JP2012101948A - 活性炭の製造方法 - Google Patents

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亜紀 藤村
Noriyasu Akamatsu
徳康 赤松
Junichi Yasumaru
純一 安丸
Yasuyuki Takarada
恭之 宝田
Kazuyoshi Sato
和好 佐藤
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Abstract

【課題】不純物が少なく、かつ、高比表面積を有し、1nm以上2nm以下の細孔径範囲における細孔容積が大きい活性炭を提供する。
【解決手段】本発明の活性炭の製造方法は、無灰炭を、不活性雰囲気下800℃未満の温度で熱処理した後で、または、該熱処理をしないで、アルカリ賦活剤と混合し、600℃以上950℃以下の温度で賦活処理することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、活性炭の製造方法に関するものである。
現在、活性炭は、高比表面積を有することから電気二重層キャパシタの分極性電極、吸着剤などの用途に利用されている。特に、活性炭を分極性電極に用いた電気二重層キャパシタは、エレクトロニクス分野の進展に伴い、さらなる高性能化が求められている。そして、電気二重層キャパシタの高性能化、特に高容量化のためには、その電極に用いられる活性炭の高比表面積化が必須となっている。
従来、電気二重層キャパシタに用いられる活性炭は、一般にヤシガラ炭化物、フェノール樹脂炭化物、石炭などの原料を水蒸気賦活、薬品賦活することにより製造されている。このような活性炭の製造方法として、例えば、石炭の溶剤抽出物(無灰炭)を不活性雰囲気下で800℃から950℃の温度範囲において加熱し、得られた固体残渣をアルカリ賦活する方法(特許文献1(請求項1)参照);石炭系ピッチを400℃〜600℃及び600℃〜900℃の2段階の温度範囲で熱処理し、熱処理した石炭系ピッチをアルカリ賦活する方法(特許文献2(請求項17)参照);粒状の等方性ピッチを不融化した後、薬剤で賦活する方法(特許文献3(請求項1)参照);が開示されている。
特開2007−142204号公報 特開2004−149399号公報 特開2002−104817号公報
石炭の溶剤抽出物(いわゆる無灰炭)は、金属不純物の含有量が非常に少ないため、これを賦活することにより不純物の少ない活性炭が得られる。ここで、アルカリ賦活法により活性炭を製造する場合、通常、賦活収率を高めるために、賦活原料には800℃以上の高温で炭化した炭化物が用いられている。しかしながら、上記石炭の溶剤抽出物は、高温で炭化してしまうと、アルカリ賦活が進行しにくく、得られる活性炭は比表面積が低く、細孔径が小さくなる傾向があった。また、このような活性炭を電気二重層キャパシタ用電極材料として用いた場合、充放電後の膨張率が高くなる傾向があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、不純物が少なく、かつ、高比表面積を有し、1nm以上2nm以下の細孔径範囲における細孔容積が大きい活性炭を提供することを目的とする。
本発明者らは、無灰炭を賦活原料に用いることにより、不純物含有量がより低減された活性炭が得られることに着目し、当該無灰炭を賦活原料に使用して、高比表面積を有する活性炭を製造する方法をさらに研究した。その結果、無灰炭を炭化させる熱処理温度を低くする、あるいは、一切熱処理を施さないことにより、得られる活性炭をより高比表面化できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、上記課題を解決することができた本発明の活性炭の製造方法は、無灰炭を、不活性雰囲気下800℃未満の温度で熱処理した後で、または、該熱処理をしないで、アルカリ賦活剤と混合し600℃以上950℃以下の温度で賦活処理することを特徴とする。
前記アルカリ賦活剤の使用量は、前記無灰炭および/または無灰炭熱処理物の合計100質量部に対して150質量部以上550質量部以下であることが好ましい。
本発明には、上記の製造方法により得られた活性炭、該活性炭を含有する電極材料、該電極材料を用いた電気二重層キャパシタ電極、および、該電極を用いた電気二重層キャパシタも含まれる。
本発明によれば、不純物が少なく、かつ、高比表面積を有し、1nm以上2nm以下の細孔径範囲における細孔容積が大きい活性炭が得られる。当該活性炭を電極材料に用いることで、静電容量が高く、内部抵抗が低く、かつ、充放電後の膨張率の小さい電気二重層キャパシタが得られる。
製造例1〜4の活性炭の細孔径分布を示す図である。 製造例5、6の活性炭の細孔径分布を示す図である。 製造例の活性炭を使用して製造した電気二重層キャパシタを説明するための図である。
