JP3409410B2 - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents

内燃機関の失火検出装置

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JP3409410B2
JP3409410B2 JP00999094A JP999094A JP3409410B2 JP 3409410 B2 JP3409410 B2 JP 3409410B2 JP 00999094 A JP00999094 A JP 00999094A JP 999094 A JP999094 A JP 999094A JP 3409410 B2 JP3409410 B2 JP 3409410B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関に発生した
失火を検出する内燃機関の失火検出装置に関し、特に、
奇数の気筒からなる内燃機関に適用して好適な失火検出
装置の具現に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関にあっては周知のように、失火
が発生するとその回転数が低下する。そこで、こうした
内燃機関の失火を検出する装置にあっては通常、失火が
発生していない正常燃焼時であれば、同機関の点火周期
毎(1燃焼周期毎)の平均回転数は常に一定であるとい
う前提のもとに、 (1)1点火サイクル内の少なくとも2点で機関の回転
数を検出する。 (2)それら検出した回転数からその変動量を求める。 (3)この求めた変動量と同機関の運転状態に基づき設
定される失火判定値とを比較する。といった処理を行
い、上記回転数の変動量が失火判定値よりも大きくなっ
たとき、失火が発生した旨判定するようにしている。
【0003】しかしながら、実際に内燃機関に配設され
ているクランク角センサ(回転角度センサ)は、製造上
許容されるべき角度誤差を持っており、上記前提が常に
成り立つとは限らない。すなわち、クランク角センサの
こうした角度誤差のために、失火の発生していない安定
した正常燃焼時においても上記点火周期毎の平均回転数
にばらつきを生じ、該平均回転数が全ての気筒において
一定の値になるとは限らなくなる。
【0004】したがってこうした装置にあっては、内燃
機関が特に高速回転しているようなときには、上記検出
される回転変動が失火によるものなのか、或いはクラン
ク角センサの角度誤差によるものなのか見分けがつかな
くなり、上記判定結果自体が疑わしいものとなる。
【0005】そこで従来は、例えば特開平4−3659
58号公報にみられるように、・ある気筒の爆発工程に
おいて測定した「機関が所定の回転角度だけ回転するの
に要した時間」と、360度クランク角前の他の気筒の
爆発工程において測定した「同機関が同回転角度だけ回
転するのに要した時間」との差をとることによって、そ
れら測定域に含まれるクランク角センサの誤差分、並び
に燃焼変動を相殺する手法なども講じられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、360度
クランク角の位相差をもつ爆発行程を対象として、それ
ら測定域での測定値を差し引くようにすれば、それら測
定域に含まれるクランク角センサの誤差分、並びに燃焼
変動は確かに相殺され、信頼性の高い失火検出を行うこ
とができるようになる。
【0007】しかし、この手法はあくまで、ある気筒の
爆発工程と360度クランク角前の他の気筒の爆発工程
とがクランクの絶対角度上一致する「偶数の気筒」から
なる多気筒内燃機関を前提としたものでしかない。すな
わち、ある気筒の爆発工程に対しその360度クランク
角前の位置には絶対角度上一致する爆発工程をもたない
「奇数の気筒」からなる内燃機関については何等言及さ
れていない。
【0008】なお従来は、例えば特開平4−21944
8号公報にみられるように、内燃機関の出力軸によって
駆動されるタイミングまたは測定装置から生じる装置誤
差を減少若しくは除去するのに、「奇数の気筒」からな
る内燃機関をも含むかたちで、その失火判定値との比較
値を、 T(x)−T(x+1)−T(x+a)+T(x+a+
1) の如く一般化したものもある。ここで、T(i)はi番
目の周期または速度を示し、aは内燃機関出力軸の回転
あたりの燃焼発生の数またはその倍数に設定されるパラ
メータである。
【0009】しかしこの装置の場合、「奇数の気筒」か
らなる内燃機関を対象として上述したクランク角度の誤
差を相殺することはできない。すなわちこの装置では、
上記各T(i)を測定する手段を、内燃機関のシリンダ
及びピストンサイクルの同一点間の測定をなすべく配置
することを大前提としている。このため、「奇数の気
筒」からなる内燃機関に同式を適用した場合、上記パラ
メータaの最小値は「5」としかならない。その半値で
ある「2.5」番目の測定値T(x+2.5)などは考
えられないからである。このように、パラメータaを
「5」とすると、同式は、720度クランク角での2階
差分を表すものとなる。そしてこのことは、各気筒間で
の測定位置を同一位置に保つことはできても、上述した
クランク角度の誤差についてはこれを有効に相殺するこ
とができなくなることを意味する。
【0010】この発明は、こうした実情に鑑みてなされ
たものであり、奇数の気筒からなる内燃機関にあっても
そのクランク角度の誤差を有効に相殺することができ、
ひいては同機関に発生した失火を精度よく検出すること
のできる内燃機関の失火検出装置を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】こうした目的を達成する
ため、この発明では、図7にクレーム対応図を示すよう
に、奇数の気筒からなる内燃機関を対象として、内燃機
関の回転に基づき同機関の所定の回転角度毎に回転信号
