用刈払機２は、刈った草や小石等が前記回転刈刃８ａに
よって作業者に向かって飛散するのを防止するための飛
散防護用安全カバー９が、前記回転刈刃８ａの後部側を
覆うようにして設けられている。更に、前記操作桿４の
中間部分には、作業者が把持するハンドル部１０が設け
られ、該ハンドル部１０にはスロットルレバー１０ａ及
びブレーキ解除レバー１０ｂが設けられている。

【０００８】図２は、本実施例にかかる携帯用刈払機の
刈刃装置の平面図である。また、図３は、図２に示す線
III − IIIに沿った矢視断面図である。更に、図４は、
本実施例にかかる制動装置及び回り止め装置の詳細を示
す、図３に示すIV−IVに沿った矢視断面図であり、制動
装置の制動位置を示す。図５は、制動装置の解除位置を
示す、図４と同様な図である。図２及び図３を参照しつ
つ、前記刈刃装置８の構造について詳細に説明すると、
該刈刃装置８は、前記操作桿４の前端に固定された歯車
ケース１２と、該歯車ケース１２内に収容され、前記伝
動軸４ａ側の駆動傘歯車４ｂと噛合する従動傘歯車１４
と、前記歯車ケース１２から地面に向かって垂下し、か
つ、前記駆動傘歯車４ｂ及び１４を介して回転駆動され
る回転軸（刈刃取付軸）１６と、を有する。該回転軸１
６の中間部にはスプライン部１８が形成されている。前
記回転軸１６には、上側から下側に向かって順に、前記
スプライン部１８との嵌合によって一体的に回転する刈
刃受け金具２０と、カバープレート２１と、前記回転刈
刃８ａと、前記回転刈刃８ａを前記刈刃受け金具２０に
対して押さえ付けるための刈刃押さえ金具２２と、前記
回転軸１６の下端部１６ａの地面への接触を防止するた
めの保護カバー２４と、が、前記回転軸１６の下側から
装着されている。更に、これらは、前記回転軸１６の下
端部に形成された雄ねじ部１６ｂに螺合する締結手段と
しての緩み止め付ナット２６を締め付けることにより、
前記回転軸１６に対して一体的に固定されている。

【０００９】また、前記歯車ケース１２には、前記回転
刈刃８ａを交換したり研いだりする際に、前記回転刈刃
８ａの取外し及び装着を行うため、前記ナット２６を回
転させる際、前記回転軸１６と、該回転軸１６と一体的
に回転する前記刈刃受け金具２０及び前記回転刈刃８ａ
の回転を阻止するための回り止め装置３０が設けられて
いる。前記歯車ケース１２及び前記飛散防止用安全カバ
ー９には、それぞれ、垂直方向に延びる第一貫通孔３２
及び第二貫通孔３３が形成されており、前記第一貫通孔
３２及び前記第二貫通孔３３の中に、垂直方向に延びる
棒状部材３４が嵌合されている。該棒状部材３４は、前
記第一貫通孔３２及び前記第二貫通孔３３の中に、前記
歯車ケース１２内に引っ込んだ退避位置（図３参照）
と、下端が前記歯車ケース１２の下方に突出する突出位
置（図示せず）との間で摺動自在に設けられている。前
記棒状部材３４の上端には、該棒状部材３４に刈った草
等が絡んだり、前記棒状部材３４の周辺にごみが堆積す
るのを防止するため、前記第二貫通孔３３を塞ぐ外径を
有する拡大ヘッド部３５が設けられている。また、該拡
大ヘッド部３５と前記歯車ケース１２との間には、前記
棒状部材３４を前記退避位置に付勢するための第二付勢
手段としての圧縮コイルばね３８が設けられている。