本発明の活性炭の製造方法は、無灰炭を、不活性雰囲気下800℃未満の温度で熱処理した後で、または、該熱処理をしないで、アルカリ賦活剤と混合し、600℃以上950℃以下の温度で賦活処理することを特徴とする。
本発明に用いられる無灰炭は特に限定されない。ここで、無灰炭とは、石炭を溶剤で抽出処理し、この溶剤に溶ける成分だけを分離して、その後、溶剤を除去することによって製造されたものである。
前記無灰炭の原料となる石炭は、特に限定されず、亜炭(炭素含有量が70質量%未満)、褐炭(炭素含有量が70質量%以上78質量%未満)、瀝青炭(炭素含有量が78質量%以上90質量%未満)、無煙炭(炭素含有量が90質量%以上)のいずれも使用できる。これらの中でも、無灰炭の原料となる石炭としては、瀝青炭、無煙炭が好ましい。
抽出処理に用いる溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドンなどの複素環式化合物類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの1環芳香族化合物類;ナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、トリメチルナフタレンなどの2環芳香族化合物類;キノリン、ピリジン、テトラヒドロフランなどの複素環式芳香族化合物類;二硫化炭素、四塩化炭素などが挙げられる。これらの中でも芳香族化合物を含む芳香族系溶媒が好適である。また、溶剤として、石炭乾留油(石炭を乾留してコークスを製造する際の副生油を生成したもの)を用いてもよい。石炭乾留油は、石炭との親和性に優れているため、溶剤に抽出される可溶成分の割合(以下、「抽出率」と称する場合がある。)が高い。なお、前記溶剤の沸点は180℃以上330℃以下が好ましい。
石炭の抽出処理は、室温(20℃)で行ってもよいが、加熱することが好ましい。該加熱温度は300℃以上450℃以下が好ましい。加熱温度をこの範囲とすることにより、石炭を構成する分子間の結合が緩み、緩和な熱分解が起こるため、抽出率が高くなる。抽出時間は、石炭の粒子径、溶剤の種類に応じて適宜調節すればよい。また、必要に応じて加圧などを行ってもよい。
前記溶剤に抽出された(溶解した)石炭成分を含む溶液と、溶剤に不溶な灰分、不溶石炭などの固体成分とを分離する方法は特に限定されず、ろ過法、圧搾分離法、遠心分離法、重力沈降法などを採用すればよい。また、溶液中に含有されている金属(塩)を除去するために、必要に応じてイオン交換処理を行ってもよい。そして、得られた溶液から溶剤を除去する方法も特に限定されず、蒸留法、蒸発法(スプレードライ法など)などを採用すればよい。
本発明では、前記無灰炭を、不活性雰囲気下800℃未満の温度で熱処理した無灰炭熱処理物、または、該熱処理をしない無灰炭を賦活原料とする。
前記無灰炭に熱処理を施す場合、該熱処理温度は800℃未満であり、700℃以下が好ましく、より好ましくは600℃以下、さらに好ましくは500℃以下である。無灰炭に施す熱処理温度が800℃未満であれば、炭素の結晶構造が未発達であるため、賦活反応に寄与する活性なエッジ面が数多く存在することとなる。これらのエッジ面の存在により、高比表面積化を達成することができる。
次に、賦活処理について説明する。本発明では、前記無灰炭および/または無灰炭熱処理物と、アルカリ賦活剤とを混合し、加熱することにより賦活処理を行う。
前記アルカリ賦活剤としては、アルカリ金属化合物が好ましい。前記アルカリ金属化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩;などが挙げられる。これらのアルカリ賦活剤は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水酸化カリウムが好適である。
前記アルカリ賦活剤の使用量は、無灰炭および/または無灰炭炭化物の合計100質量部に対して150質量部以上が好ましく、より好ましくは250質量部以上、さらに好ましくは350質量部以上であり、550質量部以下が好ましく、より好ましくは500質量部以下、さらに好ましくは450質量部以下である。アルカリ賦活剤の使用量が150質量部以上であれば、得られる活性炭の比表面積がより向上し、該活性炭を電極材料として用いた場合、優れた静電容量が得られ、550質量部以下であれば、得られる活性炭の過度の密度低下を抑制できる。
また、アルカリ賦活剤を添加する際、賦活原料との混合を十分とするために、アルカリ賦活剤を水溶液として使用しても良い。このときの水の使用量は、アルカリ賦活剤の0.05質量倍〜10質量倍が好ましい。なお、アルカリ賦活剤を水溶液として使用する場合には、賦活処理のための加熱を行う前に、アルカリ賦活剤水溶液に由来する水分の突沸防止のため、賦活処理における加熱温度よりも低温での加熱を行って、水分を除去しておくことが好ましい。
