JP3412189B2 - 窒化鉄粒子の製造方法 - Google Patents

窒化鉄粒子の製造方法

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功 中谷
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Nittetsu Mining Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、例えば、磁性塗料や、
磁性トナー或いは磁性キャリア等の粉末磁性材料に利用
可能な窒化鉄磁性粒子を製造する方法に関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】従来より、新しい機能性材料としての磁
性流体が注目されている。 【0003】例えば、磁性塗料、画像形成装置用の磁性
トナー或いは磁性キャリア等、粉末磁性材料としては、
磁化の値が大きく、等方的な形状(針状、棒状、板状、
偏平状等、異方的形状以外の形状を指し、長径と短径が
あまり違わない回転楕円体、長辺と短辺があまり違わな
い直方体や多面体、又はそれに類する不定形等)を有
し、且つ均一なサイズ、特に、粒径が20nm〜100
μm程度の微粒子が必要とされる。 【0004】そのため、従来は、球状に焼結させたフェ
ライト粒子、あるいはカルボニル鉄粉が用いられてい
た。 【0005】しかしながら、フェライトは磁化が小さ
く、画像形成装置用としてはあまり適さない。 【0006】一方、カルボニル鉄粉は、そのままで球状
性がよく、その磁化も大きいが、酸化に対して安定でな
い。しかも画像形成装置用に好適な1μm以下のサイズ
の粉体を得にくい等の欠点を有している。 【0007】そのため、化学的に安定で大きな磁化を有
する磁性材料として、窒化鉄が注目されている。 【0008】現在、窒化鉄微粒子の製造方法としては、
次のものが公知である。即ち、 特公昭59−34125号公報等で開示されている、
アンモニアガス雰囲気中で鉄粉末を500℃以上の温度
で加熱窒化する方法(アンモニア窒化法)、 特開平2−164443号公報等で開示されている、
鉄カルボニルFe(CO)5蒸気を、N2 ガスのグロー
放電プラズマ中で分解反応させる方法(プラズマCVD
法)、 特開平3−187907号公報で開示されている、鉄
カルボニルの炭化水素油溶液とアンモニアガスとを約2
00℃で反応させる方法(気相-液相反応法)、及び 減圧したアンモニアガス雰囲気中で鉄を加熱蒸発させ
る方法(ガス中蒸発法)が知られている。 【0009】アンモニア窒化法では、形成させる窒化鉄
粒子の大きさは、原料となる鉄粒子の大きさによって決
まり、現在のところ、最低粒径は1μmである。ガス中
蒸発法では、いくつかの粒子が鎖状に連結していて、単
一の粒子を得ることが困難であり、更に製造過程でのエ
ネルギー効率も悪く、また生産性において乏しい。プラ
ズマCVD法や気相−液相反応法は、窒化鉄磁性流体の
製造のために開発された方法であり、磁性流体に最適な
10nm程度の超微粒子が得られる。現在のところ、こ
れらの方法から、20nm以上の粒子は得られておら
ず、また、プラズマCVD法は、広い適用範囲を有する
方法ではあるものの、当該方法を行なうための反応装置
は複雑で高価なものであり、且つその操業には高度なテ
クニックが要求されるため、技術的経済的に必ずしも効
率の良い方法でなく、したがって気相-液相反応法か
ら、所望粒径の窒化鉄粒子を合成することが期待され
る。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、既に述
べたように、磁性塗料、あるいは画像形成装置用の磁性
トナーや磁性キャリア等、粉末磁性材料としては、20
nm〜100μm程度の微粒子が必要とされるのに対し
て、従来の気相−液相反応法では、20nm以上の粒径
で等方的形状の窒化鉄粒子を製造することができない。 【0011】そこで本発明者らが、窒化鉄微粒子形成過
程を鋭意研究した結果、窒化鉄の形成は、鉄カルボニル
とアンモニアガスとの反応による当該窒化鉄の前駆物質
