JP3363938B2 - 焼結法による球状窒化鉄微粒子の製造方法 - Google Patents

焼結法による球状窒化鉄微粒子の製造方法

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、例えば、磁性塗料や、
磁性トナー或いは磁性キャリア等の粉末磁性材料に利用
可能な窒化鉄微粒子を製造する方法に関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】従来より、新しい機能性材料としての磁
性流体が注目されてきている。 【0003】例えば、磁性塗料、或いは画像形成装置用
の磁性トナー或いは磁性キャリア等、粉末磁性材料とし
ては、磁化の値が大きく、等方的な形状(針状、棒状、
板状、偏平状等、異方的形状以外の形状を指し、長径と
短径があまり違わない回転楕円体、長辺と短辺があまり
違わない直方体や多面体、又はそれに類する不定形等)
を有し、且つ均一なサイズ、特に、粒径が20nm〜1
00μm程度の微粒子が必要とされる。 【0004】そのため、従来は、球状に焼結させたフェ
ライト粒子、あるいはカルボニル鉄粉が用いられてい
た。 【0005】しかしながら、フェライトは磁化が小さ
く、画像形成装置に用いられる磁性トナー等としてはあ
まり適さない。 【0006】一方、カルボニル鉄粉は、そのままで球状
性がよく、その磁化も大きいが、酸化に対して安定でな
い。しかも磁性トナーや磁性キャリアとして好適な1μ
m以下のサイズの粉体を得にくい等の欠点を有してい
る。 【0007】そのため、化学的に安定で大きな磁化を有
する磁性材料として、窒化鉄が注目されている。 【0008】現在、窒化鉄微粒子の製造方法としては、
次のものが公知である。即ち、 特公昭59−34125号公報等で開示されている、
アンモニアガス雰囲気中で鉄粉末を500℃以上の温度
で加熱窒化する方法(アンモニア窒化法)、 特開平2−164443号公報等で開示されている、
鉄カルボニルFe(CO)5 と窒素N2 ガスを原料とし
て、グロー放電プラズマ中で分解反応させる方法(プラ
ズマCVD法)、 特開平3−187907号公報で開示されている、鉄
カルボニルの炭化水素の油溶液とアンモニアガスとを約
200℃で反応させる方法(気相- 液相反応法)、及び 減圧したアンモニアガス雰囲気中で鉄を加熱蒸発させ
る方法(ガス中蒸発法)が知られている。 【0009】アンモニア窒化法では、形成させる窒化鉄
粒子の大きさが、原料となる鉄粒子の大きさによって決
まり、現在のところ、最低粒径は1μmであって、それ
以下にできない。ガス中蒸発法では、いくつかの粒子が
鎖状に連結しているので、単一の粒子を得ることは困難
であり、更に製造過程でのエネルギー効率も悪く、また
生産性において乏しい。プラズマCVD法や気相−液相
反応法は、窒化鉄磁性流体の製造のために開発された方
法であり、磁性流体に最適な10nm程度の超微粒子が
得られる。 【0010】しかしながら、過去においてこれらの方法
から、20nm以上の粒子は得られておらず、また、プ
ラズマCVD法は、広い適用範囲を有する方法ではある
ものの、当該方法を行なうための反応装置は複雑で高価
なものであり、且つその操業には高度なテクニックが要
求されるため、技術的経済的に必ずしも効率の良い方法
とはいえない。そのため気相−液相反応法を基礎とし、
これから、所望粒径の窒化鉄粒子を合成することが期待
される。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】既に述べたように、磁
性塗料、あるいは画像形成装置用の磁性トナーや磁性キ
ャリア等、粉末磁性材料としては、20nm〜100μ
m程度の微粒子が必要とされるのに対して、従来の気相
−液相反応法では、20nm以上の粒径で等方的形状の
窒化鉄粒子を製造することができなかった。 【0012】そこで本発明者らが、窒化鉄微粒子形成過
程を鋭意研究した結果、鉄カルボニルとアンモニアガス
との反応による当該窒化鉄の前駆物質である鉄アンミン
カルボニル錯体Fe2 (CO) 5(NH2 2、Fe3
(CO) 9(NH)2 がその臨界濃度以上の濃度を維持