賦活処理を行う際の加熱温度は600℃以上が好ましく、より好ましくは650℃以上であり、950℃以下が好ましく、より好ましくは900℃以下である。なお、アルカリ賦活剤には、微量ながら水分が含まれているため、賦活処理温度に到達する前に、アルカリ賦活剤中に含まれる水分を除去しておくことが好ましい。アルカリ賦活剤中の水分を除去するための加熱条件は、例えば、400℃で30分間程度である。また、賦活処理を行う際の加熱時間は0.1時間以上が好ましく、より好ましくは1.5時間以上であり、3.5時間以下が好ましく、より好ましくは3時間以下である。なお、加熱時の雰囲気は、アルゴン、ヘリウム、窒素などの不活性ガス雰囲気が好ましい。
本発明の製造方法では、賦活物の洗浄、官能基量を調整するための熱処理、粉砕を行ってもよい。洗浄は、賦活物の表面には、アルカリ賦活剤として使用した水酸化アルカリ金属などが付着しているので、このような付着物を除去するために行う。
賦活物(活性炭)の洗浄としては、水洗、酸洗浄などを挙げることができる。水洗方法は、特に限定されないが、例えば、賦活物を水に投入し、必要に応じて撹拌、分散させた後、濾取することにより行うことが好ましい。前記撹拌、分散は、機械的撹拌、気体吹込み、超音波照射によって行うことができるが、加熱煮沸させることによっても行うことができる。水洗時の水温は、30℃以上が好ましく、より好ましくは40℃以上、さらに好ましくは50℃以上である。撹拌、分散時間は1分間以上が好ましく、より好ましくは10分間以上、さらに好ましくは30分間以上である。
酸洗浄では、無機酸、有機酸などを含有する洗浄液を用いて活性炭を洗浄する。なお、洗浄液の溶媒は特に限定されないが、通常は水である。酸洗浄を行うことによって、アルカリ賦活剤として使用した水酸化アルカリ金属などを効率よく除去できる。
前記無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、炭酸などが挙げられる。これらの無機酸は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。無機酸を使用する場合、洗浄液中の無機酸濃度は、0.5mol/L〜3.5mol/Lが好ましい。無機酸を用いて酸洗浄する場合、例えば、賦活物と、無機酸を含有する洗浄液とを混合して、50℃〜100℃の温度で、10分間〜120分間撹拌すればよい。
前記有機酸としては、例えば、ギ酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、酢酸、プロピオン酸などを挙げることができる。これらの有機酸は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記有機酸を含有する洗浄液中の有機酸の濃度は、1vol%〜100vol%が好ましい。有機酸を用いて酸洗浄する場合、例えば、賦活物と、有機酸を含有する洗浄液とを混合して、得られた混合物を20℃〜80℃の温度で、1分間〜120分間撹拌すればよい。
洗浄工程では、酸洗浄と水洗とを行うことが好ましく、より好ましくは酸洗浄を行った後、水洗を複数回行う態様である。洗浄後の活性炭は、50℃〜120℃で、0.5時間〜2.0時間乾燥させることが好ましい。
官能基量を調整するための熱処理は必ずしも必要でないが、得られる活性炭の表面の官能基量を調整したい場合には、賦活後あるいは洗浄後の賦活物を、さらに不活性ガス雰囲気下で熱処理してもよい。前記不活性ガスとしては、例えば、アルゴン、窒素、ヘリウムなどを使用することができる。また、前記熱処理温度は、特に限定されないが、好ましくは400℃〜1200℃である。
粉砕は、活性炭の粒径を調整するために行う。活性炭の粉砕方法は、特に限定されるものでなく、ディスクミル、ボールミル、ビーズミルなどを用いて行えばよい。なお、活性炭の体積平均粒子径は1μm以上とすることが好ましく、より好ましくは2μm以上であり、15μm以下とすることが好ましく、より好ましくは10μm以下である。平均粒子径が余りに小さいと、電極における集電板と電極材料層との結着性が悪くなり、実用的な結着性を保持するためには電極材料層に要するバインダー量が増加するおそれがある。
本発明の製造方法で得られる活性炭の比表面積は2200m2/g以上が好ましく、より好ましくは2300m2/g以上、さらに好ましくは2400m2/g以上であり、3500m2/g以下が好ましく、より好ましくは3200m2/g以下、さらに好ましくは3000m2/g以下である。ここで、本発明において比表面積とは、活性炭の窒素吸着等温線を測定するBET法により求められる値である。
