JP2001226670A - 表示装置用蛍光体およびそれを用いた発光素子 - Google Patents

表示装置用蛍光体およびそれを用いた発光素子

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JP2001226670A
JP2001226670A JP2000035202A JP2000035202A JP2001226670A JP 2001226670 A JP2001226670 A JP 2001226670A JP 2000035202 A JP2000035202 A JP 2000035202A JP 2000035202 A JP2000035202 A JP 2000035202A JP 2001226670 A JP2001226670 A JP 2001226670A
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film
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luminance
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Futoshi Yoshimura
太志 吉村
Nobuyuki Yokozawa
信幸 横沢
Masahiko Yamakawa
昌彦 山川
Masahito Sawada
雅人 澤田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示装置用蛍光体の寿命特性あるいは膜品位
を向上させ、それを用いた発光素子の高品質化、高性能
化を図る。 【解決手段】 表示装置用蛍光体粒子の表面に表面被覆
率が70%以上の実質的に透明な保護膜を被覆する。ま
た、そのような表示装置用蛍光体を用いて発光素子を構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示装置用蛍光
体、およびそれを用いた発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、キセノン(Xe)、ヘリウム(H
e)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)などの希ガス
放電から放射される波長147nm、172nmなどの短波長の真
空紫外線を蛍光体の励起源とする発光素子の開発、実用
化が進められている。このような発光素子を用いる代表
的な例が、最近OA機器や情報端末などの表示デバイス
としてだけでなく、大型の平板型テレビの表示デバイス
などとしても期待が高まっているプラズマディスプレイ
パネル(PDP)である。
【0003】すなわち、このPDPは、表示セルと称す
る発光素子を平板状に並べた構造を有する。表示セル内
にはNe−Xe、He−Xe、Ar−Xeなどの混合希
ガスが封入されており、この表示セルに電圧を印加する
ことにより希ガスが放電し、それによって発生する真空
紫外線が表示セル内面に塗布された蛍光体を励起して可
視光を発光させる。そして、赤色、緑色、青色にそれぞ
れ発光する蛍光体を各表示セルに塗り別けることにより
フルカラー表示が可能となる。
【0004】これまで、このようなPDPに使用する蛍
光体には、青色発光蛍光体としてBaMgAl1017
Eu2+蛍光体が、緑色発光蛍光体としてZn2SiO4
Mn 2+蛍光体が、赤色発光蛍光体として(Y,Gd)B
3 :Eu3+蛍光体が一般に使用されており、その他、
緑色発光蛍光体としてBaAl1219:Mn蛍光体やB
aMgAl1423:Mn蛍光体なども用いられている。
【0005】しかしながら、これらの蛍光体は、発光効
率や寿命特性の点で未だ不十分で、特に寿命特性の向上
は、PDPの特性を向上させる上で重要な課題となって
いる。
【0006】また、近年、数百Vから数kVの低速電子線
を蛍光体の励起源とする発光素子を用いた表示装置が開
発され、従来の陰極線管(CRT)の画質の良さと液晶
パネルの薄型化の両方を実現するものとして注目されて
いる。
【0007】この表示装置は、フラットパネルCRTと
総称され、その代表的なものが、フィールドエミッショ
ンディスプレイ(FED)である。
【0008】すなわち、FEDは、自発光型のディスプ
レイであり、液晶パネルのようなバックライトが不要で
あるため消費電力が少なくてすむ上、視野角が広く応答
速度が速いなどの特長を有している。その基本的な発光
原理は、従来のCRTと同じで、陰極から放出させた電
子を陽極に塗布した蛍光体に衝突させて発光させるが、
従来のCRTが数千kVから数万kVという高電圧によ
って加速された電子(高速電子線)により蛍光体を励起
するのに対して、FEDは数百Vから数kVという低い電
圧で加速された電子(低速電子線)を蛍光体の励起源と
する。
【0009】このため、このようなFEDに使用する蛍
光体には、印加電圧によって、従来のCRT用蛍光体、
例えばZnS:Ag,Al青色発光蛍光体、ZnO:Z
n青白色発光蛍光体、ZnS:Cu,Al緑色発光蛍光
