JP3406486B2 - 有機溶媒系電気二重層コンデンサ電極用活性炭の製造方法 - Google Patents

有機溶媒系電気二重層コンデンサ電極用活性炭の製造方法

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JP3406486B2
JP3406486B2 JP22213597A JP22213597A JP3406486B2 JP 3406486 B2 JP3406486 B2 JP 3406486B2 JP 22213597 A JP22213597 A JP 22213597A JP 22213597 A JP22213597 A JP 22213597A JP 3406486 B2 JP3406486 B2 JP 3406486B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機溶媒系電解液を用い
る電気二重層コンデンサの分極性電極に用いられる活性
炭の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気二重層コンデンサは、ファラッド級
の大容量を有し、充放電サイクル特性にも優れることか
ら、電子機器のバックアップ電源、車載のバッテリーな
どの用途に使用されている。
【0003】この電気二重層コンデンサは、例えば図3
に示すように、活性炭からなる一対の分極性電極1,1
がセパレータ2を介して対向して設けられ、該分極性電
極1にテトラアルキルアンモニウム塩等の有機溶媒溶液
を電解液として含浸させてそれぞれ陽極および陰極とし
て作用するよう構成されている。図3示の電気二重層コ
ンデンサでは、セパレータ2を介して対向する分極性電
極1,1はアルミニウム製容器3に収容されると共に、
パッキン4を介してアルミニウム製容器3に取着される
アルミニウム製蓋体5で閉蓋するようになっている。前
記構成において、容器3及び蓋体5はそれぞれ分極性電
極1,1に接触し、容器3が分極性電極1に対する陰極
側集電部材、蓋体5が分極性電極1に対する陽極側集電
部材となっている。
【0004】このような電気二重層コンデンサの分極性
電極には、微細な細孔を有する活性炭が用いられている
が、電気二重層コンデンサをより小型化・軽量化・大容
量化するために、前記分極性電極の静電容量密度を高く
することができる活性炭が求められている。
【0005】このため、前記分極性電極の静電容量密度
を高くすることができる活性炭を得るべく、活性炭の各
種特性について検討されており、例えば、「電極中の活
性炭重量当たりの静電容量密度と活性炭の比表面積とは
ほぼ直線的な比例関係にあり、活性炭電極上の電気二重
層の静電容量は、炭種や細孔特性に影響を受けず略一定
である」とする仮説が提言されている(電気化学,
,No.7,p.607−613,1991)。
【0006】しかし、活性炭の電気二重層の静電容量と
して水銀電極などにより観測される値と、活性炭の比表
面積とから、該活性炭を用いる分極性電極の電気二重層
コンデンサの静電容量の理論値を求めると、該理論値は
該電気二重層コンデンサの静電容量の実測値と一致しな
い。
【0007】例えば、図3示のようにセパレータ2を挟
んで一対の分極性電極1,1を備える構成となっている
該電気二重層コンデンサの静電容量をC0 とし、分極性
電極1,1の静電容量をC1 ,C2 とすると、 1/C0 =1/C1 +1/C2 ・・・(1) と表せる。ここで、水銀電極により観測される活性炭の
電気二重層の静電容量は、20μF/cm2 程度である
から、1500m2 /ccの比表面積を有する活性炭の
電気二重層の静電容量は、 20(μF/cm2 )×1500(m2 /cc)=30
0(F/cc) となる。そこで、(1)式でC1 ,C2 にそれぞれ30
0(F/cc)を代入してC0 を求めると、C0 =15
0(F/cc)となる。C0 は2容積分の分極性電極1
に対する静電容量であるので、前記電気二重層コンデン
サの理論的静電容量は前記C0 の値を2で除して75F
/ccとなるはずである。
【0008】ところが、前記電気二重層コンデンサの静
