JP3407664B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置

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JP3407664B2
JP3407664B2 JP21553398A JP21553398A JP3407664B2 JP 3407664 B2 JP3407664 B2 JP 3407664B2 JP 21553398 A JP21553398 A JP 21553398A JP 21553398 A JP21553398 A JP 21553398A JP 3407664 B2 JP3407664 B2 JP 3407664B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機の変速
制御装置に関し、特に、実変速比をフィードバックする
メカニカルフォードバック系を備えたものに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】車両に用いられる無段変速機としては、
Vベルト式やトロイダル型等の無段変速機が従来から知
られており、特開昭58−54262号公報、特開平3
−288062号公報に開示されるようなトロイダル型
無段変速機が知られている。
【0003】これは、図11に示すように、同軸上に配
置した入出力コーンディスクと、これら入出力コーンデ
ィスク間で摩擦係合により動力の受け渡しを行う一対の
パワーローラ3、3からなる、いわゆるシングルキャビ
ティ型のトロイダル伝動ユニットと、メカニカルフィー
ドバック系に加えてPI制御による電子フィードバック
系を備えた変速制御装置から構成されるものである。
【0004】このトロイダル型無段変速機10は、パワ
ーローラ3、3は入出力コーンディスク間で挟持、押圧
され、パワーローラ3は入出力コーンディスクとの間の
油膜のせん断によって、入出力コーンディスク間での動
力伝達を行う。
【0005】そして、トロイダル型無段変速機10の変
速比は、パワーローラ3が入力コーンディスク及び出力
コーンディスクと接触する半径に応じて決定され、この
変速比の変更は、パワーローラ3、3をそれぞれ軸支す
るとともに図11のO3軸方向及び軸まわりに変位可能
なトラニオン41、41を駆動することで行われ、パワ
ーローラ3はトラニオン41の軸方向変位に応じてトラ
ニオン41の軸まわりに回転する傾転運動によって、上
記入出力コーンディスクとの接触半径を連続的に変更す
る。なお、トラニオン41は、偏心軸9を介してパワー
ローラ3を軸支する。
【0006】ここで、変速制御装置について説明する
と、図11に示すように、トラニオン41の下端部には
上下の油室6H、6Lへ供給された油圧に応動するピス
トン6aを備えた油圧シリンダ6と、これら油室6H、
6Lへ油圧を供給する変速制御弁5と、コントローラ5
2からの指令に応じて変速制御弁5のスリーブ5bを駆
動するステップモータ4と、トラニオン41のO3軸方
向(図11の上下方向)及び軸まわりの変位を変速制御
弁5のスプール5aへフィードバックするプリセスカム
7及びフィードバックリンク8を主体にメカニカルフィ
ードバック系が構成される。
【0007】ステップモータ4は、コントローラから目
標変速比に対応した変速指令値(ステップ数)を与えら
れて回転し、変速制御弁5を構成するスリーブ5b、ス
プール5aのうちスリーブ5bをラックアンドピニオン
機構を介して駆動し、スプール5aに対し相対的に所定
の中立位置から変位させる。
【0008】変速制御弁5は、入力ポート5dをオイル
ポンプなどの油圧源55に接続しており、一方の連絡ポ
ート5eを油圧シリンダ6、6の油室6Lに、他方の連
絡ポート5fを油圧シリンダ6、6の油室6Hにそれぞ
れ連通させる。そして、スプール5aをフィードバック
リンク8を介してプリセスカム7に連結する一方、スプ
ール5aの外周とバルブボディ5cの内周の間で軸方向
へ摺動自在なスリーブ5bが、ラックアンドピニオンを
介してステップモータ4に駆動される。
【0009】ステップモータ4に駆動されたスプール5
aの変位によって、両パワーローラ3、3はピストン6
aに加わる油圧に応じてO3軸方向へ変位するが、この
とき、各ピストン6aへの油圧は、対向するパワーロー
ラ3、3が相互逆向きに変位するよう供給され、例え
ば、図中左側のパワーローラ3が上昇すれば、図中右側
のパワーローラ3が下降する。
【0010】そして、対向するパワーローラ3、3は、
回転軸線O1が入出力コーンディスクの回転軸線O2と交
差する図示のような中立位置から、トラニオン41、4
1の相互に逆向きな変位に応じて同期的にオフセットさ
れる。
【0011】このO3軸方向のオフセット量に基づいて
両パワーローラ3、3は、入出力コーンディスクからの
分力で、自己の回転軸線O1と直交する首振り軸線O
3(=トラニオン41の回転軸線)のまわりに回動する
傾転運動を行い、入出力コーンディスクに対するパワー
ローラ3、3の摩擦接触半径が連続的に変化することで
無段変速を行うことができる。
【0012】このような無段変速によってコントローラ
からの変速指令値が達成されるとき、パワーローラ3の
3軸方向オフセット量及び傾転角度(=実変速比、以
下傾転角度と変速比は同義である)を、トラニオン4