【００１０】図３を見て分かるように、前記刈刃受け金
具２０には、前記棒状部材３４と整合する半径方向の位
置に、すなわち、図３に示す前記刈刃受け金具２０の中
心軸線Ｏ−Ｏを中心とした円に沿って配設され、かつ、
前記棒状部材３４の軸線方向に沿って真っ直ぐに延びる
複数の係合孔４０が形成されている。前記棒状部材３４
の前記突出位置において、前記棒状部材３４の下端部３
４ａは、前記係合孔４０の中に突出する。更に、図４に
詳細に示すように、前記携帯用刈払機２には、該携帯用
刈払機２が作動していないとき、及び、前記エンジン６
のアイドル回転時の、前記刈刃８ａの回転を防止するた
めの制動装置５０が設けられている。前記刈刃受け金具
２０は、前記回転軸１６と一体的に回転するように取付
けられた円板状部分２０ａと、該円板状部分２０ａの周
囲に、前記回転軸１６の軸線Ｏ−Ｏ方向に沿って上方に
延びるブレーキドラム部分２０ｂとを有する。前記制動
装置５０は、いわゆる内拡式ブレーキであり、前記ブレ
ーキドラム部分２０ｂの内方に設けられ、それに沿って
湾曲した一つのブレーキシュー５２と、該ブレーキシュ
ー５２に貼設された、前記ブレーキドラム部分２０ｂの
内壁面２０ｃに対して押圧される、ブレーキライニング
５３と、を有する。

【００１１】前記ブレーキシュー５２の一端５２ａは、
枢支軸１２ａによって、前記歯車ケース１２に対して枢
着されている。また、前記ブレーキシュー５２の他端５
２ｂは、前記歯車ケース１２に設けられ、前記ブレーキ
シュー５２を前記ブレーキドラム部分２０ｃに向かって
押し、前記ブレーキライニング５３を前記ブレーキドラ
ム部分２０ｂの前記内壁面２０ｃに対して付勢するため
の第一付勢手段としての圧縮コイルばね５４ａを有する
付勢手段５４に連結されている。前記刈刃８ａ、及び、
それと一体的に回転する前記ブレーキドラム部分２０ｂ
は、草刈り作業時には図１、図２及び図４に矢印Ａの方
向に回転し、前記枢支軸１２ａは前記矢印Ａの回転方向
に対して進み側に設けられ、一方、前記第一付勢手段５
４は遅れ側に配置されている。これにより、前記ブレー
キドラム部分２０ａが前記回転刈刃８ａとともに矢印Ａ
の方向に回転するとき、前記ブレーキシュー５２が前記
ブレーキドラム部分２０ａの前記内壁面２０ｃに対し
て、より強く押圧されるサーボ効果が得られるようにな
っている。

【００１２】前記ブレーキシュー５２は、該ブレーキシ
ュー５２に貼設された前記ブレーキライニング５３の中
間部分５３ａに対する接線Ｌ−Ｌと前記枢支軸１２ａと
の間の距離Ｄが、前記ブレーキドラム２０ｂの前記内壁
面２０ｃの半径ｄより大きい寸法を有するように、前記
ブレーキドラム２０ｂの前記内壁面２０ｃに沿って延び
ている。これにより、前記第一付勢手段５４によって、
前記ブレーキライニング５３が前記ブレーキドラム２０
ｂの前記内壁面２０ｃに対してより大きな付勢力で押圧
され、より大きな制動力を得ることができる。前記ブレ
ーキシュー５２の前記ブレーキライニング５３、が前記
ブレードドラム部分２０ａの前記内壁面面２０ｂに対し
て付勢されて制動位置Ｅにあるとき、前記刈刃受け金具
２０、前記回動軸１６及び前記回転刈刃８ａの回転が制
動され、前記携帯用刈払機２の始動前及び前記エンジン
６のアイドル回転時の前記回転刈刃８ａの回転が阻止さ
れるようになっている。

