JPH0248997A

JPH0248997A - 印刷用ブランケット及びその製造方法

Info

Publication number: JPH0248997A
Application number: JP19887888A
Authority: JP
Inventors: Isao Iwamoto; 勲岩本; Takao Kawada; 河田　孝雄
Original assignee: Fujikura Rubber Ltd
Current assignee: Fujikura Composites Inc
Priority date: 1988-08-11
Filing date: 1988-08-11
Publication date: 1990-02-19

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（発明の技術分野）本発明は印刷用ブランケット及びその製造方法、さらに
詳細には排紙性が良好で、かつインキ転写性に優れた印
刷用ブランケット及びその製造方法に関する。

（発明の技術的背景）印刷機は、例えばオフセット印刷機を例にとると、原稿
となる版を捲回した版胴１とこの版胴１に連動して回転
する、ブランケット５が捲回されたブランケット胴２及
び前記ブランケット胴２と共に、印刷用紙３を押圧下に
挟持する圧胴４より基本的に構成されるものである。そ
して、前記版胴１に捲回された版にインキを付着させ、
前記インキによって構成された像を、−旦ブランケット
胴２のブランケット５に転写し、この転写像を当接する
印刷用紙３に印刷するものである。

このような印刷機に使用されるブランケット５は、第２
図に示すように、−ｍに基布５１上に必要に応じ弾性体
の圧縮層５２を形成すると共に、前記圧縮層５２にさら
に表面層５３を形成してなるものであり、印刷用紙３は
前記表面層５３に当接するようになっている。

このような印刷用ブランケット５を使用する場合の一つ
の問題点は、印刷用紙３に前記印刷用ブランケット５で
印刷された後、前記印刷用ブランケット５と印刷用紙３
が剥離しにくくなることを挙げることができる。これは
、主として前記印刷用ブランケット５の表面層５３と印
刷用紙３間に真空状態が発生し、印刷用紙３がブランケ
ット５の表面に吸着されることより生じると考えられて
いる。このため、第２図に示すように前記印刷用ブラン
ケット５の表面層５３表面を研磨して凹凸５４を形成し
、この凹凸５４によって前記ブランケット５と印刷用紙
３間に空気が入り込みやすいようにし、良好に剥離する
ような構造にしである。

しかしながら、前述のような研磨によって凹凸５４の設
けられた構造の印刷用ブランケットにおいては、良好な
排紙性を保持するまでには至っていない、すなわち、良
好な排紙性を確保するためには研磨を長く行ない、前記
凹凸５４を多くし、かつ凹凸５４間のピッチを小さくし
なければならないが、このように凹凸を多くし、ピッチ
を小さくすると、網点再現性が悪くなり、印刷が良好に
行なえなくなるという結果を生じるからである。

このなめ、前記排紙性を犠牲にして、良好な網点再現性
を確保するようにしているのが現状であった。

（発明の概要）本発明は上述の点に鑑みなされたものであり、従来に比
較して良好な排紙性と網点再現性を有する印刷用ブラン
ケットおよびその製造方法を提供することを目的とする
。

したがって、本発明による印刷用ブランケットは、基布
上に被印刷物と当接する表面層を有する印刷用ブランケ
ットにおいて、前記表面層は２〜２０μｍの粒子を樹脂
１００重量部に対し、５〜１００重量部添加したことを
特徴とするものである。

また、本発明による印刷用ブランケットの製造方法によ
れば、基布上に耐油性または耐溶剤性のペースト状のポ
リマを積層し、加硫して表面層を形成する印刷用ブラン
ケットの製造方法において、前記ペースト状ポリマ中に
２〜２０μｍの粒子を樹脂１００重量部に対し５〜］、
　Ｏ０重量部添加し、基布上にを積層し乾燥した後、加
硫し、研磨することを特徴とするものである。

本発明による第二の印刷用ブランケットの製造方法によ
れば、基布上に耐油性または耐溶剤性のペースト状のポ
リマを積層し、加硫して表面層を形成する印刷用ブラン
ケットの製造方法において、前記ペースト状ポリマ中に
２〜２０μｍの粒子を樹脂１００重量部に対し５〜１０
０重量部添加し、このペースト状ポリマを基布上に積層
し、乾燥した後、剥離シートを貼り合わせ加硫し、前記
剥離シートを剥離することを特徴とするものである。

本発明による印刷用ブランケットによれば、所定粒径の
粒子を表面層に混在せしめることによって、前記粒子の
露出、粒子上の硬い樹脂面あるいは脱落によって生じる
四部によって、被印刷物と点接触状態で接触するように
なるとともに、表面層に異材質である粒子が混入し、露
出するため、被印刷物は異質のものに接触することにな
る。これらの理由のため、排紙性が良好になる。

まな、上述のような表面層の凹凸は添加する粒子の寸法
によって制御されることになるため、良好な排紙性と網
点再現性を有する印刷用ブランケットを容易に製造でき
るという利点も生じる。

