JP3412408B2 - 変速機用クラッチの同期装置 - Google Patents

変速機用クラッチの同期装置

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JP3412408B2
JP3412408B2 JP21004096A JP21004096A JP3412408B2 JP 3412408 B2 JP3412408 B2 JP 3412408B2 JP 21004096 A JP21004096 A JP 21004096A JP 21004096 A JP21004096 A JP 21004096A JP 3412408 B2 JP3412408 B2 JP 3412408B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は変速機用クラッチの
同期装置に係り、特に、動力伝達を遮断する中立状態で
の振動に起因するシンクロナイザリング等の摩耗、その
摩耗によるクラッチの作動不良などを防止する技術に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】車両用の変速機として、図16に示すよ
うな平行軸式のものが広く知られており、クラッチによ
って変速段が切り換えられるようになっている。このよ
うな変速機用クラッチは一般に、(a) 出力軸や入力軸等
の回転軸に相対回転不能に配設されて一体回転させられ
るクラッチハブと、(b) そのクラッチハブに相対回転不
能且つ軸方向の相対移動可能にスプライン嵌合されると
ともに、シフト手段によって軸方向に離間する一対の変
速位置と、その一対の変速位置の中間に位置して動力伝
達を遮断する中立位置とへ移動させられるクラッチハブ
スリーブと、(c)そのクラッチハブスリーブに相対回転
不能且つ軸方向の相対移動可能に配設されるとともに、
常にはキースプリングの付勢力でそのクラッチハブスリ
ーブの所定位置に位置決めされるシフティングキーと、
(d) 前記クラッチハブの両側において、それぞれ前記回
転軸に対して相対回転可能に配設されるとともに、前記
クラッチハブスリーブが前記変速位置へ移動させられる
ことにより、そのクラッチハブスリーブとスプライン嵌
合されて前記クラッチハブとの間で動力伝達を行う一対
の変速歯車と、(e) その一対の変速歯車にそれぞれ相対
回転可能且つ軸方向の相対移動可能に配設されるととも
に、その変速歯車に押圧されてテーパ嵌合させられる一
対のシンクロナイザリングと、(f) 周方向において互い
に係合させられる係合溝および係合突起から成り、前記
クラッチハブまたは前記シフティングキーと前記一対の
シンクロナイザリングとをそれぞれ所定角度の相対回転
を許容する状態で係合させる一対の係合手段とを有し、
前記クラッチハブスリーブが前記中立位置から何れかの
変速位置へ移動させられる際に、前記シフティングキー
が前記シンクロナイザリングに当接させられることによ
り、そのシンクロナイザリングが前記変速歯車に押圧さ
れ、前記テーパ嵌合の摩擦力でそのシンクロナイザリン
グと変速歯車とを同期回転させるようになっている。ま
た、上記係合手段がクラッチハブとシンクロナイザリン
グとの間に設けられているハブインデックスタイプ、係
合手段がシフティングキーとシンクロナイザリングとの
間に設けられているキーインデックスタイプや、クラッ
チハブと変速歯車との間にシンクロナイザリングの他に
複数のテーパ部材が介在させられているマルチコーンタ
イプなど、種々のタイプのクラッチが提案されている。
【0003】図16の変速機10について具体的に説明
すると、図示しないエンジンによって回転駆動される入
力軸12、カウンタシャフト14、および出力軸16を
備えており、カウンタシャフト14は軸受18、20に
よって回転可能に支持されている。入力軸12および出
力軸16は、軸受22を介して同軸上に相対回転可能に
配設されているとともに、軸受24、26によって回転
可能に支持されている。カウンタシャフト14は、入力
歯車対28a、28bを介して入力軸12により常時回
転させられるとともに、カウンタシャフト14と出力軸
16との間には、第1変速歯車対30a,30b、第2
変速歯車対32a,32b、第3変速歯車対34a,3
4b、第5変速歯車対36a,36b、後進変速歯車対
38a,38bが配設されている。後進変速歯車対38
aと38bとの間には、図示しないリバースアイドル歯
車が介在させられている。また、カウンタシャフト14
側の各変速歯車30a〜38aは、それぞれスプライン
嵌合などによりカウンタシャフト14と一体回転させら
れるが、出力軸16側の各変速歯車30b〜38bは、
何れも出力軸16に対して相対回転可能に配設されてお
り、クラッチ40,42,44を介して出力軸16と一
体回転させられるようになっている。
【0004】第1変速歯車対30a,30bは変速比
(入力軸12の回転数/出力軸16の回転数)が最も大
きい第1変速段を成立させるもので、クラッチ44のク
ラッチハブスリーブ44sが図16の左方向へスライド
させられることによって出力軸16に動力伝達する。第
2変速歯車対32a,32bは第2変速段を成立させる
もので、クラッチ42のクラッチハブスリーブ42sが
図16の右方向へスライドさせられることによって出力
軸16に動力伝達する。第3変速歯車対34a,34b
は第3変速段を成立させるもので、クラッチ42のクラ
ッチハブスリーブ42sが図16の左方向へスライドさ
せられることによって出力軸16に動力伝達する。第5
変速歯車対36a,36bは変速比が1より小さい第5
変速段を成立させるもので、クラッチ40のクラッチハ
ブスリーブ40sが図16の右方向へスライドさせられ
ることによって出力軸16に動力伝達する。後進変速歯
車対38a,38bは図示しないリバースアイドル歯車
と共に後進変速段を成立させるもので、クラッチ44の
クラッチハブスリーブ44sが図16の右方向へスライ
ドさせられることによって出力軸16に動力伝達する。
なお、クラッチ40は、クラッチハブスリーブ40sが
図16の左方向へスライドさせられることにより、入力
軸12と出力軸16とを直結して変速比が1の第4変速
段を成立させる。
【0005】上記クラッチ40,42,44は全く同じ
構成である。中央のクラッチ42について具体的に説明
すると、図17および図18に示すように、前記クラッ
チハブスリーブ42sの他、クラッチハブ50、シフテ
ィングキー52、シンクロナイザリング54,56を備
えている。クラッチハブ50は、スプライン嵌合によっ
て出力軸16に相対回転不能に取り付けられ、一体回転
させられるとともに、スナップリングや軸方向の両側に
配設された前記変速歯車32b、34bによって軸方向
の位置決めが為されている。クラッチハブスリーブ42
sは略円筒形状を成しており、クラッチハブ50の外周
側に相対回転不能且つ軸方向の相対移動可能にスプライ
ン嵌合されているとともに、シフト手段としてのシフト
フォーク58によって軸方向に離間する一対の変速位
置、具体的には右側の2速位置および左側の3速位置
と、その一対の変速位置の中間に位置して動力伝達を遮
断する中立位置(図17の状態)とへ移動させられる。
シフトフォーク58は、運転者のシフトレバー操作に連
動して機械的に図の左右方向へ移動させられるようにな
っている。
【0006】シフティングキー52は、クラッチハブス
リーブ42sの内周側に等角度間隔で複数(図では3
つ)配設されており、それぞれ軸方向の相対移動は許容
されるようになっているが、相対回転はクラッチハブ5
0との係合によって阻止されている。クラッチハブスリ
ーブ42sの内周面には溝60が設けられ、一対のキー
スプリング62によってシフティングキー52がクラッ
