JP3407665B2 - 介在用ポリ塩化ビニル樹脂組成物及びこれを用いた電線・ケーブル - Google Patents
介在用ポリ塩化ビニル樹脂組成物及びこれを用いた電線・ケーブルInfo
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、電線・ケーブルの
介在の成形に用いられるポリ塩化ビニル樹脂組成物及び
これを用いて成形された介在を有する電線・ケーブルに
関するものである。
介在の成形に用いられるポリ塩化ビニル樹脂組成物及び
これを用いて成形された介在を有する電線・ケーブルに
関するものである。
【０００２】本発明は、特にポリ塩化ビニル樹脂系絶縁
体を有する絶縁心線とポリ塩化ビニル樹脂系シースとを
有する電線・ケーブルの介在の成形に用いられるポリ塩
化ビニル樹脂組成物及びこれを用いて成形された介在を
有し、ポリ塩化ビニル樹脂系の絶縁体及びシースを有す
る電線・ケーブルに関するものである。
体を有する絶縁心線とポリ塩化ビニル樹脂系シースとを
有する電線・ケーブルの介在の成形に用いられるポリ塩
化ビニル樹脂組成物及びこれを用いて成形された介在を
有し、ポリ塩化ビニル樹脂系の絶縁体及びシースを有す
る電線・ケーブルに関するものである。
【０００３】
【従来の技術】従来において紹介されている電線・ケー
ブルの介在用ポリ塩化ビニル樹脂組成物を使用した場合
には、電線・ケーブルの成形時にコアのポリ塩化ビニル
系絶縁体と介在とが粘着してしまい、電線・ケーブルの
端末加工時に相互に剥離不能あるいは剥離困難となり、
加工性の良い電線・ケーブルが得られないのが一般であ
った。
ブルの介在用ポリ塩化ビニル樹脂組成物を使用した場合
には、電線・ケーブルの成形時にコアのポリ塩化ビニル
系絶縁体と介在とが粘着してしまい、電線・ケーブルの
端末加工時に相互に剥離不能あるいは剥離困難となり、
加工性の良い電線・ケーブルが得られないのが一般であ
った。
【０００４】上記のような端末加工時の加工性を向上す
るための方法として、介在用ポリ塩化ビニル樹脂組成物
に発泡剤、充填剤あるいは非相溶性物を添加する方法等
が提案されたが、総じてコア絶縁体と介在との剥離性の
向上が不十分であり、またコストの面から採用不能であ
る等の点から、問題を解決するに至らなかった： （１）介在用ポリ塩化ビニル樹脂組成物に発泡剤を配合
して、発泡剤により強制発泡された介在を得ようと試み
ても、均一な発泡のためには可塑剤量を全体の５０重量
％に高めなければならず、また、樹脂分が５０重量％前
後となると粘着性が増大して剥離性が悪くなる。
るための方法として、介在用ポリ塩化ビニル樹脂組成物
に発泡剤、充填剤あるいは非相溶性物を添加する方法等
が提案されたが、総じてコア絶縁体と介在との剥離性の
向上が不十分であり、またコストの面から採用不能であ
る等の点から、問題を解決するに至らなかった： （１）介在用ポリ塩化ビニル樹脂組成物に発泡剤を配合
して、発泡剤により強制発泡された介在を得ようと試み
ても、均一な発泡のためには可塑剤量を全体の５０重量
％に高めなければならず、また、樹脂分が５０重量％前
後となると粘着性が増大して剥離性が悪くなる。
【０００５】（２）介在用ポリ塩化ブニル樹脂組成物に
炭酸カルシウム等を配合して、これ等の充填剤による問
題解決を試みても、充填剤の量を増加して高充填化する
と成形物の硬度が上がって脆くなり、これを避けるため
に可塑剤を増量すると粘着性が増大して剥離性が悪くな
る。
炭酸カルシウム等を配合して、これ等の充填剤による問
題解決を試みても、充填剤の量を増加して高充填化する
と成形物の硬度が上がって脆くなり、これを避けるため
に可塑剤を増量すると粘着性が増大して剥離性が悪くな
る。
【０００６】（３）介在用ポリ塩化ブニル樹脂組成物に
ポリエチレン樹脂等を添加して、その非相溶性により剥
離性を向上しようと試みても、ポリエチレン等が混練時
に均一に混合されないために、全体的な剥離性の向上が
確保されず、またポリエチレン樹脂等が高価であるため
に、介在に必要とされるコストの面から採用出来ないも
のとなる。
ポリエチレン樹脂等を添加して、その非相溶性により剥