するように継続される限り、窒化鉄の形成が、窒化鉄の
微粒子核の表面において、優先的に且つ、以前よりも容
易に成されることをつかみ、一旦生成した窒化鉄の微粒
子核を消滅させることなく、その表面において一層ずつ
増大させ、当該窒化鉄を成長させることに成功した(特
願平4−91124号)。 【0013】このように新しい製造方法によって、従
来、特にアンモニア窒化法を用いても製造することので
きなかった20nm〜1μm程度の粒径で等方的形状の
窒化鉄粒子を製造することが可能になったが、このよう
な方法では、一旦生成した窒化鉄の微粒子核の表面にお
いて一層ずつ増大させるので、成長速度がその層厚みに
制限を受けるという宿命を伴っている。 【0014】したがって、磁性塗料や画像形成装置用の
磁性トナーや磁性キャリア等として必要とされる微粒子
に成長させるために、更に一段と効率の良い方法が求め
られる。 【0015】特願平4−91124号に開示された製造
方法では、一旦生成した窒化鉄の微粒子の表面において
徐々に窒化鉄粒子を成長させるとしているので、この成
長段階を飛躍的に早めるか、その代替措置を講じること
が考えられる。 【0016】そこで発明者は種々検討した結果、例え
ば、等方状の型枠のようなものに微粒子を詰め込んで焼
き固めることで等方状粒子を所望の粒子径で得ることが
できるが、この考え方を応用して造粒することに着目し
た。 【0017】本発明は、磁性材料としても優れた特性を
有する20nm〜100μm程度の粒径で等方的形状の
窒化鉄粒子を効率良く製造する新しい方法を提供するこ
とを課題としている。 【0018】 【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を、窒
化鉄コロイドの形成段階を経て窒化鉄微粒子を製造する
方法において、窒化鉄コロイドを所定程度に希釈化した
上で、噴霧乾燥し、得られた窒化鉄の乾燥粉末をアンモ
ニアガス、窒素ガス又は不活性ガス雰囲気中において2
00〜300℃の熱処理温度で焼結させることによっ
て、解決した。 【0019】噴霧乾燥することで、液滴の表面張力が粒
子を球状とし、更に窒化鉄コロイドは窒化鉄超微粒子が
均一に分散しているので均一の粒径を有する窒化鉄乾燥
粉末を得ることができる。 【0020】磁性塗料、あるいは磁性トナーや磁性キャ
リア等に必要とされる20nm〜100μm程度の粒径
を得るにあたっては、コロイド形成段階で窒化鉄コロイ
ドの濃度を調整したり、焼結段階でその条件を制御する
ことによっって、所定粒径の窒化鉄を得ることができ
る。 【0021】本発明においては、窒化鉄の原料物質とし
て鉄カルボニルを、原料ガスとしてアンモニアを用いる
が、アンモニアに代えて、アミン類等の液状あるいは固
体として反応系に導入できる任意の窒素化合物を用いる
こともできる。有機溶媒としては、例えば、炭化水素
類、あるいはその混合物、ケトン類、エーテル類、エス
テル類、アミン類等が好適で、当該溶媒に添加される界
面活性剤としては、アミン類が好適であるが、これらに
限定されない。 【0022】種結晶として得られた窒化鉄コロイドを、
有機溶媒用クローズドタイプの公知の噴霧乾燥機等を用
いて、乾燥粉末とする。噴霧乾燥機で使用するにあた
り、適切な程度に希釈化するため、ケロシン等の有機溶
媒を用いる。噴霧乾燥は、窒素、アンモニア、不活性ガ
スあるいはこれらの混合ガス雰囲気中で行う。 【0023】得られた乾燥窒化鉄粉末は、そのままでは
微粒子が集合した多結晶体であり、空隙が多い。そこで
単結晶の球状微粒子を得るために、加熱処理を施すこと
により、当該粉末を焼結させる。乾燥段階と同じく、窒
素、アンモニア、不活性ガスあるいはこれらの混合ガス
雰囲気で焼結する。焼結温度は、200〜300℃であ
る。 【0024】得られた単結晶の窒化鉄粒子の表面に付着
している界面活性剤が不必要な場合には、アセトン、キ
シレン、ベンゼン、石油ベンジン、シクロヘキサン等の
溶媒を用いて取り除けばよい。 【0025】 【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて更に具体的
