JP3409872B2 - ブランケット、およびそのブランケットを用いたカラーフィルターの製造方法 - Google Patents

ブランケット、およびそのブランケットを用いたカラーフィルターの製造方法

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JP3409872B2 JP04266493A JP4266493A JP3409872B2 JP 3409872 B2 JP3409872 B2 JP 3409872B2 JP 04266493 A JP04266493 A JP 04266493A JP 4266493 A JP4266493 A JP 4266493A JP 3409872 B2 JP3409872 B2 JP 3409872B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインキの受理性および転
移性に優れたブランケット、およびそのブランケットを
用いたカラーフィルタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にブランケットは版からインキを受
理し、そのインキを被印刷物に転移するという役割を担
っており、ブランケットの特性は印刷画素形状の再現性
や連続印刷時の安定性に大きな影響を与える。このよう
なブランケットの特性としては、臨界表面張力等により
規定されるインキに対するぬれ性、粘弾性等のゴムの物
性が挙げられる。
【0003】このなかでも、ゴムの臨界表面張力は版か
らブランケットへのインキ受理率およびブランケットか
ら被印刷物へのインキ転移率に大きな影響を及ぼし、こ
のインキ転移率は連続印刷適性を略支配するため重要で
ある。
【0004】また、ゴムの臨界表面張力は印刷画素形状
にも大きな影響を及ぼす。すなわち、極端に臨界表面張
力が悪いブランケットにおいては、版から転移したイン
キがブランケット上ではじかれ、このため線幅が計画線
幅より細くなったり、著しい場合には、線が切れ切れに
なってしまう。また、逆に極端に臨界表面張力の大きい
ブランケットにおいては、ブランケットからワークへの
インキ転移率が大幅に低下してしまい、ブランケット上
に残ったインキにより連続印刷時の膜厚コントロールが
著しく困難になる。
【0005】しかし、ブランケットの臨界表面張力を数
値的に測定し、それを基にブランケットを設計するとい
うことは、従来行われていなかった。すなわち、従来の
ブランケット設計は、使用インキに対する表面ゴム層の
膨潤性や感覚的なインキ転移性を基に行われていた。し
たがって、線幅再現性±5μm、膜厚再現性0.3μm
の精度を必要とする液晶カラーフィルターのパターンを
印刷する超精密印刷には、従来のブランケットは不適切
なものであった。
【0006】例えば、エチレンプロピレンゴム(EPD
M)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)等を用いて液
晶カラーフィルターの着色層(線幅約100μm)を平
版オフセットにより印刷する場合、最小解像度は30〜
40μmと悪く、また、EPDMおよびNBRは臨界表
面張力が高くインキぬれ性が高いため、ブランケットか
ら被印刷物であるガラス板へのインキ転移率が低く(5
0%以下)、ブランケットでのインキのパイリングを生
じる。このため、連続印刷を行った場合、線幅や印刷膜
厚の増大、分光透過率の低下傾向がみられ、使用に供し
得ないものであった。
【0007】また、シリコーンのブランケットを使用し
て液晶カラーフィルター用の着色層(線幅約100〜3
00μm)を凹版オフセットにより印刷する例が報告さ
れている(特開昭62−85202号)。シリコーンの
ブランケットは、一般に臨界表面張力が低くインキに対
するぬれ性が低いため、ブランケットからガラス板への
インキ転移率が高く、連続印刷における安定性が増すこ
とになる。しかし、同時に、インキに対するぬれ性が低
いことに起因して、ブランケット上でインキがはじかれ
る傾向にあり、ブラックマトリックス層のような線幅の
細い(20μm程度)パターンを鮮明に再現するのに必
要な解像力を得ることは困難である。また、100μm
程度の着色層の線幅再現性も細る傾向にある。
【0008】上記のシリコーンゴムのような臨界表面張
力の比較的低いゴムをブランケットとして使用した場合
