JP3406385B2 - 食品の着色方法 - Google Patents

食品の着色方法

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JP3406385B2 JP14961494A JP14961494A JP3406385B2 JP 3406385 B2 JP3406385 B2 JP 3406385B2 JP 14961494 A JP14961494 A JP 14961494A JP 14961494 A JP14961494 A JP 14961494A JP 3406385 B2 JP3406385 B2 JP 3406385B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、クマツヅラ科クサギ属
植物より抽出し、その抽出色素中の成分の組成がトリコ
トミン70%(重量、以下同じ)以上、クロロフィル、
ポリフェノール等のその他色素成分の組成を30%以下
としたクサギ青色素を用いて、食品を鮮明かつ安定な青
色、緑色、紫色、黒色に着色する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】青色素としては、その製造上の素材の区
別から、合成系のものと天然系のものに分かれる。合成
系の青色素としては、現在、日本では食用青色1号と食
用青色2号が使用されている。一方、天然系の青色素と
しては、アカネ科クチナシ植物の果実由来のクチナシ青
色素、ユレモ科スピルリナ由来のスピルリナ青色素があ
る。 【0003】近年、食品の色素としては消費者の安全性
に対する意識の向上等より、合成系の青色素にとって替
わり、現在は天然由来の青色素が主流を占めるようにな
っている。ところが、天然由来のクチナシ青色素は色調
が暗く、スピルリナ青色素は耐熱・耐光性に劣っている
ばかりでなく、水産練り製品等に使用した際、着色部と
無着色部の境がぼやける色流れ現象がおこり食品への使
用が大きく制限されている。クサギ青色素は、これらの
問題点を解決することが期待できる鮮明な青色を呈し、
耐熱・耐光性に優れた色素である。既にクサギ青色素を
用いて食品を着色する方法として、酸性食品の青色又は
緑色着色法(特開昭57-144960)及び中性食品の着色法(特
開平4-175283)が知られている。 【0004】しかしながら、この方法により得られたク
サギ青色素またはクサギ青色素と他の食用色素を用いて
調製された色素製剤は食用青色1号、食用青色2号、ス
ピルリナ青色素及びクチナシ青色素等の青色素、または
これらの青色素と他の食用色素との製剤に比べて耐熱性
および耐光性は優れているが、保管中において、また添
加した食品の加熱処理等の食品製造工程中及び添加した
食品等において色相が黄味に変化し、色調が暗くなっ
た。また上記クサギ青色素またはクサギ青色素と他の食
用色素を用いて調製された色素製剤は、保管中に経時的
に沈澱物が生じると共に不快臭の発生が認められクサギ
青色素としての商品価値が著しく低下するという欠点が
ある。さらに、飲料等の一部食品においても沈澱物が認
められ、商品価値が著しく低下した。以上のような欠点
の為、これまで工業的に使用された例はほとんどなく、
食品を鮮明かつ安定な青色、緑色、紫色、黒色に安定に
着色することはできなかった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は食品に異味異
臭を与えることなく、食品を鮮明かつ安定な青色に着色
する方法を提供することを目的とし、さらにその青色素
をもとに鮮明かつ安定に食品を緑色、紫色、及び黒色に
着色する方法を提供することを目的とする。 【0006】 【発明を解決するための手段】発明者らは上記課題を達
成するため、これまで工業的には使用できていなかった
クサギ青色素に着目し、クサギ青色素の保管中や添加し
た食品の製造工程中及び添加した食品の保管中に生じる
問題点を検討し、種々の改良を試みたところ、クサギ属
植物からの抽出色素に含まれる全色素成分のうち、トリ
コトミンの成分比を70%以上とし、他の色素成分、た
とえばクロロフィルやポリフェノール等の成分比を30
%以下とすることですべての問題を解決でき、課題を達
成できることを見い出した。従来は、上記の問題はクサ
ギ属植物由来の青色素に固有の問題であり、解決は困難
であると考えられていたが、トリコトミンの成分比が重
要なポイントであり、このことはこれまで知られていな
かった。 【0007】本発明でクマツヅラ科クサギ属植物とはク
サギ、アマクサギ等のクマツヅラ科クサギ属に属する植
物、またはこれらより得られた培養細胞をいう。 【0008】 本発明にかかるクサギ青色素は、たと
えば次のような工程で得ることができる。すなわち、ま
ずクサギ属植物の果実皮質またはクサギ属植物の培養細
胞を、室温または微加熱下で水、エタノールまたはメタ
ノールから選ばれる1種または2種以上の抽出液1に浸
漬する。その濾液または濾液を濃縮乾固したものを水、
エタノールまたはメタノールから選ばれる1種または2
種以上の抽出液2に溶解し、この溶液を酸性白土、活性
白土等の吸着濾過助剤から選ばれる1種または2種以上
を用いて清澄濾過し、クロロフィル等の他の色素成分を
減少させる。このとき系は酸性が好ましく、pH4以下
がさらに好ましい。次に、さらに吸着樹脂、イオン交換
樹脂、限外濾過膜、逆浸透膜等からなる群の1種または
2種以上を用いて精製処理をし、クロロフィルやポリフ
ェノール等の他の色素を減少させ、色素成分中のトリコ