離性を向上しようと試みても、ポリエチレン等が混練時
に均一に混合されないために、全体的な剥離性の向上が
確保されず、またポリエチレン樹脂等が高価であるため
に、介在に必要とされるコストの面から採用出来ないも
のとなる。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電線・ケー
ブルの介在の成形用組成物であって充填剤で高充填化さ
れたポリ塩化ビニル樹脂組成物及びこれを用いて成形さ
れた介在を有する電線・ケーブルを提供することを目的
とする。
ブルの介在の成形用組成物であって充填剤で高充填化さ
れたポリ塩化ビニル樹脂組成物及びこれを用いて成形さ
れた介在を有する電線・ケーブルを提供することを目的
とする。
【０００８】また、本発明の一つの目的は、端末加工時
にポリ塩化ビニル樹脂系のコア絶縁との剥離性が良好な
介在を与える介在成形用のポリ塩化ビニル樹脂組成物及
びこれを用いて成形されたコア絶縁との剥離性が良好な
介在を有する電線・ケーブルを提供することにある。
にポリ塩化ビニル樹脂系のコア絶縁との剥離性が良好な
介在を与える介在成形用のポリ塩化ビニル樹脂組成物及
びこれを用いて成形されたコア絶縁との剥離性が良好な
介在を有する電線・ケーブルを提供することにある。
【０００９】さらにまた本発明の一つの目的は、電線・
ケーブルの介在の成形に用いられる充填剤で高充填さ
れ、成形時に自然発泡するポリ塩化ビニル樹脂組成物及
びこれを用いて成形された介在を有する電線・ケーブル
を提供することにある。
ケーブルの介在の成形に用いられる充填剤で高充填さ
れ、成形時に自然発泡するポリ塩化ビニル樹脂組成物及
びこれを用いて成形された介在を有する電線・ケーブル
を提供することにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】本発明の介在用ポリ塩化
ビニル樹脂組成物は、ポリ塩化ビニル樹脂、可塑剤、安
定剤及び滑剤を含有する樹脂組成物に、充填剤として含
水ケイ酸含有炭酸カルシウム、含水ケイ酸及びカルシウ
ム置換Ａ型ゼオライトを所定量含有せしめて成る電線・
ケーブルの介在用ポリ塩化ビニル樹脂組成物である。
ビニル樹脂組成物は、ポリ塩化ビニル樹脂、可塑剤、安
定剤及び滑剤を含有する樹脂組成物に、充填剤として含
水ケイ酸含有炭酸カルシウム、含水ケイ酸及びカルシウ
ム置換Ａ型ゼオライトを所定量含有せしめて成る電線・
ケーブルの介在用ポリ塩化ビニル樹脂組成物である。
【００１１】
【００１２】また、本発明の電線・ケーブルは、ポリ塩
化ビニル樹脂、可塑剤、安定剤及び滑剤を含有する樹脂
組成物に、充填剤として含水ケイ酸含有炭酸カルシウ
ム、含水ケイ酸及びカルシウム置換Ａ型ゼオライトを所
定量含有せしめて成るポリ塩化ビニル樹脂組成物を用い
て成形された介在を有する電線・ケーブルである。
化ビニル樹脂、可塑剤、安定剤及び滑剤を含有する樹脂
組成物に、充填剤として含水ケイ酸含有炭酸カルシウ
ム、含水ケイ酸及びカルシウム置換Ａ型ゼオライトを所
定量含有せしめて成るポリ塩化ビニル樹脂組成物を用い
て成形された介在を有する電線・ケーブルである。
【００１３】本発明において充填剤の一つとして用いら
れる含水ケイ酸（含水シリカ）含有炭酸カルシウムは、
介在の充填剤の主剤となるものであって、シリカ分の含
有量が２％以上のものが好ましい。その添加量は、ポリ
塩化ビニル樹脂１００重量部に対して、２５０〜３００
重量部とするのが好ましい。添加量を下限以下とする
と、充分な剥離性向上の効果が得られず、また添加量を
上限以上とすると介在の成形が困難となる。
れる含水ケイ酸（含水シリカ）含有炭酸カルシウムは、
介在の充填剤の主剤となるものであって、シリカ分の含
有量が２％以上のものが好ましい。その添加量は、ポリ
塩化ビニル樹脂１００重量部に対して、２５０〜３００
重量部とするのが好ましい。添加量を下限以下とする
と、充分な剥離性向上の効果が得られず、また添加量を
上限以上とすると介在の成形が困難となる。
【００１４】本発明において充填剤の一つとして用いら
れる含水ケイ酸（含水シリカ）は、介在とコア絶縁体
（等）との剥離剤を向上させるために、他の充填剤と相