1、プリセスカム7及びフィードバックリンク8を介し
て変速制御弁5のスプール5aへフィードバックし、ス
プール5aはスリーブ5bに対し相対的に初期の中立位
置に復帰して油室6H、6Lへの作動油の吸排が遮断さ
れるため、トラニオン41、41は両パワーローラ3、
3の回転軸線O1が、入出力コーンディスクの回転軸線
2と交差する中立位置へ戻ることで、上記変速指令値
の達成状態を維持するのである。
【0013】このような無段変速機10においては、ト
ラニオン41並びにパワーローラ3のO3軸方向変位が
微小(例えば、数mm)であるがゆえに、伝達するトルク
によって、フィードバック機構を構成するトラニオン4
1の一部が変形した場合、目標変速比に対して誤差を生
じてしまうという問題がある。
【0014】すなわち、トロイダル型無段変速機が伝達
するトルクが急激に増加した場合、パワーローラ3は入
出力コーンディスクとの接触点においてO3軸方向の力
を受け、これをピストン6aに加わる油圧によって支持
するものの、応力を受けたトラニオン41が弾性変形を
起こすと、パワーローラ3を支持しきれず、パワーロー
ラ3はO3軸方向へ移動するため、このO3軸方向のオフ
セット量に応じて傾転運動を起こし、目標変速比に対し
て実際の変速比が変化してしまう。
【0015】さらに、これを所定の目標変速比に制御す
べく、プリセスカム7及びフィードバックリンク8によ
るフィードバック機構が働くものの、上記のようにトラ
ニオン41が変形した場合、パワーローラ3の回転中心
(軸線O1)とプリセスカム7までの距離が変化するた
め、この差分だけ定常的に変速比がずれてしまうのであ
る。
【0016】このような変速比のずれは、いわゆるトル
クシフトと呼ばれており、このトルクシフトを解消する
ため、目標変速比と実変速比の偏差に基づく電子的フィ
ードバック系にメカニカルフィードバック系を相殺する
カム相殺フィードバック部を設けて、無段変速機の状態
変化に合わせた的確な制御を行うものを、本願出願人は
特開平8−296722号として提案している。
【0017】また、本願出願人は、比例積分制御(以
下、PI制御という)の遅れやメカニカルフィードバッ
ク系の変形を見越してフィードフォワード制御を行い、
変速比制御の精度を向上させるものとして、特開平8−
326887号公報として提案している。
【0018】さらに、上記トルクシフトが生じた場合に
おいても、パワーローラ3の傾転角度が所定値を超えな
いように、プリセスカム7のカム面のうち最Lo(最大
変速比)及び最Hi(最小変速比)近傍の傾斜を増大さ
せたプリセスカム7のカムプロフィールを、本願出願人
は、特願平9−193702号として提案している。
【0019】これは、図12及び図13に示すように、
プリセスカム7のカム面を、所定の傾斜(=ゲイン)で
形成された緩傾斜部17Sの両側に、傾斜が増大するL
o側及びHi側の急傾斜部17L、17Hを所定の傾転
角度に対応した変化点17a、17bよりも外側に形成
し、カムプロフィールが最Loまたは最Hi近傍で変化
するものである。
【0020】最Lo及び最Hi変速比は、図13に示す
ように、この急傾斜部17L、17H内に設定され、実
変速比が緩傾斜部17Sから最Loまたは最Hiに近づ
くと、メカニカルフィードバック系のフィードバックゲ
インが急増するため、パワーローラ3が所定の傾転範囲
を超えるのを防止するものである。
【0021】上記特開平8−326887号公報のよう
に、積分制御を利用する電子的フィードバック系を備え
たものに、上記特願平9−193702号のような、プ
リセスカム7のゲインが変化するものを組み合わせた場
合、次のような問題点が生じることが判明した。
【0022】すなわち、パワーローラ3の傾転角度が所
定の範囲となるように、プリセスカム7の最Lo及び最
Hi変速比近傍の傾斜を急傾斜部17L、17Hとし
て、フィードバックゲインを増大させるものに、PI制
御などの積分器を備えた電子的フィードバック系を用い
て、目標変速比が最Hiの場合には、傾転角度が緩傾斜
部17Sから変化点17bを超えて急傾斜部17Hへ入
ると、傾転角度の変化量に対するステップモータ4の駆
動量を大きくして、急傾斜部17Hのゲインに応じて、
スリーブ5bの変位量を大きくしなければならない。
【0023】その後、目標変速比が最Hi変速比から変
化点17bに対応した傾転角度(=変速比)に変化した
場合、ステップモータ4の駆動量を急傾斜部17Hのゲ
インに応じて大きく設定しなければならないが、PI制
御などの積分器を備えた電子的フィードバック系が、急
傾斜部17Hに追従可能なフィードバックゲインを持た
ない場合や、ステップモータ4の駆動速度が限界に達し
て急傾斜部17Hに追従できない場合では、図14に示
すように、上記ステップモータ4が追従できないことに
より時間t1に至っても、目標変速比(目標値)と実変
速比の偏差が生じているため、この間の偏差の積分値が
不正に蓄積され、時間t1以降でオーバーシュートや、
ハンチングを生じて運転性を低下させるという問題があ
る。
【0024】この不正な積分値によるオーバーシュート
やハンチングは、特開平3−249463号公報のよう
に、目標変速比を最Lo及び最Hi近傍の内側に設定す
ることや、特開平3−249464号公報のように、無
段変速機固有の上下限変速比限界の近傍に達した場合に
