JP3404975B2 - 車両のフロントエンド組み立て装置 - Google Patents

車両のフロントエンド組み立て装置

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JP3404975B2
JP3404975B2 JP07373495A JP7373495A JP3404975B2 JP 3404975 B2 JP3404975 B2 JP 3404975B2 JP 07373495 A JP07373495 A JP 07373495A JP 7373495 A JP7373495 A JP 7373495A JP 3404975 B2 JP3404975 B2 JP 3404975B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のフロントエンド
を構成するエンジンフード、ヘッドランプ等を組み立て
る装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車などの組み立てラインにおいて
は、予め組み立てられたラジエータコアサポート3にエ
ンジンフードやヘッドランプ等を締結によって組み付け
てフロントエンドを組み立てている。
【0003】これについて説明すると、図11、図12
に示すように、エンジンフード1は図示しないヒンジを
介して車体前方に向けて開閉可能に予め車体に取り付け
られ、この状態でフロントエンドの各種部品が組み付け
られる。
【0004】エンジンフード1はストライカ7とフード
ロック6を介して選択的に車体側に係止されるもので、
ストライカ7はエンジンフード1の図中下面に予め突設
される一方、フードロック6は車体前端部の車幅方向
(図中X方向)に設けられたラジエータコアサポート3
側に取り付けられる。
【0005】フードロック6はストライカ7と係合する
とともに、選択的に係止する係合部6Aを挟んで車幅方
向に所定の間隔で形成された取付穴61と、これら取付
穴61から所定の下方に取付穴63とを設けている。
【0006】一方、ラジエータコアサポート3の車幅方
向のほぼ中央部には車体上下方向(図中Z方向)に沿っ
てフードロック6を支持するためのブラケット30が一
体に設けられ、このブラケット30にはフードロック6
の取付穴61、61に対応する取付穴60、60と、取
付穴63に対応する基準穴62がそれぞれ形成され、フ
ードロック6の取付穴61、63をブラケット30の取
付穴60、62へ係合させてからボルト90を挿通する
ことで締結する。
【0007】ここで、フードロック6側の2つの取付穴
61はボルト90の車体上下方向及び車幅方向の相対変
位を所定の範囲で許容する一方、ラジエータコアサポー
ト3側の取付穴62はボルト90の車体上下方向の相対
変位を所定の範囲で許容する一方、車幅方向への相対変
位を規制し、例えば、取付穴61は車幅方向へ±0.5
mm、車体上下方向へ±2.0mmの相対変位を許容す
る一方、取付穴62が許容する相対変位は車幅方向へ±
0.1mm、車体上下方向へ±2.0mmとなって、ボ
ルト90によってラジエータコアサポート3側に締結さ
れるフードロック6は、ラジエータコアサポート3側の
取付穴62によって車幅方向の位置を決定され、車体上
下方向の位置は、エンジンフード1を閉鎖してストライ
カ7をフードロック6で係止した位置で決められる。
【0008】またフロントエンドを構成する部品として
のヘッドランプ5は、フェンダ2側のラジエータコアサ
ポート3にそれぞれ固設されたサイドパネル31に締結
され、ヘッドランプ5から突設されたボルト5Aをサイ
ドパネル31に形成した基準穴51及び取付穴61へそ
れぞれ挿通した後に締結され、基準穴51がボルト5A
の車幅方向及び車体上下方向の相対変位を規制してヘッ
ドランプ5を所定の位置、すなわち、エンジンフード1
との間の間隙が所定値となるように組み付けている。
【0009】フードロック6の車幅方向の位置を決定す
る基準穴62は、図12に示すように、ラジエータコア
サポート3の車幅方向の両端に形成されてフェンダ2と
ラジエータコアサポート3の位置決めを行う基準穴20
から車幅方向の所定距離Xcに形成され、この所定距離
Xcに応じてフードロック6が車両のフロントエンドに
組み付けられる。
【0010】また、エンジンフード1とラジエータコア
サポート3との間には、図7に示すように、ゴム等の弾
性体で構成された緩衝部材としてのバンパーラバー8が
介装される。
【0011】そして、ストライカ7がフードロック6に
