JP3417043B2 - ガラス繊維強化ポリカーボネート系樹脂組成物 - Google Patents

ガラス繊維強化ポリカーボネート系樹脂組成物

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JP3417043B2 JP07486094A JP7486094A JP3417043B2 JP 3417043 B2 JP3417043 B2 JP 3417043B2 JP 07486094 A JP07486094 A JP 07486094A JP 7486094 A JP7486094 A JP 7486094A JP 3417043 B2 JP3417043 B2 JP 3417043B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はガラス繊維強化ポリカー
ボネート系樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、曲げ
強度,引張破断強度などの機械的強度及び表面外観に優
れると共に、耐衝撃強度あるいは耐衝撃強度と熱安定性
に優れたポリカーボネート系樹脂組成物に関するもので
ある。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ポリ
カーボネート樹脂は、機械的強度,電気的特性,透明性
などに優れ、エンジニアリングプラスチックとして、電
気・電子機器分野,自動車分野等様々な分野において幅
広く利用されている。このような特性を有するポリカー
ボネート樹脂は、耐衝撃性及び寸法安定性を向上させる
ために、ガラス繊維を添加したガラス繊維強化ポリカー
ボネート樹脂が知られている。しかしながら、ポリカー
ボネート樹脂は、ガラス繊維を添加することによって、
耐衝撃性が大幅に低下する欠点を有する。従来、このガ
ラス繊維をポリカーボネート樹脂に添加することによっ
て低下する耐衝撃性を向上させる方法については、種々
検討されている。例えば、特開昭55−160052号
公報や特開平2−173061号公報には、ポリカーボ
ネート樹脂にポリカーボネート−ポリオルガノシロキサ
ン共重合体を導入する方法が開示されている。このポリ
カーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を導入
することによって、耐衝撃性の向上はみられる。しか
し、その耐衝撃性の向上効果は、未だ十分なものではな
く、その改善が要望されている。 【0003】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記の状況に鑑み、従来法の欠点を解消し、曲げ強度,
引張破断強度などの機械的強度及び表面外観に優れると
共に、耐衝撃強度あるいは耐衝撃強度と熱安定性に優れ
たポリカーボネート系樹脂組成物を開発すべく、鋭意研
究を重ねた。その結果、ポリカーボネート−ポリオルガ
ノシロキサン共重合体を必須成分とし、エポキシ樹脂
びウレタン樹脂を含む集束剤で処理された特定のガラス
繊維を配合したポリカーボネート系樹脂組成物が、目的
とする特性を有するものであることを見出した。本発明
はかかる知見に基づいて完成したものである。 【0004】すなわち、本発明は、(A)ポリカーボネ
ート−ポリオルガノシロキサン共重合体5〜95重量
%,(B)ポリカーボネート樹脂0〜90重量%及び
(C)エポキシ樹脂及びウレタン樹脂を含む集束剤で処
理されたガラス繊維5〜60重量%からなり、かつ、
(A)成分及び(B)成分の合計量に対して、(A)成
分中のポリオルガノシロキサン部の割合が、0.5〜4
0重量%であることを特徴とするポリカーボネート系樹
脂組成物を提供するものである。 【0005】先ず、本発明のポリカーボネート系樹脂組
成物を構成する(A)成分のポリカーボネート−ポリオ
ルガノシロキサン共重合体(PC−PDMS共重合体)
は、様々なものがあるが、好ましくは一般式(I) 【0006】 【化1】 【0007】〔式中、R1 及びR2 は、それぞれハロゲ
ン原子(例えば、塩素,臭素,フッ素,沃素)又は炭素
数1〜8のアルキル基(例えば、メチル基,エチル基,
プロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,アミル基,
