JP3431641B2 - 有機電解液およびそれを使用した有機電解液電池 - Google Patents

有機電解液およびそれを使用した有機電解液電池

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機電解液およびそれ
を使用した有機電解液電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウムからなる負極と、二酸化マンガ
ンを正極活物質とする合剤からなる正極と、有機電解液
を使用したリチウム−二酸化マンガン電池に代表される
有機電解液電池は、高エネルギー密度で、かつ軽量であ
り、しかも長寿命であるため、増々需要が増加する傾向
にある。
【0003】ところで、この種の有機電解液電池では、
負極にリチウムまたはリチウム化合物を用い、正極には
二酸化マンガンなどの金属酸化物や層間化合物を用いる
場合がほとんどであり、これらは反応性に富んでいるた
め、有機電解液はこれらの電極材料に対して反応性の低
いものを選んで使用しなければならない。
【0004】そのため、有機電解液に使用される溶媒種
はかなり限定され、現在は主としてプロピレンカーボネ
ートなどのエステルや1,2−ジメトキシエタンなどの
エーテルなど、比較的反応性の低いものが使用されてい
る。
【0005】しかし、これらに頼っているだけでは、従
来以上に電池の出力特性を向上させることができない。
【0006】また、アセトニトリルなどのヘテロ不飽和
結合を有する溶媒は、伝導度が高いものの、リチウム
(Li)などの負極との反応性が高く、安定性に欠け、
電池の貯蔵性を低下させるので、実用電池には使用しが
たい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来の有機電解液における問題点を解決し、有機電解
液に使用される溶媒の構造を変更して、有機電解液と電
極との反応性を低減し、安定性が高い有機電解液を開発
し、該有機電解液を使用することによって、貯蔵性の優
れた有機電解液電池を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機電解液の
溶媒として不飽和結合に隣接した炭素原子にフッ素原子
が結合した有機溶媒を使用することによって、有機電解
液の安定性を向上させ、この有機電解液を使用すること
によって電池の貯蔵性を高めたものである。また、有機
電解液の有機溶媒および電解質として、不飽和結合に隣
接した炭素原子にフッ素原子が結合した有機溶媒と、炭
素数が2以上のフルオロアルキル基を有するリチウム塩
とを組み合わせて使用することにより電池の安全性を向
上させたものである。
【0009】本発明を完成するにいたって経過を詳しく
説明すると、次の通りである。
【0010】本発明者らは、まず、電解質としてLiC
4 9 SO3 を用いた種々の溶媒系の有機電解液の伝導
度を調べたところ、LiC4 9 SO3 /PC:DME
系の有機電解液〔プロピレンカーボネート(PC)と
1,2−ジメトキシエタン(DME)との混合溶媒にL
iC4 9 SO3 を溶解させたもの〕が負極、正極など
の電極との反応性が小さく、かつ伝導度も高いことが判
明した。
【0011】また、LiC4 9 SO3 /AN:DME
系の有機電解液〔アセトニトリル(AN)と1,2−ジ
メトキシエタン(DME)との混合溶媒にLiC4 9
SO3 を溶解させたもの〕や、LiC4 9 SO3 /P
C:DME:AN系の有機電解液〔プロピレンカーボネ
ート(PC)と1,2−ジメトキシエタン(DME)と
アセトニトリル(AN)との混合溶媒にLiC4 9
3 を溶解させたもの〕は、さらに高い伝導度を示すこ
とが判明したが、これらは、いずれも負極のLi(リチ
ウム)などと反応し、負極に対する安定性に欠けている
ことが判明した。
【0012】これは、アセトニトリルの中に含まれる−
C≡N(ニトリル基)などの不飽和結合のため、不飽和
結合に隣接した置換基(アセトニトリルの場合はCH3
基)が不安定になるからであると考えられる。
【0013】実際に、アセトニトリルがLiと反応して
生成したガスを確認したところ、H2 (水素)とCH4
(メタン)が主成分であった。
【0014】これは−C≡Nに結合したCH3 基そのも
