JP3404478B2 - 肉類含有食品 - Google Patents
肉類含有食品Info
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Description
する。さらに詳細には、肉汁を豊富に備えた柔らかい食
感の肉類を含み、肉の強い風味を有する肉類含有食品に
関する。
ど、具材として肉類を含んでなる加工食品が製造販売さ
れている。上記加工食品に含まれている肉類は、一般に
熱水に浸漬してボイル処理を施すことが行われている。
これによって、肉類からあくと生臭さを除去することが
でき、加工食品の具材として品質の優れた肉類が得られ
る。
熱によって収縮し、肉類に含まれている肉汁が流出す
る。そのため、従来のボイル処理済み肉類は、肉のうま
みが低減し、硬い食感になる傾向にあった。なお、ボイ
ル処理を長時間行うことによって、肉類を柔らかくする
方法も知られているが、この方法によれば、肉類の繊維
が崩れやすくなる傾向にあった。そのため、例えば常温
流通を前提としてレトルト殺菌処理を施した加工食品
に、長時間ボイル処理を行った肉類を具材として用いた
場合には、上記レトルト殺菌処理時に肉類に崩れが発生
するという問題もあった。
として、畜肉を、クエン酸ナトリウムの水溶液に一定時
間接触させ、クエン酸ナトリウムを肉中に浸透させた後
ボイル処理することにより、ボイル時の肉の収縮を抑制
して、肉汁性を良好にすることができるボイル肉の食感
改善方法に関する発明を出願した(特許第267549
7号)。
の柔らかいボイル肉を得ることが可能となったが、本発
明者は、上記特許発明によって得られるボイル肉よりも
さらに食感の優れたボイル肉を含むとともに、肉の強い
風味を有する肉類含有食品を提供するために研究を行っ
た。
従来技術によって得られたボイル肉よりも多量の肉汁を
保持した柔らかい食感の肉類を含み、しかも肉の強い風
味を有する肉類含有食品を提供することにある。
を達成するために、上記特許発明で使用したクエン酸ナ
トリウム水溶液に着目し研究を重ねた。その結果、クエ
ン酸ナトリウムとクエン酸ナトリウム以外の塩を含む水
溶液を肉類に接触させて上記水溶液を浸透させた場合
に、上記特許発明によるボイル肉の食感よりもさらに食
感の柔らかい肉類が得られることと、肉類を接触させた
後の上記水溶液を添加することにより、肉の強い風味が
付与された肉類含有食品が得られることを見出した。
びクエン酸ナトリウム以外の塩を含む水溶液に接触させ
てクエン酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウム以外の塩
を浸透させたボイル処理済み肉類と、上記肉類を接触さ
せた後の上記水溶液とを添加してなることを特徴とする
肉類含有食品である。
本発明において、肉類とは、牛肉、豚肉、馬肉などの畜
肉、鶏肉などの家禽肉、さらには魚肉など、食用に適す
る動物肉であればよく、特に制限されない。上記肉類
は、通常、生の状態のものを使用するが、冷凍状態にあ
ったものを解凍又は半解凍した状態で使用してもよい。
また、上記肉類は、あらかじめ適宜の大きさにカット処
理したものを使用することが好ましい。
ム及びクエン酸ナトリウム以外の塩(以下、塩類と略称
する)を含む水溶液に接触させ、上記水溶液中に含まれ
るクエン酸ナトリウム及び塩類を上記肉類に浸透させる
ことと、上記肉類と接触させた後の水溶液を肉類含有食
品に添加することが重要である。これによって、従来技
術で得られるボイル肉よりも多量の肉汁を保持した食感
のやわらかい肉類を含み、肉の強い風味を有する肉類含
有食品が得られる。
類を含んでいればよいが、以下に記載の量のクエン酸ナ
トリウム及び塩類を含む水溶液を用いることによって、
肉類の食感改善効果をさらに向上させることができる。
すなわち、上記クエン酸ナトリウムは、上記水溶液の全
量に対して0.1重量%〜10重量%、さらには0.3
重量%〜3重量%である。また、上記塩類は、水溶液の
全量に対して0.5重量%〜2重量%、さらには1.0
重量%〜1.5重量%である。
を得る上で、上記水溶液中のクエン酸ナトリウム又は塩
類の量が上記範囲に限定されることはないが、多量に添