を出力する回転信号出力手段M1と、この出力される回
転信号に基づき、任意気筒の爆発行程において内燃機関
が特定の第1の回転角度だけ回転するのに要した時間若
しくは相当値を求める第1の計測手段M2と、同出力さ
れる回転信号に基づき、爆発行程が連続する次の気筒の
爆発行程において同機関が前記第1の回転角度だけ回転
するのに要した時間若しくは相当値を求める第2の計測
手段M3と、同出力される回転信号に基づき、前記第1
の計測手段が計測対象とする回転角度に対して360度
クランク角の位相差をもって同機関が特定の第2の回転
角度だけ回転するのに要した時間若しくは相当値を求め
る第3の計測手段M4と、同出力される回転信号に基づ
き、前記第2の計測手段が計測対象とする回転角度に対
して360度クランク角の位相差をもって同機関が前記
第2の回転角度だけ回転するのに要した時間若しくは相
当値を求める第4の計測手段M5と、前記第1及び第2
の計測手段による計測値の偏差を求める第1の偏差演算
手段M6と、前記第3及び第4の計測手段による計測値
の偏差を求める第2の偏差演算手段M7と、これら第1
及び第2の偏差演算手段による演算結果に基づいて内燃
機関の失火の有無を判定する失火判定手段M8と、を具
える構成とする。
【0012】
【作用】例えば、上記第1の計測手段M2によって求め
られる値をT(x)とすれば、上記第2の計測手段M3
によって求められる値はT(x+1)となる。同様に、
上記第3の計測手段M4によって求められる値は、値T
(x)から360゜CA(360度クランク角)の位相
差をもつT(x+360゜CA)となり、上記第4の計
測手段M5によって求められる値は、値T(x+1)か
ら360゜CAの位相差をもつT(x+360゜CA+
1)となる。
【0013】ここで、奇数の気筒からなる内燃機関の場
合、上記計測値T(x)及びT(x+1)については、
その計測域が同機関の爆発行程にあることが保証される
が、他の計測値T(x+360゜CA)及びT(x+3
60゜CA+1)は、その計測域が必ずしも爆発行程に
くるとは限らない。
【0014】したがって、上記第1及び第2の偏差演算
手段M6及びM7を通じて T(x)−T(x+1) 及び T(x+360゜CA)−T(x+360゜CA+1) といった偏差をとり、上記失火判定手段M8において、
例えば {T(x)−T(x+1)}−{T(x+360゜C
A)−T(x+360゜CA+1)} といったような2階差分をとるものとしても、前述した
燃焼変動についてはこれを相殺することができなくな
る。燃焼変動に関してはむしろ、増幅される可能性すら
ある。
【0015】しかし、前記クランク角度の誤差は、こう
した360゜CAの2階差分によって確実に相殺される
ようになり、たとえ内燃機関が高速回転していようと
も、該2階差分によって抽出される回転変動の相当値は
失火によるものであることが保証されるようになる。
【0016】したがって、上記失火判定手段M8におい
て例えば、同2階差分によって抽出される値と前記失火
判定値とを比較するようにすれば、内燃機関の失火の有
無について、信頼性の高い正確な判定を行うことができ
るようになる。そして、特に奇数気筒からなる内燃機関
にあってこのことは、燃焼変動を相殺できないこと、或
いは燃焼変動を増幅する可能性すらあることを補って余
りある効果であるともいえる。
【0017】なお、こうした構成において、 (a)前記回転信号出力手段M1は、前記奇数の気筒か
らなる内燃機関の気筒数をnとするとき、(360゜C
A/nの倍数)の回転角度毎に前記回転信号を出力する
ものである。とすれば、上記第1〜第4の計測手段M2
〜M5がそれぞれその計測対象とする期間(計測域)に
ついての把握を容易且つ確実なものとすることができる
ようになる。
【0018】また、同構成において、 (b)前記第1及び第2の計測手段M2及びM3が計測
期間とする前記第1の回転角度、並びに前記第3及び第
4の計測手段M4及びM5が計測期間とする前記第2の
回転角度は、それぞれ当該内燃機関の点火間隔角度以下
に設定される。ものとすれば、ある1つの計測期間に2
度の爆発が起こるようなことはなくなり、より安定した
失火検出が可能となる。またこれにより、失火した気筒
の判別も容易となる。
【0019】また更に、同構成において、 (c)前記第1及び第2の計測手段M2及びM3はそれ
ぞれ、内燃機関が前記第1の回転角度だけ回転するのに
要した時間を同時間に対応した角速度として求め、前記
第3及び第4の計測手段M4及びM5はそれぞれ、同機
関が前記第2の回転角度だけ回転するのに要した時間を
同時間に対応した角速度として求める。ものとすること
もできる。こうした構成によっても、上述した効果と実
質的に同等の効果を得ることができるようになる。
【0020】また、前記失火判定手段M8の構成は任意
であり、例えば上述した構成、すなわち (d)前記失火判定手段M8は、前記第1及び第2の偏
差演算手段M6及びM7による演算結果の差と所定値
(失火判定値)との比較によって前記失火の有無を判定
する。構成以外にも、 (e)前記失火判定手段M8は、前記第1及び第2の偏
差演算手段M6及びM7による演算結果の比と所定値
(失火判定値)との比較によって前記失火の有無を判定
する。構成とすることもできる。要は、前記第1及び第
2の偏差演算手段M6及びM7による演算結果に基づい
てクランク角度の誤差を相殺し得る構成を少なくとも有
するものであればよい。
【0021】また、この失火判定手段M8が所定値(失
火判定値)との比較によって失火の有無を判定するもの
である場合、 (f)失火判定手段M8は、前記比較する所定値(失火
判定値)を当該内燃機関の運転状態に応じて可変設定す
る。ものとすることで、上記所定値(失火判定値)自体
を内燃機関のその都度の運転状態に基づき最適化するこ
とができるようになる。すなわち、同手段による判定精
度を更に向上させることができるようになる。なお、内