の、あるいはCH3 基のC−H結合が切れやすくなった
ためであると考えられる。
【0015】そこで、本発明者らは、CH3 基の炭素原
子にハロゲンを付けると、その原子の大きさやハロゲン
と炭素原子との結合力のために、炭素原子の結合が保護
され、Liなどとの反応性が軽減できるという推測の下
に実験を行った。
【0016】その結果、アセトニトリルを含む有機電解
液はすぐにLiと反応し、H2 やCH4 を発生するのに
対し、アセトニトリルのCH3 基中のH原子を1個フッ
素原子で置換しただけのFCH2 C≡N(フルオロアセ
トニトリル)を含む有機電解液は、ほとんどLiと反応
せず、貯蔵後もLi表面の金属光沢が保たれていた。
【0017】以上のことから、−C≡Nなどの不飽和結
合によって不安定になった隣接の炭素原子をフッ素原子
により安定化することができ、有機電解液とLiなどと
の反応性が減少して、有機電解液の安定性や、電池の貯
蔵性を向上させることができることが判明した。
【0018】上記フッ素原子は、隣接原子に対する保護
効果が大きく、しかも有機電解液の伝導度を大きく損な
うことがない。
【0019】本発明における有機溶媒において、不飽和
結合に隣接した原子は炭素原子であるが、上記フッ素原
子は不飽和結合に隣接した炭素原子に少なくとも1個結
合すればよく、もとより2個以上結合してもよい。
【0020】本発明において、不飽和結合は有機電解液
の伝導度を向上させる要因となるものであるが、この不
飽和結合としては、たどえば−C≡N(ニトリル基)、
>C=O(カルボニル基)、>S=O(スルホキシル
基)、NO2 (ニトロ基)などがある。
【0021】特に、ヘテロ不飽和結合は、極性が大き
く、電解質の電離度が大きくなるため、有機電解液の伝
導度を高める作用が大きい。なかでも、−C≡Nは、特
に極性が大きく、有機電解液の伝導度を高める作用が特
に優れていることから、本発明における不飽和結合とし
て特に適している。
【0022】上記のような不飽和結合に隣接した炭素原
子にフッ素原子が結合した有機溶媒の具体例としては、
たとえばフルオロアセトニトリル(FCH2 C≡N)、
ジフルオロアセトニトリル(F2 CHC≡N)、フルオ
ロ酢酸メチル(FCH2 COOCH3 )などが挙げられ
る。
【0023】本発明において、有機電解液の調製にあた
り、上記不飽和結合に隣接した炭素原子にフッ素原子が
結合した有機溶媒は他の有機溶媒と併用することができ
る。そのような、併用可能な有機溶媒としては、たとえ
ば1,2−ジメトキシエタン、ジメトキシメタン、ジメ
トキシプロパン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロ
フラン、2−メチルテトラヒドロフラン、4−メチル−
1,3−ジオキソランなどのエーテル、プロピレンカー
ボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネー
ト、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどのエ
ステル、さらにはスルフォランなどが挙げられる。
【0024】特に低温での放電特性の優れた電池を得る
ためには、上記有機溶媒のなかでも凝固点が低く、伝導
度の向上効果が大きい1,2−ジメトキシエタンを併用
するのが好ましい。
【0025】有機電解液の調製にあたって、上記不飽和
結合に隣接した炭素原子にフッ素原子が結合した有機溶
媒の使用量は、全溶媒中10体積%以上、特に30体積
%以上にするのが好ましい。これは、上記不飽和結合に
隣接した炭素原子にフッ素原子が結合した有機溶媒が全
溶媒中10体積%より少ない場合は、有機電解液の伝導
度を高め、かつ電極との反応性を低減させる効果が充分
に発揮されないからである。
【0026】上記不飽和結合に隣接した炭素原子にフッ
素原子が結合した有機溶媒だけで、有機電解液の全溶媒
を構成することも可能であるが、低温での伝導度を考慮
すると、上記不飽和結合に隣接した炭素原子にフッ素原
子が結合した有機溶媒の使用量は全溶媒中90体積%以
下、特に80体積%以下にとどめることが好ましい。
【0027】また、有機電解液の調製にあたって、1,
2−ジメトキエタンなどのエーテルを併用する場合、そ