電容量は実際には13F/cc程度にしかならない。ま
た、同じ比表面積を有する活性炭同士でも、それを用い
た電気二重層コンデンサの静電容量が全く異なる場合も
ある。
【0009】そこで、本発明者らは、前記仮説が、分析
の限界が約10オングストロームであるチッ素ガス吸着
によるBET法で計測された比表面積に基づいてなされ
ていることに着目し、前記仮説を検証すべく、透過型電
子顕微鏡の画像を用いて10オングストローム未満の微
細な細孔も分析できる特殊な画像分析を行い、比表面積
の異なる電極用活性炭について静電容量密度と比表面積
の関係を調べたところ、両者の間には直線的な比例関係
は存在せず、静電容量を左右する要素が他に存在すると
の結論が得られた。
【0010】本発明者らは、この知見に基づいてさらに
検討を重ねた結果、活性炭の細孔分布の最頻値を前記有
機溶媒が溶媒和した前記電解液イオンの吸着に適した孔
径とすることにより、電気二重層コンデンサの分極性電
極に用いたときに、容積当たりの静電容量密度に優れた
活性炭が得られることを見出し、このような電気二重層
コンデンサ電極用活性炭については既に特許出願してい
る(特願平8−46912号明細書参照)。前記明細書
記載の活性炭は、塩化ビニル系樹脂を焼成して得られた
炭化物を、400〜1000℃の範囲の温度に1〜20
時間保持することにより1段階でアルカリ賦活するもの
であり、細孔分布の最頻値が前記有機溶媒が溶媒和した
前記電解液イオンの吸着に適した10〜20オングスト
ロームの範囲となっている。
【0011】なお、前記最頻値とは、細孔の孔径の度数
分布において、相対頻度の最も大きい度数を示す孔径の
値をいう。また、前記孔径の度数分布は、活性炭の透過
型電子顕微鏡の画像をもとに、これを二値化して得られ
た画像のフーリエ変換により得られるパワースペクトル
から求められる。
【0012】このような活性炭によれば、細孔分布の最
頻値が前記範囲にあるので、電極密度が高く、容積当た
りの静電容量密度に特に優れた分極性電極を形成するこ
とができ、該分極性電極によりエネルギー密度の高い電
気二重層コンデンサを構成することができる。
【0013】しかしながら、前記のように電極密度を大
きくすることができるような条件で賦活処理を行った活
性炭を用いた分極性電極は、充放電の繰り返しにより静
電容量が低下しやすいとの不都合がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は大き
な電極密度を備えると共に、充放電の繰り返しによる静
電容量の低下が少ない分極性電極を得ることができる活
性炭を製造する方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の有機溶媒系電気二重層コンデンサ電極用活
性炭の製造方法は、易黒鉛化性有機物を焼成して炭化さ
せたのち、得られた炭化物に対してアルカリ賦活処理を
行う活性炭の製造方法において、前記アルカリ賦活処理
は、600〜950℃の範囲の温度による第1のアルカ
リ賦活処理と、800〜1000℃の範囲の温度であっ
て第1のアルカリ賦活処理より高い温度による第2のア
ルカリ賦活処理とからなり、前記いずれか一方のアルカ
リ賦活処理の後、他方のアルカリ賦活処理を行うことを
特徴とする。
【0016】前記本発明によれば、易黒鉛化性有機物を
炭化させて得られた炭化物に対して、600〜950℃
の範囲の温度による第1のアルカリ賦活処理を行うこと
により、微細な細孔を確保することができる。このよう
な活性炭は、炭素密度が高いので電気二重層コンデンサ
の分極性電極に用いたときに、その電極密度が高くな
り、容積当たりの静電容量密度を高くすることができ
る。
【0017】また、本発明によれば、前記炭化物に対し
て、800〜1000℃の範囲の温度による第2のアル
カリ賦活処理を行うことにより、表面の官能基が除去さ
れた活性炭が得られ、かかる活性炭によれば、電気二重
層コンデンサの分極性電極として用いるときに充放電の
繰り返しによる静電容量の低下が抑制される。
【0018】従って、本発明によれば、前記異なる温度