加すればよいというものではない。つまり、水溶液中の
クエン酸ナトリウム又は塩類を多量に添加したとして
も、その量に比例して、さらに高い食感改善効果を奏す
るという傾向は見られないからである。また、肉類の風
味に関しては、クエン酸ナトリウムの含有量が多くなる
ほど、肉類、又は肉類を含んでなる食品の風味がアルカ
リ臭の強いものとなる傾向にある。
酸ナトリウム以外の塩類であって、例えば塩化ナトリウ
ム、塩化カルシウムなど、食品に使用することが認めら
れている水溶性のものであればよく、その種類が制限さ
れるわけではない。なお本発明では、よりイオン強度が
高い塩類を用いることによって、ボイル処理後の肉類の
食感改善効果を高めることができる。
液を用いて肉類を処理する工程について説明する。ま
ず、上記肉類と上記水溶液とを接触させる。この接触
は、肉類にボイル処理を施す工程以前に行えばよく、そ
の方法として、例えば以下が挙げられる。すなわち、上
記水溶液に肉類を一定時間予備浸漬し、次いで当該水溶
液と接触させたままボイル処理を行う方法、あるいは、
常温又はあらかじめ加温状態にある水溶液に肉類を投入
し、投入直後にボイル処理温度まで加熱を開始してボイ
ル処理を行う方法である。つまり、本発明では、上記水
溶液に含まれるクエン酸ナトリウム及び塩類を肉類中に
浸透させることが重要なのであって、肉類にボイル処理
を施す以前において、肉類と上記水溶液とを接触させる
手段あるいは工程順が制限されることはない。なお、本
発明では、上例のうち前者の工程の方が好ましい。前者
の工程によれば、後者の方法に比べて肉類中に十分な量
の水溶液を浸透させた状態でボイル処理することができ
るため、肉類の食感改善効果が高いからである。
の温度は、特に制限されないが、本発明では、常温より
も加温状態であることが好ましい。ただし、加温状態の
水溶液を用いる場合には、その温度は60℃以下である
ことが好ましい。水溶液の温度が60℃を上回ると、肉
類表面の蛋白が熱で変性して硬化し始めるため、肉類の
中にクエン酸ナトリウム及び塩類を含む水溶液を浸透さ
せ難くなる傾向にあるからである。
む水溶液を浸透させた肉類に、ボイル処理を施す。上記
ボイル処理は、80℃以上、好ましくは85℃以上で、
5分〜60分の条件で行うことが好適である。本発明で
は、上記肉類と上記クエン酸ナトリウム及び塩類の水溶
液とを接触させた状態、例えば上記水溶液中に肉類を浸
漬した状態でボイル処理を行う。これによって、上記水
溶液と異なる水又は水溶液を用いる場合に比べて多量の
肉汁を保持し、かつ柔らかさの優れた肉類を得ることが
できる。
塩類を含む水溶液は、そのまま風味調整剤として使用
し、ボイル処理済みの肉類とともに食品に添加する。こ
れによって、上記水溶液中に流出した肉のうまみ成分を
食品などに添加することができるので、より肉の風味が
強い食品を製造することができる。上記水溶液を食品に
添加する場合には、食品全体の量に対して水溶液に含ま
れるクエン酸ナトリウム及び塩類それぞれの量を調整
し、好適な風味が得られるようにすればよい。
汁を保持した食感の柔らかいものであり、常温又はチル
ド流通させるために高温の加熱殺菌処理を施した場合で
あっても、従来のボイル処理済み肉類よりも優れた食感
と多量の肉汁を維持し得る。従って、上記処理を施した
肉類は、例えばレトルトカレー、チルド惣菜など、加熱
殺菌処理が施される保存性食品の具材として好適であ
る。
カット肉を、クエン酸ナトリウム2.0重量%及びクエ
ン酸ナトリウム以外の塩として塩化ナトリウム1.0重
量%を含む60℃の水溶液に30分間浸漬し、次いで当
該水溶液を加熱し、95℃まで昇温させて20分間保持
し、ボイル処理済のカット肉を得た。このボイル処理済
みカット肉14重量部、前記カット肉を浸漬したクエン
酸ナトリウム及び塩化ナトリウムの水溶液7重量部と、
カレーソース166重量部とをレトルトパウチに充填密
封し、121℃、21分間の加圧加熱殺菌を施し、レト
ルトカレーソース240重量部を得た。次いで、パウチ
を開封して、パウチ中のカット肉を取り出し、喫食した
ところ、レトルト殺菌を施されたにもかかわらず、ジュ
ーシーでやわらかい食感を有していた。また、上記カッ
ト肉及びカレーソースはいずれも好適なうまみと塩味の