体、Y2 3 S:Eu赤色発光蛍光体などをそのまま用
いるか、あるいは、それらを低速電子線で発光するよう
に改良したものを使用している。
【0010】しかしながら、これらの蛍光体において
も、前述した真空紫外線励起発光蛍光体の場合と同様、
発光効率や寿命特性の点で未だ不十分で、FEDの特性
を向上させる上で、それらの特性改善が大きな課題とな
っている。
【0011】一方、カラーブラウン管に代表される従来
のCRTに用いる蛍光体においては、この種の蛍光体に
要求される特性を満足させるために、蛍光体に表面処理
を施すことで様々な改良開発が行われ、ある程度の成果
を得ている。
【0012】しかしながら、CRTの中でも特に高精細
度化が求められるカラーディスプレイチューブ(CD
T)などにおいて、蛍光体粒子の単粒子化、小粒子化が
進むなど、従来の表面処理方法では、要求特性を必ずし
も満足できなくなってきており、さらなる特性の向上、
特に蛍光膜の膜品位の向上が求められている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、蛍光
体はこれを発光させる励起源に応じて様々な開発改良が
行われてきた。しかしながら、高度情報化社会が進展す
るなか、PDPなどの各種デバイスの高性能化の要求が
一段と高まっており、それにともない、それに用いる蛍
光体にも特性の向上が強く求められている。なかでも、
真空紫外線励起発光蛍光体や低速電子線用蛍光体におい
ては、寿命特性の向上が要求され、また、高速電子線励
起発光蛍光体においては、蛍光膜の膜品位の向上が求め
られている。
【0014】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、PDPなどに有用な寿命特性の向上し
た真空紫外線励起発光蛍光体およびそのような蛍光体を
用いた発光素子を提供することを目的としている。ま
た、本発明は、FEDなどに有用な寿命特性の向上した
低速電子線励起発光蛍光体およびそのような蛍光体を用
いた発光素子を提供することを目的としている。さら
に、本発明は、品位の高い膜品位が得られる高速電子線
励起発光蛍光体およびそのような蛍光体を用いた発光素
子を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の表示装置用蛍光
体は、請求項1に記載したように、表示装置用蛍光体粒
子と、前記蛍光体粒子の表面に被覆された実質的に透明
な保護膜とを有する蛍光体において、前記保護膜の表面
被覆率が70%以上であることを特徴としている。
【0016】本発明の蛍光体において、蛍光体粒子の好
ましい例としては、請求項2乃至4に記載したように、
真空紫外線励起発光蛍光体粒子、低速電子線励起発光蛍
光体粒子および高速電子線励起発光蛍光体粒子が挙げら
れる。
【0017】また、本発明の蛍光体において、蛍光体粒
子の表面に被覆される保護膜は、請求項5に記載したよ
うに、金属酸化物からなることが好ましく、さらには、
請求項6に記載したように、化学気相成長法により形成
された金属酸化物からなることが好ましい。金属酸化物
としては、請求項7に記載したように、酸化アルミニウ
ム、酸化ケイ素および酸化チタンの群から選ばれる少な
くとも1種が例示され、その被覆量は、請求項8に記載
したように、蛍光体粒子に対して0.01重量%〜5重量%
であることが望ましい。
【0018】本発明の発光素子は、請求項9に記載した
ように、上記した本発明の表示装置用蛍光体を具備する
ことを特徴としている。
【0019】本発明の表示装置用蛍光体においては、蛍
光体粒子の表面に表面被覆率が70%以上の実質的に透明
な保護膜を形成しており、これによってその特性を向上
させることができる。すなわち、例えば、表面被覆率が
70%以上の実質的に透明な保護膜を真空紫外線励起発光
蛍光体粒子の表面に形成した場合には、発光効率を実質
的に低下させずに寿命特性を向上させることができる。
また、低速電子線励起発光蛍光体粒子の表面に形成した
場合にも、同様に発光効率を実質的に低下させずに寿命
特性を向上させることができる。さらに、高速電子線励
起発光蛍光体粒子の表面に形成した場合には、蛍光膜の
膜品位を向上させることができる。したがって、これら
を用いることにより、寿命特性あるいは膜品位に優れた
発光素子を提供することができる。
【0020】すなわち、本発明の発光素子は、請求項9
に記載したように、上記した本発明の蛍光体を具備する
ことを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0022】本発明の表示装置用蛍光体は、蛍光体粒子
の表面に、表面被覆率が70%以上で実質的に透明な保護
膜を被覆して構成される。
【0023】蛍光体粒子としては、真空紫外線励起発光
蛍光体粒子、低速電子線励起発光蛍光体粒子、高速電子
線励起発光蛍光体粒子などが挙げられる。具体的には、
真空紫外線励起発光蛍光体粒子として、BaMgAl10
17:Eu2+蛍光体、Zn2SiO4:Mn2+蛍光体、
(Y,Gd)BO3 :Eu3+蛍光体、Y23:Eu3+蛍光
体、LaPO4:Ce3+,Tb3+蛍光体などの蛍光体粒