積分を停止することで、プリセスカム7のプロフィール
の変化点17a、17bに達する前に積分を停止するこ
とが可能であるため、上記のようなオーバーシュートな
どを抑制することができる。
【0025】しかしながら、上記したように、トルクシ
フトが発生した場合には、プリセスカム7と傾転角度
(変速比)の関係は、図15に示すように、例えば、所
定の位置7から7’の位置へカムプロフィールがずれる
ため、このずれを見越した所定のマージンが必要となる
が、積分を停止した場合、PI制御が成立しないことに
より定常偏差を残す領域が拡大して、有効変速範囲を不
必要に狭めることになる。もちろん、目標変速比を最L
o及び最Hi近傍の内側に設定する特開平3−2494
63号公報の場合も、有効変速範囲は縮小してしまう。
【0026】また、上記特開平8−296722号のよ
うに、カム相殺フィードバック部によって、メカニカル
フィードバック系を相殺するものでは、カムプロフィー
ルが予め設定したものに対して変化しないことが前提で
あるが、上記したように、トルクシフトが発生した場合
には、プリセスカム7のプロフィールと変速比の関係が
ずれてしまうため、カム相殺フィードバックが円滑に作
用しないという問題があり、また、プリセスカム7のプ
ロフィールと変速比の関係のずれは、組み立て誤差等に
よっても生じ、無段変速機の個体差によっては、カム相
殺フィードバックが円滑に作用しないという問題があっ
た。
【0027】そこで、本願出願人は、特願平10−36
045号として、カム相殺フィードバックのゲインを、
プリセスカム7のプロフィールによるメカニカルフィー
ドバック系のゲインの誤差に追従するものを提案してお
り、これにより、メカニカルフィードバック系のゲイン
と変速比の関係がずれた場合であっても、積分が不正に
蓄積されるのを抑制して、有効変速範囲を縮小すること
なく、前記のようなオーバーシュートや、ハンチングを
防止するのである。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
願平10−36045号においては、メカニカルフィー
ドバック系のフィードバックゲインが急増する最Loま
たは最Hi付近から、カム相殺フィードバックのゲイン
も急増し、このカム相殺フィードバックはポジティブフ
ィードバックであるため、最Loまたは最Hiへの変化
に従ってゲインも大きくなるため、プリセスカム7の急
傾斜に対して、カム相殺フィードバックのゲインが過剰
になった場合には、最Loまたは最Hi側に発散し、制
御が不安定になるという問題があった。
【0029】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、プロフィールの変化するプリセスカムを用
いた場合に制御の発散を防いで、変速制御を円滑に行う
ことを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、アクチュ
エータに駆動される変速機構を介して変速比を連続的に
変更する無段変速機と、運転状態に応じて前記無段変速
機の目標変速比を演算するとともに、実際の変速比が目
標変速比に一致するように前記アクチュエータを駆動す
る電子的フィードバック制御手段と、前記変速機構へ実
変速比をフィードバックするメカニカルフィードバック
手段と、実変速比が最大変速比または最小変速比近傍で
メカニカルフィードバックのゲインを変更するメカニカ
ルフィードバックゲイン変更手段とを備えた無段変速機
の変速制御装置において、前記電子的フィードバック手
段は、前記メカニカルフィードバック手段のゲインを相
殺するメカニカルフィードバック相殺手段を有し、この
メカニカルフィードバック相殺手段は、前記最大変速比
または最小変速比を超えない範囲でのみメカニカルフィ
ードバックゲインを相殺するとともに、実変速比が最大
変速比または最小変速比近傍を超える場合には、実変速
比が最大変速比と最小変速比の範囲となるよう補正す
【0031】
【0032】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記電子的フィードバック制御手段は、運転状態
に応じてフィードフォワード制御とフィードバック制御
とを選択的に切り換える制御切換手段を備え、フィード
フォワード制御を選択した場合にも前記メカニカルフィ
ードバック相殺手段によりメカニカルフィードバックゲ
インを相殺する。
【0033】また、第3の発明は、前記第2の発明にお
いて、前記電子的フィードバック制御手段は、運転状態
を検出するセンサの故障検出手段を備え、このセンサの
故障が検出された場合には、前記制御切換手段によりフ
ィードフォワード制御を選択するとともに、前記メカニ
カルフィードバック相殺手段の出力に代わって実変速比
または実変速比相当値を出力する補正切換手段を設け
る。
【0034】また、第4の発明は、前記第3の発明にお
いて、前記補正切換手段は、出力切り換え時の段差を吸
収するフィルタを設ける。
【0035】
【発明の効果】したがって、第1の発明は、メカニカル
フィードバック手段は、最大変速比または最小変速比近
傍でフィードバックゲインを変更するように設定される
一方、電子的フィードバック手段のメカニカルフィード
バック相殺手段は、実変速比が最大変速比または最小変
速比を超えない範囲でのみメカニカルフィードバックゲ