乗的に機能する配合剤である。その添加量は、ポリ塩化
ビニル樹脂１００重量部に対して５〜２０重量部とする
のが好ましい。添加量を下限以下とすると、剥離性の向
上効果が不充分となり、また添加量を上限以上とすると
効果が飽和し、遂には介在の成形が困難となる。
れる含水ケイ酸（含水シリカ）は、介在とコア絶縁体
（等）との剥離剤を向上させるために、他の充填剤と相
乗的に機能する配合剤である。その添加量は、ポリ塩化
ビニル樹脂１００重量部に対して５〜２０重量部とする
のが好ましい。添加量を下限以下とすると、剥離性の向
上効果が不充分となり、また添加量を上限以上とすると
効果が飽和し、遂には介在の成形が困難となる。
【００１５】本発明において充填剤の一つとして用いら
れるカルシウム置換Ａ型ゼオライトは、介在とコア絶縁
体（等）との剥離性を向上するために用いられるもので
あって、その剥離性向上効果は含水ケイ酸等の共存によ
って相乗的に高められる。本発明に係るカルシウム置換
Ａ型ゼオライトは正六面体結晶粒子の形態を有し、その
ゼオライト結晶構造に基づく吸着能、捕捉能、交換能等
の機能を有する。カルシウム置換Ａ型ゼオライトとして
好ましいものは、合成品のカルシウム置換Ａ型ゼオライ
トであって、残留アルカリ、鉄イオン、アルカリイオン
及び粘土系無機物質等の含有量が極く少い高純度のもの
であって角を取られた丸みの有る正六面体結晶粒子の形
状のものであり、このようなカルシウム置換Ａ型ゼオラ
イトとしては、株式会社耕正より提供される特殊カルシ
ウム置換型合成ゼオライト：ＣＳ−１００（組成式：Ｃ
ａＯ・Ａｌ2 Ｏ3 ・２ＳｉＯ2 ・４．５Ｈ2 Ｏ）が挙げ
られる。その添加量は、ポリ塩化ビニル樹脂１００重量
部に対して、１〜８重量部とするのが好ましい。添加量
を下限以下とすると、充分な剥離効果が得られず、また
添加量を上限以上とすると効果が飽和し、遂には介在の
成形が困難となる。その剥離性の向上効果は、正六面体
結晶粒子形状による接着面の低減、また三次元網目構造
乃至バルーン（ふうせん）状構造による粘着分の取込、
さらに、これらの作用が含水ケイ酸等との相乗効果によ
って増大される結果としてもたらされると考えられる。
れるカルシウム置換Ａ型ゼオライトは、介在とコア絶縁
体（等）との剥離性を向上するために用いられるもので
あって、その剥離性向上効果は含水ケイ酸等の共存によ
って相乗的に高められる。本発明に係るカルシウム置換
Ａ型ゼオライトは正六面体結晶粒子の形態を有し、その
ゼオライト結晶構造に基づく吸着能、捕捉能、交換能等
の機能を有する。カルシウム置換Ａ型ゼオライトとして
好ましいものは、合成品のカルシウム置換Ａ型ゼオライ
トであって、残留アルカリ、鉄イオン、アルカリイオン
及び粘土系無機物質等の含有量が極く少い高純度のもの
であって角を取られた丸みの有る正六面体結晶粒子の形
状のものであり、このようなカルシウム置換Ａ型ゼオラ
イトとしては、株式会社耕正より提供される特殊カルシ
ウム置換型合成ゼオライト：ＣＳ−１００（組成式：Ｃ
ａＯ・Ａｌ2 Ｏ3 ・２ＳｉＯ2 ・４．５Ｈ2 Ｏ）が挙げ
られる。その添加量は、ポリ塩化ビニル樹脂１００重量
部に対して、１〜８重量部とするのが好ましい。添加量
を下限以下とすると、充分な剥離効果が得られず、また
添加量を上限以上とすると効果が飽和し、遂には介在の
成形が困難となる。その剥離性の向上効果は、正六面体
結晶粒子形状による接着面の低減、また三次元網目構造
乃至バルーン（ふうせん）状構造による粘着分の取込、
さらに、これらの作用が含水ケイ酸等との相乗効果によ
って増大される結果としてもたらされると考えられる。
【００１６】本発明に用いられるポリ塩化ビニル樹脂と
しては、平均重合度が７００〜２０００のものが好適で
ある。
しては、平均重合度が７００〜２０００のものが好適で
ある。
【００１７】本発明に用いられる可塑剤としては、電線
・ケーブルの介在成形における一般的可塑剤を用いるこ
とが出来るが、フタル酸エステル系可塑剤が好適で、例
えばジオクチルフタレート等である。その配合量は、ポ
リ塩化ビニル樹脂１００重量部に対して５０〜９０重量
