JP3417699B2 - 導電性無電解めっき粉体 - Google Patents

導電性無電解めっき粉体

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JP3417699B2 JP33734194A JP33734194A JP3417699B2 JP 3417699 B2 JP3417699 B2 JP 3417699B2 JP 33734194 A JP33734194 A JP 33734194A JP 33734194 A JP33734194 A JP 33734194A JP 3417699 B2 JP3417699 B2 JP 3417699B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種のマトリックス材
料に配合した際に優れた分散性ならびに高導電性能を付
与することができる無電解めっき粉体、特にプラスチッ
ク材料に分散配合して電子機器類の微小部位を電気的に
接続する目的に好適な導電性無電解めっき粉体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】導電性を付与したプラスチック材料は、
電子機器やその部品の静電防止、電波吸収あるいは電磁
波シールド等の部材に広く使用されている。プラスチッ
ク材料に導電性を付与する方法としては、従来からマト
リックス樹脂成分に微粉状の導電性フィラーを分散複合
化する手段が主要な技術とされており、導電性フィラー
には例えばCu、Fe、Niの粉末、繊維または箔片な
どの金属系物質、黒鉛粉末、カーボンブラック、炭素繊
維チョップなどの炭素系物質が一般に用いられている。
このほか、着色可能な導電性フィラーとして二酸化チタ
ン顔料の基材面に、酸化第二錫を被覆したもの(特公昭
58−39175 号公報) や酸化第二錫およびアンチモンを被
覆したもの(特開昭56−41603 号公報)が知られてお
り、さらに透明性のある導電性フィラーとして二酸化チ
タン基材の粒子面に特定比率の酸化錫と酸化アンチモン
の被覆層を設けた導電性二酸化チタン粉末(特開昭61−
141616号公報)が提案されている。
【0003】近時、液晶ディスプレーパネルの電極と駆
動用LSIの接続、LSIチップの回路基板への接続、
その他微小ピッチの電極端子間の接続など電子機器類の
微小部位を電気的接続するための導電材料としても導電
性を付与したプラスチック材料が使用されるが、これら
の用途目的には特に高度かつ再現性の良好な導電性能が
要求されている。このため、上記した従来技術による導
電性プラスチック材料では要求特性を十分に満足する導
電性能や分散性が確保できず、対応することができない
問題がある。本出願人は、先に有機質または無機質の基
材表面に無電解めっき法による微細な金属粒子が濃密で
実質的な連続皮膜として沈積形成された無電解めっき粉
末からなる導電性フィラー(特開平1−242782号公報)
を開発したが、該無電解めっき粉末において無電解めっ
き被膜をNi、Ag、Au等にすると、上記のような特
殊な電子機器類用途の厳しい要求を満たす優れた高導電
性能を付与することが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開平1−
242782号公報記載の無電解めっき粉末は無電解め
っき工程中に基材粒子同士が凝集化し、金属めっき層の
膜厚が増すに従って凝集が大きく強固となって分散性を
損ねる難点がある。導電性粉末の分散性はプラスチック
ス材料に混合した際の導電性能に大きな影響を与える関
係で、この分散性後退現象が解消されない限り再現性の
ある高導電性能の付与は期待できない。
【0005】本発明者らは、かかる未解決課題について
鋭意研究を重ねたところ、無電解めっきを施す基材を硬
質の球状カーボン微粒子としてNiまたはNi−Auの
電解めっき皮膜を形成すると、無電解めっき工程中に基
材粒子同士が凝集化するような現象は起こらず、更に表
面が微小凹凸粗面を呈する特定粒径の球状カーボン微粒
子を選択的に使用すると導電性能が一層効果的に向上す
る事実を確認した。
【0006】本発明は前記の知見に基づいて開発された
もので、その目的とするところは、対象マトリックス成
分に対し常に優れた分散性ならびに高導電性能を付与す
ることができる導電性無電解めっき粉体を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による導電性無電解めっき粉体は、骨格がガ