燃機関の運転状態は、例えば同機関の回転速度や吸気管
圧力、更には冷却水温等に基づいて得ることができる。
【0022】また、こうした失火検出装置は、他に例え
ば、 (g)内燃機関の回転に基づき同機関の所定の回転角度
毎に回転信号を出力する回転信号出力手段と、同機関の
特定気筒が上死点に達するタイミングに同期して基準位
置信号を出力する基準位置信号出力手段と、これら出力
される回転信号及び基準位置信号に基づき、各気筒が上
死点に達する都度、該上死点から所定角度だけ同機関が
回転するのに要した時間若しくは相当値を演算する第1
の演算手段と、同出力される回転信号及び基準位置信号
に基づき、各気筒が上死点後(360度クランク角/気
筒数)に達する都度、該上死点後(360度クランク角
/気筒数)から前記所定角度だけ同機関が回転するのに
要した時間若しくは相当値を演算する第2の演算手段
と、前記第1の演算手段による演算値を古い値から順に
ωn-6、ωn-4、ωn-2、ωnとして記憶し且つ更新
し、前記第2の演算手段による演算値を古い値から順に
ωn-7、ωn-5、ωn-3、ωn-1として記憶し且つ更新
する記憶手段と、これら記憶且つ更新される値に基づ
き、演算 Δω=(ωn−ωn-2)−(ωn-5−ωn-7) を実行して差分値Δωを算出する第3の演算手段と、こ
の算出された差分値Δωと所定の失火判定値とを比較し
て内燃機関の失火の有無を判定する失火判定手段と、を
具える構成。とすることもできる。こうした構成にあっ
ても、上記効果と実質的に同等の効果を得ることはでき
る。特にこの構成は、近年のマイクロコンピュータ支援
による失火検出に適用する上で有効である。
【0023】
【実施例】図1に、この発明にかかる内燃機関の失火検
出装置の一実施例を示す。この実施例では、奇数気筒か
らなる内燃機関として5気筒の内燃機関を対象とし、該
5気筒の内燃機関に発生した失火を検出する装置につい
て示す。
【0024】すなわち、同図1に示すこの実施例の装置
おいて、内燃機関1は、5つの気筒が直列に配設された
内燃機関(L型5気筒内燃機関)である。この内燃機関
1には吸気管2が設けられ、図示しないエアクリーナか
ら導入された吸入空気は、該吸気管2を通じて同機関1
に取り込まれるようになる。また、この吸気管2には吸
気管圧力センサ3が設けられ、この吸気管圧力センサ3
を通じて吸気管2内の圧力PMが逐次検出される。この
検出される吸気管2内の圧力PMは、内燃機関1の運転
状態を把握する上での1パラメータとなる。
【0025】一方、内燃機関1の図示しないクランク軸
には、同クランク軸の所定クランク角毎に(ここでの例
では36゜CA(クランク角)毎に)回転信号NEを出
力する回転角センサ5が設けられている。同機関1の回
転数等は、この回転角センサ5から出力される回転信号
NEに基づいて算出されることとなる。
【0026】また、内燃機関1には、その各気筒に対す
る点火時期や点火順序等を制御するためのディストリビ
ュータ7が設けられ、該ディストリビュータ7には更
に、それら各気筒を判別するための基準位置信号CYL
を出力する基準位置センサ6が内蔵されている。この基
準位置センサ6では、同機関1の例えば第1気筒のピス
トン13が最上部、すなわち圧縮上死点(#1TDC)
に達する毎に上記基準位置信号CYLを出力する。な
お、ディストリビュータ7自体は通常、内燃機関1から
の回転動力を得て、その(1/2)の回転速度で回転す
る。
【0027】また、内燃機関1の冷却水路には、同水路
を循環する冷却水の温度を検出するための水温センサ8
が設けられている。この水温センサ8を通じて検出され
る冷却水の温度も、同機関1の運転状態を把握する上で
の1パラメータとなる。
【0028】この水温センサ8をはじめ、上述した吸気
管圧力センサ3、回転角センサ5、及び基準位置センサ
6による各検出信号は電子制御装置9に入力される。電
子制御装置9は、同図1に併せ示されるように、CPU
(中央演算処理装置)9aをはじめ、制御プログラムや
演算処理に必要とされる制御定数等を記憶しておくため
の読み出し専用メモリであるROM9b、演算データ等
を一時記憶するいわゆるデータメモリとしてのRAM9
c、及び外部装置との間で信号を入出力処理するための
I/0ポート9dを有して構成されている。
【0029】そして、この電子制御装置9では、大きく
は (A)上記センサによる各種検出信号に基づき、内燃機
関1の燃料系及び点火系の最適な制御量を演算して、燃
料噴射手段であるインジェクタ10、或いは点火手段で
あるイグナイタ11等を的確に制御するための制御信号
を出力する。 (B)同センサによる各種検出信号に基づき、内燃機関
1の各気筒において失火が発生したか否かを検出する。
といった処理を実行する。また、失火が発生した旨判断
される場合には、例えば警告ランプ12を点灯制御して
失火の発生を運転者等に知らせるとともに、適宜のフェ
イルセイフ処理を実行する。
【0030】図2は、こうした電子制御装置9の主に失
火検出装置としての構成を機能的に示したものであり、
また図3は、内燃機関1の動作、並びにこの実施例の装
置としての失火検出原理を示したものである。次に、こ
れら図2及び図3を併せ参照して、同実施例の失火検出
装置の構成、並びに機能を更に詳述する。
【0031】まず、図2に示す電子制御装置9におい
て、T36演算部901は、上記回転角センサ5から出
力される回転信号NEに基づいて、内燃機関1(正確に
はそのクランク軸)が36゜CA回転するのに要した時
間T36iを演算する部分である。この演算された時間
T36iはT144演算部903に対して与えられる。
なお、添字iは、同電子制御装置9による処理回数を表
す。
【0032】また、行程管理部902は、同じく回転信
号NEと上記基準位置センサ6から出力される基準位置
信号CYLとに基づき、各気筒の圧縮上死点に同期した
信号TDCを内部生成して、内燃機関1の運転に即した