部とするのが好ましい。
・ケーブルの介在成形における一般的可塑剤を用いるこ
とが出来るが、フタル酸エステル系可塑剤が好適で、例
えばジオクチルフタレート等である。その配合量は、ポ
リ塩化ビニル樹脂１００重量部に対して５０〜９０重量
部とするのが好ましい。
【００１８】本発明に用いられる安定剤としては、電線
・ケーブルの介在成形における一般的安定剤を用いるこ
とが出来るが、鉛（Ｐｂ）系安定剤（例えばトリベー
ス）、カルシウム−亜鉛（Ｃａ／Ｚｎ）系安定剤が好適
である。その配合量は、ポリ塩化ビニル樹脂１００重量
部に対して２〜７重量部とするのが好ましい。
・ケーブルの介在成形における一般的安定剤を用いるこ
とが出来るが、鉛（Ｐｂ）系安定剤（例えばトリベー
ス）、カルシウム−亜鉛（Ｃａ／Ｚｎ）系安定剤が好適
である。その配合量は、ポリ塩化ビニル樹脂１００重量
部に対して２〜７重量部とするのが好ましい。
【００１９】本発明に用いられる滑剤としては、電線・
ケーブルの介在成形における一般的滑剤を用いることが
出来るが、脂肪酸金属塩（金属石鹸）滑剤、エチレン系
ワックス滑剤を用いるのが良い。脂肪酸金属塩（金属石
鹸）としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸
鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、二塩
基性ステアリン酸鉛等のステアリン酸金属塩（金属石
鹸）が挙げられるが、ステアリン酸バリウムが好適例で
ある。滑剤の配合量は、ポリ塩化ビニル樹脂１００重量
部に対して２〜７重量部とするのが好ましい。
ケーブルの介在成形における一般的滑剤を用いることが
出来るが、脂肪酸金属塩（金属石鹸）滑剤、エチレン系
ワックス滑剤を用いるのが良い。脂肪酸金属塩（金属石
鹸）としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸
鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、二塩
基性ステアリン酸鉛等のステアリン酸金属塩（金属石
鹸）が挙げられるが、ステアリン酸バリウムが好適例で
ある。滑剤の配合量は、ポリ塩化ビニル樹脂１００重量
部に対して２〜７重量部とするのが好ましい。
【００２０】
【発明の実施の形態】本発明の介在用ポリ塩化ビニル樹
脂組成物であって、具体化された一群のものは、ポリ塩
化ビニル樹脂、可塑剤、安定剤及び滑剤を含有する樹脂
組成物に、ポリ塩化ビニル樹脂１００重量部に対して、
含水ケイ酸含有炭酸カルシウムを２５０〜３００重量
部、含水ケイ酸を５〜２０重量部及びカルシウム置換Ａ
型ゼオライトを１〜８重量部含有せしめて成る電線・ケ
ーブルの介在用ポリ塩化ビニル樹脂組成物である。
脂組成物であって、具体化された一群のものは、ポリ塩
化ビニル樹脂、可塑剤、安定剤及び滑剤を含有する樹脂
組成物に、ポリ塩化ビニル樹脂１００重量部に対して、
含水ケイ酸含有炭酸カルシウムを２５０〜３００重量
部、含水ケイ酸を５〜２０重量部及びカルシウム置換Ａ
型ゼオライトを１〜８重量部含有せしめて成る電線・ケ
ーブルの介在用ポリ塩化ビニル樹脂組成物である。
【００２１】また、本発明の介在用ポリ塩化ビニル樹脂
組成物であって、さらに具体化された一群のものは、ポ
リ塩化ビニル樹脂１００重量部に対して、フタル酸エス
テル系可塑剤を５０〜９０重量部、鉛（Ｐｂ）系安定剤
あるいはカルシウム−亜鉛（Ｃａ／Ｚｎ）系安定剤を２
〜７重量部、脂肪酸金属塩滑剤あるいはエチレン系ワッ
クス滑剤を２〜７重量部、含水ケイ酸含有炭酸カルシウ
ムを２５０〜３００重量部、含水ケイ酸を５〜２０重量
部、カルシウム置換Ａ型ゼオライトを１〜８重量部配合
して成る電線・ケーブルの介在用ポリ塩化ビニル樹脂組
成物である。
組成物であって、さらに具体化された一群のものは、ポ
リ塩化ビニル樹脂１００重量部に対して、フタル酸エス
テル系可塑剤を５０〜９０重量部、鉛（Ｐｂ）系安定剤
あるいはカルシウム−亜鉛（Ｃａ／Ｚｎ）系安定剤を２
〜７重量部、脂肪酸金属塩滑剤あるいはエチレン系ワッ
クス滑剤を２〜７重量部、含水ケイ酸含有炭酸カルシウ