チハブスリーブ42sの内周面に押圧されることによ
り、そのシフティングキー52を軸方向の略中央に位置
決めするようになっている。なお、シフティングキー5
2に所定の負荷が作用すると、キースプリング62の付
勢力に抗してシフティングキー52が溝60から内周側
へ抜け出し、軸方向へ相対移動できるようになる。
【0007】前記変速歯車32b、34bは、クラッチ
ハブ50の両側においてそれぞれニードルベアリング等
により相対回転可能に出力軸16に配設されているとと
もに、スナップリング等によって軸方向の位置決めが為
されている。これ等の変速歯車32b、34bには、そ
れぞれクラッチハブ50側の端部にギヤピース64,6
6が相対回転不能に配設されており、前記クラッチハブ
スリーブ42sが変速位置へ移動させられることによ
り、そのギヤピース64または66とクラッチハブスリ
ーブ42sとがスプライン嵌合され、変速歯車32bま
たは34bからクラッチハブスリーブ42sおよびクラ
ッチハブ50を介して出力軸16に動力伝達が行われ
る。
【0008】シンクロナイザリング54,56は、ギヤ
ピース64,66に設けられたコーン面(テーパ面)の
外周側に相対回転可能且つ軸方向の相対移動可能に配設
されており、それぞれ軸方向においてギヤピース64,
66側へ押圧されることにより、テーパ嵌合によって摩
擦係合させられるようになっている。また、これ等のシ
ンクロナイザリング54,56には、前記シフティング
キー52の軸方向の端部に所定角度の相対回転を許容す
る状態で係合させられるキー溝68,70が設けられて
おり、シンクロナイザリング54,56は所定の遊びを
有する状態でクラッチハブ50と共に回転させられる。
図19および図20は、一方のシンクロナイザリング5
6に設けられたキー溝70を示す図で、72はクラッチ
ハブスリーブ42sに相対回転不能に係合させられるス
プライン歯である。キー溝68,70は係合手段の係合
溝に相当し、シフティングキー52の両端部は係合突起
に相当する。
【0009】このようなクラッチ42によれば、クラッ
チハブスリーブ42sが図17に示す中立位置から何れ
かの変速位置へ移動させられる際に、シフティングキー
52がシンクロナイザリング54または56のキー溝6
8または70の軸方向端面68aまたは70aに当接さ
せられることにより、そのシンクロナイザリング68ま
たは70がギヤピース64または66とテーパ嵌合させ
られ、その摩擦力でシンクロナイザリング68または7
0と変速歯車32bまたは34bとが同期回転させられ
る。そして、更にクラッチハブスリーブ42sに操作荷
重(シフト操作力)が加えられると、キースプリング6
2の付勢力に抗してシフティングキー52が溝60から
内周側へ抜け出し、クラッチハブスリーブ42sがギヤ
ピース64または66とスプライン嵌合され、相対回転
不能に係合させられる。
【0010】ところで、このようなクラッチ42は、変
速時にシフティングキー52がシンクロナイザリング5
4,56に当接させられ、そのシンクロナイザリング5
4,56がギヤピース64,66とテーパ嵌合させられ
ると、ギヤピース64,66と共に回転しようとするシ
ンクロナイザリング54,56とシフティングキー52
との間に大きな衝撃荷重が作用し、一般にシフティング
キー52よりも軟質の材料で構成されるシンクロナイザ
リング54,56が摩耗することがあった。図21、図
22は、シンクロナイザリング56側の摩耗を説明する
図で、キー溝70の側壁70bがシフティングキー52
との衝突などで摩耗する。そして、このような摩耗によ
って側壁70bに段差ができ、シフティングキー52が
その段差に乗り上げると、図22から明らかなようにシ
フティングキー52の溝60からの抜け出しが阻害さ
れ、変速操作の操作性が損なわれる可能性があった。な
お、図22では断面部分のハッチが省略されている。
【0011】これに対し、実公平1−43551号公報
には、図23および図24に示すように、キー溝70の
底面70cと側壁70bとのコーナー部に、底面70c
に連続して周方向に食い込む切込み74を設けることに
より、キー溝70の側壁70bがシフティングキー52
との接触(衝突)で摩耗しても段差が生じないようにす
ることが提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに底面に連続して切込みを設けても、摩耗量が所定値
を超えると、シンクロナイザリングのスプライン歯とク
ラッチハブスリーブのスプライン歯とが当接して、変速
時の操作性が損なわれる可能性があった。特に、キー溝
側壁の摩耗量は、所定の限界値を超えると急速に進行
し、上記問題が発生し易くなる。
【0013】これについて本発明者等が調べた結果、キ
ー溝側壁の摩耗は、単に変速操作時に生じるだけでな
く、所定の変速段での走行中にも生じることを見い出し
た。前記クラッチ42について具体的に説明すると、例
えば定常走行などで前記クラッチ40により第5変速段
が成立させられている場合、クラッチ42は解放状態と
されてクラッチハブスリーブ42sはシフトフォーク5
8によって中立位置に保持されているとともに、一対の
変速歯車32b,34bはカウンタシャフト14に配設
された変速歯車32a,34aとの噛合いによってそれ
ぞれ所定の回転数で空回転させられる。また、シフティ
ングキー52と両シンクロナイザリング54,56のキ
ー溝68,70の軸方向端面68a,70aとの間には
それぞれ所定の隙間(遊び)が形成されるようになって
おり、そのままではシンクロナイザリング54,56が
ギヤピース64,66に押圧されることはない。
【0014】一方、変速歯車30a,30b〜38a,
38bや入力歯車28a,28bは、一般に歯すじが捩
じれたはすば歯車が用いられているため、動力伝達に関
与する第5変速歯車36a,36bの噛合いによって出
力軸16には軸方向のスラスト力が作用するとともに、
動力源としてのエンジン(特にディーゼルエンジン)は
回転変動、トルク変動を有するため、このトルク変動に
よって出力軸16は各部の組付公差や遊びなどにより軸
方向へ振動する。この振動により、例えば出力軸16が
図17の左方向へ変位すると、それに伴って第2変速歯
車32bやクラッチハブ50なども左方向へ移動し、第
2変速歯車32b側のシンクロナイザリング54もギヤ
ピース64に押されて左方向へ移動するのに対し、クラ
ッチハブスリーブ42sおよびシフティングキー52は
クラッチフォーク58によって中立位置に保持されたま
まであるため、シンクロナイザリング54がシフティン
グキー52に当接し、その衝撃でシフティングキー52
が図17の左側へ飛び出すことがある。そして、飛び出
したシフティングキー52がシンクロナイザリング56
のキー溝70の軸方向端面70aに当接すると、そのシ
ンクロナイザリング56がギヤピース66に押圧されて
テーパ嵌合され、シンクロナイザリング56とシフティ
ングキー52との間に相対回転が生じてシフティングキ
ー52がキー溝70の側壁70bに衝突する。シフティ
ングキー52は、軸方向端面70aとの衝突で跳ね返さ
れるため、図25のように軸方向端面70aから所定寸
法だけ離間した部分が衝突によって摩耗する。
【0015】このような摩耗は、反対側のシンクロナイ
ザリング56でも同様に発生し、摩耗が進行してシフテ
ィングキー52がその摩耗部分の段差に係合する(食い
付く)ようになると、両側のシンクロナイザリング5
4,56が軸方向においてシフティングキー52を介し
て一体的に連結された状態となる。このため、出力軸1
6や変速歯車32b,34bの僅かな軸方向振動などで
も、シンクロナイザリング54,56がギヤピース6
4,66とテーパ嵌合し易くなり、摩耗が加速度的に増
加するのである。図4に実線で示すグラフは、このよう