行程管理情報を出力する部分である。
【0033】ここで、5気筒からなる内燃機関1の各気
筒はそれぞれ、図3(a)に示される態様で、「吸
気」、「圧縮」、「爆発」、及び「排気」の各行程を繰
り返す。また、こうした内燃機関1の動作に対し、上記
基準位置信号CYLは図3(c)に示される態様で出力
され、上記回転信号NEは同図3(e)に示される態様
で出力される。このため行程管理部902では、これら
信号CYL及びNEに基づき、図3(b)として付記す
る各気筒の圧縮上死点位置に同期して、同図3(d)に
示される態様で、上記信号TDCを生成することとな
る。そして同行程管理部902では、この生成した信号
TDC及び上記回転信号NEに基づき、・何れかの気筒
が上死点(TDC)にあること、及び・何れかの気筒が
上死点後(ATDC)72゜CAにあること、を上記行
程管理情報としてT144演算部903に出力する。
【0034】T144演算部903は、上記T36演算
部901を通じて算出された時間T36iについての演
算データを読み込みつつ、行程管理部902から上記行
程管理情報が与えられる都度、同演算データについての
最新の4回分のデータを累積演算する部分である。
【0035】例えばいま、上記「上死点(TDC)にあ
ること」を示す行程管理情報が与えられたとすると、該
T144演算部903では、 (1)その時点で読み込まれている時間T36i (2)前回読み込まれた時間T36i-1 (3)前々回読み込まれた時間T36i-2 (4)3回前に読み込まれた時間T36i-3 といった4回分のデータを累積して、内燃機関1(正確
にはそのクランク軸)が144゜CA回転するのに要し
た時間T144iを演算する。他方の上記「上死点後
(ATDC)72゜CAにあること」を示す行程管理情
報が与えられた場合も、その時点で読み込まれている時
間T36iを基準として、同様の累積演算を実行する。
こうして演算された時間T144iは、平均角速度演算
部904に対して与えられるようになる。
【0036】平均角速度演算部904は、これら与えら
れる時間T144iについての演算データに基づき、内
燃機関1が144゜CA回転する間の平均角速度ωを順
次演算する部分である。因みにこの演算は、 ω=1/T144i …(1) として実行される。そして、この演算された平均角速度
ωは更に、メモリ管理部905に対して与えられる。
【0037】メモリ管理部905は、この与えられる平
均角速度ωについての演算データをデータメモリ906
に対して格納制御するとともに、それら格納したデータ
の所定の4データを読み出してこれをΔω演算部907
に与える部分である。
【0038】すなわち、該メモリ管理部906では、7
2゜CAに対応した時間間隔で順次与えられる平均角速
度ωの演算データについて、 (1)最新のデータはデータωnとして格納する (2)1つ前のデータはデータωn-1として格納する (3)2つ前のデータはデータωn-2として格納する (4)3つ前のデータはデータωn-3として格納する (5)4つ前のデータはデータωn-4として格納する (6)5つ前のデータはデータωn-5として格納する (7)6つ前のデータはデータωn-6として格納する (8)7つ前のデータはデータωn-7として格納する といった態様で、データメモリ906に対する格納制御
を行う。そして、同平均角速度ωについての新たな演算
データが与えられれば、既に格納されているデータに対
し、ωn-7→廃棄、ωn-6→ωn-7、ωn-5→ωn-6、
ωn-4→ωn-5、ωn-3→ωn-4、ωn-2→ωn-3、ω
n-1→ωn-2、ωn→ωn-1といった更新を施した後、
該与えられたデータをωnとして新たに格納する。
【0039】ここで、こうした態様でデータメモリ90
6に格納制御される上記各データと内燃機関1の動作に
即した前記回転信号NE或いは上死点位置を示す信号T
DCとは、例えば図3(e)に付記するB点を基準とし
て、同図3(g)に示される関係となっている。
【0040】また、この図3(g)からも明らかなよう
に、上記B点を基準とした最新のデータωnとその5つ
前のデータωn-5とは、360゜CAの位相差があり、
同一のクランク角度誤差を受ける関係にある。
【0041】そこで同メモリ管理部906では、上記
「上死点(TDC)にあること」を示す行程管理情報に
対応して演算された平均角速度ωについてのデータを格
納する都度、その時点でのデータωn、ωn-2、ωn-
5、ωn-7といった特定の関係にある4つのデータを読
み出し、これをΔω演算部907に対して出力する。
【0042】Δω演算部907は、こうして与えられる
4つのデータに基づき、 Δωn=(ωn−ωn-2)−(ωn-5−ωn-7) …(2) といった2階差分演算を実行して、その差分値(平均角
速度変化量)Δωを算出する部分である。こうして36
0゜CAの2階差分がとられることにより、上記クラン
ク角度誤差は相殺され、失火の有無が直接反映された角
速度の変動分のみが該差分値Δωとして抽出されるよう
になる。
【0043】なお、この(2)式の2階差分演算は、図
3(e)に付記するA点を基準として同図3(f)に例
示する4つの時間データT(x)、T(x+1)、T
(x+360゜CA)、及びT(x+360゜CA+
1)を用いて、 ΔT={T(x)−T(x+1)} −{T(x+360゜CA)−T(x+360゜CA+1)} …(3) といった2階差分演算を実行することに相当する。そし
て、この(3)式の演算が、同実施例の装置による失火
検出の基本原理を示すものとなっている。
【0044】すなわち、図3(f)に示されるように、
時間T(x)は、任意気筒(例では第1気筒#1)の爆
発行程において内燃機関が所定の回転角度だけ回転する
のに要した時間であり、時間T(x+1)は、爆発行程
が連続する次の気筒(例では第2気筒#2)の爆発行程
において同機関が所定の回転角度だけ回転するのに要し