係止されるエンジンフード1の閉鎖位置では、バンパー
ラバー8の反力F1に抗してエンジンフード1はフード
ロック6によって図中下方へ所定量Z3だけバンパーラ
バー8を押圧する位置で係止されるため、車両走行中の
振動の発生を防止しており、このとき、フードロック6
はバンパーラバー8の反力F1に対向する所定の引き込
み力Fでエンジンフード1を係止しており、エンジンフ
ード1はこの引き込み力Fによって、図14の破線1’
に示すように、ストライカ7を設けた車幅方向の中央部
がフェンダ2、2側の両端よりも車体上下方向の下方に
向けて所定量Z3だけ変形するのである。
【0012】エンジンフード1を開放状態からフードロ
ック6で係止するには、緩衝部材に抗して押圧する力で
ある引き込み力Fが必要となり、この引き込み力Fは、
エンジンフード1の引き込み量、すなわち、緩衝部材の
変形量に応じて決定され、フードロック6の車体上下方
向の取付位置を変更することで、引き込み力Fを調整す
ることができ、このため、取付穴61、61及び基準穴
62はボルト90の車体上下方向の相対変位を所定の範
囲で許容するのである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のものでは、フードロック6の車幅方向の取付位置が
基準穴62の位置、すなわち、上記図12の所定距離X
cによって決定されるため、ラジエータコアサポート3
あるいはブラケット30の工作精度に応じて車幅方向の
位置が変動し、例えば、図13に示すように、基準穴6
2の車幅方向の位置がΔXだけずれていた場合には、ス
トライカ7を介してフードロック6に係止されるエンジ
ンフード1の前端部もこの誤差ΔXに応じてずれてしま
い、エンジンフード1の取付時に予め調整されたフェン
ダ2とエンジンフード1の左右の間隙XL、XRが不均一
になって車両の美観を損ねてしまい、このため、フロン
トエンドの組み立て終了後等に再度調整する修正工程が
必要となって、生産性を低下させてしまうという問題が
あり、さらに、エンジンフード1の引き込み力Fを常時
一定とするには、フードロック6の車体上下方向の取付
位置を車体の寸法公差に応じて調整する必要があり、組
み立て工程の後に修正工程が必要となって生産性を低下
させてしまうという問題があった。
【0014】また、フードロック6に係止されたエンジ
ンフード1の中央部は図14に示したように、所定量Z
3だけ下方へ変位するが、この所定量Z3はラジエータコ
アサポート3等の車体側の工作精度、すなわち、寸法公
差による基準穴62の形成位置やフードロック6の取付
位置に応じて変動し、ヘッドランプ5が図11に示す基
準穴51を介してサイドパネル31の所定の位置に取り
付けられた場合でも、車体内側のヘッドランプ5とエン
ジンフード1の前端の間隙Z1と、車体外側のヘッドラ
ンプ5とエンジンフード1の前端の間隙Z2が不均一と
なって車両の美観を損ねる場合があり、このため、フロ
ントエンドの組み立て終了後等に再度調整する修正工程
が必要となって、生産性を低下させてしまうという問題
があった。
【0015】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、エンジンフードまたはフロントエンドの部
品の組み付けを高精度で行って修正工程を省略可能なフ
ロントエンドの組み立て装置を提供することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、弾性部材
で形成された緩衝部材を車体側との間に介装して開閉自
在なエンジンフードを予め車体に組み付けた状態で、エ
ンジンフードに予め突設されたストライカと、このスト
ライカを介して前記エンジンフードを車体側へ選択的に
係止するフードロックを、締結手段を介して車両のフロ
ントエンドへ組み付ける装置において、前記フロントエ
ンドの所定の位置へ選択的に係止されるボディと、前記
ボディに支持されて車体上下方向へ変位可能なガイド
と、前記フードロックをストライカと係合可能な位置で
選択的に支持する係合部材と、前記ガイドに取り付けら
れて前記係合部材の車幅方向への変位を許容する案内手
段と、前記係合部材を車体下方に向けて付勢する弾性部
材とを備える。
【0017】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記係合部材が、フロントエンド部品の車体内側
下面を支持する位置決め部材を備え、前記フロントエン
ド部品は複数の締結位置を備えるとともに、前記締結位