子、低速電子線励起発光蛍光体粒子として、ZnS:A
g,Al蛍光体、ZnS:Cu,Al蛍光体、Y2
2 S:Eu蛍光体などの蛍光体粒子、高速電子線励起発
光蛍光体粒子として、ZnS:Ag,Al蛍光体、Zn
S:Cu,Al蛍光体、Y22 S:Eu蛍光体などの蛍
光体粒子が例示されるが、特にこのような例に限定され
るものではない。
【0024】また、上述したような蛍光体粒子の表面に
被覆される保護膜としては、金属酸化物からなる被膜が
挙げられる。金属酸化物の種類は特に限定されるもので
はないが、保護効果や光透過性などの点から、酸化アル
ミニウム(AlOx)、酸化ケイ素(SiOx)、酸化チ
タン(TiOx)の群から選ばれる少なくとも1種を用い
ることが好ましい。
【0025】なお、本発明においては、保護膜を、窒化
珪素(SiNx)などの非酸化物からなる被膜で構成す
ることも可能である。
【0026】このような金属酸化物などからなる保護膜
を蛍光体粒子の表面に被覆することによって、蛍光体粒
子の劣化が抑制され、あるいは、それを用いて形成され
る蛍光膜の品位を向上させることができる。
【0027】すなわち、例えば、真空紫外線励起蛍光体
粒子の表面に上記保護膜を被覆した蛍光体では、蛍光体
の励起源である真空紫外線による蛍光体粒子に対するイ
オン衝撃が保護膜によって防止されるため、その劣化が
防止され、寿命特性が向上する。また、低速電子線励起
発光蛍光体粒子の表面に上記保護膜を被覆した蛍光体に
おいても、同様に、保護膜によって、低速電子線による
蛍光体粒子の劣化が防止され、寿命特性が向上する。さ
らに、高速電子線励起発光蛍光体粒子の表面に上記保護
膜を被覆した蛍光体においては、緻密で、混色が少な
く、かつ、付着性に優れた蛍光膜の形成が可能となる。
【0028】なお、本発明においては、保護膜の表面被
覆率を70%以上としているが、これは、表面被覆率が70
%未満になると、上述したような効果が十分に得られな
いからである。表面被覆率は、90%以上であるとさらに
好ましい。
【0029】また、上記金属酸化物などによる被覆量
は、蛍光体粒子に対して0.01重量%〜5重量%の範囲で
あることが好ましい。この被覆量が0.01重量%未満で
は、保護膜の膜厚が薄くなりすぎて、上記したような特
性改善効果が十分に得られないおそれがある。また、逆
に5重量%を超えると、反射や屈折などにより発光輝度
が低下するおそれがある。また、蛍光体スラリーを調製
した場合、蛍光体の凝集が強くなり、蛍光膜の品位がか
えって低下するとともに、蛍光体塗布面の周辺部、例え
ばパネル側壁部などに蛍光体残渣が残りやすくなるおそ
れがある。被覆量は、0.1重量%〜3.0重量%の範囲であ
るとさらに好ましい。
【0030】上記のような保護膜は、化学気相成長法
(CVD法)を適用して例えば次のようにして形成する
ことができる。
【0031】すなわち、予め蛍光体粒子の流動層を形成
しておいたCVD装置の反応容器内に、窒素ガスなどの
不活性ガス中で気化させた金属アルコキシド、例えばテ
トラエトキシシラン(Si(OC254)の蒸気を、
不活性ガスとともに供給し、金属アルコキシドを熱分解
させて、蛍光体粒子の表面に酸化ケイ素などの金属酸化
物を形成させるようにすればよい。なお、表面被覆率を
70%以上とする上で、このような気相成長時の温度およ
び時間の各条件は、それぞれ300℃〜500℃および2時間
〜3時間の範囲とすることが好ましい。
【0032】本発明の発光素子は、上述したような本発
明の表示装置用蛍光体を具備するものである。具体的に
は、例えば、真空紫外線励起発光蛍光体粒子を用いた本
発明の蛍光体を含む蛍光体層および電極を設けた2枚の
ガラス基板を、蛍光体層および電極を内側にして所定の
間隙を設けて積層するとともに、それらの間隙にNe−
Xe、He−Xe、Ar−Xeなどの真空紫外線領域に
放射スペクトルを有するガスを封入し、この封入したガ
スを放電させることによって発生する真空紫外線によっ
て蛍光体が励起され可視光を発光するように構成された
PDP用発光素子が挙げられる。
【0033】また、図1に模式的に示すような、一方の
面に透明電極(陽極)11を形成し、さらにその上に、
低速電子線励起発光蛍光体粒子を用いた本発明の蛍光体
を含む蛍光体層12を設けたガラス基板13と、上面に
電子源となる多数の微細な電極(陰極)14を設けたガ
ラス基板15とを、電極形成面を内側にして所定の間隔
をおいて対向配置し、電子源の微細な電極(陰極)14
から数百Vから数kV程度の電子線を照射して蛍光体を励
起し可視光を発光するように構成されたFED用発光素
子が挙げられる。なお、図1において、16は、ゲート
電極を示している。
【0034】さらには、図2に模式的に示すような、外
囲器21を構成するガラスパネル22の内面に、高速電
子線励起発光蛍光体粒子を用いた本発明の蛍光体により
形成されたストライプ状またはドット状の蛍光膜を含む
蛍光面23を設け、この蛍光面23に電子銃24より数
千kVから数万kV程度の電子線を照射して蛍光体を励起し
可視光を発光するように構成されたCRTが挙げられ
る。なお、図2において、25は、ガラスパネル22と