本発明の製造方法で得られる活性炭の1nm以上2nm以下の細孔径範囲における細孔容積は0.35cm3/g以上が好ましく、より好ましくは0.45cm3/g以上であり、1.0cm3/g以下が好ましく、より好ましくは0.95cm3/g以下である。ここで、本発明において細孔容積とは、相対圧P/P0(P:吸着平衡にある吸着質の気体の圧力、P0:吸着温度における吸着質の飽和蒸気圧)が0.99までの窒素吸着量を測定するMP法により求められる値である。
本発明の製造方法により得られる活性炭は、電気二重層キャパシタ用電極材料として用いることができ、当該電極材料を使用して、電気二重層キャパシタ用電極や電気二重層キャパシタを製造することが可能である。本発明の製造方法によれば、不純物が少なく、かつ、高比表面積を有し、1nm以上2nm以下の細孔径範囲における細孔容積が大きい活性炭が得られる。この活性炭を電極材料に用いれば、静電容量が大きく、内部抵抗が低く、かつ、充電後の電極膨張率が小さい電気二重層キャパシタが得られる。
次に、本発明の電気二重層キャパシタについて説明する。本発明の電気二重層キャパシタは、前記の製造方法により得られた活性炭を電極構成材料に用いたことを特徴とする。
電気二重層キャパシタ用電極としては、例えば、活性炭、導電性付与剤およびバインダーを混練し、さらに溶媒を添加してペーストを調製し、このペーストをアルミ箔などの集電板に塗布した後、溶媒を乾燥除去したものが挙げられる。
前記電気二重層キャパシタ用電極に使用されるバインダーとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系高分子化合物や、カルボキシメチルセルロース、スチレン−ブタジエンゴム、石油ピッチ、フェノール樹脂などを使用できる。また、導電性付与剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどを使用できる。
電気二重層キャパシタは、一般的には、電極、電解液、およびセパレータを主要構成とし、一対の電極間にセパレータを配置した構造となっている。前記電解液としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの有機溶剤に、アミジン塩を溶解した電解液;過塩素酸の4級アンモニウム塩を溶解した電解液;4級アンモニウムやリチウムなどのアルカリ金属の四フッ化ホウ素塩や六フッ化リン塩を溶解した電解液;4級ホスホニウム塩を溶解した電解液などが挙げられる。また、前記セパレータとしては、例えば、セルロース、ガラス繊維、または、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンを主成分とした不織布、クロス、微孔フィルムが挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
評価方法
比表面積、細孔容積
活性炭0.2gを300℃にて真空加熱した後、窒素吸着装置(日本ベル社製、「BELSORP−max」)を用いて、吸着等温線を求め、BET法により比表面積を算出した。また、活性炭に形成された細孔の形状をスリット状と仮定し、MP法により細孔径分布を算出し、細孔容積を求めた。
静電容量、内部抵抗、電極膨張率
充放電装置(楠本化成社製、「ETAC(登録商標) Ver.4.4」)の充放電端子を電気二重層キャパシタの集電板に接続し、集電板間電圧が2.5Vになるまで40mAの定電流充電を行い、続けて、2.5Vの定電圧で30分間充電を行った。充電後、定電流(放電電流10mA)で電気二重層キャパシタの放電を行った。このとき、集電板間電圧がV1、V2となるまでに要した放電時間t1、t2を測定し、下記式(1)を用いて静電容量を求めた。得られた静電容量を、キャパシタ用電極における電極材料層中の活性炭質量で除することにより質量基準静電容量(F/g)算出した。また、下記式(2)を用いて内部抵抗を求めた。なお、静電容量および内部抵抗の測定は、25℃および−30℃の温度下で行った。電気二重層キャパシタについて、電圧を印加する前と、印加した後の電極厚みの変化から、膨張率を求めた。

I:10(mA)
t1:電気二重層キャパシタ電圧がV1となるまでに要した放電時間(sec)
t2:電気二重層キャパシタ電圧がV2となるまでに要した放電時間(sec)
V0:2.5(V)
V1:2.0(V)
V2:1.0(V)
1.活性炭の製造方法
製造例1
無灰炭100質量部、水酸化カリウム400質量部(水酸化カリウム/無灰炭(質量比)=4)を混合し、当該混合物を窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minで800℃まで加熱し、800℃で2時間熱処理し、アルカリ賦活を行った。