ラス状炭素からなり、表層部に他のカーボン微粒子が一
体に付着して形成された微小凹凸粗面を有する平均粒径
1〜50μm の球状カーボン粒子を基材とし、該基材の
表面に無電解めっき法によりNi被膜あるいはNi−A
uの複層皮膜を形成してなることを構成上の特徴とす
る。
【0008】本発明の第1の要件は、無電解めっき基材
がガラス状炭素を骨格とし、その表層部に微小凹凸粗面
を有する平均粒径1〜100μm の球状カーボン粒子を
選択した点にある。この基材は、球状のガラス状炭素微
粒子の表面に他のカーボン微粒子が一体に付着して表層
部に微小凹凸粗面が形成された特殊性状の球状カーボン
微粒子である。
【0009】上記の基材は、例えば炭化処理によりガラ
ス状炭素に転化する炭化残留率の高い樹脂類の球状粒子
と粒子径10μm 以下のバルクメソフェーズピッチの微
粒子を乾式混合して前記球状粒子面にバルクメソフェー
ズピッチを付着したのち、酸化性雰囲気下で250〜3
50℃の温度域で熱安定処理を施し、ついで非酸化性雰
囲気中で焼成炭化または/および黒鉛化する方法、ある
いは前記と同一樹脂類の球状粒子とカーボンブラック、
黒鉛粉末、コークス粉末等を乾式混合して前記球状粒子
面にこれら炭素質物質を付着したのち、酸化性雰囲気下
で100〜400℃の温度域で熱安定処理を施し、つい
で同様に非酸化性雰囲気中で焼成炭化または/および黒
鉛化する方法によって製造することができる。骨格のガ
ラス状炭素に転化する炭化残留率の高い樹脂としては、
フェノール系樹脂、ナフタレン系樹脂、フラン系樹脂、
ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン
重合体などの1種もしくは2種類以上の混合物が用いら
れる。かかる製造方法によれば、炭化過程で芯材となる
樹脂類の球状粒子が硬質のガラス状炭素に転化して骨格
を形成し、球状粒子面に付着したバルクメソフェーズピ
ッチや炭素質物質が軟質のカーボン微粒子となって骨格
部分の表面に一体に付着して、表層部に微小凹凸粗面と
して形成される。
【0010】このような独特の粒性状を備える基材用の
球状カーボン粒子は、平均粒径が1〜50μm 、好まし
くは10〜30μm 範囲のものが用いられる。平均粒径
が1μm 未満の微粒子を得ることは実質的に不可能であ
り、50μm を越える平均粒径になると比表面積が小さ
くなって導電性を減退させる原因となる。この粒径の調
整は、樹脂類の炭化収縮率を見込んで骨格となる球状微
粒子の粒子径を予め一定範囲に分級しておくことによっ
て容易に行うことができる。
【0011】本発明の第2の要件は、上記基材の表面に
無電解めっき法によりNi被膜またはNi−Auの複層
被膜を形成する点にある。Ni被膜を被覆するのは、こ
のNiめっき層が球状カーボン基材と強固に密着して優
れた導電性被膜となるうえ、Ni−Au複層被膜を形成
する場合に上層のAu被膜との良好な密着性を確保する
中間層として有効に機能するからである。また、Ni−
Auの複層被膜とするのは、Ni単独被膜に比べて一層
導電性を向上させることができるからである。したがっ
て、Ni単層の被膜とするか、Ni−Auの複層被膜と
するかは、使用目的によって適宜に決定すればよい。形
成する無電解めっき層の好ましい膜厚は、Ni被膜が1
0〜200nm、Au被膜が10〜50nmの範囲である。
【0012】本発明に係る導電性無電解めっき粉体は、
骨格がガラス状炭素からなり、表層部が他のカーボン微
粒子による微小凹凸粗面を呈する平均粒径1〜50μm
の球状カーボン粒子を基材とし、該基材の表面にパラジ
ウムイオンを捕捉させたのち、これを還元してパラジウ
ムを基材面に担持させる触媒化処理工程と、触媒化処理
を施した基材の水性スラリーに錯化剤を添加して十分に
分散させ、ついでNi無電解めっき液を少なくとも2液
に分別添加してNi被膜を形成する無電解めっき工程を
施すことによって製造することができる。また、Ni−
Auの複層被膜を形成するには、前記の工程でNi被膜
を形成した基材を対象にAu無電解めっきを施し、Ni
めっき層の上面にAu被膜を被覆する方法が採られる。
【0013】無電解めっき法の具体的手段は、次のよう
にして行われる。まず、基材となる球状カーボン粒子の
表面に触媒捕捉能を付与する改質処理を行う。触媒捕捉
能とは、触媒化処理工程において基材表面がパラジウム