一体に接合されたファンネル、26は、蛍光面23に対
向して設けられた多数の電子線通過孔を有するシャドウ
マスク、27は、シャドウマスク26を保持する保持手
段、28は、ファンネル25の側壁に設けられた陽極端
子、29は、ファンネル25の内面に設けられた内部薄
電膜である。
【0035】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例およびその評
価結果について述べる。
【0036】実施例1 BaMgAl1017:Eu2+蛍光体の流動層を形成させ
た反応容器に、テトラエトキシシラン(Si(OC
254)の蒸気を窒素ガスとともに供給し、反応容器
を500℃で2時間加熱して、本発明の蛍光体を得た。
【0037】得られた蛍光体をX線光電子分光法(XP
S)で分析したところ、BaMgAl1017:Eu2+
光体の粒子表面に、被覆量2.0重量%、表面被覆率80%
の二酸化珪素(SiO2)からなる被膜が形成されてい
ることが判った。
【0038】次に、上記蛍光体をPDP用ガラス基板上
に厚膜印刷し、500℃で15分間焼成して蛍光体層を形成
した。さらに、このように蛍光体層を形成した基板を用
いて常法によりPDP用発光素子を作製した。なお、発
光素子内にはHe−Xe(Xe濃度10%)の混合ガスを
300Torrの圧力となるように封入した。また、本発明の
比較例として、被膜形成前の上記BaMgAl1017
Eu2+蛍光体を用いて、同様にPDP用発光素子を作製
した(比較例1)。
【0039】これらの発光素子をそれぞれ動作させ、発
光輝度の経時変化を調べるとともに、初期輝度L1およ
び1000時間動作後の輝度L2から輝度維持比L2/L1を
算出した。結果は、図3および表1に示した通りで、初
期輝度は比較例1を100としたとき実施例1が99.8とほ
ぼ同等であったが、輝度維持比は、比較例1が0.75であ
ったのに対し、実施例1では0.95と輝度の経時劣化が少
なくなっており、寿命特性の大幅な改善が認められた。
【0040】実施例2〜6 被膜形成材料や形成条件を変えた以外は実施例1と同様
にして、表1に示すような被膜を有する本発明の蛍光体
を得た。なお、酸化アルミニウム(Al23)および二
酸化チタン(TiO2)からなる被膜は、テトラエトキ
シシランに代えてアルミニウムエトキシド(Al(OC
253)およびテトラエトキシシチタン(Ti(OC2
54)をそれぞれ使用して形成されたものである。ま
た、蛍光体被膜の分析はいずれも実施例1と同様、XP
Sによるものである。
【0041】このようにして得られた各蛍光体を用いて
実施例1と同様にしてPDP用発光素子を作製し、それ
ぞれについて、初期輝度L1および1000時間動作後の輝
度L2を測定するとともに、輝度維持比L2/L1を算出
した。結果は、表1に示した通りで、初期輝度は比較例
1のものとほぼ同等であったが、輝度維持比はいずれも
比較例1のものより高くなっており、実施例1と同様、寿
命特性の大幅な改善が認められた。
【0042】
【表1】
【0043】実施例7 Zn2SiO4:Mn2+蛍光体の流動層を形成させた反応
容器に、アルミニウムエトキシド(Al(OC
253)の蒸気を窒素ガスとともに供給し、反応容器
を400℃で2時間加熱して、本発明の蛍光体を得た。
【0044】得られた蛍光体をXPSで分析したとこ
ろ、Zn2SiO4:Mn2+蛍光体の粒子表面に、被覆量
1.0重量%、表面被覆率75%の酸化アルミニウム(Al2
3)からなる被膜が形成されていることが判った。
【0045】次に、上記蛍光体を用いて実施例1と同様
にしてPDP用発光素子を作製した。また、本発明の比
較例として、被膜形成前の上記Zn2SiO4:Mn2+
光体を用いて、同様にPDP用発光素子を作製した(比
較例2)。
【0046】これらの発光素子をそれぞれ動作させ、初
期輝度L1および1000時間動作後の輝度L2を測定する
とともに、輝度維持比L2/L1を算出した。結果は、表
2に示した通りで、初期輝度は比較例2を100としたと
き実施例7が99.8とほぼ同等であったが、輝度維持比
は、比較例2が0.80であったのに対し、実施例7では0.
96と輝度の経時劣化が少なくなっており、寿命特性の大
幅な改善が認められた。
【0047】実施例8〜12 被膜形成材料や形成条件を変えた以外は実施例7と同様
にして、表2に示すような被膜を有する本発明の蛍光体
を得た。なお、二酸化珪素(SiO)および二酸化チ
タン(TiO2)からなる被膜は、アルミニウムエトキ
シドに代えてテトラエトキシシランおよびトリエトキシ
シチタンをそれぞれ使用して形成されたものである。ま
た、蛍光体被膜の分析はいずれも実施例7と同様、XP
Sによるものである。
【0048】このようにして得られた各蛍光体を用いて
実施例7と同様にしてPDP用発光素子を作製し、それ
ぞれについて、初期輝度L1および1000時間動作後の輝
度L2を測定するとともに、輝度維持比L2/L1を算出
した。結果は、表2に示した通りで、初期輝度は比較例
2のものとほぼ同等であったが、輝度維持比はいずれも
比較例2のものより高くなっており、実施例7と同様、