な摩耗の一例で、摩耗量Aはシフティングキー52が摩
耗部分の段差に係合し始めたポイントで、許容摩耗領域
は、摩耗に拘らず変速操作が可能な領域である。走行距
離Bは車両保証走行距離で、このような加速度的な摩耗
により、保証走行距離に達する前にシンクロナイザリン
グ54,56のスプライン歯72とクラッチハブスリー
ブ42sのスプライン歯との当接等に起因して変速時の
操作性が損なわれるようになる。
【0016】なお、特開平4−203533号公報に
は、耐摩耗性に優れた鉄系材料などを使用することが提
案されているが、加工が困難で生産性が低下し、大幅な
コスト高となる。
【0017】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、動力伝達を遮断する
中立状態での振動に起因するキー溝などの係合手段の摩
耗を抑制することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、第1発明は、(a) 回転軸に相対回転不能に配設さ
れて一体回転させられるクラッチハブと、(b) そのクラ
ッチハブに相対回転不能且つ軸方向の相対移動可能にス
プライン嵌合されるとともに、シフト手段によって軸方
向に離間する一対の変速位置と、その一対の変速位置の
中間に位置して動力伝達を遮断する中立位置とへ移動さ
せられるクラッチハブスリーブと、(c)そのクラッチハ
ブスリーブに相対回転不能且つ軸方向の相対移動可能に
配設されるとともに、常にはキースプリングの付勢力で
そのクラッチハブスリーブの所定位置に位置決めされる
シフティングキーと、(d) 前記クラッチハブの両側にお
いて、それぞれ前記回転軸に対して相対回転可能に配設
されるとともに、前記クラッチハブスリーブが前記変速
位置へ移動させられることにより、そのクラッチハブス
リーブとスプライン嵌合されて前記クラッチハブとの間
で動力伝達を行う一対の変速歯車と、(e) その一対の変
速歯車にそれぞれ相対回転可能且つ軸方向の相対移動可
能に配設されるとともに、その変速歯車に押圧されてテ
ーパ嵌合させられる一方、前記シフティングキーの軸方
向の端部に所定角度の相対回転を許容する状態で係合さ
せられるキー溝が設けられた一対のシンクロナイザリン
グとを有し、前記クラッチハブスリーブが前記中立位置
から何れかの変速位置へ移動させられる際に、前記キー
溝の軸方向端面に前記シフティングキーが当接させられ
ることにより、前記シンクロナイザリングが前記変速歯
車に押圧され、前記テーパ嵌合の摩擦力でそのシンクロ
ナイザリングとその変速歯車とを同期回転させる変速機
用クラッチの同期装置において、(f) 前記キー溝の軸方
向端面と側壁とのコーナー部に、その軸方向端面に連続
して周方向に食い込むように切込みを設けたことを特徴
とする。
【0019】第2発明は、上記第1発明の同期装置にお
いて、前記切込みの軸方向の幅寸法は、一対のシンクロ
ナイザリングのキー溝の軸方向端面間の最大寸法から前
記シフティングキーの軸方向寸法を差し引いた寸法より
大きいことを特徴とする。
【0020】第3発明は、第1発明の同期装置におい
て、前記クラッチハブスリーブが前記シフト手段によっ
て前記中立位置に保持されている限り、そのクラッチハ
ブスリーブの所定位置に位置決めされている前記シフテ
ィングキーに前記シンクロナイザリングのキー溝の軸方
向端面が当接することのないように、各部の寸法が設定
されていることを特徴とする。
【0021】第4発明は、(a) 回転軸に相対回転不能に
配設されて一体回転させられるクラッチハブと、(b) そ
のクラッチハブに相対回転不能且つ軸方向の相対移動可
能にスプライン嵌合されるとともに、シフト手段によっ
て軸方向に離間する一対の変速位置と、その一対の変速
位置の中間に位置して動力伝達を遮断する中立位置とへ
移動させられるクラッチハブスリーブと、(c) そのクラ
ッチハブスリーブに相対回転不能且つ軸方向の相対移動
可能に配設されるとともに、常にはキースプリングの付
勢力でそのクラッチハブスリーブの所定位置に位置決め
されるシフティングキーと、(d) 前記クラッチハブの両
側において、それぞれ前記回転軸に対して相対回転可能
に配設されるとともに、前記クラッチハブスリーブが前
記変速位置へ移動させられることにより、そのクラッチ
ハブスリーブとスプライン嵌合されて前記クラッチハブ
との間で動力伝達を行う一対の変速歯車と、(e) その一
対の変速歯車にそれぞれ相対回転可能且つ軸方向の相対
移動可能に配設されるとともに、その変速歯車に押圧さ
れてテーパ嵌合させられる一対のシンクロナイザリング
と、(f) 周方向において互いに係合させられる係合溝お
よび係合突起から成り、前記クラッチハブまたは前記シ
フティングキーと前記一対のシンクロナイザリングとを
それぞれ所定角度の相対回転を許容する状態で係合させ
る一対の係合手段とを有し、前記クラッチハブスリーブ
が前記中立位置から何れかの変速位置へ移動させられる
際に、前記シフティングキーが前記シンクロナイザリン
グに当接させられることにより、そのシンクロナイザリ
ングが前記変速歯車に押圧され、前記テーパ嵌合の摩擦
力でそのシンクロナイザリングとその変速歯車とを同期
回転させる変速機用クラッチの同期装置において、(g)
前記クラッチハブスリーブが前記シフト手段によって前
記中立位置に保持されている限り、そのクラッチハブス
リーブの所定位置に位置決めされている前記シフティン
グキーに前記シンクロナイザリングが当接することのな
いように、各部の寸法を設定したことを特徴とする。
【0022】第5発明は、上記第4発明の同期装置にお
いて、前記クラッチハブスリーブが前記シフト手段によ
って前記中立位置に保持されている場合に、そのクラッ
チハブスリーブの所定位置に位置決めされている前記シ
フティングキーと前記シンクロナイザリングとの間に
は、各部の軸方向のがたつきに拘らずそのシンクロナイ
ザリングと前記クラッチハブまたは前記キースプリング
との間の寸法よりも常に大きな寸法の隙間が形成される
ように、各部の寸法が設定されていることを特徴とす
る。
【0023】第6発明は、(a) 回転軸に相対回転不能に
配設されて一体回転させられるクラッチハブと、(b) そ
のクラッチハブに相対回転不能且つ軸方向の相対移動可
能にスプライン嵌合されるとともに、シフト手段によっ
て軸方向に離間する一対の変速位置と、その一対の変速
位置の中間に位置して動力伝達を遮断する中立位置とへ
移動させられるクラッチハブスリーブと、(c) そのクラ
ッチハブスリーブに相対回転不能且つ軸方向の相対移動
可能に配設されるとともに、常にはキースプリングの付
勢力でそのクラッチハブスリーブの所定位置に位置決め
されるシフティングキーと、(d) 前記クラッチハブの両
側において、それぞれ前記回転軸に対して相対回転可能
に配設されるとともに、前記クラッチハブスリーブが前
記変速位置へ移動させられることにより、そのクラッチ
ハブスリーブとスプライン嵌合されて前記クラッチハブ
との間で動力伝達を行う一対の変速歯車と、(e) その一
対の変速歯車にそれぞれ相対回転可能且つ軸方向の相対
移動可能に配設されるとともに、その変速歯車に押圧さ
れてテーパ嵌合させられる一対のシンクロナイザリング
と、(f) 周方向において互いに係合させられる係合溝お
よび係合突起から成り、前記クラッチハブまたは前記シ
フティングキーと前記一対のシンクロナイザリングとを
それぞれ所定角度の相対回転を許容する状態で係合させ
る一対の係合手段とを有し、前記クラッチハブスリーブ
が前記中立位置から何れかの変速位置へ移動させられる
際に、前記シフティングキーが前記シンクロナイザリン
グに当接させられることにより、そのシンクロナイザリ
ングが前記変速歯車に押圧され、前記テーパ嵌合の摩擦
力でそのシンクロナイザリングとその変速歯車とを同期