インを相殺するようにしたため、メカニカルフィードバ
ック相殺手段の値は最大変速比または最小変速比に対応
した値を超えることがなくなって、前記従来例のような
メカニカルフィードバックゲインが増大するような場合
に、カム相殺フィードバックが過剰になるのを確実に防
いで制御の発散を防止することが可能となる。
【0036】そして、実変速比が最大変速比または最小
変速比近傍を超える場合には、メカニカルフィードバッ
ク相殺手段は、実変速比が最大変速比と最小変速比の範
囲となるよう補正するため、制御の発散を防ぎながら、
実変速比を所定の変速範囲に収束させることができる。
【0037】また、第2の発明は、運転状態に応じてフ
ィードバック制御からフィードフォワード制御へ切り換
えた場合にも、メカニカルフィードバック相殺手段によ
りメカニカルフィードバックゲインを相殺することで、
メカニカルフィードバックのゲインが変更される最大変
速比を使用することが可能となって、発進性能を確保で
きる。
【0038】また、第3の発明は、運転状態を検出する
センサの故障が検出された場合には、フィードフォワー
ド制御によって変速比が制御されるとともに、メカニカ
ルフィードバック相殺手段による相殺を行わないように
したため、フィードフォワードの目標値によって運転を
継続することが可能となり、フェイルセーフを確保でき
る。
【0039】また、第4の発明は、センサの故障時にメ
カニカルフィードバック相殺手段から実変速比または実
変速比相当値へ出力を切り換える場合、フィルタによっ
て段差を吸収するため、変速比の過大な変動を抑制でき
る。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。
【0041】図1は、無段変速機10として、前記従来
例と同様のシングルキャビティ型式のトロイダル型を採
用するとともに、無段変速機10の変速制御コントロー
ラ61に本発明を適用した一例を示す。
【0042】無段変速機10は、入力軸20側にロック
アップ機構L/Uを備えたトルクコンバータ12を介し
てエンジン11に連結される一方、出力軸側(出力コー
ンディスク2側)を図示しない駆動輪に連結しており、
トロイダル型の無段変速機10の変速機構及びメカニカ
ルフィードバック機構は前記従来例に示した○、図11
と同様に構成され、変速制御コントローラ61の指令に
応じてステップモータ4(アクチュエータ)が変速制御
弁5を駆動することで変速が行われるもので、前記従来
例と同一のものに同一の図番を付して重複説明を省略す
る。
【0043】変速制御コントローラ61は、マイクロコ
ンピュータを主体に構成されており、スロットル開度セ
ンサ62が検出したスロットル開度TVO、無段変速機
10の出力軸側に配設された車速センサ63からの車速
VSP、入力軸回転センサ64が検出した無段変速機1
0の入力軸20の回転数Ni、油温センサ65が検出し
た無段変速機10の油温Temp及び油圧センサ66が
検出した油圧PLに基づいて車両の運転状態に応じた目
標変速比を演算するとともに、無段変速機10の実際の
変速比がこの目標変速比と一致するような制御量STP
をステップモータ4へ指令する。
【0044】なお、車速センサ63は無段変速機10の
出力軸回転数Noに所定の定数を乗じたものを車速VS
Pとして出力するものである。
【0045】この変速制御コントローラ61の変速制御
の概要は、図2に示すように、車速VSP(∝出力軸回
転数No)と入力軸回転数Niから実際の変速比iを求
める実変速比算出部71と、スロットル開度TVOと車
速VSPに応じて目標傾転角算出部(図示せず)が演算
した目標変速比i*と実際の変速比iの偏差に基づい
て、PID(比例、積分、微分)制御による電子的フィ
ードバック制御を行ってステップモータ4へ制御量ST
Pを送出するもので、パワーローラ3のy変位を推定す
るY変位推定部72、積分器74、ステップ変換部75
に加えて、実変速比iとパワーローラ3の非線形関係を
補償して線形の伝達関数とする逆関数演算部77とカム
相殺フィードバック部70に配設されて、前記従来例に
示したプリセスカム7の急傾斜部17L、17Hにおけ
るカム相殺フィードバックゲインを補正する急傾斜補正
部76を主体にして、各種ゲインの乗算と、各種信号の
加減算を行っている。
【0046】まず、実変速比算出部71は、入力軸回転
センサ64からの入力軸回転数Niと、車速センサ63
からの車速VSPを所定の定数で除した出力軸回転数N
oとの比から実際の変速比iを演算し、この実変速比i
をカム相殺フィードバック70に設けた急傾斜補正部7
6へ送出するとともに、偏差の演算やゲイン算出部73
などに送出する。
【0047】Y変位推定部72は、例えば、本願出願人
が提案した特願平7−71495号と同様にして、実変
速比iと制御出力vに基づいて、パワーローラ3のオフ
セット量y(トラニオン41の軸方向変位量)を推定し
てから、この推定値に微分ゲインc2を乗じて、出力P
imOutを求め、積分器74からの出力と、比例ゲイ
ンc1を乗じた値の和で表される目標制御量から出力P
imOutを減算して制御量vを求める。なお、上記オ
フセット量yは、パワーローラ3の傾転角度φの微分値
から求めても良い。
【0048】ゲイン算出部73では、車速VSP、実変
速比i、油温Temp、ライン圧PL等の運転状態に基