ムを２５０〜３００重量部、含水ケイ酸を５〜２０重量
部、カルシウム置換Ａ型ゼオライトを１〜８重量部配合
して成る電線・ケーブルの介在用ポリ塩化ビニル樹脂組
成物である。
【００２２】本発明の電線・ケーブルであって、具体化
された一群のものは、ポリ塩化ビニル樹脂、可塑剤、安
定剤及び滑剤を含有する樹脂組成物に、ポリ塩化ビニル
樹脂１００重量部に対して、含水ケイ酸含有炭酸カルシ
ウムを２５０〜３００重量部、含水ケイ酸を５〜２０重
量部及びカルシウム置換Ａ型ゼオライトを１〜８重量部
含有せしめて成る成形用ポリ塩化ビニル樹脂組成物を用
いて成形された介在を有する電線・ケーブルである。
された一群のものは、ポリ塩化ビニル樹脂、可塑剤、安
定剤及び滑剤を含有する樹脂組成物に、ポリ塩化ビニル
樹脂１００重量部に対して、含水ケイ酸含有炭酸カルシ
ウムを２５０〜３００重量部、含水ケイ酸を５〜２０重
量部及びカルシウム置換Ａ型ゼオライトを１〜８重量部
含有せしめて成る成形用ポリ塩化ビニル樹脂組成物を用
いて成形された介在を有する電線・ケーブルである。
【００２３】また、本発明の電線・ケーブルであって、
さらに具体化された一群のものは、ポリ塩化ビニル樹脂
１００重量部に対して、フタル酸エステル系可塑剤を５
０〜９０重量部、鉛（Ｐｂ）系安定剤あるいはカルシウ
ム−亜鉛（Ｃａ／Ｚｎ）系安定剤を２〜７重量部、脂肪
酸金属塩滑剤あるいはエチレン系ワックス滑剤を２〜７
重量％、含水ケイ酸含有炭酸カルシウムを２５０〜３０
０重量部、含水ケイ酸を５〜２０重量部、カルシウム置
換Ａ型ゼオライトを１〜８重量部含有する成形用ポリ塩
化ビニル樹脂組成物を用いて成形した介在を有する電線
・ケーブルである。
さらに具体化された一群のものは、ポリ塩化ビニル樹脂
１００重量部に対して、フタル酸エステル系可塑剤を５
０〜９０重量部、鉛（Ｐｂ）系安定剤あるいはカルシウ
ム−亜鉛（Ｃａ／Ｚｎ）系安定剤を２〜７重量部、脂肪
酸金属塩滑剤あるいはエチレン系ワックス滑剤を２〜７
重量％、含水ケイ酸含有炭酸カルシウムを２５０〜３０
０重量部、含水ケイ酸を５〜２０重量部、カルシウム置
換Ａ型ゼオライトを１〜８重量部含有する成形用ポリ塩
化ビニル樹脂組成物を用いて成形した介在を有する電線
・ケーブルである。
【００２４】
【実施例】以下に本発明の具体的実施例を比較例と共に
説明する。
説明する。
【００２５】表１は、本発明の介在用のポリ塩化ビニル
樹脂組成物の組成成分（ポリ塩化ビニル樹脂１００重量
部に対する各成分の重量部）及び得られたポリ塩化ビニ
ル樹脂組成物を介在の成形用に用いて成形されたポリ塩
化ビニル樹脂系電線・ケーブルについて行った剥離試験
の結果データを示す。
樹脂組成物の組成成分（ポリ塩化ビニル樹脂１００重量
部に対する各成分の重量部）及び得られたポリ塩化ビニ
ル樹脂組成物を介在の成形用に用いて成形されたポリ塩
化ビニル樹脂系電線・ケーブルについて行った剥離試験
の結果データを示す。
【００２６】表２は、表１の続きであって、比較のため
の介在用のポリ塩化ビニル樹脂組成物の組成成分及び得
られたポリ塩化ビニル樹脂組成物を介在の成形用に用い
た以外は表１の実施例の場合と同様にして成形された一
般的ポリ塩化ビニル樹脂系電線・ケーブルについて行っ
た剥離試験の結果データを示す。
の介在用のポリ塩化ビニル樹脂組成物の組成成分及び得
られたポリ塩化ビニル樹脂組成物を介在の成形用に用い
た以外は表１の実施例の場合と同様にして成形された一
般的ポリ塩化ビニル樹脂系電線・ケーブルについて行っ
た剥離試験の結果データを示す。
【００２７】
【表１】
【００２８】
【表２】
【００２９】（１）介在用ポリ塩化ビニル樹脂組成物の
調製 表１及び表２に示される配合割合（ポリ塩化ビニル樹脂
１００重量部に対する重量部）で、
調製 表１及び表２に示される配合割合（ポリ塩化ビニル樹脂
１００重量部に対する重量部）で、
【００３０】
【外１】
【００３１】を配合した。
【００３２】（２）電線・ケーブルの製造
９０ｍ／ｍ押出機を用い、ポリ塩化ビニル樹脂系絶縁、
ポリ塩化ビニル樹脂系シースを有し、介在が夫々表１、
２に示された組成成分を有するポリ塩化ビニル樹脂組成