に説明する。 【0026】(1)コロイド形成段階 図1に示される窒化金属磁性流体の合成装置は、底部に
加熱装置2を取り付けた耐熱性熱分解反応槽1に、複数
の気密性導入フランジを有する蓋3を気密に接続するこ
とで形成されている。反応槽1内の溶液4を攪拌できる
ように、一つの導入フランジ5に攪拌装置6が取り付け
られている。導入管7を通して、原料気体が溶液4に導
入されるようになっている。別の導入フランジ8に設け
られた管路を介して原料物質9が、導入口10を介し
て、例えば界面活性剤11が導入される。別の導入口1
2に配置された管路が分岐され、一方には、窒化金属微
粒子の生成反応を行う際の還流冷却装置13が接続さ
れ、他方の管路には、蒸留冷却装置としてのコンデンサ
ー14が接続されている。 【0027】原料としてアルドリッヒ(Aldrich) 社製で
純度96.5%の鉄カルボニルを、溶媒として和光純薬
製のケロシン(軽油等でもよい)を、界面活性剤として
花王製のN- ジエチレンイソブテニルサクシンイミド
(アミン)を、並びに日本酸素製で純度99.99%の
アンモニアガスを用いた。 【0028】先ず、図1の合成装置の反応槽1におい
て、鉄カルボニル200g、アミン11.3g、ケロシ
ン53.1gからなる混合溶液4中に、導入管7を介し
てアンモニアガスを流量390ml/minでバブリン
グしながら十分混合し、加熱装置2によって90℃まで
加熱し、当該温度で混合溶液4を1時間保持し、その
後、更に185℃に昇温し、再び1時間保持する。この
2段階の加熱操作を、反応槽1中の鉄カルボニルが全て
消費されるまで周期的に繰り返した。結局、当該合成操
作を10回繰り返し、種結晶として、窒化鉄コロイド
0.6リットルを得た。得られた磁性窒化鉄粒子の平均
粒径を透過型電子顕微鏡の高倍率写真から求めた平均粒
径は10.4nmであった。 【0029】(2)噴霧乾燥段階 このようにして得られた窒化鉄コロイドに希釈用のベン
ジンを、重量比で窒化鉄コロイド:ベンジン=1:30
の割合で添加し、攪拌した後、当該溶液を有機溶媒用ク
ローズドタイプの噴霧乾燥機(スプレードライヤ)を用
いて乾燥した。乾燥には坂本技研DA−1600型を用
い、2流体ノズルで窒素雰囲気中に窒素ガスと希釈原料
溶液を噴霧した。乾燥温度は出口温度60℃であった。
噴霧乾燥した窒化鉄粒子は多孔質の球状であり、平均粒
径は2.9ミクロンであった。窒化鉄乾燥粉末63gを
得た。 【0030】(3)乾燥粉末焼結段階 次に得られた乾燥粉末を不活性ガス雰囲気中で220℃
で1時間加熱し、焼結粒子を得た。 【0031】得られた窒化鉄粒子の諸物性は表1のとお
りであった。 【0032】 【表1】 【0033】 【発明の効果】本発明の製造方法によって、磁化の値が
大きく且つ粒径の揃った等方的形状の窒化鉄粒子が得ら
れ、このようにして得られた窒化鉄粒子は、粒子表面を
親油性にも親水性にも適宜に変えることができる。得ら
れた粒子は空気中でも安定であるが、更に、水性溶媒
中、又は油溶媒中にそれぞれ懸濁させて、保存、輸送並
びにその他の取り扱いを行なうにあたり、当該粒子が燃
焼することもなく安全で、また取り扱い作業も容易とな
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】公知の窒化鉄粒子の合成装置の概略図である。 【符号の説明】 1 熱分解反応槽 2 加熱装置 6 攪拌装置 13 還流冷却装置 14 コンデンサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 21/06 B01J 19/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 窒化鉄コロイドの形成段階を経て窒化鉄
    微粒子を製造する方法において、窒化鉄コロイドを所定
    程度に希釈化した上で、噴霧乾燥し、得られた窒化鉄乾
    燥粉末をアンモニアガス、窒素ガス又は不活性ガス雰囲
    気中において200〜300℃の熱処理温度で焼結させ
    てなる窒化鉄微粒子の製造方法。
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