JP3417831B2 - 蛍光体材料の製造方法 - Google Patents

蛍光体材料の製造方法

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光体材料、蛍光
体材料の製造方法、および蛍光体表示管やフィールドエ
ミッションディスプレイなどのディスプレイ装置に関す
る。 【0002】 【従来の技術】電子線励起ディスプレイ装置では、蛍光
面がチャージアップすると発光が低下するため、蓄積し
た電荷を逃がす必要がある。陰極線管は、蛍光面から電
荷を逃がすために、蛍光面の裏面(電子銃との対向面)
に、たとえば、アルミニウムからなる導電膜を設けてい
る。陰極線管では、電子線は10kV以上、通常は約3
0kVの陽極電圧で高速に加速されるので、電子線は導
電膜を貫通して蛍光面に達し、蛍光体を励起することが
できる。しかし、蛍光表示管やフィールドエミッション
ディスプレイなどは、1kV以下の陽極電圧で加速され
る低速電子線で蛍光体を励起する。このような低速電子
線励起ディスプレイにおいて、蛍光面の陰極との対向面
に導電膜を形成した場合、電子線はこの導電膜を貫通す
る能力がない。その結果、蛍光体を十分に励起すること
ができなくなる。したがって、低速電子線励起ディスプ
レイ装置では導電膜の形成は適用できない。 【0003】この問題を解決するために、低速電子線励
起ディスプレイ装置に使用する蛍光体に導電性を持たせ
て、蛍光面のチャージアップを防ぐ技術が提案されてい
る。その一つとして、導電性を示す蛍光体の開発が試み
られている。例えば、青緑色発光のZnO:Znは導電
性を示す。しかし、十分な高度を示し、青緑色以外の他
の色を発光する導電性蛍光体は開発されていない。この
ため、導電性蛍光体のみを用いてカラーディスプレイを
製造することはできない。 【0004】また、蛍光体と導電性物質とを混合した蛍
光体材料を用いることが検討されている。例えば、蛍光
体とIn23 などの導電性物質とを混合した例があ
る。しかし、このような蛍光体材料では、蛍光体の比率
が低下するため、発光効率が低下する。 【0005】またExtended Abstracts of the 2nd Inte
rnational Conference on the Science and Technology
of Display Phoshors, Nov. 18(1996), p.319, にはゾ
ルゲール法により、表面をIn23 からなる導電層で
被覆したZnS:Ag,Cl蛍光体材料が開示されてい
る。しかし、この方法で用いられている蛍光体粒子は、
通常のフラックス法などで合成された、多面体に近い粒
子形状を有するものであると考えられる。したがって、
蛍光体粒子の表面にIn23 導電層を形成した状態で
も、多面体に近い粒子形状を保持する。こうした形状の
蛍光体材料を用いて蛍光体層を形成すると、粒子のパッ
キングが悪く、緻密な蛍光体層を形成することが困難な
ため、輝度の点で不利である。また、蛍光面に凹凸が生
じて凸部に高い電界がかかる傾向があるため、均一な発
光を得ることが困難になる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低速
電子線励起ディスプレイ装置に適用した場合に、蛍光面
のチャージアップを効果的に防ぐことができる蛍光体材
料を提供することにある。 【0007】本発明の他の目的は、このような蛍光体材
料を簡便に製造できる方法を提供することにある。本発
明のさらに他の目的は、上記の蛍光体材料からなる傾向
体層を有し、良好な表示特性を示すディスプレイ装置を
提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の蛍光体材料は、
蛍光体粒子と、この蛍光体粒子表面に形成された導電層
とを有し、短径と長径との比が1.5以下である。本発
明の蛍光体材料の製造方法は、熱プラズマを発生させる