れらのエーテルは10〜80体積%、特に30〜50体
積%にするのが好ましい。つまり、上記エーテルを多く
加えすぎると、伝導度が低下し、また、上記エーテルが
少なすぎても伝導度が低下して、電池に使用した場合に
インピーダンスが増加する。
【0028】本発明の有機電解液の調製にあたり、電解
質としては、たとえばLiCn 2n+1 SO3 に代表さ
れるフルオロアルカンスルホン酸リチウム、Li2 (C
n 2n)(SO3 2 、LiN(Cn 2n+1
2 2 、LiC(CF3 SO23 、LiN(CF3
CO)2 、LiCn 2n+1CO2 、 LiB(C
6 5 4 、LiClO4 、LiPF6 、LiA
S 6 、LiSbF6 、LiBF4 が単独でまたは2種
以上混合して用いられる。なお、化学式中におけるnは
整数である。
【0029】なかでも、本発明においては、上記電解質
中、炭素数が2以上、特に炭素数が4以上のフルオロア
ルキル基を有するリチウム塩が電池としての安全性が優
れているので好ましい。とりわけ、パーフルオロアルカ
ンスルホン酸リチウム塩は安全性が特に優れており、か
つ、ある程度の電池特性も得られるので最も好ましい。
【0030】つぎに、電池の主要構成部材について説明
する。
【0031】本発明において、負極はアルカリ金属また
はアルカリ金属を含む化合物をステンレス鋼製網などの
集電材料と一体化したものからなるが、アルカリ金属と
して、たとえばリチウム、ナトリウム、カリウムなどが
挙げられ、アルカリ金属を含む化合物としては、たとえ
ばアルカリ金属とアルミニウム、鉛、インジウム、カリ
ウム、カドミウム、スズ、マグネシウムなどとの合金、
さらにはアルカリ金属と炭素材料との化合物、低電位の
アルカリ金属と金属酸化物、硫化物との化合物などが挙
げられる。
【0032】正極には、たとえば二酸化マンガン、五酸
化バナジウム、クロム酸化物、リチウムコバルト酸化
物、リチウムニッケル酸化物などの正極活物質、または
これらの正極活物質に導電助剤やポリテトラフルオロエ
チレンなどの結着剤などを適宜添加した合剤を、ステン
レス鋼製網などの集電材料を芯材として成形体に仕上げ
たものが用いられる。
【0033】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。
【0034】実施例1 PC:DME:FANの体積比1:1:1の混合溶媒
〔プロピレンカーボネート(PC)と1,2−ジメトキ
シエタン(DME)とフルオロアセトニトリル(FA
N)との体積比1:1:1の混合溶媒〕にLiC4 9
SO3 を0.3mol/l溶解して、有機電解液を調製
した。
【0035】また、熱処理した二酸化マンガンとカーボ
ンブラックとポリテトラフルオロエチレンとの混合物か
らなる二酸化マンガン合剤をステンレス鋼製網を芯材と
して厚さ0.4mm、幅30mmのシート状に成形し、
ステンレス鋼製の集電体を取り付けた帯状正極を、25
0℃で乾燥し、乾燥後、乾燥雰囲気中で室温まで冷却し
た。
【0036】つぎに、上記帯状正極を厚さ25μmの微
孔性ポリプロピレンフィルムからなるセパレータで包
み、これに厚さ0.18mm、幅30mmのシート状リ
チウムをステンレス鋼製網に圧着した帯状負極を重ね、
渦巻状に巻回して渦巻状電極体とした後、外径15mm
の有底円筒状の電池ケース内に充填し、正極および負極
のリード体のスポット溶接を行った後、上記の有機電解
液を電池ケース内に注入した。
【0037】つぎに、常法にしたがって、電池ケースの
開口部を封口し、図1に示す構造の筒形の有機電解液電
池を作製した。
【0038】図1に示す電池について説明すると、1は
前記の正極で、2は負極である。ただし、図1では、繁
雑化を避けるため、正極1や負極2の作製にあたって使
用されたステンレス鋼製網や集電体などは図示していな
い。そして、3はセパレータで、4は上記の有機電解液
である。
【0039】5はステンレス鋼製の電池ケースであり、
この電池ケース5は負極端子を兼ねている。電池ケース
5の底部にはポリテトラフルオロエチレンシートからな
る絶縁体6が設置され、電池ケース5の内周部にもポリ
テトラフルオロエチレンシートからなる絶縁体7が配設
されていて、前記正極1、負極2およびセパレータ3か
らなる渦巻状電極体や、有機電解液4などは、この電池