物から成形された１０種（実施例３種、比較例７種）の
ビニル絶縁・ビニルシース・制御ケーブル：ＣＶＶ ２
×２ＳＱ（ｍｍ2 ）電線・ケーブルを各１０００ｍ製造
した。押出条件は、温度条件をダイス温度：１８０℃
（ホッパー側からダイスまでの各ブロックの温度は、Ｃ
1 ：１６０℃、Ｃ2 ：１７０℃、Ｃ3 ：１７０℃、
Ｃ4 ：１７５℃、Ｈ：１８０℃、Ｄ：１８０℃）、スク
リーンメッシュ：無、押出速度：１００ｍ／ｍｉｎとし
た。
ポリ塩化ビニル樹脂系シースを有し、介在が夫々表１、
２に示された組成成分を有するポリ塩化ビニル樹脂組成
物から成形された１０種（実施例３種、比較例７種）の
ビニル絶縁・ビニルシース・制御ケーブル：ＣＶＶ ２
×２ＳＱ（ｍｍ2 ）電線・ケーブルを各１０００ｍ製造
した。押出条件は、温度条件をダイス温度：１８０℃
（ホッパー側からダイスまでの各ブロックの温度は、Ｃ
1 ：１６０℃、Ｃ2 ：１７０℃、Ｃ3 ：１７０℃、
Ｃ4 ：１７５℃、Ｈ：１８０℃、Ｄ：１８０℃）、スク
リーンメッシュ：無、押出速度：１００ｍ／ｍｉｎとし
た。
【００３３】得られた剥離試験のための電線・ケーブル
の断面の概略説明図を図１に示す。
の断面の概略説明図を図１に示す。
【００３４】（３）剥離試験
剥離試験用試料は、上に得られた電線・ケーブルから長
さ２００ｍｍ（Ｌ＝２００ｍｍ）の試料を各２００本作
成した。１端より１００ｍｍの距離まで予めシースを剥
いで除去した物を剥離試験に供した。剥離試験は、温度
２３℃、湿度５０％の室内において、予めシースを除去
した端部から介在とコア絶縁体とを剥いで、絶縁体上に
介在の一部が残るか、残らないかを観察し、各２００本
の試料についての剥離試験の結果として絶縁体上に介在
が残らなかった試料の本数を記録し、１０本より少ない
場合を合格、１０本以上の場合を不合格と判定した。剥
離試験の結果は、表１及び２に示される。
さ２００ｍｍ（Ｌ＝２００ｍｍ）の試料を各２００本作
成した。１端より１００ｍｍの距離まで予めシースを剥
いで除去した物を剥離試験に供した。剥離試験は、温度
２３℃、湿度５０％の室内において、予めシースを除去
した端部から介在とコア絶縁体とを剥いで、絶縁体上に
介在の一部が残るか、残らないかを観察し、各２００本
の試料についての剥離試験の結果として絶縁体上に介在
が残らなかった試料の本数を記録し、１０本より少ない
場合を合格、１０本以上の場合を不合格と判定した。剥
離試験の結果は、表１及び２に示される。
【００３５】図２は、剥離試験の概要を説明するための
概念図であって、長さ２００ｍｍ（Ｌ＝２００ｍｍ）に
切出された電線・ケーブルが、左端から１００ｍｍの位
置まで予めシース２を剥いで除去した試料が、剥離試験
によって介在１が導体４を被覆した絶縁体３から剥ぎ取
られた状態を示す（但し、剥取された介在は省略されて
いる。介在が左端より１００ｍｍの位置で切断されてい
るかのように描かれているが、これは剥離試験の概念を
より良く理解するための簡略である。）。
概念図であって、長さ２００ｍｍ（Ｌ＝２００ｍｍ）に
切出された電線・ケーブルが、左端から１００ｍｍの位
置まで予めシース２を剥いで除去した試料が、剥離試験
によって介在１が導体４を被覆した絶縁体３から剥ぎ取
られた状態を示す（但し、剥取された介在は省略されて
いる。介在が左端より１００ｍｍの位置で切断されてい
るかのように描かれているが、これは剥離試験の概念を
より良く理解するための簡略である。）。
【００３６】（４）実施例１〜３の結果の説明
表１に示されるように、本発明における好適組成成分割
のポリ塩化ビニル樹脂組成物を介在の成形に用いた場合
には、剥離試験の結果、絶縁体への介在の残留が全く認
められず、剥離性の向上効果が明確に認められた。注目
すべきは、実施例３の場合のように可塑剤添加量が比較
的多く粘着性が増大する条件下においても剥離性が高い
ことである。
のポリ塩化ビニル樹脂組成物を介在の成形に用いた場合
には、剥離試験の結果、絶縁体への介在の残留が全く認
められず、剥離性の向上効果が明確に認められた。注目
すべきは、実施例３の場合のように可塑剤添加量が比較