寿命特性の大幅な改善が認められた。
【0049】
【表2】
【0050】実施例13 (Y,Gd)BO3 :Eu3+蛍光体の流動層を形成させ
た反応容器に、テトラエトキシチタンの蒸気を窒素ガス
とともに供給し、反応容器を300℃で2時間加熱して、本
発明の蛍光体を得た。
【0051】得られた蛍光体をXPSで分析したとこ
ろ、(Y,Gd)BO3 :Eu3+蛍光体の粒子表面に、
被覆量0.5重量%、表面被覆率80%の二酸化チタン(T
iO2)からなる被膜が形成されていることが判った。
【0052】次に、上記蛍光体を用いて実施例と同様に
してPDP用発光素子を作製した。また、本発明の比較
例として、被膜形成前の上記(Y,Gd)BO3 :Eu
3+蛍光体を用いて、同様にPDP用発光素子を作製した
(比較例3)。
【0053】これらの発光素子をそれぞれ動作させ、初
期輝度L1および1000時間動作後の輝度L2を測定する
とともに、輝度維持比L2/L1を算出した。結果は、表
3に示した通りで、初期輝度は比較例3を100としたと
き実施例13も100と同等であったものの、輝度維持比
は、比較例3が0.78であったのに対し、実施例13では
0.94と輝度の経時劣化が少なくなっており、寿命特性の
大幅な改善が認められた。
【0054】実施例14〜18 被膜形成材料や形成条件を変えた以外は実施例13と同
様にして、表3に示すような被膜を有する本発明の蛍光
体を得た。なお、二酸化珪素(SiO)および酸化ア
ルミニウム(Al23)からなる被膜は、テトラエトキ
シシチタンに代えてテトラエトキシシランおよびアルミ
ニウムエトキシドをそれぞれ使用して形成されたもので
ある。また、蛍光体被膜の分析はいずれも実施例13と
同様、XPSによるものである。
【0055】このようにして得られた各蛍光体を用いて
実施例13と同様にしてPDP用発光素子を作製し、そ
れぞれについて、初期輝度L1および1000時間動作後の
輝度L2を測定するとともに、輝度維持比L2/L1を算
出した。結果は、表3に示した通りで、初期輝度は比較
例3のものとほぼ同等であったが、輝度維持比はいずれ
も比較例3のものより高くなっており、実施例13と同
様、寿命特性の大幅な改善が認められた。
【0056】
【表3】
【0057】実施例19 ZnS:Ag,Al蛍光体の流動層を形成させた反応容
器に、テトラエトキシシランの蒸気を窒素ガスとともに
供給し、反応容器を500℃で3時間加熱して、本発明の蛍
光体を得た。
【0058】得られた蛍光体をXPSで分析したとこ
ろ、ZnS:Ag,Al蛍光体の粒子表面に、被覆量4.
0重量%、表面被覆率90%の二酸化珪素(SiO2)から
なる被膜が形成されていることが判った。
【0059】次に、上記蛍光体を陽極(透明電極)を備
えたガラス基板の陽極面上に常法により印刷し、蛍光膜
を形成した。さらに、このように蛍光膜を形成したガラ
ス基板上に、陰極(透明電極)を備えたガラス基板を、
電極面を対向させるとともに電極間距離が500μmとな
るように積層し、間隙内部が10-7Torrの真空度を保持す
るように周囲を気密に封止して、FED用発光素子を作
製した。また、本発明の比較例として、被膜形成前の上
記ZnS:Ag,Al蛍光体を用いて、同様にFED用
発光素子を作製した(比較例4)。
【0060】これらの発光素子の各電極間に約5kVの電
圧を印加して発光させ、発光輝度の経時変化を調べると
ともに、初期輝度L1および1000時間動作後の輝度L2
から輝度維持比L2/L1を算出した。結果は、図4およ
び表4に示した通りで、初期輝度は比較例4を100とし
たとき実施例19が99.8とほぼ同程度であったが、輝度
維持比は、比較例4が0.86であったのに対し、実施例1
9では0.94と輝度の経時劣化が少なくなっており、寿命
特性の大幅な改善が認められた。
【0061】実施例20〜24 被膜形成材料や形成条件を変えた以外は実施例19と同
様にして、表4に示すような被膜を有する本発明の蛍光
体を得た。なお、酸化アルミニウム(Al23)および
二酸化チタン(TiO2)からなる被膜は、テトラエト
キシシランに代えてアルミニウムエトキシドおよびテト
ラエトキシシチタンをそれぞれ使用して形成されたもの
である。また、蛍光体被膜の分析はいずれも実施例19
と同様、XPSによるものである。
【0062】このようにして得られた各蛍光体を用いて
実施例19と同様にしてFED用発光素子を作製し、そ
れぞれについて、初期輝度L1および1000時間動作後の
輝度L2を測定するとともに、輝度維持比L2/L1を算
出した。結果は、表4に示した通りで、初期輝度は比較
例4のものとほぼ同等であったが、輝度維持比はいずれ
も比較例4のものより高くなっており、実施例19と同
様、寿命特性の大幅な改善が認められた。
【0063】
【表4】
【0064】実施例25 ZnS:Cu,Al蛍光体の流動層を形成させた反応容
器に、アルミニウムエトキシドの蒸気を窒素ガスととも
に供給し、反応容器を500℃で2時間加熱して、本発明の
蛍光体を得た。
【0065】得られた蛍光体をXPSで分析したとこ
ろ、ZnS:Cu,Al蛍光体の粒子表面に、被覆量3.