相乗的な風味が感じられた。さらに、ボイル処理肉を使
用すると、ボイル処理中に肉のうまみ成分が流出して、
肉の風味が低減する傾向にあるが、当該レトルトカレー
ソースにおいては、肉の風味も十分強く感じられるもの
であった。
ウム及びクエン酸ナトリウム以外の塩を含む水溶液で処
理することと、当該水溶液を含むことにより、従来のボ
イル処理肉類に比べて柔らかくかつ十分な量の肉汁を維
持した肉類を含み、肉の強い風味を有する肉類含有食品
が得られる。
Claims (4)
- 【請求項1】 クエン酸ナトリウム及びクエン酸ナトリ
ウム以外の塩を含む水溶液に接触させてクエン酸ナトリ
ウム及びクエン酸ナトリウム以外の塩を浸透させたボイ
ル処理済み肉類と、上記肉類を接触させた後の上記水溶
液とを添加してなることを特徴とする肉類含有食品。 - 【請求項2】 水溶液中のクエン酸ナトリウムの量が、
該水溶液の全量に対して0.1重量%〜10重量%であ
ることを特徴とする請求項1記載の肉類含有食品。 - 【請求項3】 水溶液中のクエン酸ナトリウム以外の塩
の量が、該水溶液の全量に対して0.5重量%〜2重量
%であることを特徴とする請求項1記載の肉類含有食
品。 - 【請求項4】 肉類含有食品が、加圧加熱殺菌されたも
のであることを特徴とする請求項1記載の肉類含有食
品。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001316704A JP3404478B2 (ja) | 2001-10-15 | 2001-10-15 | 肉類含有食品 |
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---|---|---|---|
JP2001316704A JP3404478B2 (ja) | 2001-10-15 | 2001-10-15 | 肉類含有食品 |
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---|---|---|---|
JP10794098A Division JP3273758B2 (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 肉類の食感改善方法及び肉類含有食品 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP3404478B2 true JP3404478B2 (ja) | 2003-05-06 |
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ID=19134670
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001316704A Expired - Lifetime JP3404478B2 (ja) | 2001-10-15 | 2001-10-15 | 肉類含有食品 |
Country Status (1)
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---|---|
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Families Citing this family (2)
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JP4809297B2 (ja) * | 2007-06-18 | 2011-11-09 | ハウス食品株式会社 | 肉を具材として用いる煮込み食品の素 |
JP5379762B2 (ja) * | 2010-08-10 | 2013-12-25 | ハウス食品株式会社 | クリーム系ソース用組成物及びその製造方法 |
-
2001
- 2001-10-15 JP JP2001316704A patent/JP3404478B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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