的多く粘着性が増大する条件下においても剥離性が高い
ことである。
【００３７】（５）比較例１〜７の結果の説明
表２に比較例１〜７の結果を示す。
【００３８】比較例１〜４は、本発明の必須の充填剤で
ある含水ケイ酸（含水シリカ）含有炭酸カルシウム、含
水ケイ酸（含水シリカ）及びカルシウム置換Ａ型ゼオラ
イトの内、夫々の単独の使用あるいは二者のみの併用を
行った場合である。これ等の何れの場合にも、絶縁体に
介在の一部が付着する試料の割合が高く、全て不合格の
判定となった。
ある含水ケイ酸（含水シリカ）含有炭酸カルシウム、含
水ケイ酸（含水シリカ）及びカルシウム置換Ａ型ゼオラ
イトの内、夫々の単独の使用あるいは二者のみの併用を
行った場合である。これ等の何れの場合にも、絶縁体に
介在の一部が付着する試料の割合が高く、全て不合格の
判定となった。
【００３９】比較例５は、含水ケイ酸（含水シリカ）含
有炭酸カルシウムの添加量を好ましい範囲の上限以上に
した場合であって、上記のような押出成形の条件下で
は、粘度が高くなり押出不可であった。
有炭酸カルシウムの添加量を好ましい範囲の上限以上に
した場合であって、上記のような押出成形の条件下で
は、粘度が高くなり押出不可であった。
【００４０】また、比較例６、７は、含水ケイ酸（含水
シリカ）含有炭酸カルシウムを配合することなく、一般
の炭酸カルシウム：重質炭酸カルシウム（平均粒径１．
８μｍ）を使用した場合であって、特殊カルシウム置換
Ａ型ゼオライトと併用しても剥離性が向上しないことが
示される。
シリカ）含有炭酸カルシウムを配合することなく、一般
の炭酸カルシウム：重質炭酸カルシウム（平均粒径１．
８μｍ）を使用した場合であって、特殊カルシウム置換
Ａ型ゼオライトと併用しても剥離性が向上しないことが
示される。
【００４１】
【発明の効果】絶縁体に対する剥離性が大きく、端末加
工性に優れた介在を与えるポリ塩化ビニル樹脂組成物を
実現し、また、このようなポリ塩化ビニル樹脂組成物を
用いて介在を形成した、介在と絶縁体との剥離性が大き
く、端末加工性に優れた電線・ケーブルを可能とする。
工性に優れた介在を与えるポリ塩化ビニル樹脂組成物を
実現し、また、このようなポリ塩化ビニル樹脂組成物を
用いて介在を形成した、介在と絶縁体との剥離性が大き
く、端末加工性に優れた電線・ケーブルを可能とする。
【図１】剥離試験のための電線・ケーブルの断面の概略
説明図である。
説明図である。
【図２】剥離試験が終了した状態の電線・ケーブル試料
を示す概念図である。（剥取された介在は図示せず。）
を示す概念図である。（剥取された介在は図示せず。）
１ ポリ塩化ビニル樹脂系介在
２ ポリ塩化ビニル樹脂系シース
３ ポリ塩化ビニル樹脂系コア絶縁体（絶縁）
４ 導体
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ
Ｃ０８Ｌ 27/06 Ｃ０８Ｌ 27/06
Ｈ０１Ｂ 7/00 ３０９ Ｈ０１Ｂ 7/00 ３０９Ｂ
7/17 Ｃ０８Ｌ 23:04
//(Ｃ０８Ｌ 27/06 Ｈ０１Ｂ 7/18 Ｅ
23:04）
(56)参考文献 特開 平９−35544（ＪＰ，Ａ)
特開 平10−208558（ＪＰ，Ａ)
特開 昭55−106256（ＪＰ，Ａ)
特開 平７−330937（ＪＰ，Ａ)
特開 昭55−142043（ＪＰ，Ａ)
特開 平４−318047（ＪＰ，Ａ)
実開 昭57−197111（ＪＰ，Ｕ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
H01B 3/16 - 3/56
H01B 7/17
ＣＡ（ＳＴＮ)
ＲＥＧＩＳＴＲＹ（ＳＴＮ)
Claims (4)
- 【請求項１】ポリ塩化ビニル樹脂、可塑剤、安定剤及び
滑剤を含有する樹脂組成物に、ポリ塩化ビニル樹脂１０
０重量部に対して、含水ケイ酸含有炭酸カルシウムを２
５０〜３００重量部、含水ケイ酸を５〜２０重量部及び
カルシウム置換Ａ型ゼオライトを１〜８重量部含有せし
めて成る電線・ケーブルの介在用ポリ塩化ビニル樹脂組
成物。 - 【請求項２】ポリ塩化ビニル樹脂１００重量部に対し
て、フタル酸エステル系可塑剤を５０〜９０重量部、鉛