置のうちの車幅方向の外側のひとつが車体上下方向の変
位を規制する基準位置で構成される。
【0018】また、第3の発明は、前記第2の発明にお
いて、前記フロントエンド部品が、複数の締結位置を備
えたヘッドランプで構成される。
【0019】また、第4の発明は、前記第1ないし第3
の発明のいずれかひとつにおいて、前記弾性部材は、エ
ンジンフードを閉鎖するのに要する所定の力に呼応する
引き込み力で係合部材を付勢する。
【0020】
【作用】したがって、第1の発明は、フードロックを選
択的に支持する係合部材は、ガイド及び案内手段を介し
て組み立て装置のボディに対して車体上下方向及び車幅
方向への変位を許容され、さらに弾性部材によって常時
車体下方に付勢される。
【0021】ストライカを突設したエンジンフードを車
体へ選択的に係止するフードロックを車体へ取り付ける
には、ボディを車体の所定の位置へ係止してから、スト
ライカを係合可能な位置で係合部材によってフードロッ
クを支持し、エンジンフードを閉鎖し、ストライカの取
付位置に応じて係合部材は案内手段により車幅方向へ変
位し、ストライカに応じた車幅方向の位置が設定され
る。そして、弾性部材が係合部材を車体下方へ付勢する
力と、エンジンフードと車体の間に介装された緩衝部材
の反力が釣り合う位置へ係合部材はフードロックを案内
することができ、この位置でフードロックを車体へ締結
してから、係合部材をフードロックから取り外すととも
に、ボディを車体から取り外す。フードロックの取付位
置は、車幅方向をストライカの取付位置に応じて設定さ
れるとともに、車体上下方向を弾性部材の付勢力によっ
て設定することで、車体の寸法精度の影響を抑制して、
左右のフェンダとエンジンフードの間隙を均一に保持し
ながら、係止状態のエンジンフードのたわみを常時均一
に設定することができる。
【0022】また、第2の発明は、弾性部材の付勢力に
応じてエンジンフードはたわむが、前記係合部材が、複
数の締結位置を備えたフロントエンド部品の車体内側下
面を支持することで、弾性部材によって車体下方へ変位
した位置に対応してフロントエンド部品の車体内側下面
を車体上下方向へ案内し、フロントエンド部品は車体外
側の基準位置を軸に回動して、所定の位置に係止された
エンジンフードのたわみに沿ってフロントエンド部品を
締結することができる。
【0023】また、第3の発明は、ヘッドランプを所定
の位置に係止されたエンジンフードのたわみに沿って締
結することができ、エンジンフードとヘッドランプの間
隙をほぼ均一にして、車両の美観を確保することができ
る。
【0024】また、第4の発明は、前記弾性部材は、エ
ンジンフードを閉鎖するのに要する所定の力に呼応する
引き込み力で係合部材を付勢するため、エンジンフード
の閉鎖に要する力を常時均一に設定して品質の安定を図
ることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0026】図1は前記従来例と同様のフードロック6
をラジエータコアサポート3のブラケット30へ締結す
る際に位置決めを行う組み立て装置4を示し、この組み
立て装置4は、図2に示すように、車体前端側でエンジ
ンフード1を開閉可能な車両のフロントエンドの組み立
てに適用されるもので、車体側の各部については前記従
来例と同一のものに同一の図番を付して説明を省略す
る。
【0027】組み立て装置4は車体側に係止されるボデ
イ40とフードロック6を支持する係合部材としての一
対のアーム41、41を主体にして構成されるもので、
アーム41、41はボディ40に対して後述するように
車体上下方向(図中Z方向)へ相対変位可能に支持され
るものである。
【0028】アーム41、41はほぼL字状に形成され
て、図4に示すよう、フードロック6の係合部6Aと左
右の取付穴61、61との間に形成された上端6B、6
Bと係合するための凹部41Aを図1の下方へ向けてそ
れぞれ形成するとともに、この上端6B、6Bに応じた
所定の間隔でアーム41、41は基端を連結部材42に
結合される。
【0029】連結部材42は車幅方向(図中X方向)へ
変位可能な案内手段としてのリニアガイド43を介して
ブラケット44に支持されており、さらに、このブラケ
ット44は車体上下方向へ摺動自由にボディ40で支持
されたガイド45に結合されてアーム41、41はボデ
ィ40に対して車体上下方向及び車幅方向に相対変位可
能となる。
【0030】車体上下方向に摺動自由に支持されたガイ
ド45は図1に示すように、下端45Aをボディ40の