づいて、PID制御の各ゲイン、すなわち、積分ゲイン
0、比例ゲインc1、微分ゲインc2を前記従来例と同
様にして求める。
【0049】一方、図示しない目標変速比算出部からの
目標変速比i*と実変速比算出部71からの実変速比i
から偏差が演算され、この偏差が積分器74に入力され
る。そして、積分器74の出力に所定のゲインC0を乗
じた値と、偏差に所定のゲインC1を乗じた値とを加算
して目標値を求める。
【0050】Y変位推定部72は、例えば、本願出願人
が提案した特願平7−71495号と同様にして、実変
速比iと制御出力vに基づいて、パワーローラ3のオフ
セット量y(トラニオン41の軸方向変位量)を推定し
てから、この推定値に微分ゲインc2を乗じて、出力P
imOutを求め、積分器74からの出力と、比例ゲイ
ンc1を乗じた値の和で表される目標制御量から出力P
imOutを減算して制御量vを求める。なお、上記オ
フセット量yは、パワーローラ3の傾転角度φの微分値
から求めても良い。
【0051】そして、この制御量vに、カム相殺フィー
ドバック部70からのカム相殺フィードバックゲインb
を加算した値v’が、非線形性を補正する逆関数演算部
77へ入力される。
【0052】実変速比iとパワーローラ3の傾転角φの
関係は、 i=h(φ) という非線形の関係にあるため、この逆関数h-1(i)
より、実変速比iから傾転角φを得て、これにプリセス
カム7の緩傾斜部17Sで設定されるカム比aを乗じて
指令値uを求める。
【0053】そして、ステップ変換部75では、線形化
された指令値uをステップモータ4のステップ数STP
に変換する。すなわち、目標変速比i*に対応する傾転
角度φと、実変速比iに対応する傾転角度の偏差を解消
するよう、変速制御弁5のスプール5aの変位量(入力
ポート5aの開口量)を求めるとともに、このスプール
変位量に対応するステップ数STPをステップモータ4
へ指令する。
【0054】ここで、カム相殺フィードバック部70に
設けた急傾斜補正部76は、図4の点線で示すように、
プリセスカム7の急傾斜部17L、17H及び緩傾斜部
17Sに沿うように構成され、プリセスカム7の傾斜が
屈曲する変化点17a、17bに対応する位置では、前
記従来例の特願平10−36045号と同様に、滑らか
な曲線によって急傾斜部17L、17Hと緩傾斜部17
Sを接続しており、パワーローラ3の傾転角度が急傾斜
部17Lまたは17Hに入ってからは、予め設定した最
Loまたは最Hiまでカム相殺フィードバック(指令変
速比)を増大または減少するが、さらに、実変速比iが
最Loまたは最Hi側へ増大または減少しても、指令変
速比は、所定の最Loまたは最Hiの値に固定される。
【0055】したがって、ポジティブフィードバックで
あるカム相殺フィードバック部70からのフィードバッ
クゲイン(指令変速比)は、所定の最Loから最Hiの
間でのみ変化することになり、パワーローラ3の傾転に
応じたプリセスカム7の位置が急傾斜部17L、17H
へ入っても、カム相殺フィードバックの値が最Loまた
は最Hiを超えて補正を行わないようにしたため、前記
従来例のような急傾斜部17L、17Hで、カム相殺フ
ィードバックゲインが過剰になるのを確実に防いで制御
の発散を防止することが可能となる。
【0056】そして、前記従来例と同様に、滑らかな曲
線によりカム相殺フィードバックを決定するようにした
ため、トルクシフトや組み付け誤差などで、プリセスカ
ム7のプロフィールと、カム相殺フィードバック量が一
致しない場合であっても、カム相殺フィードバック量の
誤差の発生が緩やかになるため、前記従来例と同様に、
積分値の不正な蓄積による制御の追従性の悪化を抑制し
ながらも、安定した変速制御を実現することが可能とな
るのである。
【0057】次に、変速制御コントローラ61で行われ
る制御の一例について、図3のフローチャートを参照し
ながら以下に詳述する。
【0058】まず、ステップS1で、入力軸回転センサ
64が検出した入力軸回転数Niと車速センサ63が検
出した車速VSPを所定の定数で除した値を、実変速比
iとして算出する。
【0059】ステップS2では、実変速比iと上記図2
の制御出力vから、パワーローラ3のY軸方向変位(図
11参照。トラニオン41の駆動量)を推定し、この推
定値に微分ゲインC2を乗じた値PimOutを算出す
る。
【0060】ステップS3では、目標変速比i*と実変
速比iの偏差eの積分値(図2の積分器74の出力)に
積分ゲインC0を乗じた値と、偏差eに比例ゲインC1
乗じた値とを加算してから、ステップS2で求めたPi
mOutを減算して制御出力vを演算する。
【0061】一方、ステップS4では、図4に示すカム
相殺フィードバックゲイン特性に基づいて、ステップS
1で求めた実変速比iに応じたカム相殺フィードバック
bを算出する。
【0062】ステップS5では、制御量vにカム相殺フ
ィードバックbを加算して制御量v’を求めてから、ス
テップS6、S7で、逆関数h-1(v’)より傾転角度
φを得て、これにプリセスカム7のゲインaを乗じたも
のを指令値uとして演算する。
【0063】そして、ステップS8では、目標変速比i
*に対応する傾転角度φと、実変速比iに対応する傾転
角度φの偏差を解消するよう、変速制御弁5のバルブ変
位量(開口量)を求めるとともに、このバルブ変位量に
対応するステップ数STPをステップモータ4へ指令す