トミンの組成が少なくとも70%以上、その他の色素成
分の組成が30%以下である目的のクサギ青色素を得
る。 【0009】抽出液1、2の水の含量は任意であるが、
より好ましくは20〜80%、さらに好ましくは40〜
50%が良い。本発明に使用できる吸着樹脂は、オルガ
ノ株式会社のアンバーライトXAD−2、アンバーライ
トXAD−4、アンバーライトXAD−7、アンバーラ
イトXAD−8、三菱化成工業株式会社のダイヤイオン
HP−10、ダイヤイオンHP−20、ダイヤイオンH
P−21、ダイヤイオンHP−40等が挙げられ、イオ
ン交換樹脂は三菱化成工業株式会社のダイヤイオンSK
−1B、ダイヤイオンSK−102、ダイヤイオンSK
−104、ダイヤイオンSK−106等が挙げられる。 【0010】クサギ属植物の培養細胞は、たとえば特開
昭62−83892号に開示されている技術によって得
られるが、特に限定はされない。以上のようにして色素
成分中トリコトミンの組成が70%以上、他の色素成分
が30%以下であるクサギ青色素が得られるが、トリコ
トミンは必ず70%以上でなければならない。以下に実
験例として示すが、トリコトミンが70%未満である
と、従来からの問題でありかつそのためにクサギ青色素
が工業的に使用できなかった原因である、保管中・添加
した食品の製造工程中・添加した食品の保管中での色調
が変化したり、沈殿が生じたり、異臭が発生したりとい
った問題が発生した。 【0011】一方、本発明で得られた青色素を用いるこ
とで、鮮明かつ安定な緑色、紫色、黒色の色素製剤を調
製することもできる。すなわち、本発明により得られた
クサギ青色素に黄色素を混合すれば緑色素が得られ、赤
色素を混合すれば紫色素が得られ、黄色素と赤色素とを
混合すれば黒色素が得られる。それぞれの混合割合は、
緑色、紫色、黒色の色調、彩度等の希望に応じ任意のも
のが採用される。 【0012】従来クサギ青色素を含んだ色素製剤は保管
中・添加した食品の製造工程中・添加した食品の保管中
に色調が変化したり、沈殿が生じたり、異臭が発生した
りといった問題があったが、本発明にかかるクサギ青色
素を用いることでそうした問題の生じない安定した色素
製剤となった。 【0013】ここで適用される黄色素としては、食用黄
色4号、食用黄色5号、ウコン色素、ベニバナ黄色素、
紅麹黄色素、クチナシ黄色素をはじめとするカロチノイ
ド系、リボフラビン及びその誘導体等が、赤色素として
は、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色40号、食
用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105
号、食用赤色106号、クチナシ赤色素、紅麹色素、ベ
ニバナ赤色素、ビートレッド、コチニール色素をはじめ
とするアントラキノン系、赤キャベツ色素をはじめとす
るアントシアニン系、シコン色素をはじめとするナフト
キノン系等がある。 【0014】以上のように、本発明により、鮮明な青
色、緑色、紫色及び黒色を呈し、保管中・添加した食品
の加熱処理等の食品製造工程中・添加した食品の保管中
等において色調が変化したり、沈殿が生じたり、異臭が
発生したりすることのないクサギ青色素及びクサギ青色
素製剤を得た。以下、実験例及び実施例にて本発明をさ
らに詳細に説明する。 【0015】 【実施例】 実験例1 クサギ成熟果実100gに50%エタノール2Lを添加
し、室温下、48時間抽出後、ろ過してクサギ抽出液
1.8Lを得た。その後、このクサギ抽出液を減圧下、
40℃の下で濃縮してクサギ青色素A50gを得た。次
にクサギ青色素A50gを50%エタノール1Lに再溶
解して硫酸でpHを3.0に調整し、酸性白土20gを
添加し室温で2時間攪拌した後、ろ過した。次に活性化
したイオン交換樹脂ダイヤイオンSK−1B100ml
に1時間で通液させた。さらに限外ろ過膜(UF膜、1
0万カット)を通過させた後、減圧濃縮しクサギ青色素
Bを得た。次にクサギ青色素A及びクサギ青色素BをH
PLC(日本分光製HPLC装置880シリーズ)にて
分析した。カラムはNucleosil5C18(φ
4.6mm×250mm)を用い、移動相として75%エタ
ノール、流速1ml/minにて色素を溶出させ、検出
波長は254nmおよび660nmで行った。その結
果、成分組成はクサギ青色素Bがトリコトミン72%、
その他の色素28%、クサギ青色素Aがそれぞれ25
%、75%であった。 【0016】また、クサギ青色素Aとクサギ青色素Bを
用いて同一濃度感に水道水を着色し、色調を測定し、そ
の結果を表1に示した。色調は、スガ試験機製のカラー
コンピューター SM−3でハンター表色系(Lab
系)の3刺激値を求め、彩度(chroma)、色相
(hue)を透過光にて測定した。また、38℃恒温室
にて60日間保管後の色素の色調(L3a3b3)及び
5℃の冷蔵庫にて120日間保管後の色調(L2a2b
2)について、保管前の色調(L1a1b1)との色差
(△E)を求めた。色調(θ)はθが0〜90度のと
き、値が大きいほど黄味を表し、小さいほど赤味を表
す。また色調(θ)はθが270〜360度のとき、値
が大きいほど赤味を表し、小さいほど紫味を表す。色差
(△E)は、2つの色調の差が大きくなればなるほど値
は大きくなり、色調が異なってくることを示している。 【0017】表1に示したように、クサギ青色素Bは、
鮮明な青色を呈し、38℃恒温室にて60日間保管後及
び冷蔵庫にて120日間保管後の色調もほとんど変化し