ケース5内に収容されている。
【0040】8はステンレス鋼製の封口板であり、この
封口板8の中央部にはガス通気孔8aが設けられてい
る。9はポリプロピレン製の環状パッキング、10はチ
タン製の可撓性薄板で、11は環状のポリプロピレン製
の熱変形部材である。
【0041】上記の熱変形部材11は温度によって変形
することにより、可撓性薄板10の破壊圧力を変える作
用をする。
【0042】12はニッケルメッキを施した圧延鋼製の
端子板であり、この端子板12には切刃12aとガス排
出孔12bとが設けられていて、電池内部にガスが発生
して、電池の内部圧力が上昇し、その内圧上昇によって
可撓性薄板10が変形したときに、上記切刃12aによ
って可撓性薄板10を破壊し、電池内部のガスを上記ガ
ス排出孔12bから電池外部に排出して、電池の破裂が
防止できるように設計されている。
【0043】13は絶縁パッキングで、14はリード体
であり、このリード体14は正極1と封口板8とを電気
的に接続しており、端子板12は封口板8との接触によ
り正極端子として作用する。また、15は負極2と電池
ケース5とを電気的に接続するリード体である。
【0044】比較例1 PC:DME:ANの体積比1:1:1の混合溶媒〔プ
ロピレンカーボネート(PC)と1,2−ジメトキシエ
タン(DME)とアセトニトリル(AN)との体積比
1:1:1の混合溶媒〕にLiC4 9 SO3 を0.3
mol/l溶解して、有機電解液を調製した。
【0045】この有機電解液を用いたほかは、実施例1
と同様にして筒形の有機電解液電池を作製した。
【0046】比較例2 PC:DMEの体積比1:2の混合溶媒〔プロピレンカ
ーボネート(PC)と1,2−ジメトキシエタン(DM
E)との体積比1:2の混合溶媒〕にLiC4 9 SO
3 を0.3mol/l溶解して、有機電解液を調製し
た。
【0047】この有機電解液を用いたほかは、実施例1
と同様にして有機電解液電池を作製した。
【0048】上記のように作製した実施例1および比較
例1の電池ならびに該電池に使用された有機電解液につ
いて、その特性を調べた
【0049】まず、実施例1の電池に使用された有機電
解液および比較例1の電池に使用された有機電解液を1
0mlずつと、厚さ0.2mmで10mm×40mmの
リチウム片とをバイアルビンに入れ、密閉後、60℃で
3日間貯蔵し、リチウム表面の様子を観察した。その結
果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1に示すように、アセトニトリルを含む
比較例1の有機電解液は、リチウムと反応し黄色に変色
したが、実施例1の有機電解液はほとんどリチウムと反
応せず、金属光沢が保たれていた。
【0052】これは、実施例1の有機電解液では、アセ
トニトリルに代えて、アセトニトリルの−C≡Nに隣接
する炭素原子に結合した水素原子のうち1個をフッ素原
子で置換したフルオロアセトニトリルを使用したことに
より、負極のリチウムとの反応性が低減したためである
と考えられる。
【0053】つぎに、実施例1の電池および比較例1の
電池を80℃で10日間貯蔵し、貯蔵による開路電圧の
変化を調べた。その結果を表2に示す。また、表2に
は、実施例1の電池の貯蔵前の放電容量に対する各電池
の放電容量の比率を併せて示す。
【0054】
【表2】
【0055】表2に示すように、有機電解液の溶媒とし
てアセトニトリルを用いた比較例1の電池は、電池貯蔵
前に電圧が3V近くまで低下し、放電がほとんどできな
かった。これは、負極のリチウムが有機電解液と反応し
たためである。また、比較例1の電池は、複数個作製す
ると、電池によっては漏液したり、破裂防止装置が作動
するものがあった。
【0056】これに対し、実施例1の電池では、80℃
で10日間という厳しい条件下での貯蔵でも、開路電圧
の低下がなく、かつ充分に放電可能であった。
【0057】つぎに、実施例1の電池および該電池に使
用された有機電解液と、比較例2の電池および該電池に
使用された有機電解液との特性を比較した結果について
示す。なお、比較例2の電池に使用された有機電解液
は、PC:DME〔プロピレンカーボネート(PC)と
1,2−ジメトキシエタン(DME)との混合溶媒〕系
のものであり、このPC:DMEは従来最も一般的に採