工程と、熱プラズマ中に導電性材料を供給して気化させ
る工程と、熱プラズマ中に蛍光体粒子を供給し、その表
面に導電性材料を付着させる工程と、導電性材料が付着
した蛍光体粒子を冷却する工程とを有する。 【0009】本発明のディスプレイ装置は、陽極および
陽極上に形成された蛍光体層を有する蛍光面と、蛍光体
層を励起する電子線を放出する陰極とを有し、前記蛍光
体層を構成する蛍光体材料が、蛍光体粒子とこの蛍光体
粒子表面に形成された導電層からなり、短径と長径との
比が1.5以下である。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明の蛍光体材料は、蛍光体粒
子と、この蛍光体粒子表面に形成された導電層とを有
し、短径と長径との比が1.5以下である。この蛍光体
材料は、後に詳細に説明するように、熱プラズマ法によ
り製造される。 【0011】本発明において、蛍光体材料の中核となる
蛍光体粒子としては、従来から公知の蛍光体を用いるこ
とができる。蛍光体は、電子線励起により高効率で発光
することが好ましい。また、蛍光体は、数千℃の熱プラ
ズマにさらされたときに、昇華、気化または分解するこ
となしに少なくとも表面が溶解するが、導電性材料と反
応しにくいことが好ましい。 【0012】適切な蛍光体は、具体的には、希土類酸化
物蛍光体たとえばY23 :Eu;希土類オキシ硫化物
蛍光体たとえばGd22 S:Pr、Y22 S:T
m;ガーネット系蛍光体たとえばY3 Al512:T
b;希土類ケイ硫塩系蛍光体たとえばY2 SiO5 :C
eなどが挙げられる。 【0013】蛍光体粒子は、平均半径が、0.1〜5μ
mであることが好ましい。平均粒径は、ブレーン法、ま
たは電子顕微鏡観察による統計的な方法により求めるこ
とができる。平均粒径が0.1μm未満の蛍光体粒子は
結晶性が悪いため、発光効率が低下するおそれが高い。
一方、平均粒径が5μmを超える蛍光体粒子を用いて蛍
光体層を形成すると、蛍光面に凹凸が生じやすい。この
ため、フィールドエミッションディスプレイのように電
子線源(陰極)と蛍光面が近接している場合、電界強度
のむらが大きくなるため発光むらが生じるおそれがあ
る。 【0014】蛍光体粒子は、長径と短径との比が1.5
以下の球状であることが望ましい。蛍光体粒子が球状の
場合、蛍光体粒子の比表面積が小さくなるため、蛍光体
粒子と導電性層との電界面における光散乱が少なくな
る。その結果、蛍光体層の外部へ発光を効率よく取り出
すことができるので、見かけの発光効率が高まる。ま
た、蛍光体粒子が球状で表面に極端な凹凸がない場合、
電界集中による放電や輝点の発生を抑えることができ
る。 【0015】本発明において、蛍光体粒子の表面に形成
される導電層の材料は、特に限定されず、酸化インジウ
ム、酸化インジウム・錫、酸化錫、酸化亜鉛、カルコゲ
ン化亜鉛、窒化ガリウム、窒化インジウム、CdTeな
どの無機材料が用いられる。導電性物質は蛍光体を励起
する電子線に対して透過率が高いことが望ましく、導電
線物質の構成元素の平均原子量は70以下であることが
好ましい。導電層の電気抵抗率は、104 Ωcm以下、
好ましくは102 Ωcm以下であれば十分であり、極端
に低抵抗である必要はない。 【0016】導電性物質は、数千℃の熱プラズマにさら
されたときに、気化することが好ましい。これは、熱プ
ラズマ法により、蛍光体粒子の表面に均一で薄い導電層
が形成され、その結果上述した蛍光体粒子の短径と長径
との比が保たれることが好ましいためである。 【0017】蛍光体粒子の表面における導電層の厚さ
は、蛍光体粒子の粒径の10%以下であることが好まし
い。導電層の厚さが蛍光体粒子の粒径の10%を超える
と、電子線を吸収が増大して発光効率が低下するおそれ
がある。導電層の厚さは、5nm以上であることが好ま
しい。これは、導電層の厚さが5nm未満であると、導
電層の電気抵抗が大きくなり、導電層として機能しなく
なるおそれがあるためである。 【0018】上記のように蛍光体粒子の表面に均一で薄