なかった。それに対してクサギ青色素Aは冷蔵庫にて1
20日間保管においては、色調にほとんど変化は認めら
れなっかたが、38℃恒温室にて60日間保管後におい
ては明度(L値)が低下し、色相も黄味に変化した。ク
サギ青色素Aは従来のクサギ青色素にあたり、クサギ青
色素Bは本発明にかかるクサギ青色素にあたる。 【0018】 【表1】 【0019】実験例2 クサギ果実の乾燥物1Kgに50%エタノール1.2L
を添加し、室温下、3日間抽出後、遠心分離してクサギ
抽出液1Kgを得た。次にこの色素を表2に示す各種の
精製処理を行い、減圧濃縮しクサギ青色素を得た。得ら
れたそれぞれのクサギ青色素を38℃恒温室にて60日
間保管し、保管後の沈澱物及び臭気を官能評価した。 【0020】 【表2】 【0021】表2より、クサギ抽出液の精製方法は吸着
濾過助剤、吸着樹脂、イオン交換樹脂、限外濾過膜、逆
浸透膜を組み合わせて行うことによって沈殿物及び臭気
のないクサギ青色素が得られることが分かった。 【0022】実験例3 実験例1と同様にして、クサギ青色素A、Bを得、これ
を分取HPLCを用いて、トリコトミンのみの分画とそ
れ以外の分画とに分けた。これを用い、トリコトミンの
全色素成分中の組成比を変え、38℃の恒温室で60日
間保管し、保管後の沈殿物、臭気及び色相を官能評価し
た。その結果を表3に示した。 【0023】 【表3】 【0024】実施例1 クマツヅラ科クサギの果実皮質の乾燥物1Kgを常温の
80%エタノール3Lに浸漬し、1時間放置して得た清
浄な青色抽出液2Lを清澄濾過、減圧濃縮しクサギ青色
素C250gを得た。得られたクサギ青色素Cを50%
エタノールに溶解し活性白土20gを添加して清澄濾
過、さらに吸着樹脂のアンバーライトXAD−2(20
0ml)及び逆浸透膜にて精製してクサギ青色素D15
0gを得た。次に下記処方のうち色素、フレーバー、ア
ップルコンサーブ以外のものを混合し90℃10分間加
熱殺菌し、40℃まで冷却後スターター3%添加しpH
4.5まで発酵させた。その後カードをつぶし10℃ま
で冷却しアップルコンサーブ、クサギ青色素D、フレー
バーを混合し、ミント風味のソフトヨーグルトを作っ
た。 (ミント風味 ソフトヨーグルトの処方) 牛乳 40.0 g 脱脂粉乳 7.0 g ペクチン 0.5 g ゼラチン 0.5 g アップルコンサーブ 10.0 g 水 41.8 g クサギ青色素D 0.1 g ミントフレーバー 0.07 g アップルフレーバー 0.03 g 【0025】比較例1 実施例1と同様にして、クサギ青色素Dの代わりにクサ
ギ青色素C、クチナシ青色素及び、スピルリナ青色素を
各々個々に、ほぼ同一の濃度感に合わせてミント風味の
ソフトヨーグルトを調製し、それぞれの色調を、スガ試
験機製のカラーコンピューター SM−3を用いて測定
した。また、10℃の冷蔵庫にて90日間保管後のソフ
トヨーグルトの色調を測定し、その結果を表4に示し
た。 【0026】 【表4】 【0027】表4から明らかなように、クサギ青色素D
を使用して着色したミント風味ソフトヨーグルトは、ク
サギ青色素C、クチナシ青色素及びスピルリナ青色素に
比べて、鮮明な青色を呈した。また、クサギ青色素Dを
使用して着色したソフトヨーグルトはクサギ青色素Cを
使用して着色したソフトヨーグルトに比べて90日間冷
蔵庫保管後の色調において色相変化も少なく非常に優れ
ていた。 【0028】実施例2 実施例1で得られたクサギ青色素D0.1gを無着色の
リキュール100mlに混合した後、ビンに充填し80
℃10分間殺菌してリキュール飲料を作った。 【0029】比較例2 実施例2と同様にして、クサギ青色素Dの代わりに実施
例1で得られたクサギ青色素Cをほぼ同一の濃度感に合
わせて調製したリキュール飲料とを5℃の冷蔵庫にて6
0日間保管したところ、クサギ青色素Cを使用して着色
したリキュール飲料において沈澱物及び異臭の発生が認
められたが、クサギ青色素Dを使用して着色したリキュ
ール飲料においては沈澱物及び異臭の発生は認められな
かった。 【0030】実施例3 水25g、砂糖60g、水飴40gの混合物を150℃
まで加熱溶解し、煮詰めて100gにした後、 120
℃まで冷却し、実施例1で得られたクサギ青色素D0.
02gをクエン酸0.5g、ソーダフレ‐バー0.15
gと一緒に添加し、成形後室温まで冷却してハードキャ
ンデーを作った。 【0031】比較例3 実施例3と同様にして、クサギ青色素Dの代わりに実施
例1で得られたクサギ青色素C、クチナシ青色素、スピ
ルリナ青色素及び食用青色2号を各々個別に、ほぼ同一
の濃度感に合わせてハードキャンデーを調製し、色調を
比較した。またそれぞれを3000lxの蛍光灯下、3
日間照射して耐光性を、また、35℃の恒温器で7日間
保管し耐熱性を比較し、その結果を表5に示した。 【0032】 【表5】【0033】表5より明らかなように、クサギ青色素D
を使用したハードキャンデーは、クサギ青色素C、クチ
ナシ青色素を使用して着色したハードキャンデーよりも
鮮明な青色を呈し、食用青色2号を使用したハードキャ
ンデーと比較して耐光性、耐熱性において、非常に優れ
ていた。また、クサギ青色素Cを使用して着色したハー
ドキャンデーの色相は耐熱性試験後に暗い緑青色に変化
するのに対してクサギ青色素Dを用いて着色したハード
キャンデーは鮮明な青色を維持した。また、スピルリナ
青色素を使用して着色した場合、ハードキャンデーの製
造工程中に色調変化を生じ青色に着色することができな
かった。 【0034】実施例4 クマツヅラ科クサギの果実皮質の乾燥物1Kgを常温の