得られた賦活物とカリウム成分の混合物に、水と塩酸を加え、100℃で2時間加熱後、賦活物を濾取することにより塩酸洗浄を行った。その後、塩酸洗浄を終えた賦活物に水を加え、100℃に加熱して2時間煮沸した後、賦活物を濾取することにより温水洗浄を行った。同様の操作を繰り返してろ液のpHが6以上になるまで温水洗浄を行った。塩酸洗浄1回と温水洗浄を経た賦活物を、110℃で2時間乾燥した。乾燥後の賦活物を、ボールミルで粉砕し、平均粒子径が3μmとなるように調整し、活性炭を得た。
製造例2
無灰炭を、窒素雰囲気中、500℃で7分間熱処理し、無灰炭熱処理物を得た。得られた無灰炭熱処理物100質量部に対して水酸化カリウム400質量部を混合し、当該混合物を窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minで800℃まで加熱し、800℃で2時間熱処理し、アルカリ賦活を行った。得られた賦活物とカリウム成分の混合物について、製造例1と同様に塩酸洗浄、温水洗浄、乾燥、粉砕を行い、平均粒子径3μmの活性炭を得た。
製造例3〜6
無灰炭の熱処理温度を表1に示す温度に変更したこと以外は製造例2と同様にして活性炭を得た。
2.電気二重層キャパシタの製造
上記製造例1〜6で得られた活性炭を用いて電気二重層キャパシタを製造した。具体的には、活性炭に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末とアセチレンブラックとを、活性炭:PTFE:アセチレンブラック=8:1:1(質量比)になるように混合し、これをプレス成形してキャパシタ用電極を作成した。
得られたキャパシタ用電極を真空条件下、200℃、1時間の条件で乾燥した後、窒素ガスを流通させたグローブボックス内で電解液(1Mテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートのプロピレンカーボネート溶液)を電極に真空含浸させた。この電極を使用して図3に示すように電気二重層キャパシタを組み立てた。図3に示す電気二重層キャパシタは、前記電解液を含浸させたセパレータ(Celgard社製、「セルガード(登録商標)#3501」)1を前記キャパシタ用電極2で挟み、電極をOリング3で囲繞した後、さらに集電板としてのアルミニウム板4で挟んで作成した。
製造例1〜6で得られた活性炭の評価結果および、これらの活性炭を用いて製造した電気二重層キャパシタについての評価結果を表1に示した。また、製造例1〜6で得られた活性炭の細孔径分布を図1、図2に示した。なお、細孔径分布図において、縦軸はlog微分細孔容積dV/dlogD(cm3/g)(Vは細孔容積)、横軸は細孔径D(nm)である。
製造例1〜4は、賦活原料として、熱処理していない無灰炭(製造例1)または無灰炭を800℃未満で熱処理した無灰炭熱処理物(製造例2〜4)を用いた場合である。これらの場合、得られた活性炭の比表面積は2450m2/gと高い値となり、かつ、細孔径分布の1nm以上2nm以下の細孔径範囲における細孔容積が0.38cm3/g以上と大きかった。これに対して、賦活原料として、無灰炭を800℃以上で熱処理した無灰炭熱処理物を用いた場合、比表面積は1820m2/g以下と低い値であり、細孔径分布の1nm以上2nm以下の細孔径範囲における細孔容積が0.20cm3/g以下と小さい値であった。
上記製造例1〜4の活性炭を用いた電気二重層キャパシタでは、製造例5,6の活性炭を用いた場合に比べて、静電容量が大きく、かつ、内部抵抗が低くなり、さらに、充電時の電極膨張率が低減していることがわかる。
本発明は、電気二重層キャパシタに適した細孔径分布を有し、かつ、高比表面積を有する活性炭の製造に有用である。
1:セパレータ、2:キャパシタ用電極、3:Oリング、4:アルミニウム板、5:ポリテトラフルオロエチレン板、6:ステンレス鋼板

Claims (6)

  1. 無灰炭を、不活性雰囲気下800℃未満の温度で熱処理した後で、または、該熱処理をしないで、アルカリ賦活剤と混合し600℃以上950℃以下の温度で賦活処理することを特徴とする活性炭の製造方法。
  2. 前記アルカリ賦活剤の使用量が、前記無灰炭および/または無灰炭熱処理物の合計100質量部に対して150質量部以上550質量部以下である請求項1に記載の活性炭の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法により得られたことを特徴とする活性炭。
  4. 請求項3に記載の活性炭を含有することを特徴とする電気二重層キャパシタ用電極材料。
  5. 請求項4に記載の電極材料を用いたことを特徴とする電気二重層キャパシタ用電極。
  6. 請求項5に記載の電極を用いたことを特徴とする電気二重層キャパシタ。
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