イソアミル基,ヘキシル基など)であり、それらは同一
であってもよいし、異なっていてもよい。m及びnは、
それぞれ0〜4の整数であって、mが2〜4の場合は、
1 は互いに同一であっても異なるものであってもよい
し、nが2〜4の場合は、R2 は互いに同一であっても
異なるものであってもよい。そして、Zは、炭素数1〜
8のアルキレン基又は炭素数2〜8のアルキリデン基
(例えば、メチレン基,エチレン基,プロピレン基,ブ
チレン基,ペンテリレン基,ヘキシレン基,エチリデン
基,イソプロピリデン基など),炭素数5〜15のシク
ロアルキレン基又は炭素数5〜15のシクロアルキリデ
ン基(例えば、シクロペンチレン基,シクロヘキシレン
基,シクロペンチリデン基,シクロヘキシリデン基な
ど)、あるいは−SO2 −,−SO−,−S−,−O
−,−CO−結合もしくは一般式(II)あるいは(II') 【0008】 【化2】 【0009】で表わされる結合を示す。〕で表される構
造の繰返し単位を有するポリカーボネート部と、一般式
(III) 【0010】 【化3】 【0011】〔式中、R3 ,R4 及びR5 は、それぞれ
水素原子,炭素数1〜5のアルキル基(例えば、メチル
基,エチル基,プロピル基,n−ブチル基,イソブチル
基など)又はフェニル基であり、それぞれ同じであって
も異なるものであってもよい。また、p及びqは、それ
ぞれ0または1以上の整数である。〕で表される構造の
繰返し単位を有するポリオルガノシロキサン部からなる
ものである。ここで、ポリカーボネート部の重合度は、
3〜100が好ましく、また、ポリオルガノシロキサン
部の重合度は、2〜500が好ましい。上記のPC−P
DMS共重合体は、上記一般式(I)で表わされる繰返
し単位を有するポリカーボネート部と、上記一般式(II
I) で表わされる繰返し単位を有するポリオルガノシロ
キサン部とからなるブロック共重合体であって、粘度平
均分子量10,000〜40,000、好ましくは12,00
0〜35,000、より好ましくは14,000〜35,00
0のものである。 【0012】このようなPC−PDMS共重合体は、例
えば、予め製造されたポリカーボネート部を構成するポ
リカーボネートオリゴマー(PCオリゴマー)と、ポリ
オルガノシロキサン部を構成する、末端に反応性基を有
するポリオルガノシロキサン〔例えば、ポリジメチルシ
ロキサン(PDMS),ポリジエチルシロキサン等のポ
リジアルキルシロキサンあるいはポリメチルフェニルシ
ロキサン等〕とを、塩化メチレン,クロロベンゼン,ク
ロロホルム等の溶媒に溶解させ、ビスフェノールの水酸
化ナトリウム水溶液を加え、触媒として、トリエチルア
ミンやトリメチルベンジルアンモニウムクロライド等を
用い、界面重縮合反応することにより製造することがで
きる。また、特公昭44−30105号公報に記載され
た方法や特公昭45−20510号公報に記載された方
法によって製造されたポリカーボネート−ポリオルガノ
シロキサン共重合体を用いることもできる。ここで、一
般式(I)で表わされる繰返し単位を有するPCオリゴ
マーは、溶剤法、すなわち塩化メチレンなどの溶剤中で
公知の酸受容体、分子量調節剤の存在下、一般式(IV) 【0013】 【化4】 【0014】〔式中、R1 ,R2 ,Z,m及びnは、前
記と同じである。〕で表わされる二価フェノールとホス
ゲンのようなカーボネート前駆体との反応、又は二価フ
ェノールとジフェニルカーボネートのようなカーボネー
ト前駆体とのエステル交換反応によって製造することが
できる。ここで、上記一般式(IV)で表わされる二価フェ
ノールとしては、様々なものがあるが、特に2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノー
ルA〕が好ましい。また、ビスフェノールAの一部又は
全部を他の二価フェノールで置換したものであってもよ
い。ビスフェノールA以外の二価フェノールとしては、