た時間である。また、時間T(x+360゜CA)は、
上記時間T(x)の開始点から360゜CAの位相差を
もって同機関が所定の回転角度だけ回転するのに要した
時間である。同様に、時間T(x+360゜CA+1)
は、上記時間T(x+1)の開始点から360゜CAの
位相差をもって同機関が所定の回転角度だけ回転するの
に要した時間である。
【0045】このように、奇数の気筒からなる内燃機関
の場合、上記時間T(x)及びT(x+1)について
は、その計測域が同機関の爆発行程にあることが保証さ
れるが、他の時間T(x+360゜CA)及びT(x+
360゜CA+1)は、その計測域が必ずしも爆発行程
にくるとは限らない。
【0046】したがって、上記(3)式の如き2階差分
をとるものとしても、同機関の燃焼変動についてはこれ
を相殺することができなくなる。しかし、上記クランク
角度誤差は、こうした360゜CAの2階差分によって
確実に相殺されるようになり、たとえ内燃機関1が高速
回転していようとも、該2階差分によって抽出される差
分値(平均周期変動量)ΔTは失火によるものであるこ
とが保証されるようになる。
【0047】そして、この実施例の装置による上記
(2)式の2階差分演算によって算出される差分値(平
均角速度変化量)Δωの場合も、図3(f)及び(g)
の対比によって明らかなように、こうした条件は実質的
に同様である。こうして算出された差分値Δωは次に、
失火判定部909に対して与えられる。
【0048】失火判定部909は、こうして与えられる
差分値Δωと所定の失火判定値CKとを比較して、内燃
機関1の失火の有無を判定する部分である。失火判定値
CKは、CK演算部(CKマップ)908を通じて演算
設定される値である。該失火判定部909では、上記差
分値Δωがこの失火判定値CKを超えるとき「失火有
り」と判定して、診断フラグメモリ910に失火検出フ
ラグXMFを立てる(同XMFフラグを論理「1」にセ
ットする)ようになる。なお、CK演算部(CKマッ
プ)908では、回転角センサ5から出力される回転信
号NE(これを回転数情報Neに換算して用いる)と吸
気管圧力センサ3から出力される吸気管圧力PMとに基
づき、内燃機関1のその都度の運転状態において最適な
失火判定値CKを設定する。
【0049】診断処理部911は、上記診断フラグメモ
リ910を参照して、そこにセットされている診断フラ
グに対応したフェイルセイフ処理等を実行する部分であ
る。例えば、上記失火検出フラグXMFが論理「1」に
セットされていた場合、この診断処理部911では、 (1)失火発生と判定された気筒への燃料供給を遮断し
て、触媒の保護、並びに排気ガス中のHC濃度が増大さ
れることの防止を図る。 (2)警告ランプ12を点灯して、運転者等に失火が発
生した旨知らしめる。等々、の処理を実行する。
【0050】図4〜図6は、電子制御装置9のこうした
機能に基づく主に失火検出にかかる処理をフローチャー
トとしてまとめたものであり、以下、これら図4〜図6
を併せ参照して、同実施例の失火検出装置としての動作
を総括する。
【0051】電子制御装置9では、内燃機関1のクラン
ク軸が所定のクランク角(実施例では36゜CA)とな
る毎に、割り込み処理として、図4に示される失火検出
処理を実行する。
【0052】すなわちいま、クランク角が36゜CA回
転してこうした割り込み条件が成立したとすると、電子
制御装置9はまず、前回の割り込み時刻と今回の割り込
み時刻との偏差から、当該内燃機関1が36°CA回転
するのに要した時間T36iを算出する(ステップ10
0)。この時間T36iの算出は、上記T36演算部9
01を通じて行われる。
【0053】次に電子制御装置9は、今回の割り込みタ
イミングが上死点(TDC)であるか否かを判断し(ス
テップ110)、今回の割り込みタイミングが上死点で
あるなら、上記T144演算部903を通じて、この演
算データ(時間T36)についての最新の4回分のデー
タを累積演算する(ステップ111)。こうした累積演
算によって、内燃機関1(正確にはそのクランク軸)が
144゜CA回転するのに要した時間T144iが算出
されるようになることは上述した通りである。そしてこ
の算出された時間T144iは、上記平均角速度演算部
904において先の(1)式に基づき平均角速度ωに変
換される(ステップ112)。また、この変換された平
均角速度ωの値は、上記メモリ管理部905を通じて、
最新のデータωnとしてデータメモリ906に格納され
る(ステップ113)。なおこの際、同データメモリに
既に格納されているデータに対し、ωn-7→廃棄、ωn
-6→ωn-7、ωn-5→ωn-6、ωn-4→ωn-5、ωn-3
→ωn-4、ωn-2→ωn-3、ωn-1→ωn-2、ωn→ω
n-1といったかたちで更新処理が施されるようになるこ
とも上述した。
【0054】一方、上記ステップ110において、今回
の割り込みタイミングが上死点ではない旨判断される場
合、同電子制御装置9は更に、今回の割り込みタイミン
グが各気筒の上死点後(ATDC)72°CAであるか
否かを判断する(ステップ120)。そして、今回の割
り込みタイミングが各気筒の上死点後72°CAのタイ
ミングであるなら、上記同様、T144演算部903を
通じて、上記演算データ(時間T36)についての最新
の4回分のデータを累積演算する(ステップ121)。
また、こうして算出された時間T144iが平均角速度
演算部904において平均角速度ωに変換されること
(ステップ122)、及びこの変換された平均角速度ω
の値がメモリ管理部905を通じて最新のデータωnと
してデータメモリ906に格納されること(ステップ1
23)も上記同様に行われる。
【0055】なお、今回の割り込みタイミングが、上記
ステップ110において上死点ではない旨判断され且
つ、上記ステップ120において上死点後72°CAの
タイミングでもない旨判断される場合には、当該失火検