下方へ突出するとともに、この下端45Aとボディ40
の下面との間にはガイド45を下方へ向けて付勢する弾
性部材としてのバネ46が介装され、ガイド45の下方
への変位はブラケット44がボディ40に当接すること
で規制される。
【0031】ボディ40の側方(図1の右方向)にはガ
イド45を上下方向へ駆動すべく揺動自在なレバー47
と、ほぼ水平方向で固定された固定レバー48がそれぞ
れ突設されて、作業者がレバー47及び固定レバー48
を握ることによってガイド45をバネ46に抗して車体
上下方向へ変位させることができ、レバー47を下方へ
揺動させることでガイド45は上方へ変位する一方、レ
バー47を開放することでバネ46によって付勢された
ガイド45はブラケット44で規制される所定の位置へ
復帰し、このガイド45に応じてアーム41、41は車
体上下方向に変位しながら、リニアガイド43によって
車幅方向への変位を許容される。
【0032】そして、ボディ40には車体側と係合する
ためのロケートピン49、49が車体上下方向に所定の
間隔で車体側へ向けて平行して突設される。
【0033】これらロケートピン49は所定の外径の棒
状部材で形成されており、図2に示すように、ラジエー
タコアサポート3を構成するブラケット30に形成され
たロケート穴32、32へ挿通することで、組み立て装
置4を車体側に係止するものである。
【0034】ロケート穴32、32はロケートピン4
9、49に対応して車体上下方向に所定の間隔で、か
つ、フードロック6の取付穴61に対応してブラケット
30に形成された取付穴60より所定の下方のブラケッ
ト30に形成される。
【0035】ここで、図2に示すように、フードロック
6に形成される取付穴は、3つの取付穴61のすべてが
挿通される図示しないボルトの車幅方向及び車体上下方
向の相対変位を許容する所定の内径に形成されており、
この内径は例えば、ボルトの外径に車体側の寸法公差Δ
σを加味した内径D+Δσに形成される。なお、Δσ
は、例えば、車幅方向の寸法公差ΔXと車体上下方向の
寸法公差ΔZのうち大きい方の値に設定すればよい。
【0036】そして、フードロック6の3つの取付穴6
1に対応して、ラジエータコアサポート3のブラケット
30には図示しないボルトを挿通可能な取付穴60が形
成され、ブラケット30に締結されるフードロック6は
車幅方向及び車体上下方向について所定量Δσに応じて
取付位置を変更可能となる。
【0037】以上のように構成された組み立て装置4に
よるフードロック6の組み立てについて図3〜図6を参
照しながら詳述する。
【0038】まず、図3に示すように、フードロック6
の取付穴61とブラケット30の取付穴60を係合させ
るとともに、これら取付穴60、61へボルト90を挿
通して仮止めを行い、フードロック6がエンジンフード
1のストライカ7を係止可能な位置に配設するととも
に、フードロック6と車体、すなわち、ブラケット30
の相対変位を許容する。
【0039】次に、図4に示すように、レバー47及び
固定レバー48を操作してアーム41、41を車体上方
へ変位させながら、組み立て装置4のボディ40に突設
されたロケートピン49、49をブラケット30のロケ
ート穴32、32へ挿通して組み立て装置4を車体へ係
止した後、レバー47を開放するとバネ46によって付
勢されたアーム41、41はボディ40へ向けた下方へ
変位して、凹部41Aがフードロック6の上端6Bにそ
れぞれ当接した位置で係止される。
【0040】この状態で、図5に示すように、エンジン
フード1を閉鎖してストライカ7をフードロック6で係
止する。
【0041】このとき、フードロック6はアーム41を
介してバネ46によって車体下方に付勢されるととも
に、組み立て装置4のリニアガイド43によって車幅方
向の変位を許容されるため、フードロック6は、エンジ
ンフード1のストライカ7とラジエータコアサポート3
側の車幅方向の寸法公差δXに応じて車幅方向へ変位し
た位置で、バネ46の付勢力Fと釣り合う車体上下方向
の位置に係止される。
【0042】ここで、フードロック6の車体上下方向の
位置を考えると、図7に示すように、エンジンフード1
とラジエータコアサポート3との間には緩衝部材として
のバンパラバー8が介装されており、フードロック6が
エンジンフード1を係止した状態では、バンパラバー8
の弾性に応じてフードロック6には車体上方の反力F1
が加わる。説明を簡易にするため、バンパラバー8がフ
ードロック6を挟んだ図中左右に均等に各1個づつ配設