に生じる印刷画素線幅の細りや、細線が切れ切れになる
ことによる最小解像力の劣化は、主に版からブランケッ
トへインキを受理する過程で起る。
【0009】線幅再現性、細線再現性を含むインキ受理
性(版からブランケット)は、ブランケットの物性、特
に粘弾性に影響を受けていると考えられ、ゴムの臨界表
面張力が低く、インキ受理が限界的な条件で行なわれる
ようなゴムほど、その影響が顕著に表われると考えられ
る。
【0010】従って、液晶カラーフィルターの印刷等の
ためのブランケットからワークへのインキ転移率を高く
なるようにし、しかも±5μm程度の高度な線幅再現
性、10〜20μm程度の最小解像力を要求される超精
密印刷用ブランケットにおいては、ゴムの物性値、特に
粘弾性を精密にコントロールすることが必要であると考
えられる。しかし、従来このような観点に立った高精度
な粘弾性コントロールは行なわれておらず、また、ゴム
の粘弾性がインキ受理性に及ぼす影響も明らかではなか
った。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のブランケット設計段階においては、ブランケットの表
面ゴム層の臨界表面張力、粘弾性を数値化してブランケ
ットの物性を正確に制御することはなされておらず、こ
のため、ブランケットから被印刷物へのインキ転移率が
低くブランケット上でインキのパイリングが生じて連続
印刷ができなかったり、逆にインキ転移率が高いために
ブランケットに対するインキの受理性が良好でなく、ブ
ランケット上でインキがはじかれて細線が鮮明に再現で
きないという問題があった。超精密印刷用ブランケット
を用いた印刷法は、近年のカラーフィルターに要求され
る製造コストの低減に対応し得るものとして重要視され
ており、線幅100μm程度の着色層と線幅20μm程
度のブラックマトリックス層とを鮮明に再現できること
が要求されている。
【0012】本発明は上述のような事情に鑑みてなされ
たものであり、高いインキ転移率と細線再現性を兼ね備
えたブランケットおよびそのブランケットを用いたカラ
ーフィルターの製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は最表面に表面ゴム層を備え、該表面
ゴム層は、表面張力が10〜23dyne/cmの範囲にあ
り、粘弾性tanδが0.05〜0.25の範囲にあるよ
うな構成とした。
【0014】さらに、本発明はカラーフィルターの所望
のパターンが形成された凹版に保持されたインキを、上
記のブランケットを用いたブランケット胴の表面ゴム層
に転移させ、その後、該ブランケット胴上から透明基板
上にインキを転移させるような構成とした。
【0015】
【作用】ブランケットは、表面ゴム層の臨界表面張力が
10〜23dyne/cmの範囲、粘弾性tanδが0.05〜
0.25の範囲とされていることにより、インキ転移率
が100%であるとともにインキの受理性が極めて良好
なブランケットである。そして、このようなブランケッ
トを装着しているブランケット胴を用いた凹版オフセッ
ト印刷により線幅100μm程度の着色層と線幅20μ
m程度のブラックマトリックス層とが鮮明に再現できる
とともに、極めて安定した連続印刷が可能である。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明のブランケットの一例を示す
断面図である。図1においてブランケット1は基布2
と、この基布2上に圧縮層3を介して形成された表面ゴ
ム層4とを備えている。
【0017】基布2はブランケット1を印刷機のブラン
ケット胴に装着する際に、ブランケット1が張力を受け
て伸びるのを防止する役目をもち、従来のブランケット
に使用されている公知の基布を使用することができる。
【0018】圧縮層3はスポンジ状の構造を有してお
り、外部から表面ゴム層4に圧力が加わった時に、この
圧縮層3が圧縮され応力を吸収して表面ゴム層4の変形
(バルジ現象)の発生を防止し、印刷パターンの寸法精
度の低下を防ぐ役目をもっている。
【0019】表面ゴム層4は、凹版に保持されているイ
ンキを受理し、その後、受理したインキを被印刷物に転
移する機能を有している。そして、本発明のブランケッ
ト1は、この表面ゴム層4の界面化学的性質(臨界表面
張力)と物理的性質(粘弾性)を適性化したことを特徴