回転させる変速機用クラッチの同期装置において、(g)
前記シフティングキーを、前記一対のシンクロナイザリ
ングに対して別々に周方向に離間して設けるとともに、
前記クラッチハブスリーブに対する配設位置および軸方
向の寸法を、反対側のシンクロナイザリングに対して当
接不能となるように設定したことを特徴とする。
【0024】第7発明は、第6発明の同期装置におい
て、前記シフティングキーは、反対側のシンクロナイザ
リングに対して当接不能となるように、その反対側の軸
方向寸法が短くされていることを特徴とする。
【0025】第8発明は、第6発明の同期装置におい
て、前記シフティングキーは、反対側のシンクロナイザ
リングに対して当接不能となるように、その反対側のシ
ンクロナイザリングから離間する側へオフセットして前
記クラッチハブスリーブに配設されていることを特徴と
する。
【0026】
【発明の効果】第1発明は、シンクロナイザリングにキ
ー溝が形成され、そのキー溝にシフティングキーが係合
させられるキーインデックスタイプの同期装置に関する
もので、キー溝の軸方向端面と側壁とのコーナー部に、
その軸方向端面に連続して周方向に食い込む切込みが設
けられているため、動力伝達を遮断する中立状態での振
動に起因してキー溝の側壁が摩耗しても、その切込みに
よって軸方向の遊びが維持される。このため、一対のシ
ンクロナイザリングが軸方向においてシフティングキー
を介して一体的に連結される(食い付く)ことがなく、
摩耗の急速な進行が防止されて変速操作性の低下が抑制
される。
【0027】第2発明では、上記切込みの軸方向の幅寸
法が、一対のシンクロナイザリングのキー溝の軸方向端
面間の最大寸法からシフティングキーの軸方向寸法を差
し引いた寸法より大きいため、シフティングキーが軸方
向において反対側へ変位した状態で摩耗が進行しても、
その摩耗部位と切込みとが常に連続する状態となり、切
込みによって確実に軸方向の遊びが維持される。
【0028】第3発明では、クラッチハブスリーブがシ
フト手段によって中立位置に保持されている限り、その
クラッチハブスリーブの所定位置に位置決めされている
シフティングキーにシンクロナイザリングが当接するこ
とのないように各部の寸法が設定されているため、動力
伝達を遮断する中立状態での振動に起因してシフティン
グキーがシンクロナイザリングを変速歯車に押圧する恐
れがなく、中立状態での振動に起因するキー溝の側壁の
摩耗自体が抑制される。
【0029】第4発明は、キーインデックスタイプだけ
でなくハブインデックスタイプにも好適に適用され得る
もので、クラッチハブスリーブがシフト手段によって中
立位置に保持されている限り、そのクラッチハブスリー
ブの所定位置に位置決めされているシフティングキーに
シンクロナイザリングが当接することのないように各部
の寸法が設定されているため、動力伝達を遮断する中立
状態での振動に起因してシフティングキーがシンクロナ
イザリングを変速歯車に押圧する恐れがなく、中立状態
での振動に起因する係合手段の係合溝(キーインデック
スタイプのキー溝)や係合突起の摩耗が防止され、変速
操作性の低下が抑制される。
【0030】第6発明では、一対のシンクロナイザリン
グに対して別々に周方向に離間してシフティングキーが
設けられるとともに、クラッチハブスリーブに対する配
設位置および軸方向の寸法が、反対側のシンクロナイザ
リングに対して当接不能となるように設定されているた
め、動力伝達を遮断する中立状態での振動に起因してシ
フティングキーが軸方向へ飛ばされても、反対側のシン
クロナイザリングに当接してそれを変速歯車に押圧する
恐れはなく、中立状態での振動に起因する係合手段の係
合溝(キーインデックスタイプのキー溝)や係合突起の
摩耗が防止され、変速操作性の低下が抑制される。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の同期装置は、前記図16
の変速機10のように運転者の手動操作で機械的に変速
される手動変速機に好適に適用されるが、油圧アクチュ
エータなどの駆動手段によってクラッチハブスリーブを
軸方向へ移動させることにより変速段を自動で切り換え
る形式の変速機にも適用され得る。変速段の数は適宜定
められるし、入力軸12を省略して、カウンタシャフト
14に直接エンジン出力が入力されるようになっていて
も良いなど、変速機自体の構成は適宜定められる。ま
た、クラッチは、変速機10のように出力軸16側に配
設することが望ましいが、カウンタシャフト14側に配
設することも可能である。
【0032】また、本発明では摩耗の急速な進行が防止
され、或いは摩耗自体が防止されることから、銅系材料
等の比較的軟らかい材料でシンクロナイザリングや係合
手段を構成することが可能であり、その場合には、耐摩
耗性に優れた鉄系材料などを使用する場合に比較して、
熱処理等が不要であるとともに加工が容易で生産コスト
が少なくて済む。
【0033】第1発明は、シンクロナイザリングにキー
溝が形成され、そのキー溝にシフティングキーが係合さ
せられるキーインデックスタイプの同期装置に関するも
のであるが、第4発明以降は、キーインデックスタイプ
およびハブインデックスタイプの何方でも良い。また、
本発明はマルチコーンタイプのクラッチにも適用され得
る。
【0034】第1発明の切込みは、一対のシンクロナイ
ザリングの両方のキー溝にそれぞれ設けることが望まし
いが、何れか一方のシンクロナイザリングに設けるだけ
でも良い。また、周方向の両側に切込みを設けることも
できるが、例えば最低変速段や最高変速段を成立させる
クラッチでは、キー溝の一方の側壁にシフティングキー
が当接させられるだけであるため、その一方の側壁側だ
けに切込みを設ければ良いなど、切込みを設ける形態は
適宜定められる。前記図23、図24の切込み74を併
せて設けるようにしても良いことは勿論である。第4発
明以降の発明についても、第1発明の切込みや図23、
図24の切込み74を設けることが可能である。
【0035】第3発明の実施に際しては、例えば前記ク
ラッチハブスリーブが前記シフト手段によって前記中立
位置に保持されている場合に、そのクラッチハブスリー
ブの所定位置に位置決めされている前記シフティングキ
ーと前記キー溝の軸方向端面との間には、各部の軸方向
のがたつき(組付公差や遊びなど)に拘らずシンクロナ
イザリングと前記クラッチハブまたは前記キースプリン
グとの間の寸法よりも常に大きな寸法の隙間が形成され
るように、各部の寸法が設定される。
【0036】第6発明は、一対のシンクロナイザリング
に対してそれぞれ専用のシフティングキーを配設する場
合で、シンクロナイザリングとの当接によって反対側へ
飛ばされても、他方のシンクロナイザリングに当接する
前にストッパなどで停止させられ、且つキースプリング
によって元の所定位置へ戻されるように構成される。
【0037】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ
具体的に説明する。なお、以下の実施例は、前記図16
以下に示したクラッチ42に適用した場合で、実質的に
共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略
する。
【0038】図1および図2は、請求項1および2に記
載の発明の実施例で、前記キー溝70の軸方向端面70
aと側壁70bとのコーナー部には、その軸方向端面7
0aに連続して周方向に食い込むように一対の切込み8
0が設けられている。切込み80の軸方向の幅寸法d
は、一対のシンクロナイザリング54,56のキー溝6
8,70の軸方向端面68a,70a間の最大寸法から
シフティングキー52の軸方向寸法を差し引いた寸法よ
り大きく、シフティングキー52が軸方向において反対