る。
【0064】上記制御により、カム相殺フィードバック
部70が追従すべき対象は、プリセスカム7のカム面そ
のものではなく、メカニカルフィードバック機構とカム
相殺フィードバックbの相殺誤差であるから、図4に示
したような緩やかな曲線を用いることで相殺誤差の変化
を緩やかにするとともに、誤差の大きさを縮小し、前記
従来例と同等のフィードバックゲインであっても、追従
性を向上させることが可能となるのに加え、カム相殺フ
ィードバックの値(図4の指令変速比)は、プリセスカ
ム7の急傾斜部17L、17Hへ入って増大した後、最
Hiまたは最Loの値を超えることがないため、前記従
来例のように、ゲインが過剰となって制御の発散を招く
ことを防ぎ、安定した変速制御を行うことができるので
ある。
【0065】図5、図6は第2の実施形態を示し、前記
第1実施形態の急傾斜補正部76の特性を変更したもの
で、その他は、前記第1実施形態と同様である。
【0066】カム相殺フィードバックとなる指令変速比
と実変速比iの関係は、図5に示すように、実変速比i
が最Loから最Hiの間では、前記第1実施形態と同様
に、プリセスカム7の緩傾斜部に沿った17Sに沿った
直線と、急傾斜部17L、17Hに対応した滑らかな曲
線で構成されるが、指令変速比が最Loまたは最Hiと
なると、その値を維持するが、実変速比が最Loを超え
ると、所定の傾斜で指令変速比がHi側へ変化するよう
に設定され、同様に、実変速比が最Hiを超えると、所
定の傾斜で指令変速比がLo側へ変化するように設定さ
れる。
【0067】すなわち、図5の、図中点線で示すよう
に、実変速比iが最Loを超えた指令変速比は、前記従
来例の特開平8−296722号公報に開示されるリニ
アな補正特性(ゲイン=1倍)に対して、実変速比が最
Loを超えると指令変速比はHi側へ向けて所定の角度
θで傾斜し、逆に、実変速比が最Hiを超えるとLo側
へ向けて所定の角度θで傾斜する。
【0068】したがって、実変速比iが最Loまたは最
Hiを超えようとする、上記傾斜角度θの分だけフィー
ドバックが加わることになり、パワーローラ3が急傾斜
部17L、17Hを超えて傾転するのを抑制しながら、
前記第1実施形態と同様に、制御の発散を防いで、円滑
な変速制御を行うことが可能となるのである。
【0069】すなわち、図2の制御量vに付与される補
正量(補正変速比)は、図6に示すようになり、実変速
比iが最Loから最Hiの間にあれば、プリセスカム7
によるメカニカルフィードバックゲインを相殺するのに
加え、実変速比iが最Loまたは最Hiを超えると、カ
ム相殺フィードバックによりパワーローラ3の過大な傾
転が抑制され、トルクシフト等が発生しても制御の発散
を防止ししながら、パワーローラ3の傾転角φが急傾斜
部17L、17Hを超えるのを抑制でき、変速制御の安
定性を向上させることが可能となる。
【0070】図7、図8は第3の実施形態を示し、前記
第1実施形態の構成に、運転状態に応じてフィードバッ
ク制御とフォードフォワード制御とを切り換える制御切
換手段80と、車速センサ故障検知手段67、入力回転
センサ故障検知手段68を設け、これらいずれか一方が
故障を検知したときに、カム相殺フィードバックを、急
傾斜補正部76の出力を実変速比iに切り換える補正切
換手段81を設けたものである。
【0071】まず、制御切換手段80は、ゲイン算出部
73へ入力された運転状態より、車速VSPまたは出力
軸回転数Noや入力軸回転数Niの検出信号が、不安定
な低車速時にフィードフォワード制御を選択し、また、
ステップモータ4の応答速度が低下する低油温時にも、
フィードフォワード制御を選択し、その他の場合に、フ
ィードバック制御を選択するのに加え、変速制御に用い
る回転信号を検出するセンサが故障した場合には、実変
速比iの演算が正確に行うことができないため、フィー
ドバック制御からフィードフォワード制御へ切り換える
ものである。
【0072】一方、補正切換手段81は、各回転センサ
が正常な場合には、フィードフォワード制御時にも急傾
斜補正部76によるカム相殺フィードバックを選択し、
フィードフォワード制御時であっても、急傾斜部17L
を使用する最Lo変速比からの発進を可能にするもので
ある。
【0073】また、補正切換手段81は、各回転センサ
の異常を検出した場合、すなわち、車速センサ故障検知
手段67、入力回転センサ故障検知手段68のうちのい
ずれかひとつの出力が1となった場合には、フィードバ
ック制御が成立しないため、カム相殺フィードバック部
の急傾斜補正部76の使用を止め、カム相殺フィードバ
ック70の出力を実変速比iとして、急傾斜部17L、
17Hの補正を中止するものである。
【0074】上記制御のフローチャートを図8に示し、
以下に詳述する。
【0075】まず、ステップS10では、車速センサ6
3からの車速VSP、油温センサ65からの油温Tem
p、油圧センサ66からの油圧PL及び実変速比算出部
71で演算された実変速比iを読み込む。
【0076】そして、ステップS11では、車速センサ
故障検知手段67及び入力回転センサ故障検知手段68
からの信号を読み込むとともに、これら信号の和を変数
Failに代入する。車速センサ故障検知手段67と入
力回転センサ故障検知手段68は、故障検出時に信号を
1にセットする一方、正常時には信号を0にリセットす