である鉄アンミンカルボニル錯体Fe2(CO)5(N
2)2、Fe3(CO)9(NH)2がその臨界濃度以上の濃度
を維持するように継続する限り、窒化鉄の微粒子核の表
面において、優先的に且つ、以前よりも容易に成される
ことをつかみ、一旦生成した窒化鉄の微粒子核を消滅さ
せることなく、その表面において一層ずつ増大させ、当
該窒化鉄を成長させることに成功した。 【0012】このように新しい製造方法によって、従
来、特にアンモニア窒化法を用いても製造することので
きなかった20nm〜1μm程度の粒径で等方的形状の
窒化鉄粒子を製造することが可能になったが、本発明
は、磁性材料としても優れた特性を有するこのような2
0nm〜100μm程度の粒径で等方的形状の窒化鉄粒
子を製造する更に新しい方法を提供することを課題とし
ている。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を、気
相-液相反応により界面活性剤と親油性溶媒の下で作製
した窒化鉄コロイドを、水に混合して、そのエマルジョ
ンをアンモニアガス乃至不活性ガス雰囲気中で乾燥並び
に焼結させることによって、解決した。 【0014】一旦生成した窒化鉄の微粒子核の表面にお
いて一層ずつ増大させる方法では、成長速度がその層厚
みに制限を受けてしまうので、得られた窒化鉄微粒子の
粒径を飛躍的に増大させるために、微粒子同士を等方状
に造粒し焼結することとしたのである。 【0015】例えば、等方状の型枠のようなものに詰め
込んで、粒子として焼き固めれば、等方状の粒子を所望
の粒子径で得ることができる。この原料と型枠との関係
を、窒化鉄微粒子を含む溶液とその溶液液滴がその非溶
媒中に存在するエマルジョンとの関係に応用して造粒す
るのである。更にこの造粒された微粒子を焼結すること
により、所望粒子径を有する粒子が製造可能である。 【0016】本発明においては、窒化鉄の原料物質とし
て鉄カルボニルを、原料ガスとしてアンモニアを用いる
が、アンモニアに代えて、アミン類等の液状あるいは固
体として反応系に導入できる任意の窒素化合物を用いる
こともできる。有機溶媒としては、例えば、炭化水素
類、あるいはその混合物、ケトン類、エーテル類、エス
テル類、アミン類等が好適で、当該溶媒に添加される界
面活性剤としては、アミン類が好適であるが、これらに
限定されない。 【0017】種結晶として形成される窒化鉄コロイドを
エマルジョン化溶媒(水)に加え、超音波分散機、ホモ
ジナイザーなどの高速攪拌機でエマルジョン化する。こ
の際、窒化鉄の酸化を回避するため、攪拌する溶液に酸
素が混入しないように、不活性ガス雰囲気に接して行う
のがよい。装置により異なるが、攪拌の色々な回転速度
に対して、コロイド液滴の粒径は、それぞれある時間を
越えると一定となるので、その時間をやや越える程度に
攪拌を続けるのがよい。 【0018】混合を行う際の、窒化鉄コロイドの比重と
エマルジョン化溶媒の比重はできるだけ近い方がよく、
更にエマルジョンを安定化させるために、HLBが7以
上の界面活性剤を用いるのが好ましい。特にマイクロカ
プセル状に液滴を形成させ、溶媒との界面を固定するこ
とにより、完全な球状に液滴とすることができる。 【0019】このようにして得られたエマルジョンを、
アンモニアガス乃至不活性ガス雰囲気中で加熱乾燥ある
いは噴霧乾燥させ、又は真空乾燥させ、粉末化する。 【0020】得られる乾燥窒化鉄粉末は、そのままでは
超微粒子のゆるく集合した集合体である。そこで加熱処
理を行うことにより当該粉末を焼結させる。焼結条件
は、不活性ガス或いは窒素ガス雰囲気で、温度を200
〜400℃とするのが好適である。 【0021】得られた単結晶の窒化鉄粒子の表面に付着
している界面活性剤等を取り除くために、アセトン、キ
シレン、ベンゼン、石油ベンジン、シクロヘキサン等の
溶媒を用いる。 【0022】 【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて更に具体的
に説明する。 【0023】(1)種結晶形成段階 図1に示される窒化金属磁性流体の合成装置は、底部に