による2段階のアルカリ賦活処理を行うことにより、電
気二重層コンデンサの分極性電極に用いたときに、容積
当たりの静電容量密度が高く、しかも充放電の繰り返し
による静電容量の低下を抑制することができる活性炭を
得ることができる。
【0019】本発明において、前記両アルカリ賦活処理
の順序は特に限定されず、第1のアルカリ賦活処理の後
に第2のアルカリ賦活処理を行ってもよく、反対に第2
のアルカリ賦活処理の後に第1のアルカリ賦活処理を行
ってもよい。
【0020】また、本発明は、前記いずれか一方のアル
カリ賦活処理の後、連続して他方のアルカリ賦活処理を
行うことを特徴とする。本発明によれば、前記両アルカ
リ賦活処理を連続して行うことにより、工程を簡略化し
て製造コストを低減することができる。
【0021】アルカリ賦活処理では、通常、処理後に、
得られた活性炭を水洗、中和洗浄して、未反応の活性化
剤や夾雑物等を除去する後処理が行われる。そこで、本
発明において、前記両アルカリ賦活処理を連続して行う
とは、例えば第1のアルカリ賦活処理に連続して第2の
アルカリ賦活処理を行う場合には、前記第1のアルカリ
賦活処理の後で前記後処理を行わず、そのまま第2のア
ルカリ賦活処理を行うことを意味する。
【0022】本発明に用いる前記易黒鉛化性有機物と
は、比較的低温、例えば約800℃以下の焼成処理によ
って容易に黒鉛構造が形成される有機化合物を包括的に
指称し、例えば、塩化ビニル系樹脂、ポリアクリロニト
リルなどの脂肪族系高分子化合物のほか、タール、メゾ
フェースピッチ、ポリイミドなどの芳香族系高分子化合
物を挙げることができるが、製造コストの面から塩化ビ
ニル系樹脂が好ましい。前記黒鉛構造の形成は、例え
ば、X線回折パターンにおいて、2θが25°付近に明
白なピークを持つことによって確認できる。
【0023】前記易黒鉛化性有機物は前記の様に約80
0℃以下の焼成処理によって黒鉛構造が形成されるが、
本発明では、該易黒鉛化性有機物を室温から700℃未
満の温度まで加熱することにより行うことにより、前記
黒鉛構造が形成されると共に、前記賦活処理により活性
炭としたときに前記電気二重層コンデンサの分極性電極
に適した孔径となる微細孔を形成することができる。
尚、前記焼成温度が700℃を超えると、得られた炭化
物の焼結により、形成された細孔が閉塞され、賦活処理
が難しくなる。
【0024】前記易黒鉛化性有機物の焼成により得られ
た炭化物に対する前記第1のアルカリ賦活処理は、60
0〜950℃の範囲の温度で行うことを特徴とする。前
記第1のアルカリ賦活処理は、600℃未満では賦活が
進みにくく十分な静電容量が得られず、950℃を超え
ると、過賦活により細孔径が全体的に拡大して、得られ
る活性炭の密度が著しく低下する。前記第1のアルカリ
賦活処理は、製造コストの面から800〜900℃の範
囲、特に860℃前後の温度で行うことが好ましい。
【0025】前記第1のアルカリ賦活処理は前記範囲の
温度に1〜20時間保持して行うことを特徴とする。前
記範囲の温度に保持する時間が1時間未満では充分な細
孔形成ができず、20時間を超えると、過賦活により孔
径が拡大された細孔の数が多くなる。なお、前記範囲の
温度に保持する時間は、製造コストの面から2〜10時
間、特に4時間前後とすることが好ましい。
【0026】また、前記炭化物に対する前記第2のアル
カリ賦活処理は800〜1000℃の範囲で、しかも前
記第1のアルカリ賦活処理よりも高い温度で行うことを
特徴とする。前記第2のアルカリ賦活処理は800℃未
満では前記第1のアルカリ賦活処理に対して十分な温度
差を設けることが難しくなり、表面官能基の除去や適度
な細孔径の拡大が困難となる。一方、1000℃を超え
ると、短時間の処理でも過賦活となり、不要な密度低下
を招く。
【0027】前記第2のアルカリ賦活処理は前記範囲の
温度まで昇温したのち直ちに降温するか、或いは前記範
囲の温度に2時間以内の範囲で保持することにより行
う。前記範囲の温度に保持する時間は、2時間を超える
と過賦活となる。なお、前記範囲の温度に保持する時間
は、製造コストの面から1時間以内、特に0.5時間前