（Ｐｂ）系安定剤あるいはカルシウム−亜鉛（Ｃａ／Ｚ
ｎ）系安定剤を２〜７重量部、脂肪酸金属塩滑剤あるい
はエチレン系ワックス滑剤を２〜７重量部、含水ケイ酸
含有炭酸カルシウムを２５０〜３００重量部、含水ケイ
酸を５〜２０重量部、カルシウム置換Ａ型ゼオライトを
１〜８重量部含有せしめて成る電線・ケーブルの介在用
ポリ塩化ビニル樹脂組成物。 - 【請求項３】ポリ塩化ビニル樹脂、可塑剤、安定剤及び
滑剤を含有する樹脂組成物に、ポリ塩化ビニル樹脂１０
０重量部に対して、含水ケイ酸含有炭酸カルシウムを２
５０〜３００重量部、含水ケイ酸を５〜２０重量部及び
カルシウム置換Ａ型ゼオライトを１〜８重量部含有せし
めて成るポリ塩化ビニル樹脂組成物を用いて成形された
介在を有する電線・ケーブル。 - 【請求項４】ポリ塩化ビニル樹脂１００重量部に対し
て、フタル酸エステル系可塑剤を５０〜９０重量部、鉛
（Ｐｂ）系安定剤あるいはカルシウム−亜鉛（Ｃａ／Ｚ
ｎ）系安定剤を２〜７重量部、脂肪酸金属塩滑剤あるい
はエチレン系ワックス滑剤を２〜７重量部、含水ケイ酸
含有炭酸カルシウムを２５０〜３００重量部、含水ケイ
酸を５〜２０重量部、カルシウム置換Ａ型ゼオライトを
１〜８重量部含有するポリ塩化ビニル樹脂組成物を用い
て成形された介在を有する電線・ケーブル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24179498A JP3407665B2 (ja) | 1998-08-27 | 1998-08-27 | 介在用ポリ塩化ビニル樹脂組成物及びこれを用いた電線・ケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24179498A JP3407665B2 (ja) | 1998-08-27 | 1998-08-27 | 介在用ポリ塩化ビニル樹脂組成物及びこれを用いた電線・ケーブル |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000067653A JP2000067653A (ja) | 2000-03-03 |
| JP3407665B2 true JP3407665B2 (ja) | 2003-05-19 |
Family
ID=17079622
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24179498A Expired - Fee Related JP3407665B2 (ja) | 1998-08-27 | 1998-08-27 | 介在用ポリ塩化ビニル樹脂組成物及びこれを用いた電線・ケーブル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3407665B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101028244B1 (ko) * | 2007-11-08 | 2011-04-11 | 주식회사 엘지화학 | 디옥틸테레프탈레이트를 포함하는 캘린더링 필름 또는시트용 염화비닐계 수지 조성물 |
| JP6402675B2 (ja) * | 2015-04-06 | 2018-10-10 | 日立金属株式会社 | 塩化ビニル樹脂組成物、並びにこれを用いた絶縁電線及びケーブル |
| CN113773588A (zh) * | 2021-08-21 | 2021-12-10 | 靖江市亚宝电热器材有限公司 | 一种70℃pvc绝缘料的制备方法 |
-
1998
- 1998-08-27 JP JP24179498A patent/JP3407665B2/ja not_active Expired - Fee Related
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|---|---|
| JP2000067653A (ja) | 2000-03-03 |
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