（発明の詳細な説明）本発明による印刷用ブランケットは、第３図に示すよう
に、基布５１上に弾性体よりなる圧縮層５２を積層し、
この圧縮層５２上にさらに表面層５３を形成した構造に
なっている。この表面層５３には、粒子５５が混入され
ており、良好な排紙性を確保可能になっている。

このような粒子は、まず第一に粒子５５ａで示すように
、表面層５３の面より突出し、前記表面層５３の表面に
凸部を形成すること、第二に表面層の表面より離脱した
跡に四部５５ｂが形成されること、さらに、粒子５５ｃ
で示すように、表面層５３の表面で、周囲の表面層部分
と硬度を異ならしめることによって、吸着を防止するこ
となどによって、排紙性を良好に保持する作用がある。

このような排紙用粒子５５としては、前記粒子の添加に
よって表面層５３を硬くし過ぎたり、また、表面層より
離脱し易すぎなりするものは好ましくないのは明らかで
ある。また、後述の製造方法の観点より見れば、溶媒に
溶けてしまったり、加硫温度において変形したりするも
のは好ましくない、このような条件を充足する粒子とし
ては、例えばシリコーン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、
ポリエチレン樹脂、ポリフェノール樹脂、エポキシ樹脂
、ユリア樹脂、架橋ＰＭＭ樹脂などの合成樹脂製、ガラ
ス球、炭素中空球を挙げることができる。

また、このような粒子の粒径は、２〜２０μｍであるの
がよい。２μｍ未満であると、粒子が小さすぎて排紙効
果が充分でない恐れがあり、一方２０μｍを越えると粒
子ないし凹凸が大きくなり過ぎて、網点再現性を損なう
恐れを生じるからである。

本発明者は粒子の寸法が、なるべく均一であることが好
ましいのを見いだした。即ち表面層の表面に形成される
凹凸が、従来のように不均一である場合（研磨によって
表面に凹凸を設ける場合にはどうしても不均一にならざ
る得ない）に比較して、所定寸法範囲の均一性を有して
いる場合には良好な排紙性を示し、かつ網点再現性の良
好な表面層５３を形成することができる。このような粒
子の均一性は平均粒径±４０％の範囲であるのが好まし
いことが見いだされた。この範囲を逸脱すると、凹凸が
不均一になり過ぎて、網点再現性及び／または排紙性が
損なわれることになるからである。

また粒子としては、中空及び中実のいずれでもよい。

さらに前記粒子の硬度はＪＩＳＡ硬度で７０以上である
のがよい、７０未満であると、ブランケット表面ゴムと
の差が小さくなり、印刷物との点接触効果が十分でなく
なる。

この排紙用粒子の添加量は、表面層の主体となる樹脂１
００重量部に対し、５〜１００重量部添加する。５重量
部未満であると、排紙性が向上しない恐れがあり、一方
１００重量部を越えると、表面層の硬度が大きくなり過
ぎて、良好な網点再現性を確保できない恐れを生じるか
らである。

次に本発明の印刷用ブランケットの製造方法について説
明する。

本発明による印刷用ブランケットの製造方法によれば、
まず、基布上に圧縮層を形成したのち、あるいは前記の
層を形成せずに、表面層を形成する。

この表面層を製造する場合、まず前記表面層を形成する
基材である耐油性あるいは耐溶剤性のペースト状ポリマ
を前記圧縮層ない基布上に塗布などによって設ける。

この基布あるいは圧縮層などは本発明において、基本的
に限定されるものではなく、従来この種の印刷用ブラン
ケットで使用されている基布ないし圧縮層を有効に使用
することができる。例えば、基布としては、綿、強力人
絹、強化繊維（ケブラー繊維など）などの伸縮性の余り
ない材料より製造されな基布であることができる。

また、前記圧縮層としては、圧縮応力が２．０〜８．Ｏ
ｋ、ｇ／ｃｍ２（１ｍｍ／分の圧縮速度で、０．１５ｍ
ｍＥＥ縮時の応力）の範囲の弾性体を使用することがで
きる。このような弾性体は種々知られている。

本発明によれば、このような基布あるいは圧縮層上に表
面層を形成するものであるが、この表面層の基材となる
耐油性ポリマあるいは耐溶剤性ポリマは、本発明におい
て基本的に限定されるものではない。従来この種の表面
層を形成するときに使用されているポリマを有効に使用
することができる０例えば、アクリロニトリル−ブタジ
ェンゴム（ＮＢＲ）　、ポリ塩化ビニル、クロロブレン
ゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、多硫化ゴム、ポリ
ウレタン、ヒドリンゴムなどの一種以上を使用すること
ができる。

このような耐油性ポリマないし耐溶剤性ポリマは、ペー
スト状で使用されるが、この溶剤としては、例えば二塩
化エタン、ドルオールなどの１種以上を挙げることがで
きる。

このような耐油性ポリマまたは耐溶剤性ポリマに硫黄な
どの加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、ステアリン酸な
どの加工助剤などの一種以上の、従来からこの種のポリ
マに添加される成分を添加することができる。