後が好ましい。
【0028】本発明において、前記アルカリ賦活処理
は、活性化剤としてアルカリ金属水酸化物の1価の塩基
を用いて行うことにより、孔径20オングストローム以
下の細孔を容易に形成することができる。前記アルカリ
金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等を挙げることができるが、中で
も安価であることから水酸化カリウムが好ましい。
【0029】前記活性化剤による前記アルカリ賦活処理
は、炭化物1重量部に対してアルカリ金属水酸化物1〜
4重量部を用いることを特徴とする。炭化物1重量部に
対する活性化剤の割合が、1重量部未満であると賦活が
十分に進行せず、一方、4重量部を超えると、得られた
活性炭から電気二重層コンデンサの分極性電極を形成し
たときに、該分極性電極の体積当たりの静電容量密度が
低下する虞れがある。
【0030】前記活性化剤の割合は、静電容量を確保す
るために、炭化物1重量部に対して1.5〜3重量部、
特に1.8〜2.2重量部とすることが好ましい。
【0031】また、本実施形態において、前記炭化物
は、前記アルカリ賦活の前に、粒径0.1〜300μm
の範囲の粒子に粉砕することにより、粒子内の賦活を均
一に行うことができる。前記炭化物は、粒径が0.1μ
m未満であると、得られた活性炭から電気二重層コンデ
ンサの分極性電極を形成したときに、自己放電特性が低
減することがある。また、粒径が300μmを超える
と、粒子内での賦活が均一に進行しにくくなる虞れがあ
る。前記炭化物は、粒子内の賦活をより均一に行うため
に、1〜100μmに粉砕しておくことが好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】次に、添付の図面を参照しながら
本発明の活性炭の製造方法の好適な実施形態についてさ
らに詳しく説明する。図1は塩化ビニル系樹脂の熱重量
測定のチャート、図2は塩化ビニル系樹脂の焼成温度と
時間との関係を示すグラフ、図3は電気二重層コンデン
サの一構成例の一部を切り欠いて示す説明的断面図であ
る。
【0033】本実施形態では、易黒鉛化性樹脂として製
造コストの点で有利な塩化ビニル系樹脂を用い、まず、
前記塩化ビニル系樹脂を焼成して炭化させる。
【0034】図1に示すように、塩化ビニル系樹脂は、
室温から次第に昇温していくと、約250℃に始まり約
350℃で終了する1段目の重量減少と、約420℃に
始まり約500℃で終了する2段目の重量減少との2段
階の重量減少を示す。図1の熱重量測定のチャートか
ら、前記塩化ビニル系樹脂を焼成する際には、1段目の
重量減少が始まる約250℃から2段目の重量減少が始
まる約420℃にかけて側鎖が脱離して活性炭の炭素骨
格が形成され、2段目の重量減少が始まる約420℃か
ら約700℃までの間に塩素が脱離して細孔が形成され
るものと考えられる。
【0035】そして、約700℃から約1000℃の間
では、水素が脱離して微細孔が形成され、約1000℃
から約2000℃の間では炭素の焼結による細孔の閉塞
が起き約2000℃を超えると炭素骨格の再配列により
細孔の緻密化が進行すると考えられる。従って、100
0℃以上に加熱しても、得られた活性炭から電気二重層
コンデンサの分極性電極を形成したときに静電容量の向
上が望めない。
【0036】そこで、本実施形態では、前記塩化ビニル
系樹脂の焼成をチッ素ガス、アルゴンガスなどの不活性
ガス雰囲気下、室温から600℃まで加熱することによ
り行う。前記塩化ビニル系樹脂の焼成は、前記1段階目
の重量減少開始温度(250℃)まではどのような昇温
速度でもよいが、1段階目の重量減少開始温度から2段
階目の重量減少終了温度(500℃)までは、塩化ビニ
ルの溶解、分解反応が生じるために20〜150℃/時
間、特に40〜100℃/時間の昇温速度で昇温するこ
とが好ましい。また、2段階目の重量減少終了温度から
600℃までは、塩素原子が脱離するために100〜3
00℃/時間、特に150〜250℃/時間の昇温速度
で昇温することが好ましい。また、処理分全体の温度を
均一にするために600℃に0〜24時間、特に0.5