としている。
【0020】まず、表面ゴム層4は、表面ゴム等の臨界
表面張力が10〜23dyne/cm、好ましくは15〜23
dyne/cmとなる材質を選んだ。臨界表張力が23dyne/
cmより大きくなると、表面ゴム層4のインキに対するぬ
れ性が高すぎてブランケットから被印刷物へのインキ転
移率が低くなりパイリングの原因となる。また、臨界表
面張力が10dyne/cmより小さくなると、版からブラン
ケットへのインキ受理性が低下し、細線再現性、線幅再
現性が低下して好ましくない。
【0021】ここで、インキ樹脂のモノマーと表面ゴム
層との接触角の測定は、以下のようにして行うことがで
きる。すなわち、測定対象のゴムを適当な寸法に切断
し、接触角計CA−D型(協和界面科学製)にて測定
し、Zismanプロットより求める。Zismanプロットに使用
した溶剤、およびその表面張力を以下に示す。
【0022】 溶剤名 表面張力(dyne/cm) ・エタノール …20.05 ・ジエチレングリコールモノエチルエーテル …31.9 ・トリメチロールプロパントリアクリレート …35.5 ・ジアリルフタレート …36.8 一般に臨界表面張力が10〜23dyne/cmの範囲にある
ゴム材料としては、ジメチルシロキサン、メチルビニル
シロキサン、メチルフルオロビニルシロキサン、メチル
フェニルビニルシロキサン等や、上記ポリマーとNB
R、EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)との
ブレンド及び共重合系、フッ素ゴム、及びNBR、EP
DM、SBR等にシリコーンオイル等を混り込んだもの
及びNBR、EPDM、SBRをシロキサン雰囲気中で
100〜200℃で1時間程度ベーキングし、表面エネ
ルギーの小さなコート層を形成したものが挙げられる。
【0023】次に、上述のようにして臨界表面張力を所
定の値になるようにした材料の粘弾性特性を調整する。
ここで、ゴムの粘弾性( tanδ)はレオバイブロンDD
V−II−EP((株)オリエンテック)にて、温度20
℃、周波数11Hzで測定する。
【0024】ゴム材料の粘弾性は、生ゴム中の架橋基密
度、架橋基の局在化状態、充填剤の種類、含有率、粒
径、表面処理、架橋剤種類、1次加硫条件(温度、時間
等)、2次加硫の有無およびその条件等で調整できる。
ここで、使用する充填剤としては煙霧質シリカ、粉砕シ
リカ、沈殿シリカ、重炭酸カルシウム、炭酸カルシウ
ム、ケイソウ土、タルク、石英紛等を使用することがで
きる。
【0025】本発明では、表面ゴム層4の粘弾性 tanδ
は0.05〜0.25の範囲、好ましくは0.10〜
0.20の範囲となるように設定する。表面ゴム層4の
粘弾性 tanδが0.05未満である場合、版からブラン
ケットへのインキ受理性が低下し、画線の細り、エッジ
精度の低下となり好ましくない。また、粘弾性 tanδが
0.25を越えるとブランケットの粘性的物性が大きく
なりすぎ、ピッチ精度、ワークのチャッキングに悪影響
を与え好ましくない。
【0026】上記のような本発明のブランケット1の表
面ゴム層4は、基布2および圧縮層3上に表面ゴムを塗
布した後、表面が平滑なフィルムを表面ゴム塗布面に圧
着させた状態で加硫を行い、その後、フィルムを剥離し
て作成されるものである。また、表面が平滑なフィルム
を圧着させた状態で加硫を行い作製されたゴムシート
を、表面が平滑なフィルムが剥離された面が最表面とな
るように圧縮層3上にラミネートして作成してもよい。
表面が平滑なフィルムとしては、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルム、ポリエチレン(PE)フィ
ルム等が好ましい。
【0027】尚、表面ゴム層4は、アンカー層を介して
圧縮層3上に形成してもよい。この場合、アンカー層は
一層だけの綿布層、シランカップラー剤等の材料により
形成することができる。このアンカー層の厚さは0〜5
00μm程度が好ましい。
【0028】また、上述の例においては、ブランケット
1はいわゆるコンプレッシブル型のブランケットである
が、本発明はこれに限定されるものではなく、圧縮層を
備えいないソリッド型のブランケットであってもよい。
【0029】そして、上述のような本発明のブランケッ
ト1を装着したブランケット胴を用いて凹版オフセット