ビスフェノールA以外のビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)アルカン;4,4’−ジヒドロキシジフェニル;ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン;ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド;ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホン;ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホキシド;ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン
のような化合物又はビス(3,5−ジブロモ−4−ヒド
ロキシフェニル)ブロパン;ビス(3,5−ジクロロ−
4−ヒドロキシフェニル)ブロパンのようなハロゲン化
ビスフェノール類等を挙げることができる。この他、二
価フェノールとしては、ハイドロキノンなどがある。 【0015】本発明において、PC−PDMS共重合体
の製造に供されるPCオリゴマーは、前記の二価フェノ
ール1種を用いたホモポリマーであってもよく、また2
種以上を用いたコポリマーであってもよい。さらに、多
官能性芳香族化合物を上記二価フェノールと併用して得
られる熱可塑性ランダム分岐ポリカーボネートであって
もよい。そして、前記(A)成分及び(B)成分の合計
量に対して、(A)成分中のポリオルガノシロキサン部
の割合は、0.5〜40重量%、好ましくは0.8〜35重
量%、より好ましくは1.0〜15重量%である。ここ
で、0.5重量%未満では、耐衝撃性の向上効果がみられ
ない。一方、40重量%を超えると、分子量の充分な共
重合体が得られない。 【0016】次に、本発明のポリカーボネート系樹脂組
成物を構成する(B)成分のポリカーボネート樹脂(P
C)は、二価フェノールとホスゲン又は炭酸エステル化
合物とを反応させることにより容易に製造することがで
きる。すなわち、例えば、塩化メチレンなどの溶媒中に
おいて、公知の酸受容体や分子量調節剤の存在下、二価
フェノールとホスゲンのようなカーボネート前駆体との
反応により、あるいは二価フェノールとジフェニルカー
ボネートのようなカーボネート前駆体とのエステル交換
反応などによって製造される。ここで、二価フェノール
としては、前述した一般式(IV)で表わされる化合物と同
じものでもよく、また異なるものでもよい。そして、炭
酸エステル化合物としては、ジフェニルカーボネート等
のジアリールカーボネートやジメチルカーボネート,ジ
エチルカーボネート等のジアルキルカーボネートが挙げ
られる。 【0017】一方、前記PC−PDMS共重合体やPC
と共に、本発明のポリカーボネート系樹脂組成物を構成
する(C)成分のガラス繊維としては、ガラス繊維を予
めエポキシ樹脂を含む集束剤で集束処理されたガラス繊
維が用いられる。ここで、エポキシ樹脂を含む集束剤で
集束処理するのに供されるガラス繊維は、含アルカリガ
ラス,低アルカリガラス,無アルカリガラスのいずれで
あってもよい。その形態については、特に制限はなく、
例えば、ロービング、チョップドストランド、ミルドフ
ァイバー等、いずれのものも用いることができる。そし
て、その平均繊維径は1〜30μm 、好ましくは5〜2
5μm である。本発明におけるガラス繊維は、初めに、
このようなガラス繊維をエポキシ樹脂を成分として含む
集束剤で処理して、100〜1,000本程度に集束しス
トランドを造る。次いで、得られたストランドを平均繊
維長1〜8mm、好ましくは3〜6mm程度にカットしたチ
ョップドストランドが用いられる。一方、ガラス繊維の
集束処理に供されるエポキシ樹脂を含む集束剤として
は、エポキシ樹脂を単独で用いることができ、また、エ
ポキシ樹脂と他の樹脂とを併用した様々なものを用いる
ことができる。上記のエポキシ樹脂としては、各種のも
のがある。例えば、ビスフェノール・エピクロルヒドリ
ン型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹
脂、テトラエポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、
グリシジルアミン、エポキシアルキルエステルあるいは
エポキシ化不飽和化合物などのエポキシ樹脂が挙げられ
る。そして、これらのエポキシ樹脂と併用できる他の樹