側へ変位した状態で摩耗が進行しても、常に摩耗部位と
切込み80とが連続するようになっている。図3は、シ
フティングキー52との係合で側壁70bが摩耗した状
態(散点部分)である。また、切込み80の周方向の寸
法は、前記車両保証走行距離Bまでの間の摩耗量より大
きく、この摩耗量は、シフティングキー52と側壁70
bとの接触面積やシンクロナイザリング56の材質など
に基づいて、実験や演算式などにより求められる。な
お、かかる摩耗量が前記許容摩耗領域の範囲内となるよ
うに、接触面積や材質などが設定される。また、反対側
のシンクロナイザリング54についても同様に構成され
る。
【0039】このようにすれば、動力伝達を遮断する中
立状態での振動に起因してキー溝70の側壁70bが摩
耗しても、切込み80によって軸方向の遊びが維持され
るため、一対のシンクロナイザリング54,56が軸方
向においてシフティングキー52を介して一体的に連結
されることがなく、摩耗の急速な進行が防止されて変速
操作性の低下が抑制される。すなわち、図4において一
点鎖線で示すように、摩耗量は走行距離に略比例して直
線的に増大するだけとなるのである。
【0040】また、切込み80の軸方向の幅寸法dが、
一対のシンクロナイザリング54,56のキー溝68,
70の軸方向端面68a,70a間の最大寸法からシフ
ティングキー52の軸方向寸法を差し引いた寸法より大
きいため、シフティングキー52が軸方向において反対
側へ変位した状態で摩耗が進行しても、常に摩耗部位と
切込み80とが連続する状態となり、切込み80によっ
て確実に軸方向の遊びが維持される。
【0041】また、このように摩耗の急速な進行が防止
されることから、銅系材料等の比較的軟らかい材料でシ
ンクロナイザリング54,56を構成することが可能で
あり、耐摩耗性に優れた鉄系材料などを使用する場合に
比較して、熱処理等が不要であるとともに加工が容易で
生産コストが少なくて済む。
【0042】図5のクラッチ82は、請求項4および5
に記載の発明の実施例で、クラッチハブスリーブ42s
がシフトフォーク58によって中立位置に保持されてい
る限り、クラッチハブスリーブ42sの略中央に位置決
めされている前記シフティングキー52にシンクロナイ
ザリング54,56が当接することのないように、各部
の寸法が設定されている。具体的には、クラッチハブス
リーブ42sがシフトフォーク58によって中立位置に
保持されている場合に、そのクラッチハブスリーブ42
sの略中央に位置決めされているシフティングキー52
とシンクロナイザリング54,56との間の寸法X,Y
が、組付公差や遊びなどに起因する軸方向のがたつきに
拘らず総ての状態で次式(1) ,(2) を満足するように、
その組付公差や遊び等を考慮して各部の寸法が設定され
る。寸法x1 ,y1 は、シンクロナイザリング54,5
6とクラッチハブ50との間の軸方向の隙間で、寸法x
2,y2 は、シンクロナイザリング54,56とキース
プリング62との間の軸方向の隙間である。 X>x1 または X>x2 ・・・(1) Y>y1 または Y>y2 ・・・(2)
【0043】このようにすれば、動力伝達を遮断する中
立状態での振動に起因してシンクロナイザリング54,
56がシフティングキー52に当接したり、その当接に
起因してシフティングキー52が軸方向へ飛ばされて反
対側のシンクロナイザリング56,54をギヤピース6
6,64に押圧したりする恐れがなく、中立状態での振
動に起因するキー溝70,68の側壁の摩耗が防止さ
れ、変速操作性の低下が抑制される。また、このように
摩耗が防止されることから、銅系材料等の比較的軟らか
い材料でシンクロナイザリング54,56を構成するこ
とが可能であり、耐摩耗性に優れた鉄系材料などを使用
する場合に比較して、熱処理等が不要であるとともに加
工が容易で生産コストが少なくて済む。
【0044】なお、シンクロナイザリング54,56自
体の振動などでギヤピース64,66に係合し、シフテ
ィングキー52と衝突してキー溝68,70の側壁が摩
耗する恐れがあるため、前記図1〜図3の実施例のよう
にキー溝68,70の軸方向端面68a,70aに連続
する切込み80を設けておくことが望ましい。その場合
は、請求項3に記載の発明の実施例となる。
【0045】図6のシンクロナイザリング84は、キー
溝86の軸方向寸法を長くし、シフティングキー52か
ら軸方向端面86aまでの寸法XやYを大きくすること
により、前記(1) 式や(2) 式を満足するようにした場合
である。
【0046】図7のクラッチ90はハブインデックスタ
イプで、クラッチハブ50に設けられた係合溝50a
と、シンクロナイザリング54,56に設けられた係合
突起54a,56aとによって係合手段92,94が構
成され、所定角度の相対回転を許容する状態でクラッチ
ハブ50とシンクロナイザリング54,56とが係合さ
せられるようになっている。また、キースプリングとし
ての圧縮コイルスプリング96によって外周側へ付勢さ
れ、クラッチハブスリーブ42sの溝60によって位置
決めされるシフティングキー98は、専ら変速時にシン
クロナイザリング54,56をギヤピース64,66に
押圧する作用を為すだけであり、上記係合溝50a内に
配設されている。図7の(b) は、クラッチハブスリーブ
42sを取り除いた状態でシフティングキー98付近を
外周側から見た図である。
【0047】このクラッチ90は、前記図5、図6の実
施例と同様に請求項4および5に記載の発明の実施例
で、クラッチハブスリーブ42sがシフトフォーク58
によって中立位置に保持されている場合に、そのクラッ
チハブスリーブ42sの略中央に位置決めされているシ
フティングキー98とシンクロナイザリング54,56
との間の寸法X,Yが、組付公差や遊びなどに起因する
軸方向のがたつきに拘らず総ての状態で次式(3) ,(4)
を満足するように、その組付公差や遊び等を考慮して各
部の寸法が設定される。寸法x,yは、シンクロナイザ
リング54,56とクラッチハブ50との間の軸方向の
隙間であり、図5の実施例と同様の効果が得られる。 X>x ・・・(3) Y>y ・・・(4)
【0048】図8のクラッチ100は、キーインデック
スのマルチコーンタイプで、変速歯車32b,34bに
テーパ部材102,104が相対回転不能に配設されて
いるとともに、クラッチハブ50にテーパ部材106,
108が相対回転不能に配設され、変速歯車32b,3
4bはそれぞれ3つのテーパ摩擦面を介してクラッチハ
ブ50と同期回転させられるようになっている。この場
合も、クラッチハブスリーブ42sがシフトフォーク5
8によって中立位置に保持されている限り、クラッチハ
ブスリーブ42sの略中央に位置決めされているシフテ
ィングキー52にシンクロナイザリング54,56が当
接することのないように、前記(1) 式および(2) 式を満
足するように各部の寸法が設定されることにより、図5
の実施例と同様の効果が得られる。なお、この実施例の
変速歯車32bは、前記ギヤピース64が一体に構成さ
れている。
【0049】なお、図示は省略するが、ハブインデック
スのマルチコーンタイプのクラッチにも、請求項4に記
載の発明は適用され得る。
【0050】図9および図10のクラッチ110は、請
求項6および7に記載の発明の実施例で、一対のシンク
ロナイザリング54,56に対して別々にシフティング
キー112,114が配設されている。これらのシフテ
ィングキー112,114は、それぞれ周方向に等角度
間隔で複数(実施例では3つ)ずつ設けられているとと
もに、互いに周方向の中間に位置するように60°間隔
で配設されている。また、このクラッチ110はキーイ
ンデックスタイプで、シンクロナイザリング54,56
にはシフティングキー112,114と係合するキー溝