80%エタノール3Lに浸漬し、1時間放置して得た清
浄な青色抽出液2Lを遠心分離、減圧濃縮しクサギ青色
素E200gを得た。その後、50%エタノールに溶解
し活性白土20gを添加して清澄濾過、さらに吸着樹脂
のアンバーライトXAD−7(200ml)及び逆浸透
膜にて精製してクサギ青色素F150gを得た。このク
サギ青色素Fとベニバナ黄色素を下記処方のように添加
し、80℃で加熱溶解後、カップに充填し、5℃、1時
間冷却しペクチンゼリーを作った。 (ペクチンゼリー(メロン)の処方) 砂糖 5 g 果糖ブドウ糖液糖 20 g ペクチン 1 g クエン酸 0.2 g メロンフレーバー 0.1 g クサギ青色素F 0.05g ベニバナ黄色素 0.05g 水 73.6 g 【0035】比較例4 実施例4と同様にして、クサギ青色素Fの代わりにクサ
ギ青色素E、クチナシ青色素、スピルリナ青色素及び食
用青色2号とベニバナ黄色素を各々個別に、ほぼ同一の
濃度感に合わせて調製したペクチンゼリーとを3000
lxの蛍光灯下、3日間照射して耐光性を、また35℃
の恒温器で7日間保管し耐熱性を比較し、その結果を表
6に示した。 【0036】 【表6】【0037】表6より明らかなように、クサギ青色素F
を使用して着色したペクチンゼリーは、クチナシ青色素
を使用して着色したペクチンゼリーよりも鮮明な緑色を
呈し、食用青色2号を使用したペクチンゼリーと比較し
て耐光性、耐熱性において非常に優れていた。また、ク
サギ青色素Eを使用して着色したペクチンゼリーの色相
は耐熱性試験後に暗い緑色に変化するのに対してクサギ
青色素Fを用いて着色したペクチンゼリーは鮮明な緑色
を維持した。スピルリナ青色素を使用して着色した場
合、ペクチンゼリーの製造工程中に色調変化を生じ緑色
に着色することができなかった。 【0038】実施例5 クマツヅラ科クサギの果実皮質より誘導した高色素生産
培養細胞を1μg/gの植物ホルモン(2,4−D)で
10Lの大量培養して得られた色素生産細胞1Kgを常
温の80%エタノール1Lに浸漬し、1時間放置して得
た清浄な青色抽出液500mlを清澄濾過、減圧濃縮し
クサギ青色素G20gを得た。その後、50%エタノー
ル100mlに溶解し活性白土2gを添加して清澄濾
過、さらに吸着樹脂のアンバーライトXAD−7(20
ml)及び逆浸透膜にて精製してクサギ青色素H1.5
gを得た。このクサギ青色素H0.1g及びクサギ青色
素H0.05gとカロチン色素0.1gを下記処方に示
した材料を練り合わせたすり身20gに添加し、残りの
すり身を蒲鉾状に成形したものに重層し、包装後、95
℃、40分蒸し、青色と緑色の蒲鉾を作った。 (蒲鉾の処方) 冷凍すけそうすり身 100 g 食塩 3 g グルタミン酸ソーダ 1 g ソルビン酸カリウム 0.2 g 馬鈴薯澱粉 10 g 砂糖 2 g 氷水 60 g 【0039】比較例5 実施例5と同様にして、クサギ青色素Hの代わりにクサ
ギ青色素G、クチナシ青色素、スピルリナ青色素、食用
青色2号およびこれらの青色素とカロチン色素との混合
色素とを各々個別に、ほぼ同一の濃度感に合わせて作成
した青色と緑色の蒲鉾とを3000lxの蛍光灯下、3
日間照射して耐光性を、また、5℃の冷蔵庫にて7日間
保管し色素の内部浸透を肉眼比較し、その結果を表7に
示した。 【0040】 【表7】【0041】表7より、スピルリナ青色素および食用青
色2号を用いて青色または緑色に着色した蒲鉾は、ほと
んど退色し蒲鉾として使用できなかった。クサギ青色素
Hを使用して調製した蒲鉾は、クチナシ青色素を使用し
た蒲鉾に対し、鮮明な青色または緑色を呈し蛍光灯によ
る耐光性においての色相変化が少ない、また色素の内部
浸透も無く非常に優れていた。また、クサギ青色素Gを
使用した蒲鉾は90℃40分間の蒸しにより黄味に変化
したのに対しクサギ青色素Hを使用した蒲鉾は鮮明な青
色及び緑色を維持した。 【0042】実施例6 実施例5で得られたクサギ青色素H75部にデキストリ
ン25部を溶解し、この液を噴霧乾燥し粉末クサギ青色
素Hを30部得た。この粉末クサギ青色素Hと粉末ベニ
バナ黄色素を混合し粉砕機により粉砕し、下記処方のよ
うに添加した。このとき原材料は40℃程度に加熱し軟
化させた。その後成形し5℃で1時間冷却してマスカッ
トチョコレートを作った。 (マスカットチョコレートの処方) ホワイトチョコレート 80 g 粉糖 10 g ココアバター 5 g 全脂粉乳 5 g マスカットオイル 0.15 g 粉末クサギ青色素H 0.02 g 粉末ベニバナ黄色素 0.2 g 【0043】比較例6 実施例6と同様にして、粉末クサギ青色素Hの代わりに
実施例5で得られたクサギ青色素Gより粉末クサギ青色
素Hと同様の方法で調製した粉末クサギ青色素G及び粉
末クチナシ青色素、粉末スピルリナ青色素と粉末ベニバ
ナ黄色素を各々個別に、ほぼ同一の濃度感に合わせて調
製したマスカットチョコレートとを3000lxの蛍光
灯下、3日間照射して耐光性を、また、35℃の恒温器
で7日間保持し耐熱性を比較し、その結果を表8に示し
た。 【0044】 【表8】【0045】表8より明らかなように、粉末クサギ青色
素Hを使用して着色したマスカットチョコレートは、粉
末クチナシ青色素を使用して着色したマスカットチョコ
レートよりも鮮やかな緑色を呈し、粉末スピルリナ青色
素と比較して耐光性、耐熱性において、非常に優れてい
た。また粉末クサギ青色素Gを用いて着色したマスカッ
トチョコレートの色相は耐熱性試験後に暗い緑色に変化
するのに対して粉末クサギ青色素Hを使用して着色した