脂としては、ウレタン樹脂が挙げられる。ここで、エポ
キシ樹脂と併用できるウレタン樹脂としては、様々なも
のがあり、両末端に水酸基を有するポリエーテルとジイ
ソシアナートとの重付加物(ポリエーテル系)、あるい
は両末端に水酸基を有するポリエステルとジイソシアナ
ートとの重付加物(ポリエステル系)などを使用するこ
とができる。ポリエーテル系ウレタン樹脂の場合、ポリ
エーテルとしては、分子量が1,000〜2,000のポリ
プロピレングリコールやポリ−1,4−ブチレングリコ
ール等が挙げられる。また、ポリエステル系ウレタン樹
脂の場合、ポリエステルとしては、エチレングリコール
とアジピン酸との縮合重合体等が挙げられる。一方、ジ
イソシアナートとしては、2,6−トリレンジイソシア
ナート(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイ
ソシアナート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアナ
ート等を使用することができる。そして、エポキシ樹脂
とウレタン樹脂とを併用する場合、両樹脂の使用割合
は、任意であり、状況等に応じて適宜定めればよいが、
好ましくはエポキシ樹脂:ウレタン樹脂=1〜4:5〜
1(重量比)である。これらの集束剤を用いてガラス繊
維を集束処理する方法については、特に制限はなく、従
来慣用されている方法、例えば、浸漬塗布、ローラ塗
布、吹き付け塗布、流し塗布、スプレー塗布など、任意
の方法を用いることができる。 【0018】前記ガラス繊維は、樹脂との親和性を高め
るために、アミノシラン系,エポキシシラン系,ビニル
シラン系,メタクリルシラン系等のシラン系、チタネー
ト系、アルミニウム系、クロム系、ジルコニウム系、ボ
ラン系のカップリング剤で表面処理されたものであって
もよい。これらの中では、シラン系カップリング剤及び
チタネート系カップリング剤が好ましく、特に、シラン
系カップリング剤が好適である。上記の好適なシラン系
カップリング剤としては、具体的には、トリエトキシシ
ラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルメトリメトキシ
シラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙
げられる。これらの中では、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン及びN−β−(アミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシランが好適に用いられる。な
お、ガラス繊維を上記のカップリング剤で表面処理する
方法については、特に制限はなく、従来慣用されている
方法、例えば、水溶液法、有機溶媒法、スプレー法な
ど、任意の方法を用いることができる。そして、前記集
束剤及び上記カップリング剤の使用量は、特に制限はな
いが、通常それらの合計量が、ガラス繊維に対して、0.
1〜1.5重量%になるように用いられる。 【0019】本発明のポリカーボネート系樹脂組成物
は、上記(A),(B)及び(C)成分からなるもので
あるが、それらの配合割合は、(A)成分であるポリカ
ーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体5〜95
重量%、好ましくは10〜90重量%、(B)成分であ
るポリカーボネート樹脂0〜90重量%、好ましくは0
〜80重量%及び(C)成分であるエポキシ樹脂を含む
集束剤で集束処理されたガラス繊維5〜60重量%、好
ましくは10〜50重量%である。ここで、(C)成分
のガラス繊維の配合割合が5重量%未満では、寸法安定
性が低下し、同時に剛性の向上効果が少なく、所望の機
械的強度を得ることができない。また、60重量%を超
えると、樹脂の混練が困難ないし不可能となり好ましく
ない。 【0020】本発明の樹脂組成物は、前記の各成分
(A),(B)及び(C)の他に、必要に応じて、
(D)成分として、各種の添加剤を、本発明の目的を阻
害しない範囲で配合することができる。例えば、各種の
添加剤としては、ヒンダードフェノール系,亜リン酸エ
ステル系,リン酸エステル系,アミン系等の酸化防止