されたと考えると、フードロック6には車体上方へ向け
た反力2F1が加わる。
【0043】いま、仮止めされたフードロック6はラジ
エータコアサポート3に対して相対変位可能であり、こ
のフードロック6はアーム41を介して組み立て装置4
のバネ46によって下方へ付勢され、この付勢力を前記
従来例と同様の引き込み力Fとすると、F=2F1とな
る位置へフードロック6は車体上下方向へ変位するので
ある。
【0044】したがって、フードロック6は、車幅方向
をストライカ7の係合位置に設定される一方、車体上下
方向の位置は、組み立て装置4のバネ46が付与する引
き込み力Fとラジエータコアサポート3とエンジンフー
ド1との間に介装されたバンパラバー8の反力2F1
釣り合う位置に設定される。
【0045】したがって、前記従来例のようにフードロ
ック6の車体上下方向の取付位置に応じてエンジンフー
ド1の引き込み力Fが設定されるのではなく、バネ46
が付与する引き込み力Fの釣り合い位置にフードロック
6を取り付けることができるのである。
【0046】こうして、フードロック6を組み立て装置
4によって所定の位置に位置決めした後に、ボルト90
の締結を行って、フードロック6をブラケット30に固
定した後、図6に示すように、エンジンフード1を再び
開放するとともに、レバー47を操作してアーム41、
41を上方へ変位させてフードロック6の上端6Bから
離して、ロケートピン49、49をロケート穴32、3
2から抜いて組み立て装置4を車体から取り外す。
【0047】このように、フードロック6をアーム41
を介してリニアガイド43で車幅方向へ相対変位可能に
支持することで、ストライカ7の取付位置を基準として
フードロック6の車幅方向の位置決めを行うことが可能
となって、図13に示した前記従来例のように、エンジ
ンフード1と左右のフェンダ2の間隙XL、XRが変動す
ることがなくなるため、車体の美観を保持するととも
に、調整工程を不要にして生産性を向上させることがで
きるのである。
【0048】そして、フードロック6をアーム41を介
してバネ6で車体下方へ向けて所定の引き込み力Fで付
勢することで、車体上下方向の寸法公差を吸収してエン
ジンフード1の引き込み力Fが常時一定となる位置へフ
ードロック6を取り付けることが可能となり、前記従来
例のようにフードロック6の取付位置に応じて引き込み
力Fが変動することがなくなって、エンジンフード1を
静的に閉鎖するのに要する力である静閉力Fsを常時一
定にして品質を安定させることが可能となり、上記車幅
方向と同様に調整作業を不要にして生産性を向上させる
ことが可能となるのである。
【0049】ここで、静閉力Fsは、エンジンフード1
を閉鎖する際に、ストライカ7をフードロック6に係合
させた位置から所定の係止位置まで徐々に変位させると
きにバンパラバー8の弾性に抗して下方へ押圧する力を
示しており、この静閉力Fsと上記引き込み力Fとの関
係は、本願出願人の実験によれば、図8に示すようにな
る。静閉力Fsはエンジンフード1の引き込み力Fに応
じて変動するもので、組み立て装置4のバネ46の引き
込み力Fを図中静閉力Fsの基準範囲内の下限に設定す
るには、引き込み力Fを予め設定したFminに設定する
だけでよく、すなわち、Fminに対応したバネ定数にバ
ネ46の設定を変更するだけでよく、この場合、エンジ
ンフード1を確実に閉鎖しながら最小の静閉力Fsとす
ることができ、エンジンフード1の操作性を向上させな
がら組み立て装置4によって安定した品質を確保するこ
とが可能となるのである。
【0050】前記従来例においては、フードロック6の
車体上下方向の取付位置が変動するため、閉静力Fsが
下限となるような位置に取り付けることができなかっ
た。これに対して、車体の寸法公差の影響を抑制して、
組み立て装置4のバネ46が付与する引き込み力Fに応
じた位置へフードロック6を安定して取り付けることが
可能となるため、任意の引き込み力Fに設定しながら、
かつ安定した品質でフードロック6の取り付けを行うこ
とができるのである。
【0051】また、組み立て装置4によってフードロッ
ク6の車幅方向と車体上下方向の位置決めをほぼ同時に
行うことができ、さらにこの位置決め作業はエンジフー
ド1の1回の閉鎖によってのみ行われるため、タクトタ
イムを短縮してさらに生産性を向上させることが可能で
ある。
【0052】図9、図10は第2の実施例を示し、前記
第1実施例における組み立て装置4のブラケット44に
車体のフロントエンドを構成する部品のひとつであるヘ