出処理を終了する。これらステップ110及び120で
の判断は、上記行程管理部902からの行程管理情報に
基づいて行われる。
【0056】さて、同失火検出処理において、上記ステ
ップ113でのデータメモリ906の更新を終えると、
電子制御装置9は次に、メモリ管理部905を通じて、
上記Δω演算部907に、その時点でのデータωn、ω
n-2、ωn-5、及びωn-7を読み込む。そして、同Δω
演算部907を通じて、先の(2)式の2階差分演算を
実行する(ステップ130)。なお、上記データωn及
びωn-2が、各気筒の上死点で求められた連続する2つ
の爆発工程での平均角速度であり、上記データωn-5及
びωn-7が、これらデータωn及びωn-2に対して36
0゜CAの位相差をもち、どの気筒の爆発工程とも一致
しない平均角速度であることは上述した通りである。ま
たその関係は、図3(a)及び(g)によって明示され
る通りでもある。そして、この(2)式による2階差分
演算の結果、燃焼変動についての相殺はできなくなるも
のの、クランク角度誤差についてはこれを有効に相殺す
ることができ、失火の有無が直接反映された角速度の変
動分のみがその差分値Δωとして抽出されるようになる
ことも上述した。
【0057】こうして差分値(平均角速度変化量)Δω
を算出した電子制御装置9は次に、上記失火判定部90
9を通じて、この得られた差分値Δωと失火判定値CK
とを比較する(ステップ140)。そして、差分値Δω
が失火判定値CKより大きいときには、「失火有り」と
判断し、失火検出フラグXMFを論理「1」にセットし
て(ステップ150)当該失火検出処理を終了する。他
方、この差分値Δωが失火判定値CK以下であれば、
「失火無し」と判断し、同失火検出フラグXMFを論理
「0」にセットして(ステップ160)同失火検出処理
を終了する。
【0058】また、同電子制御装置9では、こうした失
火検出処理と並行して、例えば64ms(ミリ秒)毎の
割り込みにて、図5に示される上記失火判定値CKにつ
いての設定処理を実行する。
【0059】すなわちいま、64ms経過してこうした
割り込み条件が成立したとすると、電子制御装置9は、
前記回転角センサ5から出力される回転信号NEと前記
吸気管圧力センサ3から出力される吸気管圧力PMとを
CK演算部908に読み込む(ステップ200)。な
お、上記回転信号NEについてはこれを回転数情報Ne
に換算したものを用いるものとする。
【0060】こうして、その時点での回転数情報Ne及
び吸気管圧力情報PMを読み込んだ電子制御装置9は次
いで、同CK演算部908を通じて、例えば同図5ステ
ップ210として例示するようなCKマップの検索を実
行する。そして、必要であれば、該検索によって得られ
た失火判定値CKに補間を施し、最終的に得られた値を
上記差分値Δωと比較される失火判定値CK(閾値)と
して設定する(ステップ220)。
【0061】このように、失火判定値CKを内燃機関1
の運転状態に応じて可変設定することで、該失火判定値
CK自体を内燃機関1のその都度の運転状態に基づき最
適化することができるようになる。
【0062】また、同電子制御装置9では、これら失火
検出処理や失火判定値CKの設定処理と並行して更に、
これも所定時間毎の割り込みにて、図6に示される診断
処理を実行する。
【0063】すなわちいま、こうした診断処理を開始す
るための割り込み条件が成立したとすると、電子制御装
置9は、上記診断処理部911を通じて、診断フラグメ
モリ910にセットされている診断フラグの内容を読み
込む(ステップ300)。該診断フラグメモリ910に
セットされる診断フラグとしては、上述した失火検出フ
ラグXMFの他にも、例えばアクチュエータが正常に作
動しているか否か等を示すフラグなども含まれ、それぞ
れ対応する検出手段等を通じてその内容が書き込まれ
る。
【0064】そして電子制御装置9では、この診断処理
部911を通じて、上記読み込んだ診断フラグの内容に
対応したフェイルセイフ処理を実行する(ステップ31
0、320)。上記失火検出フラグXMFが論理「1」
にセットされていた場合、 (1)失火発生と判定された気筒への燃料供給を遮断し
て、触媒の保護、並びに排気ガス中のHC濃度が増大さ
れることの防止を図る。 (2)警告ランプ12を点灯して、運転者等に失火が発
生した旨知らしめる。等々の処理が同診断処理部911
を通じて実行されるようになることは上述した通りであ
る。また、上記読み込んだ診断フラグの内容が何れも論
理「0」を示すものであった場合、すなわち異常が何等
登録されていない場合には、当該割り込みにかかる診断
処理をそのまま終了する(ステップ310)。
【0065】以上のように、この実施例の失火検出装置
によれば、奇数の気筒からなる内燃機関にあっても、上
記(2)式による2階差分演算によって、クランク角度
誤差を有効に相殺することができ、失火の有無が直接反
映された角速度の変動分のみをその差分値Δωとして抽
出することができるようになる。したがって、該差分値
Δωと失火判定値CKとの比較に基づき、同機関に発生
した失火についてこれを確実に検出することができるよ
うになる。また、同実施例の装置によれば、上記失火判
定値CKを内燃機関の運転状態に応じて可変設定するよ
うにしたため、同判定値CK自体を内燃機関のその都度
の運転状態に基づき最適化することができるようにもな
る。このことは、上記失火の有無についての判定を更に
精度の高いものとすることができるようになることを意
味する。
【0066】なお、上記実施例の装置では、この失火判
定値CKを設定するのにCKマップを用いるようにした
が、マップを用いずに、上記読み込んだ回転数情報Ne
及び吸気管圧力情報PMに基づく関数演算を実行して同
失火判定値CKを求めるようにしても勿論よい。また、
内燃機関の運転状態は、上記回転数情報Ne及び吸気管