る。したがって、変数Failの値が0より大きい場合
には、少なくともどちらか一方のセンサに異常があるこ
とを検出することができる。
【0077】次に、ステップS12では、上記ステップ
S10で読み込んだ、運転状態を示す信号より、各フィ
ードバックゲインを予め設定したテーブルより、 c1=C1Tablel(VSP、Temp、i、P
L) c0=C0Tablel(VSP、Temp、i、P
L) c2=C2Tablel(VSP、Temp、i、P
L) のように算出する。
【0078】ステップS13では、ステップS11で求
めた変数Failの値が0より大きいか否かを判定し、
車速センサ63、入力軸回転センサ64の故障の有無を
判定する。
【0079】故障がない場合にはステップS14へ進む
一方、故障が判定された場合には、ステップS17へ進
んでフィードフォワード制御を選択する。
【0080】センサが正常なステップS14では、現在
の運転状態が所定のフィードバック制御条件にあるか、
すなわち、所定の車速より大、所定の油温より大、であ
るかを判定し、フィードバック制御条件が成立した場合
には、ステップS15でフィードバック制御を選択する
一方、そうでない場合には、ステップS16へ進んでフ
ィードフォワード制御を選択する。
【0081】そして、ステップS18へ進んで、カム相
殺フィードバックによる補正を行うため、補正切換手段
81に急傾斜補正部76の出力を選択するよう指令す
る。
【0082】一方、上記ステップS13で回転センサの
故障が検出された場合では、ステップS17で、フィー
ドフォワード制御へ切り換えた後、急傾斜補正部76に
よるカム相殺フィードバックを中止するため、補正切換
手段81に実変速比を選択するように指令して1サイク
ルの制御を終了する。
【0083】したがって、変速制御にかかわる回転セン
サが故障した場合には、フィードフォワード制御に切り
換えられるとともに、急傾斜補正部76によるカム相殺
フィードバックが中止され、フィードフォワードの目標
値によって運転を継続することが可能となる一方、回転
センサが正常な場合には、運転状態に応じてフィードバ
ック制御とフィードフォワード制御が切り換えられ、フ
ィードフォワード制御を選択した場合でも、急傾斜補正
部76からのカム相殺フィードバックによって、プリセ
スカム7の急傾斜部17Lに位置する最Lo変速比から
発進を行うことができ、フィードフォワード制御時の発
進性能を確保できるとともに、制御の発散を防止しなが
らフェイルセーフを確保することができる。
【0084】なお、補正切換手段81の後段には、図示
しないフィルタ(例えば、ローパスフィルタ)を設け、
急傾斜補正部76からの出力と、実変速比iの切り換え
時の段差を吸収するようにすれば、回転センサが故障し
た場合の制御切り換え時に、変速比の過大な変動を抑制
することができる。
【0085】図9、図10は第4の実施形態を示し、前
記第3実施形態の制御切換手段80を廃止して、フィー
ドバックゲインの変更により、フィードバック制御とフ
ィードフォワード制御とを切り換えるようにしたもの
で、その他は、前記第3実施形態と同様である。
【0086】図10のフローチャートは、ステップS1
0〜S14のうち、S12を移動した以外は、前記第3
実施形態の図8のフローチャートと同様で、ステップS
13で、車速センサ63または入力軸回転センサ64が
正常であれば、ステップS14で、運転状態がフィード
バック条件にあるかを判定して、フィードバック条件が
成立した場合には、ステップS12’へ進んで前記第3
実施形態と同様に、各フィードバックゲインの演算を行
って、フィードバック制御を実施した後、ステップS1
8で補正切換手段81に急傾斜補正部76を選択するよ
うに指令する。
【0087】一方、フィードバック条件が成立しない場
合には、ステップS16’へ進んで、比例ゲインc1
みを1とし、積分ゲインc0、微分ゲインc2を共に0に
設定することで、フィードフォワード制御としてから、
ステップS18へ進む。
【0088】一方、回転センサが故障した場合には、ス
テップS17’へ進んで、比例ゲインc1のみを1と
し、積分ゲインc0、微分ゲインc2を共に0に設定する
ことで、フィードフォワード制御としてから、ステップ
S19へ進み、補正切換手段81に実変速比iを選択す
るように指令する。
【0089】こうして、制御切換手段80を廃止した場
合でも、フィードバックゲインの変更によりフィードバ
ック制御とフィードフォワード制御を切り換えることが
でき、かつ、フィードフォワード制御を選択した場合で
も、急傾斜補正部76からのカム相殺フィードバックに
よって、プリセスカム7の急傾斜部17Lに位置する最
Lo変速比から発進を行うことができ、フィードフォワ
ード制御時の発進を円滑に行うとともに、制御の発散を
防止とフェイルセーフの確保を行うことができる。
【0090】なお、上記ステップS19において、補正
切換手段81が実変速比相当値(例えば傾転角等)を出
力するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す無段変速機の変速制
御装置の概念図。
【図2】同じく変速制御コントローラのブロック図であ
る。
【図3】同じくフィードバック制御の一例を示すフロー
チャートである。
【図4】急傾斜補正部で行われるカム相殺フィードバッ
クゲインの特性と、実変速比の関係を示し、点線が本実