〜5時間保持して焼成することが好ましい。
【0037】そこで、前記塩化ビニル系樹脂の焼成は、
例えば図2に示すように、まず、室温から250℃まで
1時間で昇温し、250℃に0.5時間保持する。次い
で、250℃から500℃まで50℃/時の割合で昇温
し、さらに500℃から600℃まで200℃/時の割
合で昇温して600℃に1時間保持することにより、炭
化物が得られる。
【0038】本実施形態では、次に、前記炭化物を粒径
0.1〜300μm、好ましくは1〜100μmに粉砕
し、炭化物1重量部当たり1〜4重量部の水酸化カリウ
ムと混合したのち、不活性ガス気流中で加熱してアルカ
リ賦活することにより電気二重層コンデンサの分極性電
極に用いられる活性炭とする。
【0039】前記アルカリ賦活は、600〜950℃の
範囲の温度に1〜20時間保持する第1のアルカリ賦活
処理と、800〜1000℃の範囲、かつ前記第1のア
ルカリ賦活処理より高い温度で、該温度まで昇温したの
ち直ちに降温するか、或いは該温度に2時間以内の範囲
で保持する第2のアルカリ賦活処理とからなる。
【0040】前記アルカリ賦活処理は、第1のアルカリ
賦活処理の後で第2のアルカリ賦活処理を行ってもよ
く、反対に第2のアルカリ賦活処理の後で第1のアルカ
リ賦活処理を行ってもよい。また、前記アルカリ賦活処
理は、第1のアルカリ賦活処理に連続して第2のアルカ
リ賦活処理を行うか、第2のアルカリ賦活処理に連続し
て第1のアルカリ賦活処理を行うというように、前記両
アルカリ賦活処理を連続して行うようにしてもよい。
【0041】このようにして得られた活性炭は、ファー
ネスブラック等の導電材及びテトラフルオロエチレン等
の結着剤等と混合して成形され、図3に示す有機溶媒系
電気二重層コンデンサの分極性電極1として用いられ
る。
【0042】分極性電極1に含浸される電解質として
は、過塩素酸、6フッ化リン酸、4フッ化ホウ酸、トリ
フルオロアルキルスルホン酸、テトラフルオロメタンス
ルホン酸のテトラアルキルアンモニウム塩または過塩素
酸、6フッ化リン酸、4フッ化ホウ酸、トリフルオロア
ルキルスルホン酸、テトラフルオロメタンスルホン酸の
ジアルキルアミン塩等を挙げることができる。また、前
記電解質を溶解する有機溶媒としては、プロピレンカー
ボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクト
ン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、1,2−
ジメトキシエタン、スルホラン、ニトロエタン等を挙げ
ることができる。
【0043】前記電解質は、前記有機溶媒に0.1〜3
モル/リットル、好ましくは0.5〜1.5モル/リッ
トルの濃度で溶解され、電解液として使用される。な
お、電解液中では、前記有機溶媒は前記電解質イオンに
溶媒和している状態にあると考えられる。
【0044】また、セパレータ2としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステ
ル、PVDF、セルロース等のシート、またはガラスフ
ィルターが用いられる。
【0045】本実施形態の活性炭は、前記第1のアルカ
リ賦活処理により、その細孔分布が10〜20オングス
トロームの間に最頻値を有し、細孔の大部分が前記電気
二重層コンデンサの電解液中で前記有機溶媒が溶媒和し
ている前記電解質イオンを吸着しやすい大きさとなって
いる。従って、前記活性炭から電気二重層コンデンサの
分極性電極を形成することにより、電気二重層に寄与す
る細孔の割合が格段に大きくなり、前記分極性電極の容
積当たりの静電容量が向上する。
【0046】しかも、前記活性炭は、前記第2のアルカ
リ賦活処理により、活性炭表面の官能基が除去されてい
るので、充放電の繰り返しによる静電容量の低減が抑制
される。
【0047】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定され
るものではない。なお、特に断らない限り、以下の部お
よび%は、重量基準である。
【0048】