圧力情報PMに限らず、例えば前記水温センサ8から出
力される冷却水温情報なども適宜用いることができる。
もっとも、該失火判定値CKについては、これを固定値
として設定するようにしても、十分に精度の高い失火検
出を行うことはできる。
【0067】また、上記実施例の装置において、図2に
示した電子制御装置9のうちの特にT144演算部90
3、平均角速度演算部904、メモリ管理部905、及
びデータメモリ906については、これらが ・各気筒が上死点に達する都度、該上死点から所定角度
だけ同機関が回転するのに要した時間若しくは相当値を
演算する第1の演算手段、及び ・各気筒が上死点後(360゜CA/気筒数)に達する
都度、該上死点後(360゜CA/気筒数)から前記所
定角度だけ同機関が回転するのに要した時間若しくは相
当値を演算する第2の演算手段、及び ・前記第1の演算手段による演算値を古い値から順にω
n-6、ωn-4、ωn-2、ωnとして記憶し且つ更新し、
前記第2の演算手段による演算値を古い値から順にωn
-7、ωn-5、ωn-3、ωn-1として記憶し且つ更新する
記憶手段、として実現されさえすればよく、必ずしも前
述した実施例の構成に限定されるものではない。
【0068】また、上記の実施例では、5気筒の内燃機
関に発生した失火を検出する装置について示したが、こ
の発明にかかる失火検出装置が対象とする内燃機関は奇
数の気筒からなる内燃機関でさえあればよく、該5気筒
の内燃機関に限られるものでないことは勿論である。
【0069】また、この発明にかかる失火検出装置によ
れば基本的に、例えば図3(f)に例示される計測値の
関係に基づいて、例えば前記(3)式の2階差分演算が
実行される構成を有していればよい。すなわち、 ・任意気筒の爆発行程において内燃機関が特定の第1の
回転角度だけ回転するのに要した時間若しくは相当値T
(x)を求める第1の計測手段、及び ・爆発行程が連続する次の気筒の爆発行程において同機
関が前記第1の回転角度だけ回転するのに要した時間若
しくは相当値T(x+1)を求める第2の計測手段、及
び ・前記第1の計測手段が計測対象とする回転角度に対し
て360度クランク角の位相差をもって同機関が特定の
第2の回転角度だけ回転するのに要した時間若しくは相
当値T(x+360゜CA)を求める第3の計測手段、
及び ・前記第2の計測手段が計測対象とする回転角度に対し
て360度クランク角の位相差をもって同機関が前記第
2の回転角度だけ回転するのに要した時間若しくは相当
値T(x+360゜CA+1)を求める第4の計測手
段、そして ・前記第1及び第2の計測手段による計測値の偏差T
(x)−T(x+1)を求める第1の偏差演算手段、及
び ・前記第3及び第4の計測手段による計測値の偏差T
(x+360゜CA)−T(x+360゜CA+1)を
求める第2の偏差演算手段、を少なくとも具える構成で
あればよい。
【0070】また、特にこうした構成にあっては、上記
第1及び第2の計測手段が計測期間とする第1の回転角
度、並びに上記第3及び第4の計測手段が計測期間とす
る第2の回転角度は、それぞれ当該内燃機関の点火間隔
角度、すなわち図3(d)に付記する角度DT以下に設
定されることが望ましい。こうした設定により、ある1
つの計測期間に2度の爆発が起こるようなことはなくな
り、より安定した失火検出が可能となる。またこれによ
り、失火した気筒の判別も容易となる。因みにこうした
構成、或いは上記実施例の構成によれば、「失火有り」
と判定された直前の気筒において失火が発生しているこ
ととなる。
【0071】また、こうした構成であれ、上記実施例の
如き構成であれ、上述の説明では、360゜CAの2階
差分値と失火判定値CKとの比較によって失火の有無を
判定するものとした。しかし該判定態様は任意であり、
他に例えば、360゜CAの位相差をもつ前半の計測値
偏差と後半の計測値偏差との比をそれに対応する失火判
定値と比較して失火の有無を判定するようにすることも
できる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、360゜CAの2階差分若しくはそれに相当する演
算を実行して奇数気筒からなる内燃機関に発生した失火
を検出するようにしている。このため、燃焼変動につい
ては相殺することができなくなるものの、クランク角度
の誤差は有効に相殺されるようになり、同機関に発生し
た失火についてこれを確実に検出することができるよう
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる内燃機関の失火検出装置につ
いてその一実施例構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示される電子制御装置についてその機能
的な構成を示すブロック図である。
【図3】同実施例の装置の動作例並びに失火検出原理を
示すタイミングチャートである。
【図4】同実施例の装置による失火検出処理の処理手順
を示すフローチャートである。
【図5】同実施例の装置による失火判定値設定処理の処
理手順を示すフローチャートである。
【図6】同実施例の装置による診断処理の処理手順を示
すフローチャートである。
【図7】クレーム対応図である。
【符号の説明】
1…内燃機関、2…吸気管、3…吸気管圧力センサ、5
…回転各センサ、6…基準位置センサ、7…ディストリ
ビュータ、8…水温センサ、9…電子制御装置、10…
インジェクタ、11…イグナイタ、12…警告ランプ、
13…ピストン、9a…CPU、9b…ROM、9c…
RAM、9d…I/Oポート、901…T36演算部、
902…行程管理部、903…T144演算部、904
…平均角速度演算部、905…メモリ管理部、906…
データメモリ、907…Δω演算部、908…CK演算
部(CKマップ)、909…失火判定部、910…診断