用されていた溶媒系である。
【0058】まず、実施例1の電池に使用された有機電
解液と比較例2の電池の有機電解液との−20℃、0℃
および20℃におけるイオン伝導度を調べた結果を表3
に示す。
【0059】
【表3】
【0060】比較例2の有機電解液は、高伝導度が得ら
れるPC:DME系の中でも特に高伝導度を示す溶媒組
成を選択しているが、表3に示すように、実施例1の有
機電解液は、いずれの温度においても、比較例2の有機
電解液より、高伝導度であった。
【0061】つぎに、実施例1の電池および比較例2の
電池の閉路電圧とインピーダンスを測定した結果を表4
に示す。閉路電圧は3Aで0.5秒間通電後の電池電圧
であり、インピーダンスは1kHzおよび10kHzに
おける値をLCRメーターで測定したものである。
【0062】
【表4】
【0063】表4に示すように、実施例1の電池は、従
来の溶媒系を使用した比較例2の電池より閉路電圧が高
く、かつインピーダンスが小さかった。この結果は、実
施例1の電池に使用されている有機電解液の伝導度が高
いことを示している。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、有機
電解液の溶媒として、不飽和結合に隣接した炭素原子に
フッ素原子が結合した有機溶媒を用いることにより、電
極との反応性が低く、安定性の高い有機電解液を得るこ
とができた。
【0065】また、上記有機電解液を使用することによ
り、貯蔵性の優れた電池を得ることができた。さらに、
有機電解液の有機溶媒および電解質として、不飽和結合
に隣接した炭素原子にフッ素原子が結合した有機溶媒
と、炭素数が2以上のフルオロアルキル基を有するリチ
ウム塩とを組み合わせて使用することにより電池の安全
性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る有機電解液電池の一例を模式的に
示す断面図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 セパレータ 4 有機電解液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 勝昭 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化 株式会社 四日市総合研究所内 (72)発明者 木村 牧男 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化 株式会社 四日市総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭51−87726(JP,A) 特開 昭59−203368(JP,A) 特開 平3−49157(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 6/16 H01M 10/40

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和結合に隣接した炭素原子にフッ素
    原子が結合した有機溶媒を用いたことを特徴とする有機
    電解液。
  2. 【請求項2】 不飽和結合がヘテロ不飽和結合である請
    求項1記載の有機電解液。
  3. 【請求項3】 ヘテロ不飽和結合が−C≡Nである請求
    項2記載の有機電解液。
  4. 【請求項4】 アルカリ金属またはアルカリ金属を含む
    化合物からなる負極と、正極と、請求項1、2または3
    記載の有機電解液を備えたことを特徴とする有機電解液
    電池。
  5. 【請求項5】 アルカリ金属またはアルカリ金属を含む
    化合物からなる負極と、正極と、有機電解液を有し、電
    池内部のガスを電池外部に排出して電池の破裂を防止す
    る破裂防止装置を備えた有機電解液電池であって、該有
    機電解液の溶媒として不飽和結合に隣接した炭素原子に
    フッ素原子が結合した有機溶媒を用い、かつ電解質とし
    て炭素数が2以上のフルオロアルキル基を有するリチウ
    ム塩を用いたことを特徴とする有機電解液電池。
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