【００１３】前記ブレーキシュー５２の前記一端５２ａ
には、前記枢支軸１２ａに対して前記ブレーキシュー５
２の本体部分の反対側に、前記制動装置５０を作動又は
解除させるためのカム手段としてのカム機構５６が設け
られている。図４を見て分かるように、該カム機構５６
は、前記歯車ケース１２に回動可能に設けられた略円柱
状のカム部材５８と、前記ブレーキシュー５２の前記一
端５２ａに植設されカム輪郭面を構成する前記カム部材
５８の周壁と当接するカム受け部材６０とを有する。前
記カム部材５８は、前記第一付勢手段５４の付勢力、及
び、前記ハンドル部１０に配設された前記ブレーキ解除
レバー１０ｂに設けられた図示しない適宜の戻しばねに
よって、図４に示す回転位置Ｂに常時付勢されている。
前記カム輪郭面は、前記カム部材５８の周面の一部を切
り欠くようにして形成された平面５８ａと、該平面５８
ａに隣接する円周面５８ｂと、を有する。前記カム部材
５８は、それと一体的に回転するように設けられたアー
ム部材６１を有し、該アーム部材６１には、前記制動装
置５０の操作を前記ブレーキ解除レバー１０ｂの操作と
連動させるために、前記操作桿４に沿って配設されたボ
ーデンケーブル６２の引張ワイヤとしてのワイヤ部材６
２ａが連結されている。

【００１４】前述の如く、前記ブレーキシュー５２は、
前記ブレーキドラム２０ｂの片側にだけ設けられてお
り、前記回り止め装置３０は、図４に示すように、前記
ブレーキドラム２０ｂの内側の、前記ブレーキシュー５
２の前記一端５２ａと前記他端５２ｂとの間の空き空間
Ｓに設けられている。図４及び図５を参照しつつ、本実
施例にかかる携帯用刈払機２の制動装置５０の作動を説
明する。前記携帯用刈払機２の始動前及び前記エンジン
６のアイドル回転時は、図４に示すように、前記ブレー
キシュー５２は、常時前記第一付勢手段５４によって前
記ブレーキドラム部分２０ｂに向かって、前記枢支軸１
２ａを中心として反時計方向へ回動付勢され、前記ブレ
ーキライニング５３が前記ブレーキドラム部分２０ｂの
前記内壁面２０ｃに対して押圧されて、制動位置Ｅにあ
る。また、前記カム受け部材６０は前記カム部材５８の
前記平面５８ａに当接している。作業者が前記エンジン
６を始動させ、前記ハンドル部１０の前記スロットルレ
バー１０ａ及び前記ブレーキ解除レバー１０ｂを握る
と、スロットル（図示せず）が開かれると共に、前記ブ
レーキ解除レバー１０ｂに連結された前記ワイヤ部材６
２ａが引っ張られて、前記アーム部材６１が図４に示す
回転位置Ｂから、図５に示す回転位置Ｃに回転される。
これに伴って、前記カム部材５８が前記回転位置Ｂから
前記回転位置Ｃに回転され、前記カム受け部材６０は前
記円周面５８ｂに当接して押され、前記刈刃受け金具２
０の半径方向外方に移動され、前記ブレーキシュー５２
は、前記第一付勢手段５４の付勢力に抗して前記枢支軸
１２ａを中心として時計方向へ回動し、前記ブレーキラ
イニング５３が前記ブレーキドラム部分２０ｂの前記内
壁面２０ｃから離間されて、解除位置におかれる。従っ
て、前記刈刃受け金具２０は自由に回転可能となり、従
って、前記回転軸１６が回転可能になり、前記遠心クラ
ッチ装置がつながると前記回転刈刃８ａが回転され、作
業者は刈払作業を行うことができる。