0重量%、表面被覆率90%の酸化アルミニウム(Al2
3)からなる被膜が形成されていることが判った。
【0066】次に、上記蛍光体を用いて実施例19と同
様にしてFED用発光素子を作製した。また、本発明の
比較例として、被膜形成前の上記ZnS:Cu,Al蛍
光体を用いて、同様にFED用発光素子を作製した(比
較例5)。
【0067】これらの発光素子の各電極間に約5kVの電
圧を印加して発光させ、初期輝度L1および1000時間動
作後の輝度L2を測定するとともに、輝度維持比L2/L
1を算出した。結果は、表5に示した通りで、初期輝度
は比較例5を100としたとき実施例25が99.8とほぼ同
程度であったが、輝度維持比は、比較例5が0.80であっ
たのに対し、実施例25では0.96と輝度の経時劣化が
少なくなっており、寿命特性の大幅な改善が認められ
た。
【0068】実施例26〜30 被膜形成材料や形成条件を変えた以外は実施例25と同
様にして、表5に示すような被膜を有する本発明の蛍光
体を得た。なお、二酸化珪素(SiO)および二酸化
チタン(TiO2)からなる被膜は、アルミニウムエト
キシドに代えてテトラエトキシシランおよびテトラエト
キシチタンをそれぞれ使用して形成されたものである。
また、蛍光体被膜の分析はいずれも実施例25と同様、
XPSによるものである。
【0069】このようにして得られた各蛍光体を用いて
実施例19と同様にしてFED用発光素子を作製し、そ
れぞれについて、初期輝度L1および1000時間動作後の
輝度L2を測定するとともに、輝度維持比L2/L1を算
出した。結果は、表5に示した通りで、初期輝度は比較
例5のものとほぼ同等であったが、輝度維持比はいずれ
も比較例5のものより高くなっており、実施例25と同
様、寿命特性の大幅な改善が認められた。
【0070】
【表5】
【0071】実施例31 Y22 S:Eu蛍光体の流動層を形成させた反応容器
に、テトラエトキシチタンの蒸気を窒素ガスとともに供
給し、反応容器を300℃で2時間加熱して、本発明の蛍光
体を得た。
【0072】得られた蛍光体をXPSで分析したとこ
ろ、Y22 S:Eu蛍光体の粒子表面に、被覆量0.5重
量%、表面被覆率75%の二酸化チタン(TiO2)から
なる被膜が形成されていることが判った。
【0073】次に、上記蛍光体を用いて実施例19と同
様にしてFED用発光素子を作製した。また、本発明の
比較例として、被膜形成前の上記Y22 S:Eu蛍光体
を用いて、同様にFED用発光素子を作製した(比較例
6)。
【0074】これらの発光素子の各電極間に約5kVの電
圧を印加して発光させ、初期輝度L1および1000時間動
作後の輝度L2を測定するとともに、輝度維持比L2/L
1を算出した。結果は、表6に示した通りで、初期輝度
は比較例6を100としたとき実施例31も100とほぼ同程
度であったが、輝度維持比は、比較例6が0.83であった
のに対し、実施例31では0.97と輝度の経時劣化が少な
くなっており、寿命特性の大幅な改善が認められた。
【0075】実施例32〜36 被膜形成材料や形成条件を変えた以外は実施例31と同
様にして、表6に示すような被膜を有する本発明の蛍光
体を得た。なお、二酸化珪素(SiO)および酸化ア
ルミニウム(Al23)からなる被膜は、テトラエトキ
シシチタンに代えてテトラエトキシシランおよびアルミ
ニウムエトキシドをそれぞれ使用して形成されたもので
ある。また、蛍光体被膜の分析はいずれも実施例31と
同様、XPSによるものである。
【0076】このようにして得られた各蛍光体を用いて
実施例19と同様にしてFED用発光素子を作製し、そ
れぞれについて、初期輝度L1および1000時間動作後の
輝度L2を測定するとともに、輝度維持比L2/L1を算
出した。結果は、表6に示した通りで、初期輝度は比較
例6のものとほぼ同等であったが、輝度維持比はいずれ
も比較例6のものより高くなっており、実施例31と同
様、寿命特性の大幅な改善が認められた。
【0077】
【表6】
【0078】実施例37 ZnS:Ag,Al蛍光体の流動層を形成させた反応容
器に、テトラエトキシシランの蒸気を窒素ガスとともに
供給し、反応容器を400℃で3時間加熱して、本発明の蛍
光体を得た。
【0079】得られた蛍光体をXPSで分析したとこ
ろ、ZnS:Ag,Al蛍光体の粒子表面に、被覆量3.
0重量%、表面被覆率90%の二酸化珪素(SiO2)から
なる被膜が形成されていることが判った。
【0080】次に、上記蛍光体を用いて常法により蛍光
体スラリーを調製し、CRT用ガラスパネル上に塗布し
て、蛍光膜を形成した。また、本発明の比較例として、
被膜形成前の上記ZnS:Ag,Al蛍光体を用いて、
同様に蛍光体スラリーを調製し、CRT用ガラスパネル
上に塗布して、蛍光膜を形成した(比較例7)。
【0081】本実施例により得られた蛍光体は、被膜が
形成されていない比較例7の蛍光体と比較して流動性が
高く、かつ、蛍光体スラリー中での分散性も良好であっ
た。
【0082】また、形成された各蛍光膜の品位を、緻密
性、混色性、付着性により評価したが、本実施例による
蛍光膜が比較例7による蛍光膜に比べ優れた品位を有し
ていることが確認された。
【0083】すなわち、まず、上記蛍光膜を光学顕微鏡
で観察し、使用可能なレベルを5点とする10点法により
緻密性を評価した。この点数が高いほど緻密性に優れて
いることを示している。次に、蛍光膜に紫外線を照射し
て発光させ、その発光した蛍光膜を光学顕微鏡(倍率50
倍)で観察し、一定面積において評価対象の蛍光体が他
の発光色の蛍光膜上に付着している粒子の数を調べ、そ
の粒子数により混色性を評価した。この粒子数が多いほ
ど混色性が高いことを示している。なお、観察は4個所
で行い、その平均値を評価値とした。さらに、付着性に
ついては、上記とは別にストライプ幅が通常より狭い80
μmとなるように露光現像して残ったパネル有効面中の