マスカットチョコレートは鮮明な緑色を維持し、非常に
優れていた。 【0046】実施例7 下記処方のように実施例1で得られたクサギ青色素Cと
ベニバナ黄色素を原材料を加熱、混合したものに添加
し、圧延ローラーで成形、切断してペパーミント風ガム
を作った。 (ペパーミント風ガム) ガムベース 100 g 精製ブドウ糖 72 g 粉糖 100 g クエン酸 0.8 g ペパーミントフレーバー 2 g クサギ青色素D 0.2 g ベニバナ黄色素 0.8 g 【0047】比較例7 実施例7と同様にして、クサギ青色素Dの代わりに実施
例1で得られたクサギ青色素C、クチナシ青色素、スピ
ルリナ青色素とベニバナ黄色素及び銅クロロフィリンナ
トリウムを各々個別に、ほぼ同一の濃度感に合わせて調
製したペパーミント風ガムとを3000lxの蛍光灯
下、3日間照射して耐光性を、また、35℃の恒温器で
7日間保管し耐熱性を比較し、その結果を表9に示し
た。 【0048】 【表9】【0049】表9より明らかなように、クサギ青色素D
を使用して着色したペパーミント風ガムは、クチナシ青
色素を使用して着色したガムよりも鮮明な緑色を呈し、
スピルリナ青色素及び銅クロロフィリンナトリウムを使
用して着色したガムと比較して耐光性、耐熱性におい
て、非常に優れていた。また、クサギ青色素Cを用いて
着色したガムの色相は耐熱性試験後に暗い緑色に変化す
るのに対してクサギ青色素Dを使用して着色したガムは
鮮明な緑色を維持し、非常に優れていた。 【0050】実施例8 実施例4で得られたクサギ青色素Fを下記処方のように
中力粉、食塩、フレーバー、水の混合物中に0.1g添
加し、さらに、混合、圧延、切断した後、温度95℃、
15分間蒸し、麺を作った。 (麺の処方) 中力粉 100 g 食塩 0.5 g 水 30 g クサギ青色素F 0.1 g 【0051】比較例8 実施例8と同様にして、クサギ青色素Fの代わりに実施
例4で得られたクサギ青色素E、クチナシ青色素、スピ
ルリナ青色素及び食用青色2号を各々個別に、ほぼ同一
の濃度感に合わせて調製した麺とを3000lxの蛍光
灯下、3日間、照射して耐光性を、また、35℃の恒温
器で7日間保管し耐熱性を比較し、その結果を表10に
示した。 【0052】 【表10】 【0053】表10から明らかなように、クサギ青色素
Fを使用して着色した麺は、クチナシ青色素で着色した
麺に比べて鮮明な青色を呈し、食用青色2号を使用して
着色した麺に比べて、耐光性及び耐熱性において非常に
優れていた。また、クサギ青色素Eを使用した麺は95
℃15分間の蒸しにより黄味に変化したのに対しクサギ
青色素Fを使用した麺は鮮明な青色を維持し非常に優れ
ていた。スピルリナ青色素を使用して着色した場合、麺
の製造工程中に色調変化を生じ、青色に着色することが
できなかった。 【0054】実施例9 実施例5で得られたクサギ青色素Hとクチナシ黄色素を
下記処方のように添加し、練り上げた後、圧延、整形
後、約180℃、40分程度で焼機にて焼き上げハード
ビスケットを作った。 (ハードビスケットの処方) 小麦粉(強力粉) 50 g 粉糖 20 g 炭酸ナトリウム 0.25 g 炭酸アンモニウム 0.25 g ショートニング 12.5 g 全脂粉乳 0.9 g クサギ青色素H 0.1 g クチナシ黄色素 0.05 g 水で全量を100gにする 【0055】比較例9 実施例9と同様にして、クサギ青色素Hの代わりに実施
例5で得られたクサギ青色素G、クチナシ青色素、スピ
ルリナ青色素及び食用青色2号とクチナシ黄色素を各々
個別に、ほぼ同一の濃度感に合わせて調製したハードビ
スケットを3000lxの蛍光灯下、3日間、照射して
耐光性を、また、35℃の恒温器で7日間保管し耐熱性
を比較し、その結果を表11に示した。 【0056】 【表11】 【0057】表11から明らかなように、クサギ青色素
Hを使用して着色したハードビスケットは、クチナシ青
色素を使用して着色したハードビスケットに比べて、鮮
明な緑色を呈し、食用青色2号を使用して着色したハー
ドビスケットに比べて耐光性、耐熱性において非常に優
れていた。また、クサギ青色素Gを使用したハードビス
ケットは180℃40分間の焼き上げにより黄味に変化
したのに対しクサギ青色素Hを使用したハードビスケッ
トは鮮明な緑色を維持し非常に優れていた。スピルリナ
青色素を使用して着色した場合、ハードビスケットの製
造工程中に色調変化を生じ、緑色に着色することができ
なかった。 【0058】実施例10 実施例1で得られたクサギ青色素Dとベニバナ黄色素を
下記処方のように添加混合した後、90℃まで加熱しビ
ンに注入して青ジソドレッシングを作った。 (青ジソドレッシングの処方) 醸造酢 5.0 g 砂糖 3.0 g 食塩 2.6 g 醤油 5.0 g リンゴ酢 5.0 g レモン果汁 3.0 g グルタミン酸ナトリウム 0.5 g コンブエキス 1.0 g カツオエキス 1.0 g シソオイル 0.045 g リンゴ酸 0.4 g クサギ青色素D 0.2 g ベニバナ黄色素 0.05 g 水 30.25 g コーンサラダ油 40.0 g 【0059】比較例10 実施例10と同様にして、クサギ青色素Dの代わりに実
施例1で得られたクサギ青色素C及びスピルリナ青色素
とベニバナ黄色素を、各々個々に、ほぼ同一の濃度感に
合わせて調製したドレッシングとを38℃恒温室にて6
0日間及び5℃の冷蔵庫にて120日間保管し色相を比
較し、その結果を表12に示した。 【0060】 【表12】 【0061】表12から明らかなように、クサギ青色素