【００１５】作業者が刈払作業を終える等して前記ブレ
ーキ解除レバー１０ｂを解放すると、前記ワイヤ部材６
２の引張が解放され、前記カム部材５８が図５に示す回
転位置Ｃから、図４に示す回転位置Ｂに戻る。これによ
り、前記カム部材５８の前記平面５８ａが前記カム受け
部材６０に当接することになり、該カム受け部材６０は
前記刈刃受け金具２０の半径方向内方に移動され、前記
ブレーキシュー５２は、前記第一付勢手段５４の付勢力
によって前記枢支軸１２ａを中心として回動し、前記ブ
レーキライニング５３が前記ブレーキドラム部分２０ｂ
の前記内壁面２０ｃに向け押圧される。これにより、前
記刈刃受け金具２０の回転、すなわち前記回転軸１６の
回転が阻止され、それにより前記回転刈刃８ａの空転が
防止される。

【００１６】次に、図３を参照しつつ、以下、本実施例
にかかる前記回り止め装置３０の作動について説明す
る。前記構成において、前記回転刈刃８ａを取り外す際
には、まず、作業者は、前記刈刃装置８が逆さまの向
き、すなわち、前記ナット２６が上側になるようにし
て、前記携帯用刈払機２を地面に置く。次いで、指で、
前記棒状部材３４の上端に設けられた前記拡大ヘッド部
３５を前記第二貫通孔３３の中に押し込みながら前記回
転刈刃８ａを動かして位置を合わせ、前記棒状部材３４
を前記刈刃受け金具２０に形成された前記係合孔４０と
整合させて、その中に突出する前記突出位置に移動させ
る。次いで、作業者は、前記棒状部材３４を前記突出位
置に保持しながら、例えば、レンチ等のような適当な工
具によって、前記ナット２６に緩め方向（図示例では時
計方向）に回転力を与える。このとき、前記刈刃受け金
具２０の回転が、前記棒状部材３４によって阻止されて
いるので、前記回転軸１６、すなわち、前記回転刈刃８
ａの回転が阻止され、容易に、前記ナット２６を取り外
すことができる。前記ナット２６を取り外したら、前記
保護カバー２４及び前記刈刃押さえ金具２２を前記回転
軸１６から取外し、次いで前記回転刈刃８ａを取り外
す。なお、前記ナット２６の緩め作業を終えて作業者が
前記拡大ヘッド部３５から手を離すと、前記棒状部材３
４は前記第二圧縮コイルばね３８の戻り力によって、前
記突出位置から前記退避位置に自動的に戻される。

【００１７】新たな又は研いだ前記回転刈刃８ａは、前
記取外し工程を逆の順序で行うことによって前記回転軸
１６に装着される。すなわち、前記携帯用刈払機２を、
前記取外し作業時と同様に、逆さまにして地面に置く。
次いで、前記回転刈刃８ａ、前記刈刃押さえ金具２２、
及び、前記保護カバー２４をこの順に前記回転軸１６に
装着し、前記ナット２６を前記保護カバー２４と係合す
るまで締め付け方向（図示例では反時計方向）に回転さ
せる。作業者は、指で前記拡大ヘッド部３５を押し、前
記回転刈刃８ａを動かして位置を合わせることにより、
前記棒状部材３４を前記刈刃受け金具２０に形成された
前記係合孔４０の一つと整合させ、前記棒状部材３４
を、前記退避位置から前記係合孔４０の中に突出する前
記突出位置に移動させる。引続き、手で前記棒状部材３
４を前記突出位置に押さえたままで、レンチ等の工具に
より前記ナット２６を強く締め付ける。なお、前記ナッ
ト２６の締め付け作業を終えて作業者が前記拡大ヘッド
部３５から手を離すと、前記棒状部材３４は前記第二圧
縮コイルばね３８の戻り力によって、前記突出位置から
前記退避位置に自動的に戻される。