蛍光膜の面積の設計値に対する比率(%)を求め、その
値により評価した。この値が大きいほど付着性が高いこ
とを示している。これは、ストライプ幅が狭い蛍光膜は
付着力が小さいと現像によって脱落してしまうからであ
る。
【0084】結果は、表7に示した通りで、緻密性は、
比較例7の5点に対し、実施例37では8点、また、混色
性は、比較例7の10個に対し、実施例37では2個、さ
らに、付着性は、比較例7の40%に対し、実施例37で
は70%となっており、本実施例による蛍光膜が、比較例
7による蛍光膜に比べ、品位に優れていることが確認さ
れた。
【0085】実施例38〜42 被膜形成材料や形成条件を変えた以外は実施例37と同
様にして、表7に示すような被膜を有する本発明の蛍光
体を得た。なお、酸化アルミニウム(Al23)および
二酸化チタン(TiO2)からなる被膜は、テトラエト
キシシランに代えてアルミニウムエトキシドおよびテト
ラエトキシチタンそれぞれ使用して形成されたもので
ある。また、蛍光体被膜の分析はいずれも実施例37と
同様、XPSによるものである。
【0086】このようにして得られた各蛍光体を用いて
実施例37と同様にしてCRT用ガラスパネル上に蛍光
膜を形成した。各蛍光体は、いずれも、被膜が形成され
ていない比較例7の蛍光体と比較して流動性が高く、か
つ、蛍光体スラリー中での分散性も良好であった。ま
た、実施例37と同様にして、形成された各蛍光膜の品
位を評価した。結果は、表7に示した通りで、緻密性、
混色性、付着性のいずれにおいても、各実施例の評価は
比較例7のものより高くなっており、膜品位に優れてい
ることが確認された。
【0087】
【表7】
【0088】実施例43 ZnS:Ag,Al蛍光体の流動層を形成させた反応容
器にアルミニウムエトキシドの蒸気を窒素ガスとともに
供給し、反応容器を400℃で2時間加熱して、本発明の蛍
光体を得た。
【0089】得られた蛍光体をXPSで分析したとこ
ろ、ZnS:Ag,Al蛍光体の粒子表面に、被覆量1.
0重量%、表面被覆率80%の酸化アルミニウム(Al2
3)からなる被膜が形成されていることが判った。
【0090】次に、上記蛍光体を用いて実施例37と同
様にして蛍光体スラリーを調製し、CRT用ガラスパネ
ル上に塗布して、蛍光膜を形成した。また、本発明の比
較例として、被膜形成前の上記ZnS:Cu,Al蛍光
体を用いて、同様に蛍光体スラリーを調製し、CRT用
ガラスパネル上に塗布して、蛍光膜を形成した(比較例
8)。
【0091】本実施例の蛍光体は、いずれも、被膜が形
成されていない比較例8の蛍光体と比較して流動性が高
く、かつ、蛍光体スラリー中での分散性も良好であっ
た。また、実施例37と同様にして、形成された各蛍光
膜の品位を、緻密性、混色性、付着性により評価した。
結果は、表8に示した通りで、緻密性は、比較例8の5
点に対し、実施例43では7点、また、混色性は、比較
例8の13個に対し、実施例43では3個、さらに、付着
性は、比較例8の45%に対し、実施例43では65%とな
っており、本実施例による蛍光膜が比較例8による蛍光
膜に比べ優れた品位を有していることが確認された。
【0092】実施例44〜48 被膜形成材料や形成条件を変えた以外は実施例43と同
様にして、表8に示すような被膜を有する本発明の蛍光
体を得た。なお、二酸化珪素(SiO)および二酸化
チタン(TiO2)からなる被膜は、アルミニウムエト
キシドに代えてテトラエトキシシランおよびテトラエト
キシチタンをそれぞれ使用して形成されたものである。
また、蛍光体被膜の分析はいずれも実施例43と同様、
XPSによるものである。
【0093】このようにして得られた各蛍光体を用いて
実施例37と同様にしてCRT用ガラスパネル上に蛍光
膜を形成した。各蛍光体は、いずれも、被膜が形成され
ていない比較例8の蛍光体と比較して流動性が高く、か
つ、蛍光体スラリー中での分散性も良好であった。ま
た、実施例37と同様にして、形成された各蛍光膜の品
位を評価した。結果は、表8に示した通りで、緻密性、
混色性、付着性のいずれにおいても、各実施例の評価は
比較例8のものより高くなっており、膜品位に優れてい
ることが確認された。
【0094】
【表8】
【0095】実施例49 Y22 S:Eu蛍光体の流動層を形成させた反応容器
に、テトラエトキシチタンの蒸気を窒素ガスとともに供
給し、反応容器を300℃で2時間加熱して、本発明の蛍光
体を得た。
【0096】得られた蛍光体をXPSで分析したとこ
ろ、Y22 S:Eu蛍光体の粒子表面に、被覆量.0.5重
量%、表面被覆率75%の二酸化チタン(TiO2)から
なる被膜が形成されていることが判った。
【0097】次に、上記蛍光体を用いて実施例37と同
様にして蛍光体スラリーを調製し、CRT用ガラスパネ
ル上に塗布して、蛍光膜を形成した。また、本発明の比
較例として、被膜形成前の上記Y22 S:Eu蛍光体を
用いて、同様に蛍光体スラリーを調製し、CRT用ガラ
スパネル上に塗布して、蛍光膜を形成した(比較例
9)。
【0098】本実施例の蛍光体は、いずれも、被膜が形
成されていない比較例9の蛍光体と比較して流動性が高
く、かつ、蛍光体スラリー中での分散性も良好であっ
た。また、実施例37と同様にして、形成された各蛍光
膜の品位を、緻密性、混色性、付着性により評価した。
結果は、表9に示した通りで、緻密性は、比較例9の5
点に対し、実施例49では8点、また、混色性は、比較
例9の15個に対し、実施例49では4個、さらに、付着
性は、比較例9の40%に対し、実施例49では70%とな
っており、本実施例による蛍光膜が比較例9による蛍光
膜に比べ優れた品位を有していることが確認された。
【0099】実施例50〜54 被膜形成材料や形成条件を変えた以外は実施例49と同
様にして、表9に示すような被膜を有する本発明の蛍光
体を得た。なお、二酸化珪素(SiO)および酸化ア