施形態を、破線が従来例を、実線がゲイン=1の従来例
を示す。
【図5】第2の実施形態を示し、急傾斜補正部で行われ
るカム相殺フィードバックゲインの特性と、実変速比の
関係を示し、点線が本実施形態を、破線が従来例を、実
線がゲイン=1の従来例を示す。
【図6】同じく、実変速比と補正変速比の関係を示し、
点線が本実施形態を、破線が従来例を、実線がゲイン=
1の従来例を示す。
【図7】第3の実施形態を示し、変速制御コントローラ
のブロック図である。
【図8】同じく制御の一例を示すフローチャートであ
る。
【図9】第4の実施形態を示し、変速制御コントローラ
のブロック図である。
【図10】同じく制御の一例を示すフローチャートであ
る。
【図11】同じく、トロイダル型無段変速機の縦断面
図。
【図12】従来例を示し、急傾斜部を備えたプリセスカ
ムの概念図である。
【図13】同じく、プリセスカムの傾転角度と高さの関
係を示すグラフ。
【図14】同じく、従来の制御による、実変速比と目標
値(目標変速比)及びステップモータステップ数の関係
を示すグラフである。
【図15】プリセスカムがずれた場合の傾転角度と高さ
の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
3 パワーローラ 4 ステップモータ 5 変速制御弁 6 油圧シリンダ 7 プリセスカム 8 フィードバックリンク 10 無段変速機 17S 緩傾斜部 17H、17L 急傾斜部 17a、b 変化点 41 トラニオン 61 変速制御コントローラ 62 スロットル開度センサ 63 車速センサ 64 入力軸回転センサ 65 油温センサ 66 油圧センサ 67 車速センサ故障検知手段 68 入力回転センサ故障検知手段 70 カム相殺フィードバック部 71 傾転角算出部 75 ステップ変換部 76 急傾斜補正部 77 逆関数演算部 80 制御切換手段 81 補正切換手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹田 和宏 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平11−230319(JP,A) 特開 平8−296722(JP,A) 特開 平5−26317(JP,A) 特開 平3−144161(JP,A) 特開 昭62−244724(JP,A) 特開 平8−296723(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48 F16H 15/00 - 15/56

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクチュエータに駆動される変速機構を介
    して変速比を連続的に変更する無段変速機と、 運転状態に応じて前記無段変速機の目標変速比を演算す
    るとともに、実際の変速比が目標変速比に一致するよう
    に前記アクチュエータを駆動する電子的フィードバック
    制御手段と、 前記変速機構へ実変速比をフィードバックするメカニカ
    ルフィードバック手段と、 実変速比が最大変速比または最小変速比近傍でメカニカ
    ルフィードバックのゲインを変更するメカニカルフィー
    ドバックゲイン変更手段とを備えた無段変速機の変速制
    御装置において、 前記電子的フィードバック手段は、前記メカニカルフィ
    ードバック手段のゲインを相殺するメカニカルフィード
    バック相殺手段を有し、このメカニカルフィードバック
    相殺手段は、前記最大変速比または最小変速比を超えな
    い範囲でのみメカニカルフィードバックゲインを相殺
    るとともに、実変速比が最大変速比または最小変速比近
    傍を超える場合には、実変速比が最大変速比と最小変速
    比の範囲となるよう補正することを特徴とする無段変速
    機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】前記電子的フィードバック制御手段は、運
    転状態に応じてフィードフォワード制御とフィードバッ
    ク制御とを選択的に切り換える制御切換手段を備え、フ
    ィードフォワード制御を選択した場合にも前記メカニカ
    ルフィードバック相殺手段によりメカニカルフィードバ
    ックゲインを相殺することを特徴とする請求項1に記載
    の無段変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】前記電子的フィードバック制御手段は、運
    転状態を検出するセンサの故障検出手段を備え、このセ
    ンサの故障が検出された場合には、前記制御切換手段に
    よりフィードフォワード制御を選択するとともに、前記
    メカニカルフィードバック相殺手段の出力に代わって実
    変速比または実変速比相当値を出力する補正切換手段
    設けたことを特徴とする請求項2に記載の無段変速機の
    変速制御装置。
  4. 【請求項4】前記補正切換手段は、出力切り換え時の段
    差を吸収するフィルタを設けたことを特徴とする請求項
    3に記載の無段変速機の変速制御装置。
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