Dを使用して着色したドレッシングは、鮮明な緑色を呈
し、38℃恒温室にて60日間保管後及び冷蔵庫にて1
20日間保管後の色相もほとんど変化しなかった。それ
に対してクサギ青色素Cを使用して着色したドレッシン
グは冷蔵庫にて120日間保管後において、色相は若干
黄味に変化し、38℃恒温室にて60日間保管後におい
てはさらに色相が黄味に変化した。またスピルリナ青色
素を使用して着色した場合、ドレッシングの製造工程中
に色調変化を生じ、緑色に着色することができなかっ
た。 【0062】実施例11 実施例4で得られたクサギ青色素Fとベニバナ黄色素を
下記処方のように添加混合した後、殺菌、冷却後カップ
に充填し凍結させミルクキャンデー(ラクトアイス)を
得た。 (ミルクキャンデーミックス液の処方) 牛乳 50 g 砂糖 10 g 水飴(75%) 6.25 g 果糖ぶどう糖液糖(75%) 5 g 安定剤 0.2 g ミルククリームフレーバー 0.05 g メロンフレーバー 0.1 g クサギ青色素F 0.1 g ベニバナ黄色素 0.3 g 水 28.4 g 【0063】比較例11 実施例11と同様にして、クサギ青色素Fの代わりに実
施例4で得られたクサギ青色素Eとベニバナ黄色素を、
各々個々に、ほぼ同一の濃度感に合わせて調製したミル
クキャンデーとを-5℃の冷凍庫にて180日間保管し
色相を比較した。クサギ青色素Fを使用して着色したミ
ルクキャンデーは、鮮明な青色を呈し、-5℃の冷凍庫
にて180日間保管後の色相もほとんど変化しなかっ
た。それに対してクサギ青色素Eを使用して着色したミ
ルクキャンデーは冷凍庫にて180日間保管後におい
て、色相は若干黄味に変化した。 【0064】実施例12 実施例5で得られたクサギ青色素Hとベニバナ黄色素を
下記処方のように添加し、この野沢菜漬け液1Lに野沢
菜1Kgを2日間浸漬し、野沢菜漬けを作った。 (野沢菜漬け液の処方) クエン酸(無水) 5 g 食塩 200 g リンゴ酸 3 g フマル酸ナトリウム 3 g 90%酢酸 6 g コハク酸 1 g クサギ青色素H 1 g ベニバナ黄色素 0.1 g 水で全量を1Lにする 【0065】比較例12 実施例12と同様にして、クサギ青色素Hの代わりに実
施例5で得られたクサギ青色素G、クチナシ青色素、ス
ピルリナ青色素とベニバナ黄色素を、各々個々に、ほぼ
同一の濃度感に合わせて調製した野沢菜漬けとを10℃
の冷蔵庫にて90日間保管し色相を比較し、その結果を
表13に示した。 【0066】 【表13】【0067】表13より明らかなように、クサギ青色素
Hを使用して着色した野沢菜漬けは、クチナシ青色素を
使用して着色した野沢菜漬けと比較して鮮明な緑色を呈
し、10℃の冷凍庫にて90日間保管後の色相もほとん
ど変化しなかった。それに対してクサギ青色素Gを使用
して着色した野沢菜漬けは冷蔵庫にて90日間保管後に
おいて、色相は若干黄味に変化し、スピルリナ青色素を
使用して着色した野沢菜漬けは黄緑色に変化した。 【0068】実施例13 実施例1で得られたクサギ青色素Dとベニバナ黄色素を
下記処方のように添加し、水で110gにし、さらに、
煮詰めて100gにし、キウイジャムを作った。 (キウイジャムの処方) 水飴 60 g キウイペースト 15 g 杏ペースト 8 g ペクチン 2 g クエン酸(結晶) 0.15 g クサギ青色素D 0.1 g ベニバナ黄色素 0.1 g 水で全量を110gとし、煮詰めて100gとする。 【0069】比較例13 実施例13と同様にして、クサギ青色素Dの代わりに実
施例1で得られたクサギ青色素C、クチナシ青色素及び
スピルリナ青色素とベニバナ黄色素を、各々個別に、ほ
ぼ同一の濃度感に合わせて調製したキウイジャムとを透
明ビンに入れて10℃の冷蔵庫にて120日間保管し色
調を比較し、その結果を表14に示した。 【0070】 【表14】 【0071】表14より明らかなように、クサギ青色素
Dを使用して着色したキウイジャムは、クチナシ青色素
を使用して着色したキウイジャムと比較して鮮明な緑色
を呈し、10℃の冷蔵庫にて120日間保管後の色相も
ほとんど変化しなかった。それに対してクサギ青色素C
を使用して着色したキウイジャムは冷蔵庫にて120日
間保管後において、色相は若干黄味に変化し、スピルリ
ナ青色素を使用して着色したキウイジャムは黄緑色に変
化した。 【0072】実施例14 実施例4で得られたクサギ青色素Fとクチナシ黄色素を
下記処方のように添加混合し、100gまで煮つめて茎
わかめの佃煮を作った。 (茎わかめ佃煮の処方) 薄口醤油 8.0 g 醸造酢 1.0 g 果糖ブドウ糖液糖 10.0 g 上白糖 2.0 g 味りん 3.0 g 酒 5.0 g 食塩 0.1 g グルタミン酸ナトリウム 0.3 g カツオエキス 1.0 g ショウガ 0.5 g 白ごま 2.0 g 水 75.995 g クサギ青色素F 0.1 g クチナシ黄色素 0.005 g 茎わかめ 100.0 g 【0073】比較例14 実施例14と同様にして、クサギ青色素Fの代わりに実
施例4で得られたクサギ青色素E、クチナシ青色素及び
スピルリナ青色素とクチナシ黄色素を、各々個別に、ほ
ぼ同一の濃度感に合わせて調製した茎わかめの佃煮とを
10℃の冷蔵庫にて120日間保管し色相を比較し、そ
の結果を表15に示した。 【0074】 【表15】 【0075】表15より明らかなように、クサギ青色素
Fを使用して着色した茎わかめは、クチナシ青色素を使
用して着色した茎わかめと比較して鮮明な緑色を呈し、