116,118が6つずつ設けられており、シフティン
グキー112,114の両端部が係合手段の係合突起で
キー溝116,118が係合溝に相当する。クラッチハ
ブスリーブ42sには、上記シフティングキー112,
114に対応して6つの溝60が設けられ、それ等のシ
フティングキー112,114をそれぞれ軸方向の略中
央に位置決めするようになっている。図9の(b) は、ク
ラッチハブスリーブ42sを取り除いた状態でシフティ
ングキー112付近を外周側から見た図で、図9の(c)
は、クラッチハブスリーブ42sを取り除いた状態でシ
フティングキー114付近を外周側から見た図である。
【0051】一方、変速操作時にシンクロナイザリング
54に当接してギヤピース64に押圧するシフティング
キー112は、反対側のシンクロナイザリング56に対
して当接不能となるように、図9の(b) に示すようにそ
の反対側の軸方向寸法L2 がシンクロナイザリング54
側の軸方向寸法L1 よりも短くされている。具体的に
は、動力伝達を遮断する中立状態での振動に起因してシ
ンクロナイザリング54がシフティングキー112に当
接し、その当接に起因してシフティングキー112がシ
ンクロナイザリング56側へ飛ばされても、そのシンク
ロナイザリング56に当接する前にストッパなどで停止
させられ、且つキースプリング62によって元の中央位
置へ戻されるように、シンクロナイザリング56(厳密
にはキー溝118の軸方向端面)との間に比較的大きな
隙間Xを確保しているのである。また、この隙間Xによ
り、中立状態での振動に起因してシンクロナイザリング
56がシフティングキー112に当接することも防止さ
れる。なお、シンクロナイザリング54(厳密にはキー
溝116の軸方向端面)との間の隙間Yは、前記シフト
フォーク58によってクラッチハブスリーブ42sが2
速位置へ移動させられることにより、シフティングキー
112がシンクロナイザリング54に当接してギヤピー
ス64に押圧するように定められている。
【0052】他方のシフティングキー114は、逆にシ
ンクロナイザリング54に対して当接不能となるよう
に、図9の(c) に示すようにシンクロナイザリング54
側の軸方向寸法L2 がシンクロナイザリング56側の軸
方向寸法L1 よりも短くされている。具体的には、動力
伝達を遮断する中立状態での振動に起因してシンクロナ
イザリング56がシフティングキー114に当接し、そ
の当接に起因してシフティングキー114がシンクロナ
イザリング54側へ飛ばされても、そのシンクロナイザ
リング54に当接する前にストッパなどで停止させら
れ、且つキースプリング62によって元の中央位置へ戻
されるように、シンクロナイザリング54(厳密にはキ
ー溝116の軸方向端面)との間に比較的大きな隙間X
を確保しているのである。また、この隙間Xにより、中
立状態での振動に起因してシンクロナイザリング54が
シフティングキー114に当接することも防止される。
なお、シンクロナイザリング56(厳密にはキー溝11
8の軸方向端面)との間の隙間Yは、前記シフトフォー
ク58によってクラッチハブスリーブ42sが3速位置
へ移動させられることにより、シフティングキー114
がシンクロナイザリング56に当接してギヤピース66
に押圧するように定められている。
【0053】このようにすれば、動力伝達を遮断する中
立状態での振動に起因してシフティングキー112,1
14が軸方向へ飛ばされても、反対側のシンクロナイザ
リング56,54に当接してそれをギヤピース66,6
4に押圧する恐れはなく、中立状態での振動に起因する
キー溝116,118の側壁の摩耗が防止され、変速操
作性の低下が抑制される。また、このように摩耗が防止
されることから、銅系材料等の比較的軟らかい材料でシ
ンクロナイザリング54,56を構成することが可能で
あり、耐摩耗性に優れた鉄系材料などを使用する場合に
比較して、熱処理等が不要であるとともに加工が容易で
生産コストが少なくて済む。
【0054】また、本実施例では計6つのシフティング
キー112,114がそれぞれシンクロナイザリング5
4,56のキー溝116,118と径方向において係合
させられるようになっているため、変速時などにシフテ
ィングキー112,114がキー溝116または118
の側壁に接触する面積が大きくなり、その分だけ面圧が
小さくなって摩耗が軽減される。
【0055】なお、シンクロナイザリング54,56自
体の振動などでギヤピース64,66に係合し、シフテ
ィングキー112,114と衝突してキー溝116,1
18の側壁が摩耗する恐れがあるため、前記図1〜図3
の実施例のようにキー溝116,118の軸方向端面に
連続して周方向に食い込む切込みを設けておくことも可
能である。
【0056】図11のクラッチ120は、請求項6およ
び8に記載の発明の実施例で、上記図9および図10の
クラッチ110に比較して、シフティングキーの形状お
よびクラッチハブスリーブ42sに対する配設位置が異
なる。すなわち、本実施例のシフティングキー122,
124は、中心から両端までの寸法L3 が等しいが、変
速操作時にシンクロナイザリング54に当接してギヤピ
ース64に押圧するシフティングキー122を位置決め
する溝126は、そのシフティングキー122が反対側
のシンクロナイザリング56に対して当接不能となるよ
うに、(b) に示すように寸法αだけシンクロナイザリン
グ54側へオフセットして形成されている。また、変速
操作時にシンクロナイザリング56に当接してギヤピー
ス66に押圧するシフティングキー124を位置決めす
る溝128は、そのシフティングキー124が反対側の
シンクロナイザリング54に対して当接不能となるよう
に、(c) に示すように寸法αだけシンクロナイザリング
56側へオフセットして形成されている。これにより、
前記隙間XおよびYがそれぞれ確保され、図9および図
10の実施例と同様の作用効果が得られる。
【0057】図12のクラッチ130は、キーインデッ
クスのマルチコーンタイプで、請求項6および7に記載
の発明の一実施例であり、前記図9および図10のクラ
ッチ110に比較して、変速歯車32b,34bにテー
パ部材132,134が相対回転不能に配設されている
とともに、シンクロナイザリング54,56にテーパ部
材136,138が相対回転不能に配設されている点が
異なり、変速歯車32b,34bはそれぞれ3つのテー
パ摩擦面を介してシンクロナイザリング54,56、更
にはクラッチハブ50と同期回転させられるようになっ
ている。
【0058】図13のクラッチ140は、キーインデッ
クスのマルチコーンタイプで、請求項6および8に記載
の発明の一実施例であり、前記図11のクラッチ120
に比較して、変速歯車32b,34bにテーパ部材13
2,134が相対回転不能に配設されているとともに、
シンクロナイザリング54,56にテーパ部材136,
138が相対回転不能に配設されている点が異なり、変
速歯車32b,34bはそれぞれ3つのテーパ摩擦面を
介してシンクロナイザリング54,56、更にはクラッ
チハブ50と同期回転させられるようになっている。
【0059】図14のクラッチ150は、前記図7に記
載のようなハブインデックスタイプのクラッチに請求項
6および7に記載の発明を適用した場合で、図9および
図10のクラッチ110のように一対のシンクロナイザ
リング54,56に対して別々にシフティングキー15
2,154が配設されている。これらのシフティングキ
ー152,154は、それぞれ周方向に等角度間隔で複
数(実施例では3つ)ずつ設けられているとともに、互
いに周方向の中間に位置するように60°間隔で配設さ
れている。また、それ等のシフティングキー152,1
54に対応して、シンクロナイザリング54,56には
それぞれ6つの係合突起54a,56aが設けられると