印刷により解像度に高いカラーフィルターを連続して印
刷することができる。図2は本発明のブランケットを用
いたカラーフィルター製造における微細パターン形成を
説明する図である。図2において、まず、凹版10に所
定のパターンで形成された凹部11にインキ12を充填
する(図2(a))。次に、本発明のブランケット1を
装着したブランケット胴15を凹版11上に回転移動さ
せながら圧着させて凹部11内のインキ12をブランケ
ット胴15上に転写する(図2(b))。そして、この
ブランケット胴15を被印刷物である透明ガラス基板2
0に圧着することにより、ブランケット胴15上のイン
キ12を透明ガラス基板20に転移させて微細パターン
を形成する(図2(c))。
【0030】このような凹版オフセット印刷における凹
版の版深は、好ましくは8μm以下であり、より好まし
くは3〜8μmの範囲である。次に、実験例を示して本
発明を更に詳細に説明する。
【0031】実験例1 (ブランケット試料の作成)基布と圧縮層からなる基材
上に表面ゴムを塗布した後、PETフィルムを表面ゴム
塗布綿に圧着させた状態で加硫を行い、その後、フィル
ムを剥離して表面ゴム層(厚さ約100μm)を形成し
てブランケット(試料1〜16)を作成した。各ブラン
ケット(試料1〜16)の作成条件は、以下に示す通り
とし、また、各試料ゴムの臨界表面張力、表面粗度、粘
弾性、硬度は、下記の表1に示す通りであった。この
時、ゴムの表面粗度、硬度の好適な範囲としては、表面
粗度Ra1.0μ以下、硬度50〜80°であった。
【0032】
【表1】 試料1〜5の各ブランケットは表面ゴム層の臨界表
面張力を変えたものとした。
【0033】試料1:臨界表面張力を10dyne/cmとし
た。使用した表面ゴム層形成用の組成物及び加硫条件は
以下のようにした。 (組成物) 信越シリコーン(株)製 KE765-U …100重量部 架橋剤 2,5- ジ−メチル−2,5- ジ−t−ブチルフェロキシヘキサン … 5重量部 (加硫条件) 1次加硫 170℃,20分間 2次加硫 200℃,4時間 *2次加硫中の雰囲気は滞留とした。この2次加硫中の
雰囲気条件はブランケット表面の臨界表面張力に大きな
影響を及ぼす。これは、2次加硫中の気散したゴム中の
低分子量シロキサンが表面に再付着するため、雰囲気滞
留の条件で2次加硫するとゴムの臨界表面張力が下がる
ためと考えられる。
【0034】試料2:臨界表面張力を18dyne/cmとし
た。使用した表面ゴム層形成用の組成物及び加硫条件は
以下のようにした。 (組成物) 信越シリコーン(株)製 KE765-U …100重量部 架橋剤 2,5- ジ−メチル−2,5-ジ−t−ブチルフェロキシヘキサン … 5重量部 (加硫条件) 1次加硫 170℃,20分間 2次加硫 200℃,4時間 *2次加硫中、フレッシュエアーを導入した。
【0035】試料3:臨界表面張力を23dyne/cmとし
た。使用した表面ゴム層形成用の組成物及び加硫条件は
以下のようにした。 (組成物) 信越シリコーン(株)製 KE5570-U …100重量部 架橋剤 2,5- ジ−メチル−2,5-ジ−t−ブチルフェロキシヘキサン … 5重量部 (加硫条件) 1次加硫 170℃,20分間 2次加硫 200℃,4時間 *2次加硫中、フレッシュエアーを導入した。
【0036】試料4:臨界表面張力を8dyne/cmとし
た。使用した表面ゴム層形成用の組成物及び加硫条件は
以下のようにした。 (組成物) 信越シリコーン(株)製 KE765-U …100重量部 架橋剤 2,5- ジ−メチル−2,5-ジ−t−ブチルフェロキシヘキサン … 5重量部 (加硫条件) 1次加硫 170℃,20分間 2次加硫 200℃,4時間 *2次加硫の雰囲気は滞留とした。さらにジメチル系シ
リコーンオイルを2次加硫に使用したチャンバー内で加
熱し、ゴム表面に強制的に低分子量シロキサンの再付着
被膜を形成した。
【0037】試料5:臨界表面張力を25dyne/cmとし
た。使用した表面ゴム層形成用の組成物及び加硫条件は
以下のようにした。 (組成物) 信越シリコーン(株)製 KE5570-U …100重量部 日本合成ゴム(株)製 JSR N220SH … 10重量部 架橋剤 2,5- ジ−メチル−2,5-ジ−t−ブチルフェロキシヘキサン … 5重量部 硫 黄 …0.3重量部 チラウム …0.1重量部 (加硫条件) 1次加硫 170℃,20分間 2次加硫 200℃,4時間 尚、臨界表面張力は、下記の溶剤を使用し、協和界面科