10℃の冷蔵庫にて120日間保管後の色相もほとんど
変化しなかった。それに対してクサギ青色素Eを使用し
て着色した茎わかめは冷蔵庫にて120日間保管後にお
いて、色相は若干黄味に変化し、スピルリナ青色素を使
用して着色した茎わかめは黄緑色に変化した。 【0076】実施例15 実施例5で得られたクサギ青色素Hとクチナシ黄色素を
下記処方のように添加し、抹茶風味の団子のタレを作っ
た。 (抹茶風味の団子のタレ処方) 砂糖 10.0 g 果糖ブドウ糖液糖 20.0 g 食塩 1.0 g 抹茶 0.5 g 抹茶フレーバー 0.2 g クサギ青色素H 0.1 g クチナシ黄色素 0.02 g キサンタンガム 0.1 g 水 68.08 g 【0077】比較例15 実施例15と同様にして、クサギ青色素Hの代わりに実
施例5で得られたクサギ青色素G、及びスピルリナ青色
素とクチナシ黄色素を各々個々に、ほぼ同一の濃度感に
合わせて調製した団子のタレとを38℃の恒温室にて6
0日間及び5℃の冷蔵庫にて120日間保管し色相を比
較し、その結果を表16に示した。 【0078】 【表16】 【0079】表16から明らかなように、クサギ青色素
Hを使用して着色した抹茶風味のタレは、鮮明な緑色を
呈し、38℃恒温室にて60日間保管後及び冷蔵庫にて
120日間保管後の色相もほとんど変化しなかった。そ
れに対してクサギ青色素C及びスピルリナ青色素を使用
して着色したタレは冷蔵庫にて120日間保管後におい
て、色相は若干黄味に変化し、38℃恒温室にて60日
間保管後においてはさらに色相が黄味に変化した。 【0080】実施例16 実施例1で得られたクサギ青色素Dとウコン色素を下記
処方のように添加した後、混合しチューブに入れ85℃
10分加熱殺菌し、練りわさびを作った。 (練りわさびの処方) ホースラディシュ 24.0 g ソルビット 27.0 g 水 15.98 g 穀物酢 15.0 g グリセリン 40.0 g 食塩 3.0 g リン酸ナトリウム 0.2 g 脱脂大豆粉 5.0 g キサンタンガム 0.5 g コーンサラダ油 4.2 g ワサビオイル 0.1 g クサギ青色素D 0.1 g ウコン色素 0.02 g 【0081】比較例16 実施例16と同様にして、クサギ青色素Dの代わりに実
施例1で得られたクサギ青色素C、クチナシ青色素及び
スピルリナ青色素とウコン色素を各々個々に、ほぼ同一
の濃度感に合わせて調製した練りわさびとを38℃の恒
温室にて60日間及び5℃の冷蔵庫にて120日間保管
し色相を比較し、その結果を表17に示した。 【0082】 【表17】 【0083】表17から明らかなように、クサギ青色素
Dを使用して着色した練りわさびはクチナシ青色素を使
用して着色した練りわさびと比べ、鮮明な緑色を呈し、
38℃恒温室にて60日間保管後及び冷蔵庫にて120
日間保管後の色相もほとんど変化しなかった。それに対
してクサギ青色素C及びスピルリナ青色素を使用して着
色したわさびは冷蔵庫にて120日間保管後において、
色相変化は認められなかったが、38℃恒温室にて60
日間保管後においては色相が黄味に変化した。 【0084】実施例17 実施例6で得られた粉末クサギ青色素Hと粉末ウコン色
素を下記の処方のように添加した後、混合し、粉わさび
を作った。 (粉わさびの処方) ホースラディシュ乾燥品 10.0 g 粉末わさび 89.75 g ワサビフレーバー 0.1 g 粉末クサギ青色素H 0.1 g 粉末ウコン色素 0.05 g 【0085】比較例17 実施例17と同様にして、粉末クサギ青色素Hの代わり
に実施例5で得られたクサギ青色素Gより粉末クサギ青
色素Hと同様の方法で調製した粉末クサギ青色素G、粉
末クチナシ青色素及び、粉末スピルリナ青色素と粉末ウ
コン色素を各々個々に、ほぼ同一の濃度感に合わせて調
製した粉わさびとを38℃の恒温室にて60日間及び5
℃の冷蔵庫にて120日間保管し色相を比較し、その結
果を表18に示した。 【0086】 【表18】 【0087】表18から明らかなように、粉末クサギ青
色素Hを使用して着色した練りわさびは、粉末クチナシ
青色素を使用して着色した練りわさびと比べ、鮮明な緑
色を呈し、38℃恒温室にて60日間保管後及び冷蔵庫
にて120日間保管後の色相もほとんど変化しなかっ
た。それに対して粉末クサギ青色素G及び粉末スピルリ
ナ青色素を使用して着色したわさびは冷蔵庫にて120
日間保管後において、色相変化は認められなかったが、
38℃恒温室にて60日間保管後においては色相が黄味
に変化した。 【0088】実施例18 実施例1で得られたクサギ青色素Dを下記処方のように
添加混合した後、加熱溶解し、球形キャンデー100g
に対してシロップを20g掛け糖衣キャンデーを作っ
た。 (糖衣キャンデーシロップ処方) 砂糖 65.0 g アラビアガム液糖 2.0 g クサギ青色素D 3.0 g 水 30.0 g 【0089】比較例18 実施例18と同様にして、クサギ青色素Dの代わりに実
施例1で得られたクサギ青色素C、クチナシ青色素、ス
ピルリナ青色素を各々個別に、ほぼ同一の濃度感に合わ
せて調製した、糖衣キャンデーとを3000lxの蛍光
灯下、3日間照射して耐光性を、また、35℃の恒温器
で7日間保管し耐熱性を比較し、その結果を表19に示
した。 【0090】 【表19】 【0091】表19より明らかなように、クサギ青色素
Dを使用して着色した糖衣キャンデーは、クチナシ青色
素を使用して着色した糖衣キャンデーよりも鮮明な青色
を呈し、スピルリナ青色素と比較して耐光性、耐熱性に
おいて、優れていた。また、粉末クサギ青色素Cを用い