ともにクラッチハブ50には6つの共通の係合溝50a
が形成され、それ等の係合突起54a,56aおよび係
合溝50aによって係合手段156,158が構成され
ている。クラッチハブスリーブ42sには、上記シフテ
ィングキー152,154に対応して6つの溝60が設
けられ、それ等のシフティングキー152,154をそ
れぞれ軸方向の略中央に位置決めするようになってい
る。
【0060】一方、変速操作時にシンクロナイザリング
54に当接してギヤピース64に押圧するシフティング
キー152は、反対側のシンクロナイザリング56に対
して当接不能となるように、(b) に示すようにシンクロ
ナイザリング56側の軸方向寸法L2 がシンクロナイザ
リング54側の軸方向寸法L1 よりも短くされている。
また、変速操作時にシンクロナイザリング56に当接し
てギヤピース66に押圧するシフティングキー154
は、逆にシンクロナイザリング54に対して当接不能と
なるように、(c) に示すようにシンクロナイザリング5
4側の軸方向寸法L2 がシンクロナイザリング56側の
軸方向寸法L1 よりも短くされている。これにより、前
記隙間XおよびYがそれぞれ確保され、図9および図1
0の実施例と同様の作用効果が得られる。
【0061】図15のクラッチ160は、請求項6およ
び8に記載の発明の実施例で、上記図14のクラッチ1
50に比較して、シフティングキーの形状およびクラッ
チハブスリーブ42sに対する配設位置が異なる。すな
わち、本実施例のシフティングキー162,164は、
中心から両端までの寸法L3 が等しいが、変速操作時に
シンクロナイザリング54に当接してギヤピース64に
押圧するシフティングキー162を位置決めする溝16
6は、そのシフティングキー162が反対側のシンクロ
ナイザリング56に対して当接不能となるように、(b)
に示すように寸法αだけシンクロナイザリング54側へ
オフセットして形成されている。また、変速操作時にシ
ンクロナイザリング56に当接してギヤピース66に押
圧するシフティングキー164を位置決めする溝168
は、そのシフティングキー164が反対側のシンクロナ
イザリング54に対して当接不能となるように、(c) に
示すように寸法αだけシンクロナイザリング56側へオ
フセットして形成されている。これにより、前記隙間X
およびYがそれぞれ確保され、図14の実施例と同様の
作用効果が得られる。
【0062】なお、図示は省略するが、ハブインデック
スのマルチコーンタイプのクラッチにも、請求項6に記
載の発明は適用され得る。
【0063】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、これらはあくまでも一実施形態であ
り、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良
を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明の一実施例のキー溝部分
を示す斜視図である。
【図2】図1の実施例におけるキー溝部分の平面図であ
る。
【図3】図1の実施例においてキー溝の側壁が摩耗した
状態を示す平面図である。
【図4】キー溝の側壁の摩耗量と走行距離との関係を、
従来の場合と比較して示す図である。
【図5】請求項4に記載の発明の一実施例を示す断面図
である。
【図6】請求項4に記載の発明の別の実施例のキー溝部
分を示す斜視図である。
【図7】請求項4に記載の発明の更に別の実施例を説明
する図である。
【図8】請求項4に記載の発明の更に別の実施例を示す
断面図である。
【図9】請求項6に記載の発明の一実施例を説明する図
である。
【図10】図9の実施例のクラッチハブ等を示す側面図
である。
【図11】請求項6に記載の発明の別の実施例を説明す
る図である。
【図12】請求項6に記載の発明の更に別の実施例を説
明する図である。
【図13】請求項6に記載の発明の更に別の実施例を説
明する図である。
【図14】請求項6に記載の発明の更に別の実施例を説
明する図である。
【図15】請求項6に記載の発明の更に別の実施例を説
明する図である。
【図16】本発明が好適に適用される変速機の一例を説
明する図である。
【図17】従来のクラッチの一例を説明する断面図であ
る。
【図18】図17のクラッチのクラッチハブ等を示す側
面図である。
【図19】図17のクラッチのキー溝部分を示す斜視図
である。
【図20】図17のクラッチのキー溝部分を示す平面図
である。
【図21】図17のクラッチにおけるキー溝の側壁の摩
耗を説明する図である。
【図22】摩耗によって形成された段差にシフティング
キーが乗り上げた状態を説明する図である。
【図23】キー溝の側壁と底面とのコーナー部に底面に
連続して切込みを設けた従来例を説明する図である。
【図24】図23の従来例のキー溝部分を示す斜視図で
ある。
【図25】中立状態での振動に起因してキー溝の側壁に
生じる摩耗を説明する図である。
【符号の説明】
10:変速機 16:出力軸(回転軸) 32b,34b:変速歯車 42s:クラッチハブスリーブ 50:クラッチハブ 52,98,112,114,122,124,15
2,154,162,164:シフティングキー 54,56,84:シンクロナイザリング 58:シフトフォーク(シフト手段) 62:キースプリング 68,70,86,116,118:キー溝 80:切込み 82,90,100,110,120,130,14
0,150,160:クラッチ 92,94,156,158:係合手段 96:圧縮コイルスプリング(キースプリング)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古賀 秀昭 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 高村 伸一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−26258(JP,A) 特開 平7−19258(JP,A) 特開 平5−18422(JP,A) 特開 昭62−80327(JP,A) 実開 平5−83467(JP,U) 実開 昭58−30033(JP,U) 実開 昭58−30032(JP,U) 実開 平1−69919(JP,U) 実開 平5−8053(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 11/00 - 23/14

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸に相対回転不能に配設されて一体
    回転させられるクラッチハブと、 該クラッチハブに相対回転不能且つ軸方向の相対移動可
    能にスプライン嵌合されるとともに、シフト手段によっ
    て軸方向に離間する一対の変速位置と、該一対の変速位
    置の中間に位置して動力伝達を遮断する中立位置とへ移
    動させられるクラッチハブスリーブと、 該クラッチハブスリーブに相対回転不能且つ軸方向の相
    対移動可能に配設されるとともに、常にはキースプリン
    グの付勢力で該クラッチハブスリーブの所定位置に位置
    決めされるシフティングキーと、 前記クラッチハブの両側において、それぞれ前記回転軸
    に対して相対回転可能に配設されるとともに、前記クラ
    ッチハブスリーブが前記変速位置へ移動させられること
    により、該クラッチハブスリーブとスプライン嵌合され
    て前記クラッチハブとの間で動力伝達を行う一対の変速
    歯車と、 該一対の変速歯車にそれぞれ相対回転可能且つ軸方向の
    相対移動可能に配設されるとともに、該変速歯車に押圧
    されてテーパ嵌合させられる一方、前記シフティングキ