【００１８】本実施例によれば、前記制動装置５０は、
前記ブレーキドラム部分２０ｂの内方の片側に、それに
沿って湾曲した一つのブレーキシュー５２を有し、前記
ブレーキドラム２０ｂの内側の、前記ブレーキシュー５
２の前記一端５２ａと前記他端５２ｂとの間に空き空間
Ｓが形成され、ここに前記回り止め装置３０を設けるこ
とができる。従って、従来の携帯用作業機の構造の限ら
れた空間内に、前記制動装置５０と前記回り止め装置３
０を設けることができ、携帯用作業機の外側寸法を増大
させることなく、従来の寸法及び重量を維持することが
できる。更に、本実施例によれば、前記ブレーキシュー
５２が、前記ブレーキドラム部分２０ｂの内方の片側に
だけ設けられているので、軽量な制動装置５０を提供す
ることができる。

【００１９】更に、本実施例の前記ブレーキシュー５２
によれば、前記ブレーキドラム部分２０ｂの回転方向Ａ
に対して、前記枢支軸１２ａは進み側に設けられ、一
方、前記第一付勢手段５４は遅れ側に配置されているの
で、前記ブレーキドラム部分２０ｂが前記矢印Ａの方向
に回転するとき、前記ブレーキシュー５２が前記ブレー
キドラム部分２０ｂの前記内壁面２０ｃに対して強く押
圧されるサーボ効果が得られる。更に、本実施例によれ
ば、前記ブレーキシュー５２は、該ブレーキシュー５２
に設けられた前記ブレーキライニング５３の中間部分５
３ａに対する接線Ｌ−Ｌと前記枢支軸１２ａとの間の距
離Ｄが前記ブレーキドラム部分２０ｂの前記内壁面２０
ｃの半径ｄより大きい寸法を有するように、前記ブレー
キドラム部分２０ｂの前記内壁面２０ｃに沿って延びて
いる。従って、前記第一付勢手段５４によって、前記ブ
レーキライニング５３が前記ブレーキドラム部分２０ｂ
の前記内壁面２０ｃに対して大きな付勢力で押圧され、
大きな制動力を得ることができる。

【００２０】更に、本実施例によれば、前記制動装置５
０は、前記カム機構５６によって操作されるので、簡
易、かつ、軽量な手段によって、前記制動装置５０の操
作と前記ブレーキ解除レバー１０ｂとを連動させること
ができる。本発明は、以上の実施例に限定されることな
く、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の
変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含され
るものであることはいうまでもない。例えば、図示例で
は、構造を簡素化して作動を確実にせしめるとともに、
前記ハンドル部１０を両手で正しく握らなければ作業が
行なえない様にせしめるために、前記ブレーキ解除レバ
ー１０ｂを別個に設けているが、前記ブレーキ装置５０
を前記スロットルレバー１０ａと連動せしめ、該スロッ
トルレバー１０ａを解放せしめた時にブレーキが作動す
る様にせしめてもよい。

【００２１】前記ブレーキシュー５２は、該ブレーキシ
ュー５２に設けられた前記ブレーキライニング５３の中
間部分５３ａに対する接線Ｌ−Ｌと前記枢支軸１２ａと
の間の距離Ｄが、前記ブレーキドラム部分２０ｂの前記
内壁面２０ｃの半径ｄより大きい寸法を有することが望
ましいが、前記ブレーキドラム２０ａの内方に、前記回
り止め機構３０を設けることができる空間Ｓが形成され
れば、前記距離Ｄは前記半径ｄより小さくてもよい。

【００２２】

【発明の効果】本発明によれば、従来の携帯用刈払機の
構造の限られた空間内に設けることができ、携帯用刈払
機の外形寸法を増大することのない、制動装置及び回り
止め装置を有する携帯用刈払機を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例にかかる携帯用刈払機の全体を示す斜
視図である。