剤、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系等の紫外
線吸収剤、ヒンダードアミン系などの光安定剤、脂肪族
カルボン酸エステル系やパラフィン系等の外部滑剤、常
用の難燃化剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤等が挙げら
れる。 【0021】本発明の樹脂組成物は、前記の各成分
(A),(B)及び(C)と、必要に応じて、(D)成
分を配合し、混練することにより得ることができる。該
配合及び混練は、通常用いられている方法、例えば、リ
ボンブレンダー,ヘンシェルミキサー,バンバリーミキ
サー,ドラムタンブラー,単軸スクリュー押出機,二軸
スクリュー押出機,コニーダ,多軸スクリュー押出機等
を用いる方法により行うことができる。混練に際しての
加熱温度は、通常250〜300℃の範囲で選ばれる。
かくして得られたポリカーボネート樹脂組成物は、既知
の種々の成形方法、例えば、射出成形,中空成形,押出
成形,圧縮成形,カレンダー成形,回転成形等を適用す
ることができ、OA機器のシャーシーなどの成形品や自
動車用ガラス,サンルーフなど自動車分野の成形品ある
いは電気・電子分野の成形品を製造するのに供すること
ができる。 【0022】 【実施例】更に、本発明を製造例,実施例及び比較例に
より、詳しく説明する。 製造例1−1 〔PCオリゴマーAの製造〕400リットルの5重量%
水酸化ナトリウム水溶液に、60kgのビスフェノール
Aを溶解し、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶
液を調製した。次いで、室温に保持したこのビスフェノ
ールAの水酸化ナトリウム水溶液を138リットル/時
間の流量で、また、塩化メチレンを69リットル/時間
の流量で、内径10mm,管長10mの管型反応器にオ
リフィス板を通して導入し、これにホスゲンを並流して
10.7kg/時間の流量で吹き込み、3時間連続的に反
応させた。ここで用いた管型反応器は二重管となってお
り、ジャケット部分には冷却水を通して反応液の排出温
度を25℃に保った。また、排出液のpHは10〜11
となるように調整した。このようにして得られた反応液
を静置することにより、水相を分離、除去し、塩化メチ
レン相(220リットル)を採取して、これにさらに塩
化メチレン170リットルを加え、十分に攪拌したもの
をPCオリゴマーA(濃度317g/リットル)とし
た。ここで得られたPCオリゴマーAの重合度は3〜4
であった。 【0023】製造例2−1 〔反応性PDMS−Aの製造〕1,483gのオクタメチ
ルシクロテトラシロキサン、96gの1,1,3,3-テトラメ
チルジシロキサン及び35gの86%硫酸を混合し、室
温で17時間攪拌した。その後、オイル相を分離し、2
5gの炭酸水素ナトリウムを加え1時間攪拌した。濾過
した後、150℃,3torrで真空蒸留し、低沸点物を除
きオイルを得た。60gの2−アリルフェノールと0.0
014gの塩化白金−アルコラート錯体としてのプラチ
ナとの混合物に、上記で得られたオイル294gを90
℃の温度で添加した。この混合物を90〜115℃の温
度に保ちながら3時間攪拌した。生成物を塩化メチレン
で抽出し、80%の水性メタノールで3回洗浄し、過剰
の2−アリルフェノールを除いた。その生成物を無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、真空中で115℃の温度まで溶
剤を留去した。得られた末端フェノールPDMSは、N
MRの測定により、ジメチルシラノオキシ単位の繰り返
し数は30であった。 【0024】製造例2−2 〔反応性PDMS−Bの合成〕製造例2−1において、
1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンの量を18.1gに変
えた以外は、製造例2−1と同様に実施した。得られた
末端フェノールPDMSは、NMRの測定により、ジメ
チルシラノオキシ単位の繰り返し数は150であった。 【0025】製造例2−3 〔反応性PDMS−Cの合成〕製造例2−1において、