ッドランプ5の位置決めを行う支持アーム52をブラケ
ット44の側方から車幅方向の左右へ向けてそれぞれ突
設したもので、その他の構成は前記第1実施例と同様で
ある。
【0053】支持アーム52はブラケット44を介して
車体上下方向へ相対変位可能に支持され、支持アーム5
2の端部には車体上方へ向けてボス53が突設され、こ
のボス53の上面でヘッドランプ5の内側の下面を支持
する。
【0054】ここで、ヘッドランプ5には前記従来例の
図11のように車体側へ向けて複数のボルト5Aが突設
され、これらボルト5Aが挿通されるサイドパネル31
は、図2に示すように、車体外側の上部にボルト5Aの
車体上下方向の変位を規制する基準穴51が形成され、
その他はボルト5Aの車体上下方向の変位を所定の範囲
(例えば、車体側の寸法公差等に応じた範囲)で許容す
る内径を備えた取付穴50で形成される。
【0055】このヘッドランプ5の取り付けは、前記第
1実施例のフードロック6の取り付けとほぼ同時に行わ
れるもので、前記と同様に組み立て装置4をロケートピ
ン49、49でブラケット30係止し、ストライカ7を
介してエンジンフード1をフードロック6で係止した状
態で行うものである。
【0056】このフードロック6の係止状態では、上記
したように、組み立て装置4のバネ46によってエンジ
ンフード1は車体下方へ引き込まれ、ストライカ7の取
付位置に対応するエンジンフード1の中央部前端では引
き込み力Fに応じてフェンダ2側の両端に対して車体下
方へ図中Z3だけ変位する。
【0057】ここで、支持アーム52でヘッドランプ5
の車体内側の下面で支持するとともに、ヘッドランプ5
に突設されたボルト5Aを挿通する取付穴のうち車体外
側上部を車体上下方向の変位を規制する基準穴51とす
る一方、他の取付穴50でボルト5Aの変位を許容した
ため、フードロック6とともにバネ46の引き込み力F
に呼応したエンジンフード1の中央部の変位量Z3と対
応する車体上下方向の位置へ変位した支持アーム52に
車体内側の下面を支持されたヘッドランプ5は、基準穴
51を軸に回動する。
【0058】この位置でヘッドランプ5のボルト5Aを
それぞれ図示しないナットで締結することにより、エン
ジンフード1の中央部の変位量Z3に応じて、ヘッドラ
ンプ5の上面の車体内側及び外側とエンジンフード1の
前端との間隙Z1、Z2をほぼ等しく保持することがで
き、フードロック6の引き込み力Fに応じてたわむエン
ジンフード1に沿ってヘッドランプ5を取り付けること
が可能となり、前記従来例の図14のように、引き込み
力Fによるエンジンフード1のたわみによってヘッドラ
ンプ5との間隙Z1、Z2が不均一となるようなことはな
く、車両の美観を確保することで調整作業を不要にし、
前記従来例に比して生産性を向上させることが可能とな
り、このヘッドランプ5の位置決め及び組み立てはフー
ドロック6とほぼ同時に行うことができるため、位置決
め作業の工数を簡素にして組み立て工程のタクトタイム
を低減することが可能となるのである。
【0059】なお、上記実施例において、フードロック
6とラジエータコアサポート3のブラケット30との締
結は、それぞれに形成した取付穴61、60へボルト9
0を挿通して図示しないボルトによって行われたが、フ
ードロック6あるいはブラケット30のどちらか一方か
らボルトを突設し、他方に取付穴を形成してもよい。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明は、フー
ドロックの取付位置は、車幅方向をストライカの取付位
置に応じて設定するとともに、車体上下方向を弾性部材
の付勢力によって設定することで、車体の寸法精度の影
響を抑制して、左右のフェンダとエンジンフードの間隙
を均一に保持しながら、係止状態のエンジンフードのた
わみを常時均一に設定することができ、前記従来例のよ
うな修正工程を不要にして生産性を向上させることが可
能となって、さらに、車幅方向及び車体上下方向の位置
決めをほぼ同時に行うことでタクトタイムを低減するこ
とができる。
【0061】また、第2の発明は、フロントエンド部品
を車体外側の基準位置を軸に回動させて、フードロック
の取付位置で係止されたエンジンフードのたわみに沿っ
て締結することができ、エンジンフードとフロントエン
ド部品の間隙をほぼ均一に保持して車両の美観を確保し
て、修正工程を不要にすることでき、生産性の向上が可
能となる。
【0062】また、第3の発明は、ヘッドランプを所定
の位置に係止されたエンジンフードのたわみに沿って締