い導電層が形成された蛍光体材料は、短径と長径との比
が1.5以下の球状であり、低速電子線により励起する
場合でも表面の導電層を通して電荷を有効に逃がすこと
ができる。すなわち、蛍光面は多数の蛍光体材料の粒子
から構成され、蛍光体材料の表面の導電層どうしが接し
ていれば、蛍光面全体の導通をとることができるので、
導電性物質の量を可能な限り低減することができる。し
たがって、導電層による電子線の吸収を極力避けなが
ら、チャージアップによる発光効率の低下を抑えること
ができる。また、蛍光体粒子を無機材料で被覆している
ので、蛍光体粒子の化学的な劣化を抑制する効果も期待
できる。 【0019】本発明の方法では、熱プラズマを利用し
て、蛍光体粒子表面に導電層を形成する。熱プラズマ法
は、蛍光体の融点以上に設定された熱プラズマ中に蛍光
体の原料粒子を供給して浮遊させている間に蛍光体粒子
の少なくとも表面を融解させ、蛍光体粒子が落下して熱
プラズマから出たときに冷却する方法である。このよう
な方法により、球状の蛍光体粒子を得ることができる。 【0020】本発明は、熱プラズマ中に導電性材料を供
給して気化させた状態で、熱プラズマ中に蛍光体粒子を
供給し、蛍光体粒子の表面を溶解させるとともに蛍光体
粒子の表面に導電性材料を付着させた後に、冷却する。
このような方法により、表面に導電層が形成された球状
の蛍光体粒子を得ることができる。 【0021】本発明の蛍光体材料を製造するには、たと
えば図1に示す高周波誘導方式の熱プラズマ装置を用い
る。図1に示すように、熱プラズマチャンバー20の上
部に、プラズマガスたとえばアルゴンを供給するガス供
給口21が設けられており、上方より下方へ向けてプラ
ズマガスが流される。ガス供給口21の下部にはシリン
ダー22が設けられ、その周囲に高周波コイル23が巻
かれている。プラズマガスを供給し、高周波コイル23
に通電することにより、プラズマフレーム24が生成す
る。生成するプラズマフレーム24中に導電性材料およ
び蛍光体粒子を供給できる位置に、導電性材料の供給ノ
ズル25および蛍光体粒子の供給ノズル26が設けられ
ている。 【0022】まず、チャンバー20内にプラズマガスを
供給し、高周波コイル23に通電することにより、プラ
ズマフレーム24を生成させる。生成したプラズマフレ
ーム24中にキャリヤーガス(たとえばアルゴンととも
に導電性物質を供給して気化させる。その後、プラズマ
フレーム24中にキャリヤーガス(たとえばアルゴン)
とともに原料の蛍光粒子を供給して、プラズマフレーム
24中に浮遊させる。プラズマフレーム24中で浮遊し
ている間に、蛍光体粒子はプラズマの熱によって少なく
とも表面が溶解して表面張力のために球状になる。ま
た、球状の蛍光体粒子の表面に気化した導電性材料が付
着する。球状の蛍光体粒子は、プラズマフレーム24か
ら落下する間に冷却され、表面に導電層が形成された球
状の蛍光体粒子になる。得られた蛍光体粒子はサイクロ
ン(図示せず)などの捕集器により回収される。 【0023】上記のように熱プラズマ法を用いることに
より、表面に均一で薄い導電層が形成された球状の蛍光
体材料を一工程で製造することができる。この方法で用
いる原料の蛍光体粒子は、目的とする蛍光体粒子と同一
の母体および付活剤からなるものであるが、目的とする
蛍光体粒子と付活剤濃度が異なっていてもよい。また、
母体が混晶である場合、原料の蛍光体粒子の混晶の比率
は、目的とする蛍光体粒子のそれと異なっていてもよ
い。 【0024】なお、発光効率を改善するために、熱プラ
ズマ法で得られた蛍光体材料を800〜1600℃で熱
処理することが有効である。本発明の対象となるディス
プレイ装置は、蛍光体層を有する陽極と陰極が対向して
設置され、両者の間に1kV以下の電圧を加えたとき
に、陰極から放出される低速電子により蛍光体が励起さ
れ、このときの発光によって表示を行うものである。こ
のようなディスプレイ装置には、フィールドエミッショ