【図２】本実施例にかかる携帯用刈払機の刈刃装置の平
面図である。

【図３】図２に示す線III − IIIに沿った矢視断面図で
ある。

【図４】本実施例にかかる制動装置及び回り止め装置の
詳細を示す、図３に示すIV−IVに沿った矢視断面図であ
り、制動装置の制動位置を示す。

【図５】制動装置の解除位置を示す、図３と同様な図で
ある。

【符号の説明】

４操作桿８刈刃装置８ａ回転刈刃１２ケース（歯車ケース）１２ａ枢支軸１６回転軸１６ｂねじ部２０刈刃受け金具２０ｂブレーキドラム部分２０ｃ内壁面２６締結手段（ナット）３０回り止め装置３４棒状部材３８第二付勢手段（圧縮コイルばね）４０孔（係合孔）５０制動装置５２ブレーキシュー５２ａ一端５２ｂ他端５３ブレーキライニング５３ａブレーキシュー（ライニング）の中間部分５４第一付勢手段（圧縮コイルばね）５６カム手段６２ａ引張ワイヤ（ワイヤ部材）Ｄ距離ｄ半径Ｇ中間部分Ｅ制動位置Ｆ解除位置Ｌ−Ｌ接線Ｓ空き空間

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A01D 34/68 A01D 34/76 F16D 51/04

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】操作桿（４）の前端に設けられた刈刃装
置（８）の回転刈刃（８ａ）の空転を防止するための制
動装置（５０）と、前記回転刈刃（８ａ）の取外し及び
装着の際の回転を防止するための回り止め装置（３０）
とを有する携帯用刈払機であって、前記刈刃装置（８）が、前記操作桿（４）の前端に固定
されたケース（１２）と、該ケース（１２）内に収容さ
れ、かつ、回転駆動される回転軸（１６）と、該回転軸
（１６）と一体的に回転する円板状の刈刃受け金具（２
０）と、前記回転軸（１６）に取外し可能に装着される
前記回転刈刃（８ａ）と、前記回転軸（１６）の外端部
に形成されたねじ部（１６ｂ）に螺合して、前記刈刃
（８ａ）を前記刈刃受け金具（２０）に対して固定する
締結手段（２６）とを有し、前記制動装置（５０）が、前記刈刃受け金具（２０）の
周囲に設けられたブレーキドラム部分（２０ｂ）と、該
ブレーキドラム部分（２０ｂ）の内側に、枢支軸（１２
ａ）によって枢支されたブレーキシュー（５２）と、を
有し、前記回り止め装置（３０）は、前記刈刃装置（８）を平
面視したとき、前記ケース（１２）の、前記ブレーキシ
ュー（５２）の一端（５２ａ）と他端（５２ｂ）との間
の空き空間（Ｓ）に設けられている、ことを特徴とする
携帯用刈払機。
【請求項２】前記制動装置（５０）は、前記ブレーキ
シュー（５２）の前記他端（５２ｂ）に設けられた、前
記ブレーキシュー（５２）を前記ブレーキドラム部分
（２０ｂ）の前記内壁面（２０ｃ）に押圧するための第
一付勢手段（５４）と、前記ブレーキシュー（５２）
の、前記枢支軸（１２ａ）に対して前記他端（５２ｂ）
の反対側の前記一端（５２ａ）に設けられた、前記ブレ
ーキシュー（５２）を制動位置（Ｅ）と解除位置（Ｆ）
との間で移動させるためのカム手段（５６）と、該カム
手段（５６）を作動させるための引張ワイヤ（６２ａ）
とを有する、ことを特徴とする請求項１に記載の携帯用
刈払機。
【請求項３】前記刈刃受け金具（２０）の板面（２０
ａ）には孔（４０）が形成されており、前記回り止め装置（３０）は、前記孔（４０）と整列す
るように配設され、かつ、該孔（４０）に向かって突出
する突出位置と引っ込む退避位置との間で移動可能な棒
状部材（３４）と、該棒状部材（３４）を前記退避位置
に付勢する第二付勢手段（３８）と、を有する、ことを
特徴とする請求項１又は２に記載の携帯用刈払機。