    ーの軸方向の端部に所定角度の相対回転を許容する状態
    で係合させられるキー溝が設けられた一対のシンクロナ
    イザリングとを有し、前記クラッチハブスリーブが前記
    中立位置から何れかの変速位置へ移動させられる際に、
    前記キー溝の軸方向端面に前記シフティングキーが当接
    させられることにより、前記シンクロナイザリングが前
    記変速歯車に押圧され、前記テーパ嵌合の摩擦力で該シ
    ンクロナイザリングと該変速歯車とを同期回転させる変
    速機用クラッチの同期装置において、 前記キー溝の軸方向端面と側壁とのコーナー部に、該軸
    方向端面に連続して周方向に食い込むように切込みを設
    けたことを特徴とする変速機用クラッチの同期装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記切込みの軸方向の幅寸法は、一対のシンクロナイザ
    リングのキー溝の軸方向端面間の最大寸法から前記シフ
    ティングキーの軸方向寸法を差し引いた寸法より大きい
    ことを特徴とする変速機用クラッチの同期装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記クラッチハブスリーブが前記シフト手段によって前
    記中立位置に保持されている限り、該クラッチハブスリ
    ーブの所定位置に位置決めされている前記シフティング
    キーに前記シンクロナイザリングのキー溝の軸方向端面
    が当接することのないように、各部の寸法が設定されて
    いることを特徴とする変速機用クラッチの同期装置。
  4. 【請求項4】 回転軸に相対回転不能に配設されて一体
    回転させられるクラッチハブと、 該クラッチハブに相対回転不能且つ軸方向の相対移動可
    能にスプライン嵌合されるとともに、シフト手段によっ
    て軸方向に離間する一対の変速位置と、該一対の変速位
    置の中間に位置して動力伝達を遮断する中立位置とへ移
    動させられるクラッチハブスリーブと、 該クラッチハブスリーブに相対回転不能且つ軸方向の相
    対移動可能に配設されるとともに、常にはキースプリン
    グの付勢力で該クラッチハブスリーブの所定位置に位置
    決めされるシフティングキーと、 前記クラッチハブの両側において、それぞれ前記回転軸
    に対して相対回転可能に配設されるとともに、前記クラ
    ッチハブスリーブが前記変速位置へ移動させられること
    により、該クラッチハブスリーブとスプライン嵌合され
    て前記クラッチハブとの間で動力伝達を行う一対の変速
    歯車と、 該一対の変速歯車にそれぞれ相対回転可能且つ軸方向の
    相対移動可能に配設されるとともに、該変速歯車に押圧
    されてテーパ嵌合させられる一対のシンクロナイザリン
    グと、 周方向において互いに係合させられる係合溝および係合
    突起から成り、前記クラッチハブまたは前記シフティン
    グキーと前記一対のシンクロナイザリングとをそれぞれ
    所定角度の相対回転を許容する状態で係合させる一対の
    係合手段とを有し、前記クラッチハブスリーブが前記中
    立位置から何れかの変速位置へ移動させられる際に、前
    記シフティングキーが前記シンクロナイザリングに当接
    させられることにより、該シンクロナイザリングが前記
    変速歯車に押圧され、前記テーパ嵌合の摩擦力で該シン
    クロナイザリングと該変速歯車とを同期回転させる変速
    機用クラッチの同期装置において、 前記クラッチハブスリーブが前記シフト手段によって前
    記中立位置に保持されている限り、該クラッチハブスリ
    ーブの所定位置に位置決めされている前記シフティング
    キーに前記シンクロナイザリングが当接することのない
    ように、各部の寸法を設定したことを特徴とする変速機
    用クラッチの同期装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記クラッチハブスリーブが前記シフト手段によって前
    記中立位置に保持されている場合に、該クラッチハブス
    リーブの所定位置に位置決めされている前記シフティン
    グキーと前記シンクロナイザリングとの間には、各部の
    軸方向のがたつきに拘らず該シンクロナイザリングと前
    記クラッチハブまたは前記キースプリングとの間の寸法
    よりも常に大きな寸法の隙間が形成されるように、各部
    の寸法が設定されていることを特徴とする変速機用クラ
    ッチの同期装置。
  6. 【請求項6】 回転軸に相対回転不能に配設されて一体
    回転させられるクラッチハブと、 該クラッチハブに相対回転不能且つ軸方向の相対移動可
    能にスプライン嵌合されるとともに、シフト手段によっ
    て軸方向に離間する一対の変速位置と、該一対の変速位
    置の中間に位置して動力伝達を遮断する中立位置とへ移
    動させられるクラッチハブスリーブと、 該クラッチハブスリーブに相対回転不能且つ軸方向の相
    対移動可能に配設されるとともに、常にはキースプリン
    グの付勢力で該クラッチハブスリーブの所定位置に位置
    決めされるシフティングキーと、 前記クラッチハブの両側において、それぞれ前記回転軸
    に対して相対回転可能に配設されるとともに、前記クラ
    ッチハブスリーブが前記変速位置へ移動させられること
    により、該クラッチハブスリーブとスプライン嵌合され
    て前記クラッチハブとの間で動力伝達を行う一対の変速
    歯車と、 該一対の変速歯車にそれぞれ相対回転可能且つ軸方向の
    相対移動可能に配設されるとともに、該変速歯車に押圧
    されてテーパ嵌合させられる一対のシンクロナイザリン
    グと、 周方向において互いに係合させられる係合溝および係合
    突起から成り、前記クラッチハブまたは前記シフティン
    グキーと前記一対のシンクロナイザリングとをそれぞれ
    所定角度の相対回転を許容する状態で係合させる一対の
    係合手段とを有し、前記クラッチハブスリーブが前記中
    立位置から何れかの変速位置へ移動させられる際に、前
    記シフティングキーが前記シンクロナイザリングに当接
    させられることにより、該シンクロナイザリングが前記
    変速歯車に押圧され、前記テーパ嵌合の摩擦力で該シン
    クロナイザリングと該変速歯車とを同期回転させる変速
    機用クラッチの同期装置において、 前記シフティングキーを、前記一対のシンクロナイザリ
    ングに対して別々に周方向に離間して設けるとともに、
    前記クラッチハブスリーブに対する配設位置および軸方
    向の寸法を、反対側のシンクロナイザリングに対して当
    接不能となるように設定したことを特徴とする変速機用
    クラッチの同期装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 前記シフティングキーは、反対側のシンクロナイザリン
    グに対して当接不能となるように、該反対側の軸方向寸
    法が短くされていることを特徴とする変速機用クラッチ
    の同期装置。
  8. 【請求項8】 請求項6において、 前記シフティングキーは、反対側のシンクロナイザリン
    グに対して当接不能となるように、該反対側のシンクロ
    ナイザリングから離間する側へオフセットして前記クラ
    ッチハブスリーブに配設されていることを特徴とする変
    速機用クラッチの同期装置。
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