ンディスプレイや蛍光表示管が含まれる。本発明のディ
スプレイ装置では、蛍光体層を構成する蛍光体材料とし
て、上述したように、蛍光体粒子とこの蛍光体粒子表面
に形成された導電層からなり短径と長径との比が1.5
以下であるものが用いられる。 【0025】本発明に係わるディスプレイ装置の具体例
として、フィールドエミッションディスプレイについて
説明する。図2(A)および2(B)に、フィールドエ
ミッションディスプレイの主要部を示す。図2(A)に
示すように、ガラス基板1の表面には、ストライプ状の
導電層からなる陽極2および蛍光体層3からなる蛍光面
が形成されている。この蛍光体層3は蛍光体粒子の表面
に導電層を形成した蛍光体材料を用い、電気泳動法、ス
ラリー塗布法、沈降法などの方法で塗布することにより
形成される。蛍光体層3の厚さは、蛍光体材料の粒径の
1〜5倍程度に設定される。一方、対向するガラス基板
8上には、陽極2と直交する方向に延びる、陰極側のス
トライプ状半導体パターン7が形成されている。図2
(B)に図2(A)の陰極側の部分を拡大して示す。図
2(B)に示すように、導電パターン7上の陽極2と対
向する位置には、多数の陰極6と個々の陰極6を分離す
る絶縁層5が形成されている。陰極6は、いわゆるSp
indt型冷蔵極であり、例えばMoを円錐状に形成し
たものである。絶縁層5上には、陰極6に対応して多数
の穴が設けられたゲート電極4が形成されている。これ
らの部材により規則的な陰極アレイが形成されている。
陰極アレイと蛍光面を、200μm〜5mmの距離を保
って対向させ、真空封止する。 【0026】陰極6に対して陽極2が1kV以下の正電
位になるように電圧を印加し、さらにゲート電極4に電
界放出を起こさせるための正バイアス電圧を印加する。
この結果、陰極6から電子が放出され、加速されて蛍光
面に達し、蛍光体を励起する。励起した蛍光体は発行
し、陽極2およびガラス基板1を通して見える。 【0027】したがって、互いに直交するように形成さ
れた陽極の2の導電パターンと陰極側の導電パターン7
により、所望の画素に対応する各電極に上述した電圧パ
ルスを加えることによりその画素を発光させることがで
きる。各導電パターンを走査して、この操作を行うこと
により、所望の表示を得ることができる。さらに、陽極
2上に形成する蛍光体層3として、赤、緑および青に発
光する蛍光体層のパターンを形成すれば、カラー表示が
可能になる。 【0028】ガラス基板1は、蛍光体を励起したときの
発光を透過させるために、可視光の透過率が高いことが
必要である。陽極2は、蛍光体からの発光を透過できる
ように、ITOのような透明導電膜で形成される。対向
基板はガラスに限らず、必要な強度が得られる材料であ
れば用いることができる。 【0029】本発明に係わるディスプレイ装置では、表
面に導電層を有する蛍光体粒子からなる球状の蛍光体材
料で蛍光体層を形成しているので、チャージアップによ
る発光効率の低下を抑えることができる。 【0030】 【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 実施例1 図1に示した高周波誘導方式の熱プラズマ装置を用い、
以下のように蛍光体材料を製造した。導電性材料として
酸化亜鉛(ZnO)粉末を用いた。原料蛍光体としてY
23 :Eu粉末を用いた。このY23 :Eu粉末は
ブレーン法で測定した平均粒径が0.5μmであった。 【0031】ガス供給口21より流量10L/分のアル
ゴンガスを供給し、上方より下方へ向けて流した。この
アルゴンガス流を取り巻く高周波コイル23にMHz、
15kWの高周波電力を加え、プラズマフレーム24を
形成した。流量20L/分のアルゴンガスとともに、Z
nO粉末を2g/分の供給で、上部供給ノズル25より
プラズマフレーム24中に供給して気化させた。その
後、流量30L/分のアルゴンガスとともに、Y2
3 :Eu粉末を5g/分の供給速度で、下部供給ノズル