上述のようなペースト状ポリマに対し、前述のような粒
子を所定量添加した後、圧縮層ないし基布上に塗布など
の方法により設ける。

このような粒子を添加した耐油性ポリマないし耐溶剤性
ポリマによって未加硫の表面層を形成した後、前記未加
硫表面層を加硫して硬化させ、表面層を形成させる。

このように形成させた表面層の表面を研磨し、全体とし
て平滑にすると共に、前記粒子を露出せしめたり、脆弱
に表面に付着している粒子を除去し、凹部５５ｂあるい
は粒子５５ａを形成せしめて、全体として平滑で、かつ
微細な凹凸を有する表面層とする。

本発明による第二の方法によれば、粒子を添加したペー
スト状のポリマを基布ないし圧縮層に設けた後、剥離シ
ートを前記表面に貼着する。このような状態で加硫し、
表面層を形成させる。この後、前記剥離シートを剥離し
、印刷用ブランケットを製造する。

このような方法によれば、表面研磨は必要なくなり、平
滑でかつ微細な凹凸を有する表面層を形成できる。

以下、本発明の実施例について説明する。

実施例基布上に圧縮層を設けた後、ベスト状未加硫ＮＢＲの表
面ゴム層を形成しな、この未加硫表面ゴム層の組成を比
較例と共に下記に示す。

ＮＢＲ組成比較例１　　実施例ステアリン酸　　　　　　　　１１亜鉛華　　　　　　　−５５老化防止剤　　　　　　　　　１１補強剤（シリカ）　　　　　　２５　　　　２５Ｄ、Ｐ
、Ｂ、　　　　　　　　　２０　　　　２０促進剤ＣＺ
　　　　　　　　　　１．．５　　　１．５促進剤ＴＴ
　　　　　　　　　　１．５　　　１．５硫黄　　　　
　　　　　　　２２微小球体シリコーン　）５０合計　　　　　　　　　１５７　　　２０７（重量部）なお、前記微小球体は平均粒径が４μｍであり、粒径は
、４±１．６μｍの範囲にあった。また、粒子の硬度は
８５であった。

上述のような未加硫ゴム層を加硫した後、研磨し、印刷
用ブランケットを製造した。

このような印刷用ブランケットの網点再現性及び排紙性
を測定した。

排紙性は一定のインキを塗布したフィルムをブランケッ
ト表面に一定圧力で圧着し、この紙を一定の速度で対角
線方向に剥がし、紙のカール度合いを紙の対角線方向の
よるより径で測定した。

また、網点再現性は上記の方法で転移したコート紙上の
インキ濃度を濃度計で測定しな。濃度計はりフレクショ
ン濃度計を使用した。

結果を第１表に示す。

第１表網点再現性　　　　排紙性実施例　　　　　１．１９　　　　　２４ｍｍ比較例　
　　　　０．９１　　　　　３５ｍｍ（発明の効果）以上の説明より明らかなように、本発明による印刷用ブ
ランケットにおいては、排紙性及び網点再現性を著しく
向上できるという利点がある。さらに、本発明による印
刷酔うブランケットにおいては、主として添加する粒子
によって表面層の凹凸の寸法密度などを制御することが
可能であるため、種々の特性の印刷用ブランケットを容
易に製造できるという利点もある。

また、本発明による印刷用ブランケットの製造方法によ
れば、前述の良好な網点再現性と、優れた排紙性を有す
る印刷用ブランケットを容易に製造できるという利点が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は印刷機の概略図、第２図は従来の印刷用ブラン
ケットの構造を示す断面図、第３図は本発明の印刷用ブ
ランケットの一例の断面図である。５・・・印刷用ブランケット、５３・・・表面層、５４
・・・凹凸、５５・・・粒子。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）基布上に被印刷物と当接する表面層を有する印刷
用ブランケットにおいて、前記表面層は２〜２０μｍの
粒子を樹脂１００重量部に対し、５〜１００重量部添加
したことを特徴とする印刷用ブランケット。
（２）前記粒子の粒径は平均粒径の±４０％の範囲にあ
ることを特徴とする特許請求の範囲第１項による印刷用
ブランケット。
（３）前記粒子の硬度はＪＩＳＡ７０以上であることを
特徴とする特許請求の範囲第１項または第２項記載の印
刷用ブランケット。
（４）基布上に耐油性または耐溶剤性のペースト状のポ
リマを積層し、加硫して表面層を形成する印刷用ブラン
ケットの製造方法において、前記ペースト状ポリマ中に
２〜２０μｍの粒子を樹脂１００重量部に対し５〜１０
０重量部添加し、基布上に積層し乾燥した後、加硫し、
研磨することを特徴とする印刷用ブランケットの製造方
法。
（５）基布上に耐油性または耐溶剤性のペースト状のポ
リマを積層し、加硫して表面層を形成する印刷用ブラン
ケットの製造方法において、前記ペースト状ポリマ中に
２〜２０μｍの粒子を樹脂１００重量部に対し５〜１０
０重量部添加し、このペースト状ポリマを基布上に積層
し、乾燥した後、剥離シートを貼り合わせ加硫し、前記
剥離シートを剥離することを特徴とする印刷用ブランケ
ットの製造方法。