て着色した糖衣キャンデーの色相は耐熱性試験後に暗い
青色に変化するのに対してクサギ青色素Dを使用して着
色した糖衣キャンデーは鮮明な青色を維持し、非常に優
れていた。 【0092】実施例19 実施例4で得られたクサギ青色素Fとクチナシ黄色素を
を下記処方のように添加混合した後、エクストルーダー
にて高温(120℃)、高圧の条件下でビーンズスナッ
クを作った。 (ビーンズスナック処方) 未糊化コーンフラワー 70.0 g グリーンピース 11.2 g クサギ青色素F 0.2 g クチナシ黄色素 0.1 g 食塩 2.0 g 水 16.5 g 【0093】比較例19 実施例19と同様にして、クサギ青色素Fの代わりに実
施例4で得られたクサギ青色素E、クチナシ青色素、ス
ピルリナ青色素とクチナシ黄色素を各々個別に、ほぼ同
一の濃度感に合わせて調製した、ビーンズスナックの出
来上がりの色相を肉眼比較し、その結果を表20に示し
た。 【0094】 【表20】 【0095】表20から明らかなように、クサギ青色素
Fを使用して調製したビーンススナックは、クサギ青色
素E、クチナシ青色素、スピルリナ青色素を使用したビ
ーンズスナックに比べて、鮮明な緑色を呈し非常に優れ
ていた。 【0096】実施例20 実施例5で得られたクサギ青色素Hとクチナシ黄色素を
を下記処方のように添加混合した後、水道水0.35m
lを加え造粒機を使用し造粒後、70℃60分間通風乾
燥しふりかけを作った。 (ふりかけ処方) 粉糖 20.00 g 乳糖 65.00 g 食塩 8.00 g 調味料 6.35 g ワサビパウダー 0.15 g クサギ青色素H 0.50 g クチナシ黄色素 0.50 g 【0097】比較例20 実施例20と同様にして、クサギ青色素Hの代わりに実
施例5で得られたクサギ青色素G、クチナシ青色素、及
びスピルリナ青色素とクチナシ黄色素を各々個別に、ほ
ぼ同一の濃度感に合わせて調製した、ふりかけの出来上
がりの色相を肉眼比較し、その結果を表21に示した。 【0098】 【表21】 【0099】表21から明らかなように、クサギ青色素
Hを使用して調製したふりかけは、クサギ青色素G、ク
チナシ青色素、スピルリナ青色素を使用したふりかけに
比べて、鮮明な緑色を呈し非常に優れていた。 【0100】実施例21 実施例1で得られたクサギ青色素Dを50部をグリセリ
ン脂肪酸エステル25部、食用油脂25部の混合液に添
加し、ホモミキサーで乳化し油性クサギ青色素Dを得
た。40℃程度に加温して溶解したショートニングにこ
の油性クサギ青色素Dと油性ベニバナ黄色素を添加し、
次に粉糖、メロンオイルを添加しサンドクリーム(メロ
ン)を作成した。 (サンドクリーム(メロン)の処方) ショートニング 50 g 粉糖 49.5 g メロンオイル 0.1 g 油性クサギ青色素 0.05 g 油性ベニバナ黄色素 0.35 g 【0101】比較例21 実施例22と同様にして、油性クサギ青色素Dの代わり
に実施例1で得られたクサギ青色素Cより油性クサギ青
色素Dと同様の方法で調製した油性クサギ青色素C、油
性クチナシ青色素及び油性スピルリナ青色素と油性ベニ
バナ黄色素を各々個別に、ほぼ同一の濃度感に合わせて
調製したサンドクリームとを3000lxの蛍光灯下、
3日間照射して耐光性を、また、35℃の恒温器で7日
間保管し耐熱性を比較し、その結果を表22に示した。 【0102】 【表22】 【0103】表22より明らかなように、油性クサギ青
色素Dを使用して着色したサンドクリームは、油性クチ
ナシ青色素を使用して着色したサンドクリームよりも鮮
明な緑色を呈し、油性スピルリナ青色素を使用して着色
したサンドクリームと比較して耐光性、耐熱性におい
て、優れていた。また、油性クサギ青色素Cを用いて着
色したサンドクリームの色相は耐熱性試験後に暗い緑色
に変化するのに対して油性クサギ青色素Dを使用して着
色したサンドクリームは鮮明な緑色を維持し、非常に優
れていた。 【0104】実施例22 乾燥エンドウ豆を水に一夜漬け込み95℃30分加熱す
る。次に加熱後水にさらして実施例1で得られたクサギ
青色素Dとウコン色素を添加した2%食塩水に漬け込
む。10℃4日間漬け込んだ後水洗いし新しい2%食塩
水に着色豆を入れ85℃30分殺菌し、グリーンピース
の水煮を作った。 (グリンピース水煮の処方) 乾燥エンドウ豆 100.0 g 食塩 2.0 g クサギ青色素D 0.1 g ウコン色素 0.05 g 水 100.0 g 【0105】比較例22 実施例22と同様にして、クサギ青色素Dの代わりにク
サギ青色素C、クチナシ青色素及びスピルリナ青色素と
ウコン色素を各々個別に、ほぼ同一の濃度感に合わせて
作成したグリンピース水煮の出来上がりの色相を肉眼で
比較し、その結果を表23に示した。 【0106】 【表23】 【0107】表23から明らかなように、クサギ青色素
Dを使用して調製したグリンピース水煮は、クサギ青色
素Cを使用したグリンピース水煮に比べて、鮮明な緑色
を呈し非常に優れていた。また、クチナシ青色素及びス
ピルリナ青色素を使用してグリンピース水煮を着色する
ことはできなかった。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】クマツヅラ科クサギ属植物より抽出し、そ
    の色素成分の組成をトリコトミン70%(重量)以上と
    したクサギ青色素を用いて食品を着色する方法
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