ルミニウム(Al23)からなる被膜は、テトラエトキ
シシチタンに代えてテトラエトキシシランおよびアルミ
ニウムエトキシドをそれぞれ使用して形成されたもので
ある。また、蛍光体被膜の分析はいずれも実施例49と
同様、XPSによるものである。
【0100】このようにして得られた各蛍光体を用いて
実施例37と同様にしてCRT用ガラスパネル上に蛍光
膜を形成した。各蛍光体は、いずれも、被膜が形成され
ていない比較例9の蛍光体と比較して流動性が高く、か
つ、蛍光体スラリー中での分散性も良好であった。ま
た、実施例37と同様にして、形成された各蛍光膜の品
位を評価した。結果は、表9に示した通りで、緻密性、
混色性、付着性のいずれにおいても、各実施例の評価は
比較例9のものより高くなっており、膜品位に優れてい
ることが確認された。
【0101】
【表9】
【0102】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の表示装置
用蛍光体によれば、表示装置用蛍光体粒子の表面に表面
被覆率が70%以上の実質的に透明な保護膜を被覆するよ
うにしたので、発光効率などを実質的に低下させること
なく、寿命特性あるいはそれを用いた蛍光膜の品位など
を向上させることができる。
【0103】また、本発明の発光素子によれば、そのよ
うな優れた特性を有する表示装置用蛍光体を具備するの
で、これを用いた各種表示装置の寿命特性あるいは表示
特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蛍光体を用いた発光素子の具体例の断
面構造を模式的に示す図。
【図2】本発明の蛍光体を用いた発光素子を他の具体例
の断面構造を模式的に示す図。
【図3】本発明の一実施例およびその比較例の各発光素
子における発光輝度の経時変化を示す図。
【図4】本発明の他の実施例およびその比較例の各発光
素子における発光輝度の経時変化を示す図。
【符号の説明】
11………透明電極(陽極) 12………蛍光体層 13、15………ガラス基板 14………電極(陰
極) 22………ガラスパネル 23………蛍光面 24
………電子銃
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 11/64 CPM C09K 11/64 CPM 11/78 CPK 11/78 CPK 11/84 CPD 11/84 CPD (72)発明者 山川 昌彦 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 澤田 雅人 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33 株式会 社東芝生産技術センター内 Fターム(参考) 4H001 CA01 CA06 CA07 CC04 CC05 XA05 XA08 XA12 XA13 XA14 XA16 XA30 XA39 XA56 XA64 YA13 YA25 YA47 YA63 5C040 GG07 GG08 5G435 AA00 AA14 BB01 BB02 BB06 EE33 HH06 HH12

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表示装置用蛍光体粒子と、前記蛍光体粒
    子の表面に被覆された実質的に透明な保護膜とを有する
    蛍光体において、 前記保護膜の表面被覆率が70%以上であることを特徴と
    する表示装置用蛍光体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の表示装置用蛍光体におい
    て、 前記蛍光体粒子が、真空紫外線励起発光蛍光体粒子であ
    ることを特徴とする表示装置用蛍光体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の表示装置用蛍光体におい
    て、 前記蛍光体粒子が、低速電子線励起発光蛍光体粒子であ
    ることを特徴とする表示装置用蛍光体。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の表示装置用蛍光体におい
    て、 前記蛍光体粒子が、高速電子線励起発光蛍光体粒子であ
    ることを特徴とする表示装置用蛍光体。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項記載の表
    示装置用蛍光体において、 前記保護膜は、金属酸化物からなることを特徴とする表
    示装置用蛍光体。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の表示装置用蛍光体におい
    て、 前記保護膜は、化学気相成長法により形成された金属酸
    化物からなることを特徴とする表示装置用蛍光体。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の表示装置用蛍光体におい
    て、 前記金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化ケイ素およ
    び酸化チタンの群から選ばれる少なくとも1種であるこ
    とを特徴とする表示装置用蛍光体。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の表示装置用蛍光体におい
    て、 前記金属酸化物の被覆量は、前記蛍光体粒子に対して0.
    01重量%〜5重量%であることを特徴とする表示装置用
    蛍光体。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれか1項記載の表
    示装置用蛍光体を具備することを特徴とする発光素子。
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