学(株)、接触角計CA−D型にて測定し、Zismanプロ
ットより算出した。
【0038】 溶剤名 表面張力(dyne/cm ) ・エタノール 20.05 ・ジエチレングリコールモノエチルエーテル 31.9 ・トリメチロールプロパントリアクリレート 35.5 ・ジアリルフタレート 36.8 試料6〜9の各ブランケットは、表面ゴム層の表面
粗度を変えたものとした。すなわち、試料6〜9のブラ
ンケットは、基布層(圧縮層も含む)の上にゴム層をコ
ーティングし、そのゴム層上に任意の面粗度を持つPE
Tを圧着した後、1次加硫を行い、ゴムを架橋させた
後、ゴム面よりPETフィルムを剥離し、任意の表面粗
度を持つブランケットゴム表面を形成した。
【0039】表面粗度Raの確認はアルバック(株)デッ
クタック16000にて針圧5mmg、測定範囲1m
m、測定スピード低の条件で行い、Raを算出した。 試料10〜13の各ブランケットは、表面ゴム層の
粘弾性を変えたものとした。
【0040】試料10:粘弾性 tanδを0.05とし
た。使用した表面ゴム層形成用の組成物及び加硫条件は
以下のようにした。 (組成物) 信越シリコーン KE-108 …100重量部 硬化剤 CAT-108(信越) … 5重量部 充填剤 セラトムFW-14 (カキウチ(株)) … 30重量部 (加硫条件) 1次加硫 25℃,75時間 *2次加硫なし 試料11:粘弾性 tanδを0.25とした。使用した表
面ゴム層形成用の組成物及び加硫条件は以下のようにし
た。
【0041】 (組成物) 東レシリコーン(株) SH 746U …100重量部 架橋剤 RC-4(東レシリコーン) … 0.5重量部 (加硫条件) 1次加硫 170℃,1時間 *2次加硫なし 試料12:粘弾性 tanδを0.01とした。使用した表
面ゴム層形成用の組成物及び加硫条件は以下のようにし
た。
【0042】 (組成物) 信越シリコーン(株) KE-108 …100重量部 硬化剤 CAT−108(信越) … 5重量部 充填剤 エアロジル200(日本エアロジル(株)) … 15重量部 (加硫条件) 25℃,75時間 *2次加硫なし 試料13:粘弾性 tanδを0.3とした。使用した表面
ゴム層形成用の組成物及び加硫条件は以下のようにし
た。
【0043】 (組成物) 信越シリコーン(株) FE361-U …100重量部 架橋剤 C−8A … 5重量部 (加硫条件) 1次加硫 165℃,10分間 2次加硫 200℃,4時間 *雰囲気は滞留とした。
【0044】尚、粘弾性 tanδは、(株)オリエンテッ
ク製のレオバイブロン DDV-II-EPにて、温度20℃、
周波数11Hzで測定した。 試料14〜16の各ブランケットは、表面ゴム層の
硬度を変えたものとした。
【0045】試料14:硬度を50°とした。使用した
表面ゴム層形成用の組成物及び加硫条件は以下のように
した。 (組成物) 信越シリコーン KE742U …100重量部 架橋剤 2,5- ジ−メチル−2,5-ジ−t−ブチルフェロキシヘキサン … 5重量部 (加硫条件) 1次加硫 170℃,20分間 *2次加硫なし 試料15:硬度を80°とした。使用した表面ゴム層形
成用の組成物及び加硫条件は以下のようにした。
【0046】(組成物) 信越シリコーン(株) KE785-U …100重量部 架橋剤 2,5- ジ−メチル−2,5-ジ−t−ブチルフェロキシヘキサン … 5重量部 (加硫条件) 1次加硫 170℃,20分間 2次加硫 200℃,4時間 *2次加硫中、フレッシュエアーを導入した。
【0047】試料16:硬度を40°とした。使用した
表面ゴム層形成用の組成物及び加硫条件は以下のように
した。 (組成物) 信越シリコーン(株) KE742-U …100重量部 架橋剤 2,5- ジ−メチル−2,5-ジ−t−ブチルフェロキシヘキサン … 5重量部 (加硫条件) 1次加硫 170℃,20分間 *2次加硫なし (ブランケット試料の評価)上記のようにして作成した
ブランケット試料1〜16を使い、異なるライン&スペ
ース(L&S)のパターンを持つ凹版(版深6μm)の
パターンをガラス基板上に印刷し、L&Sでの解像力を
測定した。また、ブランケットからガラス基板へのイン
キ転移率を測定した。測定に使用したインキの組成を以