イオンをキレートまたは塩として捕捉しうる機能であ
り、改質化は特開昭61−64882号公報記載の方法
に従って行うことができる。本発明の目的には、アミノ
基置換オルガノシラン系カップリング剤やアミン系硬化
剤により硬化するエポキシ系樹脂を用いて表面処理した
基材の適用が好ましい。
【0014】触媒化処理工程は、改質化により触媒捕捉
能を付与した基材を塩化パラジウムの希薄な酸性水溶液
に十分に分散させて表面上にパラジウムイオンを捕捉さ
せ、ついで捕捉させたパラジウムイオンを還元処理して
基材粒子の表面にパラジウムを担持させる方法で行われ
る。この際、塩化パラジウム水溶液の濃度は、0.05
〜1g/l の範囲とし、還元剤には次亜リン酸ナトリウ
ム、水素化ほう素ナトリウム、水素化ほう素カリウム、
ジメチルアミンボラン、ヒドラジンまたはホルマリンな
どが用いられる。還元剤の添加量は基材の粒径により異
なるが、概ね水溶液に対して0.01〜10g/l の範囲
が適当である。
【0015】無電解めっき工程は、第1段階として触媒
化処理を施した基材粒子を水に十分均一に分散し、分散
濃度が2〜500g/l 、好ましくは5〜300g/l の水
性スラリーを調製する。分散操作には、通常撹拌、高速
撹拌あるいはコロイドミルまたはホモジナイザーのよう
な剪断分散装置を用いて行うことができる。ついで水性
スラリーに錯化剤を添加して十分に分散させる。錯化剤
としては、例えばクエン酸、ヒドロキシ酢酸、酒石酸、
リンゴ酸、乳酸、グルコン酸またはそのアルカリ金属塩
やアンモニウム塩などのカルボン酸(塩)、グリシンな
どのアミノ酸、エチレンジアミン、アルキルアミンなど
のアミン酸、その他のアンモニウム、EDTA、ピロリ
ン酸(塩)など、Niイオンに対し錯化作用のある化合
物の少なくとも1種が用いられる。錯化剤は通常水溶液
の状態で添加されるが、その濃度は1〜100g/l 、好
ましくは5〜50g/l の範囲に設定する。この段階での
好ましい水性スラリーのpHは、4〜14の範囲であ
る。
【0016】このようにして調製した水性スラリーに、
無電解めっき液としてニッケル塩、次亜リン酸ナトリウ
ムおよび水酸化ナトリウムの各水溶液を、少なくとも2
液にしてそれぞれ個別かつ同時に分別添加することによ
り無電解めっき反応を行う。水性スラリーに無電解めっ
き液を添加すると速やかにめっき反応が始まるが、その
添加量を調整することにより形成されるNi被膜を所望
の膜厚に制御することができる。無電解めっき液の添加
終了後、水素ガスの発生が完全に認められなくなってか
ら暫く液温を保持しながら撹拌を継続して反応を完結さ
せる。
【0017】上記の工程によりNi被膜が濃密で連続的
薄膜として形成されるが、さらにその表面に無電解Au
めっき処理を施すことにより、一層導電性能に優れるN
i−Auの複層被膜を形成することができる。Au被膜
の形成は、Ni被膜を形成した基材をEDTA−4N
a、クエン酸−2Naおよびシアン化金カリウムからな
り、水酸化ナトリウム水溶液でpHを弱酸性領域に調整
した加温無電解めっき液に撹拌しながら添加してめっき
処理を施したのち、シアン化金カリウム、EDTA−4
Naおよびクエン酸−2Naの混合水溶液と、水素化ほ
う素カリウム、水酸化ナトリウムの混合水溶液を別個に
添加してめっき反応させる操作によって行われる。
【0018】
【作用】本発明の導電性無電解めっき粉体は、基材とし
て骨格がガラス状炭素で、表層部に他のカーボン微粒子
が一体に付着して形成された微小凹凸粗面を有する平均
粒径1〜50μm の球状カーボン粒子を選択使用し、こ
の基材面に無電解めっき法によってNi単独被膜または
Ni−Auの複層被膜を形成した特有の複合化構造に特
徴づけられる。この複合化構造において、基材骨格を構
成するガラス状炭素は極めて硬質であるため配合時やそ
の他の操作過程で外力の負荷により破粒することはな
く、その表面に微小凹凸粗面として介在するカーボン微
粒子は骨格部分に一体に付着しているから容易に欠落す
ることはない。
【0019】本発明の導電性無電解めっき粉体が優れた
導電性能を発揮するのは、高導電性のNi単独またはN
i−Au複層が被覆された表層部が微小凹凸粗面を呈し
ていて、粒子相互が面接触に近い状態で接触するためと
推測される。そのうえ、微小凹凸粗面のカーボン微粒子
が軟質である関係で、荷重がかかった際に変形して一層
粒子同志の接触面積を高めることも接触抵抗を低下させ