フラグメモリ、911…診断処理部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−219448(JP,A) 特開 平5−195858(JP,A) 特開 平4−365958(JP,A) 特開 平4−262037(JP,A) 特開 平4−370344(JP,A) 特開 平6−10751(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 17/00 - 17/04 F02D 29/00 - 29/04 F02D 41/00 - 45/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】奇数の気筒からなる内燃機関に発生した失
    火を検出する内燃機関の失火検出装置であって、 内燃機関の回転に基づき同機関の所定の回転角度毎に回
    転信号を出力する回転信号出力手段と、 この出力される回転信号に基づき、任意気筒の爆発行程
    において内燃機関が特定の第1の回転角度だけ回転する
    のに要した時間若しくは相当値を求める第1の計測手段
    と、 同出力される回転信号に基づき、爆発行程が連続する次
    の気筒の爆発行程において同機関が前記第1の回転角度
    だけ回転するのに要した時間若しくは相当値を求める第
    2の計測手段と、 同出力される回転信号に基づき、前記第1の計測手段が
    計測対象とする回転角度に対して360度クランク角の
    位相差をもって同機関が特定の第2の回転角度だけ回転
    するのに要した時間若しくは相当値を求める第3の計測
    手段と、 同出力される回転信号に基づき、前記第2の計測手段が
    計測対象とする回転角度に対して360度クランク角の
    位相差をもって同機関が前記第2の回転角度だけ回転す
    るのに要した時間若しくは相当値を求める第4の計測手
    段と、 前記第1及び第2の計測手段による計測値の偏差を求め
    る第1の偏差演算手段と、 前記第3及び第4の計測手段による計測値の偏差を求め
    る第2の偏差演算手段と、 これら第1及び第2の偏差演算手段による演算結果に基
    づいて内燃機関の失火の有無を判定する失火判定手段
    と、 を具えることを特徴とする内燃機関の失火検出装置。
  2. 【請求項2】前記回転信号出力手段は、前記奇数の気筒
    からなる内燃機関の気筒数をnとするとき、(360度
    クランク角/nの倍数)の回転角度毎に前記回転信号を
    出力するものである請求項1に記載の内燃機関の失火検
    出装置。
  3. 【請求項3】前記第1及び第2の計測手段が計測期間と
    する前記第1の回転角度、並びに前記第3及び第4の計
    測手段が計測期間とする前記第2の回転角度は、それぞ
    れ当該内燃機関の点火間隔角度以下に設定されることを
    特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の失火検
    出装置。
  4. 【請求項4】前記第1及び第2の計測手段はそれぞれ、
    内燃機関が前記第1の回転角度だけ回転するのに要した
    時間を同時間に対応した角速度として求めるものであ
    り、 前記第3及び第4の計測手段はそれぞれ、同機関が前記
    第2の回転角度だけ回転するのに要した時間を同時間に
    対応した角速度として求めるものである請求項1または
    2または3に記載の内燃機関の失火検出装置。
  5. 【請求項5】前記失火判定手段は、前記第1及び第2の
    偏差演算手段による演算結果の差と所定値との比較によ
    って前記失火の有無を判定するものである請求項1から
    4のいずれかに記載の内燃機関の失火検出装置。
  6. 【請求項6】前記失火判定手段は、前記第1及び第2の
    偏差演算手段による演算結果の比と所定値との比較によ
    って前記失火の有無を判定するものである請求項1から
    4のいずれかに記載の内燃機関の失火検出装置。
  7. 【請求項7】前記失火判定手段は、前記比較する所定値
    を当該内燃機関の運転状態に応じて可変設定するもので
    ある請求項5または6に記載の内燃機関の失火検出装
    置。
  8. 【請求項8】奇数の気筒からなる内燃機関に発生した失
    火を検出する内燃機関の失火検出装置であって、 内燃機関の回転に基づき同機関の所定の回転角度毎に回
    転信号を出力する回転信号出力手段と、 同機関の特定気筒が上死点に達するタイミングに同期し
    て基準位置信号を出力する基準位置信号出力手段と、 これら出力される回転信号及び基準位置信号に基づき、
    各気筒が上死点に達する都度、該上死点から所定角度だ
    け同機関が回転するのに要した時間若しくは相当値を演
    算する第1の演算手段と、 同出力される回転信号及び基準位置信号に基づき、各気
    筒が上死点後(360度クランク角/気筒数)に達する
    都度、該上死点後(360度クランク角/気筒数)から
    前記所定角度だけ同機関が回転するのに要した時間若し
    くは相当値を演算する第2の演算手段と、 前記第1の演算手段による演算値を古い値から順にωn
    -6、ωn-4、ωn-2、ωnとして記憶し且つ更新し、前
    記第2の演算手段による演算値を古い値から順にωn-
    7、ωn-5、ωn-3、ωn-1として記憶し且つ更新する
    記憶手段と、 これら記憶且つ更新される値に基づき、演算 Δω=(ωn−ωn-2)−(ωn-5−ωn-7) を実行して差分値Δωを算出する第3の演算手段と、 この算出された差分値Δωと所定の失火判定値とを比較
    して内燃機関の失火の有無を判定する失火判定手段と、 を具えることを特徴とする内燃機関の失火検出装置。
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