下に示す。 (インキ組成) 顔 料 アントラキノン系レット 16重量% ジスアゾ系イエロー 4重量% 樹 脂 オリゴエステルアクリレート 42重量% ジアリルフタレートプレポリマー 18重量% モノマー ジアリルフタレートモノマー 15重量% 溶 剤 ジエチレングリコールモノエチルエーテル 5重量% 尚、インキ転移率の測定は以下のようにして行った。先
ず、版からブランケットへのインキ転移膜についてブラ
ンケット上で干渉膜厚計 Sin 20X (ユニオン光学
(株))を使用して顕微鏡写真を撮影し、その写真より
インキ膜厚を測定した。これを 版からブランケットへの転移膜厚=a(μm) とする。
【0048】次に、同一条件でガラスへの印刷を行い、
ガラス上のインキ膜厚を同様に測定する。これを ブランケットからガラスへ転移したインキ膜厚=b
(μm) とする。
【0049】上記の、により、 インキ転移率=b/a×100(%) を求める。
【0050】表1に示されるように、本発明のブランケ
ットである試料1〜3,6〜8,10,11,14,1
5を用いた場合、ブランケット胴からガラス基板へのイ
ンキ転移率が高く(100%)、かつL&Sでの解像度
は20μmが確保され良好な結果が得られた。これに対
して、他のブランケットを用いた場合では、インキ転移
率とL&Sでの解像度が共に良好であるものがなかっ
た。
【0051】実験例2 上記の実験例1の試料2のブランケットを使いて120
μmのストライプパターンの凹版(版深5μm)を使用
してガラス基板への凹版オフセット印刷を連続して行っ
た。その結果、図3に示されるように、本発明のブラン
ケットである試料2を用いた場合、ブランケットからガ
ラス基板へのインキ転移率が高い(100%)ため、線
幅が僅かに(3μm程度)細くなったが、安定した線幅
で連続印刷が可能であった。しかし、試料5を用いた場
合では、インキ転移率が低い(80%)ため、線幅が急
激に増加し、カラーフィルタ用の用途としての使用範囲
を越えてしまった。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば表
面ゴム層の臨界表面張力、粘弾性を制御することにより
100%の高いインキ転移率と高解像力を兼ね備えたブ
ランケットが可能となり、また、このブランケットを使
用して印刷法により細線精度の高いカラーフィルターの
製造が可能となり、さらに連続印刷時の線幅、インキ膜
厚が安定しているという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブランケットの一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明のブランケットを用いたカラーフィルタ
ー製造における微細パターン形成を説明する図である。
【図3】凹版オフセット印刷を連続して行った場合の線
幅の変化を示す図である。
【符号の説明】
1…ブランケット 2…基布 3…圧縮層 4…表面ゴム層 10…凹版 15…ブランケット胴 20…ガラス基板

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最表面に表面ゴム層を備え、該表面ゴム
    層は、臨界表面張力が10〜23dyne/cmの範囲にあ
    り、粘弾性tanδが0.05〜0.25の範囲にあるブ
    ランケットであって、 前記表面ゴム層は、基布上に表面ゴムを塗布した後、表
    面が平滑なフィルムを表面ゴム塗布面に圧着させた状態
    で加硫を行い、その後、前記フィルムを剥離して作成さ
    れたことを特徴とするブランケット。
  2. 【請求項2】 最表面に表面ゴム層を備え、該表面ゴム
    層は、臨界表面張力が10〜23dyne/cmの範囲にあ
    り、粘弾性tanδが0.05〜0.25の範囲にあるブ
    ランケットであって、 前記表面ゴム層は、表面が平滑なフィルムを圧着させた
    状態で加硫がなされたゴムシートを基布上にラミネート
    して作成されたことを特徴とするブランケット。
  3. 【請求項3】 前記表面ゴム層は基布上に圧縮層を介し
    て形成されていることを特徴とする請求項1または請求
    項2記載のブランケット。
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