加熱装置2を取り付けた耐熱性熱分解反応槽1に、複数
の気密性導入フランジを有する蓋3を気密に接続するこ
とで形成されている。反応槽1内の溶液4を攪拌できる
ように、一つの導入フランジ5に攪拌装置6が取り付け
られている。導入管7を通して、原料気体が溶液4に導
入されるようになっている。別の導入フランジ8に設け
られた管路を介して原料物質9が、導入口10を介し
て、例えば界面活性剤11が導入される。別の導入口1
2に配置された管路が分岐され、一方には、窒化金属微
粒子の生成反応を行う際の還流冷却装置13が接続さ
れ、他方の管路には、蒸留冷却装置としてのコンデンサ
ー14が接続されている。 【0024】原料として、アルドリッヒ(Aldrich)社製
の純度96.5%の鉄カルボニルを、溶媒として、和光
純薬(株)製のケロシン、界面活性剤として、KAO(株)
製のN- ジエチレンイソブテニルサクシンイミド(アミ
ン)、並びに日本酸素(株)製で純度99.99%のアン
モニアガスを用いた。 【0025】先ず、図1の合成装置の反応槽1におい
て、鉄カルボニル200g、アミン11.3g、ケロシ
ン53.1gからなる混合溶液4中に、導入管7を介し
て、アンモニアガスを流量390ml/minでバブリ
ングしながら十分混合し、加熱装置2によって90℃ま
で加熱し、当該温度で混合溶液4を1時間保持し、その
後、更に185℃に昇温し、再び1時間保持する。この
2段階の加熱操作を、反応槽1中の鉄カルボニルが全て
消費されるまで周期的に繰り返して、種結晶として、窒
化鉄コロイドを86g得た。得られた磁性窒化鉄粒子の
平均粒径を透過型電子顕微鏡の高倍率写真から求めた平
均粒径は10.4nmであった。 【0026】(2)窒化鉄コロイドのエマルジョン化段
階 このようにして得られた窒化鉄コロイドを造粒する一例
について述べる。 【0027】エマルジョン化溶媒として水を用いる。水
を用いる場合、窒化鉄コロイドの比重を水に合わせて1
にする。コロイドと水とを体積比1:10の割合で容器
に入れ、窒素ガスで容器をガス置換した後封止する。そ
の後超音波照射することによりエマルジョン化する。こ
の操作により、水中に平均粒径約1〜3μmのコロイド
液滴が乳化したエマルジョンを950g得た。この際、
エマルジョンを長時間維持するために、アミンを113
g添加する。 【0028】(3)乾燥粉末焼結段階 次に得られたエマルジョンを不活性ガス雰囲気中で加熱
乾燥し、粉末化する。そして、この窒化鉄の乾燥粉末
5.8gを、窒素ガス雰囲気中で、200℃で1時間焼
結した。 【0029】得られた窒化鉄粒子の諸物性は表1のとお
りであった。 【0030】 【表1】 【0031】 【発明の効果】本発明の製造方法においては、磁化の値
が大きく且つ粒径の揃った等方的形状の窒化鉄粒子が得
られ、このようにして得られた窒化鉄粒子は、粒子表面
を親油性にも親水性にも適宜に変えることができ、水性
溶媒中、又は油溶媒中にそれぞれ懸濁させて、保存、輸
送並びにその他の取り扱いができるので、当該粒子が燃
焼することもなく安全であり、また取り扱い作業も容易
である。
【図面の簡単な説明】 【図1】公知の窒化鉄粒子の合成装置の概略図である。 【符号の説明】 1 熱分解反応槽 2 加熱装置 6 攪拌装置 13 還流冷却装置 14 コンデンサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−188704(JP,A) 特開 平4−283275(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 21/06

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 気相-液相反応により界面活性剤と親油
    性溶媒の下で作製した窒化鉄コロイドを、水に混合し
    て、そのエマルジョンをアンモニアガス乃至不活性ガス
    雰囲気中で乾燥並びに焼結させてなる窒化鉄粒子の製造
    方法。
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