る要因となる。また、分散性が改善される理由は、基材
となるカーボン粒子が本質的に不活性で適度の滑性を有
しており、この材質性状が実質的に球状の粒子形状の良
流動化作用と相俟って、無電解めっき工程中に基材粒子
同士が凝集化する現象を未然に防止するために有効に機
能するためである。このような独特の作用を介して、マ
トリックス材料に対して常に分散性よく配合でき、かつ
高度の導電性能を付与することが可能となる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。
【0021】実施例1〜4 (1) 基材の製造;市販の球状フェノール樹脂と粒径3μ
m 以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ微粉末を十分
均一に乾式混合し、球状フェノール樹脂粒子の表面にバ
ルクメソフェーズ微粉末を均質に付着させた。この粒子
を空気中で280℃の温度で熱安定化処理を施したの
ち、窒素雰囲気に保持された焼成炉で1000℃の温度
により炭化処理して、骨格がガラス状炭素からなり、表
層部にピッチ炭化微粒子が一体に付着して形成された微
小凹凸粗面を有する球状カーボン粒子を得た。該球状カ
ーボン粒子は平均粒径19.0μm 、嵩密度0.8〜
0.9g/cc、真比重1.40〜1.56の性状を有する
ものであった。
【0022】(2) Ni無電解めっき処理;上記に基材粒
子10gを、コンディショナー液〔シプレイ製、“クリ
ーナーコンディショナー231”〕40ml/l水溶液20
0mlに撹拌しながら投入し、引き続き5分間撹拌処理し
て表面改質を行った。水溶液を濾過し、1回リパルプ水
洗した基材粒子を常温の1g/l 塩化第1錫水溶液200
mlに5分間浸漬し、濾過・洗浄して増感処理を施した。
ついで、0.1g/l 塩化パラジウム水溶液および0.1
ml/lの塩酸からなる触媒化液200mlに撹拌しながら投
入し、引き続き5分間撹拌処理してパラジウムイオンを
捕捉させた。水溶液を濾過し、1回リパルプ水洗した基
材粉体を、常温の1g/l 次亜リン酸ナトリウム水溶液に
5分間浸漬して還元処理を施し、基材表面にパラジウム
を担持させた。基材を65℃の温度に加温した表1に示
す各錯化剤水溶液に撹拌しながら添加し、十分に撹拌分
散させて水性スラリーを調製したのち、各水性スラリー
に次亜燐酸ナトリウム3g を投入して撹拌溶解した。
【0023】
【表1】
【0024】次亜燐酸ナトリウムを添加すると、間もな
く水素ガスの発生を伴って発泡し始めるが、暫くして発
泡が治まった時点で表2に示すNi無電解めっき液をa
液とb液に分けて各々80mlを5ml/分の添加速度で撹
拌しながら同時に添加した。
【0025】
【表2】
【0026】Ni無電解めっき液の全量を添加後、水素
の発泡が停止するまで65℃の温度を保持しながら撹拌
を継続した。ついで、めっき液を濾過し、濾過物を3回
リパルプ洗浄したのち、真空乾燥機で100℃で乾燥し
てNi被膜を有する粉末を得た。めっき反応後の濾液は
いずれも無色透明であり、供しためっき液は完全にめっ
き反応に消費されたことが認められた。得られたNi無
電解めっき粒子につき、電子顕微鏡で観察したところ、
いずれも微細なNi金属粒子による均質で平滑な被覆層
を呈する球状粒子であり、めっき皮膜が濃密で実質的な
連続皮膜として形成されていることが確認された。
【0027】(3) Au無電解めっき処理;上記の工程で
得られたNi無電解めっき粒子10.0gを、EDTA
−4Na( 10g/l)、クエン酸−2Na(10g/l) およびシ
アン化金カリウム(3.0g/l,Auとして2.1g/l) からなる組
成で水酸化ナトリウム水溶液によりpH6に調整した液
温60℃の無電解めっき液(A液)に撹拌しながら添加
し、10分間Auめっき処理を施した。ついで、シアン
化金カリウム(10g/l, Auとして6.8g/l) 、EDTA−4
Na(10g/l) およびクエン酸−2Na(10g/l) の混合水
溶液(B液)と、水素化ほう素カリウム(30g/l) 、水酸
化ナトリウム(60g/l) の混合水溶液(C液)を送液ポン
プを通して個別かつ同時に20分間で添加した。この際
のA液量、B液量およびC液量は、表3に示す量に設定
した。
【0028】
【表3】
【0029】引き続き、液を濾過し、濾過物を3回リパ
ルプ洗浄したのち、熱風乾燥機で100℃の温度で乾燥