【実施例1】 〔活性炭の作成〕塩化ビニル系樹脂(PVC)をチッ素
ガス雰囲気下、図2示のようにして、室温から600℃
まで加熱して焼成し、炭化させて得られた炭化物塊を粗
粉砕後、モーターグラインダーで1時間、さらに遊星ボ
ールミルで1時間粉砕し、粒径0.1〜300μmに微
粉砕した。この炭化物粉末2.5gとKOH5.0g
〔KOH/C(重量比)=2〕とを乳鉢で混合し、ま
ず、管状電気炉中、チッ素ガス気流下で860℃に4時
間保持して第1のアルカリ賦活処理を行い、前記第1の
アルカリ賦活処理に連続して、さらに950℃に昇温
し、該温度に保持せずに直ちに放冷する第2のアルカリ
賦活処理を行って活性炭を得た後、得られた活性炭を水
に分散させ、塩酸で中和洗浄、ろ別後、50℃で真空乾
燥し、電気二重層コンデンサの原料活性炭とした。
【0049】〔充放電サイクル試験〕前記のようにして
得られた原料活性炭0.428gを、導電材としての粒
状のファーネスブラック(電気化学工業株式会社製、商
品名:デンカブラック)0.047g、および結着材と
してのフッ素樹脂(三井デュポンフルオロケミカル株式
会社製、商品名:テフロン7J)0.025gと乳鉢で
混練りした後、プレスしてφ20mmのディスクに成形
し、さらに圧延して、20mmφのディスク2枚を打ち
抜き、分極性電極とした。
【0050】この分極性電極を、ガラスフィルターをセ
パレータとし、メチルエチルピリジニウムテトラフルオ
ロボレイト(MEPY/BF4 )のプロピレンカーボネ
ート溶液(2モル/リットル)を電解液として用いて試
験セルを組み立てた。
【0051】このセルで、充電終止電位3.5V、放電
終止電位0V、充放電電流5mAで充放電を繰り返し行
い、電極中の活性炭の静電容量を測定した。電極密度、
重量および容積当たりの初期静電容量、充放電30サイ
クル及び60サイクル後の静電容量低下率を表1に示
す。
【0052】
【実施例2】実施例1において、前記第1のアルカリ賦
活処理に連続して、さらに950℃に昇温し、該温度に
0.5時間保持する第2のアルカリ賦活処理を行った以
外は、実施例1と全く同一にして活性炭を作成し、試験
セルを組み立てた。このセルで、実施例1と全く同一に
して充放電を繰り返し行い、電極中の活性炭の静電容量
を測定した。結果を表1に示す。
【0053】
【実施例3】実施例1において、前記第1のアルカリ賦
活処理に連続して、さらに950℃に昇温し、該温度に
1.0時間保持する第2のアルカリ賦活処理を行った以
外は、実施例1と全く同一にして活性炭を作成し、試験
セルを組み立てた。このセルで、実施例1と全く同一に
して充放電を繰り返し行い、電極中の活性炭の静電容量
を測定した。結果を表1に示す。
【0054】
【実施例4】実施例1において、前記第1のアルカリ賦
活処理に連続して、さらに950℃に昇温し、該温度に
2.0時間保持する第2のアルカリ賦活処理を行った以
外は、実施例1と全く同一にして活性炭を作成し、試験
セルを組み立てた。このセルで、実施例1と全く同一に
して充放電を繰り返し行い、電極中の活性炭の静電容量
を測定した。結果を表1に示す。
【0055】
【実施例5】実施例1において、得られた炭素粉末を、
まず950℃に昇温したのち該温度に保持せずに放冷し
て第2のアルカリ賦活処理を行い、次に前記第2のアル
カリ賦活処理に連続して、さらに860℃まで放冷し、
該温度に4時間保持して第1のアルカリ賦活処理を行っ
た以外は、実施例1と全く同一にして活性炭を作成し、
試験セルを組み立てた。このセルで、実施例1と全く同
一にして充放電を繰り返し行い、電極中の活性炭の静電
容量を測定した。結果を表1に示す。
【0056】尚、本実施例では、前記第2のアルカリ賦
活処理に際して実施例1の第2のアルカリ賦活処理と同
量のKOHを炭化物粉末に混合しただけであり、前記第
1のアルカリ賦活処理に際しては新たなKOHの混合は
行わなかった。
【0057】
【実施例6】実施例5において、まず950℃に0.5
時間保持する第2のアルカリ賦活処理を行い、次に前記
第2のアルカリ賦活処理に連続して、前記第1のアルカ
リ賦活処理を行った以外は、実施例1と全く同一にして