1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンの量を7.72gに変
えた以外は、製造例2−1と同様に実施した。得られた
末端フェノールPDMSは、NMRの測定により、ジメ
チルシラノオキシ単位の繰り返し数は350であった。 【0026】製造例3−1 〔PC−PDMS共重合体A1 の製造〕製造例2−1で
得られた反応性PDMS−A160gを塩化メチレン2
リットルに溶解し、製造例1で得られたPCオリゴマー
10リットを混合した。そこへ、水酸化ナトリウム26
gを水1リットルに溶解させたものと、トリエチルアミ
ン5.7ccを加え、500rpmで室温にて1時間攪
拌、反応させた。反応終了後、上記反応系に、5.2重量
%の水酸化ナトリウム水溶液5リットルにビスフェノー
ルA600gを溶解させたもの、塩化メチレン8リット
ル及びp−tert−ブチルフェノール81gを加え、50
0rpmで室温にて1時間攪拌、反応させた。反応後、
塩化メチレン5リットルを加え、さらに、水5リットル
で水洗、0.01規定水酸化ナトリウム水溶液5リットル
でアルカリ洗浄、0.1規定塩酸5リットルで酸洗浄、及
び水5リットルで水洗を順次行い、最後に塩化メチレン
を除去し、チップ状のPC−PDMS共重合体を得た。 【0027】製造例3−2 〔PC−PDMS共重合体A2 の製造〕製造例3−1に
おいて、反応性PDMS−Aを反応性PDMS−Bに変
えた他は、製造例3−1と同様にして、チップ状のPC
−PDMS共重合体を得た。 【0028】製造例3−3 〔PC−PDMS共重合体A3 の製造〕製造例3−1に
おいて、反応性PDMS−Aを反応性PDMS−Cに変
えた他は、製造例3−1と同様にして、チップ状のPC
−PDMS共重合体を得た。 【0029】製造例3−4 〔PC−PDMS共重合体A4 の製造〕製造例3−1に
おいて、p−tert−ブチルフェノール81gを113g
に変えた他は、製造例3−1と同様にして、チップ状の
PC−PDMS共重合体を得た。 【0030】製造例3−5 〔PC−PDMS共重合体A5 の製造〕製造例3−1に
おいて、p−tert−ブチルフェノール81gを113g
に変え、また、反応性PDMS−Aを反応性PDMS−
Bに変えた他は、製造例3−1と同様にして、チップ状
のPC−PDMS共重合体を得た。 【0031】製造例3−6 〔PC−PDMS共重合体A6 の製造〕製造例3−1に
おいて、反応性PDMS−A160gを320gに変
え、また、p−tert−ブチルフェノール81gを113
gに変えた他は、製造例3−1と同様にして、チップ状
のPC−PDMS共重合体を得た。 【0032】製造例3−1〜6で得られたPC−PDM
S共重合体A1 〜A6 については、各々120℃で一昼
夜乾燥後、280℃の押出機でペレット化した。そし
て、各々について、その物性評価として、PDMS鎖
長,PDMS含有率及び粘度平均分子量を測定した。そ
の結果を第1表に示す。 【0033】 【表1】 【0034】なお、PDMS鎖長,PDMS含有率及び
粘度平均分子量の測定は、次に従った。 1:PDMS鎖長(n:ジメチルシラノオキサン単位)1 HNMRで0.2ppmに見られるジメチルシロキサン
のメチル基のピークと、2.6ppmに見られるPC−P
DMS結合部のメチレン基のピークとの強度比から求め
た。 2:PDMS含有率1 HNMRで1.7ppmに見られるビスフェノールAの
イソプロピルのメチル基のピークと、0.2ppmに見ら
れるジメチルシロキサンのメチル基のピークとの強度比
から求めた。 3:粘度平均分子量(Mv) ウベローデ型粘度管にて、20℃における塩化メチレン
溶液の粘度を測定し、これより極限粘度〔η〕を求めた
後、次式にて算出した。 〔η〕=1.23×10-5×Mv0.83 【0035】実施例1〜3、参考例1〜8及び比較例1
〜17 製造例3−1〜6で得られたPC−PDMS共重合体A
〜A及び市販のポリカーボネート、ガラス繊維を第
2表に示す配合割合で配合し、ベント付き二軸押出機
〔東芝機械(株)製,TEM−35B〕によって、温度
300℃で混練し、ペレット化した。なお、ガラス繊維
は、押出機の原料樹脂のホッパー供給位置よりも下流か
ら供給した。得られたペレットは、各々120℃で5時