してNi被膜上にAu無電解めっき被覆処理を施し、基
材面にNi−Auの複層被膜を形成した。
【0030】(4) 物性評価;このようにして得られた導
電性無電解めっき粉体の平均粒径、Ni無電解めっき処
理後のNi被膜の膜厚および導電性、Au無電解めっき
処理後のNi−Au複層被膜の膜厚および導電性をそれ
ぞれ測定評価し、その結果を表4に示した。なお、めっ
き膜厚は下式により算出した。 但し、r は基材粒子の半径 (μm)、t はめっき膜厚 (μ
m)、d1はめっき膜の比重、d2は基材粒子の比重である。
また、導電性の評価は、めっき粉末1.5g を垂直に立
てた内径10mmの樹脂製円筒内に入れ、5kgの荷重をか
けた状態で上下電極間の電気抵抗を測定する方法で行っ
た。比較のために、基材に用いた微小凹凸粗面を有する
球状カーボン粒子の性状についても表4に併載した(比
較例1)。
【0031】図1および図2は実施例1によりNi−A
u複層被膜を形成した導電性無電解めっき粉体の電子顕
微鏡(SEM)写真である。これらの図から、粉体の状
態はめっき層が基材の表層に沿った微少凹凸粗面を呈し
ていることが認められる。
【0032】比較例2 実施例で用いた市販の球状フェノール樹脂(平均粒径14
μm)をそのまま空気中で280℃の温度で熱安定化処理
を施したのち、窒素雰囲気に保持された焼成炉で100
0℃の温度により炭化処理して、全体がガラス状炭素に
より構成され、表面が平滑な真球状のカーボン粒子を得
た。その性状は平均粒径10μm 、嵩密度0.8〜0.
9g/cc、真比重は1.35〜1.40であった。該基材
に対し、実施例1と同一条件でNi無電解めっき処理
し、更に上層にAu無電解めっき処理を施した。得られ
た無電解めっき粉体の性状を測定評価し、表4に併載し
た。
【0033】
【表4】 〔表注〕比較例1の電気抵抗値は、基材そのものの測定値である。
【0034】表4に示すように本発明の要件を満たす実
施例品の導電性は、比較例に比べて優れており、特にN
i−Auの複層めっき品において高度な電気伝導性を示
すことが判る。また、実施例の無電解めっき粉体は無電
解めっき過程で凝集化することはなく、樹脂に分散させ
たところ容易に均一分散することが認められた。
【0035】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば骨格がガ
ラス状炭素からなり、表層部が他のカーボン微粒子によ
り一体に被覆された微少凹凸粗面を備える球状カーボン
微粒子を基材とし、この表面にNiまたはNi−Auの
微細な金属粒子が濃密で実質的に連続皮膜として形成さ
れた分散性ならびに導電性能に優れる無電解めっき粉体
を提供することができる。したがって、プラスチック材
などに導電性を付与する導電性フィラーとして、また液
晶ディスプレイパネルの電極と駆動用LSIの接続、L
SIチップの回路基板への接続、その他微小ピッチの電
極端子間の接続するための導電材料として極めて有用性
が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1による導電性無電解めっき粉体の粒子
構造を示した電子顕微鏡拡大写真(倍率500倍)であ
る。
【図2】実施例1による導電性無電解めっき粉体の粒子
構造を示した電子顕微鏡拡大写真(倍率2000倍)で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 18/31 H01B 1/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨格がガラス状炭素からなり、表層部に
    他のカーボン微粒子が一体に付着して形成された微小凹
    凸粗面を有する平均粒径1〜50μm の球状カーボン粒
    子を基材とし、該基材の表面に無電解めっき法によりN
    i被膜を形成してなることを特徴とする導電性無電解め
    っき粉体。
  2. 【請求項2】 骨格がガラス状炭素からなり、表層部に
    他のカーボン微粒子が一体に付着して形成された微小凹
    凸粗面を有する平均粒径1〜50μm の球状カーボン微
    粒子を基材とし、該基材の表面に無電解めっき法により
    Ni−Auの複層被膜を形成してなることを特徴とする
    導電性無電解めっき粉体。
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