活性炭を作成し、試験セルを組み立てた。このセルで、
実施例1と全く同一にして充放電を繰り返し行い、電極
中の活性炭の静電容量を測定した。結果を表1に示す。
【0058】
【実施例7】実施例5において、まず950℃に2.0
時間保持する第2のアルカリ賦活処理を行い、次に前記
第2のアルカリ賦活処理に連続して、前記第1のアルカ
リ賦活処理を行った以外は、実施例1と全く同一にして
活性炭を作成し、試験セルを組み立てた。このセルで、
実施例1と全く同一にして充放電を繰り返し行い、電極
中の活性炭の静電容量を測定した。結果を表1に示す。
【0059】
【比較例1】実施例1において、得られた炭素粉末を、
860℃に4時間保持して第1のアルカリ賦活処理を行
い、前記第2のアルカリ賦活処理を行わなかった以外
は、実施例1と全く同一にして活性炭を作成し、試験セ
ルを組み立てた。このセルで、実施例1と全く同一にし
て充放電を繰り返し行い、電極中の活性炭の静電容量を
測定した。結果を表1に示す。
【0060】
【比較例2】実施例1において、得られた炭素粉末を、
950℃に2.0時間保持して第2のアルカリ賦活処理
を行い、前記第1のアルカリ賦活処理を行わなかった以
外は、実施例1と全く同一にして活性炭を作成し、試験
セルを組み立てた。このセルで、実施例1と全く同一に
して充放電を繰り返し行い、電極中の活性炭の静電容量
を測定した。結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】表1から、本発明の各実施例で得られた活
性炭から形成された分極性電極によれば、電極密度及び
初期静電容量は第1のアルカリ賦活処理のみしか行わな
い比較例1と同等であり、しかも充放電を繰り返した後
の静電容量の低下率は比較例1及び第2のアルカリ賦活
処理のみしか行わない比較例2の両者よりも優れてお
り、顕著な効果を奏することが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】塩化ビニル系樹脂の熱重量測定のチャート。
【図2】塩化ビニル系樹脂の焼成温度と時間との関係を
示すグラフ。
【図3】電気二重層コンデンサの一構成例の一部を切り
欠いて示す説明的断面図。
【符号の説明】
1…分極性電極、 2…セパレータ、 3,5…集電部
材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−213590(JP,A) 特開 昭49−106492(JP,A) 特開 平9−213589(JP,A) 国際公開91/012203(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/058

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】易黒鉛化性有機物を焼成して炭化させたの
    ち、得られた炭化物に対してアルカリ賦活処理を行う活
    性炭の製造方法において、 前記アルカリ賦活処理は、600〜950℃の範囲の温
    度による第1のアルカリ賦活処理と、800〜1000
    の範囲の温度であって第1のアルカリ賦活処理より高
    い温度による第2のアルカリ賦活処理とからなり、前記
    いずれか一方のアルカリ賦活処理の後、他方のアルカリ
    賦活処理を行うことを特徴とする有機溶媒系電気二重層
    コンデンサ電極用活性炭の製造方法。
  2. 【請求項2】前記アルカリ賦活処理は、前記いずれか一
    方のアルカリ賦活処理の後、連続して他方のアルカリ賦
    活処理を行うことを特徴とする請求項1記載の有機溶媒
    系電気二重層コンデンサ電極用活性炭の製造方法。
  3. 【請求項3】前記易黒鉛化性有機物は塩化ビニル系樹脂
    であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    有機溶媒系電気二重層コンデンサ電極用活性炭の製造方
    法。
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