26よりプラズマフレーム24中に供給した。この処理
を30分間継続した後、熱プラズマチャンバー下流に設
けたサイクロン(図示せず)に捕集された蛍光体粉末を
回収した。 【0032】得られた蛍光体材料の平均粒径をブレーン
法で測定したところ0.8μmであった。長径/短径の
比は約1.1であった。蛍光体材料を薄片化し、透過型
電子顕微鏡で観察したところ、表面の導電層は約50n
mでほぼ均一な厚さを有していた。 【0033】得られた蛍光体材料を用い、以下のように
してフィールドエミッションディスプレイを作製した。
2.5cm□のガラス基板上に、ITOからなる透明導
電層をコートした。このガラス基板を容器の底に設置し
た。蛍光体材料をエタノール中に分散させた分散液を容
器に入れ、ガラス基板上に蛍光体材料を沈降させ、1.
5mg/cm2の塗布量で蛍光体層を形成した。一方、
高さ約1μmのMoからなるSpindt型冷陰極アレ
イを形成した、図2(B)に示すような対向基板を用意
した。両方の基板を300μmの距離で対向させ、真空
封止することにより、フィールドエミッションディスプ
レイ(実施例1)を作製した。 【0034】比較のために、原料の蛍光体粉末を用い、
上記と同様にしてフィールドエミッションディスプレイ
(比較例1)を作製した。実施例1および比較例1のい
ずれのディスプレイでも陰極に対して陽極に+450V
の電圧を印加したところ、赤色の発光が観測された。し
かし、比較例1では、輝度にムラがあり、発光しないス
ポットが認められた。また、時間とともに輝度が変動す
る部分が認められた。これに対して、実施例1では輝度
ムラは認められず、発光も安定していた。さらに、両者
のディスプレイの蛍光面全体の平均輝度を比較したとこ
ろ、実施例1は比較例1の約20倍であった。 【0035】実施例2 流量20L/分のアルゴンガスとともに、酸化インジウ
ム(In23 )粉末を3g/分の供給速度で、酸化ス
ズ(SnO2 )粉末を0.3g/分の供給速度で、上部
供給ノズル25よりプラズマフレーム24中に供給して
気化させた。また、流量30L/分のアルゴンガスとと
もに、平均粒径3.2μmのY22 S:Tm粉末を5
g/分の供給速度で、下部供給ノズル26よりプラズマ
フレーム24中に供給した。これ以外は実施例1と同様
にして蛍光体材料を製造した。 【0036】得られた蛍光体材料の平均粒径は3.5μ
mであった。表面の導電層は約30nmでほぼ均一な厚
さを有していた。得られた蛍光体材料を用い3.0mg
/cm2 の塗布量で蛍光体層を形成した以外は実施例1
と同様にして、フィールドエミッションディスプレイ
(実施例2)を作製した。 【0037】比較のために、原料の蛍光体粉末を用い、
上記と同様にしてフィールドエミッションディスプレイ
(比較例2)を作製した。実施例2および比較例2のい
ずれのディスプレイでも、陰極に対して陽極に+450
Vの電圧を印加したところ、青色の発光が観察された。
しかし、比較例2では、肉眼で輝度ムラが認められ、発
光しないスポットが認められた。また、時間とともに輝
度が変動する部分が認められた。これに対して、実施例
2では、顕著な輝度ムラは認められず、発光も安定して
いた。さらに、両者のディスプレイの蛍光面全体の平均
高度を比較したところ、実施例2は比較例2の約8倍で
あった。 【0038】実施例3 流量20L/分の15のvol%N2 −85vol%A
r混合ガスとともに、窒化ガリウム(GaN)粉末を3
g/分の供給速度で、上部供給ノズル25よりプラズマ
フレーム24中に供給して気化させた。また、流量30
L/分のアルゴンガスとともに、平均粒径3.7μmの
3 Al512:Tb粉末を10g/分の供給速度で、
下部供給ノズル26よりプラズマフレーム24中に供給
した。これ以外は実施例1と同様にして蛍光体材料を製
造した。 【0039】得られた蛍光体材料の平均粒径は6.2μ
mであった。表面の導電層は約80nmでほぼ均一な厚
さを有していた。得られた蛍光体材料を用い、5.0m