間熱風乾燥した後、射出成形機〔東芝機械(株)製,I
S100EN〕を用いて、300℃の成形温度、80℃
の金型温度で金型キャビティー内に射出成形して試験片
を作製した。得られた試験片については、その品質評価
として、アイゾット衝撃強度,曲げ強度,引張強度及び
表面外観評価を実施した。また、熱安定性の評価は、原
料ペレットを射出成形する際、射出成形機〔東芝機械
(株)製,IS25EP1A〕内で、シリンダー温度3
20℃,20分間滞留させ成形した成形品と通常サイク
ル(40秒滞留)の成形品との色調の差(色差Δ
b)を測定し、評価した。その結果を第3表に示す。 【0036】なお、市販のポリカーボネートは、次の通
りである。 B1 :タフロンA2200〔出光石油化学(株)製,M
v=21,000〕 B2 :タフロンA1500〔出光石油化学(株)製,M
v=15,000〕 また、ガラス繊維は、次の通りである。 C1 :旭ファイバーグラス(株)製 MA419 カップリング剤 :アミノシラン 集束剤 :ビスフェノール型エポキシ樹脂 タイプ:チョップドストランド(直径13μm,長さ3
mm) C2 :旭ファイバーグラス(株)製 ECRガラス カップリング剤 :アミノシラン 集束剤 :エポキシ樹脂 タイプ:チョップドストランド(直径23μm,長さ3
mm) C3 :旭ファイバーグラス(株)製 FT121 カップリング剤 :アミノシラン 集束剤 :ウレタン樹脂及びビスフェノール型エポキシ
樹脂 タイプ:チョップドストランド(直径13μm,長さ3
mm) C4 :旭ファイバーグラス(株)製 MA409C カップリング剤 :アミノシラン 集束剤 :ウレタン樹脂 タイプ :チョップドストランド(直径13μm,長さ
3mm) C5 :旭ファイバーグラス(株)製 TA409C カップリング剤 :アミノシラン 集束剤 :ウレタン樹脂 タイプ:チョップドストランド(直径23μm,長さ3
mm) C6 :旭ファイバーグラス(株)製 FT514 カップリング剤 :アミノシラン 集束剤 :ポリオレフィン樹脂 タイプ:チョップドストランド(直径13μm,長さ3
mm) 【0037】 【表2】 【0038】 【表3】【0039】 【表4】【0040】 【表5】【0041】なお、各測定は、次に従った。 1:アイゾット衝撃強度 JIS−K−7110に準拠して測定した。 2:引張強度 JIS−K−7203に準拠して測定した。 3:曲げ強度 JIS−K−7113に準拠して測定した。 4:表面外観 成形品の目視評価及び触感評価を行い判定した。 5:色差(Δ* ab) JIS−K−7105に準拠して測定した。 【0042】 【発明の効果】以上の如く、本発明のポリカーボネート
系樹脂組成物は、曲げ強度,引張破断強度などの機械的
強度及び表面外観に優れると共に、耐衝撃強度に優れ、
かつ熱安定性に優れたものである。したがって、本発明
のポリカーボネート樹脂組成物は、各種の成形品、例え
ば、電気・電子機器分野、自動車分野等において幅広く
使用されている各種の成形品の素材として有効に利用さ
れる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−243656(JP,A) 特開 平2−173061(JP,A) 特開 昭55−123150(JP,A) 特開 平4−1266(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 69/00 C08L 83/00 - 83/16 C08K 3/00 - 13/08

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】(A)ポリカーボネート−ポリオルガノシ
    ロキサン共重合体5〜95重量%,(B)ポリカーボネ
    ート樹脂0〜90重量%及び(C)エポキシ樹脂及びウ
    レタン樹脂を含む集束剤で処理されたガラス繊維5〜6
    0重量%からなり、かつ、(A)成分及び(B)成分の
    合計量に対して、(A)成分中のポリオルガノシロキサ
    ン部の割合が、0.5〜40重量%であることを特徴と
    するポリカーボネート系樹脂組成物。
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