結することができ、エンジンフードとヘッドランプの間
隙をほぼ均一にして、車両の美観を確保して前記従来例
のような修正工程を不要にすることができ、生産性の向
上が可能となる。
【0063】また、第4の発明は、エンジンフードの閉
鎖に要する力を常時均一に設定できるとともに、任意の
力に設定することができ、均一な品質を確保して修正工
程を不要とし、生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す組み立て装置の斜視図。
【図2】同じくフードロックの取付穴を示す車両の斜視
図。
【図3】フードロックの仮止めの様子を示す斜視図。
【図4】組み立て装置の取り付けの様子を示す斜視図。
【図5】フードロックの位置決めの様子を示す斜視図。
【図6】フードロックの締結終了の様子を示す斜視図。
【図7】係止状態のフードロックに加わる力を示す概念
図。
【図8】フード引き込み力Fと静閉力Fsの関係を示す
グラフ。
【図9】第2実施例を示す組み立て装置の要部斜視図。
【図10】ヘッドライトの組み立ての様子を示す斜視
図。
【図11】従来例を示すフロントエンドの斜視図。
【図12】フードロックの基準穴を示すフロントエンド
の斜視図。
【図13】エンジンフードとフェンダの関係を示すフロ
ントエンドの概略断面図。
【図14】引き込まれたエンジンフードとヘッドライト
の関係を示す斜視図。
【符号の説明】
1 エンジンフード 2 フェンダ 3 ラジエータコアサポート 4 組み立て装置 5 ヘッドライト 6 フードロック 7 ストライカ 8 バンプラバー 30 ブラケット 31 サイドパネル 32 ロケート穴 40 ボディ 41 アーム 42 連結部材 43 リニアガイド 44 ブラケット 45 ガイド 46 バネ 47 レバー 49 ロケートピン 50 取付穴 52 支持アーム 53 ボス 60、61 取付穴 62、63 基準穴
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−139349(JP,A) 特開 平3−284433(JP,A) 実開 平7−8178(JP,U) 実開 平5−61187(JP,U) 実開 平5−589(JP,U) 実開 平4−2536(JP,U) 実開 平3−24481(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 65/06 B23P 19/00 304

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性部材で形成された緩衝部材を車体側
    との間に介装して開閉自在なエンジンフードを予め車体
    に組み付けた状態で、エンジンフードに予め突設された
    ストライカと、このストライカを介して前記エンジンフ
    ードを車体側へ選択的に係止するフードロックを、締結
    手段を介して車両のフロントエンドへ組み付ける装置に
    おいて、前記フロントエンドの所定の位置へ選択的に係
    止されるボディと、前記ボディに支持されて車体上下方
    向へ変位可能なガイドと、前記フードロックをストライ
    カと係合可能な位置で選択的に支持する係合部材と、前
    記ガイドに取り付けられて前記係合部材の車幅方向への
    変位を許容する案内手段と、前記係合部材を車体下方に
    向けて付勢する弾性部材とを備えたことを特徴とする車
    両のフロントエンド組み立て装置。
  2. 【請求項2】 前記係合部材が、フロントエンド部品の
    車体内側下面を支持する位置決め部材を備え、前記フロ
    ントエンド部品は複数の締結位置を備えるとともに、前
    記締結位置のうちの車幅方向の外側のひとつが車体上下
    方向の変位を規制する基準位置で構成されたことを特徴
    とする請求項1に記載の車両のフロントエンド組み立て
    装置。
  3. 【請求項3】 前記フロントエンド部品が、複数の締結
    位置を備えたヘッドランプで構成されたことを特徴とす
    る請求項2に記載のフロントエンド組み立て装置。
  4. 【請求項4】 前記弾性部材は、エンジンフードを閉鎖
    するのに要する所定の力に呼応する引き込み力で係合部
    材を付勢することを特徴とする請求項1ないし請求項3
    のいずれかひとつに記載のフロントエンド組み立て装
    置。
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