g/cm2 の塗布量で蛍光体層を形成した以外は実施例
1と同様にして、フィールドエミッションディスプレイ
(実施例3)を作製した。 【0040】比較のために、原料の蛍光体粉末を用い、
上記と同様にしてフィールドエミッションディスプレイ
(比較例3)を作製した。実施例3および比較例3のい
ずれのディスプレイでも、陰極に対して陽極に+450
Vの電圧を印加したところ、緑色の発光が観測された。
しかし、比較例3では、肉眼で輝度ムラが認められ、発
光しないスポットが認められた。また、時間とともに輝
度が変動する部分が認められた。これに対して、実施例
3では、顕著な輝度ムラは認められず、発光も安定して
いた。さらに、両者のディスプレイの蛍光面全体の平均
輝度を比較したところ、実施例3は比較例3の約30倍
であった。 【0041】実施例4〜6 下記表1に示す蛍光体粒子および導電性材料を用いて実
施例1と同様な方法で蛍光体材料を製造した。得られた
蛍光体材料の粒径および導電層の厚さを示す。また、得
られた蛍光体材料を用い、所定の塗布量で蛍光層を形成
してフィールドエミッションディスプレイを作製した。
そして、ディスプレイの蛍光面全体の平均輝度を調べ
た。これらの結果を表1にまとめて示す。なお、表1の
L/L0は、表面に導電層を形成した蛍光体粒子からな
る本発明の蛍光体材料を用いて作製されたディスプレイ
の輝度Lと、原料の蛍光体粉末を用いて作製されたディ
スプレイの輝度L0との比である。表1から明らかにな
るように、本発明の蛍光体材料を用いて作製されたディ
スプレイは高い輝度を示している。 【0042】 【表1】 【0043】 【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、低
速電子線励起ディスプレイ装置に適用した場合に、蛍光
面のチャージアップを効果的に防ぐことができる蛍光体
材料を提供することができる。また、このような蛍光体
材料を簡便に製造できる方法を提供することができる。
さらに、上述の蛍光体材料からなる蛍光体層を有し、良
好な表示特性を示すディスプレイ装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の蛍光体材料を製造するための熱プラズ
マ装置の構成図。 【図2】本発明に係わるフィールドエミッションディス
プレイの傾斜図とその一部を示す拡大図。 【符号の説明】 20…熱プラズマチャンバー 21…ガス供給口 22…シリンダー 23…高周波コイル 24…プラズマフレーム 25…導電性材料の供給ノズル 26…蛍光体粒子の供給ノズル 1…ガラス基板 2…陽極 3…蛍光体層 4…ゲート電極 5…絶縁層 6…陰極6 7…導体パターン 8…ガラス基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アルベサー ル 恵子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平7−292354(JP,A) 特開 平8−293275(JP,A) 特開 平3−234789(JP,A) 特開 平6−96670(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 11/00 - 11/89 H01J 29/20 H01J 31/12 H01J 31/15

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】熱プラズマを発生させる工程と、前記熱プ
    ラズマ中に導電性材料を供給して気化させる工程と、
    熱プラズマ中に蛍光体粒子を供給し、その表面に前記
    導電性材料を付着させる工程と、前記導電性材料が付着
    した前記蛍光体粒子を冷却する工程とを有することを特
    徴とする蛍光体材料の製造方法。
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